説明

音声再生装置及び音声再生方法

【課題】規格に準拠していない音声データを再生することができる音声再生装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る音声再生装置は、音声データストリーム131の音声パケット150に含まれる複数のオーディオ・フレーム167のうち先頭のオーディオ・フレーム167の位置αを示す先頭位置情報157を抽出する抽出部111と、音声パケット150に含まれる情報154に基づき、複数のオーディオ・フレーム167のうち先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する算出部112と、位置αと位置βとの差分Diffを算出する第1差分算出部113と、複数の音声パケット150に対応する差分Diffの変化に応じて、音声データストリーム131の再生の可否を判定する第2判定部125と、第2判定部125により再生可能と判定された場合に、音声データストリーム131を復号する復号部104とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置及び音声再生方法に関し、特に、音声データストリームを復号する音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声データを再生する音声再生装置において、音声データの復号時に様々な情報からエラー判定が行われている。例えば、音声再生装置は、ディスクの傷、又は転送エラーなどによって一部のデータが壊れている場合にエラーとして検出する。エラーが検出された場合には、音声再生装置は、ノイズを回避するために、リカバリ処理を行う。
【0003】
例えば、エラー判定を行う方法として、編集及び記録する際に異常があるデータを検知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、音楽CD及びDVD等に記録される音声データとして、リニアPCM(Linear Pulse Code Modulation)方式により符号化(デジタル化)された音声データが用いられている。リニアPCM方式のデータは、圧縮オーディオ・データと比べ、エラー判定に使用できる情報が極端に少ない。このため、リニアPCM方式のデータでは、ディスクの傷、又は転送エラーなどによって一部のデータが壊れた場合、復号化された音声データにノイズが継続してしまう可能性がある。このノイズを回避するために、音声再生装置は、DVD規格のFirst Access Unit Pointerを用いて、エラーを判定することができる。
【0005】
以下、従来の音声再生装置における、First Access Unit Pointerを用いたエラー判定処理について説明する。
【0006】
DVD規格にはAccess Unit(例えば、フレーム単位)という定義がある。Access Unitは、映像と音声との同期出力の単位などとして用いられている。First Access Unit Pointerは、パケット中のAccess Unitの先頭位置(アドレス)を示す情報である。
【0007】
音声再生装置は、First Access Unit Pointerの値が正しいか否かを判定するために、入力されたデータに含まれるFirst Access Unit Pointerの値と、実際のデータ量から算出したFirst Access Unitの位置(Access Unitのパケット中の先頭位置)とを確認する。入力されたデータに含まれるFirst Access Unit Pointerの値と、実際のデータ量から算出したFirst Access Unitの位置とにずれが発生している場合には、音声再生装置は、ノイズを回避するために、現在読み出したデータをいったん破棄し、再生部を初期化してリスタートするなどのリカバリ処理を行う。これにより、音声再生装置は、データずれによるノイズの発生を回避することができる。
【0008】
一方、DVDの普及により、PC上でDVDフォーマットのデータを作成し、DVD−R等のメディアに記録することが可能となっている。市場に出回っているPC上でDVDフォーマットのデータを作成するツールの中の一部のツールには、規格に準拠していないDVDフォーマットのデータを作成するものが存在する。規格に準拠していないDVDフォーマットのデータには、上述したFirst Access Unit Pointerの値が誤って付加されているデータが存在する。規格違反のデータは、音声データ自体は正しく記録されているため誤って付加されているFirst_access_unit_pointerの値を使用しなければ、正常に再生を行うことができる。
【特許文献1】特開2002−025232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の音声再生装置は、DVD等に記録されたリニアPCM方式のデータの再生時に、該データ中のFirst Access Unit Pointerの値と実際のデータ量から算出したFirst Access Unitの位置のずれを確認する。これにより、従来の音声再生装置は、First Access Unit Pointerの値が誤って付加されているデータを再生しようとした場合、再生開始から常にエラーと判定し、エラーリカバリ処理を繰り返す。すなわち、従来の音声再生装置は、First Access Unit Pointerの値が誤って付加されているデータの再生を正常に行えない。
【0010】
すなわち、従来の音声再生装置は、規格に準拠していない音声データを再生することができないという問題がある。
【0011】
上記問題に鑑み、本発明は、規格に準拠していない音声データを再生することができる音声再生装置及び音声再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る音声再生装置は、音声データストリームを復号する音声再生装置であって、前記音声データストリームは、連続的に入力される複数の音声パケットを含み、前記各音声パケットは、符号化された音声データであり、複数の音声フレームを含む符号化音声データと、前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を示す情報である先頭位置情報と、前記符号化音声データに関する情報である音声データ情報とを含み、前記音声再生装置は、前記音声パケットから前記先頭位置情報を抽出する抽出手段と、前記音声パケットに含まれる前記音声データ情報に基づき、該音声パケットに含まれる前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する位置算出手段と、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置との差分を算出する第1差分算出手段と、前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する第1再生判定手段と、前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない復号手段とを備える。
【0013】
この構成によれば、第1再生判定手段は、第1差分算出手段により算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、符号化音声データの再生の可否を判定する。ここで、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値となっている場合には、第1差分算出手段により算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化は、規則性を有する。よって、本発明に係る音声再生装置は、第1差分算出手段により算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化に基づき、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのか、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するデータの破壊等により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのかを判定することができる。よって、本発明に係る音声再生装置は、規格に準拠していない音声データをエラーと判定せずに、再生することができる。すなわち、本発明は、規格に準拠していない音声データを再生することができる音声再生装置を提供することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る音声再生装置は、先頭位置情報に示される先頭の音声フレームの位置と、位置算出手段により算出された先頭の音声フレームの位置とに基づき、先頭位置情報が不正な値であるか否かを判定することがきる。よって、本発明に係る音声再生装置は、ディスクの傷、又は転送エラーなどが発生したことにより先頭位置情報が不正な値である場合にはエラーとして検出することができる。これにより、本発明に係る音声再生装置は、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するノイズを防ぐことができる。
【0015】
