説明

音楽との同期表示データ作成システム

【課題】音楽演奏に合わせて、外部入力により音楽パートを分割して、パートの表示時間データを作成する際に、音楽パートのデータをリピートすることで、処理を省力化する。その際、リピート処理後の外部入力処理へのリレーを円滑に行う。また、同期パートの選択は、表示を休止するインターバルのパートを一定の頻度で設けて一括設定する。
【解決手段】音楽演奏に合わせて音楽パートの区切りを入力し、パート番号を付けてパートの演奏時間を計測して表示時間データを作成する際に、類似の音楽パートについて、範囲を指定してリピート機能により、パート設定及び同期表示データの作成を省力化する。また、インターバルの頻度を設定して、頻度に応じて、音楽パート全体を連続して表示するパートと、インターバルのパートをセットで設定し、繰り返しにより一定頻度で選択パートデータを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音楽と文章を同期して画面に表示するための同期表示データの作成に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽のパート毎に同期して文章を表示するプログラムを用いて、音楽と同期してメールや詩などの文章を表示する方法がある。
【0003】
当該プログラムで用いるパート毎の表示時間データは、音楽パートの区切りを外部入力してその間の時間計測によりデータを作成するが、類似した音楽パートについて、表示時間データをリピートして作成することができなかった。
【0004】
また、同期表示するパートの選択については、パート毎に外部入力する方法で、一括してパートの選択ができるものでなかった。
【特許文献1】特開2008−216965号公報
【特許文献2】WO2010−044220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音楽演奏に合わせて、外部入力により音楽パートを分割して、各パートにパート番号を付け、演奏時間を計測して表示時間データを順次作成する際に、類似した音楽パートのデータをリピートして作成することで、パート分割及び同期表示データの処理を省力化する。
【0006】
リピート処理終了後、音楽パートの区切りを外部入力によるパート分割する処理に円滑にリレーする。
【0007】
音楽の同期パートの選択は、連続して同期表示パートの設定した後に文章の表示を休止するインターバルのパートを設けるインターバル方式による。インターバルのパート以外は、すべて同期表示を行う選択パートデータとして、パート毎でなく音楽の全パートについて一括して設定する。
【0008】
インターバル方式による同期表示パートの設定は、音楽全体のパート分割及び同期表示データの処理終了後、同期表示ファイル作成システムにより一括して行う。また、インターバルの頻度は、ユーザが自由に設定できる機能を電子機器に備える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題解決のために音楽演奏に合わせてユーザが音楽パートの区切りを入力し、音楽パートを設定してパート番号を付けるとともに区切り間の演奏時間を計測して表示時間データを作成する。類似した音楽パートについては、範囲を指定してリピート機能により、パート設定及び同期表示データの作成を自動化する。
【0010】
リピートの範囲は、最初と最後のパートで区切り設定によるパート分割後、リピート設定部の開始パート部及び終了パートを外部入力して指定する。指定した範囲内のパートのパート番号及び計測時間のデータを同期表示データのリピート用データとして作成する。
【0011】
リピート実行時は、リピートしたパート番号全部(パート番号はリピート先の番号に修正)及びリピート終了のパート番号及び終了時の累計表示時間を画面に表示する。
【0012】
リピートした音楽パートの終了時点に相当する累計計測時間を計算して、当該時間に演奏開始時からの計測時間が等しくなった時点で、音楽パートの区切りの外部入力する方式にリレーして音楽全体の同期表示データを作成する。
【0013】
なお、リピートして同期表示データを作成する間は、外部入力により区切り設定及びパート毎の時間計測を休止する。
【0014】
パート番号や表示時間データといった同期表示データを作成後、全パートについてインターバル方式により選択パートデータを一括して設定して同期表示ファイルを作成する。
【0015】
インターバル方式では、インターバルの頻度を設定して、その頻度に応じて、音楽パート全体を連続して同期表示するパートに設定後、1回もしくは数回のインターバルのパートを設定し、その繰り返しにより一定の頻度で選択パートデータを作成する。
