説明

音楽再生装置

【課題】音楽再生時の操作性を向上させることができる「音楽再生装置」を提供すること。
【解決手段】音楽記録再生装置100は、フォルダを単位として再生対象となる音楽データが付属データとともに記録されるハードディスク装置14と、ハードディスク装置14から音楽データを読み出して音楽再生を行う音楽データ読出部16および音楽データ再生部18と、再生対象となる音楽データが含まれるフォルダを切り替える切替操作を受け付ける操作部30と、切替操作が行われた時に、ハードディスク装置14に2以上のフォルダが含まれている場合には他のフォルダに含まれる音楽データを次の再生対象として特定するとともに、1つのフォルダのみが含まれている場合には、このフォルダに含まれるその時点で再生対象になっている以外の音楽データを付属データに基づいて検索して次の再生対象として特定する付属データ読出部20および音楽データ検索部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォルダを単位として記録された音楽データを再生する音楽再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、MP3(MPEG-1 Audio Layer 3)等の音楽データ圧縮技術の進歩やハードディスク装置の低価格化にともなって、CDやDVD等に記録された音楽データを圧縮してハードディスク装置に蓄積し、蓄積された音楽データを適宜読み出して再生する音楽再生装置が普及しつつある(例えば、特許文献1参照。)。利用者は、この音楽再生装置を用いることにより、ハードディスク装置に蓄積された膨大な数の音楽データの中から聴きたい音楽データを指定するだけで、CD等を交換するという煩雑な操作を行うことなく任意の音楽を聴くことができる。また、この音楽再生装置では、利用者が適当なフォルダを指定して音楽データを格納することができるため、例えば販売されているアルバム毎(CD毎)にフォルダを作成することができるため、このフォルダを仮想CDとして取り扱うことも可能となる。
【特許文献1】特開2002−278564号公報(第4−6頁、図1−7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した特許文献1に開示された音楽再生装置では、音楽データを記録するフォルダを利用者が任意に設定することができるが、1つのフォルダに記録する音楽データの数が多すぎると選曲操作がしづらいという問題があった。例えば、1枚のCDに1つのフォルダを対応させた場合には、アルバム名毎にフォルダを変えることができるため、利用者は、一のアルバムに記録されている音楽を順番に聴いていって途中で次のアルバムの音楽を聴きたいと思った場合には、フォルダを切り替える所定の操作をすればよい。ところが、アーティスト名に対応する1つのフォルダを作った場合や、全ての音楽データに対応する1つのフォルダを作った場合には、今再生中のアルバムから次のアルバムに再生対象を切り替えようとしてもフォルダの切り替え操作では対処できない。このとき、フォルダ内の各音楽データの内容(IDタグの内容)を表示することができれば、その表示内容を見ながら音楽データを選択してトラックジャンプ(例えば、一のトラックに1つの音楽データが対応しているものとする)を指示することができるが、表示内容を確認しながらの操作はとても煩雑であり、車載の音楽再生装置などでは実施が困難である。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、音楽再生時の操作性を向上させることができる音楽再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明の音楽再生装置は、フォルダを単位として、再生対象となる音楽データが付属データとともに記録される音楽データ記録手段と、音楽データ記録手段から音楽データを読み出して音楽再生を行う音楽再生処理手段と、再生対象となる音楽データが含まれるフォルダを切り替える切替操作を受け付ける操作手段と、操作手段を用いた切替操作が行われたときに、音楽データ記録手段に2以上のフォルダが含まれている場合には、再生対象となる音楽データが含まれるフォルダを切り替えてこの切り替えた後のフォルダに含まれる一の音楽データを次の再生対象として特定するとともに、音楽データ記録手段に1つのフォルダのみが含まれている場合には、このフォルダに含まれるその時点で再生対象になっている以外の音楽データを付属データに基づいて検索して次の再生対象として特定する音楽データ検索手段とを備えている。これにより、一のフォルダに多くの音楽データを記録した場合であっても、各音楽データの内容を表示させて選択操作をすることなくフォルダの切替操作を行うだけで、フォルダ内の他の音楽データを再生することが可能になり、音楽データ再生時の操作性を向上させることができる。