また、前記音声再生装置は、さらに、前記第1差分算出手段により算出された差分を保持する第1保持手段と、前記第1保持手段により保持される先の音声パケットに対応する差分と、前記第1差分算出手段により算出された差分との差分を算出する第2差分算出手段と、前記第2差分算出手段により算出された複数の差分を保持する第2保持手段とを備え、前記第1再生判定手段は、前記第2保持手段に保持される前記複数の差分が一致する場合に、前記符号化音声データを再生可能と判定し、前記第2保持手段に保持される前記複数の差分が異なる場合に、前記符号化音声データを再生不可と判定してもよい。
【0016】
この構成によれば、第2差分算出手段は、連続する音声パケットの第1差分算出手段により算出された差分の変化量(差分)を算出する。第1再生判定手段は、第2差分算出手段により算出された変化量(差分)が一定の場合、再生可能と判定する。ここで、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値となっている場合には、第2差分算出手段により算出された変化量は一定となる。よって、本発明に係る音声再生装置は、連続する音声パケット間の先頭位置情報に示される位置と、位置算出手段により算出された位置との差分の変化量が一定であるか否かに基づき、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのか、ディスクの傷、又はデータの破壊等により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのかを判定することができる。よって、本発明に係る音声再生装置は、規格に準拠していない音声データをエラーと判定せずに、再生することができる。
【0017】
また、前記音声再生装置は、さらに、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定する第1エラー判定手段を備え、前記復号手段は、前記第1エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しなくてもよい。
【0018】
この構成によれば、第1エラー判定手段は、先頭位置情報に示される先頭の音声フレームの位置と、位置算出手段により算出された先頭の音声フレームの位置とが一致するか否かを判定する。これにより、本発明に係る音声再生装置は、先頭位置情報が不正な値であるか否かを判定することがきる。よって、本発明に係る音声再生装置は、ディスクの傷、又は転送エラーなどが発生したことにより先頭位置情報が不正な値である場合にはエラーとして検出することができる。これにより、本発明に係る音声再生装置は、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するノイズを防ぐことができる。
【0019】
また、前記音声再生装置は、さらに、前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段に再生不可と判定された場合に、リカバリ処理を行うリカバリ手段を備えてもよい。
【0020】
この構成によれば、ディスクの傷、又は転送エラーなどが発生したことにより先頭位置情報が不正な値である場合に、リカバリ手段は、現在読み出したデータをいったん破棄し、再生処理を初期化してリスタートするなどリカバリ処理を行う。これにより、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するノイズを防ぐことができる。
【0021】
また、前記音声再生装置は、前記抽出手段と、前記位置算出手段と、前記第1差分算出手段と、前記復号手段とを含み、ハードウェアで構成される再生手段と、前記第1エラー判定手段と、前記第1再生判定手段とを含み、ソフトウェアにより制御され、前記再生手段を制御する制御手段とを備え、前記再生手段は、さらに、前記第1差分算出手段により算出された前記差分を前記制御手段に通知する通知手段を備えてもよい。
【0022】
この構成によれば、ソフトウェアにより制御される制御手段が、再生を継続するか否かの制御を行う。これにより、本発明に係る音声再生装置は、システムに応じたエラー判定、及びエラーリカバリ処理を行うことができる。
【0023】
また、前記音声再生装置は、前記抽出手段と、前記位置算出手段と、前記第1差分算出手段と、前記第1エラー判定手段と、前記第1再生判定手段と、前記復号手段とを含み、ハードウェアで構成される再生手段と、ソフトウェアにより制御され、前記再生手段を制御する制御手段とを備えてもよい。
【0024】
この構成によれば、ハードウェアにより構成される再生手段が、再生を継続するか否かの制御を行う。これにより、本発明に係る音声再生装置は、CPU等の制御手段に負担をかけずに、エラー判定及びエラーリカバリ処理を行うことができる。
【0025】
また、前記再生手段は、さらに、第1状態と、第2状態とを切り替える切替手段を備え、前記第1エラー判定手段は、前記第1状態において、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定し、前記第1再生判定手段は、前記第1状態において、前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定し、前記制御手段は、さらに、前記第2状態において、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定する第2エラー判定手段と、前記第2状態において、前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する第2再生判定手段とを備え、前記復号手段は、前記第1状態においては、前記第1エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号せず、前記第2状態においては、前記第2エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第2再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第2エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第2再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しなくてもよい。
【0026】
この構成によれば、切替手段により第1状態と第2状態とが切り替えられる。第1状態においては、ハードウェアで構成される再生手段が、再生を継続するか否かの制御を行い、第2状態においては、ソフトウェアで制御される制御手段が、再生を継続するか否かの制御を行う。これにより、本発明に係る音声再生装置は、動作モードを指定可能なインテーフェースを設けることによってシステムに最適な方法で再生継続の判定及びリカバリ処理を実行することができる。
【0027】
また、前記先頭位置情報は、First Access Unit Pointerに含まれる情報であってもよい。
【0028】
この構成によれば、本発明に係る音声再生装置は、First Access Unit Pointerに示される先頭の音声フレームの位置と、位置算出手段により算出された先頭の音声フレームの位置とに基づき、First Access Unit Pointerが不正な値であるか否かを判定することがきる。よって、本発明に係る音声再生装置は、エラー判定のための情報が少ない、リニアPCM方式等のデータに対して、ディスクの傷、又は転送エラーなどが発生したことにより先頭位置情報が不正な値である場合にはエラーとして検出することができる。これにより、本発明に係る音声再生装置は、リニアPCM方式等のデータに対して、ノイズを回避することができる。
【0029】
さらに、本発明に係る音声再生装置は、第1差分算出手段により算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、符号化音声データの再生の可否を判定する。これにより、本発明に係る音声再生装置は、規格違反によりFirst Access Unit Pointerに示される位置が不正な値になっているのか、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するデータの破壊等によりFirst Access Unit Pointerに示される位置が不正な値になっているのかを判定することができる。よって、本発明に係る音声再生装置は、規格に準拠していない音声データをエラーと判定せずに、再生することができる。
【0030】
また、前記音声データ情報は、前記符号化音声データの量子化ビット数を示す情報と、前記符号化音声データのチャンネル数を示す情報と、前記符号化音声データのサンプリング周波数を示す情報とを含み、前記位置算出手段は、前記量子化ビット数、前記チャンネル数、及び前記サンプリング周波数に基づき、前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出してもよい。
【0031】
この構成によれば、音声パケットに含まれる情報から、先頭の音声フレームの位置を算出することができる。
【0032】
