説明

頭皮活性方法および頭皮活性組成物

【課題】酒粕の持っている潜在的作用を引出したり、酒粕の各成分の効果的な利用法を見出して、頭皮を活性化させる最良の方法及びそのための組成物の提供。
【解決手段】純米酒を製造する際に生成された純米酒粕を保冷庫の中で5℃〜10℃で制御しながら約六ヶ月間熟成させて、この六ヶ月熟成純米酒粕1kgと市販されている活水器を介して製造された水10kgを食品製造用のミキサーの中で約1時間混練した後に、5℃〜10℃で24時間熟成させた後に市販のボトルの中に充填し頭皮活性組成物を製造する。この頭皮活性組成物を頭皮に使用すれば脱毛予防の効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮や頭髪に使用することで育毛や脱毛予防やふけ防止などの効果が期待される頭皮活性方法および頭皮活性組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年になって、清酒製造業界では、消費者の嗜好の変化による酒粕を利用した漬物生産の減少、特定名称酒と称される本醸造酒、吟醸酒、純米酒等の生産量の増大に伴う酒粕生産量の増大による大量の酒粕の慢性的過剰(年約10万トン程度産出)により、その有効利用法の開発が緊急の課題となっていた。また、酒粕は漬物用や食用や合成清酒香味液原料や焼酎原料や飼料用としても使用されているが、現状では生産される酒粕のかなりの部分が廃棄されているので、もっと用途開発の研究を進めて欲しいという声が多かった。
【0003】
そこで、本願発明の出願人は以前から酒粕の用途開発の研究を進めてきて、その研究成果として、「流動性糊状酒粕商品及び製造方法」(特開2003−235537号公報を参照する)を特許出願した。
特開2003−235537号の開発案件を概略説明すると、栄養豊富な食品としての酒粕の潜在的価値を完全に使い切るようにした、酒粕の新規な健康補助食品や、一般の消費者が料理や飲用や入浴剤や化粧品に利用しやすくするためには酒粕を水やお湯及び料理や飲料に直接加えても溶けやすいという特徴を持つ新規な酒粕商品や、また酒粕を多用途に活用できることで、消費者に充分受入れられ、かつ工業的に簡便な設備での量産が可能である結果低コストでの提供が可能であり、また小規模な業者でも簡単に導入可能である新規な酒粕商品の提供を課題とし、解決手段として、一般的な酒造会社から発生する板状で固形状の清酒酒粕を入手し、次に例えば撹拌装置の中にこの酒粕10kgと20℃の水40リットルを加えた後に軽く攪拌して板状で固形状の清酒酒粕を粉砕して、次に撹拌装置の中で粉砕した酒粕を約12時間浸水させ、次に浸水させてある酒粕を撹拌装置の中で糊状になるまで撹拌(約5分間)した後に、PETボトル詰工程に移動し、上記の流動性糊状酒粕を、1リットル容量のPETボトルに封入することで、多用途に活用できる約50個の流動性糊状酒粕商品を得ることができる。
ところが健康食品や入浴剤や化粧品の商品化は、効果測定に時間やコストまたは商品化のためのマーケテイングコストや量産コストが想定以上に必要であることが開発後に明らかになり、産業化に手間取っているのが現状である。
【0004】
また、例えば、本願発明の出願人は「簡便かつ多用途に活用できる液状酒粕及びその製造法」(特開2002−223742号公報を参照する)を出願した。
特開2002−223742号の開発案件を概略説明すると、栄養豊富な食品としての潜在的価値を有しながらも活用しきれていなかった面を改善することによって酒粕を新規な健康食品として提供し、酒粕を主原料として利用しながら酒粕を簡便にかつ多用途に活用でき消費者に充分受入れられ、かつ工業的に量産が可能で安価で提供可能であり、特殊な設備や新規な設備を必要とせず、複雑な処理工程を必要としないことによって、小規模な業者でも簡単に導入可能であり、解決手段として、一般的に実施されている手段で清酒もろみを得て、この清酒もろみを所定日数発酵させ醗酵清酒もろみを得て、この醗酵清酒もろみを圧搾機に導入し、酒と粕とに分離し、搾りかすを酒粕として取り出す過程において、前記酒粕に約5%酒が残るように即ち液状混合物の状態のまま酒粕を取出し、このどろどろ状態の前記液状混合物をミキサーによって均質化させたのちガラスびん詰工程を経てガラスびん詰にすることによって、ガラスびん詰の簡便かつ多用途に活用できる液状酒粕を得ることができる。
ところが健康食品の商品化は、健康効果を測定するのに時間やコストまたは商品化のためのマーケテイングコストや量産コストが想定以上に必要であることが開発後に明らかになり、産業化に手間取っているのが現状である。
【0005】
そこで、本願発明の出願人は、効果測定が比較的やりやすい育毛剤に着目した。
また、育毛剤のマーケットは近年の社会生活の複雑化によって予想以上にもたらされる精神的、肉体的なストレスなどが頭皮や毛根にダメージを与え、薄毛や抜け毛の原因となっていることが一般的に知られるようにようになってから、年々大きな市場になってきた。
ところが、頭皮や毛根の汚れを除去したり、頭皮や毛根に薄毛や抜け毛を減少させる組成物を付着させたり浸透させたりまたは頭皮や毛根の血行を促進させる組成物を付着させたり浸透させたりしているが、これらの組成物には薬効のある化学物質を配合することが多々行われていて、合成によって製造された化学物質は、使用者によっては頭皮や毛根に合わないこともあり、かぶれや痒みなどの副作用の原因となる新たな問題が発生している。
また、合成によって製造された化学物質以外にも、例えば、トウガラシチンキ、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、ニコチン酸、ニコチン酸メチル等の植物由来の頭皮や毛根の血行促進物質を配合してなる育毛剤や養毛剤などもは知られているが、これらの血行促進物質は、刺激が強くその配合量に制約が生じるものであったり、血行促進作用が短時間に減少するものまたは血行促進作用が弱いものであったりして、育毛、養毛、脱毛防止、ふけ防止等の効果を充分に発現する程に有効なる物質ではなかったと言われている。
【0006】
上述した問題点から、本願発明の出願人は、効果測定が比較的やりやすい育毛剤に着目し酒粕を利用した開発案件の特許先願調査を実施した。
