説明

顆粒状アンモニウムニトリルの製造方法

顆粒状アンモニウムニトリルの製造方法。
アンモニウムニトリルをバインダーおよび場合によりさらなる添加剤と一緒に顆粒化し、同時に乾燥することからなる顆粒状アンモニウムニトリルの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1種または2種以上のアンモニウムニトリルからなる漂白活性剤顆粒を製造する方法であって、前記アンモニウムニトリルを、圧縮空気により生じる(pneumatisch erzeugten)流動層における水の存在下で、バインダーおよび場合によりさらに添加剤と一緒に顆粒化させ、そして同時に乾燥させることを特徴とする前記製造方法に関する。流動層顆粒は、非常に均一な形態、高い耐磨耗性、良好な貯蔵安定性、および高い活性成分含量を特徴とする。
【背景技術】
【0002】
漂白活性剤はコンパクト洗剤、染み抜き剤および食器洗浄機用洗剤における重要な成分である。慣用の漂白活性剤は、40℃〜60℃における過酸化水素供与体(ほとんどの場合に過ホウ酸塩、過炭酸塩、過ケイ酸塩および過リン酸塩)との反応で有機パーオキシカルボン酸を遊離させることによって、煮沸洗浄に匹敵する漂白効果を可能にする。
【0003】
達成される漂白効果は、形成するパーオキシカルボン酸の性質および反応性、過加水分解される(perhydrolysierenden)結合の構造、および漂白活性剤の水溶性によって決まる。漂白活性剤として多くの物質が当業者に公知である。これらは通常、O-アシル- またはN-アシル-基を持つ反応性有機化合物であり、それは粉末洗剤混合物中において、好ましくは残留湿度の存在下で、2つの成分が保護されていない形態で存在する場合に、例えば過ホウ酸ナトリウムのような漂白剤と反応することができる。
【0004】
漂白活性剤の代表的な例は、例えば、N,N,N',N'-テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ノナノイルカプロラクタムフェニルスルホン酸エステル(APES)、グルコースペンタアセテート(GPA)、キシローステトラアセテート(TAX)、アシルオキシベンゼンスルホネート(例えば、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、ナトリウム-4-ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(SBOBS)、ナトリウムトリメチルヘキサノイルオキシ-ベンゼンスルホネート(STHOBS))、ジアセチルジオキソヘキサヒドロトリアジン(DADHT)、テトラアセチルグリコルリル(TAGU)、テトラアセチルシアン酸(TACA)、ジ-N-アセチルジメチルグリオキシン(ADMG)および1-フェニル-3-アセチルヒダントイン (PAH)およびニトリロトリアセテート (NTA)である。これらの漂白活性剤は、40℃〜60℃の温度範囲において最も大きな作用を示す。
【0005】
アンモニウムニトリル(「四級ニトリル(Nitrilquats)」)は、特定の種類の陽イオン性漂白活性剤を形成する。このタイプの化合物は、10℃〜50℃の範囲における低い温度でその効果を発揮する。
【0006】
四級ニトリルの製造およびそれらの漂白剤における漂白活性剤としての使用は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5に記載されている。
【0007】
特許文献6、特許文献7および特許文献8には、できるだけ大きな面積を有するキャリアー物質、例えばシリカをアンモニウムニトリル水溶液中に入れ撹拌することにより、または前記水溶液をキャリアーに噴霧または混合し、その結果得られる混合物を上昇させた温度で減圧下において乾燥させることにより、アンモニウムニトリル、特に環状のアンモニウムニトリルを固体洗剤および洗浄剤(Reinigungsmittel)に添加するために固体の形態に変換することが記載されている。明細書に記載される顆粒および粒子は、20重量%までの、好ましくは1重量%未満の含水量を有する。これらの生成物、特に直鎖状のアンモニウムニトリルの吸湿性および貯蔵安定性は、熱乾燥工程における加水分解過敏性アンモニウムニトリルの部分的分解のように、大気中の水分が変動する場合に満足できるものではない。
【0008】
特許文献9には、漂白活性剤としてアンモニウムニトリルを、場合によりそれ以上の漂白活性剤、例えばアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸またはテトラアセチルエチレンジアミンとの混合物中において含み、そして有機過酸化物およびアルカリ金属カルボン酸塩を含む漂白剤が記載されている。前記明細書には、アンモニウムニトリルの加水分解過敏性を最小にすることができる方法は記載されていない。
【特許文献1】欧州特許出願公開(EP-A)第0 303 520号明細書。
【特許文献2】欧州特許出願公開(EP-A)第0 464 880号明細書。
