説明

音声処理装置およびそのプログラム

【課題】 各ルームの音声出力機能において、選択されたモードにおいて、制御する権限を管理する音声処理装置を提供する。
【解決手段】 各モードに対応付けて、ルーム毎に、制御内容と、各ルームの音声出力機能を制御する権限を示す第1識別情報とが管理されている。ユーザ操作によって識別情報が入力され、かつ、1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードが選択される。モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが同じであるルームの音声出力機能については制御可能である。モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが異なるルームの音声出力機能については制御不可能である。従って、状況に応じて、モードを選択するだけで、各ルームの音声出力機能を制御する権限を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ルームおよび第2ルームに音声信号を出力する音声処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプは、メインルームに配置されるメインスピーカーに対して音声信号を供給する。メインスピーカーに供給する音声信号を選択するため、メインルーム用セレクタがユーザ操作によって選択される。また、AVアンプは、ZONE2ルームに配置されるZONE2スピーカーに音声信号を供給する。ZONE2スピーカーに供給する音声信号を選択するために、ZONE2ルーム用のセレクタがユーザ操作によって選択される。ZONE3ルーム等、その他のルームに音声信号を供給する場合も同様である。
【0003】
従来のAVアンプにおいては、メインルーム、ZONE2ルームの各々に関して、個別にセレクタを切り替える処理は非常に煩雑であるという問題がある。また、家庭内で複数のユーザによってAVアンプが操作される場合、ある人がメインルーム又はZONE2ルームのセレクタを変更して音楽を聴取している際に、誤って別の人によってメインルーム又はZONE2ルームのセレクタが変更されてしまうと、音楽を聴取している人に不快感を与えてしまうという問題がある。
【0004】
下記特許文献1には、シーンが選択された場合に、各ルームの音声出力機能を一斉に制御する技術が記載されている。しかし、特許文献1には、ある人がメインルーム又はZONE2ルームのセレクタを変更して音楽を聴取している際に、誤って別の人によってメインルーム又はZONE2ルームのセレクタが変更されてしまうと、音楽を聴取している人に不快感を与えてしまうというという課題を解決する技術については何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−193568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、各ルームの音声出力機能において、選択されたモードにおいて、制御する権限を管理する音声処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による音声処理装置は、セレクタが割り当てられる複数の音声入力端子と、第1ルームに配置される第1ルームスピーカーに音声信号を出力する第1ルーム音声出力端子と、第1ルーム用セレクタを選択する第1ルームセレクタ選択手段と、選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第1ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第1ルーム音声切換部と、第2ルームに配置される第2ルームスピーカーに音声信号を出力する第2ルーム音声出力端子と、第2ルーム用セレクタを選択する第2ルームセレクタ選択手段と、選択された第2ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第2ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第2ルーム音声切換部と、各モードに対応付けて、ルーム毎に、制御内容と、各ルームの音声出力機能を制御する権限を示す第1識別情報とを管理するモード管理手段と、ユーザ操作によって識別情報が入力される識別情報入力手段と、1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードを選択するモード選択手段と、モードが選択されたとき、選択されたモードに対応付けられている制御内容を各ルームの音声出力機能に対して実行する実行手段と、選択されたモードにおいて、前記モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが同じであるルームの音声出力機能については制御可能とし、前記モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが異なるルームの音声出力機能については制御不可能とする制御手段とを備える。
【0008】
本実施形態においては、各モードに対応付けて、ルーム毎に、制御内容と、各ルームの音声出力機能を制御する権限を示す第1識別情報とが管理されている。ユーザ操作によって識別情報が入力され、かつ、1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードが選択される。モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが同じであるルームの音声出力機能については制御可能である。モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが異なるルームの音声出力機能については制御不可能である。従って、状況に応じて、モードを選択するだけで、各ルームの音声出力機能を制御する権限を変更することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記モード管理手段が、各モードに対応付けて、モードを選択する権限を示す第2識別情報をさらに管理し、前記モード選択手段が、入力された識別情報と前記第2識別情報とが同じである1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードを選択する。
【0010】
この場合、モードを選択する権限が管理されているので、権限のない人に勝手にモードを選択されてしまうことを防止することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記モード管理手段が、前記第1識別情報が同じであるルームについて、ユーザ操作によって一方のルームの制御内容を変更した場合に、他方のルームの制御内容も同じ制御内容に自動的に変更する。
