説明

音楽再生装置

【課題】 機能をより多様化すること。
【解決手段】 音楽再生装置1を携帯するユーザが歩行するときの歩行状態をセンサ17から収集する歩行状態収集部34と、記録装置19に記録される楽曲を音響装置28から出力する楽曲再生部38と、歩行状態に基づいて楽曲の演奏形態を変更するガイド部37とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音楽再生装置に関し、特に、ユーザに携帯されて音楽を再生する音楽再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに携帯されて音楽を再生する音楽再生装置が知られている。図9は、公知の音楽再生装置を示している。その音楽再生装置100は、音楽再生装置本体101とスイッチ102とディスプレイ103とヘッドホンジャック104とUSBジャック105とを備えている。音楽再生装置本体101は、図示されていないCPUを備える情報処理装置である。スイッチ102は、ユーザにより操作されて、楽曲の選曲、楽曲の再生のスタート/ストップ、音量の変更に用いられる。ディスプレイ103は、再生中の楽曲、再生時間を表示する。ヘッドホンジャック104は、ヘッドホン107の端子がさしこまれるコネクタであり、音楽再生装置本体101からヘッドホン107に電気信号が伝送されるように、音楽再生装置本体101とヘッドホン107とを接続する。ヘッドホン107は、音楽再生装置本体101により生成された楽曲を示す電気信号を音に変換する。USBジャック105は、USBケーブル106がさしこまれるコネクタであり、音楽再生装置本体101とパーソナルコンピュータ110とが双方向に情報を伝送することができるように、音楽再生装置本体101とパーソナルコンピュータ110とを接続する。パーソナルコンピュータ110は、インターネット111に接続され、インターネット111に公開されている楽曲を収集することもできる。
【0003】
ユーザは、所望の楽曲が記録される記録媒体(CD、DVD)を購入してパーソナルコンピュータ110に格納し、または、パーソナルコンピュータ110を用いてインターネット111から所望の楽曲を収集し、その楽曲をパーソナルコンピュータ110から音楽再生装置100に伝送する。音楽再生装置100は、その楽曲を記録し、ユーザによるスイッチ102の操作に基づいて、その楽曲をヘッドホン107から出力する。このような音楽再生装置は、機能が多様であることが望まれている。
【0004】
ユーザに携帯されてそのユーザが歩行するときの歩数・歩行速さ・歩行距離を計測する歩数計が知られている。図10は、公知の歩数計を示している。その歩数計200は、歩数計本体201と設定スイッチ202とディスプレイ203とUSBジャック205とを備えている。歩数計本体201は、図示されていないCPUを備える情報処理装置であり、さらに、内部に歩数計200を携帯するユーザの歩数を計測するセンサを備えている。設定スイッチ202は、ユーザにより操作されて、その歩数をリセットすること等に用いられる。ディスプレイ203は、その歩数を表示する。USBジャック205は、USBケーブル206がさしこまれるコネクタであり、歩数計本体201からパーソナルコンピュータ210に情報が伝送されるように、歩数計本体201とパーソナルコンピュータ210とを接続する。パーソナルコンピュータ210は、インターネット211に接続され、インターネット211に公開されている情報を収集することができる。
【0005】
ユーザは、歩数計200を携帯して歩行する。このとき、歩数計200は、ユーザの歩数を計測して、その歩数をディスプレイ203に表示し、その歩数を記録する。歩数計200は、さらに、パーソナルコンピュータ210に接続されると、その歩数をパーソナルコンピュータ210に伝送する。ユーザは、パーソナルコンピュータ210を用いてインターネット111からその歩数に基づいて生成される健康に関するアドバイスを収集することができる。
【0006】
特開2000−196724号公報には、携帯用のヘッドホーンステレオの聴取中にも電話の受信、発信ができると共に、リモコン装置にマイクロホン、タイマー、万歩計(登録商標)、鏡、小型照明装置等を設けた携帯電話機付ヘッドホーンが開示されている。その携帯電話機付ヘッドホーンは、ボリウム、再生、ストップ、回路の各機構を内蔵したリモコン装置に、コードを介してヘッドホンを連設し、別のコードを介してヘッドホンステレを連設した携帯用ヘッドホンのヘッドホンステレオにコードを介して携帯電話機を連設したもので、リモコン装置に小型のマイクロホン、タイマー、万歩計(登録商標)、鏡、爪楊枝収納部、小型照明装置、音量調節機構を設けたことを特徴としている。