また、本発明に係る音声再生方法は、音声データストリームを復号する音声再生装置における音声再生方法であって、前記音声データストリームは、連続的に入力される複数の音声パケットを含み、前記各音声パケットは、符号化されたデータであり、複数の音声フレームを含む符号化音声データと、前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を示す情報である先頭位置情報と、前記符号化音声データに関する情報である音声データ情報とを含み、前記音声再生方法は、前記音声パケットから前記先頭位置情報を抽出する抽出ステップと、前記音声パケットに含まれる前記音声データ情報に基づき、該音声パケットに含まれる前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する位置算出ステップと、前記抽出ステップで抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出ステップで算出された位置との差分を算出する第1差分算出ステップと、前記第1差分算出ステップで算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する再生判定ステップと、前記再生判定ステップで再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記再生判定ステップで再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない復号ステップとを含む。
【0033】
これによれば、再生判定ステップで、第1差分算出手段により算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、符号化音声データの再生の可否が判定される。ここで、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値となっている場合には、第1差分算出ステップで算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化は、規則性を有する。よって、本発明に係る音声再生方法は、第1差分算出ステップで算出された複数の音声パケットに対応する差分の変化に基づき、規格違反により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのか、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するデータの破壊等により先頭位置情報に示される位置が不正な値になっているのかを判定することができる。よって、本発明に係る音声再生方法は、規格に準拠していない音声データをエラーと判定せずに、再生することができる。すなわち、本発明は、規格に準拠していない音声データを再生することができる音声再生方法を提供することができる。
【0034】
さらに、本発明に係る音声再生方法は、先頭位置情報に示される先頭の音声フレームの位置と、位置算出ステップで算出された先頭の音声フレームの位置とに基づき、先頭位置情報が不正な値であるか否かを判定することがきる。よって、本発明に係る音声再生方法は、ディスクの傷、又は転送エラーなどが発生したことにより先頭位置情報が不正な値である場合にはエラーとして検出することができる。これにより、本発明に係る音声再生方法は、ディスクの傷、又は転送エラーなどに起因するノイズを防ぐことができる。
【0035】
なお、本発明は、このような音声再生装置及び音声再生方法として実現することができるだけでなく、音声再生方法に含まれる特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【発明の効果】
【0036】
本発明は、規格に準拠していない音声データを再生することができる音声再生装置及び音声再生方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明に係る再生装置の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0038】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置は、音声データに含まれるFirst Access Unit Pointerの値と実際のデータ量から算出したFirst Access Unitの位置とのずれの変化に基づき、エラー判定を行う。これにより、ノイズ等によりエラーが発生しているのか、音楽データの規格違反によりエラーが発生しているのかを判定することができる。よって、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置は、規格違反の音声データを再生することができる。
【0039】
まず、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置の構成を説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【0041】
図1に示す音声再生装置100は、DVD等に記録されている音声データを再生する。音声再生装置100は、音声データストリーム131を復号し、復号化音声データ133として出力する。音声データストリーム131は、DVD−Video規格におけるリニアPCM方式等のディジタル音声データストリームである。すなわち、音声データストリーム131は、連続的にストリーム入力される複数の音声パケットを含む。音声再生装置100は、制御部101と、再生部102とを備える。
【0042】
以下、音声データストリーム131の構成を説明する。
【0043】
図2は、DVD−Video規格におけるリニアPCM方式の音声パケットの構成を示す図である。
【0044】
図2に示すリニアPCMの音声パケット150は、パケットヘッダ151と、Sub_stream_id152と、オーディオ・フレーム情報153と、オーディオ・データ情報154と、オーディオ・データ155とを含む。
【0045】
パケットヘッダ151は、パケットの種別、及びデータ長等を示す情報を含む。例えば、パケットヘッダ151は、音声パケット150がオーディオ・データ・ストリームであることを示す情報を含む。
【0046】
Sub_stream_id152は、パケットの種別を示す情報である。例えば、Sub_stream_id152は、音声パケット150がリニアPCM方式のオーディオ・データ・ストリームであることを示す情報である。
【0047】
オーディオ・データ155は、リニアPCM方式で符号化されたディジタル音声データである。オーディオ・データ155は、複数のオーディオ・フレーム167を含む。
【0048】
オーディオ・フレーム情報153は、オーディオ・データ155に含まれる複数のオーディオ・フレーム167の情報である。オーディオ・フレーム情報153は、Number_of_frame_header156と、First_access_unit_pointer157とを含む。
【0049】
Number_of_frame_header156は、オーディオ・データ155に含まれるオーディオ・フレーム167のヘッダの数を示す情報である。すなわち、Number_of_frame_header156は、オーディオ・データ155に含まれるオーディオ・フレーム167の数を示す情報である。
【0050】
First_access_unit_pointer157は、音声パケット150中に含まれるオーディオ・フレーム167の先頭の位置を示す情報である。すなわち、First_access_unit_pointer157は、オーディオ・データ155に含まれる複数のオーディオ・フレーム167のうち、最初にアクセスされるオーディオ・フレーム167のアドレスを示す情報である。
【0051】
オーディオ・データ情報154は、オーディオ・データ155に関する情報である。オーディオ・データ情報154は、Audio_emphasis158と、Audio_mute159と、reserved160と、Audio_frame_number161と、Quantization_word_length162と、Audio_sampling_frequency163と、reserved164と、Number_of_audio_channels165と、Dynamic_range_control166とを含む。
【0052】
Audio_emphasis158は、オーディオ・データ155がプリエンファシス(pre−emphasis)されているか否かを示す情報である。
【0053】
Audio_mute159は、ミュートのオン又はオフを示す情報である。
【0054】
Audio_frame_number161は、最初にアクセスされるオーディオ・フレーム167のフレーム番号である。
【0055】
Quantization_word_length162は、オーディオ・データ155が、何ビットで量子化されているかを示す情報である。すなわち、Quantization_word_length162は、オーディオ・データ155の量子化ビット数を示す情報である。例えば、Quantization_word_length162は、16ビット、20ビット又は24ビット等を示す情報である。
【0056】
Audio_sampling_frequency163は、オーディオ・データ155のサンプリング周波数を示す情報である。例えば、Audio_sampling_frequency163は、48kHz又は96kHz等を示す情報である。
【0057】
Number_of_audio_channels165は、オーディオ・チャンネルの数であるch数を示す情報である。
【0058】
Dynamic_range_control166は、ダイナミック・レンジの制御情報である。
【0059】
再生部102は、音声データストリーム131の復号化、及びエラー検出を行う。再生部102は、専用の回路(ハードウェア)により構成される。例えば、再生部102は、単一又は複数のチップにより構成される半導体集積回路である。再生部102は、エラー検出部103と、復号部104とを備える。
【0060】
