音響再生装置
【課題】従来は、簡単な装置構成で、音響信号の再生音像を制御して、話者の台詞を聞き取り易くする方法が無かった。
【解決手段】映像表示装置に入力された音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを台詞音声情報判定部で判定し、台詞に相当する音声情報があれば、その音声情報の再生音像位置を音像位置決定部で予め定められた再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備える。
【解決手段】映像表示装置に入力された音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを台詞音声情報判定部で判定し、台詞に相当する音声情報があれば、その音声情報の再生音像位置を音像位置決定部で予め定められた再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像表示装置より取得した映像情報に付随する字幕情報、或いは映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報の変化に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御する音響再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等のパッケージメディアやデジタルテレビ放送には、音声の翻訳情報として字幕情報が搭載されている。この字幕情報は、主に他国語への翻訳を視覚的に補助する目的のために使用され、映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して映像表示装置の画面に表示される仕組みとなっている。また、DVD、BD等のパッケージメディアやデジタルテレビ放送では、5.1チャネル音声を代表に複数チャネルで構成される音響信号が用意されることもあり、映像に登場する話者の台詞は、映像の中央部に割り当てられるセンターチャネル信号に入っている。
【0003】
装置外部から得た情報に基づいて音響効果を実現する例として、特許文献1に示される歌唱信号及び演奏信号の何れか一方、または両方の音像を制御する音像制御装置がある。この特許文献1では、カラオケ装置の歌唱信号及び演奏信号を、歌唱者の位置情報から作成した仮想音源位置の距離情報及び方向情報に基づいて音像を形成する方法について詳述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−319487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の音像制御装置は、音像を形成するのに距離情報と方向情報を使用し、その情報の取得方法には、歌唱者の位置を実測すると記載されている。歌唱者を本発明における映像に登場する話者と置き換えた場合は、話者の位置を特定するために映像情報の分析が必要になるが、映像情報から話者の距離情報と方向情報を特定するのは容易ではなく、結果として装置規模が大きくなってしまうという課題がある。
また、一般的な演奏においては、歌唱者が歌唱中に任意に移動することはあっても、演奏者は移動しない。よって、歌唱者が演奏者の位置と重なる可能性も考えられ、この場合は、歌唱信号が演奏信号によって聴き取り難くなってしまうという課題がある。歌唱者の音声情報を本発明における映像に登場する話者の台詞と置き換えた場合も同様であり、話者の台詞が別の音声情報に紛れて、聴き取り難くなってしまうという課題がある。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、映像に登場する話者の位置特定には、映像情報に付随する字幕情報、或いは映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報を利用することで映像情報を分析する手間を省き、また、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することで、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音声を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る音響再生装置は、映像表示装置の表示映像に連動する入力音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する台詞音声情報判定部と、
スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を予め定められた位置に決定する音像位置決定部と、台詞に相当する音声情報の再生音像位置を前記音像位置決定部で決定された再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る音響再生装置によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形性が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図2】字幕情報と台詞音声情報判定部における判定結果を示した図である。
【図3】実施の形態1に係る音像位置決定部5の動作手順を示したフローチャートである。
【図4】音源位置Aで発生させた音がダミーヘッドの左耳部及び右耳部に届く様子を示した図である。
【図5】発明の実施の形態1に係る音像位置制御部6の機能ブロック構成を示した図である。
【図6】発明の実施の形態2に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図7】センターチャネル信号と台詞音声情報判定部における判定結果を示した図である。
【図8】発明の実施の形態2に係る音像位置決定部A13の動作手順を示したフローチャートである。
【図9】発明の実施の形態2に係る音像位置制御部A14の機能ブロック構成を示した図である。
【図10】発明の実施の形態3に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図11】発明の実施の形態3に係る台詞音声情報判定部B15の機能ブロック構成を示した図である。
【図12】信号レベル差と台詞有無判定部156における判定結果を示した図である。
【図13】発明の実施の形態3に係る音像位置決定部B16の動作手順を示したフローチャートである。
【図14】発明の実施の形態3に係る音像位置制御部B17の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、映像表示装置より取得した映像情報に付随する字幕情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、この発明の実施の形態1に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルと右チャネルの2チャネル音響信号の構成としている。図中の符号1は字幕情報の入力端子、2は左チャネル信号の入力端子、3は右チャネル信号の入力端子、4は台詞音声情報判定部、5は音像位置決定部、6は音像位置制御部、7は左チャネル信号の出力端子、8は右チャネル信号の出力端子である。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0012】
入力端子1から入力される字幕情報とは、DVDやBDパッケージメディアに、音声の翻訳情報として搭載されている文字情報のことを指し、映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して画面に表示される。また、デジタルテレビ放送においても、同様の情報が映像情報及び音声情報と一緒に電波で搬送されており、同じく映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して画面に表示される。この字幕情報は、主にテキストの形式で情報多重されている。
