説明

響板の製造方法

【課題】 むくりを効率良くかつ精度良く形成でき、形成されたむくりの安定性に優れるとともに、音響特性を向上させることができる響板の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明による響板の製造方法は、複数の平らな木製の響板材2を所定の含水率に調湿する調湿工程(工程1)と、調湿された複数の響板材2の表面および裏面を、互いに異なる熱量が供給されるように加熱する加熱処理工程(工程2)と、加熱された複数の響板材2を用いて響板1を組み立てる響板組立工程(工程3)と、組み立てられた響板1を加湿および/または乾燥することにより、響板1にむくりを形成するむくり形成工程(工程4および5)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アコースティックなピアノや、バイオリン、ギターなどの楽器に用いられる響板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、アコースティックなピアノの響板は、弦の振動を空気振動に効率的に変換して楽音を発生させるために、平らではなく、駒を取り付けた側が凸状に緩やかに湾曲した曲板状に形成されている。このような形状は、ピアノの響板では「むくり」と呼ばれており、一般に、自然むくり法と呼ばれる方法によって形成されている。この自然むくり法では、まず、複数の木製の響板材を横はぎ接着することによって、平らな響板を作製する。次いで、この響板を、所定の含水率まで乾燥し、収縮させた後、その裏面に響棒を接着する。その後、響板を、吸湿条件下に置き、その含水率を上昇させると、表裏面間において響棒の有無に応じた膨張度合の差が生じることによって、むくりが形成される。
【0003】
また、本出願人は、他のむくり形成方法を、特許文献1においてすでに提案している。この方法では、複数の木製の響板材を横はぎ接着することによって、1枚の平らな響板を作製した後、これを所定の含水率になるまで加湿する。次いで、加湿された響板を加熱することによって軟化させた後、所定の表面形状を有する2つの成形型の間に挟み込む。その状態で、響板を加熱し、所定の含水率まで乾燥させることによって、むくりが形成される。
【0004】
上述した従来の自然むくり法では、響板の放湿および吸湿を利用してむくりを形成するので、十分なむくりが得られるまでに長い時間がかかり、むくりを効率良く形成することができない。同じ理由から、むくりの大きさが、外気の湿度および温度や、響板材のヤング率および含水率などに大きく左右されるため、所定量のむくりを精度良く得ることは困難である。このように所定量のむくりが得られないと、響板と打廻しとの接合面がぴったり合わず、接合時に響板に大きな応力が発生することによる響板の割れや、接着不良の原因になるとともに、駒圧(弦から駒に作用する下向きの圧力)の過不足が生じ、その調整のために煩雑な作業を行わなければならなくなる。また、響板の製造後においても、外気の湿度などの影響により響板の含水率が変化しやすく、それに応じた膨張・収縮によってむくりが変形しやすいため、響板の横はぎ部の盛り上がりや割れが生じることがある。
【0005】
一方、特許文献1のむくり形成方法の場合、1枚の大きな響板を2つの成形型によっての間に挟み込んだ状態で、むくりを強制的に形成するので、そのための装置が大がかりになるとともに、製造コストの上昇を招く。また、響板を軟化させた後、成形型の間に挟み込んだ状態で加熱・乾燥するので、成形後の響板に内部応力が残留しやすく、その場合には、外気中の水分によって、響板が平らな状態に戻るように変形する(リバウンドする)おそれがある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、むくりを効率良くかつ精度良く形成でき、形成されたむくりの安定性に優れるとともに、音響特性を向上させることができる響板の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】特開平8−263053号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に係る響板の製造方法は、複数の平らな木製の響板材を所定の含水率に調湿する調湿工程と、調湿された複数の響板材の表面および裏面を、互いに異なる熱量が供給されるように加熱する加熱処理工程と、加熱された複数の響板材を用いて響板を組み立てる響板組立工程と、組み立てられた響板を加湿および/または乾燥することにより、響板にむくりを形成するむくり形成工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この響板の製造方法によれば、加熱処理工程において、複数の響板材の表面および裏面を加熱するとともに、その際、表裏面に互いに異なる熱量を供給する。次いで、響板組立工程において、加熱された複数の響板材を用いて響板を組み立てた後、むくり形成工程において、組み立てた響板を加湿および/または乾燥することによって、響板にむくりが形成される。
