説明

頭部固定装置

【課題】画像診断装置の検査台を改良することなく、既存の画像診断装置の検査台にも適用でき、画像診断装置の検査台の任意の位置に被治療者の頭部を固定でき、手術の途中に治療操作の良否や治療の効果を確認する。
【解決手段】板状に形成される部材を馬蹄形状に形成してなる平面状台座2と,被検者の頭部を周回するように形成され、一端が開放されるアーム状に形成され、アーム10の開放端近傍にアーム10の内側に向かって突出し、被検者の頭部を固定する固定ピン11,12を有する固定枠3と,平面状台座2に設けられ、アーム10の開放端と対向する位置で互いに直交する2軸に回転可能に固定枠3を支持する2軸回転の支持機構4と,一端が平面状台座2に、他端が固定枠3のアーム10に設けられ、固定枠3のアーム10を被検者の頭部に周回して固定ピン11,12で固定する位置で固定枠3のアーム10を支持固定する支持部材5とによって構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断や外科手術等において、被検者または被治療者の頭部の画像診断装置による画像撮影、あるいは外科手術における手術の最中に、被検者または被治療者の頭部が動かないように検者または被治療者の頭部を固定する頭部固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、脳外科手術に当たっては、被治療者を手術室に固定された手術台の上に仰向けに寝載させて行っている。この脳外科手術は、脳の非常に細かい部分にメス等を入れて行うため、手術中に少しでも被治療者の頭部が動くと、手術を失敗し、人命に関わる重大事を引き起こす結果となる。このため、従来より脳外科手術に当たっては、被治療者を手術室に固定された手術台の上に仰向けに寝載させ、被治療者の頭部を寸分も動かないようにしっかりと固定する必要がある。
【0003】
ところが、脳外科手術は、医師が脳へらや手術器具を操作して行うが、被治療者の手術部位の良好な術野を確保するために、被治療者の頭部を少し動かす必要が生じることがある。そこで、従来、半円弧状の頭部固定枠に基礎フレームを固定するとともに、半円弧状の頭部固定枠に案内枠を介して半円弧状の保持枠を可動に設けることで、頭部固定枠に固定された基礎フレームと被治療者の頭部を保持する半円弧状の保持枠とが別々に動くようにし、被治療者の頭部を動かした際の治療者の手術部位の広い術野を確保する脳外科手術用ヘッドフレームが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この特許文献1の脳外科手術用ヘッドフレームは、床に固定された手術台の端部において用いられ、被治療者の頭部が手術台端部から外側に出るように設置されている。そして、被治療者の頭部は、脳外科手術用ヘッドフレームの設置位置で保持固定されるため、頭部固定枠が多関節アーム構造によって支持されている。
【0005】
ところが、近年においては、脳外科手術に当たって、医師は術前あるいは術中にMR画像を用いて脳内の腫瘍の大きさ、位置、腫瘍周辺の状況等を確認しつつ、腫瘍の完全切除を行う治療が行われるようになってきた。このため、特許文献1の脳外科手術用ヘッドフレームでは、このような治療には適さない物となっている。
【0006】
そこで、手術のために安易に安全に頭部を固定することができ、更に手術中にMRI装置等の画像診断によって患部を鮮明に画像診断ができるための頭部支持装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2の頭部支持装置は、特別な手術台を用意し、頭部が手術台端部から外側に出るように手術台端部に取り付けられており、この状態において、手術の途中段階において、治療操作の良否や治療の効果を確認するため、MRI装置に手術台装置ごと挿入し、被治療者の頭部の画像撮影と切除手術とを行っている。
【特許文献1】特開平11−4837号
【特許文献2】特開2000−30058
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の脳外科手術用ヘッドフレームと、特許文献2の頭部支持装置は、いずれも頭部が手術台端部から外側に出るように手術台装置の手術台の端部に取り付けられた構成となっている。
【0008】
一方、一般的な画像診断装置の検査台は、端部に頭部固定装置を取り付けるようになっておらず、特許文献1の頭部固定装置を使用することはできない。また、特許文献2の頭部支持装置のように、特別な手術台を用意すれば、頭部が手術台端部から外側に出るようにおいて、画像撮影と切除手術を行うことはできる。
