説明

音声入力装置、通信装置、及び音声入力装置の動作方法

【課題】マイクロフォンの集音状態を的確に通話者に報知することが望まれている。
【解決手段】音声入力装置100は、通話者の発声に伴う音を集音するマイクロフォン10と、マイクロフォン10から供給される音声波形の処理に基づいて、通話者の発声が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、音声入力期間であるか否かを示す判定信号Sig_RDを出力する音声区間判定部31と、音声区間判定部31の出力に基づいて、音声区間判定部31による音声入力期間の検出状態を通話者に対して報知する報知部(LEDドライバ33及びLED50)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声入力装置、通信装置、及び音声入力装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用無線通信装置は、様々な環境下にて使用されるものであるが、ノイズ音が激しい環境下での使用も見込まれている。従って、ノイズ音が激しい環境下においても通話品質を確保するべく、業務用無線通信装置に対してノイズキャンセル機能を有するマイクロフォン装置を組み込む場合がある。
【0003】
なお、ノイズキャンセル方法は、1マイクロフォン方式、及び2マイクロフォン方式がある。1マイクロフォン方式では、1つのマイクロフォンにより受音して信号を生成し、この生成信号を音声成分とノイズ成分とに分離し、ノイズ成分を抑圧する処理が為される。2マイクロフォン方式では、音声集音用マイクロフォンに加えてノイズ音集音用マイクロフォンを設け、音声集音用マイクロフォンの出力信号に含まれるノイズ成分を、ノイズ音集音用マイクロフォンの出力信号を用いて除去する処理が為される。
【0004】
特許文献1は、通話時のハンズフリー機能使用時、使用者が音量レベルを把握できないことがある点を指摘し(同文献の段落0015参照)、同文献の図2のフローチャートに開示されているように、マイクにて音声を検出し、通知モードが選択されているとき、マイク音量レベルを通知する点が開示されている。なお、同文献の図6に開示されているように、マイク検出音量の使用者に対する通知は、ランプ(LED)を点灯制御する点が開示されている。
【0005】
特許文献2は、同文献の要約の開示から理解されるように、近接センサによって通話者の顔への接近を検出し、当該検出に応じて、デュアルマイクノイズキャンセル手段が能動化される点を開示する点を開示する。なお、通話者の顔への近接が検出されないときには、シングルマイクノイズキャンセル手段が能動化される。
【0006】
特許文献3は、同文献の図1及び図2の開示から理解されるように、マイクロホンアレイ(101)に対して抑圧量表示部(106)が対応づけて設けられている。同文献の段落0026には、マイクロホンアレイと抑圧量表示部とが筐体に対して一体となっていることによって、マイクロホンアレイの位置を基準として、抑圧される方向が把握できる点が開示されている。なお、特許文献3は、同文献の段落0002に記載されているように、電話会議システム及びテレビ会議システムの運用時に生じる問題が背景技術として説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−67240号公報
【特許文献2】特開2010−81495号公報
【特許文献3】特開2010−28531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
業務用無線通信装置は、一般的な携帯電話とは異なり、無線通信装置本体に対してマイクロフォンの位置が調整可能な外付けマイクロフォンとなっているタイプがある。このようなタイプの業務用無線通信装置では、マイクロフォンの位置が任意に調整可能であるため、個々の使用者間でマイクロフォンの保持位置にバラツキが生じ、個々の使用者間で使用者の発声の集音状態が変動してしまうおそれがある。発話者の発声を十分に集音するためには、発話者が適当な位置にマイクロフォンを保持し、これに対して発声することが望まれる。従って、業務用無線通信装置の使用者に対して、業務用無線通信装置の使用方法を事前教育する取り組みが行われている。しかしながら、現実的には、このような教育のみでは十分とは言えない場合がある。
【0009】
なお、業務用無線通信装置は、マイクロフォンを使用者の胸又は肩に装着して使用することを許容するものも多い。この場合にも、マイクロフォンが適当に位置になければ、使用者の発声を十分に集音することができない。
【0010】
上述の説明から明らかなように、マイクロフォンの集音状態を的確に通話者に報知することが望まれている。なお、上述の課題説明は、業務用無線通信装置の外付けマイクロフォンを一例として取り上げたものであり、この記載に基づいて本願発明を限定解釈することは許されない。例えば、本願発明は、外付けマイクロフォンをつけない、携帯用の無線通信装置本体や、業務用でない無線通信装置、無線通信装置以外の他の装置(音声入力装置など)に対して適用することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る音声入力装置は、通話者の発声音を集音する第1集音手段と、前記第1集音手段から供給される音声波形の処理に基づいて、前記発声音が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、前記音声入力期間であるか否かを示す判定信号を出力する音声入力期間検出手段と、前記判定信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する報知手段と、を備える。
【0012】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断する、と良い。
【0013】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第1集音手段から供給される音声波形と前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベル差に応じた出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断する、と良い。
【0014】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成して出力する信号生成手段と、を備える上記いずれかの音声入力装置であって、前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段の出力の変動に関わらず、前記信号生成手段の出力信号が所定閾値未満又は所定閾値以上である期間が、所定期間にわたって継続したことを検出し、当該検出に応じて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を停止する、と良い。
【0015】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第1集音手段から供給される音声波形と前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベル差に応じた出力信号を生成して出力する信号生成手段と、を備える上記いずれかの音声入力装置であって、前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段の出力の変動に関わらず、前記信号生成手段の出力信号が所定閾値未満又は所定閾値以上である期間が、所定期間にわたって継続したことを検出し、当該検出に応じて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を停止する、と良い。