【0006】
また、上述した音楽データは、圧縮された形式で音楽データ記録手段に記録されており、音楽再生処理手段は、音楽データ記録手段から読み出した音楽データを非圧縮データに伸張処理した後に音楽再生を行うことが望ましい。特に、圧縮された形式で音楽データが記録されている場合には音楽データの数も多くなるが、このような場合であっても、フォルダの切替指示を行うだけで、一のフォルダに記録された膨大な数の音楽データの中から次の再生対象となる他の音楽データを特定することができる。
【0007】
また、上述した付属データには、一あるいは複数の音楽データに共通する検索キーワードが含まれており、音楽データ検索手段は、音楽データ記録手段に1つのフォルダのみが含まれている場合に、検索キーワードを用いて次の再生対象となる音楽データを検索することが望ましい。これにより、検索キーワードを用いて音楽データを検索することができるため、検索処理の負担を軽減することができる。
【0008】
また、上述した付属データには、複数種類の属性データが含まれており、音楽データ検索手段は、複数種類の属性データの中から一の属性データに着目し、その時点で再生対象となっている音楽データに対応するこの一の属性データの内容と異なる内容を検索キーワードとして次の再生対象となる音楽データを検索することが望ましい。これにより、フォルダの切替操作がなされたときに、属性が異なる他の音楽データを再生することができるため、変化に富んだ内容の音楽再生を行うことが可能になる。
【0009】
また、上述した付属データには、販売対象となる複数の音楽データが含まれるグループ毎に付されたアルバム名が含まれており、音楽データ検索手段は、音楽データ記録手段に1つのフォルダのみが含まれている場合に、その時点で再生対象となっている音楽データに対応するアルバム名と異なる他のアルバム名に対応した他の音楽データを検索することが望ましい。特に、上述した音楽再生処理手段は、音楽データ検索手段によって他のアルバム名に対応した音楽データの検索が行われたときに、他のアルバム名と同じアルバム名に対応する複数の音楽データを音楽データ記録手段から順番に読み出して音楽再生を行うことが望ましい。これにより、異なるアルバム名の音楽データを一つのフォルダに記録した場合であっても、アルバム名毎に再生順番を切り替えることが可能になり、アルバム毎にフォルダを替えて記録したり、フォルダ内の音楽データをアルバム名を指定して検索するなどの煩雑な操作を防止することができ、操作性を向上させることができる。
【0010】
また、上述した付属データには、音楽データのそれぞれに対応する曲のジャンルが含まれており、音楽データ検索手段は、音楽データ記録手段に1つのフォルダのみが含まれている場合に、その時点で再生対象となっている音楽データに対応するジャンルと異なる他のジャンルに対応した他の音楽データを検索することが望ましい。特に、上述した音楽再生処理手段は、音楽データ検索手段によって他のジャンルに対応した音楽データの検索が行われたときに、他のジャンルに属する複数の音楽データを音楽データ記録手段から順番に読み出して音楽再生を行うことが望ましい。これにより、異なるジャンルの音楽データを一つのフォルダに記録した場合であっても、ジャンル毎に再生順番を切り替えることが可能になり、ジャンル毎にフォルダを替えて記録したり、フォルダ内の音楽データをジャンルを指定して検索するなどの煩雑な操作を防止することができ、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した一実施形態の音楽記録再生装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の音楽記録再生装置の構成を示す図である。図1に示す本実施形態の音楽記録再生装置100は、車両に搭載されており、ディスクプレーヤ10、音楽データ作成部12、ハードディスク装置14、音楽データ読出部16、音楽データ再生部18、付属データ読出部20、音楽データ検索部22、操作部30を含んで構成されている。
【0012】