【0007】
特開2002−214691号公報には、携帯性に富み、可能な限り正確な使用者の歩数を検出できる万歩計(登録商標)付きカメラが開示されている。その万歩計(登録商標)付きカメラは、リモコン装置に、歩行動作に関連して振動検知信号を発生する振動検知部を内蔵し、振動検知部からの振動検知信号に基づいてCPUにおいて累計歩数を計算する。累計歩数のデータは操作キーに組み込まれた転送キーを押すことによりリモコン送信部からカメラ本体に送信され、カメラ本体で画像処理された後、LCD表示装置に表示される。リモコン装置の背面には固定用のクリップ部が取り付けられ、クリップ部の切り欠き部にはスイッチがリモコン装置本体から突出している。スイッチがOFFの時には前記振動検知部の感度が下がるようになっており、余分な振動を検出しないような仕組みになっている。
【0008】
特開2000−105598号公報には、MP3音楽ファイル及び電話番号情報またはメモ情報のような多様な付加情報を外部のデータ提供装置からダウンロードして格納及び再生できる携帯用データ記録/再生装置が開示されている。その携帯用データ記録/再生装置は、外部から提供される音声に関するアナログオーディオ信号をデジタルオーディオ信号に変換するためのアナログデジタル変換手段と、MP3音楽ファイルをMP3方式でデコードすることと、前記デジタルオーディオ信号を所定の方式でエンコーディングして音声データファイルに出力して、前記音声データファイルが入力される時には前記所定の方式でデコードするためのコデック手段と、外部のデータ提供装置と前記携帯用データ格納及び再生装置との間においてデータファイルを送受信するためのインタフェース手段と、前記データ提供装置から提供された前記データファイル及び前記コデック手段によりエンコードされた前記音声データファイルを指定されたアドレスに保存するための不揮発性メモリー手段と、ひとつ以上の機能選択スイッチを含んで、使用者が前記機能選択スイッチの操作により前記不揮発性メモリー手段に保存されているファイルのうち所望のものを選択して所定モードでオーディオ信号を再生したり付加情報の処理を指示するためのキー入力手段と、前記コデック手段によりデコードされたデジタルオーディオ信号をオーディオ再生用のアナログオーディオ信号に変換するデジタルアナログ変換手段と、前記キー入力手段の命令に応答して、前記データ提供装置と前記携帯用データ格納及び再生装置との間におけるデータ通信、前記メモリー手段に対するファイル格納及び読み出し、読み出されたファイルの再生を制御する制御手段とを具備することを特徴としている。
【0009】
【特許文献1】特開2000−196724号公報
【特許文献2】特開2002−214691号公報
【特許文献3】特開2000−105598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、より多機能である音楽再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明による音楽再生装置(1)は、当該音楽再生装置(1)を携帯するユーザが歩行するときの歩行状態をセンサ(17)から収集する歩行状態収集部(36)と、記録装置(19)に記録される楽曲を音響装置(28)から出力する楽曲再生部(38)と、歩行状態に基づいて楽曲の演奏形態を変更するガイド部(37)とを備えていることが好ましい。
【0013】
ガイド部(37)は、歩行状態に基づいて楽曲のテンポを変更することが好ましい。
【0014】
ガイド部(37)は、歩行状態に基づいて楽曲の音量を変更することが好ましい。
【0015】
本発明による音楽再生装置(1)は、条件を入力装置(14)から収集する設定部(35)をさらに備えている。このとき、ガイド部(37)は、歩行状態が条件を満たすときに、楽曲の演奏形態を変更することが好ましい。
【0016】
設定部(35)は、入力装置(14)から所定の範囲を収集する。このとき、ガイド部(37)は、ユーザが歩行するときの速さが所定の範囲に含まれないときに、演奏形態を変更することが好ましい。
【0017】
設定部(35)は、入力装置(14)から所定の範囲を収集する。このとき、ガイド部(37)は、ユーザが歩行するときの単位時間当たりの歩数が所定の範囲に含まれないときに、演奏形態を変更することが好ましい。
【0018】