【0009】
しかしながら、一般的な画像診断装置の検査台は、端部に頭部固定装置を取り付けるようになっておらず、特許文献2の頭部固定装置を使用することはできない。
【0010】
一般的に、画像診断装置の検査台は、端部に頭部固定具を取り付ける構造を持たず、また、検査台の端部に頭部固定具を取り付けたとしても、高精度の脳外科領域の手術が行えるほどの剛性を持っていない。また、画像診断装置の検査台の端部に頭部固定装置を取り付けるようにすると、像診断装置の検査台は、端部に頭部固定具を取り付ける構造を有していない。このため、一般の画像診断装置の検査台を併用し検査台の端部から被治療者の頭部を飛び出させて固定する頭部固定具を取り付けて被治療者の頭部の手術を施行するには、画像診断装置の検査台の補強または専用の手術台への置き換えという改造が必要となる。画像診断装置の検査台の剛性を上げるために構造物を強化すると、腹部領域にあたる部分の画像撮影に影響が現われ、汎用性が損なわれるという問題点を有している。
【0011】
また、既存の画像診断装置の検査台に改造を加えると、その画像診断装置は、未承認機器となり、診療保険の適用を受けられない等の不利益を受けるという問題点を有している。
【0012】
本発明の目的は、画像診断装置の検査台を改良することなく、既存の画像診断装置の検査台にも適用でき、画像診断装置の検査台の任意の位置に被治療者の頭部を固定でき、手術の途中に治療操作の良否や治療の効果を確認する等、必要に応じて、手術部位の画像撮影を行うことのできる頭部固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、板状に形成される部材を馬蹄形状に形成してなる平面状台座と,被検者または被治療者の頭部を周回するように形成され、一端が開放されるアーム状に形成され、前記アームの開放端近傍に前記アームの内側に向かって突出し、被検者または被治療者の頭部を固定する固定ピンを有する固定枠と,前記平面状台座に設けられ、前記アームの開放端と対向する位置で互いに直交する2軸に回転可能に前記固定枠を支持する2軸回転の支持機構と,一端が前記平面状台座に、他端が前記固定枠のアームに設けられ、前記固定枠のアームを被検者または被治療者の頭部に周回して前記固定ピンで固定する位置で前記固定枠のアームを支持固定する支持部材と,によって構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画像診断装置の検査台を改良することなく、既存の画像診断装置の検査台にも適用でき、画像診断装置の検査台の任意の位置に被治療者の頭部を固定でき、手術の途中に治療操作の良否や治療の効果を確認する等、必要に応じて、手術部位の画像撮影を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1には、本発明に係る頭部固定装置の第1の実施例が示されている。図1は、本発明に係る頭部固定装置の全体構成斜視図である。
図1において、頭部固定装置1は、平面状台座2と、固定枠3と、支持機構4と、支持部材5とよって構成されている。
【0016】
平面状台座2は、板状に形成される部材6が馬蹄形状(U字状)に形成されて構成されている。この平面状台座2は、頭部を支えるだけの強度を有している。この部材6には、ねじ7A,7B,7C,7D(図1においては、ねじ7Dは隠れていて現れていない)が取り付けられている。このねじ7A,7B,7C,7Dが特許請求の範囲でいう固定手段に相当するものである。このねじ7A,7B,7C,7Dは、図示されていない画像診断装置の検査台の天板に脱着自在に取り付けでるようにするためのものである。
【0017】
また、平面状台座2には、上面側(画像診断装置の検査台の天板側とは反対の面側)に、図5に示す如く、凹部8A,8B(図5においては、凹部8Aのみが示してある)が形成されている。この凹部8Aには、後述する支持部材5の一端が嵌合するようになっている。この支持部材5の一端を凹部8Aに嵌着することによって、支持部材5を平面状台座2に位置決めすることができるようになつている。
【0018】
また、平面状台座2の凹部8Aが形成されている位置の画像診断装置の検査台の天板側には、図5に示す如く、座繰り穴9が形成されている。この座繰り穴9には、後述する支持部材5を固定する紐の一端に取り付けられているコマが嵌合するようになっている。この紐の一端に取り付けられたコマを座繰り穴9に嵌合し、紐の他端を締め付けることによって、支持部材5を平面状台座2に固定できるようになっている。