例えば、天然物質たる海洋深層水を有効に使用した酒粕抽出エキスを利用することにより、人体に優しく、殊にスーパーオキシドジスムターゼ様(SOD様)、チロシナーゼインヒビター作用、α−アミラーゼインヒビター作用、有用ミネラル、アミノ酸類、乳酸などを有する育毛剤の提供を目的とし、解決手段として、海洋深層水を使用する酒造時に得られる酒粕抽出エキスを有効成分とする育毛剤の開発案件があった。(特開2004−346045号公報を参照する)
【0007】
また、例えば、人体に優しく、殊にスーパーオキシドジスムターゼ様(SOD様)を有し、しかも酒粕を出発物質とすることにより、皮膚への親和性が良好で、皮膚呼吸を妨げることがなく、さらには、不自然となることなく皮膚へ塗布することができ、かかるSOD様活性作用を有する育毛剤の提供を目的とする開発案件があった。(特開2002−284632号公報を参照する)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、例えば、特開2004−346045号公報の海洋深層水を使用する酒造時に得られる酒粕抽出エキスを有効成分とする育毛剤の開発案件または特開2002−284632号公報のSOD様活性作用を有する育毛剤の開発案件では、必要とする有効成分であるエキスを得るために酒造時に得られる酒粕を抽出するためのプロセスが必要であり、また、このプロセスではエキスを抽出後に抽出カスが生じることになり、この抽出カスをどうするかという新たな問題が生じることになった。例えば、この抽出カスをどう処分するのが、どう再利用するのかという問題である。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するために成されたものであり、酒粕の持っている潜在的作用を引出したり、酒粕に含有されている各成分の効果的な利用法を見出して、頭皮を活性化させる最良の方法及びそのための組成物を生成することで、頭皮の血行を持続的に促進し、育毛、脱毛予防及びふけ防止等の効果に優れ、しかもかぶれや痒みの発生がなく、すなわち頭皮への刺激が少ないことで頭皮に問題を抱えた多くの人に使用することが可能な、頭皮活性方法および頭皮活性組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するための第一の手段は、通常の清酒を製造する際に生成される普通酒粕、吟醸酒を製造する際に生成される吟醸酒粕、大吟醸酒を製造する際に生成される大吟醸酒粕、純米酒を製造する際に生成される純米酒粕、その他の酒類を製造する際に生成されるその他酒粕、の中から少なくとも一種選択した酒粕を主原料にして水溶液に溶解させた酒粕溶液を頭皮に使用したり頭髪に使用したりすることを特徴とする頭皮活性方法を提供することである。
【0011】
本発明の頭皮活性方法は、本願発明の発明者が鋭意研究の結果、所定量の前記酒粕を所定量の水溶液に充分に溶解または充分に分散させた酒粕溶液を頭皮に使用したり頭髪に使用したりすることが頭皮を活性化したり頭髪を活性化したり毛根を活性化したりすることになり、その結果、育毛作用や脱毛予防作用をやふけ防止を可能にする方法であることを見出して本発明に至った。
また、課題を解決するための第一の手段として、本発明者たちは、前記酒粕を主原料にして分散させた酒粕溶液の作用について鋭意研究を重ねた結果、意外にも、作用機序は不明であるが、前記酒粕に含有される単体成分や複合成分や組合せ成分の作用によって、頭皮への活性作用が飛躍的に向上することを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0012】
本発明でいう頭皮の活性化とは、例えば、頭皮細胞内のたんぱく質を増やす働きや、頭皮の近位置に存在する神経の働きを助けたり、頭皮の近位置に存在する血管に好影響を与える作用や、頭皮に対しての保湿作用や、頭皮細胞の免疫力が向上したり、頭皮の近位置に存在する血管中のヒスタミン(ケガや薬などの外因に反応してかゆみや痛みをひきおこすときに関係する物質として知られている)の血中濃度を下げる作用や、頭皮細胞内の神経伝達物質を生成する作用や、頭皮細胞内で酵素の活性部位などを形成する作用や、頭皮細胞内へのエネルギーや栄養の促進作用や、頭皮の近位置に存在する血管の機能を正常に保つための作用や、頭皮の近位置に存在する血管を広げて血液を通り易くする作用や、頭皮細胞の免疫機能に作用して免疫能力を高めたり、頭皮細胞の損傷の回復を促進することや、頭皮細胞内で血液成分であるポルフィリンをつくる作用や、頭皮細胞組織を構成する1種であるコラーゲンを増加させる作用や、頭皮細胞の角質層の潤いを保つのに必要な保湿作用や、頭皮細胞内でリン脂質やグリセリン酸をつくる作用や、頭皮細胞内の新陳代謝が向上する作用、などをいう。
【0013】
本発明でいう頭髪の活性化とは、例えば、頭髪内のたんぱく質を増やす働きや、頭髪に対しての保湿作用や、頭髪内で酵素の活性部位などを形成する作用や、頭髪内へのエネルギーや栄養の促進作用や、頭髪の免疫機能に作用して免疫能力を高めたり、頭髪の損傷の回復を促進することや、頭髪組織を構成する1種であるコラーゲンを増加させる作用や、頭髪の角質層の潤いを保つのに必要な保湿作用や、頭髪内でリン脂質やグリセリン酸をつくる作用や、頭髪の新陳代謝が向上する作用や、頭髪細胞内に多く含まれているアミノ酸であるシステインを増加させる作用、などをいう。
【0014】
本発明でいう毛根の活性化とは、例えば、毛根細胞内のたんぱく質を増やす働きや、毛根の近位置に存在する神経の働きを助けたり、毛根の近位置に存在する血管に好影響を与える作用や、毛根細胞の免疫力が向上したり、毛根の近位置に存在する血管中のヒスタミン(ケガや薬などの外因に反応してかゆみや痛みをひきおこすときに関係する物質として知られている)の血中濃度を下げる作用や、毛根細胞内の神経伝達物質を生成する作用や、毛根細胞内で酵素の活性部位などを形成する作用や、毛根細胞内へのエネルギーや栄養の促進作用や、毛根の近位置に存在する血管の機能を正常に保つための作用や、毛根の近位置に存在する血管を広げて血液を通り易くする作用や、毛根細胞の免疫機能に作用して免疫能力を高めたり、毛根細胞の損傷の回復を促進することや、毛根細胞内で血液成分であるポルフィリンをつくる作用や、毛根細胞組織を構成する1種であるコラーゲンを増加させる作用や、毛根細胞に必要な保湿作用や、毛根細胞内でリン脂質やグリセリン酸をつくる作用や、毛根細胞内の新陳代謝が向上する作用や、毛根細胞内に多く含まれているアミノ酸であるシステインを増加させる作用、等をいう。