【0010】
木製の響板材を加熱すると、響板材のセルロースが結晶化する。このようなセルロースの結晶化により、その疎水化が促進されることによって、響板材の吸湿性が低下し、含水率の変化が抑制されるため、響板材の吸湿・乾燥による膨張・収縮の度合(以下「膨張収縮率」という)は低くなる。また、響板材の表裏面が異なる熱量で加熱されるので、響板材の表裏面間において、セルロースの結晶化度合が異なり、それに応じて吸湿性および膨張収縮率も異なる(不均一になる)。
【0011】
以上のように、加熱処理によって響板材の表裏面の吸湿性および膨張収縮率をあらかじめ不均一にするので、むくり形成工程において響板を加湿および/または乾燥したときに、響板が表面および裏面の一方の側に反りやすくなり、むくりが生じやすくなる。その結果、加熱処理を施していない通常の響板材を用いた場合と比較し、むくりを短時間で効率良く形成することができる。
【0012】
また、響板の製造後においても、吸湿性および膨張収縮率が、響板の表裏面間で異なることと、響板全体としては低下していることから、外気の湿度などが変化しても、むくりが変形しにくくなり、安定性に優れたむくりを得ることができる。
【0013】
また、響板全体として、セルロースの結晶化によって内部損失が低減されるので、響板の音響特性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の響板の製造方法において、加熱処理工程において、複数の響板材の表面および裏面を、裏面側に表面側よりも大きな熱量が供給されるように加熱し、むくり形成工程は、響板の裏面に響棒を取り付ける響棒取付工程と、響棒を取り付けた響板を加湿することによって、響板に表面側が凸状のむくりを形成する加湿工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、加熱処理工程において、響板材の裏面側により大きな熱量を供給することにより、裏面側の方が、セルロースの結晶化度合が高くなり、吸湿性および膨張収縮率が低下する。このため、むくり形成工程において響板の裏面に響棒を取り付けた後、響板を加湿すると、膨張収縮率の大きな表面側が凸状に変形しやすくなるので、むくりを容易に形成することができる。
【0016】
また、上記のようなむくりの形成方法は、一般的に行われている前述した自然むくり法と基本的に同じである。したがって、本発明によれば、自然むくり法による既存の製造ラインをそのまま利用することが可能であり、響板材を加熱処理するための設備を付加するだけで、大幅なコスト増加を伴うことなく、響板を製造することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の響板の製造方法において、加熱処理工程において、複数の響板材の表面および裏面を、表面の温度および裏面の温度がそれぞれ互いに異なる所定温度になるように加熱することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、加熱処理中、響板材の表裏面の温度が互いに異なる所定の温度にそれぞれ制御される。これにより、響板材の表裏面でのセルロースの結晶化度合、ひいては表裏面の吸湿性および膨張収縮性を適切にコントロールでき、したがって、所定量のむくりを精度良く形成することができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1または2に記載の響板の製造方法において、加熱処理工程において、複数の響板材の表面および裏面をそれぞれ、互いに異なる所定時間、加熱することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、加熱処理工程において、響板材の表裏面が、互いに異なる所定時間、加熱される。したがって、請求項2の場合と同様、響板材の表裏面でのセルロースの結晶化度合、ひいては表裏面の吸湿性および膨張収縮性を適切にコントロールでき、所定量のむくりを精度良く形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。図1は、本発明を適用したグランドピアノの響板を示している。同図に示すように、この響板1は、複数の木製の響板材2を横はぎ接着したものであり、グランドピアノの平面的形状と同じ形状を有している。響板1の下面には複数の響棒3が貼り付けられており、響板1には、響棒3の延び方向に沿って、図2に示すような上側に凸状のむくりが形成されている。