【0016】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第2集音手段から供給される音声波形に対してフィルタ処理を実行するフィルタ手段と、前記フィルタ手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成手段と、を備える上記いずれかの音声入力装置であって、前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断する、と良い。
【0017】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、前記第2集音手段から供給される音声波形に対してフィルタ処理を実行するフィルタ手段と、前記フィルタ手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成手段と、を備える上記いずれかの音声入力装置であって、前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段の出力の変動に関わらず、前記信号生成手段の出力信号が所定閾値未満又は所定閾値以上である期間が所定期間にわたって継続したことを検出し、当該検出に応じて、前記音声入力期間検出手段による前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を停止する、と良い。
【0018】
前記フィルタ手段は、前記判定信号に応じたフィルタ処理を実行する、と良い。
【0019】
前記通話者が存在する周囲のノイズ音を集音する第2集音手段を備える上記いずれかの音声入力装置であって、前記第2集音手段と前記第1集音手段とは、当該音声入力装置の互いに異なる面に設けられている、と良い。
【0020】
前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段により前記音声入力期間が検出されたことを前記通話者に対して報知するべく、少なくとも1つの発光手段を点灯制御する、と良い。
【0021】
本発明に係る通信装置は、上記いずれかの音声入力装置を備える。
【0022】
本発明に係る音声入力装置の動作方法は、音声入力期間検出手段は、第1集音手段から供給される音声波形の処理に基づいて、通話者の発声が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、報知手段は、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する。本発明に係るプログラムは、左記した方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、マイクロフォンの集音状態を的確に通話者に報知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態1にかかる音声入力装置を具備する業務用無線通信装置の模式図である。
【図2】実施の形態1にかかる音声入力装置の概略的なブロック図である。
【図3】実施の形態1にかかるDSPの概略的なブロック図である。
【図4】実施の形態1にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図5】実施の形態1にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図6】実施の形態2にかかるDSPの概略的なブロック図である。
【図7】実施の形態2にかかる音声入力装置の動作を示す説明図である。
【図8】実施の形態2にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図9】実施の形態2にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図10】実施の形態2にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図11】実施の形態2にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【図12】実施の形態3にかかるDSPの概略的なブロック図である。
【図13】実施の形態3にかかる音声入力装置の動作を示す説明図である。
【図14】実施の形態3にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図15】実施の形態3にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図16】実施の形態3にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【図17】実施の形態3にかかる音声入力装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各実施形態は、互いに独立したものではなく、適宜組み合わせ可能であり、かつその組み合わせに基づく相乗効果も主張可能なものとする。図面は、発明説明を主として作成されたものであり、簡略的に表示されている部分も含む。同一要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。各実施形態間の重複説明は排除しているが、実施形態1でした説明は、その余の実施形態についても当然当てはまるものとする。
【0026】
実施の形態1
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る音声入力装置100は、通話者の発声に伴う音を集音するマイクロフォン10と、マイクロフォン10から供給される音声波形の処理に基づいて、通話者の発声が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、音声入力期間であるか否かを示す判定信号Sig_RDを出力する音声区間判定部31と、音声区間判定部31の出力に基づいて、音声区間判定部31による音声入力期間の検出状態を通話者に対して報知する報知手段/報知部(LEDドライバ33及びLED50)と、を備える。
【0027】
音声区間判定部31は、マイクロフォン10の出力波形の処理に基づいて通話者の発声が入力されている期間、つまり音声入力期間を検出する。LEDドライバ33は、音声区間判定部31の出力に応じて、LED50を駆動制御する。これによって、装置側での音声の検出状態を、通話者に対して的確に報知することが可能になる。
【0028】
装置側での音声の検出状態が劣化していれば、通話者は、マイクロフォン10の位置が良好ではない点を認識し、マイクロフォン10をより適当な位置に置くことができる。状況によっては、通話者は、マイクロフォン10への音伝搬が妨げられていることを認識し、マイクロフォン10への音伝搬を妨げている要因を排除することができる。例えば、通話者の胸又は肩にマイクロフォン10が位置する場合、通話者の衣服が音伝搬を妨げる場合がある。この場合であっても、装置側での音声の検出状態が通話者に対して報知されるため、通話者は、音伝搬を妨げる障害物の存在を認識し、その障害物を除去することが可能となる。
【0029】
音声区間判定部31は、VAD(Voice Activity Detection)という手法によって音声/非音声を判定する。従って、ヒトの声以外のノイズ音の影響を抑制した態様で、通話者の発声の集音状態を検出することが可能となる。この点は、ノイズ音が激しい環境でも使用が見込まれる業務用無線通信装置においては特に有利な効果である。入力音声波形の強度レベルを報知するのみの場合、ノイズ音の強度レベルも含まれるため、ノイズ音が激しい環境では意味を為さない。
【0030】
以下、図1乃至図5を参照して、より具体的に説明する。図1は、音声入力装置を具備する業務用無線通信装置の模式図であり、図1(a)は音声入力装置100の前面図であり、図1(b)は音声入力装置100の背面図である。図2は、音声入力装置の概略的なブロック図である。図3は、DSPの概略的なブロック図である。図4及び図5は、音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
【0031】