【特許文献3】欧州特許出願公開(EP-A)第0 458 396号明細書。
【特許文献4】欧州特許出願公開(EP-A)第0 897 974号明細書。
【特許文献5】欧州特許出願公開(EP-A)第0 790 244号明細書。
【特許文献6】国際公開(WO)第98/23531号明細書。
【特許文献7】国際公開(WO)第00/58273号明細書。
【特許文献8】国際公開(WO)第00/36061号明細書。
【特許文献9】欧州特許(EP)第1 122 300号明細書。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これまで記載されたアンモニウムニトリルの調製に関する方法は全て、広い温度範囲で良好な漂白作用を持つ組成物に関する要件、および高い活性成分含有量を持つ固体粒子の高い貯蔵安定性を、満足できる程度に満たすことはなかった。
【0010】
従って、貯蔵安定性を有し、洗剤および洗浄剤組成物に問題なく組み込むことができるように、四級ニトリルを、場合によりさらなる漂白活性剤および添加剤とともに調合することを目的とする。
【0011】
本発明は、圧縮空気により生じる流動層において、水の存在下で、アンモニウムニトリルをバインダーおよび場合によりさらなる添加剤と一緒に顆粒化し、それと同時に乾燥させることを特徴とする、顆粒状アンモニウムニトリルの製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明により、式1
【0013】
【化1】

【0014】
で表されるアンモニウムニトリルを顆粒化することができ、式中、R1、R2、R3は同一のまたは異なる、直鎖状のまたは分岐したC1〜C24-アルキル基、C2〜C24-アルケニル基またはC1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル基、置換されたまたは置換されていないベンジルであるか、または、R1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒に、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシ、C1〜C5-アルカノイル、フェニル、アミノ、アンモニウム、シアノ、シアナミノ(Cyanamino)、塩素または臭素で置換されてもよく、そして窒素原子に加えて、炭素原子の代わりに1つもしくは2つの酸素もしくは窒素原子、N-R6基またはR3-N-R6基を含むことができる、4から6個のC-原子を有する環を形成し、R6は水素、C1〜C5-アルキル、C2〜C5-アルケニル、C2〜C5-アルキニル、フェニル、C7〜C9-アリールアルキル、C5〜C7-シクロアルキル、C1〜C6-アルカノイル、シアノメチルまたはシアンであり、R4および R5は水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルケニル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、フェニルまたはC1〜C3-アルキルフェニル、好ましくは、水素、メチルまたはフェニルであり、特にR4は、R5が水素でない場合に水素であり、そしてAはアニオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、ピロリン酸イオン、メタリン酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、ホスホン酸イオン、メチルホスホン酸イオン、メタンジスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、または式R7SO3-、R7SO4-またはR7COO-のアニオンであり、R7はC1〜C20-アルキル、好ましくはC10〜C18-アルキル、さらにC1〜C18-アルキルフェニルも意味する。アニオンとしては、クメンスルホン酸イオンおよびC12/18-アルコール硫酸イオンが特に好ましい。
【0015】
式2、
【0016】
【化2】

【0017】
で表されるアンモニウムニトリルが好ましく、式中、R1、R2およびR3は、1〜24個の炭素原子を有する直鎖状のまたは分岐した、飽和または不飽和アルキル基、2〜24個の炭素原子を有するアルケニル基、または置換されたまたは置換されていないベンジルであり、Aは任意の電荷平衡(ladungsausgleichendes)イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、フッ化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、ピロリン酸イオン、メタリン酸イオン、硝酸イオン、メチル硫酸イオン、ホスホン酸イオン、メチルホスホン酸イオン、メタンジスルホン酸イオン、メチルスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、または式R7SO3-、R7SO4-またはR7COO-のアニオンであり、R7は上述のとおりである。アニオンとしては、クメンスルホン酸イオンおよびC12/18-アルコール硫酸イオンが特に好ましい。