本発明による音楽再生装置(1)は、記録装置(19)に記録される楽曲を音響装置(28)から出力する楽曲再生部(38)と、当該音楽再生装置(1)を携帯するユーザが歩行するときの歩行状態をセンサ(17)から収集する歩行状態収集部(36)と、歩行状態に関する音声メッセージを音響装置(28)から出力するガイド部(37)とを備えていることが好ましい。
【0019】
ガイド部(37)は、楽曲をフェードアウトした後に音声メッセージを音響装置(28)から出力し、音声メッセージを音響装置(28)から出力した後に楽曲をフェードインすることが好ましい。
【0020】
ガイド部(37)は、1つの楽曲が終了してから次の楽曲が開始するまでの間に、音声メッセージを音響装置(28)から出力することが好ましい。
【0021】
本発明による音楽再生装置(1)は、所定の範囲を入力装置(14)から収集する設定部(35)を更に備えている。このとき、音声メッセージは、所定の範囲と歩行状態との比較結果を示すことが好ましい。
【0022】
所定の範囲は、設定速さを示している。このとき、音声メッセージは、ユーザが歩行するときの速さと設定速さとの大小関係を示すことが好ましい。
【0023】
所定の範囲は、設定歩数を示している。このとき、音声メッセージは、ユーザが歩行するときの単位時間当たりの歩数と設定歩数との大小関係を示すことが好ましい。
【0024】
所定の範囲は、目標歩数を示している。このとき、音声メッセージは、ユーザが歩行するときの歩数の目標歩数に対する割合を示すことが好ましい。
【0025】
本発明による音楽再生装置(1)は、条件を入力装置(14)から収集する設定部(35)を更に備えている。このとき、ガイド部(37)は、歩行状態が条件を満たすときに、音声メッセージを音響装置(28)から出力することが好ましい。
【0026】
設定部(35)は、入力装置(14)から設定歩数を収集する。このとき、ガイド部(37)は、ユーザが歩行するときの歩数が設定歩数の倍数であるときに、その歩数を示す音声メッセージを音響装置(28)から出力することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明による音楽再生装置は、より多機能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図面を参照して、本発明による音楽再生装置の実施の形態を記載する。その音楽再生装置1は、図1に示されているように、複数の電子機器から形成されている。その複数の電子機器は、バス2を介して互いに情報を伝送することができるように接続されている。その複数の電子機器は、CPU11とROM12とRAM13とスイッチ14とディスプレイ15とUSBインターフェース16と歩行状態センサ17と音声合成回路18とフラッシュメモリ19とデコーダ20と乗算器21と乗算器22と加算器23とD/A変換器24とアンプ25とから形成されている。
【0029】
CPU11は、ROM12に記録されているコンピュータプログラムを実行して、RAM13とスイッチ14とディスプレイ15とUSBインターフェース16と歩行状態センサ17と音声合成回路18とフラッシュメモリ19とデコーダ20と乗算器21と乗算器22と加算器23とD/A変換器24とアンプ25とを制御する。
【0030】
ROM12は、音楽再生装置1の電源が切れても内容が失われない読み出し専用の半導体記憶装置であり、CPU11により実行されるコンピュータプログラムを記録している。RAM13は、音楽再生装置1の電源を切ったときに内容が破棄される揮発性の半導体メモリであり、CPU11により生成される情報を一時的に記録する。
【0031】
スイッチ14は、複数のボタンを備え、そのボタンがユーザにより操作されることにより生成される情報をCPU11に出力する。ディスプレイ15は、液晶ディスプレイに例示される表示面を備え、CPU11により生成された画面または文字列をその表示面に表示する。USBインターフェース16は、USBケーブルの一端と接続されるUSBジャック26を備え、そのUSBケーブルの他端に接続されるパーソナルコンピュータとCPU11との間のデータの伝送を仲介する。
【0032】
歩行状態センサ17は、音楽再生装置1の運動により運動する振り子または音楽再生装置1の加速度を計測するジャイロであり、音楽再生装置1を携帯するユーザが歩行するときの歩数を計測する。
【0033】