【0012】
この場合、モード管理手段におけるユーザ操作による管理内容の変更作業を簡易化することができる。
【発明の効果】
【0013】
各ルームの音声出力機能において、選択されたモードにおいて、制御する権限を管理する音声処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施形態による音声処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】音声入力端子とセレクタとの関係を示す図である。
【図3】モードテーブルを示す図である。
【図4】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】モードテーブルを示す図である。
【図13】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】モードテーブルを示す図である。
【図15】音声処理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態による音声処理装置について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、AVアンプ1およびリモコン送信機50(これらを総称し、音声処理装置という。)を示す概略ブロック図である。
【0016】
AVアンプ1、リモコン送信機50、DVDプレーヤ100A、CDプレーヤ100B、TV受信機100C、ラジオ受信機100D、および、メインスピーカー200Aは、メインルーム(第1ルーム)に配置されている。ZONE2スピーカー200Bは、ZONE2ルーム(第2ルーム)に配置されている。ZONE3スピーカー200Cは、ZONE3ルーム(第3ルーム)に配置されている。なお、AVアンプ1では、映像信号が入力され、映像信号をディスプレイに供給することができるが、説明を簡単化するために音声信号を出力する構成のみを記載する。
【0017】
AVアンプ1は、音声入力端子(アナログ音声入力端子および/またはデジタル音声入力端子)IN1、IN2、IN3、IN4を備える。
【0018】
AVアンプ1には、コンテンツ再生装置であるDVDプレーヤ100A、CDプレーヤ100B、TV受信機100C、ラジオ受信機100Dが接続されている。DVDプレーヤ100Aの音声出力端子は、例えば、音声入力端子IN1に接続されている。CDプレーヤ100Bの音声出力端子は、例えば、音声入力端子IN2に接続されている。TV受信機100Cの音声出力端子は、例えば、音声入力端子IN3に接続されている。ラジオ受信機100Dの音声出力端子は、例えば、音声入力端子IN4に接続されている。
【0019】
AVアンプ1は、(メイン用)スピーカー出力端子OUT1、(ZONE2用)スピーカー出力端子OUT2、(ZONE3用)スピーカー出力端子OUT3を備える。
【0020】
メインスピーカー200Aは、スピーカー出力端子OUT1に接続されている。特に限定されないが、メインスピーカーは、5.1チャンネル(例えば、前方左音声信号FL、前方右音声信号FR、中央音声信号C、サラウンド左音声信号SL、サラウンド右音声信号SR、サブウーファ音声信号SW)分または7.1チャンネル分のスピーカーを含む。ZONE2スピーカー200Bは、スピーカー出力端子OUT2に接続されている。ZONE3スピーカー200Cは、スピーカー出力端子OUT3に接続されている。特に限定されないが、ZONE2スピーカーおよびZONE3スピーカーは、2チャンネル(例えば、前方左音声信号FL、前方右音声信号FR)分のスピーカーを含む。
【0021】
AVアンプ1は、(メイン用)音声切換部2と、増幅部3と、(ZONE2用)音声切換部4と、増幅部5と、(ZONE3用)音声切換部6と、増幅部7と、制御部8と、メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリなど)9と、表示部10と、操作部11と、リモコン受信部12とを概略備えている。
【0022】
図2に示すように、各音声入力端子IN1〜IN4は、各セレクタに割り当てられている。音声入力端子IN1はDVDセレクタに割り当てられ、音声入力端子IN2はCDセレクタに割り当てられ、音声入力端子IN3はTVセレクタに割り当てられ、音声入力端子IN4はラジオセレクタに割り当てられている。メインルームのセレクタとしてDVDセレクタが選択されると、メインスピーカー200Aへの音声出力経路として、DVDセレクタに割り当てられている音声入力端子IN1が選択される。ZONE2ルームのセレクタとしてCDセレクタが選択されると、ZONE2スピーカー200Bへの音声出力経路として、CDセレクタに割り当てられている音声入力端子IN2が選択される。ZONE3ルームのセレクタとしてラジオセレクタが選択されると、ZONE3スピーカー200Cへの音声出力経路として、ラジオセレクタに割り当てられている音声入力端子IN4が選択される。なお、セレクタの割当ては、ユーザ操作によって任意に変更および設定可能である。
【0023】
音声切換部2は、メインスピーカー200A用の音声切換部である。音声切換部2は、音声入力端子IN1〜IN4に入力された音声信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたメインセレクタに割り当てられている音声入力端子からの音声信号を選択し、増幅部3に供給する。増幅部3は、音声切換部2から供給された音声信号を増幅し、ユーザ操作によって設定されたメイン用の音量に調整し、スピーカー出力端子OUT1からメインスピーカー200Aに音声信号を出力する。
【0024】
音声切換部4は、ZONE2スピーカー200B用の音声切換部である。音声切換部4は、音声入力端子IN1〜IN4に入力された音声信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたZONE2セレクタに割り当てられている音声入力端子からの音声信号を選択し、増幅部5に供給する。増幅部5は、音声切換部4から供給された音声信号を増幅し、ユーザ操作によって設定されたZONE2用の音量に調整し、スピーカー出力端子OUT2からZONE2スピーカー200Bに音声信号を出力する。
【0025】
音声切換部6は、ZONE3スピーカー200C用の音声切換部である。音声切換部6は、音声入力端子IN1〜IN4に入力された音声信号の中から、ユーザ操作に応じて選択されたZONE3セレクタに割り当てられている音声入力端子からの音声信号を選択し、増幅部7に供給する。増幅部7は、音声切換部6から供給された音声信号を増幅し、ユーザ操作によって設定されたZONE3用の音量に調整し、スピーカー出力端子OUT3からZONE3スピーカー200Cに音声信号を出力する。