【0018】
R1、R2およびR3がそれぞれメチル基である、式2の化合物が特に好ましい。前記電荷平衡アニオンは、任意の、好ましくは塩化物またはメト硫酸イオン(Methosulfat)または異なるアニオンの混合物、例えば塩化物またはメト硫酸イオンおよびクメンスルホン酸イオンおよび/またはラウリル硫酸イオンおよび/または脂肪酸アルキル炭酸イオンでよい。
【0019】
好ましい実施態様においては、アンモニウムニトリルをさらなる(第2の)漂白活性剤と一緒に混合する。このさらなる漂白活性剤は固体であり、当然アンモニウムニトリルとは異なる構造を有する。ここでは、N,N,N',N'-テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ノナノイルカプロラクタムフェニルスルホン酸エステル(APES)、グルコースペンタアセテート(GPA)、キシローステトラアセテート(TAX)、アシルオキシベンゼンスルホネート(例えば、ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)、ナトリウム-4-ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(SBOBS)、ナトリウムトリメチルヘキサノイルオキシ-ベンゼンスルホネート(STHOBS))、ジアセチルジオキソヘキサヒドロトリアジン(DADHT)、テトラアセチルグリコルリル(TAGU)、テトラアセチルシアン酸(TACA)、ジ-N-アセチルジメチルグリオキシン(ADMG)、1-フェニル-3-アセチルヒダントイン (PAH)およびニトリロトリアセテート(NTA)が考えられる。共に加える漂白活性剤としてはTAEDが好ましい。
【0020】
すべての漂白活性剤、すなわちアンモニウムニトリルおよびさらなる漂白活性剤の混合物の全量は、乾燥させたコーティングされてない完成顆粒を基準として、一般には25〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、さらにとりわけ45〜55重量%である。アンモニウムニトリル単独の重量分率は、乾燥させたコーティングされてない完成顆粒を基準として、一般には1〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
【0021】
適当なバインダーとしては、セルロースおよび澱粉、およびそれらのエーテルまたはエステル、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)またはヒドロキシエチルセルロース(HEC)および対応する澱粉誘導体、ならびにフィルム形成ポリマー、例えばポリアクリル酸またはその塩が挙げられる。本発明の目的に適当なバインダーとしては、特に粉末状の陰イオン性成分、特にアルカンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールスルホネート、特にクメン-、キシレン-、トルエンスルホネート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、α-オレフィンスルホネートおよび石鹸もまた適している。
【0022】
バインダーの量は、完成顆粒を基準として1〜45重量%、好ましくは5〜30重量%でよい。
【0023】
好ましい実施態様において、本発明の顆粒はさらに、さらなる添加剤、好ましくは酸性添加剤を含み、それはアンモニウムニトリルの吸湿性および加水分解過敏性を低下させる。適当な酸性添加剤としては、硫酸、硫酸水素ナトリウム、リン酸、リン酸水素ナトリウム、ホスホン酸およびその塩、無水または水和物形態でのクエン酸、グリコール酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、グルタル酸無水物、アジピン酸、アジピン酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸または乳酸のようなカルボン酸またはその塩、ならびに酸性ポリマーが挙げられる。特に適した酸性添加剤は、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、またはアクリル酸およびマレイン酸のコポリマー(Sokalan(R)-タイプ)である。
【0024】
酸性添加剤の量を測定した結果、完成顆粒における酸性添加剤の割合は、約0〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、とりわけ10〜18重量%であった。
【0025】
