説明

頭皮用施療装置

【課題】頭皮表面に髪が存在していても、頭皮への通電その他の施療動作を確実に実行でき、頭皮に対し髪の発毛促進や脱毛抑制につながる適切な施療効果を与えられる頭皮用施療装置を提供する。
【解決手段】本体部11の一端部に配設されるヘッド部12の突起17が導電性を有して、補助電極部14との間に使用者の体を介して電流を流す電極の役割も果し、使用者が本体部11を保持してヘッド部12の突起17を使用者の頭皮に髪をかき分けつつ当接させると、突起17による頭皮への物理的刺激の付与と頭皮への通電を同時に実行できることから、突起17の物理的刺激に伴うマッサージ効果に加えて、通電で頭皮における血管の拡張と血行促進状態をもたらして細胞の働きを高められ、表面における髪の有無に関わりなく、頭皮に対し極めて効率よく施療動作を実行して、発毛促進、脱毛抑制等に適切に寄与できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の頭皮に対し髪の発毛促進や脱毛抑制につながる所定の施療効果を与える頭皮用施療装置に関する。なお、本発明で施療効果を与える対象の一部としての「肌」の語は、体表面のみでなく皮下脂肪等の皮下組織を含む体表層の「皮膚」と同義のものとして扱っている。
【背景技術】
【0002】
使用者の頭皮に所定の刺激を与え、発毛促進、脱毛抑制といった育毛効果を得る育毛用装置は、従来から様々ものが利用されている。このうち、使用者の頭皮に対し、所定波長の光を照射して頭皮を刺激し、細胞の活性化を図って育毛効果を得るタイプの育毛用装置は、近年、小型化を図りつつ、髪の存在に対応して頭皮へのレーザ光等の光の到達性を改良したものが提案されている。こうした従来の光を照射する育毛用装置の例として、特表2007−537819号公報や登録実用新案第3133700号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−537819号公報
【特許文献2】登録実用新案第3133700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の育毛用装置は前記各特許文献に示される構成となっているが、こうした従来の育毛用装置のような光を照射する装置は、頭皮に対するものに限られず、美容機器として使用者の顔等の肌(皮膚)に対して用いられるものも従来から存在している。ここで、使用者の肌に対して美容・美肌に係る動作を実行する美容機器に着目してみると、美容・美肌に係る各種動作としては、光を照射するものの他、肌を冷したり加熱したりするもの、肌に対し吸引を行うもの、肌にスチームやミストを当てるもの、肌に微弱電流を流してイオン導入(イオントフォレーシス)やクレンジングを行うものなどがある。
【0005】
光を照射するものが育毛用装置と美容機器の両方に使用されている点から、美容機器における各種手法を、皮膚の一種である頭皮に対応した育毛用装置に応用することは容易に考えられるが、頭皮においてはその表面に髪が密に存在していることにより、美容機器の肌に対する動作をそのまま頭皮に対して適用することは難しかった。
【0006】
特に、イオン導入やクレンジングをはじめとして、対象部位に通電する手法は、頭皮においても大きな効果を期待できるものの、肌に対するような面状の電極を用いようとすると、髪が通電の障害となるために、頭皮への効率的な通電の実現は困難であるという課題を有していた。
【0007】
さらに、美容機器の場合と同様、育毛用装置においても、複数の機能、例えば光照射と通電、を有し、それらを同時に動作させて相乗的な効果を得ることが考えられるものの、頭皮表面における髪の存在により、頭皮にそれぞれの刺激を両立させて付与することは難しいという課題を有していた。
【0008】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、頭皮表面に髪が存在していても、頭皮への通電その他の施療動作を確実に実行でき、頭皮に対し髪の発毛促進や脱毛抑制に
つながる適切な施療効果を与えられる頭皮用施療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る頭皮用施療装置は、使用者の頭皮に対し所定の施療動作を実行する頭皮用施療装置において、使用者により保持される本体部と、当該本体部の一部に配設され、導電性を有する材料で形成される突起を多数略ブラシ状に突設されてなるヘッド部と、前記本体部の使用者による把持部分に配設される補助電極部と、前記本体部内に配設され、前記ヘッド部の突起と補助電極部間での使用者を介した通電状態を制御する制御部とを備えるものである。
【0010】
このように本発明によれば、本体部の一部に配設されるヘッド部の突起が導電性を有して、補助電極部との間に使用者の体を介して電流を流す電極の役割も果し、使用者が本体部を保持してヘッド部の突起を使用者の頭皮に髪をかき分けつつ当接させると、突起による頭皮への物理的刺激の付与と頭皮への通電を同時に実行できることにより、突起の物理的刺激に伴うマッサージ効果に加えて、通電で頭皮における血管の拡張と血行促進状態をもたらして細胞の働きを高められ、さらにイオン性の有効成分を含む化粧料を頭皮に付けた場合には突起から頭皮への電流に基づくイオン導入も実現でき、表面における髪の有無に関わりなく、頭皮に対し極めて効率よく施療動作を実行して、発毛促進、脱毛抑制等に適切に寄与できる。
【0011】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記ヘッド部が、導電性材料製の滑らかに連続する平面及び/又は曲面で形成されて前記本体部に固定配設される肌用電極部と、突起を多数形成されて前記肌用電極部表面側に肌用電極部と電気的接続状態で着脱可能に取付けられる導電性材料製のカバー部とを組合わせてなるものである。
【0012】
このように本発明によれば、ヘッド部が肌用電極部とこれを覆う突起付きのカバー部との組合せ構造とされ、頭皮に対してはカバー部を取付けたまま突起を頭皮に当接させて、突起による頭皮への物理的刺激の付与と頭皮への通電に使用できる一方、着脱可能なカバー部を取外して肌用電極部を露出状態とすると、頭皮以外の顔等の肌に対して肌用電極部を接触させて肌への通電状態を得る使用もできることにより、頭皮への通電と頭皮以外の肌への通電を一台の装置で実現でき、髪で覆われた頭皮に対し突起を接触させて適切に通電させられる状態を確保しつつ、頭皮以外の広く露出した肌に対しては肌用電極部で接触面積を増やして効率よく通電状態を得られることとなり、通電による頭皮や肌への施療を手軽に無理なく実行できる。
【0013】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記ヘッド部に配設されて使用者の頭皮に光を照射する照射部を備え、前記制御部が、前記照射部からの光の照射状態を調整制御するものである。
【0014】
このように本発明によれば、ヘッド部に光の照射部が配設され、ヘッド部の突起による頭皮のマッサージや頭皮への通電の際に、同時に頭皮に対し光を照射して光による刺激を与えられることにより、光のエネルギーで頭皮を活性化し血行を促す等のさらなる相乗効果を得ることができ、マッサージや通電による発毛促進、脱毛抑制等につながる施療効果をよりいっそう強化できる。
【0015】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記照射部が、前記ヘッド部の略中央に配設され、前記ヘッド部の突起が、前記照射部の周囲に配設されると共に、各突起の突出高さを突起突出方向における照射部の高さより所定寸法高くされてなるものである。
【0016】