【0026】
制御部8は、メモリ(ROM)9に格納されているAVアンプ1の動作プログラムに基づいて、AVアンプ1の各部を制御するものであり、マイコンやCPU等である。表示部10は、設定画面、選択されているセレクタ、音量などを表示するものであり、LCD(液晶ディスプレイ)やFL管等である。操作部11は、ユーザ操作を受け付けるものであり、AVアンプ1の筐体に設けられた操作ボタンである。リモコン受信部12は、リモコン送信機50からのリモコンコードを受信し、制御部8に供給する。
【0027】
リモコン送信機50は、ユーザ操作を受け付け、ユーザ操作に基づくリモコンコードをAVアンプ1に送信する。リモコン送信機50は、制御部51と、メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ)52と、操作部53と、送信部54とを備える。
【0028】
制御部51は、メモリ52に格納されているプログラムに基づいてリモコン送信機54の動作を制御するものである。操作部53は、ユーザ操作を受け付けるものであり、各ルームの音声出力機能について、セレクタを変更するボタンや、音量を調整するボタン等の操作ボタンを含む。また、操作部53は、モードを変更するためのモード選択ボタンや、識別情報(以下、IDという。)を入力するためのボタンが存在する。制御部51は、操作部53のユーザ操作に基づいて、AVアンプ1に送信するリモコンコードを特定し、メモリ52から読み出して、送信部54からリモコンコードを送信する。
【0029】
メモリ52には図3に示すモードテーブルが格納されている。モードとは、各ルームの音声出力機能を包括的に制御し(例えば、入力セレクタを包括的に切り替え)、かつ、各ルームの音声出力機能に関する制御を実行可能な権限を一斉に設定登録するものである。モードテーブルは、AVアンプ1の出荷時は何も登録されておらず、ユーザ操作によって新たに設定登録される。モードテーブルは、各モードに対応付けて、モードを選択可能な権限(モード権限という。)と、各ルームの制御内容(例えば切り替えるべきセレクタ)と、各ルームの制御を実行可能な権限とを管理する。権限は、図3の例では「Dad」、「Mam」、「Kid」といった家族の構成員の名前(ユーザ名)や、家族の全員が操作可能であることを示す「Family」が登録される。なお、実際には、権限は、名前の代わりに個人のIDが登録可能になっている。
【0030】
例えば、Dinner Modeは、モード権限がFamilyであるので、全IDのいずれをリモコン送信機50に入力設定した場合でも、選択することができる。
Dinner Modeが選択されると、メインルームの音声出力機能として、入力セレクタがTVセレクタに変更され、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Kid」が設定登録される。従って、メインルームの音声出力機能において、セレクタの変更や音量の調整といった制御を、KidのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合のみ実行することができる。
【0031】
また、Dinner Modeが選択されると、ZONE2ルームの音声出力機能として、入力セレクタがCDセレクタに変更され、ZONE2ルームの音声出力機能を制御できる権限として「Family」が設定登録される。従って、ZONE2ルームの音声出力機能において、セレクタの変更や音量の調整といった制御を家族全員のいずれのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合でも実行することができる。
【0032】
また、Dinner Modeが選択されると、ZONE3ルームの音声出力機能として、入力セレクタがラジオセレクタに変更され、ZONE3ルームの音声出力機能を制御できる権限として「Mam」が設定登録される。従って、ZONE3ルームの音声出力機能において、セレクタの変更や音量の調整といった制御を、MamのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合のみ実行することができる。
【0033】
例えば、Study Modeは、モード権限がMamであるので、MamのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合のみ、選択することができる。
Study Modeが選択されると、メインルームの音声出力機能として、入力セレクタが変更されず(Remain)、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Mam」が設定登録される。従って、メインルームの音声出力機能において、セレクタの変更や音量の調整を、MamのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合のみ実行することができる。このように、セレクタを現在選択されているセレクタから変更せずに、権限だけを変更することも可能である。
【0034】
また、Study Modeが選択されると、ZONE3ルームの音声出力機能として、電源状態がオン状態からスタンバイ状態に移行され(OFF)、ZONE3ルームの音声出力機能を制御できる権限として「なし」が設定登録される。従って、ZONE3ルームの音声出力機能において、セレクタの変更や音量の調整を、家族のどのIDをリモコン送信機50に入力設定した場合であっても実行することができないようになる。
【0035】
なお、1つのリモコン送信機50を家族全員で共有し、その都度IDを入力設定して使用する方法の他、家族の構成員の各々が、専用のリモコン送信機を所有し、自身のIDをリモコン送信機50に入力設定しておいてもよい。この場合、その都度、IDをリモコン送信機50に入力する必要がない。
【0036】
以上の構成を有するAVアンプ1およびリモコン送信機50についてその動作を説明する。図4は、リモコン送信機50のモード選択処理を示すフローチャートである。リモコン送信機50の制御部51は、ユーザ操作によってIDが入力されたか否かを判断している(S1)。入力された場合(S1でYES)、制御部51は、入力されたIDで選択可能な1又は複数のモードをモードテーブルから読み出して、例えば図示しない表示部に表示し、ユーザに1つのモードを選択させる(S2)。
【0037】
例えば、「Dad」のIDが入力された場合、モードテーブルのモード権限がDad又はFamilyであるモードとして、「Party Mode」、「Morning Mode」、「Dinner Mode」、「Night Mode」、「Relax Mode」が選択可能となる。これらのモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードが選択される。
