説明

頭部材付き軸状部品の供給装置

【課題】装置全体をスリムに形成することができ、部品の移行を確実に行うことができる頭部材付き軸状部品の供給装置の提供。
【解決手段】供給ヘッド部材26を進出させて部品1を受入孔33に供給し、進退する基部材25に供給ヘッド部材26が取り付け、供給ヘッド部材26の一部に部品1の軸部2を受け入れる保持溝部30を設け、軸状部品1を収容し、出力軸24の進退方向に対して直角にまたは直交する方向に進退する移送部材13を設け、移送部材13に設けた収容凹部14に部品1のストッパ機能を果たす保持面16を形成し、軸状部品1の頭部材3が供給ヘッド部材26の端面に密着する構成の軸状部品供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軸部に頭部材が一体化されている頭部材付き軸状部品を、目的箇所である受入孔に供給する頭部材付き軸状部品の供給装置に関している。
【背景技術】
【0002】
特許第3944776号公報に記載されている部品供給装置は、保持部材に設けられた保持凹部に部品が受け入れられ、その後、部品を供給ロッドの保持部に移行させ、それに引き続いて供給ロッドを進出させて部品を目的箇所である受入孔に挿入するものであり、前記供給ロッドは水平方向に進退し、部品を受入孔に挿入するために、挿入用エアシリンダが設けられたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3944776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている技術は、水平方向に進退する供給ロッドが進出して部品が受入孔と同軸位置に達すると、それに引き続いて挿入用エアシリンダが動作して部品が鉛直方向の受入孔へ挿入される。このため、部品の挿入方向に対して供給ロッドが水平方向に進退する基本構造となる。したがって、部品の挿入方向に対する供給ロッドの動作空間が大きくなり、周辺部材が水平方向にひろがって輻輳している狭い箇所への装置配備が行いにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、受入孔に対する部品の供給方向に沿わせて装置の各部材を配置することにより、装置全体を部品の供給方向においてスリムに形成することができ、しかも部品の移行を確実に行うことができる頭部材付き軸状部品の供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品を目的箇所である受入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記部品は、軸部に頭部材が一体化された頭部材付き軸状部品であり、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材に前記出力軸の進出方向に突出している供給ヘッド部材が取り付けられ、
前記供給ヘッド部材に、該供給ヘッド部材に設けた吸引手段の吸引力によって前記軸部を保持して前記部品と前記供給ヘッド部材の相対位置を設定するとともに、前記出力軸の進退方向に延びた状態で形成された保持溝部が設けられ、
部品供給通路を経て送給されてきた前記部品を収容するとともに、前記静止部材に取り付けられた移送駆動手段によって前記出力軸の進退方向に対して直角に食い違った方向または直交する方向に進退する移送部材が前記供給ヘッド部材から離れた位置に設けられ、
前記移送部材には、前記頭部材を支持し前記部品のストッパ機能を果たす保持面が形成された収容凹部が前記部品供給通路に連通しているとともに、前記収容凹部に前記出力軸の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に開放している通過部が形成され、
前記移送部材が前記移送駆動手段の動作によって移動して前記保持溝部に前記収容凹部の通過部が対向して前記軸部が前記収容凹部から前記保持溝部に移行したとき、前記頭部材の一部が前記供給ヘッド部材の端面に密着または前記端面から離隔した箇所に位置するように、前記出力軸の進退方向で見た前記保持面と前記端面の相対位置が設定されていることを特徴とする頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【発明の効果】
【0007】
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材に、前記出力軸の進出方向に突出している供給ヘッド部材が取り付けられ、供給ヘッド部材に形成した保持溝部が出力軸の進退方向に延びた状態で形成されている。そして、前記移送部材は出力軸の進退方向に対して直角に食い違った方向または直交する方向に進退する形態で配置してある。上述のように、供給ヘッド部材が出力軸の進退方向と同方向に延びているとともに、保持溝部も出力軸の進退方向と同方向に配置してあるので、装置全体を細長くスリムにまとめることが出来て、狭い箇所に装置を配備して部品供給を行うことができる。
【0008】
また、移送部材に収容した部品は出力軸の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に通過部を経て保持溝部へ移行されるので、供給ヘッド部材の進退空間に影響されることなく移送部材の移行距離を短縮することができて、結果的に装置全体のスリム化が実現する。つまり、移送部材の設置に要する空間が、出力軸の進退方向に直交または直角に食い違う方向に異常に過大となることがない。