【0015】
前記酒粕溶液を頭皮に使用することに関しては、適量の前記酒粕溶液を頭皮に満遍なく付着させるようにするか、頭皮全体に馴染ませるようにし、その後に所定の時間を設けて頭皮をマッサージするものとするが、このときに人手を用いてもよいが、マッサージ手段を用いても構わない。このマッサージ手段に関しては、一般的に知られているマッサージ器具を用いてもよいしマッサージ道具を用いてもよいしマッサージ装置を用いてもよい。なお、このマッサージ手段に関しては、手動や機械式や電磁気的手段などが使用可能である。上記の所定の時間に関しては、1分から10分が好ましい。1分以下では効果が出にくく、10分以上では効果にそれほど差が生じないし、頭皮への過剰な刺激は好ましくないからである。
なお、前記酒粕溶液を頭皮に使用した後に、前記酒粕溶液を洗い流した後に常用の洗髪剤を用いて洗髪手段を実施してもよいし、通常の洗髪手段を実施して洗髪剤を洗い流した後に前記酒粕溶液を頭皮に使用してもよい。
また、前記酒粕溶液を頭髪に使用することに関しては、前記酒粕溶液を頭皮に使用することの内容に準ずるものとする。
また、本発明においては前記酒粕溶液を頭皮と頭髪に同時に使用することも可能であり、その一つの手段に関しては、例えば、所望する容器に所望する温度で所定量の前記酒粕溶液を入れた後に、頭部の少なくとも一部を前記溶液中に所定の時間浸すようにし、このときに軽く頭皮と頭髪のマッサージも好ましく、さらに、前記マッサージ手段の使用も可能である。なお、この作業が終了した後は、速やかに頭皮と頭髪を洗い流すようにする。
上記の所定の時間に関しては、1分から10分が好ましい。1分以下では効果が出にくいし、10分以上では効果にそれほど差が生じないのと、頭皮と頭髪への過剰な刺激は好ましくないからである。
【0016】
前記水溶液に関しては、一般的に入手できる水であれば何を用いてもよく、自然湧出水、雨水、河川水、地下水、水道水などが使用できる。さらに、前記水溶液に関しては、冷水、室温水、温水、などが使用可能である。冷水に関しては一般的には0℃から20℃、室温水に関しては一般的には10℃から30℃、温水に関しては一般的には30℃から40℃、の範囲で使用するのが好ましい。
また、本発明では、前記普通酒粕、前記吟醸酒粕、前記大吟醸酒粕、前記純米酒粕、前記その他酒粕、の中から少なくとも一種選択して使用することを特徴とするが、普通酒粕、吟醸酒粕、大吟醸酒粕、純米酒粕、その他酒粕とを少なくとも一組以上組み合わせて使用することが好ましいことを、発明者たちが見出して本発明に至った。
前記酒粕溶液を製造する手段に関しては、前記酒粕を所定量、前記水溶液に溶解させるが、前記酒粕を水溶液に溶解させる手段または前記酒粕の固形成分を水溶液に分散させる手段に関しては、手動的混練手段や動力的混練手段や電磁気的混練手段や機械的混練手段や低周波振動的混練手段や高周波振動的混練手段や超音波使用混練手段の中から選択して用いればよい。
【0017】
前記酒粕の一般成分に関しては、例えば財団法人日本醸造協会で編集発行された「醸造物の成分」の中の「酒粕の成分」の章(104頁)に紹介されており、例えば、表1に示すとおりである。
【表1】

【0018】
また、前記酒粕中には核酸系物質が確認されており、例えば財団法人日本醸造協会で編集発行された「醸造物の成分」の中の「酒粕の成分」の章(105頁)に紹介されており、例えば、表2に示すとおりである。
【表2】

【0019】
表2に関しては、酒粕中には核酸系物質が9種類含有されていることを示しており、例えば、Adenine、Guanine、Hypoxanethine、Histidine、Arginine、Betaine、Choline、Lysine、Tyrosine、などが頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に効果が期待できる。
また、頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に関しても上述した課題を解決するための第一の手段に記述された内容に準ずるものとする。
【0020】
また、前記酒粕中には各種アミノ酸が確認されており、例えば財団法人日本醸造協会で編集発行された「醸造物の成分」の中の「酒粕の成分」の章(105頁)には、前記酒粕の貯蔵期間における各種アミノ酸の変化が紹介されており、例えば、表3に示すとおりである。
【表3】

【0021】
本願発明の発明者が鋭意研究の結果、本発明の頭皮活性組成物が、頭皮の血行を促進したり頭皮の状態を活性化したりする成分が、表1から表3より揮発性成分、不揮発性成分、可溶性成分、不溶性成分、アルコール、総酸、揮発酸、不揮発酸、各種アミノ酸、核酸系物質、などの少なくとも一種が複合的または相乗効果的に頭皮に作用しているという仮説から、これらの成分が頭皮の新陳代謝に貢献したり毛髪や毛根への栄養補給が促進したりすることから、育毛作用や脱毛予防作用やふけ防止を可能にすることを見出したのである。
【0022】
前記酒粕溶液の濃度に関しては、前記酒粕を所定量、前記水溶液に溶解または分散させるが、前記酒粕溶液中に、前記酒粕が1重量%〜5重量%の場合や、前記酒粕が5重量%〜10重量%の場合や、前記酒粕が10重量%〜15重量%の場合や、前記酒粕が15重量%〜20重量%の場合や、前記酒粕が20重量%〜25重量%の場合や、前記酒粕が25重量%〜30重量%の場合や、前記酒粕が30重量%〜35重量%の場合や、前記酒粕が35重量%〜40重量%の場合や、前記酒粕が40重量%〜45重量%の場合や、前記酒粕が45重量%〜50重量%の場合、などの中から選択して用いることができる。ただし、前記酒粕溶液の中の前記酒粕が1重量%以下では、酒粕成分が少ないことで本発明の効果が期待できず、前記酒粕溶液の中の前記酒粕成分が50重量%以上では、粘度が高くなりすぎて製品として実用的ではない。
【0025】