ここで、字幕情報と台詞音声情報判定部4における判定結果との関係を図2に示す。台詞音声情報判定部4では、字幕のテキスト情報の有無に基づき、テキスト情報無しの場合は“台詞無し”、テキスト情報有りの場合は“台詞有り”と判定する。
【0013】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部5の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図3は、音像位置決定部5の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、5a、5c、5dは処理ブロックであり、5bは条件分岐ブロックである。
【0014】
処理ブロック5aにおいては、台詞音声情報判定部4から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック5bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック5bにおける判定結果により異なる。
【0015】
分岐ブロック5bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック5cに進む。
処理ブロック5cにおいては、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部6に送出して、処理を終了する。
【0016】
分岐ブロック5bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック5dに進む。
音響処理ブロック5dにおいては、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部6に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部5の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0017】
音像位置制御部6は、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、音像位置決定部5からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部6の動作について補足しておく。音像位置制御部6における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図4、図5を用いて説明する。
【0018】
図4は、映像表示装置の音源位置を視聴者側に移動した音源位置Aで発生させた音が、ダミーヘッドの左耳部及び右耳部に届く様子を示したものである。ここで、“映像表示装置の音源位置”は映像表示装置に付随する左右のスピーカ位置、“音源位置A”は視聴者から見て映像表示装置の手前の位置にある左右のスピーカ位置である。また、HALは音源位置Aの左側で鳴動させた音に対する左耳部の頭部伝達関数、HARは音源位置Aの右側で鳴動させた音に対する右耳部の頭部伝達関数である。
【0019】
音源位置Aの左側に音像を定位させる頭部伝達関数を作成するには、例えば、スピーカを用いて音源位置Aの左側からパルス信号を発生させ、ダミーヘッドの左耳部に予め設置しておいたマイクで集音してインパルス応答を求めればよい。なお、音源位置Aの右側での頭部伝達関数も同様にして作成すればよい。
【0020】
図5は、音像位置制御部6の詳細構成を示したものである。図5において、記号61、62、63、64はスイッチ、HAL、HARは、図4に示した頭部伝達関数である。次に、音像位置制御部6の動作について説明する。
【0021】
音像位置制御部6は、音像位置決定部5からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部5からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ61とスイッチ63を直接つなぎ、また、スイッチ62とスイッチ64を直接つないで、左チャネル信号及び右チャネル信号が、そのまま出力されるようにする。
【0022】
一方、音像位置決定部5からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ61とスイッチ63を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ62とスイッチ64を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、再生音像を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態1の詳細説明である。
【0023】
なお、この実施の形態1に係る説明においては、図1に示した音響再生装置の構成として、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルと右チャネルの2チャネル音響信号の構成としていたが、この構成に限定するものではなく、入力及び出力するチャネル数を複数チャネルの構成にしてもよいことを付け加えておく。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形性が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、5.1チャネル音声など複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号に収録される台詞に相当する音声情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図6は、この発明の実施の形態2に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルダウンミックス信号と右チャネルダウンミックス信号の2チャネル音響信号の構成としている。ここでいう左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号とは、5.1チャネル音声など複数チャネルで構成される音響信号を、左右の2チャネルにダウンミックス処理した音響信号のことを指す。
図中の符号9は左チャネルダウンミックス信号の入力端子、10は右チャネルダウンミックス信号の入力端子、11はセンターチャネル信号の入力端子、12は台詞音声情報判定部A、13は音像位置決定部A、14は音像位置制御部Aであり、符号7、8は、発明の実施の形態1において、図1を用いて説明した構成要素と同一であることから説明を割愛する。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0027】
入力端子11から入力されるセンターチャネル信号とは、DVD、BDパッケージメディアやデジタルテレビ放送において、5.1チャネル音声を代表に複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号のことを指す。センターチャネル信号は、映像の中央部から再生されるように作り込まれており、映像に登場する話者の台詞は、この信号に割り当てられている。
ここで、センターチャネル信号と台詞音声情報判定部A12における判定結果との関係を図7に示す。台詞音声情報判定部A12では、センターチャネル信号の有音・無音状態を判定し、その結果が無音の場合は“台詞無し”、有音の場合は“台詞有り”と判定する。ここで言う有音とは、音声信号成分が含まれる状態のことを指し、また無音とは、音声信号成分が含まれない状態のことを指す。