【0038】
制御部52は、モードがユーザ操作によって選択されたか否かを判断する(S3)。選択された場合(S3でYES)、選択されたモードにおいて、モードテーブル内のメインルームの音声出力機能におけるセレクタの項目内容を判別する(S4)。セレクタの項目にセレクタの名称(DVD、CD、TV、ラジオ等)が登録されている場合(S4でセレクタ)、制御部51は、メインルームのセレクタを登録されているセレクタに変更するリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S5)。例えば、Relax Modeが選択された場合、メインルームのセレクタをCDセレクタに変更するリモコンコードが出力される。
【0039】
セレクタの項目に「OFF」が登録されている場合(S4でOFF)、制御部51は、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させるリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S6)。なお、セレクタの項目に「Remain」が登録されている場合、制御部51は、何もリモコンコードを出力しない。
【0040】
制御部51は、メインルームの音声出力機能を制御可能な権限のIDを含むリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S7)。例えば、Relax Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Dad」のIDが出力される。
【0041】
続いて、選択されたモードにおいて、モードテーブル内のZONE2ルームの音声出力機能におけるセレクタの項目内容を判別する(S8)。セレクタの項目にセレクタの名称(DVD、CD、TV、ラジオ等)が登録されている場合(S8でセレクタ)、制御部51は、ZONE2ルームのセレクタを登録されているセレクタに変更するリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S9)。例えば、Dinner Modeが選択された場合、ZONE2ルームのセレクタをCDセレクタに変更するリモコンコードが出力される。
【0042】
セレクタの項目に「OFF」が登録されている場合(S8でOFF)、制御部51は、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させるリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S10)。例えば、Night Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させるリモコンコードが出力される。なお、セレクタの項目に「Remain」が登録されている場合、制御部51は、何もリモコンコードを出力しない。
【0043】
続いて、制御部51は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御可能な権限のIDを含むリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S11)。例えば、Dinner Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Family」のID(つまり、家族全員の各ID)が出力される。
【0044】
図5、図6は、AVアンプ1の制御部8の処理を示すフローチャートである。図5に示すように、制御部8は、メインルームの音声出力機能のセレクタを変更するリモコンコードを受信したか否かを判断する(S21)。受信しない場合(S21でNO)、処理はS23へと進む。受信した場合(S21でYES)、制御部8は、受信したリモコンコードに含まれているセレクタに、メインルームのセレクタを変更する(S22)。例えば、CDセレクタに変更するリモコンコードを受信した場合、メインルームのセレクタがCDセレクタに変更される。
【0045】
制御部8は、メインルームの音声出力機能をスタンバイ状態に移行させるリモコンコードを受信したか否かを判断する(S23)。受信しない場合(S23でNO)、処理はS25に進む。受信した場合(S23でYES)、制御部8は、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる(S24)。つまり、メインルームの音声出力に使用している回路部分に電源電圧の供給を遮断する。
【0046】
制御部8は、メインルームの音声出力機能を制御する権限のIDを含むリモコンコードを受信したか否かを判断する(S25)。受信しない場合(S25でNO)、処理はS21に戻る。受信した場合(S25でYES)、制御部8は、メインルームの音声出力機能を制御する権限のIDを設定する。例えば、権限のIDとしてMamのIDを受信した場合、メインルームのセレクタや音量調整等を操作することができるのは、MamのIDを含むリモコンコードのみとなる。
【0047】
図6に示すように、制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能のセレクタを変更するリモコンコードを受信したか否かを判断する(S31)。受信しない場合(S31でNO)、処理はS33へと進む。受信した場合(S31でYES)、制御部8は、受信したリモコンコードに含まれているセレクタに、ZONE2ルームのセレクタを変更する(S32)。例えば、CDセレクタに変更するリモコンコードを受信した場合、ZONE2ルームのセレクタがCDセレクタに変更される。
【0048】
制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能をスタンバイ状態に移行させるリモコンコードを受信したか否かを判断する(S33)。受信しない場合(S33でNO)、処理はS35に進む。受信した場合(S33でYES)、制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる(S34)。つまり、ZONE2ルームの音声出力機能に使用している回路部分に電源電圧の供給を遮断する。
【0049】
制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する権限のIDを含むリモコンコードを受信したか否かを判断する(S35)。受信しない場合(S35でNO)、処理はS31に戻る。受信した場合(S35でYES)、制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する権限のIDを設定する。例えば、権限のIDとしてDadのIDを受信した場合、ZONE2ルームのセレクタや音量調整等を操作することができるのは、DadのIDを含むリモコンコードのみとなる。なお、ZONE3についても図6と同様の処理が実行される。