音声合成回路18は、CPU11により生成されたメッセージを音声メッセージに音声合成し、その音声メッセージをデジタルオーディオデータに変換する。フラッシュメモリ19は、音楽再生装置1の電源を切っても内容が保存される不揮発性の半導体メモリであり、楽曲を示す音楽データファイルを記録する。その音楽データファイルの形式としては、MP3形式、WMA形式、SMFが例示される。デコーダ20は、フラッシュメモリ19に記録されている音楽データファイルが示す楽曲をデジタルオーディオデータにデコードし、そのデジタルオーディオデータを乗算器21に出力する。
【0034】
乗算器21は、デコーダ20から出力されるデジタルオーディオデータにCPU11により生成された乗算係数を乗算して、そのデジタルオーディオデータが示す音声の音量を変更する。乗算器22は、音声合成回路18から出力されるデジタルオーディオデータにCPU11により生成された乗算係数を乗算して、そのデジタルオーディオデータが示す音声の音量を変更する。加算器23は、乗算器21から出力されるデジタルオーディオデータと乗算器22から出力されるデジタルオーディオデータとを加算して、楽曲と音声メッセージとが混合された音声を示すデジタルオーディオデータを生成する。
【0035】
D/A変換器24は、加算器23から出力されるデジタルオーディオデータをアナログオーディオデータに変換する。アンプ25は、CPU11により制御されて、D/A変換器24から出力されるアナログオーディオデータを増幅する。音楽再生装置1は、さらに、ヘッドフォンジャック27を備えている。ヘッドフォンジャック27に接続されるヘッドフォン28は、アンプ25から出力されるアナログオーディオデータを音声に変換する。すなわち、アンプ25は、ヘッドフォン28から出力される音声の音量を制御する。
【0036】
図2は、ROM12に記録されているコンピュータプログラムを示している。そのコンピュータプログラム30は、楽曲データベース31とガイドデータベース32と楽曲録音部33と歩行状態出力部34と設定部35と歩行状態収集部36とガイド部37と楽曲再生部38とから形成されている。
【0037】
楽曲データベース31は、楽曲をフラッシュメモリ19に記録し、その楽曲を他のコンピュータプログラムの要求により出力する。ガイドデータベース32は、音楽再生装置1を携帯するユーザが歩行する歩行状態に基づいて実行されるガイドをフラッシュメモリ19に記録し、そのガイドを他のコンピュータプログラムの要求により出力する。
【0038】
楽曲録音部33は、音楽再生装置1により再生される楽曲をパーソナルコンピュータからUSBインターフェース部16を介して収集してフラッシュメモリ19に記録する。設定部35は、ユーザにより生成された情報をスイッチ14から収集し、または、その情報をパーソナルコンピュータから収集する。歩行状態収集部36は、歩行状態センサ17により計測された計測結果を収集し、音楽再生装置1を携帯するユーザが歩行するときの歩数と歩行速さと歩行テンポとをその計測結果に基づいて算出する。
【0039】
歩行状態出力部34は、歩行状態収集部36により算出された歩数と歩行速さと歩行テンポとをディスプレイ15に表示する。歩行状態出力部34は、さらに、USBインターフェース部16を介してその歩数と歩行速さと歩行テンポとをパーソナルコンピュータに出力する。
【0040】
楽曲再生部38は、楽曲録音部33によりフラッシュメモリ19に記録される楽曲をデコードして、その楽曲をヘッドフォン28から出力する。ガイド部37は、ガイドデータベース32によりフラッシュメモリ19に記録されるガイドを参照して、歩行状態収集部36により収集された歩行状態に対応するガイドを実行する。
【0041】
図3は、楽曲データベース31によりフラッシュメモリ19に記録される表を示している。その表40は、ファイル名41に楽曲42とメモ43とを対応付けている。ファイル名41は、音楽再生装置1により再生される楽曲を示す音楽データファイルのファイル名を示し、その楽曲を識別している。楽曲42は、ファイル名41により識別される楽曲そのものを示し、その楽曲が所定の形式で表現されている情報である。その形式としては、MP3形式、WMA形式、SMFが例示される。メモ43は、ファイル名41により識別される楽曲に関する情報であり、その楽曲の曲名、作曲者、作詞者、アーティストに例示される情報である。
【0042】
このとき、楽曲録音部33は、パーソナルコンピュータから収集される楽曲とその楽曲に関する情報とに基づいて表40を更新する。楽曲再生部38は、スイッチ部14の操作に基づいて表40のファイル名41のうちのユーザにより指定されたファイルを選択し、その選択されたファイルが示す楽曲をヘッドフォン28から出力する。