【0028】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部A13の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図8は、音像位置決定部A13の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、13a、13c、13dは処理ブロックであり、13bは条件分岐ブロックである。
【0029】
処理ブロック13aにおいては、台詞音声情報判定部A12から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック13bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック13bにおける判定結果により異なる。
【0030】
分岐ブロック13bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック13cに進む。
処理ブロック13cにおいては、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部A14に送出して、処理を終了する。
【0031】
分岐ブロック13bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック13dに進む。
処理ブロック13dにおいては、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部A14に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部A13の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0032】
音像位置制御部A14は、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号に対して、音像位置決定部A13からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部A14の動作について補足しておく。音像位置制御部A14における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図9を用いて説明する。
【0033】
図9は、音像位置制御部A14の詳細構成を示したものである。図9において、符号141、142、143、144はスイッチ、HAL、HARは、発明の実施の形態1において、図4を用いて詳しく説明を行った頭部伝達関数と同一である。次に、音像位置制御部A14の動作について説明する。
【0034】
音像位置制御部A14は、音像位置決定部A13からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部A13からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ141とスイッチ143を直接つなぎ、また、スイッチ142とスイッチ144を直接つないで、左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号が、そのまま出力されるようにする。
【0035】
一方、音像位置決定部A13からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ141とスイッチ143を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ142とスイッチ144を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号に対して、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態2の詳細説明である。
【0036】
なお、この実施の形態2に係る説明においては、図6に示した音響再生装置の構成として、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルダウンミックス信号と右チャネルダウンミックス信号の2チャネル音響信号の構成としていたが、この構成に限定するものではなく、入力及び出力する音響信号をダウンミックスしない複数チャネルの音響信号の構成にしてもよいことを付け加えておく。
【0037】
以上のように、この実施の形態2によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形成が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【0038】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図10は、この発明の実施の形態3に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の2チャネル音響信号の構成としている。
図中の符号15は台詞音声情報判定部B、16は音像位置決定部B、17は音像位置制御部Bであり、符号2、3、7、8は、発明の実施の形態1において、図1を用いて説明した構成要素と同一であることから説明を割愛する。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0040】
入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号は、台詞音声情報判定部B15に入力される。ここで、台詞音声情報判定部B15の動作について、図11を用いて詳しく説明する。
図11は台詞音声情報判定部B15の機能ブロック構成を示した図であり、図中の符号151は加算器、152は減算器、153及び154は利得調整器、155は信号レベル差計算部、156は台詞有無判定部である。次に、これらの構成要素を用いて、台詞音声情報判定部B15の動作について説明する。
【0041】
加算器151においては、入力端子2からの左チャネル信号と入力端子3からの右チャネル信号の加算を行い、利得調整器153において信号レベルを1/2に調整した後、信号レベル差判定部155に渡す。この過程で生成された信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の和信号となり、左チャネル信号及び右チャネル信号に同じ信号成分が多く含まれる場合は、信号レベルが大きくなるという特徴がある。
【0042】
減算器152においては、入力端子2からの左チャネル信号から入力端子3からの右チャネル信号の減算を行い、利得調整器154において信号レベルを1/2に調整した後、信号レベル差判定部155に渡す。この過程で生成された信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の差信号となり、左チャネル信号及び右チャネル信号に異なった信号成分が多く含まれる場合は、信号レベルが大きくなるという特徴がある。
【0043】
信号レベル差計算部155では、和信号のレベル計算と差信号のレベル計算を行い、和信号と差信号の信号レベル差(和信号−差信号)を算出して、台詞有無判定部156に渡す。
最後に、台詞有無判定部156においては、信号レベル差に基づいて台詞に相当する音声情報があるか否かを判定する。
【0044】
ここで着目すべき点としては、一般的に、話者の台詞は映像の中央に定位させるのが好ましいことから、2チャネル構成の音響信号においては、音声信号の収録時に台詞に相当する音声情報を左右チャネルに等分割で割り当てている点である。このことは、台詞に相当する音声情報がある場合は、和信号のレベルが大きくなり、逆に差信号のレベルが小さくなることを意味する。
【0045】
ここで、信号レベル差と台詞有無判定部156における判定結果との関係を図12に示す。台詞有無判定部156では、信号レベル差が小さい、例えばデシベル換算で20dB未満の場合は “台詞無し”、逆に信号レベル差が大きい、例えばデシベル換算で20dB以上の場合は“台詞有り”と判定し、その結果を音像位置決定部B16に渡す。