課題を解決するための第二の手段として、頭皮に使用することで頭皮を活性化したり頭髪に使用することで頭髪を活性化したりすることにより育毛や脱毛予防やふけ防止などの効果が期待される組成物または化粧料の一種が、清酒製造時またはその他の酒類製造時に得られる酒粕を主原料にして水溶液に溶解させた酒粕溶液であることを特徴とする頭皮活性組成物を提供することである。
【0026】
本発明の頭皮活性組成物は、本願発明の発明者が鋭意研究の結果、所定量の前記酒粕を所定量の水溶液に充分に溶解または充分に分散させた酒粕溶液が頭皮に使用したり頭髪に使用したりすることで、頭皮を活性化したり頭髪を活性化したり毛根を活性化したりすることを見出し、前記酒粕溶液が育毛作用や脱毛予防作用をやふけ防止を可能にする組成物または化粧料の一種であることを見出したことで発明に至った。
なお、前記酒粕溶液を頭皮に使用したり頭髪に使用したりすることに関しては上述した課題を解決するための第一の手段に記述された内容に準ずるものとする。
また、頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に関しても上述した課題を解決するための第一の手段に記述された内容に準ずるものとする。
【0027】
また、前記酒粕の一般成分に関しては、「五訂増補、日本食品標準成分表」から引用して、表4とした。
【表4】


【0028】
本願発明の発明者が鋭意研究の結果、本発明の頭皮活性組成物が、頭皮の血行を促進したり頭皮の状態を活性化したりする成分が、表4に示すとおり、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、リンイオン、鉄イオン、亜鉛イオン、銅イオン、マンガンイオン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンであるナイアシン、ビタミンB6、ビタミンである葉酸、ビタミンであるパントテン酸、などが頭皮に作用しているという仮説が可能になり、これらの成分の少なくとも一種が頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に貢献することで、育毛作用や脱毛予防作用やふけ防止を可能にすることを見出したのである。
なお、頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に関しては上述した課題を解決するための第一の手段に記述された内容に準ずるものとする。
【0030】
課題を解決するための第三の手段として、前記酒粕に関して、本発明で効果が期待できる酒粕として生成後の貯蔵期間が1ヶ月以上の酒粕を使用することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段に記載の頭皮活性組成物を提供することである。
【0031】
本発明は、表3より、試料b、試料c、試料aが、試料b<試料c<試料aの順に貯蔵期間が長くなるに応じて、試料b、試料c、試料aの、各種アミノ酸が増加傾向にあることを発明者が見出し、表3の各種アミノ酸の変化量を見やすくしたのが表5である。
【表5】


【0032】
上述した酒粕として生成後の貯蔵期間が1ヶ月以上の酒粕を使用することに関しては、表1から表5に示すとおり、前記酒粕に新鮮酒粕と貯蔵酒粕が存在し、夫々に多少の成分の差が見出され、本願発明の発明者が鋭意研究の結果、新鮮酒粕と貯蔵酒粕との間にある成分の違いが本発明の頭皮活性組成物にも影響を与えることを見出した。すなわち、揮発性成分は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が多く、不揮発性成分は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が少なく、可溶性成分は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が多く、不溶性成分は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が少なく、アルコールは新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が少なく、総酸は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が多く、揮発酸は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が多く、不揮発酸は新鮮酒粕より貯蔵酒粕の方が多いという結果から、後述するように、貯蔵酒粕の方が新鮮酒粕より本発明の効果が比較的高いというデータが得られ、例えば、揮発性成分、可溶性成分、総酸、揮発酸、不揮発酸、などの少なくとも一種が、本発明の効果に貢献しているという仮説が可能となる。
また、表1から表5に示すとおり、頭皮に保湿効果があることが知られている各種アミノ酸が貯蔵期間が1ヶ月以上になるに関連して増加していることで貯蔵期間が1ヶ月以上の酒粕が頭皮活性組成物であることを見出して本発明に至ったわけである。
【0033】
貯蔵酒粕に関しては、表1に示すとおり、新鮮酒粕と6ヶ月貯蔵酒粕、とを比較しているが、本願発明者は貯蔵期間が1ヶ月以上の酒粕であれば6ヶ月貯蔵酒粕との差は比較的ないであろうという仮説に至った。すなわち新鮮酒粕を所定の温度と所定の貯蔵手段で貯蔵することで酒粕を熟成させるということに価値を見出し、また前記酒粕を熟成させるということが酒粕成分の化学的変化を生じさせるということを表1より見出し、貯蔵または熟成期間が1ヶ月以上の酒粕であれば本発明の効果を実現させるには十分であるとしたのである。ただ、本発明の効果をさらに向上させるには、貯蔵または熟成期間が6ヶ月以上の酒粕を用いることが好ましい。
【0035】
課題を解決するための第四の手段として、前記水溶液が、純水、濾過水、電解水、活性水、ミネラル水、の中から少なくとも一種を選択して用いることを特徴とする、課題を解決するための第一の手段または課題を解決するための第二の手段のいずれかに記載の頭皮活性組成物を提供することである。
【0036】