このように本発明によれば、ヘッド部の略中央に照射部を位置させると共に、ヘッド部の突起をこの照射部の周囲に配設し、さらに各突起の突出高さを中央の照射部の高さより高くして、突起を照射部よりも頭皮に近づく状態とすることにより、丸みを帯びた頭部の頭皮に対しヘッド部の各突起が内側の照射部の影響を受けることなく確実に接触でき、突起による頭皮へのマッサージ及び通電を適切且つ効率よく実行できる。また、照射部より高いヘッド部の各突起が照射部の頭皮への接触を阻止することとなり、照射部と頭皮の接触で頭皮の被照射部分が虚血状態となるのを防止して、光照射による頭皮への施療効果を適切に発揮させられる。
【0017】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記照射部が、前記ヘッド部の中央に一領域として集中させて配設され、前記ヘッド部の突起が、ヘッド部中央の照射部より外側に配設されるものである。
【0018】
このように本発明によれば、ヘッド部の中央に照射部をまとめて配置すると共に、ヘッド部の突起をこの中央の照射部の外側に配設し、ヘッド部における照射部のある領域と突起のある領域を完全に分けることにより、照射部から頭皮への光照射に際して、頭皮の被照射部分に影を落すように点在する突起が存在せず、頭皮に対し効率よく光照射を実行できると共に、ヘッド部における照射部の領域と突起のある領域の各形状を大幅に簡略化でき、照射部と突起の製造をより容易に行える。
【0019】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記照射部が、複数の領域に分割されて当該各領域を前記ヘッド部に分散させて配設され、前記ヘッド部の突起が、前記照射部の各領域に隣接させて配設されると共に、各突起の突出高さを突起突出方向における照射部の高さより所定寸法高くされてなるものである。
【0020】
このように本発明によれば、ヘッド部の各部に照射部を複数分散させて配置すると共に、ヘッド部の突起を照射部の複数の領域にそれぞれ隣接させて配設して、ヘッド部で突起と照射部が混在する状態とし、さらに各突起の突出高さを照射部の高さより高くして、突起を照射部よりも頭皮に近づく状態とすることにより、頭皮に対しヘッド部の各突起が照射部の頭皮への接触を抑えつつ確実に接触でき、突起による頭皮へのマッサージ及び通電を適切且つ効率よく実行できる。また、照射部を分散配置して各照射部領域を小さくすることで、照射部を挟む突起間の間隔も小さくなり、これら突起の頭皮への接触頻度を増やして、突起による頭皮への照射部の接触抑止能力を高くすることができるため、照射部を集中配置する場合より頭皮に近付けても突起の働きで照射部と頭皮の接触を適切に抑えられることとなり、照射部と頭皮の接触で頭皮の被照射部分が虚血状態となるのを防止しながら、頭皮により近い位置から光照射を行って頭皮への光の到達を促し、活性化の効果をさらに高められる。
【0021】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、前記照射部が、表面側に前記ヘッド部の突起の突出方向と同じ向きへ略ブラシ状に突出させて配設される透光性材料製の複数の透光突起を有してなり、前記照射部からの光を、少なくとも前記透光突起を通じて使用者の頭皮に照射するものである。
【0022】
このように本発明によれば、ヘッド部における照射部の表面側が光を通す透光突起を突出させた状態とされ、ヘッド部の突起を頭皮に当接させる場合に、透光突起も髪をかき分けて先端を頭皮に直接対向させる状態が得られることにより、照射部を頭皮に接触させない状態を保持しながら、照射部の光を髪で阻まれることなく透光突起を通じて頭皮に照射でき、光を確実に頭皮に到達させて光の頭皮に与える効果を適切に発揮させられる。
【0023】
また、本発明に係る頭皮用施療装置は必要に応じて、略シート状の各部に前記ヘッド部
の各突起を挿入させた状態で、ヘッド部の各突起表面及び/又は各突起間に着脱可能に配設され、頭皮用化粧料を含浸可能な多孔質被覆体を備えるものである。
【0024】
このように本発明によれば、頭皮用化粧料を含浸可能な多孔質被覆体をヘッド部の各突起表面及び/又は各突起間に配設し、この多孔質被覆体に頭皮用化粧料を含ませた状態で突起を頭皮に当接させ、突起と共に多孔質被覆体も頭皮に接触させた上で頭皮に電流を流すと、電流の向きに応じて、多孔質被覆体に含ませた頭皮用化粧料中に含まれるイオン性の有効成分を、電流に基づくイオン移動によって頭皮内部に導入するイオン導入、又は、頭皮における帯電した汚れ成分を電極である突起側へ引寄せて移動させ、汚れ成分を多孔質被覆体に取込んで頭皮から除去するクレンジング、をそれぞれ行えることにより、突起でのマッサージの他に突起による頭皮への通電で新たな機能を実現でき、通常の方法では導入しにくい有効成分を頭皮へ確実に導入して育毛効果を高めたり、通常の方法では除去しにくい頭皮の汚れを確実に除去して、汚れによる頭皮への悪影響を排除したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置の正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置の右側面図である。
【図3】図2のA−A断面拡大図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置のブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置のヘッド部における照射部配設位置説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置の照射部における各色LEDの配置状態説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置の頭皮からの離隔状態説明図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置における通電動作状態の説明図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置における光照射動作状態の説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る頭皮用施療装置の正面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る頭皮用施療装置の正面図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る頭皮用施療装置の右側面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る頭皮用施療装置における肌用電極部露出状態説明図及びカバー部取外し状態説明図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置の正面図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置の右側面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置の頭皮からの離隔状態説明図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置におけるクレンジング動作状態の説明図である。
【図18】本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置におけるイオン導入動作状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る頭皮用施療装置を前記図1ないし図9に基づいて説明する。