【0050】
なお、モードが選択された際に各ルームの音声出力機能を包括的に制御する制御内容として、セレクタの変更や、電源をスタンバイに移行させる他に、音量調整、再生開始、再生停止などでもよく、これらの制御内容の複数の組合わせであってもよい。
【0051】
図7は、選択されたモードにおいて、各ルームの音声出力機能を制御する際のリモコン送信機50の処理を示す。リモコン送信機50の制御部51は、ユーザ操作によって、IDが入力設定されたか否かを判断する(S41)。入力された場合(S41でYES)、制御部51は、ユーザ操作によって、メインルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S42)。例えば、メインルームのセレクタを変更する指示や、メインルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S42でNO)、処理はS44に進む。入力された場合(S42でYES)、制御部51は、S41で入力設定されたIDと、メインルームの音声出力機能を制御するリモコンコードとをAVアンプ1に送信する(S43)。
【0052】
制御部51は、ユーザ操作によって、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S44)。例えば、ZONE2ルームのセレクタを変更する指示や、ZONE2ルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S44でNO)、処理はS42に戻る。入力された場合(S44でYES)、制御部51は、S41で入力設定されたIDと、ZONE2ルームの音声出力機能を制御するリモコンコードとをAVアンプ1に送信する(S45)。なおZONE3についても同様である。
【0053】
図8は、図7に対応するAVアンプ1の制御部8の処理を示すフローチャートである。制御部8は、リモコン送信機50から、IDとメインルームを制御するリモコンコードとを受信したか否かを判断する(S51)。受信した場合(S51でYES)、制御部8は、受信したIDがメインルームを制御可能な権限のIDとして設定登録されているか否かを判断する(S52)。例えば、現在のモードがRelax Modeの場合、メインルームの音声出力機能を制御する権限は「Dad」のIDに設定登録されている。従って、受信したIDが「Dad」のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0054】
メインルームを制御可能な権限のIDであると判断された場合(S52でYES)、制御部52は、リモコンコードに基づく処理をメインルームの音声出力機能に対して実行する(S53)。例えば、メインルームのセレクタをDVDセレクタに変更するリモコンコードの場合、メインルームのセレクタがDVDセレクタに変更される。一方、メインルームを制御可能な権限のIDではないと判断された場合(S52でNO)、制御部8は、表示部にエラーのメッセージを表示し、リモコンコードに基づく処理を実行しない(S54)。
【0055】
制御部8は、リモコン送信機50から、IDとZONE2ルームを制御するリモコンコードとを受信したか否かを判断する(S55)。受信した場合(S55でYES)、制御部8は、受信したIDがZONE2ルームを制御可能な権限のIDとして設定登録されているか否かを判断する(S56)。例えば、現在のモードがWeekday Modeの場合、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する権限は「Mam」のIDに設定登録されている。従って、受信したIDが「Mam」のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0056】
ZONE2ルームを制御可能な権限のIDであると判断された場合(S56でYES)、制御部8は、リモコンコードに基づく処理をZONE2ルームの音声出力機能に対して実行する(S57)。例えば、ZONE2ルームのセレクタをCDセレクタに変更するリモコンコードの場合、ZONE2ルームのセレクタがCDセレクタに変更される。一方、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではないと判断された場合(S56でNO)、制御部8は、表示部にエラーのメッセージを表示し、リモコンコードに基づく処理を実行しない(S58)。
【0057】
以上のように、本実施形態によると、モードを変更することによって、各ルームの音声出力機能を包括的に制御することができ、かつ、各ルームの音声出力機能を制御する権限のIDをAVアンプ1に登録することができる。従って、各ルームの音声出力機能を制御する権限のIDが入力設定されたリモコン送信機50のみから、各ルームの音声出力機能を制御することができる。
【0058】
なお、AVアンプ1に各ルームの音声出力機能を制御する権限のIDを登録する代わりに、リモコン送信機50の制御部51が、現在選択されているモードと入力されたIDとを対比して、AVアンプ1にリモコンコードを送信するか否かを判断するようにしてもよい。
【0059】
図9は、リモコン送信機50の当該処理を示すフローチャートである。リモコン送信機50の制御部51は、ユーザ操作によって、IDが入力設定されたか否かを判断する(S61)。入力された場合(S61でYES)、制御部51は、ユーザ操作によって、メインルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S62)。例えば、メインルームのセレクタを変更する指示や、メインルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S62でNO)、処理はS65に進む。入力された場合(S62でYES)、制御部51は、現在選択されているモードにおいて、S61で入力設定されたIDがメインルームの音声出力機能を制御可能か否か判断する(S63)。例えば、現在のモードがRelax Modeの場合、メインルームの音声出力機能を制御する権限は「Dad」のIDに設定登録されている。従って、IDが「Dad」のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0060】