【0019】
固定枠3は、図2に示す如く、被検者または被治療者の頭部を周回するように円弧状(U字状)に形成される角棒状または丸棒状のアーム10を有している。このアーム10は、図3に示す如く、一端が開放されており、開放端に向かって上方に屈曲またはわん曲した形状を有している。この固定枠3のアーム10を開放端に向かって上方に屈曲またはわん曲する形状にしたのは、固定枠3のアーム10が手術を行う医師の邪魔にならない用にするためである。
【0020】
この固定枠3は、コ字状に形成し、図4に示す如く、角を落とした形状にしてもよい。このように構成することにより、固定枠3の角度の自由度を増すことができる。このアーム10の開放端近傍にアーム10のそれぞれの内側に、内方に向かって固定ピン11,12が突出して設けられている。アーム10の一端側に設けられる一方の固定ピン11は、2本のピン11A,11Bが固定されて設けられている。また、アーム10の他端側に設けられる他方の固定ピン12は、1本のピン12Aでねじ込み可能に構成されている。この固定ピン11,12の間に被検者または被治療者の頭部を挿入し、固定ピン11,12を締め付けることによって固定枠3は、被検者または被治療者の頭部に固定される。
【0021】
また、この固定枠3は、開放端と対向する位置(中心位置)に2つの支持部13,14が外側に向かって設けられている。この2つの支持部13,14に支持機構4が取り付けられている。さらに、固定枠3には、アーム10の両端側の内側に、図5に示す如く、支持部材5を取り付ける凹部15A,15B(図5では、凹部15Aのみが示されている)が設けられている。この凹部15Aには、底に貫通孔16が、凹部15Bには、底に貫通孔17がそれぞれ設けられている。この貫通孔16,17は、支持部材5を固定する紐18を通すためのものである。この紐18の一端には、コマ19が取り付けられている。このコマ19は、画像診断装置の検査台の天板側に設けられた座繰り穴9A,9B(図5では、座繰り穴9Aのみが示されている)に嵌合するようになっている。
【0022】
また、紐18の他端には、留め具20が取り付けられている。この留め具20は、締め付けて支持部材5を平面状台座2と固定枠3との間に固定したのち、余長分を固定枠3に巻き付けて、紐18を固定するものである。また、固定枠3のアーム9の両端側の外側には、紐18の他端に取り付けられている留め具20を挿入する止め穴21A,21Bが設けられている。この止め穴21A,21Bには、2つの支持部材5の固定用の紐18の留め具20を嵌合して支持部材5を平面状台座2と固定枠3との間に固定している。
【0023】
このように本実施例においては、紐18の一端にはコマ19が取り付けられており、支持棒27,28と固定枠3の穴を通した他端を固定枠3に結びつけることで、固定枠3と平面状台座2は結合される。なお、紐18は、巻き取り機等によって固定してもよい。
【0024】
支持機構4は、平面状台座2に設けられる2つの回転軸支持部材22,23と、2つの回転軸支持部材22,23に支持される軸24と、この軸24に回転自在に取り付けられる回転アーム25とによって構成されている。この回転アーム25には、軸26が固着されており、この軸26を固定枠3の支持部13,14に回転自在に取り付けてある。
【0025】
また、この回転軸支持部材22,23には、軸24を取り付け、この軸24に回転自在に回転アーム25を取り付けてもよい。さらに、この回転アーム25には、回転自在に軸26が嵌着されており、この軸26の両端は、固定枠3の支持部13,14に固着する構成にしてもよい。
【0026】
このようにして、固定枠3は、支持機構4に支持され、固定枠3は、軸24によって水平方向に回転(固定枠3は、横の首振り方向に回転)し、軸26によって垂直方向に回転(固定枠3は、縦の首振り方向に回転)する互いに直交する2軸に回転可能に支持されている。
【0027】
支持部材5は、固定枠3のアーム10の両端側にそれぞれ設けられており、この支持部材5は、それぞれ図5に示す如く、2つの支持棒27,28によって構成させている。支持棒27は、支持棒27には、外周に雄ねじが形成されており、支持棒28の中心には、この支持棒27が螺合するように盲目雌ねじが形成されている。この支持部材5は、支持棒27を支持棒28に螺合した状態で構成されており、支持棒27を回して支持部材5の全体の長さを調整するようになっている。
【0028】