【0027】
前記各図において本実施形態に係る頭皮用施療装置1は、使用者により保持される本体部11と、本体部11の先端に配設されて多数の突起17を略ブラシ状に突設されてなるヘッド部12と、このヘッド部12中央に配設されて光を照射する照射部13と、本体部11の使用者による把持部分に配設される補助電極部14と、ヘッド部12の突起17と補助電極部14間での通電や照射部13における光の照射を制御する制御部15とを備える構成である。
【0028】
前記本体部11は、前記ヘッド部12が一端に配設される一方、他端側には使用者が使用時に手で握って保持する把持部11aを形成されてなり、把持部11aの長手方向とヘッド部12の正面方向とが所定角度分傾いた形状として形成され、内部には前記制御部15等の電気回路や電源としての電池(図示を省略)を配設される構成である。
【0029】
また、ヘッド部12の正面側に近い把持部11a正面側には、使用者の入力操作を受けて施療動作のON、OFFや動作の種類、強弱等を切換える操作部11bが配設され、また把持部11a側面には導電性部材からなり制御部15と接続された補助電極部14が配設される。
【0030】
前記ヘッド部12は、本体部11の一部に配設されて頭皮50に対し通電をはじめとする施療動作を実行するものであり、本体部11に取付けられる略円筒状のベース12aを有すると共に、このベース12aの開口中央領域に照射部13を配設され、さらに照射部13の周囲に導電性を有する材料で形成される突起17を多数略ブラシ状に突設されてなる構成である。
【0031】
ヘッド部12の突起17は、導電性を有する可撓性材、例えばNBR系などの導電性ゴムからなり、多数突出状態でヘッド部12中央の照射部13を二重に取囲む環状配置とされて全体で略ブラシ状をなし、頭皮50に直接接触可能とされるものである。各突起17は、頭皮に対するクッション性に関わる軟らかさと、髪の絡みにくさに関わる硬さとのバランスが最適となるよう材質を調整されて形成される。
【0032】
この突起17は、突起根元部分(基部)で複数一体に連結して一まとまりのブラシ体18となった状態で、ベース12a端部に取付けられて照射部13の外側にこれを取囲むように配置され、この突起根元部分の連結したブラシ体18の導電性を有する裏面がベース12a内側で接続用ピン12bと当接してベース12a内の基板13dに導通し、この基板13dを介して本体部11内の制御部15と電気的に接続される構成であり、頭皮50と接触している状態で、制御部15により把持部11aにある補助電極部14との間で使用者の体を介して通電可能とされる。
【0033】
この通電については、制御部15により突起17と補助電極部14間に電圧が加えられて通電が起こり得る状態とされた上で、突起17が頭皮50に接触し、また補助電極部14が把持部11aを持つ掌や手の指等と接触すると、突起17と補助電極部14とが使用者の体を介して通電状態となる仕組みである。この場合、人体が導体をなすこととなる。ただし、突起17と補助電極部14は十分離れており、補助電極部14に触れた手等が突起17に誤って接して、通電が生じるようなことはない。
【0034】
この突起17の接する頭皮50への通電に伴って、あらかじめ頭皮表面に付けた化粧水等の液剤中に含まれるイオン性の有効成分を、制御部15からの電流に基づくイオン移動によって頭皮内部に導入するイオン導入(イオントフォレーシス)も実行できる仕組みである。このイオン導入の手法自体は公知のものであり、詳細な説明を省略する。
【0035】
また、突起17は、遮光性を有しており、この突起17が外側で二重に取囲んでいる照射部13からの光を突起17より外側の側方には到達しにくくして、周囲の他者の目に光が入らないようにしたり、照射部13が紫外域の光を照射する場合等に、安全のため光をなるべく頭皮以外に向わせないようにする仕組みである。加えて、このように突起17が照射部13の外側のみに配設され、照射部13がヘッド部12中央に集中的に配設されることで、照射部13から頭皮50への光照射に際し、頭皮50の被照射部分に影を落すように点在する突起が存在せず、頭皮に対し効率よく光照射を実行できると共に、ヘッド部12における照射部13と、突起17のまとまったブラシ体18とをそれぞれ簡略な形状にでき、製造を容易化できる。なお、この突起17は、全体を導電性を有する可撓性材で形成するほか、ゴム等の弾性不導体表面に金属等の導体の薄膜等を配置して形成した構造とすることもできる。
【0036】
こうした突起17を含むヘッド部12全体は適度な大きさに形成されており、突起17を当接させる頭皮50に対し、髪をかき分けつつ適切に各突起17を頭皮に当接させることができ、偏りなくマッサージや通電等を行うことができる。
【0037】
前記照射部13は、ヘッド部12の正面中央部から頭皮50に光を照射して光による刺激を与えられるようにするものであり、詳細には、ヘッド部12の内部に配設され、通電により発光する光源としての複数のLED13a、13bと、各LED13a、13bのヘッド部12表面寄りに配設される複数の透光突起13cと、LED13a、13bのヘッド部12と離れた表面側に配設される基板13dと、LED13a、13bと基板13dとの間に介在させて配設され、LED13a、13bを支持するホルダ部13eと、ホルダ部13e上に配設されて外部から内部の基板13d側に向けて水分等が進入するのを防ぐ略環状のパッキン13fと、各LED13a、13bの表面をまとめて被覆して保護する透光性のあるLEDカバー13gとを備える構成である。
【0038】
前記LED13a、13bは、頭皮に適した所定波長の光を照射するものであり、赤色のLED13aと青色のLED13bがそれぞれ複数個、混在する所定配置で並べて配設される(図6参照)。こうして赤色のLED13aと青色のLED13bが混在して適切に分散して配置されることで、施療対象の頭皮に赤色光と青色光の両方がまんべんなく照射されることとなり、各色の光の頭皮に与える効果を照射部13の照射範囲全体にわたり適切に発揮させられる。これらLED13a、13bの各リード(端子)部分は基板13dにハンダ付け等で電気的に接続される。LED13a、13bそのものは、公知の発光素子であり、詳細な説明を省略する。なお、LED13a、13bは、赤色と青色の組合せに限られるものではなく、可視光域から紫外域にかけての範囲内における頭皮に適した所定波長の光を照射するものを、照射する光の波長の異なる複数組、又は同じ波長の光を照射する複数個、用いるようにすることもできる。また、LED13a、13bはリード
タイプに限らず、基板に表面実装されるチップタイプを用いてもかまわない。
【0039】
なお、チップタイプのLEDを用いる場合、各LEDの表面側に位置するLEDカバーは、リードタイプの場合のようなLED形状に沿った凹凸を備える必要はなく、平面状とすることもでき、またこの場合、透光突起のLEDと対向する裏面側も凹入形成する必要はないが、本実施形態のように、LEDカバー13gの表面側を突起状に形成すると共に、透光突起13cにもこれと対応した凹部を形成するようにすれば、外力に対するLEDの保護に加え、後述するように材質的に撓みやすい透光突起をLEDカバーの突起で支持できる効果もあるので、LEDカバーに突起を設け、透光突起の対向する側を凹入させる構成は、LEDの形状に関わらず好ましい。つまり、本実施形態におけるLEDカバー13gの断面逆U字状の構成は、外力や水分等からのLEDの保護と、透光突起13cの支持との二つの作用を有する。
【0040】