本発明による顆粒化のための方法は、原則的に、すべての成分を固体形態で別々にまたは一緒に流動層装置に計量供給し、水を添加することにより実施することができる。別の選択として、すべての成分を水溶液または水性懸濁液の形態で、別々にまたは一緒に、流動層装置に加えることも可能である。実際には、以下に記載するようなこの方法の種々の変法が好ましい。アンモニウムニトリルは吸湿性であり、従って固体形態で単離されにくいので、本発明の顆粒化方法においては、これらのアンモニウム化合物の合成の間に生成するような、水溶液の形態でアンモニウムニトリルを用いるのが望ましい。さらにアンモニウムニトリルではないさらなる漂白活性剤、およびバインダーおよび場合により酸性の添加剤は、固体の形態で、アンモニウムニトリルの水溶液に溶解させて、または別の水溶液として計量供給することができる。
【0026】
好ましい実施態様において、アンモニウムニトリル、さらなる漂白活性剤、バインダーおよび酸性添加剤を含んでなる水性スプレースラリー(Spruehslurry)は、 撹拌容器において(移動式の)ウルトラ-タラックス(Ultra-Turrax)を用いて撹拌しながら、室温で、場合により25℃〜85℃の温度に加熱して製造され、適当なポンプ(例えばペリスタルティックポンプ)によりノズルに汲み上げられて、流動層に下から噴霧される。
【0027】
例えばこの方法により、最終顆粒における個々の成分の活性成分の割合として計算される、それぞれ25〜30重量%、好ましくは27.8重量%のアンモニウムトリル、クメンスルホン酸ナトリウムおよびTAED、ならびに15〜20重量%、好ましくは16.7重量%のSokalan CP45を含むスプレースラリーを顆粒化することができる。工程に関するこの変法、すなわち水性スプレースラリーの形態ですべての成分を供給することは、円筒型(runden)の流動層装置でも角型(rechteckigen)の流動層装置でも実施することができる。
【0028】
もう1つの好ましい実施態様においては、第2のシートメタル触媒(Blechkatalysators)の一部分のみが、上述のような、アンモニウムニトリル、バインダーおよび酸性添加剤を含むスプレースラリーに計量供給され、この第2の触媒の残りは、個別に固体形態で加えられる。本発明の方法において生成するような、完成顆粒における粉末(Staubanteile)画分はまた、固体として流動層に戻すことができる。このように粉末画分を戻すことは、本発明における全ての変法において原則的に可能なことである。
【0029】
このようなさらなる固体の供給、例えば最終顆粒の粉末様の微粒子画分または、粉末状の組成物成分、例えばTAEDは、流動層における核粒子濃度(Keimkonzentration)を高くするために好ましい。添加は、アンモニウムニトリル溶液の噴霧化の前に、または好ましくはこれと同時に行われる。前記固体は、アンモニウムニトリル溶液と一緒に添加することもでき、これらの液体成分の混合は、好ましくは噴霧化の前に、またはノズルにおいて直接行われる。好ましくは、1250 μm以下の粒度を有する核となる粉末物質の計量添加が行われる。
【0030】
流動層からの完成顆粒の排出は、顆粒の分粒による有利な方法で行われる。この分粒は、向流型の気流(シフターエアー(Sichterluft))を用いて中心管で行うことができ、それは特定の粒度以上の粒子のみを流動層から排出し、そして小さい粒子を流動層に留置させる、というように制御されている。造粒層の上方にガス流によって集められた粒子は分離され(例えばフィルターまたはサイクロン)、場合により、ガスにより噴流した微小粉末は下流の分離器、例えば湿式洗浄機において分離することができる。除去された粉末は、新たなウェッティング(Benetzung)が行われるスプレーノズルの領域において流動層に戻される。本発明による好ましい顆粒は、0.4〜2.5 mmのd50値を有する。特に好ましい実施態様においては、1.4 mmより大きい粒子画分が戻される。この粗い画分は、粉砕後に固体成分として流動層に添加されてもよく、または再び溶解され流動層に噴霧される。
【0031】
好ましい実施態様において、下からの気流は加熱されたまたは加熱されていないシフターエアーおよび加熱された底部の空気(Bodenluft)からなる。その際、底部の空気温度は好ましくは85〜95℃、好ましくは90〜93℃である。流動気体は、溶剤の成分の熱の喪失の結果としておよび蒸発熱の結果として冷却される。それにより流動層における層全体(Schichtmasse)の温度は、50〜70℃、好ましくは60〜63℃に調節される。排気温度は、好ましくは55℃〜65℃である。流動層顆粒化により、生成物の含水量を広い範囲で調節することができる。本発明による方法においては、流動層における顆粒化と同時に乾燥が行われる。
【0032】
本発明の好ましい実施態様においては、乾燥が行われ、その結果、コーティングしていない共顆粒(Co-Granulat)を基準として、顆粒の含水量は2重量%以下に、そして漂白活性剤含量は50重量%以上になる。
【0033】
少なくとも0.4 mの大きさを持つ底板(Bodenplatten)を備えている円筒型の流動層装置を使用するのが好ましい。0.4 m〜3 m、例えば1.2 mまたは2.5 mの直径を持つ底板を備える流動層装置が特に好ましい。もう1つの好ましい実施態様において、流動層装置は角型の形状を示すことができる。底板としては、多孔性の底板またはまたはConidur板、ワイヤーメッシュ、または多孔板とグリッドとを組み合わせたものを使用することができる。