メインルームを制御可能な権限のIDではない場合(S63でNO)、例えばリモコン送信機50の表示部にエラーを表示し、メインルームの音声出力機能を制御するリモコンコードを出力することなく、処理はS65に進む。一方、メインルームを制御可能な権限のIDである場合(S63でYES)、制御部51は、メインルームの音声出力機能を制御するリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S64)。
【0061】
制御部51は、ユーザ操作によって、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S65)。例えば、ZONE2ルームのセレクタを変更する指示や、ZONE2ルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S65でNO)、処理はS62に戻る。入力された場合(S65でYES)、制御部51は、現在選択されているモードにおいて、S61で入力設定されたIDがZONE2ルームの音声出力機能を制御可能か否か判断する(S66)。例えば、現在のモードがWeekday Modeの場合、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する権限は「Mam」のIDに設定登録されている。従って、受信したIDが「Mam」のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0062】
ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではない場合(S66でNO)、例えばリモコン送信機50の表示部にエラーを表示し、ZONE2ルームの音声出力機能を制御するリモコンコードを出力せずに、処理はS62に戻る。一方、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDである場合(S66でYES)、制御部51は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御するリモコンコードをAVアンプ1に送信する(S67)。なおZONE3についても同様である。この場合、AVアンプ1側でIDを管理しておく必要がないという効果が得られる。
【0063】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本実施形態では、リモコン送信機50がモードテーブルを記憶するのではなく、AVアンプ1がモードテーブルをメモリに記憶し、AVアンプ1の操作部を介してユーザがモードを選択し、IDを入力する操作を実行する。従って、AVアンプ1の操作部に、モードを選択するボタンや、IDを入力するボタンが設けられている。図10は、AVアンプ1の制御部8の処理を示すフローチャートである。
【0064】
AVアンプ1の制御部8は、ユーザ操作によってIDが入力されたか否かを判断している(S71)。入力された場合(S71でYES)、制御部8は、入力されたIDで選択可能な1又は複数のモードをモードテーブルから読み出して、例えば図示しない表示部に表示し、ユーザに1つのモードを選択させる(S72)。
【0065】
制御部8は、モードがユーザ操作によって選択されたか否かを判断する(S73)。選択された場合(S73でYES)、選択されたモードにおいて、モードテーブル内のメインルームの音声出力機能におけるセレクタの項目内容を判別する(S74)。セレクタの項目にセレクタの名称(DVD、CD、TV、ラジオ等)が登録されている場合(S74でセレクタ)、制御部8は、メインルームのセレクタを登録されているセレクタに変更する(S75)。例えば、Relax Modeが選択された場合、メインルームのセレクタがCDセレクタに変更される。
【0066】
セレクタの項目に「OFF」が登録されている場合(S74でOFF)、制御部8は、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる(S76)。なお、セレクタの項目に「Remain」が登録されている場合、制御部8は、セレクタの変更を実行しない。
【0067】
制御部8は、メインルームの音声出力機能を制御可能な権限のIDを設定登録する(S77)。例えば、Relax Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Dad」のIDが登録される。
【0068】
続いて、選択されたモードにおいて、ZONE2ルームの音声出力機能におけるセレクタの項目内容を判別する(S78)。セレクタの項目にセレクタの名称(DVD、CD、TV、ラジオ等)が登録されている場合(S78でセレクタ)、制御部8は、ZONE2ルームのセレクタを登録されているセレクタに変更する(S79)。例えば、Dinner Modeが選択された場合、ZONE2ルームのセレクタがCDセレクタに変更される。
【0069】
セレクタの項目に「OFF」が登録されている場合(S78でOFF)、制御部8は、メインルームの音声出力機能を電源オン状態からスタンバイ状態に移行させる(S80)。例えば、Night Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能が電源オン状態からスタンバイ状態に移行される。なお、セレクタの項目に「Remain」が登録されている場合、制御部8は、セレクタを変更しない。
【0070】
続いて、制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御可能な権限(ID)を設定登録する(S81)。例えば、Dinner Modeが選択された場合、メインルームの音声出力機能を制御できる権限として「Family」のID(つまり、家族全員の各ID)が登録される。
【0071】
図11は、AVアンプ1の制御部8の処理を示すフローチャートである。制御部8は、ユーザ操作によって、IDが入力設定されたか否かを判断する(S91)。入力された場合(S91でYES)、制御部8は、ユーザ操作によって、メインルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S92)。例えば、メインルームのセレクタを変更する指示や、メインルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S92でNO)、処理はS95に進む。入力された場合(S92でYES)、制御部8は、現在選択されているモードにおいて、S91で入力設定されたIDがメインルームの音声出力機能を制御可能か否か判断する(S93)。例えば、現在のモードがRelax Modeの場合、メインルームの音声出力機能を制御する権限は「Dad」のIDに設定登録されている。従って、IDが「Dad」のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、メインルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0072】