前記透光突起13cは、透光性を有する可撓性材、例えば、略透明のシリコンゴム、で形成され、各LED13a、13bごとにそのヘッド部12表面寄り位置に突出状態で配置され、突起根元部分(基部)で複数一体に連結して全体で一まとまりの略ブラシ状をなし、LED13a、13bで生じた光をヘッド部12の正面方向に透過させるものである。こうしてLED13a、13bの光を頭皮側へ導く部分が透光突起13cとして突設されることで、光を通す突起が髪をかき分けて先端を頭皮に直接対向させる状態が得られ、LED13a、13bからの光を髪で阻まれることなく頭皮に近い突起先端位置から照射でき、光を確実に頭皮に到達させられる。また透光突起13cは略ブラシ状に配設されていることで、外側の突起17と共に髪を梳く効果を与えられることとなる。この透光突起13cも、頭皮に対するクッション性に関わる軟らかさと、髪の絡みにくさに関わる硬さとのバランスが最適となるよう材質を調整されて形成される。
【0041】
そして、透光突起13cは、複数一体に連結して略ブラシ状となった状態で、外側の突起17が一まとまりとなったブラシ体18の中央開口部分に、突起突出方向を同じ向きとして嵌め込まれた形となっている。この透光突起13cは、外側の突起17より突出高さを低くして形成されており(図5参照)、具体的には突起17より3mm程度低くされる。ヘッド部12中央に位置する透光突起13cの突出高さより、外側の通電用電極をなす突起17の突出高さを高くしていることで、透光突起13cが突起17の頭皮への接触を妨げるように作用することはなく、突起17は丸みを帯びた頭部の頭皮に確実に当接して頭皮を通電状態にできると共に、突起17の頭皮当接状態で突起17より後退した位置にある透光突起13cは、頭皮と接触しにくいだけでなく髪とも絡みにくくなっており、ヘッド部12を頭皮に対し動かす際に抵抗とならない。また、透光突起13cは、外側の突起17より太く、且つ先端の曲率を小さく緩やかにして形成されており、仮に透光突起13cが頭皮50に接触したとしても、接触圧が集中せず分散することで頭皮への接触力は抑えられることとなり、頭皮の接触部分が虚血状態に陥るのを抑制できる。
【0042】
なお、透光突起13cは、LED13a、13bからの光を確実に頭皮50側へ透過させられる透光性に優れる素材製であれば、シリコンゴムのような電気絶縁性材に限られず、外側の突起17のように導電性材で形成することもでき、その場合外側の突起をまとめたブラシ体も含めて透光性導電性材で一体成形できる。また、透光突起13cは全てを透光性材で形成する必要はなく、例えば突起側面部分を、光を透過させず反射させる材質で取巻くように構成し、LED13a、13bから透光突起に入射した光を拡散させずにできるだけ先端からヘッド部正面方向へ向わせるようにしてもよい。
【0043】
前記基板13dは、絶縁材製薄板上にLED13a、13b用の配線を形成され、各LED13a、13bにおけるリードと電気的に接続されて、LED13a、13bを発光可能とする構成である。この基板13dにはLED13a、13b用の配線とは独立して
、前記接続用ピン12bに接続する接点部及び配線も配設される。基板13dの各配線は本体部11内の制御部15と導線(図示を省略)を通じて接続され、LED13a、13bの発光と各突起17への通電は独立して制御される。
【0044】
この基板13dに対し、外部からの水分の到達を防ぐパッキン13fが、突起17の根元部分の連結したブラシ体18とホルダ部13eとの間に設けられる。このパッキン13fを貫通して、突起17と基板13dを電気的接続状態とする接続用ピン12bが配設されている。なお、このパッキンを導電性を有する材質製とすると共に、接続用ピン12bの代りに、前記ブラシ体18の裏面、及び基板13d上の突起通電用接点部にそれぞれ接触可能な形状として、突起17と基板13dをパッキンで電気的接続状態とする構成とすることもでき、この場合、基板13dの確実な防水状態が実現することとなる。
【0045】
前記制御部15は、本体部11内に配設され、使用者の操作部11bへの入力操作を受けて、ヘッド部12の突起17と補助電極部14間での使用者を介した通電状態や、照射部13の光照射状態を、それぞれ制御するものである。
【0046】
制御部15は複数の動作モードを設定しており、本実施形態においては、頭皮への通電を実行する通電モード、頭皮に光の刺激を与えてマッサージ効果の増進を図る光照射モード、並びに、通電と光照射の同時実行で頭皮の活性化を図る通電及び光照射モード、の三つがある。通電モードと、通電及び光照射モードでは、ヘッド部12の突起17と補助電極部14間を通電状態とする。また光照射モードと、通電及び光照射モードでは、照射部13による光照射を実行する。
【0047】
こうした制御部15での動作モードの切替えは、操作部11bのモード切替スイッチ11dに対する使用者の入力操作に基づいて行われる。電源投入直後、使用者が最初にモード切替スイッチ11dを操作すると、制御部15は通電モード、光照射モード、通電及び光照射モードのいずれかを実行可能な状態となる。
【0048】
なお、制御部15は、動作モードに対応してヘッド部12の突起17と補助電極部14間を通電状態とする場合、この通電により使用者の頭皮を流れる電流の強さの調整を、操作部11bに別途設けた強弱切替用のスイッチ等への使用者の入力操作に基づいて行うようにすることもできる。また、制御部15は、この通電により使用者の頭皮を流れる電流の強さの調整だけでなく、照射部13からの光の照射される強度や、連続発光やパルス状発光など光の照射パターン、照射光の波長の切替え等についても調整可能としてかまわない。特に、使用者のスイッチ入力操作に基づいて制御部15が調整を行う場合、使用者によって異なる光への感受性に対応して照射部13を適切な照射状態にでき、快適な使用感が得られることとなる。
【0049】
また、制御部15は、突起17が頭皮と接触した時に、突起17と補助電極部14との間の抵抗値が減少して所定の値に達することを利用して、前記所定値を閾値としてあらかじめ設定し、これ以下の抵抗値では突起17が頭皮に接触した状態と認識する一方、突起17と補助電極部14との間の抵抗値が前記閾値より大きくなったり、通電が遮断された場合には、突起17が頭皮に接触していない状態であると認識して、こうした接触、非接触の各状態で照射部13による光照射のON、OFFや、光の照射強度等を切替調整することもでき、突起17が頭皮に接触した場合と頭皮から離れた場合にそれぞれ対応する光照射の開始、中断を、使用者の操作を経ずに実行できる。
【0050】
さらに、制御部15は、こうした突起17と頭皮50との接触、非接触の検知とこれに対応した照射部の制御だけでなく、突起17が頭皮50と接触した状況での導電状態変化、例えば、マッサージや光照射による刺激付与といった各種使用状態における、突起17
を頭皮50に押し当てたまま突起17を動かしたり、突起17を頭皮50に押し当てる力を強めたり弱めたり等する動作に対応する、突起17と補助電極部14との間の抵抗や静電容量等の変化を取得して、前記使用状態とあらかじめ関連付けておき、実際の使用の際に、頭皮50と接触した突起17における導電状態を検出して使用状態を推測し、使用状態に応じた光照射状態となるように、照射部13からの光の照射される強度や、連続発光やパルス状発光など光の照射パターン、波形、照射光の波長の切替え等について調整制御したり、光照射を行うべき使用状態か否かにより光照射のON−OFF制御を行うものであってもよい。この場合、光照射に関して、施療中に使用者が細かい操作を行う手間が省け、取扱いを容易にしつつ頭皮に対し光照射による刺激を適切に付与できる。
【0051】