ディスクプレーヤ10は、CDあるいはDVDに記録された音楽データやこの音楽データに付随するデータを読み出す。例えば、ディスクプレーヤ10からは、CDに記録された各種形式のデータに対して再生処理を行った後の非圧縮の音楽データが出力されるとともに、TOC(Table of Content)に記録された各種情報が読み出されて出力される。なお、通常、車両には音楽記録再生装置100と一体あるいは別体となったオーディオ装置が搭載されており、このオーディオ装置にはCDやDVDから音楽データ等を読み出すディスクプレーヤが備わっている場合が多いため、これを音楽記録再生装置100のディスクプレーヤ10として使用するようにしてもよい。
【0013】
音楽データ作成部12は、ディスクプレーヤ10から出力される非圧縮の音楽データに対して圧縮処理を行って、所定形式(例えばMP3形式)の音楽データを作成する。なお、本実施形態では、ディスクプレーヤ10から出力される非圧縮の音声データに基づいてMP3形式の圧縮された音楽データが作成されるものとしているが、CD等にMP3形式の音楽データが既に記録されている場合にはこの音楽データを用いたり、CD等にMP3形式以外の方式で圧縮された音楽データが記録されている場合にはMP3形式以外の方式で圧縮された音楽データからMP3形式の音楽データを直接作成するようにしてもよい。音楽データ作成部12によって作成されたMP3形式の音楽データは、CD等から音楽データと並行して読み出された付属データとともに楽曲データとしてハードディスク装置14内の指定されたフォルダに記録される。
【0014】
図2は、ハードディスク装置14に記録される楽曲データのデータ構造を示す図である。図2に示すように、本実施形態の楽曲データは、楽曲毎に、音楽データをMP3方式によって圧縮して作成した「圧縮音楽データ」と、この楽曲に関する各種の属性データを示す付属データとしての「ID3タグ情報」を含んで構成されている。このID3タグ情報には、
a.楽曲の曲名を示す「タイトル」
b.この楽曲を歌っている歌手名、あるいは演奏している演奏者名などを表す「アーティスト」
c.販売対象となる複数の楽曲が収録されているグループ名としてのアルバム名を表す「アルバム」
d.楽曲(あるいはこの楽曲を収録するアルバム)の発表年度を表すイヤー
e.楽曲に対して任意に付加される各種情報である「コメント」
f.楽曲のジャンル情報(ポップス、ロック、クラシック等)を表す「ジャンル」
等の情報が含まれている。
【0015】
音楽データ読出部16は、ハードディスク装置14に記録された楽曲データの中の圧縮音楽データを所定の順番で読み出す。例えば、読み出し対象となるフォルダが指定されると、その中に含まれる圧縮音楽データをトラック番号が小さい順に順番に読み出す動作が行われる。音楽データ再生部18は、音楽データ読出部16によってハードディスク装置14から読み出された各楽曲の圧縮音楽データを伸張処理するとともに、この伸張後の音楽データをアナログの音楽信号に変換する処理を行う。音楽データ再生部18から出力される音楽信号は、内蔵あるいは外付けのアンプ(図示せず)によって増幅されて複数のスピーカ(図示せず)から車室内に出力される。
【0016】
付属データ読出部20は、ハードディスク装置14に記録された楽曲データの中のID3タグ情報を読み出す。音楽データ検索部22は、音楽データの再生中にフォルダ移動を伴う再生楽曲の切り替えが指示されたときに、他のフォルダの有無を検索するとともに、他のフォルダが存在しない場合には再生中の楽曲に対応するフォルダ内の他の楽曲の検索を行う。この検索動作の詳細については後述する。
【0017】
操作部30は、フォルダ移動を伴う再生楽曲の切替指示を受け付けるためのものであり、利用者によって操作されるフォルダUP(アップ)キーとフォルダDOWN(ダウン)キーが少なくとも備わっている。フォルダUPキーは、再生対象となる楽曲データが含まれるフォルダを所定方向に移動させる指示を行うためものであり、フォルダDOWNキーは、再生対象となる楽曲データに含まれるフォルダを反対方向に移動させる指示を行うためのものである。また、操作部30は、楽曲データをハードディスク装置14に記録する際にフォルダを指定するためにも用いられる。楽曲データを記録する際のフォルダの指定は利用者自身が任意に行うことができる。例えば、アルバム単位で、すなわちCDやDVD毎に新たなフォルダを指定してそのフォルダ内に楽曲データを記録するようにすれば、後にフォルダを指定することによってアルバム毎の再生指示を行うことができる。しかし、新たなフォルダをCD等を入れ替えるたびに指定することは面倒であると考える利用者は、その都度新たなフォルダを指定せずに、すなわち1回だけ指定したフォルダを使用したり初期状態において予め用意されたフォルダを用いて複数のCDやDVDに対応する楽曲データを記録することもできる。