メインルームを制御可能な権限のIDではない場合(S93でNO)、例えば表示部にエラーを表示し、処理はS95に進む。一方、メインルームを制御可能な権限のIDである場合(S93でYES)、制御部8は、メインルームの音声出力機能を制御する(S94)。
【0073】
制御部8は、ユーザ操作によって、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する指示が入力されたか否かを判断する(S95)。例えば、ZONE2ルームのセレクタを変更する指示や、ZONE2ルームの音量を調整する指示が入力されたか否かが判断される。入力されない場合(S95でNO)、処理はS92に戻る。入力された場合(S95でYES)、制御部8は、現在選択されているモードにおいて、S91で入力設定されたIDがZONE2ルームの音声出力機能を制御可能か否か判断する(S96)。例えば、現在のモードがWeekday Modeの場合、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する権限は「Mam」のIDに設定登録されている。従って、受信したIDが「Mam」のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDであると判断され、それ以外のIDであれば、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではないと判断される。
【0074】
ZONE2ルームを制御可能な権限のIDではない場合(S96でNO)、例えば表示部にエラーを表示し、処理はS92に戻る。一方、ZONE2ルームを制御可能な権限のIDである場合(S96でYES)、制御部8は、ZONE2ルームの音声出力機能を制御する(S97)。なおZONE3についても同様である。
【0075】
次に、本発明の別の好ましい実施形態を説明する。本実施形態においては、図12に示すようなモードテーブルが採用される。このモードテーブルは、例えば、Evening Modeにおいて、メインルームおよびZONE2ルームのセレクタの項目が、共に(TV)と登録されており、権限(ID)が共にFamilyになっている。すなわち、1つのモードにおいて、権限(ID)として同じIDが登録されているルームは、一方のルームのセレクタの項目がユーザ操作によって変更されると、他のルームのセレクタの項目も同じ内容に変更される。これにより、モードテーブルの変更作業を容易化することができる。
【0076】
例えば、ユーザ操作によって、Evening ModeのZONE2ルームのセレクタを「TV」から「CD」に変更すると、Evening Modeのメインルームのセレクタも「TV」から「CD」に自動的に変更される。同様に、ユーザ操作によって、Evening Modeのメインルームのセレクタを「TV」から「CD」に変更すると、Evening ModeのZONE2ルームのセレクタも「TV」から「CD」に自動的に変更される。なお、編集だけでなく、セレクタの操作を同期させるようにしてもよい。
【0077】
図13は、本実施形態の処理を示すフローチャートであり、AVアンプ1の制御部8またはリモコン送信機50の制御部51の処理である(以下では、単に「制御部」という。)。制御部は、ユーザ操作によってIDが入力されたか否かを判断している(S101)。入力された場合(S101でYES)、制御部は、入力されたIDで選択可能な1又は複数のモードをモードテーブルから読み出す(S102)。制御部は、ユーザ操作によって、編集すべきモードが選択されたか否かを判断している(S103)。選択された場合(S103でYES)、制御部は、選択されたモードの各項目を表示部に表示させて、編集モードに移行する(S104)。
【0078】
制御部は、各ルームの権限(ID)の項目を変更する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S105)。入力されない場合(S105でNO)、処理はS107に進む。入力された場合(S105でYES)、制御部は、権限(ID)を変更する(S106)。
【0079】
制御部は、各ルームのセレクタの項目を変更する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S107)、入力されない場合(S107でNO)、処理はS105に戻る。入力された場合(S107でYES)、セレクタを変更する(S108)。制御部は、セレクタを変更したルームの権限(ID)と同じ権限(ID)が登録されているルームが他に存在するか否かを判断する(S109)。存在しない場合(S109でNO)、処理はS105に戻る。存在する場合(S109でYES)、制御部は、セレクタを変更したルームの権限(ID)と同じ権限(ID)が登録されているルームのセレクタの項目についても、同じセレクタに変更する(S110)。
【0080】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本実施形態においては、図14に示すようなモードテーブルが採用される。このモードテーブルは、例えば、Evening Modeにおいて、ZONE2ルームのセレクタの項目が、[main]と登録されており、ZONE2ルームの権限(ID)がメインルームの権限(ID)と同じFamilyになっている。すなわち、1つのモードにおいて、メインルームの権限(ID)と同じIDが登録されているZONE2ルーム又はZONE3ルームは、メインルームのセレクタの項目がユーザ操作によって変更されると、ZONE2ルーム又はZONE3ルームのセレクタの項目も同じ内容に変更される。これにより、モードテーブルの変更作業を容易化することができる。
【0081】
例えば、ユーザ操作によって、Evening Modeのメインルームのセレクタを「TV」から「CD」に変更すると、Evening ModeのZONE2ルームのセレクタも「TV」から「CD」に自動的に変更される。この場合、Evening Modeによって、メインルームとZONE2ルームとのセレクタを共に「CD」に変更できる。
【0082】
図15は、本実施形態の処理を示すフローチャートであり、AVアンプ1の制御部8またはリモコン送信機50の制御部51の処理である(以下では、単に「制御部」という。)。制御部は、ユーザ操作によってIDが入力されたか否かを判断している(S111)。入力された場合(S111でYES)、制御部は、入力されたIDで選択可能な1又は複数のモードをモードテーブルから読み出す(S112)。制御部は、ユーザ操作によって、編集すべきモードが選択されたか否かを判断している(S113)。選択された場合(S113でYES)、制御部は、選択されたモードの各項目を表示部に表示させて、編集モードに移行する(S114)。