【0022】
また、図示しないが、響板1の上面には長駒および短駒が取り付けられ、これらの長駒および短駒に係合した状態で、弦が張られる。
【0023】
なお、以下の説明では、むくりが凸状に現れる(突出する)側の響板1の面、およびそれに対応する響板材2の面を「表面」と呼び、それらと反対側の響板1および響板材2の面を「裏面」と呼ぶものとする。
【0024】
以下、響板1の製造方法を詳細に説明する。図3は、その工程の概略の流れを示している。
(1)最初の工程1(「S1」と図示。以下同じ)では、複数の響板材2を調湿する(調湿工程)。図4に示すように、響板材2は、スプルスなどから成る無垢の柾目板で構成されており、例えば、長さL=1500mm、幅W=100〜150mm、厚さT=11mmを標準とする長尺状のものである。
【0025】
この響板材2の調湿は、スプルスなどの原木を上述した板状に切り出した後、自然乾燥や強制乾燥などを経ることによって行われる。その結果、響板材2は、所定の含水率、例えば10%以下に調湿される。
【0026】
(2)次に、工程2において、調湿した響板材2に対して加熱処理を加える(加熱処理工程)。図5は、この加熱処理を行うための加熱処理装置4を示している。加熱処理装置4は、平らなボックス状の加熱室5と、加熱室5内に敷設された、発泡フェノールなどから成る断熱材6と、断熱材6の上方に、響板材2の長さ方向(同図の左右方向)に沿って等間隔に配置された複数のヒータ7を備えている。ヒータ7は、例えば遠赤外線ヒータで構成されている。
【0027】
加熱処理を行う際には、工程1で調湿された複数の響板材2(図5には1つのみ図示)を、その裏面2bが上側に向いた状態で、断熱材6上に並べ、加熱室5を閉じた後、ヒータ7を所定時間(例えば20時間)作動させる。このように響板材2が裏面2b側から加熱される結果、ヒータ7から供給される熱量は、裏面2b側でより大きく、表面側2aでより小さくなり、それに応じて、加熱中の裏面温度は表面温度よりも高くなる。
【0028】
本発明の趣旨から、このときの裏面温度および表面温度が所定の温度範囲内、例えば100〜200℃に保持されるとともに、両温度の差が所定範囲内、例えば10℃以上に保持されることが好ましい。本実施形態では、裏面温度は150℃に、表面温度は約140℃にそれぞれ設定されている。
【0029】
以上のような加熱処理により、響板材2の裏面2b側がより大きな熱量で加熱される結果、裏面2bに近いほど、加熱によるセルロースの結晶化が進行する。図6のハッチング部分8は、響板材2の裏面2b付近に形成された結晶化度合が特に高い部分を示す。
【0030】
(3)以降の工程3〜5は、自然むくり法の場合と基本的に同じである。まず、工程3において、加熱処理した複数の響板材2を横はぎ接着することによって、響板を組み立てる(響板組立工程)。具体的には、図7に示すように、響板材2の長さを適当に整えた後、複数の響板材2を横はぎ接着するとともに、その外周部を切り取ることにより、図8に示すような、グランドピアノの外形に合致した所定の形状の響板1が切り出される。
【0031】
なお、加熱処理によって響板材2に反りが発生した場合には、横はぎ接着の前に、反りが修正される。また、切り出された後、響板1の表面および裏面には、これらを滑らかな平面にするためのサンダー掛けが行われる。
【0032】
(4)次に、工程4において、響板1の裏面に複数の響棒3を接着し、取り付ける(響棒取付工程)。これらの響棒3は、スプルスなどから成る無垢の木質材を加工したものであり、図9に示すように、響板1に取り付ける前の状態では、その取付面3aは平らになっている。また、響棒3は、響板材2の延び方向に対してほぼ直角な方向、すなわち響板材2の横はぎ方向に沿って延びるように、響板1に取り付けられる。
【0033】