【0043】
図4は、ガイドデータベース32によりフラッシュメモリ19に記録される表を示している。その表50は、ガイド51にモード52と条件53とを対応付けている。ガイド51は、ガイド部37により実行されるガイドの内容を示し、そのガイドを識別している。モード52は、ガイド51により識別されるガイドを実行するかしないかを示している。条件53は、ガイド51により識別されるガイドを実行するタイミングを示す条件を示し、または、そのガイドの内容を決定するときに用いられる条件を示している。
【0044】
たとえば、条件53は、再生される楽曲のテンポ・音量を変更する動作をガイド51が示しているときに、その動作を実行するときの歩行状態の範囲を示している。条件53は、設定速さと歩行速さとの比較結果を示すメッセージを出力する動作をガイド51が示しているときに、その設定速さを示している。条件53は、歩数を示すメッセージを出力する動作をガイド51が示しているときに、その動作を実行するときの設定歩数を示している。条件53は、目標歩数と歩数との比較結果を示すメッセージを出力する動作をガイド51が示しているときに、その目標歩数を示している。
【0045】
このとき、設定部35は、ガイド51により識別されるガイドをそれぞれ実行するかどうかを示す情報をスイッチ部14から収集し、その情報に基づいて表50のモード52を更新する。ガイド部37は、表50を参照して、条件53のうちから歩行状態収集部36により収集された歩行状態が満足する条件を抽出する。ガイド部37は、表50を参照して、ガイド51のうちからその抽出された条件に対応するガイドを抽出して、その算出されたガイドを実行する。
【0046】
音楽再生装置の動作は、設定情報を収集する動作と、歩行速さに基づいて楽曲のテンポを変更する動作と、歩行状態に関するメッセージを出力する動作とを備えている。歩行状態に関するメッセージを出力する動作は、歩行速さと設定値との比較結果を示すメッセージを出力する動作と、歩数を示すメッセージを出力する動作と、歩数と目標歩数との比較結果を示すメッセージを出力する動作とを含んでいる。
【0047】
設定情報を収集する動作では、ユーザは、スイッチ部14を用いて各ガイドを実行するかしないかを入力し、そのガイドを実行するときに、スイッチ部14を用いてそのガイドに必要な条件を入力する。たとえば、ユーザは、歩行速さに応じて楽曲のテンポを変更させたいときに、スイッチ部14を用いて実行することを入力し、テンポを変更するときの歩行速さ・歩行テンポの範囲を入力する。ユーザは、歩行速さ・歩行テンポと設定値との比較結果を示すメッセージを出力させたいときに、スイッチ部14を用いて実行することを入力し、その設定値を入力する。ユーザは、歩数を示すメッセージを出力させたいときに、スイッチ部14を用いて実行することを入力し、そのメッセージを出力するときの設定歩数を入力する。ユーザは、歩数と目標歩数との比較結果を示すメッセージを出力させたいときに、スイッチ部14を用いて実行することを入力し、その目標歩数を入力する。
【0048】
図5は、歩行速さに基づいて楽曲のテンポを変更する動作を示している。この動作は、定期的に(たとえば、30秒毎に)実行される。音楽再生装置1は、まず、楽曲をヘッドホン28から出力しながら、歩行状態センサ17の計測結果に基づいて歩行速さを検出する(ステップS1)。音楽再生装置1は、予め入力された速さの範囲にその歩行速さが含まれているときに(ステップS2、範囲内)、その楽曲に指定されているテンポをそのままに再生する(ステップS3)。音楽再生装置1は、その歩行速さがその範囲より速いときに(ステップS2、速い)、その楽曲に指定されているテンポより速いテンポで、その楽曲を再生する(ステップS4)。音楽再生装置1は、その歩行速さがその範囲より遅いときに(ステップS2、遅い)、その楽曲に指定されているテンポより遅いテンポで、その楽曲を再生する(ステップS5)。
【0049】
なお、音楽再生装置1は、逆に、歩行速さが速いときに遅いテンポで楽曲を再生し、歩行速さが遅いときに速いテンポで楽曲を再生することもできる。
【0050】
音楽再生装置1は、さらに、楽曲を再生するテンポに置換して楽曲を再生する音量を用いることができる。すなわち、音楽再生装置1は、歩行速さが速いときに大きい音量で楽曲を再生し、歩行速さが遅いときに小さい音量で楽曲を再生することもできる。音楽再生装置1は、逆に、歩行速さが速いときに小さい音量で楽曲を再生し、歩行速さが遅いときに大きい音量で楽曲を再生することもできる。
