説明

音響装置

【課題】音響効果を良くできる音響装置を提供する。
【解決手段】情報取得手段11からの所定位置への方向を示す情報に基づいて音制御手段15がスピーカ12〜13からの音の音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御するので、所定位置における音響効果が良くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音響装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、テレビジョン受像装置やオーディオ再生装置は、高性能製品になると、音響効果を持って聴者に臨場感を感じさせる音を再生している。上記の装置は音響装置を有し、音響装置は右端及び左端に2個のスピーカを有している。また、上記の装置は、聴者の前に固定されて配置されている。2個のスピーカが異なる音を再生することにより、臨場感を持つ音が再生されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平04−250800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、音響装置は固定されて配置されるが、聴者は移動する可能性があるので、音響装置が配置された位置と聴者が存在する位置との相関関係により、聴者の聴感が変化してしまう。よって、上記の相関関係により、聴者の位置における音響効果が悪くなってしまう可能性がある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、音響効果を良くできる音響装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、音響装置において、音響効果を最適にされるべき所定位置への方向を示す情報を取得する情報取得手段と、第一スピーカと、第二スピーカと、前記情報に基づき、前記第一スピーカ及び前記第二スピーカからそれぞれ別々に再生される音における音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御する音制御手段と、を備えることを特徴とする音響装置を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、情報取得手段からの所定位置への方向を示す情報に基づいて音制御手段が第一スピーカ及び第二スピーカからの音の音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御するので、所定位置における音響効果が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0008】
まず、音響装置の構成について説明する。図1は、音響装置を示す図である。
【0009】
音響装置10は、テレビジョン受像装置やオーディオ再生装置などに搭載される。
【0010】
音響装置10は、情報取得手段11、スピーカ12〜13、方向制御手段14及び音制御手段15を備える。情報取得手段11は方向制御手段14及び音制御手段15と通信し、方向制御手段14はスピーカ12〜13を制御し、音制御手段15もスピーカ12〜13を制御する。
【0011】
次に、音響装置10の動作について説明する。
【0012】
情報取得手段11は、音響効果を最適にされるべき所定位置への方向を示す情報を取得する。方向制御手段14は、情報に基づき、スピーカ12〜13の方向をそれぞれ別々に制御する。音制御手段15は、情報に基づき、スピーカ12〜13からそれぞれ別々に再生される音における音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御する。
【0013】
次に、情報取得手段11について説明する。
【0014】
[第一実施形態]
情報取得手段11は、ラインセンサICやエリアセンサICの1個の光センサICを有し、所定位置の聴者20からの可視光を受光することにより、聴者20や聴者20の顔や聴者20の動きを検出し、情報を取得する。
【0015】
また、情報取得手段11は、ラインセンサICやエリアセンサICの1個の光センサICを有し、所定位置の聴者20からの赤外光を受光することにより、聴者20や聴者20の顔や聴者20の動きを検出し、情報を取得する。
【0016】
なお、情報取得手段11は、2個の光センサICを有することにより、所定位置の聴者20への方向だけでなくて所定位置の聴者20までの距離も示す情報を取得しても良い。すると、方向制御手段14及び音制御手段15による制御がより正確になる。
【0017】
[第二実施形態]
ここで、聴者20がリモートコントローラを所持するとする。
【0018】
情報取得手段11は、ラインセンサICやエリアセンサICの1個の光センサICを有し、所定位置のリモートコントローラからの赤外光を受光することにより、リモートコントローラやリモートコントローラの動きを検出し、情報を取得する。
【0019】
なお、情報取得手段11は、2個の光センサICを有することにより、所定位置のリモートコントローラへの方向だけでなくて所定位置のリモートコントローラまでの距離も示す情報を取得しても良い。すると、方向制御手段14及び音制御手段15による制御がより正確になる。
【0020】
[第三実施形態]
ここで、聴者20が発信装置を所持するとする。この時、聴者20は、直接的に発信装置を所持しても良いし、リモートコントローラに搭載された発信装置を所持しても良い。
【0021】
情報取得手段11は、1個の受信装置を有し、所定位置の発信装置から発信された信号を受信することにより、情報を取得する。
【0022】
このようにすると、情報取得手段11からの所定位置への方向を示す情報に基づいて音制御手段15がスピーカ12〜13からの音の音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御するので、所定位置における音響効果が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】音響装置を示す図である。
【符号の説明】
【0024】
10……音響装置 11……情報取得手段 12〜13……スピーカ 14……方向制御手段 15……音制御手段 20……聴者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響装置において、
音響効果を最適にされるべき所定位置への方向を示す情報を取得する情報取得手段と、
第一スピーカと、
第二スピーカと、
前記情報に基づき、前記第一スピーカ及び前記第二スピーカからそれぞれ別々に再生される音における音量及び音の遅延時間をそれぞれ別々に制御する音制御手段と、
を備えることを特徴とする音響装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記所定位置への方向と前記所定位置までの距離とを示す前記情報を取得することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項3】
前記情報取得手段は、光センサを有し、前記所定位置からの可視光を受光することにより、前記情報を取得することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、光センサを有し、前記所定位置からの赤外光を受光することにより、前記情報を取得することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、受信装置を有し、前記所定位置から発信された信号を受信することにより、前記情報を取得することを特徴とする請求項1記載の音響装置。
【請求項6】
前記情報に基づき、前記第一スピーカ及び前記第二スピーカの方向をそれぞれ別々に制御する方向制御手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の音響装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−177696(P2009−177696A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16313(P2008−16313)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】