この支持部材5は、図5に示す如く、平面状台座2と固定枠3の間に挿入し、被検者または被治療者の頭部を固定した固定枠3を支持している。すなわち、支持部材5は、支持棒27の先端を固定枠3の凹部15Aに嵌合し、支持棒28の先端を平面状台座2の凹部8Aに嵌合し、支持棒27を回して固定枠3を適宜箇所で保持させるものである。この支持棒27を支持棒28の中心軸には、それぞれ連通する貫通孔27A,28Aが設けられている。この貫通孔27A,28Aには、紐18が貫挿されており、紐18を締め付けることによって固定枠3と平面状台座2の距離が支持部材5により決められた距離に固定される。
【0029】
図6には、紐18によって支持部材5を固定する固定方法の別な実施例が示されている。
図6において、本実施例において、支持部材5は、図5に図示の持部材5と構成上の相違はない。また、固定枠3についても、アーム10の両端側の内側に形成される支持部材5取付用の凹部15A,15Bも同様の構成となっている。この図6に図示の実施例が、図5に図示の実施例と異なる点は、平面状台座2と画像診断装置の検査台の天板30を通して段差付き穴31が設けられている点である。すなわち、段差付き穴31は、画像診断装置の検査台の天板30の下面側に紐18の一端に取り付けられているコマ19を嵌合するコマ穴31Aが設けられており、このコマ穴31Aの底部にコマ穴31Aの径より小径の貫通孔31Bが画像診断装置の検査台の天板30と平面状台座2を貫通して形成されている点である。このコマ穴31Aには、図6に示す如く、コマ19が嵌合し、平面状台座2の貫通孔31Bには、支持棒28の先端が装着される。
【0030】
図7には、紐18によって支持部材5を固定する固定方法のさらに別な実施例が示されている。
図7において、平面状台座2には、複数個の長孔(スリット状の穴でもよい)32が、長さ方向が開放端側と直交する方向に形成されている。また、画像診断装置の検査台の天板30には、複数個の長孔(スリット状の穴でもよい)33が、形成されている。画像診断装置の検査台の天板30に形成される長孔33は、その長さ方向が、平面状台座2を載置したときに、平面状台座2に形成された長孔32の長さ方向と直交する方向になるように形成されている。このように形成することにより、画像診断装置の検査台の天板30の上に平面状台座2を重ねておいた際に、何れかどこかに長孔32と長孔33の重なり穴が形成され、紐18に取り付けられているコマ19の取付位置に自由度をもたせることができる。
【0031】
ここでは、画像診断装置の検査台の天板30を例にとって説明しているが、一般に診療台の天板(手術台装置の手術台の天板、移動用寝台の天板、画像診断装置の検査台の天板がある)であってもよい。
【0032】
このように構成される頭部固定装置1は、図8に示す如く、画像診断装置の検査台の天板30の任意の位置に置くことができ、頭部固定装置1の固定枠3に被検者または被治療者100の頭部101を固定して画像診断装置の検査台の天板30の上に寝載したときに、被検者または被治療者100の頭部101が画像診断装置の検査台の天板30から突出することがない。
【0033】
図9には、本発明に係る頭部固定装置の第2の実施例が示されている。図9は、本発明に係る頭部固定装置の全体構成斜視図である。
図9において、図9に図示実施例が図1に図示実施例と異なる点は、図1に図示実施例の支持機構4の部分と、固定枠3の支持機構4への取付の部分である。他の平面状台座2、支持部材5の構成は、図1に図示実施例と異なる点はない。
【0034】
図9において、支持機構40は、平面状台座2に設けられる2つの支軸部材41,42と、2つの支軸部材41,42に支持される軸43と、この軸43に回転自在に取り付けられる支持アーム44とによって構成されている。この支持アーム44の上端部には、調整ネジ45が螺合しており、この調整ネジ45と支持アーム44の上端部との間に固定枠3のアーム9の中心部が回転自在に取り付けられている。すなわち、固定枠3のアーム9は、調整ネジ45を緩めて固定枠3のアーム9を水平方向(横首振り方向)に回転させ、適宜箇所で調整ネジ45を締め付け固定することで、固定枠3のアーム9を任意の位置に回転させることができる。また、固定枠3のアーム9を垂直方向(縦首振り方向)に回転させる場合は、固定枠3のアーム9を上下動させることにより、支軸部材41,42で軸支されている軸43を中心に支持アーム44が回転させることによって行う。固定枠3のアーム10の高さ位置は、支持部材5によって調整される。
【0035】