【0034】
本発明により得られた顆粒は、直接洗剤および洗浄剤に使用されるのに適している。しかし、好ましい使用形態においては、公知の方法に従ってコーティングシェル(Coatinghuelle)を伴っていてもよい。これに関して、顆粒はフィルム形成物質を用いる追加の段階においてコーティングされ、それにより生成物の特性は大きく影響を及ぼされ得る。ワックス、シリコン、脂肪酸、脂肪族アルコール、石鹸、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性および陽イオン性ポリマー、ポリエチレングリコールならびにポリアルキレングリコールのような全てのフィルム形成物質が、コーティング物質として適している。C8〜C31-脂肪酸(例えば:ラウリン-、ミリスチン-、ステアリン酸)、ジカルボン酸、例えばグルタル酸、アジピン酸またはそれらの無水物;ホスホン酸、場合によりその他の慣用のコーティング物質、特に脂肪酸、例えばステアリン酸、C8〜C31-脂肪族アルコールとの混合物におけるホスホン酸;ポリアルキレングリコール(例えば1000〜50000 g/molの分子量を有するポリエチレングリコール);非イオン物質(例えば1〜100モルEOを有するC8〜C31-脂肪族アルコールポリアルコキシレート);陰イオン性物質(例えばC8〜C31-炭化水素ラジカルを有するアルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート);ポリマー(例えばポリビニルアルコール);ワックス(例えば:モンタンワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、ポリオレフィンワックス);シリコンが適している。
【0035】
さらに、30〜100℃の範囲で軟化または溶融するコーティング物質は、この温度範囲内で軟化または溶融しないさらなる物質、例えばポリマー(例えば不飽和カルボン酸および/またはスルホン酸、およびそれらのアルカリ金属塩、セルロースエーテル、澱粉、澱粉エーテル、ポリビニルピロリドンのホモ-、コ-またはグラフトコポリマー);有機物質(例えば3〜8個の炭素原子を有する一塩基性または多塩基性カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸またはエーテルカルボン酸、およびそれらの塩);着色料;無機物質(例えばケイ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩)を、溶解したまたは懸濁した形態で含むことができる。
【0036】
コーティングされた活性剤顆粒の所望の性質に応じて、コーティング物質の濃度は、コーティングされた活性剤顆粒を基準にして、1〜30重量%、好ましくは5〜15重量%にすることができる。
【0037】
コーティング物質の塗着のために、ミキサー(機械的に誘導される流動層)および流動層装置(圧縮空気により誘導される流動層)を使用することができる。ミキサーとしては、例えばプラウシェアミキサー(Pflugscharmischer)(連続式および回分式)、環状層ミキサー(Ringschichtmischer)またはSchugiミキサーを用いることができる。ミキサーの化合物の熱処理は、顆粒予熱器において、および/またはミキサーで直接、および/またはミキサーの下流の流動層において行われる。コーティングされた顆粒の冷却のために、顆粒冷却器または流動層冷却器を使用することができる。流動層装置の場合には、熱処理は流動化のために使用される熱ガスを通して行われる。流動層法によってコーティングされた顆粒は、顆粒冷却器または流動層冷却器を経るミキサー法と同様に冷却することができる。ミキサー法においても、流動層法においても、一流体または二流体ノズル装置(Einstoff- oder eine Zweistoffduesvorrichtung)からコーティング物質を噴霧することができる。前記熱処理は30〜100℃、ただし個々のコーティング物質の溶融温度または軟化温度と同じかまたはそれより下の温度での熱処理である。好ましくは、溶融温度または軟化温度のわずかに下の温度で行われる。
【0038】
熱処理の間の正確な温度あるいはコーティング物質の融点との温度差は、コーティング量、熱処理時間およびコーティングされた漂白活性剤顆粒の所望の特性に依存し、それぞれの系に対して予備試験により決定されなければならない。
【0039】
これに関する例およびコーティング方法が、欧州特許出願公開(EP-A)第0 835 926号明細書に記載されている。これらのコーティング物質の使用により、貯蔵安定性および吸湿性、およびその他の洗剤成分、特には強アルカリ性成分との適合性が大きく改善され、この方法においては、洗浄工程の開始における漂白活性剤と酵素系との間の相互作用を抑制するために目的とするような影響が反応速度に及ぶ。