図1に示すように、業務用無線通信装置(以下、単に無線通信装置と呼ぶ)900には、着脱可能な音声入力装置(音声入力装置)100が取り付けられる。無線通信装置900は、一般的な無線機であり、所定周波数において他の無線装置と無線通信可能に構成されている。無線通信装置900には、音声入力装置100を介して、通話者の音声が入力される。音声入力装置100を介して、無線通信装置900に入力された通話者の音声は送受信部901により所定周波数の搬送波に重畳されて送信される。一方、他の通信装置から送信された音声信号は、無線通信装置900の送受信部901により受信される。なお、図1の例では、音声入力装置100は、無線通信装置900に着脱可能となっているが、本実施例は、音声入力装置100が、無線通信装置900に内蔵されるものであっても適用可能である。
【0032】
音声入力装置100は、本体101、コード102、及びコネクタ103を有する。本体101は、通話者の手で把持されるのに適するサイズ及び形状に構成されており、マイクロフォン、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)、スイッチ素子、電子回路、及び機械的要素を内蔵する。本体101は、筐体に対して部品を組み込むことで製造される。本体101は、コード102を介して無線通信装置900に対して電気的に接続される。コード102は、音声信号、制御信号等の伝送線を包含する線状部材である。コネクタ103は、一般的なコネクタであり、無線通信装置900に設けられた対をなす他方のコネクタに対して嵌め合わされる。例えば、音声入力装置100へは無線通信装置900から電源が供給される。無線通信装置900は、送信・受信部901を備えている。
【0033】
図1(a)に示すように、本体101の前面には、スピーカー106及び音声集音用マイクロフォン105が設けられている。図1(b)に示すように、本体101の背面には、ノイズ音集音用マイクロフォン108及びベルトクリップ107が設けられている。本体101の頂面には、LED(Light Emitting Diode)109が設けられている。本体101の側面には、PTT(Push To Talk)部104が設けられている。LED109は、音声入力装置100による通話者の音声の検出状態を通話者に対して報知する機能部である。PTT部104は、無線通信装置900を音声送信状態とするためのスイッチであり、突起状部分が筐体内に押し込まれることを検出する。音声集音用マイクロフォン105を介して無線通信装置900に入力された通話者の音声は、PTT部104が押下されている間、送受信部901により所定周波数の搬送波に重畳されて送信される。無線通信装置900はPTT部104が押下されていないときは受信待ち受け状態となっており、送受信部901で所定周波数において他の通信装置からの音声信号が受信されると、受信状態に切り替わる。無線通信装置900が受信状態のとき、音声入力装置100のスピーカー106は無線通信装置900の送受信部901を介して受信した通信装置からの音声信号を出力する。なお、音声入力装置100の具体的な構成は、これに限らず任意である。
【0034】
図2に示すように、音声入力装置100は、マイクロフォン10、11、A/D変換部20、D/A変換部25、DSP(Digital Signal Processor)30、LED50、およびトランジスタ60を具備する。マイクロフォン10は、図1に示した音声集音用マイクロフォン105に対応する。マイクロフォン11は、図1に示したノイズ音集音用マイクロフォン108に対応する。トランジスタ60は、PTT部104に対応し、突起状部分が筐体内に押し込まれることでターンオンする。DSP30は、例えば、多機能型のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の半導体チップから構成される。
【0035】
図2に示すように、マイクロフォン10は、A/D変換部20に接続され、マイクロフォン11の出力は、A/D変換部20に接続される。A/D変換部20の出力は、DSP30に接続される。DSP30の出力は、LED50、D/A変換部25に接続される。
トランジスタ60は、DSP30とグランド電位との間に接続される。
【0036】
マイクロフォン10は、アナログ音声波形AS1を出力し、これは、A/D変換部20によりデジタル値に変換され、音声波形信号Sig_V1としてDSP30に入力する。
マイクロフォン11は、アナログ音声波形AS2を出力し、これは、A/D変換部20によりデジタル値に変換され、音声波形信号Sig_V2としてDSP30に入力する。DSP30は、音声波形信号Sig_V1、Sig_V2に基づいて、ノイズ成分が抑制された音声波形信号を生成し、これを無線通信装置900に対して送信する。DSP30は、無線通信装置900から受信した音声波形信号をD/A変換部25に対して供給する。なお、D/A変換部25により生成されたアナログ音声波形は、スピーカーに対して供給される。本実施形態では、DSP30は、音声波形信号Sig_V1をVAD(Voice Activity Detection)処理して音声区間を検出し、これに応じて、LED50を駆動する。この点は、後述の説明からより具体的となる。
【0037】
図3に示すように、DSP30は、音声区間判定部31、フィルタ部32、LEDドライバ33、及び減算器34を有する。音声波形信号Sig_V1は、音声区間判定部31及び減算器34に供給される。音声波形信号Sig_V2は、フィルタ部32に対して供給される。音声区間判定部31が出力する判定信号Sig_RDは、フィルタ部32及びLEDドライバ33に供給される。減算器34の出力Sig_V0は、無線通信装置90に対して供給される。LEDドライバ33の出力Sig_RDは、LED50に対して供給される。
【0038】
音声区間判定部31は、音声波形信号Sig_V1に対する処理に基づいて音声入力期間と音声非入力期間とを判別し、この判定結果を示す判定信号Sig_RDを出力する。
なお、音声入力期間は、通話者が発声している期間に対応し、音声非入力期間は、通話者が発声していない期間に対応する。
【0039】
音声区間判定部31が音声入力期間及び音声非入力期間を判別する具体的な手法は任意である。例えば、音声区間判定部31は、入力波形を離散コサイン変換し、周波数軸上で単位時間当たりのエネルギー変化量を得て、このエネルギー変化態様が所定条件を満足するとき、音声入力期間を検出したと判定する。音声区間判定部31の音声入力期間及び音声非入力期間を判別する具体的な手法については、例えば特開2004−272952、特開2009−294537に記載されている内容などを適宜適用することも可能である。本出願には、これらの公報の開示内容が組み込まれているものとする。
【0040】
フィルタ部32は、例えば、LMS適応フィルタから構成され、適応的にフィルタを収束させ、出力Sig_V0と音声波形信号Sig_V2とを元に、ノイズ音の伝達関数を推定し、波形信号Sig_OLを生成するフィルタ処理を実行する。すなわち、音声集音用マイクロフォン105とノイズ音集音用マイクロフォン108とは配置位置が異なっているので、フィルタ部32は音声の伝達経路や反射などにより生じる音声波形信号Sig_V1と音声波形信号Sig_V2との伝達関数の差などを利用して、音声波形信号Sig_V2に含まれるノイズ音の伝達関数を推定し、波形信号Sig_OLを生成する。上述のように、音声区間判定部31からフィルタ部32へは判定信号Sig_RDが供給される。フィルタ部32は、この判定信号Sig_RDに基づいて音声入力期間及び音声非入力期間を検出し、各期間に適したノイズ音の伝達関数の推定を実行する。具体例として、LMS適応フィルタでは、学習同定法を使用して適応的にフィルタを収束させるが、このとき、判定信号Sig_RDを利用し、音声入力期間、非音声入力期間に分けて学習することが考えられる。従って、音声波形信号Sig_V2に含まれるノイズ音の伝達関数をより確実に推定出来る。フィルタ部32は、音声波形信号Sig_V2に基づいて生成した波形信号Sig_OLを減算器34に対して供給する。なお、フィルタ部32が実行するフィルタ処理の内容は、上述の具体例に限定されるべきものではない。上述の場合、フィルタ部32は、音声波形信号Sig_V2に対して、音声区間判定部31から供給される判定信号Sig_RDに応じたノイズ音の伝達関数の推定処理を実行する(換言すれば、フィルタ部32は、推定処理を実行する推定手段(推定部)として機能する)。例えば、判定信号Sig_RDのレベルに応じて、フィルタ部32により実行されるフィルタ処理の内容を切り替えることによって、発声時/非発声時に適したフィルタ処理等を実現することができる。判定信号Sig_RDが非発声(音声区間ではないこと)を示すとき、消費電力の低減等のため、フィルタ部32を停止状態(非活性状態)としても良い。波形信号Sig_OLは、このようなフィルタ部32によるフィルタ処理により生成されるが、この例に限定されるべきものではない。