【発明の効果】
【0016】
音楽のパート番号と表示時間といった同期表示データのリピート及びパート分割へのリレーについては、同様の方法により繰り返しできるので、類似した音楽パートの多い場合の入力が省力化される。また、実行の外部入力部を増やせば、複数のリピート元でも可能となる。
【0017】
インターバルの設定を一定の頻度で音楽全体のパートについて、一括して作成できるので、電子機器に音楽と同期して文章を表示するプログラムの実行できる機能とインターバル頻度の調整機能が併載されれば、ユーザ自身の設定により様々なバリエーションの同期表示を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、同期表示データ作成システムの内容を示すものである。
1 システムをスタートすると、図2の電子機器の同期表示データ作成画面にパート設定 状況部、パート設定部、インターバル部、リピート設定部、リピート実行部、設定開始終 了部の各部を表示する。
【0019】
2 次に、ユーザは任意の電子機器で音楽再生を行い、音楽演奏開始と同時に設定開始終了 部の開始部をクリックすると、パート設定状況部にパート番号「1」を、パート設定部の パート番号部にパート番号の「1」を、パート表示時間部及び総表示時間部に「0.0」 秒を表示する。
【0020】
3 同時に演奏開始からの経過時間をパート表示時間用及び総表示時間用に別々に計測して、 パート表示時間部及び総表示時間部に計測時間をリアルタイムで表示する。
【0021】
4 ユーザが音楽演奏を聴きながらパートの区切りとするタイミングでパート分割部を外部 入力(クリック)すると、当該クリック時の時点までの計測時間をパート表示時間として、 それに当該パートのパート番号を付けて当該データを同期表示データメモリーに転送する。
【0022】
5 次に、パート数をカウントするとともに、当該パートが最終パートでなければ、次の処 理を同様に、パート設定状況部に次のパート番号「2」を追加して、パート番号部にパー ト番号「2」、パート表示時間部に「0.0」秒を表示して、パート表示時間を計測する。
【0023】
6 各パートの設定後、当該パートをリピート用データとする場合、リピート設定部の開始 パートを外部入力(クリック)して、当該パートのパート番号をリピート元の開始パート 番号情報とする。
【0024】
7 その後のパート設定後、当該パートをリピートの最終パートとする場合、リピート設定 部の終了パートの外部入力により、当該パートのパート番号をリピート元の終了パート番 号情報とする。そして、パート設定状況部のリピート元開始パート番号及び終了パート番 号を点滅して表示する。
【0025】
8 そして、同期表示データメモリーの当該開始パート番号から終了パート番号までの各パ ートの表示時間データを転送してリピート用の表示時間データとして各パート番号データ と合わせてリピートメモリに保存する。
【0026】
9 その後の音楽パートでリピート機能を実行する場合は、パート分割部に代えてリピート 実行部を外部入力するとリピート処理を行う。まず、リピートメモリのリピート元の各パ ートのパート番号を直前のパート番号に続くパート番号に修正して、修正したパート番号 と表示時間データを一括して同期表示メモリに転送する。
【0027】
10 次に、同期表示メモリから表示時間データを転送して、リピート処理終了時の表示時 間の累計を演算する。リピート処理を行う全パート番号をパート設定状況部に、リピート 処理終了時の終了パート及び累計表示時間をパート設定部に表示する。
11 演奏開始時から計測した総時間が累計表示時間に等しくなるとリピート処理を終了す る。パート数カウンターにリピート処理パート数をカウントして次の処理を同様に行う。
【0028】
12 音楽演奏終了に合わせて設定開始終了部の終了部をクリックすると、当該パートが最 終パートとなり、パート表示時間と総表示時間の計測及び画面表示を終了し、計測したパ ート表示時間及び総表示時間及び総パート数データを同期表示データメモリーに転送する。
【0029】
13 また、全パートについて、インターバルの頻度を設定して選択パートデータの設定を 行う。頻度の設定は、文章を表示するパートの連続表示数及びインターバルパートの連続 数をユーザが任意に外部入力する。
【0030】
14 図1ではインターバルの頻度が「 」の例で、連続して5パート表示後、 その後、1パートのインターバルを入れてそれを繰り返すというもので、1番目から5番 目までが文章表示パート、6番目はインターバルのパートという形で、その後も6の倍数 以外は文章表示パート、6の倍数がインターバルのパートに設定される。