【0051】
音楽再生装置1は、さらに、歩行速さに置換して歩行テンポ(ユーザが歩行するときの単位時間当たりの歩数)を用いることができる。すなわち、音楽再生装置1は、歩行テンポが速いときに速いテンポで楽曲を再生し、歩行テンポが遅いときに遅いテンポで楽曲を再生することもできる。または、音楽再生装置1は、逆に、歩行テンポが速いときに遅いテンポで楽曲を再生し、歩行テンポが遅いときに速いテンポで楽曲を再生することもできる。
【0052】
音楽再生装置1は、さらに、歩行テンポが速いときに大きい音量で楽曲を再生し、歩行テンポが遅いときに小さい音量で楽曲を再生することもできる。音楽再生装置1は、逆に、歩行テンポが速いときに小さい音量で楽曲を再生し、歩行テンポが遅いときに大きい音量で楽曲を再生することもできる。
【0053】
このような歩行速さ・歩行テンポに例示される歩行状態とテンポ・音量に例示される演奏形態との対応付けは、設定情報を収集する動作のときに実行されることもできる。
【0054】
このような動作によれば、ユーザは、たとえば、散歩しているときに、楽曲を聴きながら、歩行速さを知ることができる。このような音楽再生装置1は、より多機能であり、このような音楽再生装置1によれば、ユーザは、音楽再生装置と歩数計との2つの装置を携帯する必要がなく、好ましい。
【0055】
図6は、歩行速さと設定値との比較結果を示すメッセージを出力する動作を示している。この動作は、定期的に(たとえば、3分毎に)実行され、または、再生される楽曲と楽曲との間に実行される。音楽再生装置1は、まず、楽曲をヘッドホン28から出力しながら、歩行状態センサ17の計測結果に基づいて歩行速さを検出する(ステップS11)。音楽再生装置1は、予め入力された速さの範囲にその歩行速さが含まれているときに(ステップS12、範囲内)、「いいペースを保っています。」というメッセージを生成する(ステップS13)。音楽再生装置1は、その歩行速さがその範囲より速いときに(ステップS12、速い)、「あまり無理しないで。」というメッセージを生成する(ステップS14)。音楽再生装置1は、その歩行速さがその範囲より遅いときに(ステップS12、遅い)、「もう少しがんばりましょう。」というメッセージを生成する(ステップS15)。
【0056】
音楽再生装置1は、楽曲を再生していないときに(ステップS16、NO)、ステップS13〜S15で生成されたメッセージをヘッドホン28から出力する(ステップS17)。音楽再生装置1は、楽曲を再生しているときに(ステップS16、YES)、再生中の楽曲をフェードアウトし、ステップS13〜S15で生成されたメッセージをヘッドホン28から出力し、楽曲をフェードインする(ステップS18)。
【0057】
なお、メッセージは、再生中の楽曲をフェードアウト・フェードインしないでヘッドホン28から出力することもできる。すなわち、音楽再生装置1は、再生中の楽曲にそのメッセージを混合してヘッドホン28から出力し、または、再生中の楽曲を停止してヘッドホン28から出力することもできる。
【0058】
このような動作によれば、ユーザは、たとえば、散歩しているときに、楽曲を聴きながら、歩行速さを知ることができる。このような音楽再生装置1によれば、ユーザは、音楽再生装置と歩数計との2つの装置を携帯する必要がなく、好ましい。
【0059】
図7は、歩数を示すメッセージを出力する動作を示している。この動作は、音楽再生装置1を携帯するユーザの歩数が検出される毎に実行される。音楽再生装置1は、まず、楽曲をヘッドホン28から出力しながら、歩行状態センサ17の計測結果に基づいて歩数を検出する(ステップS21)。音楽再生装置1は、その歩数が予め入力された設定歩数の倍数であるときに(ステップS22、YES)、その歩数nを用いて「現在の歩数は、n歩です。」というメッセージを生成する(ステップS23)。
【0060】
音楽再生装置1は、楽曲を再生していないときに(ステップS24、NO)、そのメッセージをヘッドホン28から出力する(ステップS25)。音楽再生装置1は、楽曲を再生しているときに(ステップS26、YES)、再生中の楽曲をフェードアウトし、そのメッセージをヘッドホン28から出力し、楽曲をフェードインする(ステップS26)。
【0061】
なお、メッセージは、再生中の楽曲をフェードアウト・フェードインしないでヘッドホン28から出力することもできる。すなわち、音楽再生装置1は、再生中の楽曲にそのメッセージを混合してヘッドホン28から出力し、または、再生中の楽曲を停止してヘッドホン28から出力することもできる。