【0018】
上述したハードディスク装置14が音楽データ記録手段に、音楽データ読出部16、音楽データ再生部18が音楽再生処理手段に、操作部30が操作手段に、付属データ読出部20、音楽データ検索部22が音楽データ検索手段にそれぞれ対応する。
【0019】
本実施形態の音楽記録再生装置100はこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。図3は、ハードディスク装置14に記録されている楽曲データを読み出して再生する場合の音楽記録再生装置100の動作手順を示す流れ図であり、音楽再生中に操作部30を用いてフォルダ移動が指示された場合の動作手順が示されている。
【0020】
電源が投入されて音楽記録再生装置100が動作可能な状態になると、音楽データ読出部16は、利用者によって操作部30が操作されて再生指示がなされたか否かを判定する(ステップ100)。再生指示がなされない場合には否定判断が行われてこの判定が繰り返される。また、利用者によって再生指示がなされた場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われ、次に、音楽データ読出部16は、再生指示において特定されたフォルダ内の楽曲データを所定の順番で読み出し、音楽データ再生部18は、この読み出された楽曲データに含まれる圧縮音楽データを伸張処理するとともに伸張後の音楽データをアナログの音楽信号に変換する再生処理を開始する(ステップ101)。なお、再生時においてフォルダが指定されていない場合には、デフォルトのフォルダ(例えば、通し番号が付されて管理されている場合を考えると通し番号が最も小さいフォルダ)内の楽曲データが読み出されて再生処理が開始される。また、CDやDVDから楽曲データを読み込んでハードディスク装置14に記録する場合には、同じアルバム名の楽曲データが連続して記録されるため、特に再生順番が変更されない場合には、同一のアルバムに対応する複数の楽曲データの再生処理が連続することになる。
【0021】
次に、音楽データ読出部16は、利用者によって操作部30が操作されて再生動作の終了が指示されたか否かを判定する(ステップ102)。再生終了が指示された場合には肯定判断が行われ、再生処理を終了した後、ステップ100に戻って再生指示の有無判定が繰り返される。
【0022】
また、再生終了が指示されていない場合にはステップ102の判定において否定判断が行われて、次に、音楽データ検索部22は、利用者によってフォルダUPキーあるいはフォルダDOWNキーのいずれかが押下されてフォルダ切替が指示されたか否かを判定する(ステップ103)。いずれのキーも押下されていない場合には否定判断が行われ、ステップ102の再生終了判定が繰り返される。また、いずれかのキーが押下された場合にはステップ103の判定において肯定判断が行われる。次に、音楽データ検索部22は、ハードディスク装置14の記録内容を調べて、再生中の楽曲データに対応するフォルダ以外の他のフォルダが存在するか否かを判定する(ステップ104)。他のフォルダが存在する場合には肯定判断が行われ、再生対象となるフォルダを切り替えた後(ステップ105)、ステップ101に戻ってこの切り替え後のフォルダ内の楽曲データの再生が開始される。
【0023】
また、他のフォルダが存在しない場合にはステップ104の判定において否定判断が行われる。つぎに、音楽データ検索部22は、再生中のフォルダ内検索を開始する(ステップ106)。具体的には、付属データ読出部20は、再生中の楽曲データに含まれるID3タグ情報を読み出してアルバム名を抽出し(ステップ107)、音楽データ検索部22は、アルバム名を検索キーワードとして、抽出されたアルバム名以外の他のアルバム名を有する楽曲データが存在するか否かを判定する(ステップ108)。存在する場合には、別のアルバム名を有する楽曲データに再生対象を切り替えた後(ステップ109)、ステップ101に戻ってこの切り替え後の楽曲データの再生が開始される。また、他のアルバム名の楽曲データが存在しない場合(1枚のCDやDVDのみから楽曲データを読み出して記録した場合)にはステップ108の判定において否定判断が行われ、利用者に対して所定の通知が行われる(ステップ110)。例えば、表示部(図示せず)に切り替え先となるフォルダや他のアルバムがないことが表示される。その後、ステップ103に戻って、フォルダ切替指示の有無判定が繰り返される。