(5)最後に、工程5において、響棒3を取り付けた響板1を、加湿室(図示せず)に入れ、所定の条件で加湿し、その含水率を所定値まで上昇させる(加湿工程)。これにより、響板1が吸湿によって膨張する一方、裏面側ではその膨張が響棒3によって拘束されるため、表裏面間の膨張差によって、響板1に表面側が凸状のむくりが形成される。これにより、図1および図2に示すような響板1が完成する。
【0034】
また、本実施形態によれば、響板材2の加熱処理により、響板1の裏面側においてセルロースの結晶化度合が高められ、膨張収縮率が低減されているので、上述した加湿による響板1の表裏面間の膨張差がより大きくなり、むくりがより生じやすくなる。その結果、加熱処理を施していない通常の響板材を用いた場合と比較し、所定量のむくりを短時間で効率良く形成することができる。さらに、加熱処理中、響板材2の表面温度および裏面温度を互いに異なる所定温度に制御するので、響板材の表面2aおよび裏面2bでのセルロースの結晶化度合、ひいては表裏面の吸湿性および膨張収縮率を適切にコントロールでき、それにより、所定のむくりを精度良く形成することができる
【0035】
また、響板1の製造後においても、吸湿性および膨張収縮率が、響板1の表裏面間で異なることと、響板1全体としては低下していることから、外気の湿度などが変化しても、むくりが変形しにくくなり、安定性に優れたむくりを得ることができる。
【0036】
さらに、響板1全体として、セルロースの結晶化によって内部損失が低減されるので、響板1の音響特性を向上させることができる。なお、本実施形態によって製造した響板1の内部損失を測定した結果、響板材に加熱処理を施していない通常の響板と比較して、内部損失が約10%低減されることが確認された。
【0037】
また、本実施形態の響板1の製造方法は、響板材2をあらかじめ加熱処理する以外は、自然むくり法と同じである。したがって、自然むくり法による既存の製造ラインをそのまま利用することが可能であり、前述した加熱処理装置4を付加するだけで、大幅なコスト増加を伴うことなく、響板1を製造することができる。
【0038】
なお、響板材2の加熱処理の方法は、実施形態に示したものに限らず、響板材2の裏面2b側により大きな熱量が供給されるものであれば、任意に採用できる。例えば、加熱処理装置4を用い、図5に示すように、響板材2の裏面2bをヒータ7側に向けた状態で第1所定時間、加熱した後、響板材2を上下反転させ、その表面2aをヒータ7側に向けた状態で、第1所定時間よりも短い第2所定時間、加熱してもよい。
【0039】
図10は、第2実施形態による加熱処理装置を示している。この加熱処理装置14は、響板材2の長さ方向の両端部を断熱材などから成る支持具16、16で支持し、その上下に配置されたヒータ7、17によって、響板材2の裏面2bおよび表面2aを同時に加熱できるようにしたものである。この構成によれば、(a)裏面2b側のヒータ7の発熱量を、表面2a側のヒータ17の発熱量よりも大きく設定し、両ヒータ7、17の作動時間を同じ所定時間に設定することや、(b)両ヒータ7、17の発熱量を同じに設定し、ヒータ7の作動時間をより長く設定することによって、裏面2b側により大きな熱量を供給できる。
【0040】
上記(a)の場合にはさらに、図10に示すように、響板材2の裏面温度および表面温度をそれぞれ検出する裏面温度センサ18および表面温度センサ19を設けるとともに、それらの検出値が裏面温度および表面温度の目標値になるように、ヒータ7、17の発熱量やON/OFFをフィードバック制御してもよい。それにより、響板材2の裏面温度および表面温度を目標値にきめ細かく制御することによって、所定量のむくりをさらに精度良く得ることができる。
【0041】
図11は、第3実施形態による加熱処理装置を示している。この加熱処理装置24は、響板材2の裏面2bを加熱するヒータ7に加えて、響板材2の表面2aを冷却する冷却装置25を備えたものである。この冷却装置25は、表面2aを下側にして響板材2が載置される冷却板26と、冷却板26の下面に接し、これに沿って延びるように配置された送水管27と、送水管27内に冷却水を循環させるための装置本体28を備えている。冷却板26および送水管27は、例えばステンレスで構成されている。また、装置本体28には、送水管27から戻された冷却水を冷却するための熱交換器や、冷却水を送水管27に送出するためのポンプ(いずれも図示せず)などが内蔵されている。
【0042】