エラー検出部103は、音声データストリーム131のエラーを検出する。エラー検出部103は、抽出部111と、算出部112と、第1差分算出部113と、通知部114とを備える。
【0061】
復号部104は、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号し、復号化音声データ133として出力する。ここで、音声データストリーム132は、音声データストリーム131と同様の信号であり、エラー検出部103を介して出力されるディジタル音声データストリームである。
【0062】
制御部101は、再生部102の制御を行う。制御部101は、ソフトウェアにより制御される。すなわち、制御部101は、プログラムを実行することにより、図1に示す機能を実現する。例えば、制御部101は、マイコン又はCPU等である。制御部101は、第1判定部121と、第1保持部122と、第2差分算出部123と、第2保持部124と、第2判定部125と、復号制御部126と、リカバリ部127とを備える。
【0063】
抽出部111は、音声データストリーム131に含まれる音声パケット150からFirst_access_unit_pointer157を抽出する。
【0064】
算出部112は、音声パケット150に含まれるオーディオ・データ情報154から、音声パケット150に含まれる複数のオーディオ・フレーム167のうち、先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する。具体的には、算出部112は、Quantization_word_length162と、Audio_sampling_frequency163と、Number_of_audio_channels165とに基づき、先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する。
【0065】
第1差分算出部113は、抽出部111により抽出されたFirst_access_unit_pointer157に示される先頭のオーディオ・フレーム167の位置αと、算出部112により算出された先頭のオーディオ・フレーム167の位置βとの差分Diffを算出する。
【0066】
通知部114は、第1差分算出部113により算出された差分Diffを制御部101に通知する。
【0067】
第1判定部121は、抽出部111により抽出されたFirst_access_unit_pointer157に示される位置αと、算出部112により算出された位置βとが一致するか否かを判定する。例えば、第1判定部121は、通知部114により通知された差分Diffが「0」の場合には、位置αと位置βとが一致すると判定し、差分Diffが「0」以外の場合には、位置αと位置βとが一致しないと判定する。
【0068】
第1保持部122は、第1差分算出部113により算出され、通知部114により通知された差分Diffを保持する。また、第1保持部122は、連続的に入力される複数の音声パケット150にそれぞれ対応する差分Diffを保持する。
【0069】
第2差分算出部123は、連続する2つの音声パケット間の差分Diffの差分を算出する。具体的には、第2差分算出部123は、連続する2つの音声パケットのうち先の音声パケットに対応し第1保持部122により保持される差分Diffと、連続する2つの音声パケットのうち後の音声パケット150に対応し第1差分算出部113により算出された差分Diffとの差分Δを算出する。すなわち、第2差分算出部123は、連続的に入力される複数の音声パケット150の各音声パケット間における、差分Diffの変化量である差分Δを算出する。
【0070】
第2保持部124は、第2差分算出部123により算出された複数の差分Δを保持する。
【0071】
第2判定部125は、第1判定部121により位置αと位置βとが一致しないと判定された場合に、第1差分算出部により算出された複数の音声パケットに対応する差分Diffの変化に応じて、音声データストリーム131に含まれるオーディオ・データ155の再生の可否を判定する。具体的には、第2判定部125は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが一致する場合に、音声データストリーム131に含まれるオーディオ・データ155を再生可能と判定する。第2判定部125は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが異なる場合に、音声データストリーム131に含まれるオーディオ・データ155を再生不可と判定する。すなわち、第2判定部125は、連続する音声パケット150間における差分Δが一定の場合には、オーディオ・データ155を再生可能と判定し、差分Δが一定出ない場合には、オーディオ・データ155を再生不可と判定する。
【0072】
復号制御部126は、第1判定部121及び第2判定部125による判定結果に基づき、復号部104による音声データストリーム132に対する復号化処理の制御を行う。具体的には、抽出部111により抽出された位置αと、算出部112により算出された位置βとが一致すると第1判定部121により判定された場合に、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号する。また、第1判定部121により一致しないと判定された場合、かつ第2判定部125により再生可能と判定された場合に、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号する。また、第1判定部121により一致しないと判定された場合、かつ第2判定部125により再生不可と判定された場合に、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号しない。
【0073】
リカバリ部127は、第1判定部121により一致しないと判定された場合、かつ第2判定部125に再生不可と判定された場合に、リカバリ処理を行う。具体的には、リカバリ部127は、現在読み出したデータをいったん破棄し、再生部102を初期化してリスタートするなどのリカバリ処理を行う。
【0074】
次に、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100の動作を説明する。
【0075】
図3は、エラー検出部103における処理の流れを示すフローチャートである。
【0076】
図3に示すように、まず、抽出部111は、音声データストリーム131に含まれるFirst_access_unit_pointer157に示される先頭のオーディオ・フレーム167位置αを抽出する(S101)。
【0077】
次に、算出部112は、オーディオ・データ情報154から、先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する(S102)。具体的には、算出部112は、Audio_sampling_frequency163(サンプリング周波数)から1つのオーディオ・フレーム167に含まれるサンプル数を算出する(例えば、80)。算出部112は、Quantization_word_length162と、Number_of_audio_channels165と、算出されたサンプル数(例えば、80)とから、1つのオーディオ・フレーム167のデータサイズを算出する(量子化ビット数×ch数×サンプル数)。算出部112は、処理開始時からデータサイズを累計していくことで音声パケット150中に含まれる先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する。
【0078】
次に、第1差分算出部113は、抽出部111により抽出されたFirst_access_unit_pointer157に示される先頭のオーディオ・フレーム167の位置αと、算出部112により算出された先頭のオーディオ・フレーム167の位置βとの差分Diffを算出する。(S103)。
【0079】
次に、通知部114は、第1差分算出部113により算出された差分Diffを制御部101に通知する(S104)。
【0080】
図4は、制御部101における処理の流れを示すフローチャートである。
【0081】
図4に示すように、制御部101は、通知部114により通知された差分Diffを取得する(S201)。第1保持部122は、通知部114により通知された差分Diffを保持する。
【0082】
第1判定部121は、位置αと位置βとが一致するか否かを判定する(S202)。第1判定部121により位置αと位置βとが一致すると判定された場合(S202でYes)、すなわち、First_access_unit_pointer157に示される位置αが正しい場合、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を行う。すなわち、音声再生装置100は、再生処理を継続して行う(S206)。
【0083】
一方、第1判定部121により位置αと位置βとが一致しないと判定された場合(S202でNo)、すなわち、First_access_unit_pointer157に示される位置αが正しくない場合、第2差分算出部123は、直前の音声パケット150に対応し第1保持部122により保持される差分Diff_oldと、新たに算出され第1保持部122に保持された差分Diffとの差分Δを算出する(S203)。第2保持部124は、第2差分算出部123により算出された差分Δを保持する。
【0084】
次に、第1保持部122は、新たに算出された差分Diffを差分Diff_oldとして保持する(S204)。