【0031】
15 全パートの設定を一括して行い、設定したデータを同期表示データメモリーに転送す る。これまでの同期表示データメモリーのデータと合わせて図4の同期表示データファイ ルの形式でメモリーに保存して、システムを終了する。
【0032】
図2は、同期表示データ作成画面の内容を示するもので、パート設定状況部、パート設定部、インターバル部、リピート設定部、リピート実行部、設定開始終了部で構成する。
【0033】
パート設定状況部は、音楽パートの分割の都度、パート番号を順次、追加して音楽全体のパート番号を表示するとともにリピート設定部で設定したリピート元の開始パートと終了パートの番号を点滅表示する。
【0034】
パート設定部は、パート番号部、パート表示時間部及び総表示時間部とパート分割部で構成する。パート分割部の外部入力(クリック)により音楽パートの分割を行う。
【0035】
パート番号部、パート表示時間部は、設定中のパート番号の表示と計測時間のリアルタイム表示を行うが、リピート実行時は、リピート終了時のパート番号と累計表示時間を表示する。
【0036】
インターバル部は、連続して同期表示するパート数及びその後のインターバルのパート数を設定するもので、ユーザが好みに応じてインターバルの頻度を電子機器に入力する。
【0037】
リピート設定部は、音楽パートの区切りを設定した後にリピート範囲の開始パート及び終了パートを入力してリピート範囲を指定するものである。設定後は、パート設定状況部の開始パート番号及び終了パート番号を点滅表示する。
【0038】
リピート実行部は、パート設定状況部のリピート開始パート番号及び終了パート番号の点滅表示がされた状態で行うもので、リピートする最初のパートにおいてパート分割の区切りに代えて外部入力でリピートを実行するものである。
【0039】
実行後、パート設定部にリピート終了時のパート番号及び累計計測時間を表示して、当該時間に演奏開始時からの計測時間が達した時点から外部入力による音楽パートの区切り設定を再開するので、ユーザはそのタイミングを知ることができる。
【0040】
設定開始終了部は、音楽演奏の開始情報及び終了情報を入力する場合に、開始部及び終了部のクリック部をクリックして外部入力する。音楽再生と当該システムを同一の電子機器で行う場合は、音楽演奏の開始情報を自動的に入手して処理を行うことも可能であり、その場合は、開始部における外部入力は不要となる。
【0041】
図3は、同期表示ファイル作成システムの説明図である。
同期表示データメモリーから音楽のパート番号及びパート表示時間データを読み込み、同期表示データ(選択パートデータ読込前)のファイルとして保存する。
【0042】
当該ファイルの全パートのパート番号データCを順次読み込むとともに、図2の電子機器の画面でインターバルデータとして入力した、文章を表示するパートの連続表示数m及びインターバルパートの連続数nを読み込み、次の演算を行う。
(C−α)÷(m+n)≠整数(m、nは整数、αは(n−1)以下の整数)
【0043】
Cのパート番号データについて順次演算して、各パート番号の音楽パートについて演算結果が整数とならない場合は選択パートデータ(Y)、整数となる場合はインターバルパートデータ(N)として、パート番号及びパート表示時間データと合わせて同期表示ファイルを作成する。
【0044】
作成した同期表示ファイルについて、選択パートデータ(Y)、インターバルパートデータ(N)別に昇順処理して、昇順処理後の同期表示ファイルを作成する。当該ファイルにパート別文章データを読み込み、選択パートデータ(Y)の音楽パートに昇順でパート別表示部に順次書き込むとともに、同期表示データメモリーから総パート数、総表示時間データを読み込み、同期表示文章ファイルを作成してシステムを終了する。
【0045】
作成したファイルを用いて、図5の音楽と同期して表示するプログラムを実行して、選択パートのパート表示部の文章を同期表示する。
【0046】
図4は、同期表示文章ファイルの内容を表示するものである。
パート番号及びパート表示時間、選択パートデータ、総パート数、総表示時間データ等のデータで構成する。選択パートデータは、連続して3パート表示後、2回インターバルを入れてそれを繰り返すもので、パート番号1から3までが同期表示選択パート、4,5はインターバルのパートであることを示す。
【0047】
図5は、音楽と同期して文章を表示するプログラムの内容を示すものである。