【0024】
このように、本実施形態の音楽記録再生装置100では、一のフォルダに多くの楽曲データを記録した場合であっても、各楽曲データの内容を表示させて選択操作をすることなくフォルダの切替操作を行うだけで、フォルダ内の他の音楽データを再生することが可能になり、音楽データ再生時の操作性を向上させることができる。特に、圧縮された形式で音楽データが記録されている場合には音楽データの数も多くなるが、このような場合であっても、フォルダの切替指示を行うだけで、一のフォルダに記録された膨大な数の音楽データの中から次の再生対象となる他の音楽データを特定することができる。
【0025】
また、付属データとしてのID3タグ情報を検索キーワードとして用いて音楽データを検索することができるため、検索処理の負担を軽減することができる。特に、この付属データには複数種類の属性データが含まれており、一の属性データに着目し、その時点で再生対象となっている音楽データに対応するこの一の属性データの内容と異なる内容を検索キーワードとして次の再生対象となる音楽データを検索することにより、フォルダの切替操作がなされたときに、属性が異なる他の音楽データを再生することができるため、変化に富んだ内容の音楽再生を行うことが可能になる。
【0026】
また、フォルダが一つしかない場合に、再生対象となっている音楽データに対応するアルバム名と異なる他のアルバム名の音楽データを検索して再生処理を行っているため、異なるアルバム名の音楽データを一つのフォルダに記録した場合であっても、アルバム名毎に再生順番を切り替えることが可能になり、アルバム毎にフォルダを替えて記録したり、フォルダ内の音楽データをアルバム名を指定して検索するなどの煩雑な操作を行う必要が無く、操作性を向上させることができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。上述した実施形態では、ハードディスク装置14に楽曲データを記録するようにしたが、CDやDVDあるいは半導体メモリ等に楽曲データを記録するようにしてもよい。また、圧縮方式の一例としてMP3を説明したが他の圧縮方式で圧縮した楽曲データを記録するようにしてもよい。
【0028】
また、上述した実施形態では、音楽記録再生装置100に楽曲データを圧縮して記録する機能を持たせたが、再生機能のみを持たせるようにしてもよい。この場合には、圧縮された楽曲データを何らかの方法でハードディスク装置14に転送する必要があるが、この転送は、メモリカードやCD、DVD等を用いて行ったり、インターネット等の通信媒体を介してダウンロード等の手法を用いて行うようにしてもよい。
【0029】
また、上述した実施形態では、フォルダが一つしかない場合にフォルダ切替が指示されたときに、他のアルバム名を有する他の楽曲データを検索するようにしたが、アルバム名以外の付属データ(ID3タグ情報)を検索キーワードとして他の楽曲データを検索するようにしてもよい。例えば、ジャンルを検索キーワードに用いるようにしてもよい。この場合には、フォルダが一つしかない場合に、再生対象となっている音楽データに対応するジャンルと異なる他のジャンルの音楽データを検索して再生処理が行われる。これにより、異なるジャンルのの音楽データを一つのフォルダに記録した場合であっても、ジャンル毎に再生順番を切り替えることが可能になり、ジャンル毎にフォルダを替えて記録したり、フォルダ内の音楽データをジャンルを指定して検索するなどの煩雑な操作を行う必要が無く、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態の音楽記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】ハードディスク装置に記録される楽曲データのデータ構造を示す図である。
【図3】ハードディスク装置に記録されている楽曲データを読み出して再生する場合の音楽記録再生装置の動作手順を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0031】
10 ディスクプレーヤ
12 音楽データ作成部
14 ハードディスク装置
16 音楽データ読出部
18 音楽データ再生部
20 付属データ読出部
22 音楽データ検索部
30 操作部
100 音楽記録再生装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォルダを単位として、再生対象となる音楽データが付属データとともに記録される音楽データ記録手段と、