【0040】
これに加えて、本発明による顆粒はさらに、本発明の顆粒の速い溶解に寄与する陰イオン性および非イオン性界面活性剤、および例えばホスホネートおよびポリホスホネートのように本発明の顆粒コア(Granulatkern)に使用される漂白剤安定剤のような適当な添加剤を含むことができる。
【0041】
好ましい陰イオン性界面活性剤は、以下の化合物:アルキルエーテルスルフェート、アルキルアミドスルフェートおよび-エーテルスルフェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、アルキルアミドスルホネート、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホアセテート、アルキルポリグリセロールカルボキシレート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルサルコシン酸塩、アルキルポリペプチデート(Alkylpolypeptidate)、アルキルアミドポリペプチデート、アルキルイソチオン酸塩、アルキルタウリン酸塩、アルキルポリグリコールエーテルカルボン酸、またはオレイン酸、リシノレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のような脂肪酸、または水素化ヤシ油酸塩のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコールの塩である。これらの化合物のアルキルラジカルはすべて、通常8〜32、好ましくは8〜32個のC原子を含む。非イオン界面活性剤としては、脂肪族アルコールのポリエトキシル化、ポリプロポキシル化またはポリグリセリル化されたエーテル、ポリエトキシル化、ポリプロポキシル化およびポリグリセリル化された脂肪酸エステル、脂肪酸およびソルビトールのポリエチルオキシル化エステルまたはポリエトキシル化またはポリグリセリル化された脂肪族アミドが好ましい。同様に、欧州特許出願公開(EP-A)第0 458 397号明細書および欧州特許出願公開(EP-A)第0 458 398号明細書に記載されるような錯化剤および遷移金属錯体、例えば鉄-、コバルト-またはマンガン-含有金属錯体が、添加剤に適している。さらに可能な添加剤は、洗浄液において活性剤から遊離したパーオキシカルボン酸と反応し、ジオキシランまたはオキサジリジンのような反応性中間体を形成する物質であり、それにより反応性を増加させることができる。これに相当する化合物は、米国特許出願公開(US-A)第3 822 114号明細書および欧州特許出願公開(EP-A)第0 446 982号明細書によるケトンおよびスルホンイミン(Sulfonimine)である。
【0042】
添加剤の量は、特にそれらの性質により調節される。過酸の作用を増加させるために、酸性化添加剤および有機活性剤が全重量を基準として0〜20重量%の量で、特に1〜10重量%の量で添加されるが、一方金属錯体はppmの範囲の濃度で添加される。
【0043】
本発明により製造された顆粒は、粉末状の洗剤、洗浄剤、消毒剤組成物における非常に優れた貯蔵安定性を特徴とする。これらは、標準的な洗剤、染み抜き剤、食器洗浄機用洗剤、粉末状多目的洗浄剤および義歯洗浄剤の用途において理想的である。
【0044】
これらの組成物において、本発明の顆粒は過酸化水素源と組み合わせて使用される。これらに関する例としては、過ホウ酸塩一水和物、過ホウ酸塩四水和物、過炭酸塩、ナトリウムが好ましいアルカリ金属であるアルカリ金属過硫酸塩、-過ケイ酸塩および-過クエン酸塩、および尿素またはアミンオキシドの過酸化水素付加物である。さらに、または代わりにパーオキシカルボン酸、例えばドデカンジ過酸(Dodecandipersaure)またはフタルイミドパーカルボン酸が加えられてもよく、それは場合により芳香族で置換されていてもよい。少量の、例えばホスホネート、ホウ酸塩、またはメタホウ酸塩およびメタケイ酸塩、および硫酸マグネシウムのようなマグネシウム塩のような公知である漂白剤安定剤を添加するのが好ましい。さらに前記組成物は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性の性質を持つ界面活性剤、有機および無機ビルダーおよびコビルダー(Co-Builder)、酵素、漂白活性剤、漂白触媒、塩、任意の増白剤、再沈着防止剤(Vergrauungsinhibitoren)、抑泡剤、金属イオン封鎖剤、および香料および着色料のようなさらなる洗剤成分を有していてもよい。
【0045】