【0009】
さらに、部品の移動軌跡は、部品が出力軸と同方向の部品供給通路から収容凹部に入って来る導入軌跡線と、この導入軌跡線に直交し移送部材が保持溝部の方へ移送される方向の移送軌跡線と、収容凹部の通過部から保持溝部へ移行される進入軌跡線と、受入孔に向かって供給される供給軌跡線によって形成されている。出力軸の進退方向と同方向の導入軌跡線と供給軌跡線には必要に応じた長さを付与し、出力軸の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向の移送軌跡線と進入軌跡線は最短化することができる。したがって、部品の移動軌跡線の形態から装置全体が出力軸の進退方向に細長く形成することができて、制約された狭い箇所への部品供給が簡単に実行できる。
【0010】
前記部品供給通路から移送部材の収容凹部に入ってきた部品は、その頭部材が保持面で受け止められ、部品は出力軸の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に開放している通過部から保持溝部へ移動し、頭部材の一部が供給ヘッド部材の端面に密着またはこの端面から離隔した箇所に位置するように、出力軸の進退方向で見た保持面と端面の相対位置が設定されている。したがって、進退駆動手段の進出動作で供給ヘッド部材が受入孔の方へ進出するときには、進出方向の最先箇所に頭部材を位置付けることができ、頭部材を受入孔へ確実に進入させることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記進退駆動手段の進出動作により前記部品の頭部材が前記受入孔の近傍に到達した時点で動作して、前記保持溝部に保持されている前記軸部の端部に押圧力を付与する押し込み手段が前記基部材に設けられ、前記押圧力によって前記頭部材を前記受入孔内へ進入させるように構成した請求項1記載の頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【0012】
このように、頭部材が受入孔の近傍に到達した位置で押し込み手段による押し込み力が軸部の端部に作用するので、軸部は保持溝部の内壁にその長さ方向、すなわち出力軸の進出方向に摺動しながら確実に受入孔内へ進入させられる。また、頭部材が受入孔の近傍に到達した位置で押し込み手段を動作させるものであるから、供給ヘッド部材が受入孔を形成している部材に衝突することがなく、信頼性の高い部品供給が可能となる。
【0013】
請求項3記載の発明は、前記進退駆動手段の後退動作により前記基部材が後退するとき、前記押圧力が前記軸部の端部に作用し続けることにより、前記頭部材が前記受入孔に入りきった状態が維持されるように構成した請求項2記載の頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【0014】
このように基部材が後退するとき、押し込み手段による押圧力が軸部の端部に作用し続けるものであるから、供給ヘッド部材の保持溝部の部分が後退するときに、部品は受入孔に入りきった状態で静止している。そして、軸部に対する吸引手段の吸引力が消滅する位置まで供給ヘッド部材が後退すると、押し込み手段の押圧力は解除される。したがって、供給ヘッド部材が後退するときに、部品が保持溝部の部分に吸引されて連れ戻されることが防止でき、確実な部品供給が達成される。
【0015】
請求項4記載の発明は、前記部品が前記収容凹部から前記保持溝部に移行したとき、前記頭部材の一部が前記保持面に支持されるように前記供給ヘッド部材と前記移送部材との相対位置が設定され、前記頭部材の一部が前記保持面に支持されている状態で前記押し込み手段を動作させて部品の有無を検知するように構成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【0016】
部品の軸部が保持溝部に入り込んでいて頭部材が収容凹部の保持面に着座している状態で押し込み手段の押圧力が部品に作用する。したがって、部品が正常に存在するときには、押し込み手段の押圧力の反力を検知して、部品が存在していることが確実に判明する。一方、何等かの原因で部品が存在しないときには、押し込み手段の押圧力の反力が検知されないので、部品の不存在が確実に判明する。このように、押し込み手段を部品の有無の検知にも活用するので、押し込み手段を多機能的に機能させて装置構造を効果的に簡素化できる。さらに、押し込み手段による検知動作は、受入孔に向かう供給動作の前に実行されるので、部品不存在の異常事態を事前に早期検知をすることができて、部品不存在の状態で供給動作をするといった無駄な供給動作を回避することができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、前記進退駆動手段の進出動作で前記部品の頭部材が前記受入孔の近傍に到達したときに、前記頭部材を前記受入孔内へ進入させるための吸引手段が、前記受入孔を形成している部材に設置されている請求項1記載の頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【0018】