以上が台詞音声情報判定部B15の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0046】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部B16の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図13は、音像位置決定部B16の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、16a、16c、16dは処理ブロックであり、16bは条件分岐ブロックである。
【0047】
処理ブロック16aにおいては、台詞音声情報判定部B15から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック16bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック16bにおける判定結果により異なる。
【0048】
分岐ブロック16bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック16cに進む。
処理ブロック16cにおいては、入力端子1及び入力端子2から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部B17に送出して、処理を終了する。
【0049】
分岐ブロック16bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック16dに進む。
処理ブロック16dにおいては、入力端子1及び入力端子2から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部B17に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部B16の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0050】
音像位置制御部B17は、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、音像位置決定部B16からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部B17の動作について補足しておく。音像位置制御部B17における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図14を用いて説明する。
【0051】
図14は、音像位置制御部B17の詳細構成を示したものである。図14において、符号171、172、173、174はスイッチ、HAL、HARは、発明の実施の形態1において、図4を用いて詳しく説明を行った頭部伝達関数と同一である。次に、音像位置制御部B17の動作について説明する。
【0052】
音像位置制御部B17は、音像位置決定部B16からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部B16からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ171とスイッチ173を直接つなぎ、また、スイッチ172とスイッチ174を直接つないで、左チャネル信号及び右チャネル信号が、そのまま出力されるようにする。
【0053】
一方、音像位置決定部B16からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ171とスイッチ173を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ172とスイッチ174を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態3の詳細説明である。
【0054】
以上のように、この実施の形態3によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形成が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明の音響再生装置は、DVD、BD等のパッケージメディア再生装置の音響再生装置やデジタルテレビジョン受像機の音響再生装置に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0056】
1;字幕情報の入力端子、2;左チャネル信号の入力端子、3;右チャネル信号の入力端子、4;台詞音声情報判定部、5;音像位置決定部、6;音像位置制御部、7;左スピーカへの出力端子、8;右スピーカへの出力端子、9;左チャネルダウンミックス信号の入力端子、10;右チャネルダウンミックス信号の入力端子、11;センターチャネル信号の入力端子、12;台詞音声情報判定部A、13;音像位置決定部A、14;音像位置制御部A、15;台詞音声情報判定部B、16;音像位置決定部B、17;音像位置制御部B、61,62,63,64;スイッチ、141,142,143,144;スイッチ、151;加算器、152;減算器、153,154;利得調整器、155;信号レベル差計算部、156;台詞有無判定部、171,172,173,174;スイッチ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像表示装置より取得した映像情報に付随する字幕情報、或いは映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報の変化に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御する音響再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等のパッケージメディアやデジタルテレビ放送には、音声の翻訳情報として字幕情報が搭載されている。この字幕情報は、主に他国語への翻訳を視覚的に補助する目的のために使用され、映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して映像表示装置の画面に表示される仕組みとなっている。また、DVD、BD等のパッケージメディアやデジタルテレビ放送では、5.1チャネル音声を代表に複数チャネルで構成される音響信号が用意されることもあり、映像に登場する話者の台詞は、映像の中央部に割り当てられるセンターチャネル信号に入っている。
【0003】
装置外部から得た情報に基づいて音響効果を実現する例として、特許文献1に示される歌唱信号及び演奏信号の何れか一方、または両方の音像を制御する音像制御装置がある。この特許文献1では、カラオケ装置の歌唱信号及び演奏信号を、歌唱者の位置情報から作成した仮想音源位置の距離情報及び方向情報に基づいて音像を形成する方法について詳述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−319487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の音像制御装置は、音像を形成するのに距離情報と方向情報を使用し、その情報の取得方法には、歌唱者の位置を実測すると記載されている。歌唱者を本発明における映像に登場する話者と置き換えた場合は、話者の位置を特定するために映像情報の分析が必要になるが、映像情報から話者の距離情報と方向情報を特定するのは容易ではなく、結果として装置規模が大きくなってしまうという課題がある。