【0062】
このような動作によれば、ユーザは、たとえば、散歩しているときに、楽曲を聴きながら、歩数を知ることができる。このような音楽再生装置1によれば、ユーザは、音楽再生装置と歩数計との2つの装置を携帯する必要がなく、好ましい。
【0063】
図8は、歩数と目標歩数との比較結果を示すメッセージを出力する動作を示している。この動作は、定期的に(たとえば、3分毎に)実行され、または、再生される楽曲と楽曲との間に実行される。音楽再生装置1は、まず、楽曲をヘッドホン28から出力しながら、歩行状態センサ17の計測結果に基づいて歩数を検出する(ステップS31)。
音楽再生装置1は、その歩数が予め入力された目標歩数にまだまだ到達しそうにない(その歩数が目標歩数の95%未満)ときに(ステップS32、まだ)、その目標歩数に対するその歩数の割合x%を算出して、「まだ、x%です。」というメッセージを生成する(ステップS33)。音楽再生装置1は、その歩数が予め入力された目標歩数にあと少しで一致する(その歩数が目標歩数の95%〜100%)ときに(ステップS32、あと少しで一致)、「あと少しで目標です。」というメッセージを生成する(ステップS34)。
【0064】
音楽再生装置1は、楽曲を再生していないときに(ステップS35、NO)、そのメッセージをヘッドホン28から出力する(ステップS36)。音楽再生装置1は、楽曲を再生しているときに(ステップS35、YES)、再生中の楽曲をフェードアウトし、そのメッセージをヘッドホン28から出力し、楽曲をフェードインする(ステップS37)。
【0065】
なお、メッセージは、再生中の楽曲をフェードアウト・フェードインしないでヘッドホン28から出力することもできる。すなわち、音楽再生装置1は、再生中の楽曲にそのメッセージを混合してヘッドホン28から出力し、または、再生中の楽曲を停止してヘッドホン28から出力することもできる。
【0066】
このような動作によれば、ユーザは、たとえば、散歩しているときに、楽曲を聴きながら、歩数を知ることができる。このような音楽再生装置1によれば、ユーザは、音楽再生装置と歩数計との2つの装置を携帯する必要がなく、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、本発明による音楽再生装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、音楽再生装置にインストールされるコンピュータプログラムを示すブロック図である。
【図3】図3は、楽曲データベースにより記録される表を示すブロック図である。
【図4】図4は、ガイドデータベースにより記録される表を示すブロック図である。
【図5】図5は、歩行速さに基づいて楽曲のテンポを変更する動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、歩行速さと設定値との比較結果を示すメッセージを出力する動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は、歩数を示すメッセージを出力する動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、歩数と目標歩数との比較結果を示すメッセージを出力する動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、公知の音楽再生装置を示す斜視図である。
【図10】図10は、公知の歩数計を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0068】
1 :音楽再生装置
2 :バス
11:CPU
12:ROM
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15:ディスプレイ
16:USBインターフェース
17:歩行状態センサ
18:音声合成回路
19:フラッシュメモリ
20:デコーダ
21:乗算器
22:乗算器
23:加算器
24:D/A変換器
25:アンプ
26:USBジャック
27:ヘッドフォンジャック
28:ヘッドフォン
30:コンピュータプログラム
31:楽曲データベース
32:ガイドデータベース
33:楽曲録音部
34:歩行状態出力部
35:設定部
36:歩行状態収集部
37:ガイド部
38:楽曲再生部
40:表
41:ファイル名
42:楽曲
43:メモ
50:表
51:ガイド
52:モード
53:条件