次に、本実施形態に係る頭皮用施療装置の各施療動作状態について説明する。前提として、頭皮用施療装置1が使用者による操作部11bの電源スイッチ11c操作により起動し、使用者が把持部11aを持ってヘッド部12の突起17を使用したい頭皮所定部位に向けられる状態にあるものとする。使用者により動作モードが選択入力されれば、制御部15が各動作モードの実行を開始可能な状態とする。
【0052】
頭皮への通電を伴うマッサージを行う場合には、使用者が操作部11bのモード切替スイッチ11dを操作して通電モードを選択する。選択後、制御部15はヘッド部12の突起17と補助電極部11c間に電流、例えば、短い周期でパルス状の微弱電流、を流す通電状態の開始を可能とする。ただし、ヘッド部12の突起17を頭皮50から離している状態(図7参照)では、突起17と補助電極部11c間が閉じた回路となっていないため、通電はない。
【0053】
なお、マッサージと同時にイオン導入を行う場合には、使用者はあらかじめ電解質成分を含んだ化粧水等の頭部用化粧料を頭皮に付けてなじませた後、ヘッド部12の突起17を頭皮に当接させることとなる。
【0054】
ヘッド部12の突起17を頭皮50に密着させると、頭皮が突起17からの物理的刺激を受ける状態となり、使用者は突起17を頭皮50に押し当てたまま本体部11を動かして、突起17で頭皮50をマッサージするようにし、頭皮の所望の範囲全体にわたりマッサージしながら頭皮に刺激を与える。同時に、突起17と頭皮50との接触で使用者の体を介した通電状態となり、頭皮50には通電状態に伴う電気的な刺激も作用して、頭皮に施療効果を与えることができる(図8参照)。
【0055】
そして、イオン導入のために化粧水を付けていた場合、突起17と頭皮50との接触で体を介した通電状態となり、突起17から頭皮へ流れる電流で頭皮表面の化粧水に含まれるイオン性の有効成分(プロビタミンCなど)が頭皮側へ移行し、頭皮内に有効成分が速やかに浸透する。こうした有効成分が頭皮50に浸透することによっても、頭皮に施療効果を与えられる。
【0056】
ヘッド部12の各突起17を頭皮50に当接させたまま頭皮上で少しずつ移動させると、通電状態のままマッサージやイオン導入の対象位置を変えられるが、マッサージ等を中断したり対象位置を大きく変えるために、突起17を頭皮50から離すと、直ちに通電は中断する。マッサージ等を完全に終える場合は、使用者が操作部11bで機能を他に切替えるか電源をOFF状態とすればよい。
【0057】
頭皮への光照射を伴うマッサージを行う場合には、使用者は操作部11bのモード切替スイッチ11dを操作して光照射モードを選択する。選択後、制御部15は照射部13による光照射を開始する。なお、この光照射モードの場合は、ヘッド部12と補助電極部14間の通電は行われない。必要に応じて、あらかじめ頭皮にマッサージ用の化粧料を付け
てなじませた状態とする。
【0058】
照射部13からの光照射を伴いつつヘッド部12を頭皮50に近付け、突起17を頭皮に密着させると、照射部13の表面側で突出状態とされる透光突起13cが、髪をかき分けて先端を頭皮に直接対向させる状態となることで、透光突起13cを透過する照射部13からの光が髪で阻まれることなく頭皮に達し、頭皮が光の照射を受ける状態となる(図9参照)。また、使用者は突起17を頭皮50に押し当てたまま本体部11を動かしてヘッド部12の突起17で頭皮50をマッサージするようにし、頭皮の対象箇所全体にわたりマッサージしながら頭皮に刺激を与える。照射部13により頭皮50に光が照射されていることで、マッサージと同時に光が刺激として作用して、頭皮をより一層活性化し血行を促す等の効果が得られる。
【0059】
この時、照射部13の透光突起13cより高い各突起17は、透光突起13cを含む照射部13の頭皮50への接触を阻止することとなり、照射部13と頭皮50の接触で頭皮50の被照射部分が虚血状態となるのを防止して、この光照射による頭皮への施療効果を適切に発揮させられる。
【0060】
マッサージを終了する場合は、ヘッド部12を頭皮50から離し、使用者は操作部11bを操作して光照射を停止させるか電源をOFF状態として、マッサージを完全に終える。
【0061】
頭皮へのマッサージと共に通電及び光照射を合わせて行う場合には、使用者は操作部11bのモード切替スイッチ11dを操作して通電及び光照射モードを選択する。選択後、制御部15はヘッド部12の突起17と補助電極部14間に電流、例えば短周期の繰返しパルス状の微弱電流、を流す通電状態の開始を可能とし、また照射部13における光の照射も開始される。ただし、突起17を頭皮50から離している状態では、突起17と補助電極部14間が体を介して閉じた回路となっていないため、通電はない。必要に応じて、あらかじめ頭皮にマッサージ用の化粧料を付けてなじませた状態としておく。
【0062】
使用者はヘッド部12の突起17を頭皮50に密着させると、突起17と補助電極部14間において体を介した通電状態となり、頭皮50に通電による刺激が加わる。また、頭皮50は照射部13からの適度な照射強度の光を受け、光による施療効果も生じることとなる。
【0063】
突起17を頭皮50に当接させたまま頭皮上で少しずつ移動させると、通電状態のまま通電及び光照射の対象位置を変えられるが、通電を中断したり通電及び照射位置を変えるために、突起17を頭皮50から離すと、直ちに通電は中断する。通電及び光照射を完全に終える場合、使用者は操作部11bで機能を他に切替えるか電源をOFF状態とすれば、突起17と補助電極部14間の通電、並びに、照射部13における光の照射が停止する。
【0064】
このように、本実施形態に係る頭皮用施療装置は、本体部11の一端部に配設されるヘッド部12の突起17が導電性を有して、補助電極部14との間に使用者の体を介して電流を流す電極の役割も果し、使用者が本体部11を保持してヘッド部12の突起17を使用者の頭皮に髪をかき分けつつ当接させると、突起17による頭皮への物理的刺激の付与と頭皮への通電を同時に実行できることから、突起17の物理的刺激に伴うマッサージ効果に加えて、通電で頭皮における血管の拡張と血行促進状態をもたらして細胞の働きを高められ、頭皮に対し極めて効率よく施療動作を実行して、発毛促進、脱毛抑制等の育毛効果を発揮させられる。
【0065】
また、ヘッド部12の中央に光の照射部13が配設され、ヘッド部12の突起17による頭皮のマッサージや頭皮への通電の際に、同時に頭皮に対し光を照射することから、光のエネルギーで頭皮を活性化し血行を促す等のさらなる相乗効果を得ることができ、マッサージや通電による育毛効果をよりいっそう強化できる。さらに、ヘッド部12の突起17を照射部13の周囲に配設すると共に、各突起17の突出高さを中央の照射部13の透光突起13cの高さより高くして、突起17を照射部13よりも頭皮に近づく状態とすることから、丸みを帯びた頭部の頭皮に対し各突起17が内側の照射部13の影響を受けることなく確実に接触でき、突起17による頭皮へのマッサージ及び通電を適切且つ効率よく実行できる。
【0066】
なお、前記実施形態に係る頭皮用施療装置において、ヘッド部12には突起17と照射部13を設ける構成としているが、これに限られるものではなく、ヘッド部に照射部を設けずヘッド部全体を突起のみ配設した構成とすることもできる。
【0067】