前記音楽データ記録手段から前記音楽データを読み出して音楽再生を行う音楽再生処理手段と、
再生対象となる前記音楽データが含まれる前記フォルダを切り替える切替操作を受け付ける操作手段と、
前記操作手段を用いた切替操作が行われたときに、前記音楽データ記録手段に2以上の前記フォルダが含まれている場合には、再生対象となる前記音楽データが含まれる前記フォルダを切り替えてこの切り替えた後の前記フォルダに含まれる一の前記音楽データを次の再生対象として特定するとともに、前記音楽データ記録手段に1つの前記フォルダのみが含まれている場合には、このフォルダに含まれるその時点で再生対象になっている以外の前記音楽データを前記付属データに基づいて検索して次の再生対象として特定する音楽データ検索手段と、
を備えることを特徴とする音楽再生装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記音楽データは、圧縮された形式で前記音楽データ記録手段に記録されており、
前記音楽再生処理手段は、前記音楽データ記録手段から読み出した前記音楽データを非圧縮データに伸張処理した後に音楽再生を行うことを特徴とする音楽再生装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記付属データには、一あるいは複数の前記音楽データに共通する検索キーワードが含まれており、
前記音楽データ検索手段は、前記音楽データ記録手段に1つの前記フォルダのみが含まれている場合に、前記検索キーワードを用いて次の再生対象となる前記音楽データを検索することを特徴とする音楽再生装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記付属データには、複数種類の属性データが含まれており、
前記音楽データ検索手段は、前記複数種類の属性データの中から一の属性データに着目し、その時点で再生対象となっている前記音楽データに対応するこの一の属性データの内容と異なる内容を前記検索キーワードとして次の再生対象となる前記音楽データを検索することを特徴とする音楽再生装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記付属データには、販売対象となる複数の前記音楽データが含まれるグループ毎に付されたアルバム名が含まれており、
前記音楽データ検索手段は、前記音楽データ記録手段に1つの前記フォルダのみが含まれている場合に、その時点で再生対象となっている前記音楽データに対応する前記アルバム名と異なる他のアルバム名に対応した他の前記音楽データを検索することを特徴とする音楽再生装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記音楽再生処理手段は、前記音楽データ検索手段によって前記他のアルバム名に対応した前記音楽データの検索が行われたときに、前記他のアルバム名と同じアルバム名に対応する複数の前記音楽データを前記音楽データ記録手段から順番に読み出して音楽再生を行うことを特徴とする音楽再生装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記付属データには、前記音楽データのそれぞれに対応する曲のジャンルが含まれており、
前記音楽データ検索手段は、前記音楽データ記録手段に1つの前記フォルダのみが含まれている場合に、その時点で再生対象となっている前記音楽データに対応する前記ジャンルと異なる他のジャンルに対応した他の前記音楽データを検索することを特徴とする音楽再生装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記音楽再生処理手段は、前記音楽データ検索手段によって前記他のジャンルに対応した前記音楽データの検索が行われたときに、前記他のジャンルに属する複数の前記音楽データを前記音楽データ記録手段から順番に読み出して音楽再生を行うことを特徴とする音楽再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−147062(P2006−147062A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336850(P2004−336850)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】