【0041】
LEDドライバ33は、LED50を駆動するドライバ回路である。LEDドライバ33は、判定信号Sig_RDが音声入力期間を示すとき、LED50を発光させるべく、LED50に対して駆動電流を供給する。LEDドライバ33は、判定信号Sig_RDが音声非入力期間を示すとき、LED50に対して駆動電流を供給しない。なお、判定信号Sig_RDとLED50の発光状態の関係を逆としても良い。
【0042】
減算器34は、音声波形信号Sig_V1から波形信号Sig_OLを減算処理する。
これによって、音声波形信号Sig_V1に含まれるノイズ成分の抑圧を実現することができる。
【0043】
図4及び図5を参照して、音声入力装置100の動作について説明する。図4に示すとき、音声入力装置100は、適当な位置にあり、通話者の発声を十分に集音している。このとき、音声集音用マイクロフォン105は、口が近いため音声が大きく入り、ノイズ音集音用マイクロフォン108は、口と反対側の面となるため音声がほとんど入っていない状態となる。また、ノイズ音は、音源が十分遠方にあるため音声集音用マイクロフォン105とノイズ音集音用マイクロフォン108の両方に同じくらい入っている状態である。図5に示すとき、音声入力装置100は、適当な位置になく、通話者の発声を十分に集音できていない。なお、図4及び図5では、LED50が点灯している状態をLEDの点灯状態ONとし、LED50が消灯している状態をLEDの点灯状態OFFとしている。
【0044】
図4に示すとき、音声波形信号Sig_V1は、振幅が大きい期間と、振幅が小さい期間に明確に分かれている。すなわち、音声とノイズが明確に識別できる。音声区間判定部31は、音声波形信号Sig_V1に対して上述の演算処理を実行し、音声入力期間及び音声非入力期間を判定し、これに応じた判定信号Sig_RDを出力する。なお、判定信号Sig_RDは、例えば、Hレベル及びLレベル間を変動する2値信号である。Hレベルの判定信号Sig_RDは、音声入力期間を示す。Lレベルの判定信号Sig_RDは、音声非入力期間を示す。判定信号Sig_RDがHレベルのとき、LEDドライバ33は、LED50に対して電流供給し、これに応じてLED50は点灯する。判定信号Sig_RDがLレベルのとき、LEDドライバ33は、LED50に対して電流供給せず、LED50は消灯した状態を保つ。
【0045】
図4に示すように、時刻t1−t2間において、LED50はONする。時刻t3−t4、時刻t5−t6、時刻t7−t8の期間においても同様である。この場合、LED50は、遅い周期でON/OFFを繰り返す。
【0046】
図5に示すとき、音声波形信号Sig_V1は、振幅が大きい期間と、振幅が小さい期間に明確に分かれてなく、両者の境界が明確ではない。すなわち、音声がノイズ音に埋もれている。音声区間判定部31は、音声波形信号Sig_V1に対して上述の演算処理を実行し、音声入力期間及び音声非入力期間を判定し、これに応じた判定信号Sig_RDを出力する。判定信号Sig_RDがHレベルのとき、LEDドライバ33は、LED50に対して電流供給し、これに応じてLED50は点灯する。判定信号Sig_RDがLレベルのとき、LEDドライバ33は、LED50に対して電流供給せず、LED50は消灯した状態を保つ。
【0047】
図5に示すように、時刻t1−t2間において、LED50はONする。時刻t3−t4、時刻t5−t6、時刻t7−t8、時刻t9−t10、時刻t11−t12、時刻t13−14間においても同様である。このように、LED50は、早い周期でON/OFFを繰り返す。
【0048】
図4及び図5の対比から理解されるように、LED50のON/OFFは、音声入力装置100が通話者の発声を十分に集音できているか否かに依存している。従って、通話者は、通話時、LED50を見て、LED50が、自身が発声している期間に同調動作しているか否かを確認することができる。換言すれば、LED50の動作状態を音声入力期間に同調させることで、通話者に対して装置側における音声の検出状態を報知することができる。LED50の動作状態を音声非入力期間に同調させたとしても同様の効果を得ることができるが、直感的に集音状態を使用者に訴える直感性は劣る。
【0049】
上述の説明から明らかなように、本実施形態に係る音声入力装置100は、音声入力期間を検出し、この検出した音声入力期間に同調してLEDを駆動制御する。これによって、装置側での音声の検出状態を、通話者に対して報知することが可能になる。
【0050】
一般的な携帯電話では、携帯電話本体においてマイクロフォンの位置が固定されている。従って、マイクロフォンの位置が適切ではないために、通話者の発声を十分に集音することができないという状態は想定し難い。他方、本実施形態のような業務用無線通信装置においては、装置本体に対して音声入力装置がコードを介して接続され、装置本体に対する音声入力装置の位置が調整可能となっている。従って、十分な事前教育をもってしても、多数の通話者間で音声入力装置の位置を適切なものとすることは容易ではない。
【0051】
本実施形態では、この点に鑑みて、上述のように、音声入力期間を検出し、この検出した音声入力期間に同調してLEDを駆動制御し、通話者に対して現在の音声入力装置の位置が適切か否かを知らせる。これによって、音声入力装置による集音状態をより適切なものとすることが促される。
【0052】
上述のように、音声入力装置の集音状態の適切化によって、音声波形信号Sig_V1に含まれるノイズ成分もより十分に抑圧することが可能となることが見込まれ、結果として、業務用無線通信装置から送信される音声の品質を向上することができる。
【0053】
実施の形態2
図6乃至図11を参照して実施の形態2について説明する。本実施形態に係る音声入力装置100は、マイクロフォン11から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成して出力するレベル差検出部35(より端的には、レベル差検出部35は、マイクロフォン10から供給される音声波形とマイクロフォン11から供給される音声波形の強度レベル差に応じた信号を生成する)を備え、音声区間判定部31から出力される判定信号Sig_RD及びレベル差検出部35の出力信号に基づいて、音声区間判定部31による音声入力期間の検出状態を通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断する。これによって、ノイズ音集音用マイクロフォンも含めて音声入力装置の集音状態が適切か否かを報知することが可能となる。例えば、ノイズ音集音用マイクロフォンの集音状態が悪いこと、又は音声集音用及びノイズ音声集音用マイクロフォンの双方に対して同時に通話者の発声音が入力されていることを検出することができ、これを通話者に対して報知することができる。なお、本実施形態においても、実施の形態1と同様の構成を含み、これにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0054】