受入孔の近傍に到達した頭部材が吸引手段で受入孔内へ引き込まれるので、上述のような押し込み手段を基部材に配置する必要がなく、構造簡素化にとって有利である。
【0019】
請求項6記載の発明は、前記供給ヘッド部材に対向した箇所に位置している前記移送部材が、前記部品供給通路に連通する位置に復帰するときに、前記頭部材が相対的に通過できる通過空間が前記移送部材の一部に形成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の頭部材付き軸状部品の供給装置である。
【0020】
頭部材が相対的に通過できる通過空間が移送部材の一部に形成されているので、軸部が保持溝部に入り込んだ状態で頭部材の一部が保持面上を相対的に摺動しながら移送部材の後退が可能となる。このため、頭部材と供給ヘッド部材の端面の相対位置が正確に維持される。これにより頭部材が供給ヘッド部材の端面から突出した状態が確保できる。また、移送部材が後退するときに頭部材に対して移送部材の一部が干渉しないので、移送部材の後退動作が円滑になされる。
【0021】
本願発明は、上述のような装置発明であるが、以下に記載する実施例から明らかなように、部品の移動軌跡や構成部材の動作などを特定した方法発明として存在させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】装置全体を示す側面図、平面図および部品の立体図である。
【図2】主に移送部材と供給ヘッド部材の配置関係を示す立体図である。
【図3】移送部材の正面図、側面図、平面図、断面図である。
【図4】部品の移行状態を示す断面図、平面図である。
【図5】押し込み手段の動作状態を示す側面図である。
【図6】部品の移動軌跡を示す線図である。
【図7】押し込み手段の変型例を示す側面図である。
【図8】他の実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
つぎに、本発明の頭部材付き軸状部品の供給装置を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0024】
図1〜図7は、本発明の実施例1を示す。
【0025】
まず、本実施例で扱われる部品について説明する。
【0026】
本願発明の装置において扱われる部品1は、図1(D)に示すように、断面円形の真っ直ぐな軸部2に頭部材3が一体化された頭部材付き軸状部品である。前記頭部材3の形状としては、円形のフランジ部や板状の四角い部材や軸部2よりも大径の円柱部材など種々なものがあるが、ここではフランジ部3である。図示の部品1は、かしめ加工がなされるリベットであり、鉄製である。そして、リベット1の各部の寸法は、軸部2の直径と長さがそれぞれ5.5mmと16mm、フランジ部の直径と厚さがそれぞれ13mmと2.5mmである。
【0027】
つぎに、装置の全体構造を説明する。
【0028】
装置全体は符号100で示されている。機枠などの静止部材4に真っ直ぐな通路部材5が固定され、その内部に鉛直方向に延びる断面円形の部品供給通路6が形成されている。パーツフィーダ7からリベット1が空気搬送などで部品供給通路6へ送られてくる。なお、符号8はウレタン樹脂などの柔軟性のある合成樹脂で作られた供給ホースであり、パーツフィーダ7と通路部材5を結合している。
【0029】
厚板部材で作られた縦支持部材9が、下方に延びた状態で静止部材である通路部材5に固定してある。この固定は、ボルト付けや溶接などで行われ、固定部分は図中の一点鎖線で示されている。他の固定箇所も同様な一点鎖線で図示されている。厚板部材で作られた横支持部材10が、縦支持部材9の下端部に固定され、通路部材5の下面と縦支持部材9の内面と横支持部材10の上面によって後述の移送部材が収容される収容空間11が形成されている。
【0030】
つぎに、移送部材について説明する。
【0031】
前記移送部材13は、直方体の形をしたブロック材を加工して形成されたもので、部品供給通路6を通過したリベット1を収容する収容凹部14が設けてある。前記収容凹部14の空間は鉛直方向に延びているとともに、片側に開放した通過部15が設けられ、移送部材13が待機位置に置かれているとき、図1(A)に示すように、前記収容凹部14は部品供給通路6に連通している。収容凹部14には、入ってきたリベット1のフランジ部3を受け止めて支持する保持面16が形成してある。この保持面16は、収容凹部14の端部に形成した板部材17の平坦な上面によって構成されている。
【0032】
前記移送部材13は前記収容空間11内に収められ、部品供給通路6の長手方向、すなわち鉛直方向に対して直交する方向に進退できるように支持されている。移送部材13を進退させる移送駆動手段18は、静止部材4に取り付けられている。この実施例における静止部材4は、通路部材5に結合された厚板状のブラケット19であり、ここに移送駆動手段18が取り付けられている。前記移送駆動手段18としては進退出力をするものであればよく、エアシリンダや進退出力式の電動モータなどが採用できる。ここでは前者のエアシリンダであり符号18が付されている。そのピストンロッド20の先端に結合部材21が固定され、この結合部材21の他端が移送部材13の端面に固定してある。
【0033】
つぎに、供給ヘッド部材について説明する。
【0034】