また、一般的な演奏においては、歌唱者が歌唱中に任意に移動することはあっても、演奏者は移動しない。よって、歌唱者が演奏者の位置と重なる可能性も考えられ、この場合は、歌唱信号が演奏信号によって聴き取り難くなってしまうという課題がある。歌唱者の音声情報を本発明における映像に登場する話者の台詞と置き換えた場合も同様であり、話者の台詞が別の音声情報に紛れて、聴き取り難くなってしまうという課題がある。
【0006】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、映像に登場する話者の位置特定には、映像情報に付随する字幕情報、或いは映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報を利用することで映像情報を分析する手間を省き、また、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することで、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音声を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る音響再生装置は、映像表示装置の表示映像に連動する入力音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する台詞音声情報判定部と、
スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を予め定められた位置に決定する音像位置決定部と、台詞に相当する音声情報の再生音像位置を前記音像位置決定部で決定された再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る音響再生装置によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形性が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図2】字幕情報と台詞音声情報判定部における判定結果を示した図である。
【図3】実施の形態1に係る音像位置決定部5の動作手順を示したフローチャートである。
【図4】音源位置Aで発生させた音がダミーヘッドの左耳部及び右耳部に届く様子を示した図である。
【図5】発明の実施の形態1に係る音像位置制御部6の機能ブロック構成を示した図である。
【図6】発明の実施の形態2に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図7】センターチャネル信号と台詞音声情報判定部における判定結果を示した図である。
【図8】発明の実施の形態2に係る音像位置決定部A13の動作手順を示したフローチャートである。
【図9】発明の実施の形態2に係る音像位置制御部A14の機能ブロック構成を示した図である。
【図10】発明の実施の形態3に係る音響再生装置の機能ブロック構成を示した図である。
【図11】発明の実施の形態3に係る台詞音声情報判定部B15の機能ブロック構成を示した図である。
【図12】信号レベル差と台詞有無判定部156における判定結果を示した図である。
【図13】発明の実施の形態3に係る音像位置決定部B16の動作手順を示したフローチャートである。
【図14】発明の実施の形態3に係る音像位置制御部B17の動作手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、映像表示装置より取得した映像情報に付随する字幕情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、この発明の実施の形態1に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルと右チャネルの2チャネル音響信号の構成としている。図中の符号1は字幕情報の入力端子、2は左チャネル信号の入力端子、3は右チャネル信号の入力端子、4は台詞音声情報判定部、5は音像位置決定部、6は音像位置制御部、7は左チャネル信号の出力端子、8は右チャネル信号の出力端子である。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0012】
入力端子1から入力される字幕情報とは、DVDやBDパッケージメディアに、音声の翻訳情報として搭載されている文字情報のことを指し、映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して画面に表示される。また、デジタルテレビ放送においても、同様の情報が映像情報及び音声情報と一緒に電波で搬送されており、同じく映像表示装置においては映像に登場する話者の台詞に同期して画面に表示される。この字幕情報は、主にテキストの形式で情報多重されている。
ここで、字幕情報と台詞音声情報判定部4における判定結果との関係を図2に示す。台詞音声情報判定部4では、字幕のテキスト情報の有無に基づき、テキスト情報無しの場合は“台詞無し”、テキスト情報有りの場合は“台詞有り”と判定する。
【0013】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部5の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図3は、音像位置決定部5の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、5a、5c、5dは処理ブロックであり、5bは条件分岐ブロックである。
【0014】
処理ブロック5aにおいては、台詞音声情報判定部4から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック5bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック5bにおける判定結果により異なる。
【0015】
分岐ブロック5bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック5cに進む。
処理ブロック5cにおいては、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部6に送出して、処理を終了する。
【0016】
分岐ブロック5bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック5dに進む。
音響処理ブロック5dにおいては、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部6に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部5の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0017】
音像位置制御部6は、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、音像位置決定部5からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部6の動作について補足しておく。音像位置制御部6における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図4、図5を用いて説明する。
【0018】
図4は、映像表示装置の音源位置を視聴者側に移動した音源位置Aで発生させた音が、ダミーヘッドの左耳部及び右耳部に届く様子を示したものである。ここで、“映像表示装置の音源位置”は映像表示装置に付随する左右のスピーカ位置、“音源位置A”は視聴者から見て映像表示装置の手前の位置にある左右のスピーカ位置である。また、HALは音源位置Aの左側で鳴動させた音に対する左耳部の頭部伝達関数、HARは音源位置Aの右側で鳴動させた音に対する右耳部の頭部伝達関数である。
【0019】