前記純水に関しては、濾過手段(逆浸透膜)を用いたり、蒸留手段を用いたり、遠心沈殿手段を用いたり、イオン交換手段を用いたり、溶媒抽出手段を用いたりして、浮遊物やミネラル分などの不純物や塩素や塩素化合物を取り除いた水であり、蒸留水はその一種で、純度の高いものほど電気伝導度が低く、通常2〜10MΩ・cm程度の抵抗率を示す水のことである。
【0037】
前記濾過水に関しては、炭、炭素、炭素化合物、活性炭、セラミックス、金属酸化物、粘土鉱物、鉱物粉体、などの中から少なくとも一種選択された物質よりなる形成物で濾過されることによって、浮遊物やミネラル分などの不純物や塩素や塩素化合物を取り除いた水のことである。
【0038】
前記電解水に関しては、水を電気分解することによりアルカリ水や強アルカリ水または酸性水や強酸性水といった電解水を生成させる装置から生成された水であり、特にpH2〜pH3前後の酸性水には殺菌効果や除菌効果があるため、強酸性水の名称で滅菌や消毒や殺菌用水として活用されている。また、電解水生成装置は、原理的にはアルカリ水や強アルカリ水または酸性水や強酸性水といった電解水を生成させる装置の電解槽の構造は、イオンを透過可能な隔膜により一対のイオン室に区画された電解槽とこの各イオン室に個々に設けられた一対の電極つまり陽極と陰極とから成り、この陽極と陰極を変えるが電極に供給する直流の極を変えることによって両機能を得ることができる。また、電解水生成装置の中には、原理的には中性の電解水を得ることも可能なタイプも開発されており、本発明では、上述したようなアルカリ水、強アルカリ水、酸性水、強酸性水、中性電解水、などの中から選択して利用することができる。
【0039】
前記活性水に関しては、前記水溶液を構成する水分子は自然界に置いては単独で存在する事は稀であり、一般的には、水分子同士が水素結合によりグループまたは塊のような状態になって存在していることが一般的に知られていて、このような水分子のグループまたは塊を、水分子集合体またはクラスターという表現で用いられている。そして、水の活性の度合いは水分子集合体またはクラスターの大きさに関係することが一般的に知られるようになってきた。ところが、水分子集合体またはクラスターの大きさを変化させるためには、水分子同士の結合手段である水素結合を切断または分離させたりする必要があり、そのための化学的または物理的エネルギーが必要になる。そこで、本発明では、遠赤外線放射物質による遠赤外線放射作用やマイナスイオン発生物質によるマイナスイオン発生作用や触媒物質による触媒作用などの物理的作用や化学的作用や、磁力発生手段による磁力作用や、電磁気発生手段による磁力作用や低周波振動作用や超音波作用や高調波振動作用や、電磁波発生手段による高周波振動作用、などで水分子同士の水素結合を切断させることで、水分子の集合体またはクラスターが小さくなった水を使用することで、本発明は成された。
また、前記活性水に関しては、磁気処理手段により水分子を活性化させた水でも、セラミックスによる遠赤外線処理手段またはマイナスイオン手段により水分子を活性化させた水でも、電気分解手段によりイオン付加手段またはマイナスイオン手段により水分子を活性化させた水でも、使用可能である。
前記触媒作用に関しては、例えば金属酸化物の多くが触媒作用を持つことが公知である。
【0040】
前記ミネラル水に関しては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、カリウムイオン、鉄イオン、亜鉛イオン、銅イオン、などの成分が所定量含有されていれば、地下水や湧水や井戸水や、市販のミネラル水や、上述した水にこのミネラル成分を添加した水でも利用可能である。
【0042】
課題を解決するための第五の手段として、前記頭皮活性組成物には、清涼感付与剤、酸化防止剤、活性水、アミノ酸、遠赤外線放射組成物、マイナスイオン生成組成物、の中から少なくとも一種選択して、0.1重量%〜10重量%含有することを特徴とする、課題を解決するための第一の手段から課題を解決するための第四の手段のいずれかに記載の頭皮活性組成物を提供することである。
【0043】
前記清涼感付与剤に関しては、ハーブ類(例えば、ローズマリー、ローズヒップ、セージ、タイム、オレガノ、バジル、ローレル、マージョラム、ラベンダー、パセリ、ボリジ、レモンバーム、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、カモミール、チコリ、ガーリック、チャービル、ペッパー、ジンジャー、ターメリック、サンショウ、ワサビ、ハス、ベルガモット、アニスヒソップ、ナスタチウム、)やアルコール類(炭化水素の水素原子を水酸基で置換した化合物の中から選択して用いる)が知られており、これらの群から選択して一種以上用いるのが好ましい。
前記アルコール類の中では、例えばエチルアルコールやプロピルアルコールなどは適度な経皮吸収性を有するため、頭皮内における前記清涼感付与剤や前記活性水や前記アミノ酸や遠赤外線放射組成物やマイナスイオン生成組成物の作用を増強させるものであって、皮膚刺激性も低く、持続的な血行促進作用を生ずるものである。この持続的な血行促進作用が、毛母細胞を賦活して優れた脱毛予防効果を発現し、更には、頭皮代謝機能を正常化してふけ防止効果を高めるものと推察される。
【0044】
前記酸化防止剤に関しては、頭皮への刺激の少ない物質を使用するのが好ましく、例えば、食用醸造酢(例えば粉末酢、穀物酢、玄米酢、黒酢、リンゴ酢、ブドウ酢等が挙げられ、この中から選択して用いればよい)、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、酪酸、マレイン酸、フマール酸、フタル酸、乳酸、グルタミール酸などの有機酸などから選択される少なくとも1つの物質を含有することを特徴とするが、前記酸化防止剤の配合量は、本発明の頭皮活性組成物の全重量に対して0.1〜5.0重量%であればよく、好ましくは0.5〜3.0重量%である。配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的とする効果に充分でなく、一方5.0重量%を超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めないものである。また、食用醸造酢には、チフス菌、赤痢菌、大腸菌などに対して強い殺菌力を有すると共に、強い防腐力も有することが公知であるので、本発明の趣旨により所定量使用するのが好ましい。すなわち、前記酒粕はもともとpH5〜6の酸性であり、酸性には酸化防止効果や殺菌効果が知られているがpH5〜6の弱酸性では不十分であり、そこで本発明にはpH2〜4の強酸性を有する酸化防止効果や殺菌効果を利用することにした。