静止部材4に固定された進退駆動手段23は進退出力をするものであればよく、エアシリンダや進退出力式の電動モータなどが採用できる。ここでは前者のエアシリンダであり符号23が付されている。このエアシリンダ23の出力軸がピストンロッド24で構成され、出力軸24の進退軸線O−Oは鉛直方向に配置してある。前記部品供給通路6の長手方向は、進退軸線O−Oと平行になっている。そして、厚板部材で構成された基部材25がピストンロッド24の先端に固定されており、この基部材25に結合された供給ヘッド部材26がピストンロッド24の進出方向に突出している。
【0035】
前記供給ヘッド部材26は、基部材25の中央真下に固定されている本体部27と、この本体部27から水平方向に進退軸線O−Oから遠ざかる方向に延びている保持部28から構成されている。前記保持部28の側面29に、ピストンロッド24の進退方向に延びた状態で保持溝部30が形成してある。この保持溝部30は軸部2が嵌り込むもので、その内面は円弧面とされている。軸部2がこの保持溝部30に嵌り込むことによって、リベット1と供給ヘッド部材26の相対位置が正しく設定される。このように軸部2が保持溝部30に支持された状態では、軸部2は鉛直方向となっている。
【0036】
軸部2を保持溝部30内に保持するために、吸引手段31が供給ヘッド部材26に設けてある。この吸引手段31としては、空気バキュームで吸引するものや磁石で吸引するものなどが採用できる。ここでは保持溝部30の近傍に配置した永久磁石が採用され、この永久磁石にも符号31が付されている。
【0037】
リベット1の供給の目的箇所は受入孔33であり、静止部材4に固定されている部材34に形成されている。この受入孔33は円形であり、その底面35は平坦な面で形成されている。また、受入孔33の背後、すなわち下側に吸引手段である永久磁石36が埋設され、受入孔33に受け入れられ底面35にフランジ部3が密着しているリベット1が倒れたりしないようになっている。
【0038】
つぎに、押し込み手段について説明する。
【0039】
押し込み手段37は、基部材25に設けられ、エアシリンダ23の進出動作によりリベット1のフランジ部3が前記受入孔33の近傍、すなわち受入孔33の開口部の直前に到達して停止した時点で動作する。この動作により、保持溝部30に保持されている軸部2の端部に、押し込み手段37による押圧力が作用する。前記押圧力によってフランジ部3を受入孔33内へ進入させる。前記押し込み手段37としては、エアシリンダや進退出力式の電動モータなど種々なものを採用することができる。ここでは、前者のエアシリンダが採用され、このエアシリンダにも符号37が付されている。
【0040】
エアシリンダ37のピストンロッドが部品押圧ロッド38とされ、フランジ部3が受入孔33の直前に到達すると、部品押圧ロッド38が進出して軸部2の端部に突き当たってフランジ部3が、図5に示すように、受入孔33内に押し込まれる。フランジ部3は受入孔33の底面35に密着し、永久磁石36の吸引力によって安定した起立姿勢となる。
【0041】
また、エアシリンダ23の後退動作により基部材25が後退するとき、図5に示すように、部品押圧ロッド38の押圧力が軸部2の端部に作用し続けることにより、フランジ部3が受入孔33に入りきった状態が維持されるように構成してある。このような状態を実行するために、エアシリンダ23が後退するときにエアシリンダ37のピストンロッド38が進出を続行するように、両エアシリンダ23、37への空気給排が制御するようになっている。つまり、エアシリンダ23の後退動作に同期してエアシリンダ37の進出動作が行われる。このようにしてリベット1は、部品押圧ロッド38の先端部と受入孔33の底面35の間に挟み付けられた状態となる。エアシリンダ23の戻り動作で永久磁石31が軸部2から離隔して永久磁石31の吸引力が実質的に消滅すると、部品押圧ロッド38が後退し、受入孔33へのリベット1の供給が完了する。
【0042】
エアシリンダ37の加圧力がエアシリンダ23の加圧力を上回ると、エアシリンダ37の加圧反力でエアシリンダ23のピストンロッド24がエアシリンダ23内へ押し込まれてしまう。そうなると、図5に2点鎖線で示す位置へ供給ヘッド部材26が戻される(浮上する)ので、リベット1が転倒するおそれがある。そこで、エアシリンダ37の加圧力がエアシリンダ23の加圧力を下回るように設定して、上記問題の発生を防止している。
【0043】
つぎに、移送部材と供給ヘッド部材の位置関係を説明する。
【0044】
図1(B)、図2、図4などに示すように、エアシリンダ18の動作で移送部材13が移動すると、移送部材13の側面22と供給ヘッド部材26の側面29がわずかの間隔で平行な状態となって対面する。そのために、ピストンロッド20の進退方向が進退軸線O−Oと直角に食い違った方向に進退するように、エアシリンダ18の取り付け姿勢が設定されている。このようにして移送部材13は、進退軸線O−Oと直角に食い違った方向に進退する。側面22と側面29が対面したときの間隔は、2mmである。
【0045】
図4から明らかなように、移送部材13が部品供給通路6に合致した位置に戻っている状態、すなわちX位置では、供給ヘッド部材26から離れた位置に存在しており、収容凹部14の通過部15は進退軸線O−Oと直角に食い違った方向に開放している。収容凹部14は縦支持部材9の内面で封鎖されているので、収容凹部14に入ってきたリベット1は、収容凹部14から不用意に転落したりすることがない。エアシリンダ18の動作で移送部材13が進出して通過部15が保持溝部30に合致すると、リベット1は永久磁石31の吸引力で供給ヘッド部材26側へ移動し、軸部2が保持溝部30に受け入れられる。上記の移送部材13が離れた位置に待機している状態は、図1(B)に示された距離Lで示されている。