図6は、DSPの概略的なブロック図である。図7は、音声入力装置の動作を示す説明図である。図8乃至図10は、音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。図11は、音声入力装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、DSP30は、レベル差検出部(レベル差信号生成部、信号生成部、信号生成手段)35、状態判定部36、およびタイマー37を更に備える。レベル差検出部35は、RMS変換部35a、35b、及び減算器35cを含む。なお、本実施形態では、報知手段/報知部は、状態判定部36、タイマー37、LEDドライバ33、LED50を含んで構成されるが、これに限られるべきものではない。レベル差検出部35は、音声波形信号Sig_V2の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成手段として機能する。
【0056】
音声波形信号Sig_V1は、RMS変換部35aに供給される。音声波形信号Sig_V2は、RMS変換部35bに供給される。減算器35cには、RMS変換部35a、35bの各出力が供給される。減算器35cの出力は、状態判定部36に供給される。状態判定部36とタイマー37と相互に接続される。音声区間判定部31の出力は、状態判定部36に対して供給される。
【0057】
RMS変換部35aは、音声波形信号Sig_V1の信号強度レベルを求めるために、音声波形信号Sig_V1をRMS(Root Mean Square)変換し、変換された値を出力する。同様に、RMS変換部35bは、音声波形信号Sig_V2の信号強度レベルを求めるために、音声波形信号Sig_V2をRMS変換し、変換された値を出力する。RMS変換とは、二乗平均平方根という算出処理を行うことを意味する。より具体的には、入力値を2乗した上で相加平均し平方根をとる。これによって、変動値の強度レベルが算出される。
【0058】
減算器35cは、RMS変換部35bの出力レベル値からRMS変換部35aの出力レベル値を減算する。これによって、音声波形信号Sig_V1と音声波形信号Sig_V2間のレベル差に応じたレベル差信号(Sig_DL)が生成される。
【0059】
状態判定部36は、音声区間判定部31から供給される判定信号Sig_RDとレベル差検出部35から供給されるレベル差信号Sig_DLとに基づいてLEDドライバ33を制御する。例えば、状態判定部36は、判定信号Sig_RDの値をまず参酌し、次に、レベル差信号Sig_DLと閾値を減算する。これによって、状態判定部36は、図7に示す状態1乃至3のいずれかの状態を検出する。
【0060】
図7乃至図10を参照して、状態判定部36の動作について説明する。なお、図7の状態1は、図8に示す状態に対応し、図7の状態2は、図9に示す状態に対応し、図7の状態3は、図10に示す状態に対応する。
【0061】
図8は、図4に示す状態と同様の状態である。
【0062】
図9は、例えば、ノイズ音集音用マイクロフォン108が衣服などで塞がれた状態である。図9では、音声集音用マイクロフォン105は、音声が大きく入っているが、ノイズ音集音用マイクロフォン108には、音声もノイズ音もほとんど入っていない。業務用無線通信装置においては、音声入力装置100を衣服に付けたまま通話者が発声する場合があり、図9の状態は、その場合に発生しやすい状態である。
【0063】
図10は、例えば、音声入力装置100の持ち方が悪く、通話者が音声集音用マイクロフォン105の正面に向って話していない(または、口の位置が離れている)状態である。図10では、音声集音用マイクロフォン105とノイズ音集音用マイクロフォン108に音声もノイズ音も同じレベルで入力されている。業務用無線通信装置においては、音声入力装置100を衣服に付けたまま通話者が発声する場合に加えて、音声入力装置100を腹部の衣服に付けたまま、通話者が発声する場合があり、図10の状態はその場合に発生しやすい状態である。
【0064】
図7に示す状態1のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th1未満であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th1以上である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が適切なものと判断する。その後、状態判定部36は、判定信号Sig_RDをLEDドライバ33に供給する。LEDドライバ33は、実施の形態1と同様、判定信号Sig_RDがHレベルのとき点灯し、判定信号Sig_RDがLレベルのとき消灯する。図8から理解されるように、LED50は、実施の形態1に示した図4の場合と同様、遅い周期でON/OFFを繰り返す。
【0065】
図7に示す状態2のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th2未満であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th2未満である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が不適切なものと判断する。端的には、ノイズ音声集音用マイクロフォンの集音状態が悪いことを検出する。状態判定部36は、この状態が所定時間継続すると、LEDドライバ33に対して供給する信号をLレベルに固定する。これによって、LED50が消灯した状態となり、通話者に対して音声入力装置の集音状態の異常を報知することが可能となる。図9から理解されるように、LED50は、途中から強制的に消灯している。
【0066】
図7に示す状態3のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th3以上であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル差信号Sig_DLは閾値th3以上である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が不適切なものと判断する。端的には、音声集音用及びノイズ音声集音用マイクロフォンの双方に対して通話者の発声音が入力されていることを検出する。状態判定部36は、この状態が所定時間継続すると、LEDドライバ33に対して供給する信号をLレベルに固定する。これによって、LED50が消灯した状態となり、通話者に対して音声入力装置の集音状態の異常を報知することが可能となる。図10から理解されるように、LED50は、途中から強制的に消灯している。
【0067】
図11を参照して、音声入力装置100の動作を補足的に説明する。まず、図7に示した状態1にあり、音声入力装置100は、この状態に応じた動作状態となっている。その後、判定信号Sig_RDの値がL期間であって、レベル差信号Sig_DLが閾値th2未満となる、又は判定信号Sig_RDの値がH期間であってレベル差信号Sig_DLが閾値th3より大きくとなる(S100)。つまり、状態1にある状態から判定信号Sig_RDの値が変化しているにも関わらず、レベル差信号Sig_DLが閾値th2、
又は閾値th3の値と比較して変化しない状態を検出する。この状態は、状態判定部36によって、レベル差信号Sig_DLと閾値との比較に基づいて検出される。次に、状態判定部36は、タイマーを起動する(S101)。タイマー37は、時間計測を開始する。次に、状態判定部36は、タイマー37の計測時間が所定時間Tm1を超えたか否かを判定する(S102)。タイマー37の計測時間が所定時間を超えるまで、ステップS100〜S102を繰り返す。なお、タイマー37が起動された状態のとき、ステップS101はパスされ実行されない。また、S100において、判定信号Sig_RDの値がH期間であってレベル差信号Sig_DLが閾値th2未満となる、又は判定信号Sig_RDの値がL期間であってレベル差信号Sig_DLが閾値th3以上となっていることが検出されなければ、状態判定部36は、タイマー37を初期化し(S106)、状態1の動作状態を継続する。典型的には、閾値th1,th2、th3はすべて同一の値とする。他の例として、閾値th1>th2>th3としてもよい。他の例では、ノイズ音集音用マイクロフォン108が服などによりふさがれたことによる消灯を鈍くするとともに、音声入力装置100の前面及び背面間の横側面に、通話者の口が向いている状態による、消灯をさらに鈍くすることができる。閾値th1,th2、th3は、状況や環境に合わせて適宜設定する。