また、本発明では、前記酸化防止剤として、天然の酸化防止剤の使用も可能であり、例えばエラグ酸、γ−オリザノール、β−カロチン、黒茶、米ぬか、セサミノール、大豆ペプチド、タンニン、ビタミンC又はルチン、などの中から少なくとも1種を選択して配合することも可能である。
【0045】
前記活性水に関しては、上述した活性水を頭皮活性用の水として利用することができる。
また、前記活性水に加えて、上述した純水、上述した濾過水、上述した電解水、上述したミネラル水、の中から少なくとも一種を選択して頭皮活性用の水として利用することができる。
【0046】
前記アミノ酸に関しては、例えば、T.N.、リジン(Lysine)、ヒスチジン(Histidine)、Arginine、Aspartic acid、スレオニン(Threonine)、Serine、Glutamic acid、Proline、Glycine、Alanine、システイン(Cystine)、バリン(Valine)、メチオニン(Methionine)、イソロイシン(Isoleucine)、ロイシン(Leucine)、チロシン(Tyrosine)、フェニルアラニン(Phnylalanine)、トリプトファン(Tryptophan)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物の塩を含有することを特徴とするが前記アミノ酸の配合量は、本発明の頭皮活性組成物の全重量に対して0.1〜5.0重量%であればよく、好ましくは0.5〜3.0重量%である。配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的とする効果に充分でなく、一方5.0重量%を超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めないものである。
【0047】
また、表1から表5のいずれかに示された、各種アミノ酸の一般的に知られた人体に対する基本的な作用により、頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に関しての推測が以下のとおり可能である。
なお、頭皮の活性化や頭髪の活性化や毛根の活性化に関しては上述した課題を解決するための第一の手段に記述された内容に準ずるものとする。
「イソロイシン」に関しては、必須アミノ酸の一つで分岐鎖アミノ酸(筋肉の中で代謝される)とも呼ばれ、生体内のたんぱく質を増やす働きや運動時のエネルギー源として重要な役割を果たし、また神経の働きを助けたり、血管や肝臓、筋肉などに作用するものとして知られているが、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「ロイシン」に関しては、必須アミノ酸の一つで分岐鎖アミノ酸(筋肉の中で代謝される)とも呼ばれ、生体内のたんぱく質を増やす働きや、運動時のエネルギー源として重要な役割を果たすが、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測することが可能である。
「リジン」に関しては、代表的な必須アミノ酸であり、生体内のブドウ糖の代謝促進や体組織・カルシウム吸収との関係が報告されており、また免疫力の向上に作用することが知られているので、頭髪や頭皮や毛根の細胞に本発明を作用させることで、頭髪や頭皮や毛根の免疫力の向上に作用することが推測される。
「メチオニン」に関しては、含硫アミノ酸で必須アミノ酸のひとつであり、生体内で必要なさまざまな物質をつくるのに用いられ、ヒスタミン(ケガや薬などの外因に反応してかゆみや痛みをひきおこすときに関係する物質として知られている)の血中濃度を下げる作用が知られているので、頭皮に対しても上述した作用があるものと推測される。
「フェニルアラニン」に関しては、必須アミノ酸や芳香族アミノ酸の一つであり、生体内で多種有用なアミンなどをつくるのに用いられ、例えば神経伝達物質を生成する作用が知られているが、頭皮や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「スレオニン」に関しては、必須アミノ酸のひとつであり、生体内で酵素の活性部位などを形成するのに用いられるので、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「トリプトファン」に関しては、必須アミノ酸や芳香族アミノ酸のひとつであり多種の有用なアミンなどをつくるのに用いられ、生体内でエネルギー源となることが報告されているが、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「バリン」に関しては、必須アミノ酸の一つで分岐鎖アミノ酸(筋肉の中で代謝される)と呼ばれ、生体内でたんぱく質を増やす作用や運動時のエネルギー源として重要な役割を果たし、血液中の窒素バランスを調整したり筋肉や肝臓に作用することが知られているが、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「アルギニン」に関しては、血管などの機能を正常に保つために必要なアミノ酸であり、生体内で血管を広げて血液を通り易くする作用や余分なアンモニアを除去する作用や免疫や体脂肪や筋肉などに作用したりして免疫能力を高める有用なアミノ酸であることが報告されている。