【0046】
通過部15と保持溝部30が対面しているとき、すなわちY位置では、図4に示すように、フランジ部3の一部が保持面16上に載置されているともに、軸部2は保持溝部30に受け入れられている。このような状態を実現するために、供給ヘッド部材26と移送部材13との相対位置が前述のように2mm間隔とされ、また、保持溝部30の深さも深くなり過ぎないように設定してある。なお、図4(B)は、同図(A)のB−B断面を示している。また、図1(C)は、同図(B)のC−C断面を示している。
【0047】
図4に示すように、リベット1は図4(A)の紙面に対して垂直な方向から収容凹部14に進入し、その後、移送部材13が同図の右方へ移動させられ、ついでリベット1が保持溝部30側へ移動し、最後に移送部材13が左方へ復帰する。このような復帰動作の際に保持面16にフランジ部3の一部が載置されているので、移送部材13の復帰時に移送部材13の一部がフランジ部3に干渉しないようにしておく必要がある。そのために、移送部材13の一部に通過空間39が設けてあり、これによって移送部材13が復帰するときに、フランジ部3が相対的に通過空間39を通過する。前記通過空間39は、移送部材13の端壁部材40の下部に切欠き加工をして形成されたもので、保持面16に連なった状態となっている。
【0048】
前記移送部材13が移動して保持溝部30に収容凹部14の通過部15が対向して軸部2が収容凹部14から保持溝部30に移行したとき、フランジ部3の一部が供給ヘッド部材26の進出側の端面41から離隔した箇所に位置するように、ピストンロッド24の進退方向で見た保持面16と端面41の相対位置が設定されている。図4(B)から明らかなように、フランジ部3の上面と端面41の間に空隙が存在し、フランジ部3が供給動作のときに最先位置となっている。上記空隙が形成されないように、フランジ部3の一部が端面41に密着するようにしてもよい。
【0049】
なお、変形例として図4(C)に示すように、端面41が段形状になっていてもよい。また、図3(A)に2点鎖線で示すように、テーパ部42を形成してリベット1が円滑に収容凹部14に入るようにすることができる。
【0050】
つぎに、リベットの有無の検知について説明する。
【0051】
上述のように、リベット1が収容凹部14から保持溝部30に移行し、フランジ部3の一部が保持面16に支持されている状態で、前記押し込み手段(エアシリンダ)37を動作させてリベット1の有無を検知する(図4(B)参照)。エアシリンダ37の動作で部品押圧ロッド38が軸部2の上端に突き当たると、フランジ部3の一部が保持面16に着座しているので、部品押圧ロッド38は停止したままエアシリンダ37の空気圧が上昇する。この圧力上昇を電気信号に変換して、リベット1が正常に存在していることが検知される。この検知に引き続いて部品押圧ロッド38が元の位置に復帰し、それに引き続いて移送部材13の後退、エアシリンダ23の進出によって供給ヘッド部材26が進出し、最後にエアシリンダ37の押し込み動作でフランジ部3が受入孔33に供給される。このように供給ヘッド部材26が進出するときには、部品押圧ロッド38を一旦元の位置に復帰させてから進出させる。
【0052】
もし、パーツフィーダ7側のトラブルなどでリベット1が収容凹部14に送り込まれていないときには、部品押圧ロッド38は異常な進出ストロークとなり、この過長ストロークを電気信号に変換して、リベット1が正常に存在していることが検知される。
【0053】
リベット1が存在しているときの空気圧上昇を検知して電気信号に変換することは、一般的に使用されている圧力センサーを用いることによって簡単に検知できる。また、部品押圧ロッド38の過長ストロークは、供給ヘッド部材26の保持部28に取り付けたフォトセンサー(図示していない)などによって、簡単に電気信号に変換することができる。
【0054】
つぎに、リベットの移動軌跡を説明する。
【0055】
図6は、リベット1の移動軌跡線図である。移動軌跡線は、部品供給通路6から収容凹部14にリベット1が入ってくる導入軌跡線43、この導入軌跡線43に直交し移送部材13が保持溝部30の方へ移送される方向の移送軌跡線44、収容凹部14の通過部15から保持溝部30へ移行される進入軌跡線45、リベット1が受入孔33に向かって供給される供給軌跡線46によって形成されている。
【0056】
上述の実施例では、移送部材13は移送軌跡線44に沿って移動するものであるが、このような軌跡線44に換えて、図6(B)に示すように、進入軌跡線45だけにすることも可能である。このようにするためには、図1(B)に示した移送部材13を断面線C−Cの右側に配置して、収容凹部14が保持溝部30の真横から接近するように構造を変更する。このように変更されることにより、移送部材13が進退軸線O−Oに直交する向きに進退し、収容凹部14の通過部15が進退軸線O−Oに直交する向きに開放していることとなる。
【0057】