【0083】
制御部は、各ルームの権限(ID)の項目を変更する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S115)。入力されない場合(S115でNO)、処理はS117に進む。入力された場合(S115でYES)、制御部は、権限(ID)を変更する(S116)。
【0084】
制御部は、メインルームのセレクタの項目を変更する指示がユーザ操作によって入力されたか否かを判断する(S117)、入力されない場合(S117でNO)、処理はS115に戻る。入力された場合(S117でYES)、メインルームのセレクタの項目を変更する(S118)。制御部は、セレクタを変更したメインルームの権限(ID)と同じ権限(ID)が登録されているZONE2ルームまたはZONE3ルームが存在するか否かを判断する(S119)。存在しない場合(S119でNO)、処理はS115に戻る。存在する場合(S119でYES)、制御部は、同じ権限(ID)が登録されているZONE2ルームまたはZONE3ルームのセレクタの項目についても、同じセレクタに変更する(S120)。
【0085】
なお、モードテーブルにおいて、メインルームのセレクタの項目が変更されたことによって、ZONE2ルームのセレクタの項目が自動的に変更された場合であっても、その後、ZONE2ルームのセレクタの項目をユーザ操作によって別の内容に変更可能としてもよい。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。上記のAVアンプ1の制御部の処理や、リモコン送信機50の制御部51の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、AVアンプに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0088】
1 AVアンプ
2 音声切換部
3 増幅部
4 音声切換部
5 増幅部
6 音声切換部
7 増幅部
8 制御部
9 メモリ
10 表示部
11 操作部
100A DVDプレーヤ
100B CDプレーヤ
100C TV受信機
100D ラジオ受信機
200A メインスピーカー
200B ZONE2スピーカー
200C ZONE3スピーカー
IN1 音声入力端子
IN2 音声入力端子
IN3 音声入力端子
IN4 音声入力端子
OUT1 メインルーム用スピーカー出力端子
OUT2 ZONE2ルーム用スピーカー出力端子
OUT3 ZONE3ルーム用スピーカー出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セレクタが割り当てられる複数の音声入力端子と、
第1ルームに配置される第1ルームスピーカーに音声信号を出力する第1ルーム音声出力端子と、
第1ルーム用セレクタを選択する第1ルームセレクタ選択手段と、
選択された第1ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第1ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第1ルーム音声切換部と、
第2ルームに配置される第2ルームスピーカーに音声信号を出力する第2ルーム音声出力端子と、
第2ルーム用セレクタを選択する第2ルームセレクタ選択手段と、
選択された第2ルーム用セレクタに応じて、複数の前記音声入力端子からの音声信号の中から前記第2ルームスピーカーに出力する音声信号を選択する第2ルーム音声切換部と、
各モードに対応付けて、ルーム毎に、制御内容と、各ルームの音声出力機能を制御する権限を示す第1識別情報とを管理するモード管理手段と、
ユーザ操作によって識別情報が入力される識別情報入力手段と、
1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードを選択するモード選択手段と、
モードが選択されたとき、選択されたモードに対応付けられている制御内容を各ルームの音声出力機能に対して実行する実行手段と、
選択されたモードにおいて、前記モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが同じであるルームの音声出力機能については制御可能とし、前記モード管理手段によって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが異なるルームの音声出力機能については制御不可能とする制御手段とを備える、音声処理装置。
【請求項2】
前記モード管理手段が、各モードに対応付けて、モードを選択する権限を示す第2識別情報をさらに管理し、
前記モード選択手段が、入力された識別情報と前記第2識別情報とが同じである1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードを選択する、請求項1に記載の音声処理装置。
【請求項3】
前記モード管理手段が、前記第1識別情報が同じであるルームについて、ユーザ操作によって一方のルームの制御内容を変更した場合に、他方のルームの制御内容も同じ制御内容に自動的に変更する、請求項1または2に記載の音声処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の音声処理装置に、
各モードに対応付けて、ルーム毎に、制御内容と、各ルームの音声出力機能を制御する権限を示す第1識別情報とを管理するモード管理ステップと、
ユーザ操作によって識別情報が入力される識別情報入力ステップと、
1又は複数のモードの中から、ユーザ操作によって1つのモードを選択するモード選択ステップと、
モードが選択されたとき、選択されたモードに対応付けられている制御内容を各ルームの音声出力機能に対して実行する実行ステップと、
選択されたモードにおいて、前記モード管理ステップによって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが同じであるルームの音声出力機能については制御可能とし、前記モード管理ステップによって管理されている第1識別情報と入力された識別情報とが異なるルームの音声出力機能については制御不可能とする制御ステップとをコンピュータに実行させる、音声処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−46265(P2013−46265A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183186(P2011−183186)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】