この構成によれば、響板材2の裏面2bをヒータ7で加熱するとともに、冷却水を送水管27内で図中の矢印で示すように循環させることによって、響板材2の表面2aが冷却板26を介して冷却される。このように、ヒータ7による響板材2の裏面2bの加熱と同時に、冷却装置25による響板材2の表面2aの冷却を行うので、比較的薄い響板材2の表裏面間に大きな温度差を確保でき、それにより、響板材2の加熱処理をより効率良く確実に行うことができる。
【0043】
なお、本実施形態においても、響板材2の裏面温度および表面温度をそれぞれ検出する裏面温度センサおよび表面温度センサ(図示せず)を設けるとともに、それらの検出値が裏面温度および表面温度の目標値になるように、ヒータ7の発熱量や冷却装置25のポンプの送出量などをフィードバック制御することによって、響板材2の裏面温度および表面温度をよりきめ細かく制御するようにしてもよい。
【0044】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、本発明を自然むくり法と併用した例であるが、本発明は、これに限らず、響板を加湿および/または乾燥することによってむくりを形成する他の任意の方法に適用でき、例えば、前述した特許文献1に記載されるようなむくり形成方法と併用することも可能である。
【0045】
さらに、実施形態は、本発明をグランドピアノの響板に適用した例であるが、これに限らず、本発明は、アップライトピアノはもとより、バイオリンやギターなど、むくりが形成される楽器の響板に適用できる。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明を適用したグランドピアノの響板を示す平面図である。
【図2】図1の線II−IIに沿う断面図である。
【図3】響板の製造方法の工程を示す図である。
【図4】響板材の斜視図である。
【図5】響板材の加熱処理装置を模式的に示す図である。
【図6】加熱処理が施された響板材の部分拡大斜視図である。
【図7】複数の響板材を横はぎ接着した状態の平面図である。
【図8】横はぎ接着した複数の響板材から切り出された後の響板の平面図である。
【図9】響棒の取付工程を説明するための平面図である。
【図10】第2実施形態による加熱処理装置を示す模式的に示す図である。
【図11】第3実施形態による加熱処理装置を示す模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 響板
2 響板材
2a 響板材の表面
2b 響板材の裏面
3 響棒
4 加熱処理装置
7 ヒータ
14 加熱処理装置
17 ヒータ
24 加熱処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の平らな木製の響板材を所定の含水率に調湿する調湿工程と、
当該調湿された複数の響板材の表面および裏面を、互いに異なる熱量が供給されるように加熱する加熱処理工程と、
当該加熱された複数の響板材を用いて響板を組み立てる響板組立工程と、
当該組み立てられた響板を加湿および/または乾燥することにより、当該響板にむくりを形成するむくり形成工程と、
を備えることを特徴とする響板の製造方法。
【請求項2】
前記加熱処理工程において、前記複数の響板材の表面および裏面を、当該裏面側に当該表面側よりも大きな熱量が供給されるように加熱し、
前記むくり形成工程は、
前記響板の前記裏面に響棒を取り付ける響棒取付工程と、
当該響棒を取り付けた響板を加湿することによって、当該響板に前記表面側が凸状のむくりを形成する加湿工程と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の響板の製造方法。
【請求項3】
前記加熱処理工程において、前記複数の響板材の前記表面および前記裏面を、当該表面の温度および当該裏面の温度がそれぞれ互いに異なる所定温度になるように加熱することを特徴とする、請求項1または2に記載の響板の製造方法。
【請求項4】
前記加熱処理工程において、前記複数の響板材の前記表面および前記裏面を、それぞれ互いに異なる所定時間、加熱することを特徴とする、請求項1または2に記載の響板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−63874(P2009−63874A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232488(P2007−232488)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)