また、前記実施形態に係る頭皮用施療装置において、ヘッド部12で照射部13と共に設けられる突起17は、導電性を有して制御部15と電気的に接続され、頭皮50に接触することで頭皮50に通電可能な構成としているが、この他、照射部と共に配設される突起を導電性のないものとして、突起を介した通電を行わず、突起では物理的刺激を与えるのみとする構成とすることもでき、この場合も、使用者が本体部を保持してヘッド部の突起を使用者の頭皮に髪をかき分けつつ当接させると、突起による頭皮への物理的刺激の付与と照射部からの頭皮に対する光照射を同時に実行できることにより、突起の物理的刺激に伴うマッサージ効果に加えて、光による刺激を頭皮に与えて、光のエネルギーで頭皮を活性化し血行を促す等のさらなる相乗効果を得ることができ、頭皮における細胞の働きを高められ、頭皮に対し効率よく施療動作を実行して、発毛促進、脱毛抑制等につながる施療効果を発揮させられる。
【0068】
さらに、この導電性がない突起の場合、材質を自由に選定でき、例えば、照射部と同じ材質で一体成形する場合には、照射部における透光性のみを要件とすることができ、コストが低減され、デザインの自由度も向上する。また、後述する第2の実施形態のように、突起と透光突起を分散配置させる場合にも一体成形で対応でき、都合がよい。なお、各突起を同じ材質で一体成形する場合、照射部でない突起も透光性を有することになるが、この突起を非透光とするために非透光性材によるコーティングを施すことも考えられる。また、この考え方を応用して、前記実施形態のような導電性を有する突起を用いる場合において、突起と透光突起を同じ透光性の材質で一体成形し、導電性のあるコーティング剤で突起をコーティングした上で、突起と本体側とを電気的に接続させるようにすれば、各突起のまとまったブラシ体としては一体成形され、コスト、防水性の面で優位でありながら、目的に応じた導電性や透光性を有するそれぞれの突起を備えることができる。
【0069】
また、前記実施形態に係る頭皮用施療装置において、ヘッド部12の突起17は、遮光性を有するものとされると共に、ヘッド部12中央の照射部13を二重に取囲むように配設され、照射部13からの光が突起17より外に漏れないようにし、周囲の他者の目に光が入るのを防止できる構成としているが、この他、照射部から照射する光が可視光であり且つ照射強度がそれほど高くない場合など、光が突起外に達しても安全性の上で問題なければ、照射部外側の突起も導電性と共に透光性を有する材質製として、突起が照射部からの光を透過させる構成とすることもでき、照射部からの光がその外側の突起を通じても頭皮に達することで、頭皮に対する光の効果をさらに高められる。
【0070】
また、前記実施形態に係る頭皮用施療装置においては、照射部13の光源としてLED13a、13bを用いる構成としているが、これに限らず、ストロボライトや冷陰極管等の他の光源を用いるようにしてもよい。また、照射部13は光源となるLED13a、1
3bがヘッド部12に配置される構成としているが、これに限らず、光源を本体部11内に設けて、内蔵された光源から光ファイバ等の光伝達手段を介してヘッド部側に光を到達させ、頭皮に対し光を照射する構成とするようにしてもよい。さらに、照射部13のヘッド部12表面側は透光突起13cを設ける形態に限られるものではなく、透光突起を設けない形態、例えば、LED等の光源をまとめて覆う平面状や曲面状の透光性カバーとすることもできる
【0071】
また、前記実施形態に係る頭皮用施療装置においては、照射部13を用いる場合に、制御部15はヘッド部12が頭皮に近づいて照射部13からの光が頭皮のみに向う場合と、ヘッド部12が頭皮から離れて照射部13からの光が頭皮以外に達するおそれのある場合とで、光の照射強度調整は特に行わない構成としているが、これに限らず、照射光が紫外域のものであるなど、光が頭皮以外に達すると安全性の面で問題がある場合には、ヘッド部12が頭皮に近接した場合と頭皮から離れた場合とで光の照射強度を調整する構成とすることもできる。この場合、制御部15は、突起17が頭皮と接触した時に、突起17と補助電極部14との間の抵抗値が減少して所定の値に達することを利用して、前記所定値を閾値としてあらかじめ設定し、これ以下の抵抗値で照射部13からの光の照射強度を高める制御を実行する一方、突起17と補助電極部14との間の抵抗値が前記閾値より大きくなる、突起17が頭皮に接触していない状態では、光の照射強度を人の目に光が入射しても有害な影響を与えない適切な照射強度に抑えるようにする。これにより、突起17が全て頭皮に接触して、透光突起13bを出た光が頭皮以外に達しにくい状況でのみ、照射部13における光の照射強度を増大させて光の頭皮への施療効果を高められると共に、突起17に頭皮が接しておらず、照射部13を出て透光突起17を通った光が頭皮以外に達するおそれがある状況では、照射部13の照射強度を低いレベルに維持して、安全を確保できる。
【0072】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係る頭皮用施療装置においては、照射部13をヘッド部12の中央に一領域として集中させて配設すると共に、この照射部13の外側に多数の突起17を配設する構成としているが、これに限らず、第2の実施形態として、図10に示すように、照射部23を複数の領域に分割してこの各領域をヘッド部22に分散して配設し、またヘッド部22の突起27を照射部23の各領域に隣接させて配設する構成とすることもでき、ヘッド部22で突起27と照射部23が混在する状態とすることで、分散配置した各照射部領域が小さくなることに伴い、照射部23を挟む突起27間の間隔も小さくなり、これら突起27の頭皮への接触頻度を増やして、突起27による頭皮50への照射部23の接触抑止能力を高くすることができるため、照射部を集中配置する場合より頭皮50に近付けても、突起27の働きで照射部23と頭皮50の接触を適切に抑えられることとなる。仮に、照射部と頭皮が接触すると、頭皮の被照射部分が照射部との接触で虚血状態となり、光が照射されても細胞活性化等の効果を適切に生じ得ない状態に至るが、突設間隔を小さくした突起27で照射部23と頭皮50の接触を抑え、こうした虚血状態を確実に防ぎながら、集中配置する場合より頭皮50に近い位置とした透光突起23b先端から光照射を行って、頭皮50への光の到達を促すことができ、活性化の効果をさらに高められる。
【0073】
なお、図10で示した例では、照射部の各領域はそれぞれ列状の複数の透光突起で構成されているが、これに限られるものではなく、領域が一つの透光突起のみで構成される場合も含み、例えば、照射部の透光突起を突起27の間に一つずつ配置して、突起と透光突起を、縦方向、横方向とも交互に配設するようにしてもよい。
【0074】
(本発明の第3の実施形態)
前記第1の実施形態に係る頭皮用施療装置において、ヘッド部12は多数の突起17を
突設されて頭皮に対してのみ用いられる構成としているが、これに限らず、第3の実施形態として、図11ないし図13に示すように、ヘッド部26が、導電性材料製の滑らかに連続する平面及び/又は曲面で形成されて本体部11に固定配設される肌用電極部26aと、突起26cを多数形成されて前記肌用電極部26a表面側に電気的接続状態で着脱可能に取付けられる導電性材料製のカバー部26bとを組合せたものとされる構成とすることもでき、頭皮に対してはカバー部26bを取付けたまま突起26cを頭皮に当接させて、突起26cによる頭皮への物理的刺激の付与と頭皮への通電に使用できる一方、着脱可能なカバー部26bを取外して肌用電極部26aを露出状態とすると、頭皮以外の顔等の肌に対して肌用電極部26aを接触させて肌への通電状態を得る使用もできることから、頭皮への通電と頭皮以外の肌への通電を一台の装置で実現でき、髪で覆われた頭皮に対し突起26cを接触させて適切に通電させられる状態を確保しつつ、頭皮以外の広く露出した肌に対しては肌用電極部26aで接触面積を増やして効率よく通電状態を得られることとなり、通電による頭皮や肌への施療を手軽に無理なく実行できる。この場合の固定側となる肌用電極部26aは、イオン導入等を行う関係上、通電に対し安定した材質である純チタンや、チタン化合物、金等の材質を用いるのが望ましい。