【0085】
次に、第2判定部125は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが一定であるか否かを判定する(S205)。具体的には、第2判定部125は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが一致する場合、すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δが一定である場合に、音声データストリーム131を再生可能と判定する(S205でYes)。また、第2判定部125は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが異なる場合に、すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δが一定でない場合に、音声データストリーム131を再生不可と判定する(S205でNo)。
【0086】
ここで、音声データストリーム131がPCエンコーダなどで作成されたデータの場合には、First_access_unit_pointer157の値が規格違反の場合がある。また、規格違反のデータの場合には差分Diffの値は連続する音声パケット間において一定量ずつずれていく。すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δは一定となる。
【0087】
一方、ディスクの傷、又は転送エラーなどによって一部のデータが壊れたことにより、First_access_unit_pointer157が不正な値である場合には、差分Diffは、不規則に変化する。すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δはそれぞれ異なる値となり、一定ではない。
【0088】
これにより、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、第2保持部124に保持される複数の差分Δが一定であるか否かを判定することにより、規格違反によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのか、データの破壊等によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのかを判定することができる。
【0089】
差分Δが一定である場合(S205でYes)、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を行う。すなわち、音声再生装置100は、再生処理を継続して行う(S206)。
【0090】
一方、差分Δが一定でない場合(S205でNo)、復号制御部126の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を停止する。また、リカバリ部127は、現在読み出したデータをいったん破棄し、再生部102を初期化してリスタートするなどのリカバリ処理を行う(S207)。
【0091】
再生継続(ステップS206)、又はリカバリ処理(ステップS207)の後、音声再生装置100は、後続の音声パケット150に対して、図3及び図4に示す処理を行う。
【0092】
以上より、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、オーディオ・データ情報154に基づき、先頭のオーディオ・フレーム167の位置βを算出する。第1差分算出部113は、First_access_unit_pointer157に示される先頭のオーディオ・フレーム167の位置αと、位置βとの差分Diffを算出する。第2差分算出部123は、連続する音声パケット間の差分Diffの変化量である差分Δを算出する。第2判定部125は、差分Δが一定の場合には、規格違反によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であると判定する。また、第2判定部125は、差分Δが一定でない場合には、データの破壊等によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であると判定する。
【0093】
これにより、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、First_access_unit_pointer157が不正な値の場合に、規格違反によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのか、データの破壊等によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのかを判定することができる。よって、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、ディスクの傷、又は転送エラーなどによって一部のデータが壊れた場合等のデータずれによるノイズを回避することができる。さらに、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、従来の音声再生装置においてエラーと判定されていた規格に準拠していない音声データを再生することができる。
【0094】
また、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、位置αと位置βとが一致する場合には、First_access_unit_pointer157の値が正常であると判定する。これにより、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、First_access_unit_pointer157の値が正常である場合には、再生処理を継続して行うことができる。
【0095】
また、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、ソフトウェアにより制御される制御部101において、再生を継続するか否かの制御、及び、リカバリ処理を行うか否かの制御を行う。これにより、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置100は、システムに応じたエラーリカバリ処理を行うことができる。
【0096】
なお、上記説明において、復号部104は、エラー検出部103を介して入力される音声データストリーム131である音声データストリーム132を復号化するとしたが、復号部104は、音声データストリーム131を復号化してもよい。
【0097】
また、上記説明において、抽出部111、算出部112、及び第1差分算出部113は、ハードウェアで構成される再生部102に含まれるとしたが、抽出部111、算出部112、及び第1差分算出部113の一部又は全てをソフトウェアにより実現してもよい。また、抽出部111、算出部112、及び第1差分算出部113の一部又は全ては、制御部101に含まれてもよい。
【0098】
また、上記説明において、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126及びリカバリ部127は、ソフトウェアで制御される制御部101に含まれるとしたが、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126及びリカバリ部127の一部をハードウェアにより実現してもよい。例えば、第1保持部122及び第2保持部124は、音声再生装置100が備えるRAM、不揮発性メモリ及びハードディスク等であってもよい。また、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126及びリカバリ部127の一部は、再生部102に含まれてもよい。例えば、再生部102は、第1保持部122と第2差分算出部123とを備え、再生部102において、差分Δを算出し、通知部114が制御部101に差分Δを通知してもよい。
【0099】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置は、ハードウェアで構成される再生部で、再生を継続するか否かの制御、及び、リカバリ処理を行うか否かの制御を行う。これにより、制御部に負担をかけることなく、エラー判定及びエラーリカバリ処理を行うことができる。
【0100】
まず、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置の構成を説明する。
【0101】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。なお、図1と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0102】
図5に示す音声再生装置200は、音声データストリーム131を復号し、復号化音声データ133として出力する。音声再生装置200は、制御部201と、再生部202とを備える。
【0103】
再生部202は、音声データストリーム131の復号化、及びエラー検出を行う。再生部202は、専用の回路(ハードウェア)により構成される。例えば、再生部202は、単一又は複数のチップにより構成される半導体集積回路である。再生部202は、エラー検出部203と、復号部104とを備える。
【0104】