【0068】
タイマー37の計測時間が所定時間Tm1を超えると(S102)、状態判定部36は、この状態を検出し、LEDを強制消灯する(s103)。その後、状態判定部36は、判定信号Sig_RDがLレベルであり、レベル差判定信号が閾値th2より大きくなっていることを検出すると(S104)、LED消灯を解除及びタイマーを初期化し(S105)、状態1の動作状態へ復帰する。S104の状態を検出ではない場合にも、状態判定部36は、判定信号Sig_RDがHレベルであり、レベル差判定信号が閾値th3未満となることを検出すると(S107)、LED消灯を解除及びタイマーを初期化し(S105)、状態1の動作状態へ復帰する。ステップS107をパスしなければ、ステップS103の状態を継続する。なお、図11において、S100、S101、S102、S106、の処理は、状態2または3への移行を検出するのにSig_RDを参照することとしたが、Sig_RDのLまたはHが続くには不自然すぎるほど長い期間にわたって判定信号Sig_DL<Th2または判定信号Sig_DL≧Th3の状態が続いたことを検出することで、Sig_RDを参照せずに、状態2または状態3になったことを検出し、LED50を消灯するようにしてもよい。すなわち、図7を見れば、状態1では、判定信号Sig_RDがHまたはLに変化することに対応して、Sig_DLがTh1の値と比較して上下している。しかし、状態2では、判定信号Sig_RDがHからLに変化しても、Sig_DLが変化しない状態であるので、例えば、Sig_DL<Th2の期間をタイマーで検出し、TIME>Tm3(Tm3はSig_RD=Hが続くには不自然すぎるほど長い期間、すなわち音声区間が続くには不自然すぎるほど長い期間であって、例えば、5S程度を設定する。)を満たしたことを検出することで、状態1のように判定信号Sig_DLが正しくSig_RDに追従しておらず、状態2になったと推測して、LEDを消灯するようにしてもよい。
同様に、状態3でも、判定信号Sig_RDがLからHに変化しても、Sig_DLが≧th3であり続ける状態であるので、例えば、Sig_DL≧th3の期間をタイマーで検出し、TIME>Tm4(Tm4はSig_RD=Lが続くには不自然すぎるほど長い期間、すなわち音声区間が続くには不自然すぎるほど長い期間であって、例えば、5S程度を設定する。)を満たしたことを検出することで、状態1のように判定信号Sig_DLが正しくSig_RDに追従しておらず、状態3になったと推測して、LEDを消灯するようにしてもよい。
【0069】
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、ノイズ音集音用マイクロフォンも含めて、音声入力装置の集音状態を判定し、現在の音声入力装置の集音状態を通話者に対して報知する。
【0070】
具体的に説明すれば、次のとおりである。図1に示したように、ノイズ音集音用マイクロフォン108は、音声集音用マイクロフォン105の反対側に設けられることが多い。この場合、図1(b)の背面側を通話者の胸又は肩に装着すると、通話者の服等によって、ノイズ音集音用マイクロフォン108まで外来音が伝搬することが妨げられるおそれがある。本実施形態では、図9に示すように、ノイズ音集音用マイクロフォン108の集音状態が悪いことを検出し、これを通話者に対して報知する。これによって、音声波形信号Sig_V1に含まれるノイズ成分をより十分に抑圧することが可能となり、業務用無線通信装置から送信される音声の品質を効果的に向上させることが可能となる。
【0071】
また、図1に示したように、音声集音用マイクロフォン105とノイズ音集音用マイクロフォン108とは近接して設けられている結果、通話者の発声音が各マイクロフォンに対して同時に伝搬してしまう場合も見込まれる(例えば、音声入力装置100の前面及び背面間の横側面に、通話者の口が向いている状態がこれに相当する)。本実施形態では、図10に示すように、各マイクロフォンに対して通話者の発声音が入力していることを検出し、これを通話者に対して報知する。これによって、音声波形信号Sig_V1に含まれるノイズ成分をより十分に抑圧することが可能となり、業務用無線通信装置から送信される音声の品質を効果的に向上させることが可能となる。
【0072】
実施の形態3
図12乃至図17を参照して実施の形態3について説明する。本実施形態に係る音声入力装置100は、マイクロフォン11から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成して出力するRMS変換部38を備え、音声区間判定部31から出力される判定信号Sig_RD及びRMS変換部38の出力信号に基づいて、音声区間判定部31による音声入力期間の検出状態を通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断する。これによって、ノイズ音集音用マイクロフォンも含めて音声入力装置の集音状態が適切か否かを報知することが可能となる。本実施形態では、実施の形態2とは異なり、RMS変換部38の出力信号の強度レベルに基づいて状態判定が為され、当該状態判定結果に応じてLEDの動作状態が制御される。このような場合であっても、上述の実施形態と同様、ノイズ音集音用マイクロフォンも含めて、音声入力装置の集音状態を通話者に報知することができ、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。音声波形信号Sig_V1からノイズ成分をより十分に抑圧することが可能となり、送信される音声の品質を向上させることが可能となる。なお、実施の形態2と比較して、構成要素の簡略化を図ることもできる。
【0073】
図12は、DSPの概略的なブロック図である。図13は、音声入力装置の動作を示す説明図である。図14乃至図16は、音声入力装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。図17は、音声入力装置の動作を示す概略的なフローチャートである。
【0074】
図12に示すように、DSP30は、RMS変換部(信号生成部、信号生成手段)38を含む。RMS変換部38には、フィルタ部32の出力が供給される。RMS変換部38の出力は、状態判定部36に供給される。なお、本実施形態では、報知手段は、状態判定部36、タイマー37、LEDドライバ33、LED50を含んで構成されるが、これに限られるべきものではない。RMS変換部38は、音声波形信号Sig_V2の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成手段として機能する。
【0075】
RMS変換部38は、波形信号Sig_OLの信号強度レベルを求めるために、波形信号Sig_OLをRMS(Root Mean Square)変換してレベル信号Sig_RLを生成する。状態判定部36は、判定信号Sig_RDとレベル信号Sig_RLに基づいて状態を判定し、検出した状態に応じてLEDドライバ33を駆動制御する。例えば、状態判定部36は、判定信号Sig_RDの値をまず参酌し、次に、レベル信号Sig_RLから閾値を減算する。これによって、状態判定部36は、図13に示す状態1乃至3のいずれかの状態を検出する。
【0076】
図13乃至図16を参照して、状態判定部36の動作について説明する。なお、図13の状態1は、図14に示す状態に対応し、図13の状態2は、図15に示す状態に対応し、図13の状態3は、図16に示す状態に対応する。図14は、図4や図8に示す状態と同様の状態である。図15は、図9に示す状態と同様の状態である。図16は、図10に示す状態と同様の状態である。
【0077】