上記実施例では、出力軸の進退方向線である進退軸線O−Oを基軸にして関連部材の動作方向を設定するとともに、進退軸線O−Oが鉛直方向に配置してある。しかし、この進退軸線O−Oを傾斜させたり水平方向にしたりして装置の設置姿勢を変更することも可能である。
【0058】
押し込み手段の変形例を説明する。
【0059】
先に説明した押し込み手段は、部品押圧ロッド38による突き押しタイプであるが、図7に示した変形例は、空気噴射を利用したものである。すなわち、基部材25に下向きのノズル47が固定され、それに空気ホース48が接続されている。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0060】
エアシリンダ23の動作でフランジ部3が受入孔33の直前で停止すると、ノズル47から軸部2の端面に空気が噴射されてフランジ部3が受入孔33内へ押し込まれる。その後、供給ヘッド部材26が戻る際には、空気噴射が継続されて、リベット1の連れ戻しが防止される。このような動作は、前述の部品押圧ロッド38の動作と同じである。
【0061】
なお、上記各種のエアシリンダに換えて、進退出力をする電動モータを採用することもできる。また、上記各種の永久磁石を電磁石に置き換えることも可能である。
【0062】
上述の動作は、一般的に採用されている制御手法で容易に行わせることが可能である。制御装置またはシーケンス回路からの信号で動作する空気切換弁や、エアシリンダの所定位置で信号を発して前記制御装置に送信するセンサー等を組み合わせることによって、所定の動作を確保することができる。
【0063】
以上に説明した実施例1の作用効果は、つぎのとおりである。
【0064】
前記エアシリンダ23のピストンロッド24に結合されている基部材25に、ピストンロッド24の進出方向に(進退軸線O−Oに)突出している供給ヘッド部材26が取り付けられ、供給ヘッド部材26に形成した保持溝部30がピストンロッド24の進退方向に延びた状態で形成されている。そして、移送部材13はピストンロッド24の進退方向に対して直角に食い違った方向に進退する形態で配置してある。上述のように、供給ヘッド部材26がピストンロッド24の進退方向と同方向に延びているとともに、保持溝部30もピストンロッド24の進退方向と同方向に配置してあるので、装置100全体を細長くスリムにまとめることが出来て、狭い箇所に装置100を配備してリベット供給を行うことができる。
【0065】
また、移送部材13に収容したリベット1はピストンロッド24の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に通過部15を経て移行されるので、供給ヘッド部材26の進退空間に影響されることなく移送部材13の移行距離を短縮することができて、結果的に装置100全体のスリム化が実現する。つまり、移送部材13の設置に要する空間が、ピストンロッド24の進退方向に直交または直角に食い違う方向に異常に過大となることがない。
【0066】
さらに、リベット1の移動軌跡は、リベット1がピストンロッド24と同方向の部品供給通路6から収容凹部14に入って来る導入軌跡線43と、この導入軌跡線43に直交し移送部材13が保持溝部30の方へ移送される方向の移送軌跡線44と、収容凹部14の通過部15から保持溝部30へ移行される進入軌跡線45と、受入孔33に向かって供給される供給軌跡線46によって形成されている。ピストンロッド24の進退方向と同方向の導入軌跡線43と供給軌跡線46には必要に応じた長さを付与し、ピストンロッド24の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向の移送軌跡線44と進入軌跡線45は最短化することができる。したがって、リベット1の移動軌跡線の形態から装置100全体がピストンロッド24の進退方向に細長く形成することができて、制約された狭い箇所へのリベット供給が簡単に実行できる。
【0067】
前記部品供給通路6から移送部材13の収容凹部14に入ってきたリベット1は、そのフランジ部3が保持面16で受け止められ、リベット1はピストンロッド24の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に開放している通過部15から保持溝部30へ移動し、フランジ部3の一部が供給ヘッド部材26の端面41に密着またはこの端面41から離隔した箇所に位置するように、ピストンロッド24の進退方向で見た保持面16と端面41の相対位置が設定されている。したがって、エアシリンダ23の進出動作で供給ヘッド部材26が受入孔33の方へ進出するときには、進出方向の最先箇所にフランジ部3を位置付けることができ、フランジ部3を受入孔33へ確実に進入させることができる。
【0068】
前記エアシリンダ23の進出動作によりリベット1のフランジ部3が受入孔33の近傍に到達した時点で動作して、保持溝部30に保持されている軸部2の端部に押圧力を付与する押し込み手段、すなわちエアシリンダ37が基部材25に設けられ、エアシリンダ37の押圧力によってフランジ部3を受入孔33内へ進入させるように構成した。
【0069】
