説明

頭皮ケア装置

【課題】回転駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】頭皮ケア装置1は、突起15をモータ14の駆動力にて回転駆動させ、突起15を頭皮に接触させて頭皮をケアするものである。そして、頭皮ケア装置1は、突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出するための電流検出センサ21aと、前記過負荷情報に基づいてモータ14を停止制御することで突起15への駆動力の伝達を遮断する制御部21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮ケア装置としては、突起を駆動源の駆動力にて回転駆動させ、その突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものがある(例えば、特許文献1参照)。この頭皮ケア装置は、使用者が本体ハウジングを把持しつつ突起を頭皮に押し付けることで、回転駆動される突起に接触する頭皮をケア(頭皮を洗浄)することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−213328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、突起を頭皮に押し付ける力が強過ぎると、回転駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎたり、自身(頭皮ケア装置)にかかる負荷が大きくなりすぎるといった虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、回転駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、突起を駆動源の駆動力にて回転駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出するための過負荷検出手段を備えたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、過負荷検出手段にて突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出することができる。よって、例えば、過負荷情報に基づいて突起への駆動力の伝達を遮断するようにすれば、例えば、使用者は、駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置(例えば駆動源)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から自動的に脱することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記過負荷情報に基づいて前記突起への駆動力の伝達を遮断する遮断手段を備えたことを要旨とする。
同構成によれば、遮断手段によって、過負荷情報に基づいて突起への駆動力の伝達が遮断される。よって、具体的に請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記遮断手段は、過負荷情報に基づいて前記駆動源を停止制御する制御手段であることを要旨とする。
同構成によれば、制御手段によって、過負荷情報に基づいて駆動源が停止制御されることで突起への駆動力の伝達が遮断される。よって、より具体的に請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。又、駆動源自体が停止制御されるため、例えば、過負荷情報に基づいて動力伝達途中での伝達を機械的に分断するといった場合で生じてしまうような(駆動源を駆動するための)駆動電力のロスが生じない。
【0010】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記遮断手段は、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達を機械的に分断する遮断機構であることを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、遮断機構によって、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達が機械的に分断されることで突起への駆動力の伝達が遮断される。よって、より具体的に請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の頭皮ケア装置において、前記遮断機構は、前記突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を機械的に動作することで得る前記過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して動力の伝達を機械的に分断することを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、遮断機構は、突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を機械的に動作することで得る過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して伝達途中の動力の伝達を機械的に分断するため、例えば、別途、過負荷検出手段を設けることなく、請求項4に記載の発明の効果を得ることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記過負荷検出手段は、前記駆動源に供給する駆動電流を検出する電流検出センサであることを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、過負荷検出手段は、前記駆動源に供給する駆動電流を検出する電流検出センサであるため、駆動電流が過電流となるか否かで過負荷情報を得ることができる。このようにすると、例えば駆動源の温度に基づいて過負荷情報を得るといった場合に比べて、短時間で過負荷がかかったことを検出することができる。