音源位置Aの左側に音像を定位させる頭部伝達関数を作成するには、例えば、スピーカを用いて音源位置Aの左側からパルス信号を発生させ、ダミーヘッドの左耳部に予め設置しておいたマイクで集音してインパルス応答を求めればよい。なお、音源位置Aの右側での頭部伝達関数も同様にして作成すればよい。
【0020】
図5は、音像位置制御部6の詳細構成を示したものである。図5において、記号61、62、63、64はスイッチ、HAL、HARは、図4に示した頭部伝達関数である。次に、音像位置制御部6の動作について説明する。
【0021】
音像位置制御部6は、音像位置決定部5からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部5からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ61とスイッチ63を直接つなぎ、また、スイッチ62とスイッチ64を直接つないで、左チャネル信号及び右チャネル信号が、そのまま出力されるようにする。
【0022】
一方、音像位置決定部5からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ61とスイッチ63を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ62とスイッチ64を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、再生音像を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態1の詳細説明である。
【0023】
なお、この実施の形態1に係る説明においては、図1に示した音響再生装置の構成として、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルと右チャネルの2チャネル音響信号の構成としていたが、この構成に限定するものではなく、入力及び出力するチャネル数を複数チャネルの構成にしてもよいことを付け加えておく。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形性が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、5.1チャネル音声など複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号に収録される台詞に相当する音声情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図6は、この発明の実施の形態2に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルダウンミックス信号と右チャネルダウンミックス信号の2チャネル音響信号の構成としている。ここでいう左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号とは、5.1チャネル音声など複数チャネルで構成される音響信号を、左右の2チャネルにダウンミックス処理した音響信号のことを指す。
図中の符号9は左チャネルダウンミックス信号の入力端子、10は右チャネルダウンミックス信号の入力端子、11はセンターチャネル信号の入力端子、12は台詞音声情報判定部A、13は音像位置決定部A、14は音像位置制御部Aであり、符号7、8は、発明の実施の形態1において、図1を用いて説明した構成要素と同一であることから説明を割愛する。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0027】
入力端子11から入力されるセンターチャネル信号とは、DVD、BDパッケージメディアやデジタルテレビ放送において、5.1チャネル音声を代表に複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号のことを指す。センターチャネル信号は、映像の中央部から再生されるように作り込まれており、映像に登場する話者の台詞は、この信号に割り当てられている。
ここで、センターチャネル信号と台詞音声情報判定部A12における判定結果との関係を図7に示す。台詞音声情報判定部A12では、センターチャネル信号の有音・無音状態を判定し、その結果が無音の場合は“台詞無し”、有音の場合は“台詞有り”と判定する。ここで言う有音とは、音声信号成分が含まれる状態のことを指し、また無音とは、音声信号成分が含まれない状態のことを指す。
【0028】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部A13の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図8は、音像位置決定部A13の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、13a、13c、13dは処理ブロックであり、13bは条件分岐ブロックである。
【0029】
処理ブロック13aにおいては、台詞音声情報判定部A12から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック13bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック13bにおける判定結果により異なる。
【0030】
分岐ブロック13bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック13cに進む。
処理ブロック13cにおいては、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部A14に送出して、処理を終了する。
【0031】
分岐ブロック13bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック13dに進む。
処理ブロック13dにおいては、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部A14に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部A13の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0032】
音像位置制御部A14は、入力端子9及び入力端子10から入力された左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号に対して、音像位置決定部A13からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部A14の動作について補足しておく。音像位置制御部A14における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図9を用いて説明する。
【0033】
図9は、音像位置制御部A14の詳細構成を示したものである。図9において、符号141、142、143、144はスイッチ、HAL、HARは、発明の実施の形態1において、図4を用いて詳しく説明を行った頭部伝達関数と同一である。次に、音像位置制御部A14の動作について説明する。
【0034】
音像位置制御部A14は、音像位置決定部A13からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部A13からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ141とスイッチ143を直接つなぎ、また、スイッチ142とスイッチ144を直接つないで、左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号が、そのまま出力されるようにする。
【0035】