好ましい非イオン性界面活性剤は、約1〜約25 molのエチレンオキシドを有する脂肪族アルコールオキセチレート(Fettalkoholoxethylate)である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖状または分岐状で、一級または二級でよく、一般に8〜22個の炭素原子を含む。さらに、10〜20個の炭素原子のアルキル鎖を含むアルコールと、アルコール1 molあたり2〜18 molのエチレンオキシドとの縮合物が特に好ましい。前記アルキル鎖は飽和していても不飽和でもよい。同様に、アルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い同族体分布(「狭範エトキシレート」)またはエチレンオキシドの広い同族体分布(「広範エトキシレート」)を有することができる。これらのタイプの市販のものを利用できる非イオン性界面活性剤の例は、TergitolTM 15-S-9(C11〜C15で直鎖の二級アルコールと9 molのエチレンオキシドとの縮合物)、TergitolTM 24-L-NMW(狭い分子量分布を有する、C12〜C14-直鎖の一級アルコールと6 molのエチレンオキシドとの縮合物)である。同様にクラリアント社のGenapolTMシリーズはこれらの製品群に分類される。
【0046】
さらに、8〜22個のC原子を有する脂肪族アルコールおよびアルキル鎖に6〜12個のC原子をもつアルキルフェノールのポリエチレン-、ポリプロピレン-、ポリブチレン-およびポリペンチレンオキシド付加物、プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合から形成されるエチレンオキシドと疎水性塩基との付加生成物、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との付加生成物のような非イオン性界面活性剤のその他の公知のタイプも適している。さらに半極性の非イオン性界面活性剤、例えばアミンオキシドを用いることもできる。適当なアミンオキシドとしては、特にC10〜C18-アルキルジメチルアミンオキシドおよびC8〜C12-アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが挙げられる。適当な陰イオン性界面活性剤としては、主に直鎖のおよび分岐したアルキルスルフェート、-スルホンネート、-カルボキシレート、-リン酸塩、アルキルエステルスルホネート、アリールアルキルスルホネート、アルキルエーテルスルフェートおよび上述された化合物の混合物が挙げられる。以下の記載により、いくつかの適当なタイプの陰イオン性界面活性剤についてさらに詳細に説明する。
【0047】
アルキルエステルスルホネート
アルキルエステルスルホネートは、「"The Journal of the American Oil Chemists Society", 52 (1975), pp. 323-329」において記載されるような、SO3によりスルホン化されるC8〜C20-カルボン酸の直鎖状エステル(すなわち脂肪酸)を表す。適切な出発物質は、例えば獣脂-またはパーム油脂肪酸のような天然の脂肪酸誘導体である。
【0048】
アルキルスルフェート
アルキルスルフェートは、Rが好ましくはC10〜C24-炭化水素ラジカル、好ましくは10〜20個のC原子を持つアルキル-またはヒドロキシアルキルラジカル、特に好ましくはC12〜C18-アルキル-またはヒドロキシアルキルラジカルである、式ROSO3Mの水溶性の塩または酸を表す。Mは水素またはカチオン、例えばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)、またはアンモニウムまたは置換されたアンモニウム、例えばメチル-、ジメチル-およびトリメチルアンモニウムカチオン、またはテトラメチルアンモニウム-およびジメチルピペリジニウムカチオンのような四級アンモニウムカチオン、およびエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンのようなアルキルアミンから誘導された四級アンモニウムカチオンおよびそれらの混合物を表す。C12〜C16を有するアルキル鎖が低い洗浄温度(例えば約50℃以下)に好ましく、C16〜C18を有するアルキル鎖が高い洗浄温度(例えば約50℃以上)に好ましい。
【0049】
アルキルエーテルスルフェート
アルキルエーテルスルフェートは、Rが、10〜24個のC原子を有する置換されていないC10〜C24-アルキル-またはヒドロキシアルキルラジカル、特に好ましくはC12〜C20-アルキル-またはヒドロキシアルキルラジカル、さらに好ましくはC12〜C18-アルキル-またはヒドロキシアルキルラジカルを表す、式RO(A)mSO3Mの水溶性の塩または酸である。Aはエトキシ-またはプロポキシ単位であり、mは0以上、典型的には約0.5〜約6、特に好ましくは約0.5〜約3の数であり、そしてMは水素原子、または例えば金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等)、アンモニウムまたは置換されたアンモニウムカチオンのようなカチオンである。置換されたアンモニウムカチオンの例は、メチル-、ジメチル-、トリメチルアンモニウム-、およびテトラメチルアンモニウムおよびジメチルピペリジニウムカチオンのような四級アンモニウムカチオン、ならびにエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンのようなアルキルアミン、それらの混合物などから誘導されるものである。例としては、カチオンがナトリウムまたはカリウムである、C12〜C18-アルキルポリエトキシレート(1,0)スルフェート、C12〜C18-アルキルポリエトキシレート(2,25)スルフェート、C12〜C18-アルキルポリエトキシレート(3,0)スルフェート、C12〜C18-アルキルポリエトキシレート(4,0)スルフェートが挙げられる。