エラー検出部203は、音声データストリーム131のエラーを検出する。エラー検出部203は、抽出部111と、算出部112と、第1差分算出部113と、第1判定部221と、第1保持部222と、第2差分算出部223と、第2保持部224と、第2判定部225と、復号制御部226と、リカバリ部227とを備える。なお、第1判定部221、第1保持部222、第2差分算出部223、第2保持部224、第2判定部225、復号制御部226、及びリカバリ部227は、図1に示す第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126、及びリカバリ部127とそれぞれ同様の機能を有する。
【0105】
制御部201は、再生部202の制御を行う。制御部201は、ソフトウェアにより制御される。
【0106】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200は、第1判定部221、第1保持部222、第2差分算出部223、第2保持部224、第2判定部225、復号制御部226、及びリカバリ部227がハードウェアで構成される再生部202に含まれる点が、第1の実施形態に係る音声再生装置100と異なる。
【0107】
次に、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200の動作を説明する。
【0108】
図6は、エラー検出部203における処理の流れを示すフローチャートである。
【0109】
図6に示すステップS301〜S303の処理は、図3に示すステップS101〜S103の処理とそれぞれ同様であり、説明は省略する。
【0110】
図6に示すステップS304〜S309の処理は、図4に示すステップS202〜S207処理とそれぞれ同様である。
【0111】
第1保持部222は、ステップS303で第1差分算出部113により算出された差分Diffを保持する。
【0112】
第1判定部221は、位置αと位置βとが一致するか否かを判定する(S304)。第1判定部221により位置αと位置βとが一致すると判定された場合(S304でYes)、すなわち、First_access_unit_pointer157に示される位置αが正しい場合、復号制御部226の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を行う。すなわち、音声再生装置100は、再生処理を継続して行う(S308)。
【0113】
一方、第1判定部221により位置αと位置βとが一致しないと判定された場合(S304でNo)、すなわち、First_access_unit_pointer157に示される位置αが正しくない場合、第2差分算出部223は、直前の音声パケット150に対応し第1保持部222により保持される差分Diff_oldと、新たに算出され第1保持部222に保持された差分Diffとの差分Δを算出する(S305)。第2保持部224は、第2差分算出部223により算出された差分Δを保持する。
【0114】
次に、第1保持部222は、新たに算出された差分Diffを差分Diff_oldとして保持する(S306)。
【0115】
次に、第2判定部225は、第2保持部224に保持される複数の差分Δが一定であるか否かを判定する(S307)。具体的には、第2判定部225は、第2保持部224に保持される複数の差分Δが一致する場合、すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δが一定である場合に、音声データストリーム131を再生可能と判定する(S307でYes)。また、第2判定部225は、第2保持部224に保持される複数の差分Δが異なる場合に、すなわち、連続的に入力される複数の音声パケット間における差分Δが一定でない場合に、音声データストリーム131を再生不可と判定する(S307でNo)。
【0116】
差分Δが一定である場合(S307でYes)、復号制御部226の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を行う。すなわち、音声再生装置200は、再生処理を継続して行う(S308)。
【0117】
一方、差分Δが一定でない場合(S307でNo)、復号制御部226の制御により、復号部104は、音声データストリーム132の復号化を停止する。また、リカバリ部227は、現在読み出したデータをいったん破棄し、再生部202を初期化してリスタートするなどのリカバリ処理を行う(S309)。
【0118】
再生継続(ステップS308)、又はリカバリ処理(ステップS309)の後、音声再生装置200は、後続の音声パケット150に対して、図6に示す処理を行う。
【0119】
以上より、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200は、第1の実施形態に係る音声再生装置100と同様に、First_access_unit_pointer157が不正な値の場合に、規格違反によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのか、データの破壊等によりFirst_access_unit_pointer157が不正な値であるのかを判定することができる。よって、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200は、ディスクの傷、又は転送エラーなどによって一部のデータが壊れた場合等のデータずれによるノイズを回避することができる。さらに、本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置200は、従来の音声再生装置においてエラーと判定されていた規格に準拠していない音声データを再生することができる。
【0120】
また、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200は、再生部202において、再生を継続するか否かの制御、及び、リカバリ処理を行うか否かの制御を行う。これにより、本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置200は、制御部201に負担をかけずに、エラー判定及びエラーリカバリ処理を行うことができる。
【0121】
なお、上記説明において、第1判定部221は、差分Diffの算出(S303)の後に、差分Diffに基づき位置αと位置βとが一致するか否かの判定を行うとしたが、差分Diffの算出前(S302とS303との間)に位置αと位置βとが一致するか否かの判定を行ってもよい。これにより、位置αと位置βとが一致する場合は、差分Diffの算出処理(S303)を行わなくてもよい。
【0122】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置は、再生部において再生を継続するか否かの制御、及び、リカバリ処理を行うか否かの制御を行うか、制御部において再生を継続するか否かの制御、及び、リカバリ処理を行うか否かの制御を行うかを切り替える機能を有する。これにより、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置は、システムに最適な方法でリカバリ処理を行うことができる。
【0123】
まず、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置の構成を説明する。
【0124】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。なお、図1及び図5と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
【0125】
図7に示す音声再生装置300は、音声データストリーム131を復号化し、復号化音声データ133として出力する。音声再生装置300は、制御部101と、再生部302とを備える。
【0126】
再生部302は、音声データストリーム131の復号化、及びエラー検出を行う。再生部302は、専用の回路(ハードウェア)により構成される。例えば、再生部302は、単一又は複数のチップにより構成される半導体集積回路である。再生部302は、エラー検出部303と、復号部104とを備える。
【0127】
エラー検出部303は、音声データストリーム131のエラーを検出する。エラー検出部303は、抽出部111と、算出部112と、第1差分算出部113と、通知部114と、第1判定部221と、第1保持部222と、第2差分算出部223と、第2保持部224と、第2判定部225と、復号制御部226と、リカバリ部227と、モード切替部341とを備える。
【0128】
モード切替部341は、再生部302により再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御が行われる自動リカバリモード(第1状態)と、制御部101により再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御が行われる第2状態とを切り替える。例えば、モード切替部341は、制御部101の制御により、第1状態と第2状態とを切り替える。
【0129】
第1判定部221は、第1状態において、抽出部111により抽出されたFirst_access_unit_pointer157に示される位置αと、算出部112により算出された位置βとが一致するか否かを判定する。
【0130】
第2判定部225は、第1状態において、第1差分算出部113により算出された複数の音声パケット150に対応する差分Diffの変化に応じて、音声データストリーム131に含まれるオーディオ・データ155の再生の可否を判定する。