図13に示す状態1のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th4未満であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th4以上である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が適切なものと判断する。その後、状態判定部36は、判定信号Sig_RDをLEDドライバ33に供給する。LEDドライバ33は、実施の形態1と同様、判定信号Sig_RDがHレベルのとき点灯し、判定信号Sig_RDがLレベルのとき消灯する。図14から理解されるように、LED50は、実施の形態1に示した図4の場合と同様、低周期でON/OFFを繰り返す。
【0078】
図13に示す状態2のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th5未満であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th5未満である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が不適切なものと判断する。端的には、ノイズ音声集音用マイクロフォンの集音状態が悪いことを検出する。状態判定部36は、この状態が所定時間継続すると、LEDドライバ33に対して供給する信号をLレベルに固定する。これによって、LED50が消灯した状態となり、通話者に対して音声入力装置の集音状態の異常を報知することが可能となる。図15から理解されるように、LED50は、途中から強制的に消灯している。
【0079】
図13に示す状態3のとき、判定信号Sig_RDがHレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th6以上であり、判定信号Sig_RDがLレベルの期間、レベル信号Sig_RLは閾値th6以上である。状態判定部36は、この状態を検出し、現在の音声入力装置の集音状態が不適切なものと判断する。端的には、音声集音用及びノイズ音声集音用マイクロフォンの双方に対して通話者の発声音が入力されていることを検出する。状態判定部36は、この状態が所定時間継続すると、LEDドライバ33に対して供給する信号をLレベルに固定する。これによって、LED50が消灯した状態となり、通話者に対して音声入力装置の集音状態の異常を報知することが可能となる。図16から理解されるように、LED50は、途中から強制的に消灯している。
【0080】
図17を参照して、音声入力装置100の動作を補足的に説明する。なお、まず、図7に示した状態1にあり、音声入力装置100は、この状態に応じた動作状態となっている。その後、判定信号Sig_RDがLレベルであり、レベル信号Sig_RLが閾値th5未満となる、又は判定信号Sig_RDがHレベルであり、レベル信号Sig_RLが閾値th6以上となる(S200)。この状態は、状態判定部36によって、レベル信号Sig_RLと閾値との比較に基づいて検出される。次に、状態判定部36は、タイマーを起動する(S201)。タイマー37は、時間計測を開始する。次に、状態判定部36は、タイマー37の計測時間が所定時間Tm2を超えたか否かを判定する(S202)。タイマー37の計測時間が所定時間を超えるまで、ステップS200〜S202を繰り返す。なお、タイマー37が起動された状態のとき、ステップS201はパスされ実行されない。また、S200において、判定信号Sig_RDがLレベルであり、レベル信号Sig_RLが閾値th5未満となる、又は判定信号Sig_RDがHレベルであり、レベル信号Sig_RLが閾値th6以上となることが検出されなければ、状態判定部36は、タイマー37を初期化し(S206)、状態1の動作状態を継続する。典型的には、閾値th4,th5、th6はすべて同一の値とする。
他の例として、閾値th4>th5>th6とする。このことにより、ノイズ音集音用マイクロフォン108が服などによりふさがれたことによる消灯を鈍くするとともに、音声入力装置100の前面及び背面間の横側面に、通話者の口が向いている状態による、消灯をさらに鈍くすることができる。閾値th4,th5、th6の設定は、状況や環境に合わせて適宜設定する。
【0081】
タイマー37の計測時間が所定時間Tm2を超えると(S202)、状態判定部36は、この状態を検出し、LEDを強制消灯する(s203)。その後、状態判定部36は、判定信号Sig_RDがLレベルであり、レベル差判定信号が閾値th5以上となることを検出すると(S204)、LED消灯を解除及びタイマーを初期化し(S205)、状態1の動作状態へ復帰する。S204の状態を検出ではない場合にも、状態判定部36は、判定信号Sig_RDがHレベルであり、レベル差判定信号が閾値th6未満となることを検出すると(S207)、LED消灯を解除及びタイマーを初期化し(S205)、状態1の動作状態へ復帰する。ステップS207をパスしなければ、ステップS203の状態を継続する。なお、図17において、S200、S201、S202、S206、の処理は、状態2または3への移行を検出するのにSig_RDを参照することとしたが、Sig_RDのLまたはHが続くには不自然すぎるほど長い期間にわたって判定信号Sig_DL<Th5または判定信号Sig_DL≧Th6の状態が続いたことを検出することで、Sig_RDを参照せずに、状態2または状態3になったことを検出し、LED50を消灯するようにしてもよい。すなわち、図13を見れば、状態1では、判定信号Sig_RDがHまたはLに変化することに対応して、Sig_DLがTh4の値と比較して上下している。しかし、状態2では、判定信号Sig_RDがHからLに変化しても、Sig_DLが変化しない状態であるので、例えば、Sig_DL<Th5の期間をタイマーで検出し、TIME>Tm5(Tm5はSig_RD=Hが続くには不自然すぎるほど長い期間、すなわち音声区間が続くには不自然すぎるほど長い期間であって、例えば、5S程度を設定する。)を満たしたことを検出することで、状態1のように判定信号Sig_DLが正しくSig_RDに追従しておらず、状態2になったと推測して、LEDを消灯するようにしてもよい。同様に、状態3でも、判定信号Sig_RDがLからHに変化しても、Sig_DLが≧th6であり続ける状態であるので、例えば、Sig_DL≧th6の期間をタイマーで検出し、TIME>Tm6(Tm6はSig_RD=Lが続くには不自然すぎるほど長い期間、すなわち音声区間が続くには不自然すぎるほど長い期間であって、例えば、5S程度を設定する。)を満たしたことを検出することで、状態1のように判定信号Sig_DLが正しくSig_RDに追従しておらず、状態3になったと推測して、LEDを消灯するようにしてもよい。
【0082】
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、ノイズ音集音用マイクロフォンも含めて、音声入力装置の集音状態を判定し、現在の音声入力装置の集音状態を通話者に対して報知する。
【0083】
具体的に説明すれば、次のとおりである。図1に示したように、ノイズ音集音用マイクロフォン108は、音声集音用マイクロフォン105の反対側の面に設けられることが多い。この場合、図1(b)の背面側を通話者の胸又は肩に装着すると、通話者の服等によって、ノイズ音集音用マイクロフォン108まで外来音が伝搬することが妨げられるおそれがある。本実施形態では、図15に示すように、ノイズ音集音用マイクロフォン108の集音状態が悪いことを検出し、これを通話者に対して報知する。これによって、ノイズ音を十分に集音し、これに基づいて音声波形信号Sig_V1に含まれるノイズ成分の抑圧処理をすることが可能となり、業務用無線通信装置から送信される音声の品質を効果的に向上させることが可能となる。
【0084】