【0016】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記過負荷検出手段は、過負荷に応じて加熱される加熱源の温度を検出する温度検出センサであることを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、過負荷検出手段は、過負荷に応じて加熱される加熱源の温度を検出する温度検出センサであるため、例えば駆動源等の加熱源が発熱したか否かで過負荷情報を得ることができる。このようにすると、特に加熱源の発熱による故障等に対して有効に頭皮ケア装置を制御することが可能となる。
【0018】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、互いの距離が変化するように回転駆動される複数の前記突起を備えたことを要旨とする。
【0019】
同構成によれば、互いの距離が変化するように回転駆動される複数の突起を備えるため、それら突起間に頭皮を挟み込むようにして刺激を与えることができるが、特にその際にも頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置(例えば駆動源)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から自動的に脱することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回転駆動される突起による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から的確に脱することが可能となる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態における頭皮ケア装置の断面図。
【図2】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図3】別例における頭皮ケア装置の断面図。
【図4】別例における頭皮ケア装置の遮断機構を説明するための正面図。
【図5】別例における頭皮ケア装置の遮断機構を説明するための模式説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態の頭皮ケア装置1は、外観が略直方体状の本体ハウジング11と、該本体ハウジング11内に収容保持され、2つの出力軸12,13を回転駆動するための駆動源としてのモータ14とを備える。又、頭皮ケア装置1は、本体ハウジング11から突出した出力軸12,13の先端に連結され、出力軸12,13の回転に基づいて駆動される突起15を有した施術子16,17を備える。
【0023】
本体ハウジング11の側部には、使用者が頭皮ケア装置1をオンオフ操作するためのスイッチ18が設けられている。
出力軸12,13は、本体ハウジング11の上部から先端側が外部に突出するように同本体ハウジング11に軸受19a,19bを介して回転可能に支持されている。又、出力軸12,13において本体ハウジング11内の基端側には、出力軸ギヤ12a,13aが設けられている。
【0024】
モータ14は、回転軸14aを回転駆動可能なものであって、該回転軸14aの先端部には回転軸ギヤ14bが設けられている。そして、モータ14は、回転軸ギヤ14bが前記出力軸ギヤ12aに噛合されるように本体ハウジング11内に収容保持されることで、出力軸12を回転駆動可能とされている。又、モータ14は、回転軸ギヤ14bが、本体ハウジング11内で回転可能に支持されるとともに前記出力軸ギヤ13aと噛合した反転ギヤ20に噛合されるように保持されることで、出力軸13を前記出力軸12とは逆方向に回転駆動可能とされている。このモータ14は本体ハウジング11内に収容保持された制御部21と電気的に接続され、該制御部21は本体ハウジング11内に収容保持された電源(バッテリー)22と、前記スイッチ18とに電気的に接続されている。
【0025】
施術子16,17は、出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心で出力軸12,13に対して回転可能に設けられる回転部材31と、前記第1の軸X1に対して偏った位置に配置(第2の軸X2の周囲に配置)されるように回転部材31に設けられた複数の突起15とを有する。尚、本実施の形態では、突起15は、施術子16,17毎に4つずつ(図1中、2つずつのみ図示)設けられている。
【0026】
詳しくは、出力軸12,13の先端と施術子16,17とは、回転板32、回転支持部材33及び軸受34を介して連結されている。回転板32は、円盤状に形成され、その中心孔32aに出力軸12,13の先端が嵌入されて固定されている。回転支持部材33は、略円柱状に形成されるとともに下端にフランジ部が形成され、その軸中心が出力軸12,13の中心である第1の軸X1からずれた第2の軸X2中心となるように前記回転板32上に固定されている。一方、施術子16,17の回転部材31は、略円盤状の円盤部31aと、円盤部31aの下面から筒状に延びる筒部31bとを有する。そして、施術子16,17は、その回転部材31における筒部31bの内周面が軸受34を介して前記回転支持部材33の外周面に回転可能に支持されている。又、突起15は、エラストマー等の弾性部材よりなり、略円錐形状に形成され、本実施の形態では円盤部31aの上部に(第2の軸X2と平行に)上方に突出するように4つ固定されている。これら各施術子16,17における4つの突起15は、それぞれ前記第2の軸X2を中心として均等な距離に等角度(90°)間隔に配置されている。又、施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13によって、互いに逆方向に回転駆動される。そして、本実施の形態における施術子16,17は、それぞれ連結される出力軸12,13の軸方向から見て同出力軸12,13同士を結ぶ線分の垂直二等分線に対して線対称に動作するように(即ち位相差が180°となるように)設定されている。
【0027】
そして、前記制御部21は、モータ14に供給する駆動電流を検出する過負荷検出手段としての電流検出センサ21aを有する。この電流検出センサ21aを有した制御部21は、検出した駆動電流が予め設定した値を超えたか否かで突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出する。尚、前記予め設定した値は、駆動される突起15による頭皮への刺激が強くなりすぎる状態や、頭皮ケア装置(特にモータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎる状態に対応して設定されている。
【0028】