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該音楽再生装置を携帯するユーザが歩行するときの歩行状態をセンサから収集する歩行状態収集部と、
記録装置に記録される楽曲を音響装置から出力する楽曲再生部と、
前記歩行状態に基づいて前記楽曲の演奏形態を変更するガイド部
とを具備する音楽再生装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ガイド部は、前記歩行状態に基づいて前記楽曲のテンポを変更する
音楽再生装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ガイド部は、前記歩行状態に基づいて前記楽曲の音量を変更する
音楽再生装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
条件を入力装置から収集する設定部を具備し、
前記ガイド部は、前記歩行状態が前記条件を満たすときに、前記楽曲の演奏形態を変更する
音楽再生装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記設定部は、前記入力装置から所定の範囲を収集し、
前記ガイド部は、前記ユーザが歩行するときの速さが所定の範囲に含まれないときに、前記演奏形態を変更する
音楽再生装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記設定部は、前記入力装置から所定の範囲を収集し、
前記ガイド部は、前記ユーザが歩行するときの単位時間当たりの歩数が所定の範囲に含まれないときに、前記演奏形態を変更する
音楽再生装置。
【請求項7】
記録装置に記録される楽曲を音響装置から出力する楽曲再生部と、
当該音楽再生装置を携帯するユーザが歩行するときの歩行状態をセンサから収集する歩行状態収集部と、
前記歩行状態に関する音声メッセージを前記音響装置から出力するガイド部
とを具備する音楽再生装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記ガイド部は、前記楽曲をフェードアウトした後に前記音声メッセージを前記音響装置から出力し、前記音声メッセージを前記音響装置から出力した後に前記楽曲をフェードインする
音楽再生装置。
【請求項9】
請求項7において、
前記ガイド部は、前記楽曲のうちの1つの楽曲が終了してから前記楽曲のうちの前記1つの楽曲の次の楽曲が開始するまでの間に、前記音声メッセージを前記音響装置から出力する
音楽再生装置。
【請求項10】
請求項7〜請求項9のいずれかにおいて、
所定の範囲を入力装置から収集する設定部を更に具備し、
前記音声メッセージは、前記所定の範囲と前記歩行状態との比較結果を示す
音楽再生装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記所定の範囲は、設定速さを示し、
前記音声メッセージは、前記ユーザが歩行するときの速さと前記設定速さとの大小関係を示す
音楽再生装置。
【請求項12】
請求項10において、
前記所定の範囲は、設定歩数を示し、
前記音声メッセージは、前記ユーザが歩行するときの単位時間当たりの歩数と前記設定歩数との大小関係を示す
音楽再生装置。
【請求項13】
請求項10において、
前記所定の範囲は、目標歩数を示し、
前記音声メッセージは、前記ユーザが歩行するときの歩数の前記目標歩数に対する割合を示す
音楽再生装置。
【請求項14】
請求項7または請求項8のいずれかにおいて、
条件を入力装置から収集する設定部を更に具備し、
前記ガイド部は、前記歩行状態が前記条件を満たすときに、前記音声メッセージを前記音響装置から出力する
音楽再生装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記設定部は、前記入力装置から設定歩数を収集し、
前記ガイド部は、前記ユーザが歩行するときの歩数が前記設定歩数の倍数であるときに、前記歩数を示す音声メッセージを前記音響装置から出力する
音楽再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−98478(P2006−98478A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281433(P2004−281433)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】