また、図1に示したように、音声集音用マイクロフォン105とノイズ音集音用マイクロフォン108とは近接して設けられている結果、通話者の発声音が各マイクロフォンに対して同時に伝搬してしまう場合も見込まれる(例えば、音声入力装置100の前面及び背面間の横側面に、通話者の口が向いている状態がこれに相当する)。本実施形態では、図16に示すように、各マイクロフォンに対して通話者の発声音が入力していることを検出し、これを通話者に対して報知する。これによって、ノイズ音集音用マイクロフォン108に通話者の音声が入力し、音声入力装置100によるノイズ抑圧処理によって、通話者の音声自体が抑圧されてしまうことを効果的に回避することが可能となり、業務用無線通信装置から送信される音声の品質を効果的に向上させることが可能となる。
【0085】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、音声入力装置は、業務用無線通信装置に着脱可能の外部マイクロフォンでなく、業務用無線通信装置に内蔵されるものであってもよい。また、業務用無線通信装置以外の装置に対して本願発明を適用しても良い。DSPの具体的な構成/処理内容は任意である。音声区間判定の具体的な手法は任意である。フィルタ部の具体的な処理内容は任意である。音声波形信号Sig_V2の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成部/信号生成手段の具体的な構成は任意であり、図6に示したRMS変換部35bの出力に基づいて状態判別を実行しても良い。また、通話者に対しての報知手段はLEDだけでなく、振動、音などでも良い。振動を、通話者の発声音に合わせて発生させると良い。また、LEDを2色とし、PTT部の押下で第1の色を点灯、本発明の判定結果で第2の色を点灯し、PTT部が押されていないときは消灯するようにしても良い。この場合、通話者は発声音の入力状態と送信状態とを効果的に知ることができる。また、上記実施の形態は適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
900 無線通信装置
100 音声入力装置
101 本体
102 コード
103 コネクタ
104 PTT部
105 音声集音用マイクロフォン
106 スピーカー
107 ベルトクリップ
108 ノイズ音集音用マイクロフォン


10 マイクロフォン
11 マイクロフォン
20 A/D変換部
25 D/A変換部
31 音声区間判定部
32 フィルタ部
33 ドライバ
34 減算器
35 レベル差検出部
36 状態判定部
37 タイマー
38 変換部
60 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話者の発声音を集音する第1集音手段と、
前記第1集音手段から供給される音声波形の処理に基づいて、前記発声音が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、前記音声入力期間であるか否かを示す判定信号を出力する音声入力期間検出手段と、
前記判定信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する報知手段と、
を備える音声入力装置。
【請求項2】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、
前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項3】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第1集音手段から供給される音声波形と前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベル差に応じた信号を生成する信号生成手段と、を備え、
前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項4】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第2集音手段から供給される音声波形の強度レベルに基づいて、出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、
前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段の出力の変動に関わらず、前記信号生成手段の出力信号が所定閾値未満又は所定閾値以上である期間が所定期間にわたって継続したことを検出し、当該検出に応じて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項5】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第2集音手段から供給される音声波形に対してフィルタ処理を実行するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、
前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項6】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第2集音手段から供給される音声波形に対してフィルタ処理を実行するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、
前記報知手段は、前記判定信号及び前記信号生成手段の出力信号に基づいて、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を継続するか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項7】
前記通話者の周囲のノイズ音を集音する第2集音手段と、
前記第2集音手段から供給される音声波形に対してフィルタ処理を実行するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段から供給される音声波形の強度レベルに応じた出力信号を生成する信号生成手段と、を更に備え、
前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段の出力の変動に関わらず、前記信号生成手段の出力信号が所定閾値未満又は所定閾値以上である期間が所定期間にわたって継続したことを検出し、当該検出に応じて、前記音声入力期間検出手段による前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する動作を停止することを特徴とする請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項8】
前記フィルタ手段は、前記第2集音手段から供給される音声波形に対して、前記判定信号に応じたフィルタ処理を実行することを特徴とする請求項6又は7に記載の音声入力装置。
【請求項9】
前記第2集音手段と前記第1集音手段とは、当該音声入力装置の互いに異なる面に設けられていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一項に記載の音声入力装置。
【請求項10】
前記報知手段は、前記音声入力期間検出手段により前記音声入力期間が検出されたことを前記通話者に対して報知するべく、少なくとも1つの発光手段を点灯制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の音声入力装置。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の音声入力装置を備える通信装置。
【請求項12】
音声入力期間検出手段は、第1集音手段から供給される音声波形の処理に基づいて、通話者の発声が入力されている期間に対応する音声入力期間を検出し、
報知手段は、前記音声入力期間の検出状態を前記通話者に対して報知する、音声入力装置の動作方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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