一方、音像位置決定部A13からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ141とスイッチ143を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ142とスイッチ144を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネルダウンミックス信号及び右チャネルダウンミックス信号に対して、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態2の詳細説明である。
【0036】
なお、この実施の形態2に係る説明においては、図6に示した音響再生装置の構成として、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネルダウンミックス信号と右チャネルダウンミックス信号の2チャネル音響信号の構成としていたが、この構成に限定するものではなく、入力及び出力する音響信号をダウンミックスしない複数チャネルの音響信号の構成にしてもよいことを付け加えておく。
【0037】
以上のように、この実施の形態2によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形成が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【0038】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る音響再生装置は、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を、映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報に連動して制御することで実現する。
その具体的な手順について図面を参照しながら説明する。
【0039】
図10は、この発明の実施の形態3に係る音響再生装置の構成を示したものであり、音響再生装置の入力信号及び出力信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の2チャネル音響信号の構成としている。
図中の符号15は台詞音声情報判定部B、16は音像位置決定部B、17は音像位置制御部Bであり、符号2、3、7、8は、発明の実施の形態1において、図1を用いて説明した構成要素と同一であることから説明を割愛する。
次に、これらの構成要素を用いて、音響再生装置の詳細を説明する。
【0040】
入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号は、台詞音声情報判定部B15に入力される。ここで、台詞音声情報判定部B15の動作について、図11を用いて詳しく説明する。
図11は台詞音声情報判定部B15の機能ブロック構成を示した図であり、図中の符号151は加算器、152は減算器、153及び154は利得調整器、155は信号レベル差計算部、156は台詞有無判定部である。次に、これらの構成要素を用いて、台詞音声情報判定部B15の動作について説明する。
【0041】
加算器151においては、入力端子2からの左チャネル信号と入力端子3からの右チャネル信号の加算を行い、利得調整器153において信号レベルを1/2に調整した後、信号レベル差判定部155に渡す。この過程で生成された信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の和信号となり、左チャネル信号及び右チャネル信号に同じ信号成分が多く含まれる場合は、信号レベルが大きくなるという特徴がある。
【0042】
減算器152においては、入力端子2からの左チャネル信号から入力端子3からの右チャネル信号の減算を行い、利得調整器154において信号レベルを1/2に調整した後、信号レベル差判定部155に渡す。この過程で生成された信号は、左チャネル信号と右チャネル信号の差信号となり、左チャネル信号及び右チャネル信号に異なった信号成分が多く含まれる場合は、信号レベルが大きくなるという特徴がある。
【0043】
信号レベル差計算部155では、和信号のレベル計算と差信号のレベル計算を行い、和信号と差信号の信号レベル差(和信号−差信号)を算出して、台詞有無判定部156に渡す。
最後に、台詞有無判定部156においては、信号レベル差に基づいて台詞に相当する音声情報があるか否かを判定する。
【0044】
ここで着目すべき点としては、一般的に、話者の台詞は映像の中央に定位させるのが好ましいことから、2チャネル構成の音響信号においては、音声信号の収録時に台詞に相当する音声情報を左右チャネルに等分割で割り当てている点である。このことは、台詞に相当する音声情報がある場合は、和信号のレベルが大きくなり、逆に差信号のレベルが小さくなることを意味する。
【0045】
ここで、信号レベル差と台詞有無判定部156における判定結果との関係を図12に示す。台詞有無判定部156では、信号レベル差が小さい、例えばデシベル換算で20dB未満の場合は “台詞無し”、逆に信号レベル差が大きい、例えばデシベル換算で20dB以上の場合は“台詞有り”と判定し、その結果を音像位置決定部B16に渡す。
以上が台詞音声情報判定部B15の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0046】
次に、この判定結果を受けた音像位置決定部B16の動作について、処理フローチャートを用いながら説明する。
図13は、音像位置決定部B16の動作手順を、処理フローチャートにて示したものであり、16a、16c、16dは処理ブロックであり、16bは条件分岐ブロックである。
【0047】
処理ブロック16aにおいては、台詞音声情報判定部B15から台詞音声情報判定結果を取得する。
次に、分岐ブロック16bにおいて、台詞音声情報判定結果が“台詞無し”かの判定を行う。以降の処理は分岐ブロック16bにおける判定結果により異なる。
【0048】
分岐ブロック16bにおいて、判定結果が“台詞無し”であった場合は、処理ブロック16cに進む。
処理ブロック16cにおいては、入力端子1及び入力端子2から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を制御しない指示を音像位置制御部B17に送出して、処理を終了する。
【0049】
分岐ブロック16bにおいて、判定結果が“台詞無し”ではなかった場合は、判定結果が“台詞有り”であると見なし、処理ブロック16dに進む。
処理ブロック16dにおいては、入力端子1及び入力端子2から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号の再生音像位置を、映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示を音像位置制御部B17に送出して、処理を終了する。
以上が音像位置決定部B16の動作説明である。引き続き音響再生装置の詳細説明に戻る。
【0050】
音像位置制御部B17は、入力端子2及び入力端子3から入力された左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、音像位置決定部B16からの指示内容に従って再生音像位置の制御処理を行った後、出力端子7及び出力端子8を経由して左右のスピーカから音声出力される。
ここで、音像位置制御部B17の動作について補足しておく。音像位置制御部B17における再生音像位置の制御処理の内容は、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理であれば何でも良い。ここでは、その一例として、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる処理を用意しておき、この処理を行わないものを含めて、2つの動作モードを切り替える方法について、図14を用いて説明する。
【0051】