【0131】
第1判定部121は、第1状態において、抽出部111により抽出されたFirst_access_unit_pointer157に示される位置αと、算出部112により算出された位置βとが一致するか否かを判定する。
【0132】
第2判定部125は、第1状態において、第1差分算出部113により算出された複数の音声パケット150に対応する差分Diffの変化に応じて、音声データストリーム131に含まれるオーディオ・データ155の再生の可否を判定する。
【0133】
復号部104は、第1状態において、第1判定部221により一致すると判定された場合、及び第2判定部225により再生可能と判定された場合に、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号する。復号部104は、第1状態において、第1判定部221により一致しないと判定された場合、かつ第2判定部225により再生不可と判定された場合に音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号しない。また、復号部104は、第2状態において、第1判定部121により一致すると判定された場合、及び第2判定部125により再生可能と判定された場合に、音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号する。復号部104は、第2状態において、第1判定部121により一致しないと判定された場合、かつ第2判定部125により再生不可と判定された場合に音声データストリーム132に含まれるオーディオ・データ155を復号しない。
【0134】
次に、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置300の動作を説明する。
【0135】
図8は、エラー検出部303における処理の流れを示すフローチャートである。
【0136】
図8に示すステップS401〜S403の処理は、図3に示すステップS101〜S103の処理とそれぞれ同様であり、説明は省略する。
【0137】
ステップS403の後、モード切替部341は、制御部101からの制御に基づき、再生部302により再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御が行われる第1状態であるか、制御部101により再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御が行われる第2状態であるかを判定する(S404)。
【0138】
第1状態の場合(S404でYes)、引き続き、再生部302において、ステップS406〜S411の処理が行われる。なお、ステップS406〜S411の処理は、図6に示すステップS304〜S309の処理と同様であり、説明は省略する。
【0139】
第2状態の場合(S404でNo)、通知部114は、第1差分算出部113により算出された差分Diffを制御部101に通知する(S405)。制御部101は、通知部114により通知された差分Diffに基づき、再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御を行う。なお、ステップS405以降の制御部101における処理は、図4と同様であり説明は省略する。
【0140】
以上より、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置300は、モード切替部341により第1状態と第2状態とが切り替えられる。第1状態においては、再生部302が差分Δの算出、再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御を行い、制御部101は差分Δの算出、再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御を行わない。すなわち、第1状態においては、上述した第1の実施形態と同様の処理が行われる。また、第2状態においては、制御部101が差分Δの算出、再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御を行い、再生部302は差分Δの算出、再生を継続するか否かの制御、及びリカバリ処理を行うか否かの制御を行わない。すなわち、第2状態においては、上述した第2の実施形態と同様の処理が行われる。これにより、本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置300は、動作モードを指定可能なインテーフェースを設けることによってシステムに最適な方法でリカバリ処理を実行することができる。
【0141】
なお、上記説明において、第2状態において、制御部101が図4に示す処理を行うとしたが、図4に示す処理の一部を再生部302が行ってもよい。例えば、第2状態において、再生部302が差分Δの算出(S408)までの処理を行い、差分Δを制御部101に通知してもよい。この場合、制御部101は、差分Δ一定であるかの判定(S205)と、その後の処理とを行えばよい。
【0142】
さらに、上記説明において、モード切替部341は、第1状態と第2状態とを切り替えるとしたが、2以上の状態を切り替えてもよい。例えば、第3状態として、上述したように再生部302が差分Δの算出までの処理を行いう状態を加えてもよい。
【0143】
また、上記説明において、制御部101が第1保持部122及び第2保持部124を備えるとしたが、備えなくともよい。例えば、第2状態においても、第1差分算出部113により算出された差分Diffは第1保持部222に保持されてもよいし、再生部302又は音声再生装置300が備える保持部(RAM等)に保持されてもよい。また、第2差分算出部123及び第2差分算出部223により算出された差分Δは、再生部302又は音声再生装置300が備える保持部(RAM等)に保持されてもよい。
【0144】
また、上記説明において、制御部101は、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126、及びリカバリ部127を備えるとしたが、システムに応じて、制御部101は、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126、及びリカバリ部127のうち一部又は全部を備えなくともよい。例えば、第1状態のみが使用される場合には、制御部101は、第1判定部121、第1保持部122、第2差分算出部123、第2保持部124、第2判定部125、復号制御部126、及びリカバリ部127を備えなくともよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、音声再生装置に適用でき、特に、リニアPCM方式の音楽データを再生する音声再生装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】DVD−Video規格のリニアPCM方式の音声パケットの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置のエラー検出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る音声再生装置の制御部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る音声再生装置のエラー検出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る音声再生装置のエラー検出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
100、200、300 音声再生装置
101、201 制御部
102、202、302 再生部
103、203、303 エラー検出部
104 復号部
111 抽出部
112 算出部
113 第1差分算出部
114 通知部
121、221 第1判定部
122、222 第1保持部
123、223 第2差分算出部
124、224 第2保持部
125、225 第2判定部
126、226 復号制御部
127、227 リカバリ部
131、132 音声データストリーム
133 復号化音声データ
150 音声パケット
151 パケットヘッダ
152 Sub_stream_id
153 オーディオ・フレーム情報
154 オーディオ・データ情報
155 オーディオ・データ
156 Number_of_frame_header
157 First_access_unit_pointer
158 Audio_emphasis
159 Audio_mute
160、164 reserved
161 Audio_frame_number
162 Quantization_word_length
163 Audio_sampling_frequency
165 Number_of_audio_channels
166 Dynamic_range_control
167 オーディオ・フレーム
341 モード切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データストリームを復号する音声再生装置であって、
前記音声データストリームは、連続的に入力される複数の音声パケットを含み、
前記各音声パケットは、
符号化された音声データであり、複数の音声フレームを含む符号化音声データと、
前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を示す情報である先頭位置情報と、