このように、フランジ部3が受入孔33の近傍に到達した位置で押し込み手段37による押し込み力が軸部2の端部に作用するので、軸部2は保持溝部30の内壁にその長さ方向、すなわち出力軸O−Oの進出方向に摺動しながら確実に受入孔33内へ進入させられる。また、フランジ部3が受入孔33の近傍に到達した位置で押し込み手段37を動作させるものであるから、供給ヘッド部材26が受入孔33を形成している部材34に衝突することがなく、信頼性の高いリベット供給が可能となる。
【0070】
前記進退駆動手段23の後退動作により基部材25が後退するとき、押し込み手段37の押圧力が軸部2の端部に作用し続けることにより、フランジ部3が受入孔33に入りきった状態が維持されるように構成した。
【0071】
このように基部材25が後退するとき、押し込み手段37による押圧力が軸部2の端部に作用し続けるものであるから、供給ヘッド部材26の保持溝部30の部分が後退するときに、リベット1は受入孔33に入りきった状態、すなわちフランジ部3の表面が受入孔33の底面35に密着した状態で静止している。そして、軸部2に対する吸引手段31の吸引力が消滅する位置まで供給ヘッド部材26が後退すると、押し込み手段37の押圧力は解除される。したがって、供給ヘッド部材26が後退するときに、リベット1が保持溝部30の部分に吸引されて連れ戻されることが防止でき、確実なリベット供給が達成される。
【0072】
リベット1が収容凹部14から保持溝部30に移行したとき、フランジ部3の一部が保持面16に支持されるように供給ヘッド部材26と移送部材13との相対位置が設定され、フランジ部3の一部が保持面16に支持されている状態で押し込み手段37を動作させてリベット1の有無を検知するように構成した。
【0073】
リベット1の軸部2が保持溝部30に入り込んでいてフランジ部3が収容凹部14の保持面16に着座している状態で押し込み手段37の押圧力が軸部2の端部に作用する。したがって、リベット1が正常に存在するときには、押し込み手段37の押圧力の反力を検知して、リベット1が存在していることが確実に判明する。一方、何等かの原因でリベット1が存在しないときには、押し込み手段37の押圧力の反力が検知されないので、リベット1の不存在が確実に判明する。このように、押し込み手段37をリベット1の有無の検知にも活用するので、押し込み手段37を多機能的に機能させて装置構造を効果的に簡素化できる。さらに、押し込み手段37による検知動作は、受入孔33に向かう供給動作の前に実行されるので、リベット不存在の異常事態を事前に早期検知をすることができて、リベット不存在の状態で供給動作をするといった無駄な供給動作を回避することができる。
【0074】
供給ヘッド部材26に対向した箇所に位置している移送部材13が、部品供給通路6に連通する位置に復帰するときに、フランジ部3が相対的に通過できる通過空間39が移送部材13の一部に形成されている。
【0075】
頭部材3が相対的に通過できる通過空間39が移送部材13の一部に形成されているので、軸部2が保持溝部30に入り込んだ状態でフランジ部3の一部が保持面16上を相対的に摺動しながら移送部材13の後退が可能となる。このため、フランジ部3と供給ヘッド部材26の端面41の相対位置が正確に維持される。これによりフランジ部3が供給ヘッド部材26の端面41から突出した状態が確保できる。また、移送部材13が後退するときにフランジ部3に対して移送部材13の一部が干渉しないので、移送部材13の後退動作が円滑になされる。
【0076】
図1(B)に示すように、ピストンロッド20の先端にピストンロッド20と直交する方向に配置した結合部材21と、この結合部材21に固定されピストンロッド20の後退方向に延びた状態で配置した移送部材13によって、ピストンロッド20と結合部材21と移送部材13がほぼコ字型に配置されている。したがって、ピストンロッド20の先端に直接移送部材13が結合されるものではなく、エアシリンダ18の進退方向で見たスペースが少なくて済むという効果がある。また、図1(B)や図2に示すように、供給ヘッド部材26の保持部28とエアシリンダ18が対向した状態で配置され、移送部材13は保持部28とエアシリンダ18の間の空間32に進入するようになっている。したがって、保持部28、移送部材13およびエアシリンダ18などの部材をコンパクトにまとめることが可能となる。
【実施例2】
【0077】
図8は、本発明の実施例2を示す。
【0078】
この実施例は、先の実施例における押し込み手段を止めて、受入孔33内へリベット1を吸引する形式のものである。受入孔33が設けられている部材34に吸引手段が組み込んである。吸引手段としては磁石や空気吸引方式など種々なものが採用できるが、ここでは前者の磁石であり、永久磁石49が採用されている。この永久磁石49の吸引力は、保持溝部30に保持されている軸部2に作用する永久磁石31の吸引力よりも強く設定してある。それ以外の構成は、図示されていない部分も含めて先の実施例1と同じであり、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
【0079】
こうすることにより、フランジ部3が受入孔33の直前に停止すると、永久磁石49の吸引力が永久磁石31の吸引力を上回るので、リベット1は強制的に受入孔33内へ引き込まれて、部品供給が完了する。
【0080】
本実施例2の作用効果は、つぎのとおりである。
【0081】
前記進退駆動手段23の進出動作でリベット1のフランジ部3が受入孔33の近傍に到達したときに、フランジ部3を受入孔33内へ進入させるための吸引手段49が、受入孔33を形成している部材34に設置されている。