1 電子機器の音楽再生部から音楽演奏の開始情報を受け、メモリーの同期表示ファイルの 内容をデータエリアに読込み、パート1の実行をパート更新エリアに指示する。
【0048】
2 パート更新エリアでは、指示を受けてデータエリアから総パート数データの提供を受け るともに、データエリアに対し文章出力エリア、時間管理エリアにパート番号1,パート 1の文章(歌詞データ)、パート1の表示時間を転送する指示を行う。
【0049】
3 文章出力エリアでは、文章(歌詞データ)を画面に出力するとともに、時間管理エリア に表示した時間の計測を指示する。時間管理エリアにおいて計測した時間がパート1の表 示時間に等しくなると、当該パートの終了処理(文章出力エリアに出力中止等、パート更 新エリアにパートの更新)を指示する。
【0050】
4 パート更新エリアで、次パートの処理(パート数データの提供を受けることを除く)を 同様の方法で行い、その処理を繰り返す。パートの更新回数がパート数に等しくなるか、 計測時間の累計が総表示時間に等しくなればプログラムを終了する。
【産業上の利用可能性】
【0051】
音楽産業、音響機器メーカー、携帯電話などで産業上の利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、同期表示データ作成システムの説明図である。
【図2】図2は、電子機器の同期表示データ作成画面の説明図である。
【図3】図3は、同期表示ファイル作成システムの説明図である。
【図4】図4は、同期文章表示ファイルの説明図である。
【図5】図5は、音楽と同期して文章を表示するプログラムの説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽演奏に合わせて、外部入力により音楽パートの区切りを順次設定して音楽全体のパート分割を行う際に、分割順に音楽パートのパート番号を付けて各パートの計測時間と合わせて同期表示データを作成するともに、類似した音楽パートについて、外部入力により指定した範囲の音楽パートの同期表示データをリピートして当該パート以降のパートの同期表示データを作成するとともに、リピートによりデータを作成したパートについては外部入力によるパート分割を休止し、リピートにより作成する最終パートの終了時の累計計測時間(音楽全体の中の最初の音楽パートから当該リピートでデータを作成した最終パートまでのパート毎の計測時間(リピートにより作成する時間データを含む)の累計)を演算して、当該時間が演奏開始時からの計測時間と等しくなれば、外部入力による音楽パートの区切り設定を再開して、全体の音楽パートを連続して同期表示データを作成するシステム
【請求項2】
音楽と同期して表示する音楽全体の音楽パートの中で、文章を連続して表示する音楽パートと、その次に文章を表示しないインターバル(同期表示の休止)の音楽パートを一定の頻度(連続して文章を表示するパート数及びインターバルのパート数は任意の数値とする。)で音楽全体について繰り返すように両者をセットで設定して、そのうちの文章を表示する音楽パートについて、文章を表示するパートとする選択パートデータを作成し、音楽全体のパート番号及び表示時間データと合わせて同期表示用ファイルを作成するシステム
【請求項3】
音楽演奏に合わせて、外部入力により音楽パートの区切りを順次設定して音楽全体のパート分割を行う際に、分割順に音楽パートのパート番号及び各パートの計測時間及び最初の外部入力による区切りの設定からの経過時間を計測して画面表示するとともに、リピートする音楽パートの開始パート及び終了パートを外部入力してリピートの範囲を設定して、開始パート番号及び終了パート番号を画面表示し、リピートの実行を外部入力した後、リピートした音楽パートのパート番号全部及びリピート終了パート番号及び音楽全体の中の最初の音楽パートから当該最終パートまでのパート毎の計測時間(リピートにより作成する時間データを含む)の累計時間を画面表示するとともに、連続して同期表示するパート数及びその後に続くインターバルのパート数を任意に設定して、連続して文章を表示するパート数とそれに続く文章を表示しないインターバルのパート数の頻度を自由に変更できる機能を有する電子機器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−177813(P2012−177813A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41013(P2011−41013)
【出願日】平成23年2月27日(2011.2.27)
【出願人】(506428193)
【Fターム(参考)】