前記符号化音声データに関する情報である音声データ情報とを含み、
前記音声再生装置は、
前記音声パケットから前記先頭位置情報を抽出する抽出手段と、
前記音声パケットに含まれる前記音声データ情報に基づき、該音声パケットに含まれる前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する位置算出手段と、
前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置との差分を算出する第1差分算出手段と、
前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する第1再生判定手段と、
前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない復号手段とを備える
ことを特徴とする音声再生装置。
【請求項2】
前記音声再生装置は、さらに、
前記第1差分算出手段により算出された差分を保持する第1保持手段と、
前記第1保持手段により保持される先の音声パケットに対応する差分と、前記第1差分算出手段により算出された差分との差分を算出する第2差分算出手段と、
前記第2差分算出手段により算出された複数の差分を保持する第2保持手段とを備え、
前記第1再生判定手段は、前記第2保持手段に保持される前記複数の差分が一致する場合に、前記符号化音声データを再生可能と判定し、前記第2保持手段に保持される前記複数の差分が異なる場合に、前記符号化音声データを再生不可と判定する
ことを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記音声再生装置は、さらに、
前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定する第1エラー判定手段を備え、
前記復号手段は、前記第1エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない
ことを特徴とする請求項1又は2記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記音声再生装置は、さらに、
前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段に再生不可と判定された場合に、リカバリ処理を行うリカバリ手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記音声再生装置は、
前記抽出手段と、前記位置算出手段と、前記第1差分算出手段と、前記復号手段とを含み、ハードウェアで構成される再生手段と、
前記第1エラー判定手段と、前記第1再生判定手段とを含み、ソフトウェアにより制御され、前記再生手段を制御する制御手段とを備え、
前記再生手段は、さらに、
前記第1差分算出手段により算出された前記差分を前記制御手段に通知する通知手段を備える
ことを特徴とする請求項3又は4記載の音声再生装置。
【請求項6】
前記音声再生装置は、
前記抽出手段と、前記位置算出手段と、前記第1差分算出手段と、前記第1エラー判定手段と、前記第1再生判定手段と、前記復号手段とを含み、ハードウェアで構成される再生手段と、
ソフトウェアにより制御され、前記再生手段を制御する制御手段とを備える
ことを特徴とする請求項3又は4記載の音声再生装置。
【請求項7】
前記再生手段は、さらに、
第1状態と、第2状態とを切り替える切替手段を備え、
前記第1エラー判定手段は、前記第1状態において、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定し、
前記第1再生判定手段は、前記第1状態において、前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定し、
前記制御手段は、さらに、
前記第2状態において、前記抽出手段により抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出手段により算出された位置とが一致するか否かを判定する第2エラー判定手段と、
前記第2状態において、前記第1差分算出手段により算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する第2再生判定手段とを備え、
前記復号手段は、前記第1状態においては、前記第1エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第1再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第1エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第1再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号せず、前記第2状態においては、前記第2エラー判定手段により一致すると判定された場合、及び前記第2再生判定手段により再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記第2エラー判定手段により一致しないと判定された場合、かつ前記第2再生判定手段により再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない
ことを特徴とする請求項6記載の音声再生装置。
【請求項8】
前記先頭位置情報は、First Access Unit Pointerに含まれる情報である
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の音声再生装置。
【請求項9】
前記音声データ情報は、
前記符号化音声データの量子化ビット数を示す情報と、
前記符号化音声データのチャンネル数を示す情報と、
前記符号化音声データのサンプリング周波数を示す情報とを含み、
前記位置算出手段は、前記量子化ビット数、前記チャンネル数、及び前記サンプリング周波数に基づき、前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の音声再生装置。
【請求項10】
音声データストリームを復号する音声再生装置における音声再生方法であって、
前記音声データストリームは、連続的に入力される複数の音声パケットを含み、
前記各音声パケットは、
符号化されたデータであり、複数の音声フレームを含む符号化音声データと、
前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を示す情報である先頭位置情報と、
前記符号化音声データに関する情報である音声データ情報とを含み、
前記音声再生方法は、
前記音声パケットから前記先頭位置情報を抽出する抽出ステップと、
前記音声パケットに含まれる前記音声データ情報に基づき、該音声パケットに含まれる前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する位置算出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出ステップで算出された位置との差分を算出する第1差分算出ステップと、
前記第1差分算出ステップで算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する再生判定ステップと、
前記再生判定ステップで再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記再生判定ステップで再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない復号ステップとを含む
ことを特徴とする音声再生方法。
【請求項11】
音声データストリームを復号する音声再生装置における音声再生方法のプログラムであって、
前記音声データストリームは、連続的に入力される複数の音声パケットを含み、
前記各音声パケットは、
符号化されたデータであり、複数の音声フレームを含む符号化音声データと、
前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を示す情報である先頭位置情報と、
前記符号化音声データに関する情報である音声データ情報とを含み、
前記プログラムは、
前記音声パケットから前記先頭位置情報を抽出する抽出ステップと、
前記音声パケットに含まれる前記音声データ情報に基づき、該音声パケットに含まれる前記複数の音声フレームのうち、先頭の音声フレームの位置を算出する位置算出ステップと、
前記抽出ステップで抽出された前記先頭位置情報に示される位置と、前記位置算出ステップで算出された位置との差分を算出する第1差分算出ステップと、
前記第1差分算出ステップで算出された前記複数の音声パケットに対応する差分の変化に応じて、前記符号化音声データの再生の可否を判定する再生判定ステップと、
前記再生判定ステップで再生可能と判定された場合に、前記符号化音声データを復号し、前記再生判定ステップで再生不可と判定された場合に前記符号化音声データを復号しない復号ステップとをコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−226365(P2008−226365A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64048(P2007−64048)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】