【0082】
受入孔33の近傍に到達したフランジ部3が永久磁石49で受入孔33内へ引き込まれるので、上述のような押し込み手段37を基部材25に配置する必要がなく、構造簡素化にとって有利である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
上述のように、本発明の装置によれば、受入孔に対する部品の供給方向に沿わせて装置の各部材を配置することにより、装置全体を部品の供給方向においてスリムに形成することができ、しかも部品の移行を確実に行うことができる。したがって、自動車の車体組立工程や、家庭電化製品の板金組立工程などの広い産業分野で利用できる。
【符号の説明】
【0084】
1 リベット、部品、頭部材付き軸状部品
2 軸部
3 フランジ部、頭部材
4 静止部材
5 通路部材
6 部品供給通路
9 縦支持部材
10 横支持部材
11 収容空間
13 移送部材
14 収容凹部
15 通過部
16 保持面
18 移送駆動手段、エアシリンダ
23 進退駆動手段、エアシリンダ
24 ピストンロッド、出力軸
O−O 進退軸線
25 基部材
26 供給ヘッド部材
30 保持溝部
31 吸引手段、永久磁石
33 受入孔
34 受入孔が設けられた部材
36 永久磁石
37 押し込み手段、エアシリンダ
38 部品押圧ロッド
39 通過空間
41 端面
49 吸引手段、永久磁石
100 装置全体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止部材に取り付けられた進退駆動手段によって部品が保持された供給ヘッドを進出させて部品を目的箇所である受入孔へ供給する形式のものにおいて、
前記部品は、軸部に頭部材が一体化された頭部材付き軸状部品であり、
前記進退駆動手段の出力軸に結合されている基部材に前記出力軸の進出方向に突出している供給ヘッド部材が取り付けられ、
前記供給ヘッド部材に、該供給ヘッド部材に設けた吸引手段の吸引力によって前記軸部を保持して前記部品と前記供給ヘッド部材の相対位置を設定するとともに、前記出力軸の進退方向に延びた状態で形成された保持溝部が設けられ、
部品供給通路を経て送給されてきた前記部品を収容するとともに、前記静止部材に取り付けられた移送駆動手段によって前記出力軸の進退方向に対して直角に食い違った方向または直交する方向に進退する移送部材が前記供給ヘッド部材から離れた位置に設けられ、
前記移送部材には、前記頭部材を支持し前記部品のストッパ機能を果たす保持面が形成された収容凹部が前記部品供給通路に連通しているとともに、前記収容凹部に前記出力軸の進退方向と直角に食い違った方向または直交する方向に開放している通過部が形成され、
前記移送部材が前記移送駆動手段の動作によって移動して前記保持溝部に前記収容凹部の通過部が対向して前記軸部が前記収容凹部から前記保持溝部に移行したとき、前記頭部材の一部が前記供給ヘッド部材の端面に密着または前記端面から離隔した箇所に位置するように、前記出力軸の進退方向で見た前記保持面と前記端面の相対位置が設定されていることを特徴とする頭部材付き軸状部品の供給装置。
【請求項2】
前記進退駆動手段の進出動作により前記部品の頭部材が前記受入孔の近傍に到達した時点で動作して、前記保持溝部に保持されている前記軸部の端部に押圧力を付与する押し込み手段が前記基部材に設けられ、前記押圧力によって前記頭部材を前記受入孔内へ進入させるように構成した請求項1記載の頭部材付き軸状部品の供給装置。
【請求項3】
前記進退駆動手段の後退動作により前記基部材が後退するとき、前記押圧力が前記軸部の端部に作用し続けることにより、前記頭部材が前記受入孔に入りきった状態が維持されるように構成した請求項2記載の頭部材付き軸状部品の供給装置。
【請求項4】
前記部品が前記収容凹部から前記保持溝部に移行したとき、前記頭部材の一部が前記保持面に支持されるように前記供給ヘッド部材と前記移送部材との相対位置が設定され、前記頭部材の一部が前記保持面に支持されている状態で前記押し込み手段を動作させて部品の有無を検知するように構成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の頭部材付き軸状部品の供給装置。
【請求項5】
前記進退駆動手段の進出動作で前記部品の頭部材が前記受入孔の近傍に到達したときに、前記頭部材を前記受入孔内へ進入させるための吸引手段が、前記受入孔を形成している部材に設置されている請求項1記載の頭部材付き軸状部品の供給装置。
【請求項6】
前記供給ヘッド部材に対向した箇所に位置している前記移送部材が、前記部品供給通路に連通する位置に復帰するときに、前記頭部材が相対的に通過できる通過空間が前記移送部材の一部に形成されている請求項1〜請求項5のいずれかに記載の頭部材付き軸状部品の供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−152887(P2012−152887A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27811(P2011−27811)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000196886)
【Fターム(参考)】