また、アルギニンは大人の体内では合成されるので必須アミノ酸ではないが、発育期、成長期には欠かせないアミノ酸の一つであることが知られているが、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「アラニン」に関しては、生体内で速効性のあるエネルギー源として最も利用され易いアミノ酸の一つであり、肝臓のエネルギー源として重要なアミノ酸であり、アルコール代謝を改善する作用や糖を合成する材料として知られているが、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されているので、頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「アスパラギン酸」に関しては、生体内で速効性のあるエネルギー源として最も利用され易いアミノ酸のひとつであり、エネルギー生産の場であるTCA回路(自動車に例えるとエンジンのようなもの)の最も近くに位置するアミノ酸のひとつであることが知られているので、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されている頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「グルタミン酸」に関しては、生体内で速効性のあるエネルギー源として最も利用され易いアミノ酸のひとつであり、免疫力向上の作用や運動時の疲労の回復を促進することが知られているので、頭皮や頭髪や毛根もたんぱく質で形成されている頭皮や頭髪や毛根に対しても上述した作用があるものと推測される。
「グリシン」に関しては、生体内でグルタチオンや血色素成分であるポルフィリンをつくる作用があることが知られているので、頭皮細胞や毛根細胞に対しても上述した作用があるものと推測される。
「ブロリン」に関しては、生体内で速効性のあるエネルギー源として最も利用され易いアミノ酸のひとつであり、皮膚などの組織を構成するコラーゲンの原料となるアミノ酸の一つであり、肌の角質層の潤いを保つのに最も重要な天然保湿成分の一つであることが知られているので、頭皮細胞や頭髪細胞や毛根細胞に対しても上述した作用があるものと推測される。
【0048】
前記遠赤外線放射組成物に関しては、所定量の粘土系物質や所定量の酸化金属の粉体が知られているので、これらを用いればよい。
前記粘土系物質に関しては、例えば、珪藻土、磁器土、カオリナイト、イライト、セライト、タルク、モンモリロナイト(例えば、ベントナイト等)、コージェライト、ムライト、セピオライト、などの中から少なくとも1種を選択して使用すればよい。
前記酸化金属の粉体に関しては、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから少なくとも一種を選択して用いるが、または、成分が、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから一種以上含まれた陶磁器を粉体にしたものも使用できる。
前記酸化金属粉体や前記陶磁器粉体に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては特に制限は設けない。
また、前記酸化金属粉体または/および前記陶磁器粉体の粒度に関しては、平均粒径0.01μmから100μmの粉末を用いるのが好ましいが、さらに好ましい平均粒径は、0.05μmから10μmである。平均粒径0.01μm以下では、粉末化コストが大きすぎ経済的に不利であり、平均粒径100μm以上では、本発明の頭皮活性組成物中において分散性が悪くなり、品質の低下を招く可能性が増大するからである。
また前記遠赤外線放射組成物の配合量は、本発明の頭皮活性組成物の全重量に対して0.1〜5.0重量%であればよく、好ましくは0.5〜3.0重量%である。配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的とする効果に充分でなく、一方5.0重量%を超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めないものである。
【0049】
前記マイナスイオン生成組成物に関しては、トルマリンなどの鉱石類の粉体や所定量の酸化金属の粉体が知られているので、これらを用いればよい。
前記所定量の酸化金属の粉体に関しては、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから少なくとも一種を選択して用いるが、または、成分が、SiO、SiO、AL、Fe、MgO、CaO、TiO、KO、MnO、ZnO、AgO、GeO、GeO、SnO、SnO、Fe、FeO、CuO、などから一種以上含まれた陶磁器または鉱石類の粉砕体を粉体にしたものも使用できる。
前記酸化金属粉体や前記陶磁器粉体や前記鉱石類粉砕体に関しては、夫々単独で用いてもよいし組合わせて用いてもよいが夫々の配合比率に関しては特に制限は設けない。
また、前記酸化金属粉体または/および前記陶磁器粉体の粒度に関しては、平均粒径0.01μmから100μmの粉末を用いるのが好ましいが、さらに好ましい平均粒径は、0.05μmから10μmである。平均粒径0.01μm以下では、粉末化コストが大きすぎ経済的に不利であり、平均粒径100μm以上では、本発明の頭皮活性組成物中において分散性が悪くなり、品質の低下を招く可能性が増大するからである。
また前記マイナスイオン生成組成物の配合量は、本発明の頭皮活性組成物の全重量に対して0.1〜5.0重量%であればよく、好ましくは0.5〜3.0重量%である。配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的とする効果に充分でなく、一方5.0重量%を超えても、その増加分に見合った効果の向上は望めないものである。
【発明の効果】
【0055】
本発明によって、後述する実施形態例から、下記のような効果が期待できる。
【0056】
本発明の頭皮活性方法および頭皮活性組成物は、頭皮への刺激が少なく、頭皮や毛根の血行を持続的に促進したり頭皮や毛根を前記活性化したりすることが可能になり、脱毛やふけが減少する。
【0057】
本発明によって、酒粕に含有されている頭皮の活性化成分の増加作用を効果的に引出した頭皮活性方法および頭皮活性組成物を頭皮に使用することで、頭皮が活性化され、脱毛やふけが減少することから、育毛効果が期待できる。
【0058】
本発明によって、酒粕に含有されている頭皮の活性化成分の増加作用を効果的に引出した頭皮活性方法および頭皮活性組成物を頭皮に使用することで、頭皮の清涼感が増大し、結果的に頭皮および頭髪への刺激を減少させたことになり、その結果脱毛やふけが減少することから、本発明を所定期間使用続けて清涼感を持続させるようにすることで、育毛効果が期待できる。