このように本発明によると、固定枠3は、平面状台座2に対して、2軸の回転自由度を持つ支持機構4により保持される。なお、平面状台座2は、本実施例においては、コの字状に形成されているが、ロの字状に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る頭部固定装置の第1の実施例を示す全体構成斜視図である。
【図2】図1に図示の頭部固定装置の固定枠のアームの平面図である。
【図3】図1に図示の頭部固定装置の固定枠のアームの側面図である。
【図4】図1に図示の頭部固定装置の固定枠のアームの別な実施例を示す平面図である。
【図5】図1に図示の頭部固定装置の支軸部材の断面図である。
【図6】図1に図示の頭部固定装置の支軸部材の別な実施例を示す断面図である。
【図7】図1に図示の頭部固定装置の支軸部材を紐によって固定する方法の別な実施例を示す図である。
【図8】図1に図示の頭部固定装置を用いて画像診断装置の検査台の天板上に被検者または被治療者を寝載した状態を示す図である。
【図9】本発明に係る頭部固定装置の第2の実施例を示す全体構成斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
1………………………頭部固定装置
2………………………平面状台座
3………………………固定枠
4………………………支持機構
5………………………支持部材
10……………………アーム
11,12……………固定ピン
40……………………画像診断装置の検査台の天板
100…………………被検者または被治療者
101…………………頭部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成される部材を馬蹄形状に形成してなる平面状台座と,
被検者または被治療者の頭部を周回するように形成され、一端が開放されるアーム状に形成され、前記アームの開放端近傍に前記アームの内側に向かって突出し、被検者または被治療者の頭部を固定する固定ピンを有する固定枠と,
前記平面状台座に設けられ、前記アームの開放端と対向する位置で互いに直交する2軸に回転可能に前記固定枠を支持する2軸回転の支持機構と,
一端が前記平面状台座に、他端が前記固定枠のアームに設けられ、前記固定枠のアームを被検者または被治療者の頭部に周回して前記固定ピンで固定する位置で前記固定枠のアームを支持固定する支持部材と,
によって構成したことを特徴とする頭部固定装置。
【請求項2】
前記支持部材は、中心に紐を通す貫通孔が設けられており、該貫通孔に紐を通して前記平面状台座と前記固定枠のアームとに固定するものである請求項1に記載の頭部固定装置。
【請求項3】
前記支持部材の前記紐による前記平面状台座への取付は、前記平面状台座に座繰り穴を形成し、該座繰り穴に前記紐を縛り付けたコマを嵌合し、該紐を前記支持部材の貫通孔を通して行うものである請求項1又は2に記載の頭部固定装置。
【請求項4】
前記平面状台座は、画像診断装置の検査台の天板に固定手段で脱着自在に取り付け可能に構成したものである請求項1,2又は3に記載の頭部固定装置。
【請求項5】
前記平面状台座の画像診断装置の検査台の天板への固定は、前記平面状台座に複数個の長孔を設けると共に、画像診断装置の検査台の天板に前記平面状台座に形成した長孔と長さ方向が直交するように複数個設け、前記画像診断装置の検査台の天板の裏面側で前記長孔形成位置に座繰り穴を形成し、該座繰り穴に前記紐を縛り付けたコマを嵌合し、該紐を前記画像診断装置の検査台の天板の長孔、前記平面状台座の長孔を通し、前記支持部材の貫通孔を通して行うものである請求項1又は2に記載の頭部固定装置。
【請求項6】
前記固定枠は、開放端に向かって上方に屈曲またはわん曲させたものである請求項1,2,3,4又は5に記載の頭部固定装置。
【請求項7】
前記固定枠は、コ字状に形成したものである請求項1,2,3,4,5又は6に記載の頭部固定装置。
【請求項8】
前記固定枠は、角を落とした形状である請求項7に記載の頭部固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−194144(P2008−194144A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30649(P2007−30649)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【出願人】(590001452)国立がんセンター総長 (80)
【出願人】(506374384)株式会社柿沼製作所 (3)
【出願人】(591283903)吉田電材工業株式会社 (6)
【出願人】(000003090)東邦テナックス株式会社 (246)
【Fターム(参考)】