又、制御部21は、遮断手段及び制御手段を構成し、前記過負荷情報に基づいて突起15への駆動力の伝達を遮断する。詳しくは、本実施の形態の制御部21は、検出した駆動電流が予め設定した値を超えると、モータ14を停止制御すべく、モータ14への駆動電流の供給を停止する。
【0029】
このように構成された頭皮ケア装置1では、スイッチ18が使用者によってオン操作されると、制御部21はスイッチ18からのオン操作信号の入力に基づいて、モータ14(その回転軸14a)を回転駆動させるための駆動電流を電源22からモータ14に供給する。そして、モータ14の回転軸14aが回転駆動されると、出力軸12,13及び回転板32が前記第1の軸X1を中心として一体回転する。又、このとき、回転支持部材33及び施術子16,17(その軸中心)が前記第1の軸X1を周回するように前記第1の軸X1を中心として回転する。そして、施術子16,17の先端(突起15)を頭皮に接触させると、突起15の先端が球面状の凹部とされていること等から頭皮に密着して、施術子16,17の先端(突起15)の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。尚、施術子16,17は、回転支持部材33に対して(第2の軸X2中心で)回転可能に支持されているため、負荷(突起15に接触される頭皮や毛髪との摩擦等)に応じて、例えば、第1の軸X1方向から見て第2の軸X2に対する突起15の位置関係が変化しない状態を保ったまま第1の軸X1中心に回転することが可能とされている。よって、負荷(頭皮や毛髪との摩擦等)によっては、各突起15が第1の軸X1を中心として(それぞれがそれぞれの半径で)単純に回転する運動に基づいて施術子に毛髪が絡まってしまうといった現象を回避することができる。又、本実施の形態の2つの施術子16,17は、それぞれ第1の軸X1を中心として回転する際であって、互いに近づき合うように動作する際に、それぞれの突起15(の群)の間に頭皮を挟み込むようにして刺激を与えることが可能とされている。
【0030】
そして、例えば、駆動時に突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かり、電流検出センサ21aにて検出した駆動電流が予め設定した値を超えると、モータ14への駆動電流の供給が停止されてモータ14が停止制御されることになる。
【0031】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)過負荷検出手段としての電流検出センサ21aにて突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出することができる。そして、遮断手段としての制御部21によって、過負荷情報に基づいて突起15への駆動力の伝達が遮断される。よって、例えば、使用者は、駆動される突起15による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置1(例えばモータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から自動的に脱することができる。
【0032】
(2)遮断手段及び制御手段としての制御部21によって、過負荷情報に基づいてモータ14が停止制御されることで突起15への駆動力の伝達が遮断される。このようにすると、モータ14自体が停止制御されるため、例えば、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達を機械的に分断するといった場合で生じてしまうような(モータ14を駆動するための)駆動電力のロスが生じない。
【0033】
(3)過負荷検出手段を、モータ14に供給する駆動電流を検出する電流検出センサ21aとしたため、駆動電流が過電流となるか(予め設定した値を超えたか)否かで過負荷情報を得ることができる。このようにすると、例えばモータ14の温度に基づいて過負荷情報を得るといった場合に比べて、短時間で過負荷がかかったことを検出することができる。
【0034】
(4)互いの距離が変化するように回転駆動される複数の突起15(2つの施術子16,17)を備えるため、それら突起15間に頭皮を挟み込むようにして刺激を与えることができるが、特にその際にも頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置1(モータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から自動的に脱することができる。
【0035】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出するための過負荷検出手段を、モータ14に供給する駆動電流を検出する電流検出センサ21aとしたが、同様の過負荷情報を検出することができれば、他の過負荷検出手段に変更してもよい。
【0036】
例えば、図2に示すように、過負荷検出手段を、過負荷に応じて加熱される加熱源としてのモータ14(駆動源)の温度を検出する温度検出センサ41に変更してもよい。即ち、この例(図2参照)の頭皮ケア装置1は、前記電流検出センサ21aに換えて、モータ14に密着されて配置されるとともに、制御部21に電気的に接続された温度検出センサ41を備えている。そして、制御部21は、モータ14が発熱したか(予め設定した温度を超えたか)否かの過負荷情報に基づいて、モータ14の停止制御を行い突起15への駆動力の伝達を遮断する。
【0037】
このようにしても、例えば、使用者は、駆動される突起15による頭皮への刺激が強くなりすぎた状態や、頭皮ケア装置1(例えばモータ14)にかかる負荷が大きくなりすぎた状態から自動的に脱することができる。又、特にモータ14の発熱による故障等に対して有効に頭皮ケア装置1を制御することが可能となる。
【0038】
・上記実施の形態では、遮断手段としての制御部21によって、過負荷情報に基づいてモータ14が停止制御されることで突起15への駆動力の伝達が遮断されるとしたが、突起15への駆動力の伝達を遮断することができれば、例えば、伝達途中の動力の伝達を機械的に分断する遮断機構とする等、他の遮断手段に変更してもよい。
【0039】