【0059】
本発明の頭皮活性方法および頭皮活性組成物が一般的に普及することで、あまり効果的な利用がされてこなかった酒粕の有効利用が図れ、酒造業界の活性化に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下に、この発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下にのべる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0066】
純米酒を製造する際に生成された純米酒粕を保冷庫の中で5℃〜10℃で制御しながら約六ヶ月間熟成し、この六ヶ月熟成純米酒粕1kgと市販されている活水器を介して製造された活性水10kgを食品製造用のミキサーの中で約1時間混練した後に、5℃〜10℃で24時間熟成させた後に市販のボトルの中に充填し頭皮活性組成物10本得た。
この頭皮活性組成物を5人の被験者に提供して頭皮に使用してもらった結果、表6と表7の比較検討の結果から脱毛の予防効果が見られた。
【試験例1】
【0068】
前記5人の被験者に関しては、本発明の使用テストの前の、抜け毛のデータを採取し、その結果を表6に示した。表中の上段はデータを採取した日付であり、下段は採取した抜け毛の本数である。
【表6】

【試験例2】
【0069】
試験例1が終了した後に、本発明の頭皮活性組成物を前記5人の被験者に使用してもらい、その結果を表7に示した。表中の上段はデータを採取した日付であり、下段は採取した抜け毛の本数である。
また、試験例2では実施例1の頭皮活性組成物を使用した。
【表7】

【実施例2】
【0072】
純米酒を製造する際に生成された純米酒粕を保冷庫の中で5℃〜10℃で制御しながら約一年間熟成し、この一年熟成純米酒粕1kgと市販されている活水器を介して製造された活性水10kgを食品製造用のミキサーの中で約1時間混練した後に、5℃〜10℃で24時間熟成させた後に市販のボトルの中に充填し頭皮活性組成物10本得た。
この頭皮活性組成物を5人の被験者に提供して頭皮に使用してもらった結果、表6と表7と表8の結果の比較検討から脱毛の予防効果が見られた。
【試験例3】
【0074】
試験例2が終了した30日後に、実施例2の頭皮活性組成物を前記5人の被験者に使用してもらい、その結果を表8に示した。表中の上段はデータを採取した日付であり、下段は採取した抜け毛の本数である。
【表8】

【試験例4】
【0076】
試験例2が終了した後に、下記の方法で、実施例1で得た頭皮活性組成物の官能試験を行った。試験方法として、実施例1の頭皮活性組成物を前記5人の被験者に使用してもらい、試験例2を実施する直前に下記判定方法により、清涼感の官能測定をしてその結果を表9に示した。表中の上段はデータを採取した日付であり、下段は清涼感の判定結果である。
清涼感の強度0:清涼感は全く感じない。
清涼感の強度1:清涼感をやっと感知できる程度。
清涼感の強度2:清涼感を少し感知できる程度。
清涼感の強度3:清涼感を楽に感知できる。
清涼感の強度4:清涼感を強く感じる。
清涼感の強度5:強烈な清涼感。
【表9】

【試験例5】
【0078】
試験例4が終了した30日後に、下記の方法で、実施例2で得た頭皮活性組成物の官能試験を行った。試験方法として、実施例2の頭皮活性組成物を前記5人の被験者に使用してもらい、試験例3を実施する直前に下記判定方法により、清涼感の官能測定をしてその結果を表10に示した。表中の上段はデータを採取した日付であり、下段は清涼感の判定結果である。
清涼感の強度0:清涼感は全く感じない。
清涼感の強度1:清涼感をやっと感知できる程度。
清涼感の強度2:清涼感を少し感知できる程度。
清涼感の強度3:清涼感を楽に感知できる。
清涼感の強度4:清涼感を強く感じる。
清涼感の強度5:強烈な清涼感。
【表10】

【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に係る頭皮活性方法および頭皮活性組成物によれば、本発明の頭皮活性組成物の液温を変化させることで、本発明の効果を増大させることが可能になることが推察される。例えば、前記頭皮活性組成物の液温が、20℃〜25℃の場合と、25℃〜30℃の場合と、30℃〜35℃の場合と、35℃〜40℃の場合と、40℃〜42℃の場合とでは、夫々の温度に応じた作用が期待できる可能性があるものと推察できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常の清酒を製造する際に生成される普通酒粕、吟醸酒を製造する際に生成される吟醸酒粕、大吟醸酒を製造する際に生成される大吟醸酒粕、純米酒を製造する際に生成される純米酒粕、その他の酒類を製造する際に生成されるその他酒粕、の中から少なくとも一種選択した酒粕を主原料にして水溶液に溶解させた酒粕溶液を頭皮に使用したり頭髪に使用したりすることを特徴とする頭皮活性方法。
【請求項2】
頭皮に使用することで頭皮を活性化したり頭髪に使用することで頭髪を活性化したりすることにより育毛や脱毛予防やふけ防止などの効果が期待される組成物または化粧料の一種が、清酒製造時またはその他の酒類製造時に得られる酒粕を主原料にして水溶液に溶解させた酒粕溶液であることを特徴とする頭皮活性組成物。
【請求項3】
前記酒粕に関して、本発明で効果が期待できる酒粕として生成後の貯蔵期間が1ヶ月以上の酒粕を使用することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の頭皮活性組成物。
【請求項4】
前記水溶液が、純水、濾過水、電解水、活性水、ミネラル水、の中から少なくとも一種を選択して用いることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の頭皮活性組成物。
【請求項5】
前記頭皮活性組成物には、清涼感付与剤、酸化防止剤、活性水、アミノ酸、遠赤外線放射組成物、マイナスイオン生成組成物、の中から少なくとも一種選択して、0.1重量%〜10重量%含有することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の頭皮活性組成物。