【0075】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る頭皮用施療装置を前記図14ないし図18に基づいて説明する。
前記各図において本実施形態に係る頭皮用施療装置3は、前記第1の実施形態同様、本体部11と、ヘッド部32と、照射部33と、補助電極部14と、制御部15とを備える一方、異なる点として、ヘッド部32の各突起37表面及び突起37間に配設される多孔質被覆体39を備える構成を有するものである。
【0076】
前記多孔質被覆体39は、略シート状の各部に穿設された孔に前記ヘッド部32の各突起37を挿入させた状態で、ヘッド部32の各突起37表面及び/又は各突起間に着脱可能に配設され、イオン導入用や拭取り用の化粧水等の頭皮用化粧料を含浸可能とされるものであり、化粧水等を十分吸収してそのまま保持できる性質を備える。
【0077】
この多孔質被覆体39としては、カット綿やコットンパフ等と同様の脱脂等加工した綿繊維を不織シート状に成形したものを用いるのが、吸収性に優れると共に低コストである点で好ましいが、これに限られたものではなく、化粧水等を含浸可能で可撓性を有する多孔質の軟質シート状のものであれば、綿製以外のものも多孔質被覆体39として利用できる。また、多孔質被覆体39の形状は、突起37表面に沿う立体的な形状の他に、突起を挿せる孔を穿設しただけの単純な平面状のシートとしたり、突起が通る網目状の孔部分が生じているメッシュ状のシートとして用いる構成とすることもできる。
【0078】
なお、ヘッド部32の突起37表面や突起37間を覆った状態で配設される多孔質被覆体39は、穿設された各孔にそれぞれ突起37が挿入されていることでヘッド部正面に保持され、化粧水等を染みこませた状態としても、ヘッド部32から多孔質被覆体39が誤って外れてしまうことはない。
【0079】
この多孔質被覆体39を配設した状態における、頭皮50に接触させた突起37と補助電極部14との間での通電については、前記第1の実施形態同様、把持部11aを持つ使用者の手が補助電極部14に接触している状態で、突起37が頭皮50に接触すると、突起37と補助電極部14とが使用者の体を介して通電状態となる仕組みであるが、この突起37の接する頭皮50への通電に伴って、あらかじめ多孔質被覆体39に染込ませた化粧水等の頭皮用化粧料に含まれるイオン性の有効成分を、制御部15からの電流に基づくイオン移動によって頭皮内部に導入するイオン導入が実行される。
【0080】
また、クレンジングとして、帯電した老廃物等の汚れ成分を通電により頭皮側からヘッド部32の突起37側に移行させ、多孔質被覆体39に取込む状態を得ることもできる。
【0081】
前記制御部15は、前記第1の実施形態同様、三つの動作モードとして、通電モード、光照射モード、並びに通電及び光照射モードを設定すると共に、多孔質被覆体39を設けていることで、新たに、頭皮に蓄積している有害成分や老廃物を除去するクレンジングモードを設定できるものである。
【0082】
クレンジングモードでは、ヘッド部32の突起37と補助電極部14間を通電状態とするものの、照射部33による光照射は実行しない。このクレンジングモードを含めた動作モードの切替えは、前記第1の実施形態同様、操作部11bのモード切替スイッチ11dに対する使用者の入力操作に基づいて行われる。
【0083】
次に、本実施形態に係る頭皮用施療装置の各施療動作状態について説明する。前提として、前記第1の実施形態同様、頭皮用施療装置2が使用者による操作部11bの電源スイッチ11c操作により起動し、使用者が把持部11aを持ってヘッド部32を頭皮の施療対象部位に向けられる状態にあるものとする。
【0084】
なお、光照射モードと、通電及び光照射モードについては、ヘッド部32の突起37を覆う多孔質被覆体39が取外されて、突起37表面や突起37間に何も配設されない状態とした後、前記第1の実施形態と同様の手順で実行されるため、説明を省略する。また、通電モードについては、多孔質被覆体39を設けたことで前記第1の実施形態と相違する、イオン導入の点についてのみ説明する。
【0085】
クレンジングを行う場合には、使用者はあらかじめ多孔質被覆体39の各孔に突起37が挿入されるようにして多孔質被覆体39を突起37間や突起37表面に位置させて、多孔質被覆体39をヘッド部32に保持すると共に、電解質成分を含んだふき取り用化粧水を多孔質被覆体39に染みこませた状態としておく。この場合、多孔質被覆体39を先にヘッド部32に保持した後で、多孔質被覆体39に化粧水を染みこませるようにする他、先に化粧水を染みこませた多孔質被覆体39をヘッド部32に保持するようにしてもかまわない。
【0086】
使用者が操作部11bのモード切替スイッチ11dを操作してクレンジングモードを選択すると、制御部15はヘッド部32の突起37と補助電極部14間に電流、例えば短い周期でパルス状の微弱電流、を流す通電状態の開始を可能とする。ただし、ヘッド部32の突起37を頭皮から離している状態(図16参照)では、突起37と補助電極部14間が体を介して閉じた回路となっていないため、通電はない。
【0087】
ヘッド部32の各突起37を頭皮50に密着させると、各突起37間の多孔質被覆体39の一部も頭皮に接触した上で、体及び多孔質被覆体39中の化粧水を介した通電状態となり、頭皮表面や内部の帯電した微細な汚れ成分(落ちきれなかった整髪料等の成分、タバコの煙の成分、老化角質等)がヘッド部32の突起37に引寄せられて頭皮側から多孔質被覆体39側に移行し(図17参照)、多孔質被覆体39に汚れ成分が取込まれる状態となることで、頭皮の汚れを吸引除去できる。
【0088】
多孔質被覆体39を頭皮50に当接させたままヘッド部32を頭皮上で少しずつ移動させると、通電状態のまま汚れ除去の対象位置を変えられるが、この除去動作を中断したり除去位置を変えるために、ヘッド部32の突起37を頭皮50から離すと、直ちに通電は中断する。クレンジングを完全に終える場合は、使用者が操作部11bで動作モードを他に切替えるか電源をOFF状態とすればよい。
【0089】
このクレンジングの終了後は、ヘッド部32正面から多孔質被覆体39を取外してヘッド部32の各突起37を清浄化する。また、使用者は洗髪等を行って頭皮上に浮いた状態で残った汚れを取除くこととなる。
【0090】
イオン導入を行う場合には、使用者は前記同様あらかじめ多孔質被覆体39の各孔に突起37が挿入されるようにして多孔質被覆体39を突起37間や突起37表面に位置させて、多孔質被覆体39をヘッド部32に保持すると共に、電解質成分を含んだ保護化粧水を多孔質被覆体39に染みこませた状態としておく。この場合も、多孔質被覆体39を先にヘッド部32に保持した後で、多孔質被覆体39に化粧水を染みこませるようにする他、先に化粧水を染みこませた多孔質被覆体39をヘッド部32に保持するようにしてもかまわない。
【0091】
使用者が操作部11bのモード切替スイッチ11dを操作して通電モードを選択すると、制御部15はヘッド部32の突起37と補助電極部14間に電流、例えば、短い周期でパルス状の微弱電流、を流す通電状態の開始を可能とする。ただし、ヘッド部32の突起37を頭皮50から離している状態では、突起37と補助電極部14間が閉じた回路となっていないため、通電はない。
【0092】
ヘッド部32の突起37を頭皮50に密着させると、体及び多孔質被覆体39中の化粧水を介した通電状態となり、多孔質被覆体39を流れる電流で化粧水中のイオン性の有効成分(プロビタミンCなど)を頭皮側へ移行させ(図18参照)、電流によりイオンが浸透しやすい状態となっている頭皮内に、有効成分が速やかに浸透する。