図14は、音像位置制御部B17の詳細構成を示したものである。図14において、符号171、172、173、174はスイッチ、HAL、HARは、発明の実施の形態1において、図4を用いて詳しく説明を行った頭部伝達関数と同一である。次に、音像位置制御部B17の動作について説明する。
【0052】
音像位置制御部B17は、音像位置決定部B16からの指示に従って処理内容を変更する。音像位置決定部B16からの指示が、再生音像位置を制御しない指示内容であった場合は、スイッチ171とスイッチ173を直接つなぎ、また、スイッチ172とスイッチ174を直接つないで、左チャネル信号及び右チャネル信号が、そのまま出力されるようにする。
【0053】
一方、音像位置決定部B16からの制御信号が、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる制御を行う指示内容であった場合は、スイッチ171とスイッチ173を頭部伝達関数HALにつなぎ、また、スイッチ172とスイッチ174を頭部伝達関数HARにつないで、左チャネル信号及び右チャネル信号に対して、再生音像位置を映像表示装置から見て視聴者側に定位させる頭部伝達関数の処理を行い、処理後の信号が出力されるようにする。
以上がこの発明の実施の形態3の詳細説明である。
【0054】
以上のように、この実施の形態3によれば、映像に登場する話者の台詞の有無に連動して、スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を制御することが可能な構成としたので、台詞に相当する音声情報がある場合は、視聴者に近い位置での再生音像の形成が可能となり、視聴者にとって台詞の聞き取り易い音響再生装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
この発明の音響再生装置は、DVD、BD等のパッケージメディア再生装置の音響再生装置やデジタルテレビジョン受像機の音響再生装置に利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0056】
1;字幕情報の入力端子、2;左チャネル信号の入力端子、3;右チャネル信号の入力端子、4;台詞音声情報判定部、5;音像位置決定部、6;音像位置制御部、7;左スピーカへの出力端子、8;右スピーカへの出力端子、9;左チャネルダウンミックス信号の入力端子、10;右チャネルダウンミックス信号の入力端子、11;センターチャネル信号の入力端子、12;台詞音声情報判定部A、13;音像位置決定部A、14;音像位置制御部A、15;台詞音声情報判定部B、16;音像位置決定部B、17;音像位置制御部B、61,62,63,64;スイッチ、141,142,143,144;スイッチ、151;加算器、152;減算器、153,154;利得調整器、155;信号レベル差計算部、156;台詞有無判定部、171,172,173,174;スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像表示装置に入力された音響信号をスピーカで再生出力する音響再生装置において、
入力された音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する台詞音声情報判定部と、
スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を予め定められた位置に決定する音像位置決定部と、
台詞に相当する音声情報の再生音像位置を前記音像位置決定部で決定された再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備えることを特徴とする音響再生装置。
【請求項2】
台詞音声情報判定部は、映像情報に付随する字幕情報に基づいて、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項3】
入力される音響信号はセンターチャネル信号を含む複数チャネルで構成される音響信号であり、台詞音声情報判定部は、複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号に収録される台詞に相当する音声情報に基づいて、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項4】
台詞音声情報判定部は、音像位置が映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報に基づいて、台詞の有無を判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項5】
音像位置制御部は、再生音像位置を変更する処理経路と、再生音像位置を変更しない処理経路とを備え、更に、これらの処理経路を切り替え制御が可能な手段を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の音響再生装置。
【請求項6】
再生音像位置を変更する処理経路が、再生音像位置を視聴者から見て映像表示装置の前方に定位させる制御を行う音像位置変更手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の音響再生装置。
【請求項1】
映像表示装置に入力された音響信号をスピーカで再生出力する音響再生装置において、
入力された音響信号に対して、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する台詞音声情報判定部と、
スピーカから再生される台詞に相当する音声情報の再生音像位置を予め定められた位置に決定する音像位置決定部と、
台詞に相当する音声情報の再生音像位置を前記音像位置決定部で決定された再生音像位置に定位させる制御を行う音像位置制御部とを備えることを特徴とする音響再生装置。
【請求項2】
台詞音声情報判定部は、映像情報に付随する字幕情報に基づいて、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項3】
入力される音響信号はセンターチャネル信号を含む複数チャネルで構成される音響信号であり、台詞音声情報判定部は、複数チャネルで構成される音響信号のうち、センターチャネル信号に収録される台詞に相当する音声情報に基づいて、台詞に相当する音声情報が含まれるか否かを判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項4】
台詞音声情報判定部は、音像位置が映像の中央部に定位する台詞に相当する音声情報に基づいて、台詞の有無を判定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音響再生装置。
【請求項5】
音像位置制御部は、再生音像位置を変更する処理経路と、再生音像位置を変更しない処理経路とを備え、更に、これらの処理経路を切り替え制御が可能な手段を備えることを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の音響再生装置。
【請求項6】
再生音像位置を変更する処理経路が、再生音像位置を視聴者から見て映像表示装置の前方に定位させる制御を行う音像位置変更手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の音響再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−199786(P2012−199786A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62716(P2011−62716)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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