例えば、図3及び図4に示すように、モータ14の回転軸14cと、出力軸ギヤ12a及び反転ギヤ20に噛合される回転軸ギヤ14dとの間に、動力の伝達を機械的に分断する遮断機構51を備えた頭皮ケア装置1としてもよい。詳しくは、回転軸14cの上端部(回転軸ギヤ14d側の端部)には、該回転軸14cと一体回転可能で、且つ軸方向に移動可能な入力側ギヤ14eが設けられ、更に該入力側ギヤ14eはばね52により上方(回転軸ギヤ14d側)に付勢されている。一方、回転軸ギヤ14dが固定された出力側回転軸14fは、図示しない軸受にて軸方向の移動が規制され、該出力側回転軸14fの下端部(モータ14側の端部)には、前記入力側ギヤ14eと噛合可能な出力側ギヤ14gが固定されている。
【0040】
そして、入力側ギヤ14eと出力側ギヤ14gとは、過負荷が掛かっていない状態では、ばね52の付勢力にて押し付けられて噛合して動力が伝達可能とされ、過負荷が掛かった状態では、ばね52の付勢力に抗して入力側ギヤ14eが(歯の傾斜により)離間して(噛合が解除され)動力の伝達が機械的に分断されるように構成されている。即ち、この遮断機構51は、突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を機械的に動作することで得る過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して動力の伝達を機械的に分断する。
【0041】
このように構成された頭皮ケア装置1(図3参照)では、遮断機構51によって、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達が機械的に分断されることで突起15への駆動力の伝達が遮断される。又、遮断機構51は、過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して伝達途中の動力の伝達を機械的に分断するため、例えば、別途、過負荷検出手段(電流検出センサ21aや温度検出センサ41等)を設けることなく、上記効果を得ることができる。
【0042】
又、例えば、上記遮断機構51(図3及び図4参照)は、図5に示すように、前記出力軸12,13(出力軸ギヤ12a,13a)を軸直交方向(図5中、上下方向)に移動可能に支持するとともに、ばね53,54により回転軸ギヤ14b側及び反転ギヤ20側に付勢された構成の遮断機構55に変更してもよい。即ち、この例(図5参照)では出力軸ギヤ12aと回転軸ギヤ14bとは、過負荷が掛かっていない状態では、ばね53の付勢力にて噛合して動力が伝達され、過負荷が掛かった状態では、ばね53の付勢力に抗して出力軸ギヤ12aが離間して(噛合が解除され)動力の伝達が機械的に分断されるように構成されている。又、この例(図5参照)では出力軸ギヤ13aと反転ギヤ20とは、過負荷が掛かっていない状態では、ばね54の付勢力にて噛合して動力が伝達され、過負荷が掛かった状態では、ばね54の付勢力に抗して出力軸ギヤ13aが離間して(噛合が解除され)動力の伝達が機械的に分断されるように構成されている。
【0043】
このようにしても、遮断機構55は、突起15の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を機械的に動作することで得る過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して動力の伝達を機械的に分断する。このように構成された頭皮ケア装置1(図5参照)では、遮断機構55によって、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達が機械的に分断されることで突起15への駆動力の伝達が遮断され、上記効果を得ることができる。
【0044】
又、遮断機構は、過負荷検出手段を構成せず、別途、過負荷検出手段(電流検出センサ21aや温度検出センサ41等)を設け、その過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達を機械的に分断する遮断機構(例えば、電磁クラッチ等)に変更してもよい。
【0045】
・上記実施の形態では、2つの施術子16,17を備えた頭皮ケア装置1に具体化したが、施術子16,17の数を、例えば、1つや4つ等、他の数に変更して具体化してもよい。
【符号の説明】
【0046】
14…モータ(駆動源)、15…突起、21…制御部(遮断手段及び制御手段)、21a…電流検出センサ(過負荷検出手段)、41…温度検出センサ(過負荷検出手段)、51,55…遮断機構(遮断手段及び過負荷検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起を駆動源の駆動力にて回転駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を検出するための過負荷検出手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記過負荷情報に基づいて前記突起への駆動力の伝達を遮断する遮断手段を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記遮断手段は、過負荷情報に基づいて前記駆動源を停止制御する制御手段であることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記遮断手段は、過負荷情報に基づいて伝達途中の動力の伝達を機械的に分断する遮断機構であることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項4に記載の頭皮ケア装置において、
前記遮断機構は、前記突起の回転駆動に対して過負荷が掛かったか否かの過負荷情報を機械的に動作することで得る前記過負荷検出手段をも構成し、その動作と機械的に連動して動力の伝達を機械的に分断することを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記過負荷検出手段は、前記駆動源に供給する駆動電流を検出する電流検出センサであることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記過負荷検出手段は、過負荷に応じて加熱される加熱源の温度を検出する温度検出センサであることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
互いの距離が変化するように回転駆動される複数の前記突起を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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