【0093】
ヘッド部32の突起37を多孔質被覆体39と共に頭皮50に当接させたまま頭皮上で少しずつ移動させると、通電状態のままイオン導入の対象位置を変えられるが、イオン導入を中断したり導入位置を大きく変えるために、ヘッド部32の突起37を頭皮50から離すと、直ちに通電は中断する。イオン導入を完全に終える場合は、使用者が操作部11bで機能を他に切替えるか電源をOFF状態とすればよい。
【0094】
このイオン導入の終了後、多孔質被覆体39をヘッド部32正面から取外して、ヘッド部32の各突起37に付いた化粧水等を除去する。
【0095】
このように、本実施形態に係る頭皮用施療装置においては、頭皮用化粧料を含浸可能な多孔質被覆体39をヘッド部32の各突起37表面や各突起37間に配設し、この多孔質被覆体39に頭皮用化粧料を含ませた状態で突起37を頭皮に当接させ、突起37と共に多孔質被覆体39も頭皮に接触させた上で頭皮に電流を流すと、電流の向きに応じて、多孔質被覆体39に含ませた頭皮用化粧料中に含まれるイオン性の有効成分を、電流に基づくイオン移動によって頭皮内部に導入するイオン導入、又は、頭皮における帯電した汚れ成分を電極である突起37側へ引寄せて移動させ、汚れ成分を多孔質被覆体39に取込んで頭皮から除去するクレンジング、をそれぞれ行えることから、突起37でのマッサージの他に突起37による頭皮への通電で新たな機能を実現でき、通常の方法では導入しにくい有効成分を頭皮へ確実に導入して育毛効果を高めたり、通常の方法では除去しにくい頭皮の汚れを確実に除去して、汚れによる頭皮への悪影響を排除したりすることができる。
【0096】
なお、前記第3の実施形態に係る頭皮用施療装置においては、ヘッド部32正面側に配設される多孔質被覆体39に対し、ヘッド部の各突起37が多孔質被覆体39に穿設された孔を貫通してその先端部を頭皮と接触可能に露出させる構成としているが、多孔質被覆体の各突起対応部分を略袋状に形成し、多孔質被覆体の配設状態で突起37が多孔質被覆体を貫通せず、突起37が先端まで多孔質被覆体に覆われて、頭皮に対しては突起が多孔
質被覆体を介して接触する構成とすることもでき、クレンジングやイオン導入の際に多孔質被覆体と頭皮との接触面積をより多くして、多孔質被覆体への汚れ成分の取込みや多孔質被覆体からのイオン性有効成分の浸透の各能力を増大させられ、クレンジングやイオン導入の効果をより一層高められる。
【0097】
また、前記第3の実施形態に係る頭皮用施療装置においては、イオン導入やクレンジングで、ヘッド部32の突起37表面や突起37間に化粧水等を染みこませた状態の多孔質被覆体39を配設する際には、各突起37が多孔質被覆体39の孔に挿入されることで多孔質被覆体39は容易に外れないように保持される構成としているが、この他、外力に対して復元性を有する素材で形成され、ヘッド部32の周囲に着脱可能に係合する略環状の保持部を用いて、ヘッド部32に多孔質被覆体39を保持する構成とすることもできる。この場合、保持部を、多孔質被覆体39が保持部とヘッド部32との間に挟み込まれた状態で、そのままヘッド部32と係合させると、保持部と共に多孔質被覆体39がヘッド部32から容易に離脱しない状態となり、多孔質被覆体39をヘッド部32正面に位置させた状態でより確実に保持できる。また、こうした多孔質被覆体39の保持部分を、本体部11と当初から一体となった構造で、多孔質被覆体39をヘッド部32に沿って押えるなどして保持できるものとすることもできる。
【符号の説明】
【0098】
1、3 頭皮用施療装置
11 本体部
11a 把持部
11b 操作部
11c 電源スイッチ
11d モード切替スイッチ
12、26 ヘッド部
12a ベース
12b 接続用ピン
13 照射部
13a、13b LED
13c、23b 透光突起
13d 基板
13e ホルダ部
13f パッキン
13g LEDカバー
14 補助電極部
15 制御部
17、26c 突起
18 ブラシ体
22、32 ヘッド部
23、33 照射部
26a 肌用電極部
26b カバー部
27、37 突起
39 多孔質被覆体
50 頭皮

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭皮に対し所定の施療動作を実行する頭皮用施療装置において、
使用者により保持される本体部と、
当該本体部の一部に配設され、導電性を有する材料で形成される突起を多数略ブラシ状に突設されてなるヘッド部と、
前記本体部の使用者による把持部分に配設される補助電極部と、
前記本体部内に配設され、前記ヘッド部の突起と補助電極部間での使用者を介した通電状態を制御する制御部とを備えることを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の頭皮用施療装置において、
前記ヘッド部が、導電性材料製の滑らかに連続する平面及び/又は曲面で形成されて前記本体部に固定配設される肌用電極部と、突起を多数形成されて前記肌用電極部表面側に肌用電極部と電気的接続状態で着脱可能に取付けられる導電性材料製のカバー部とを組合わせてなることを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の頭皮用施療装置において、
前記ヘッド部に配設されて使用者の頭皮に光を照射する照射部を備え、
前記制御部が、前記照射部からの光の照射状態を調整制御することを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項4】
前記請求項3に記載の頭皮用施療装置において、
前記照射部が、前記ヘッド部の略中央に配設され、
前記ヘッド部の突起が、前記照射部の周囲に配設されると共に、各突起の突出高さを突起突出方向における照射部の高さより所定寸法高くされてなることを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項5】
前記請求項4に記載の頭皮用施療装置において、
前記照射部が、前記ヘッド部の中央に一領域として集中させて配設され、
前記ヘッド部の突起が、ヘッド部中央の照射部より外側に配設されることを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項6】
前記請求項3に記載の頭皮用施療装置において、
前記照射部が、複数の領域に分割されて当該各領域を前記ヘッド部に分散させて配設され、
前記ヘッド部の突起が、前記照射部の各領域に隣接させて配設されると共に、各突起の突出高さを突起突出方向における照射部の高さより所定寸法高くされてなることを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項7】
前記請求項3ないし6のいずれかに記載の頭皮用施療装置において、
前記照射部が、表面側に前記ヘッド部の突起の突出方向と同じ向きへ略ブラシ状に突出させて配設される透光性材料製の複数の透光突起を有してなり、
前記照射部からの光を、少なくとも前記透光突起を通じて使用者の頭皮に照射することを
特徴とする頭皮用施療装置。
【請求項8】
前記請求項1ないし7のいずれかに記載の頭皮用施療装置において、
略シート状の各部に前記ヘッド部の各突起を挿入させた状態で、ヘッド部の各突起表面
及び/又は各突起間に着脱可能に配設され、頭皮用化粧料を含浸可能な多孔質被覆体を備えることを
特徴とする頭皮用施療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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