【0050】
洗剤および洗浄剤に加えるのに使用できるその他の陰イオン性界面活性剤は、C8〜C24-オレフィンスルホネート、例えば英国特許(GB)第1,082,179号明細書に記載されるようなアルカリ土類金属クエン酸塩の熱分解産物のスルホン化によって製造されるスルホン化ポリカルボン酸、アルキルグリセロールスルフェート、脂肪族アシルグリセロールスルフェート、オレイルグリセロールスルフェート、アルキルフェノールエーテルスルフェート、直鎖のまたは分岐したアルキルベンゼンスルホネート、一級および二級パラフィンスルホネート、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アシルイセチオン酸塩のようなイセチオン酸塩、N-アシルタウリド、アルキルスクシンアマート(Alkylsuccinamate)、スルホコハク酸塩、スルホコハク酸塩のモノエステル(特に飽和および不飽和のC12〜C18-モノエステル)およびスルホコハク酸のジエステル(特に飽和および不飽和のC12〜C18-ジエステル)、アシルサルコシン酸塩、アルキルポリグリコシドの硫酸塩のようなアルキルポリサッカリドの硫酸塩、分岐の一級アルキルスルフェート、およびRがC8〜C22アルキル、kが0〜10の数字およびMが可溶性の塩を形成するカチオンである、式RO(CH2CH2)kCH2COO-M+のようなアルキルポリエトキシカルボキシレートである。ロジンまたは水素化ロジンまたはトール油樹脂またはトール油樹脂酸のような樹脂酸または水素化樹脂酸を同様に使用することができる。さらなる例は「“Surface Active Agents and Detergents“ (Vol. I und II, Schwartz, Perry und Berch)」に記載されている。これらの界面活性剤の多くは、米国特許(US)第3,929,678号明細書においても記載されている。
【0051】
本発明の組成物において使用される両性界面活性剤の例は、主に脂肪族ラジカルが直鎖状または分岐状でよく、脂肪族置換基の1つが8〜18個の炭素原子を含み、例えばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、またはホスホネートのようなアニオンの、水溶性基を含む、二級および三級脂肪族アミンとして記載される両性界面活性剤である。
【0052】
好ましい両性界面活性剤は、ココアンホカルボキシプロピオネート、ココアミドカルボキシプロピオン酸、ココアンホカルボキシグリシネート(ココアンホジアセテートとも呼ばれる)およびココアンホアセテートのようなモノカルボキシレートおよびジカルボキシレートである。
【0053】
さらに好ましい両性界面活性剤は、8〜22個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子、さらに好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖のまたは分岐したアルキルラジカルを持つアルキルジメチルベタイン、アルキルアミドベタインおよびアルキルジポリエトキシベタインである。これらの化合物は、例えばクラリアント社からGenagen(R)CABおよびLABの商品名で販売されている。
【0054】
陽イオン性界面活性剤の典型的な例は、四級アンモニウム化合物、四級エステル(Esterquats)、四級エーテル(Etherquats)、四級ヒドロキシエチル(Hydroxyethylquats)、四級エトキシレート(ethoxylierte Quats)、特に四級化脂肪酸アルカノールアミンエステル塩およびジアルキルアミノプロピルアミンエステル塩である。
【0055】
有機および無機のビルダー物質としては、沈殿させることができる中性の、または特にはアルカリ性の塩、または錯カルシウムイオンが適している。好ましくは、適当なおよび特に生態学的に許容される微小結晶質の、合成された水和性のNaA型のゼオライトで、100〜200 mg CaO/gの範囲のカルシウム結合性を示すようなビルダー物質が使用される。ゼオライトに加えて好ましくは層状ケイ酸塩および非晶質ケイ酸塩が使用される。アルカリ性、中性または酸性のナトリウム-またはカリウム塩の形態で存在することができるアルカリリン酸塩も適している。これに関する例は、リン酸三ナトリウム、二リン酸四ナトリウム、二リン酸二水素二ナトリウム、三リン酸五ナトリウム、いわゆるヘキサメタリン酸ナトリウム、5〜1000、特に5〜50のオリゴマー化度をもつオリゴマーのリン酸三ナトリウム、およびナトリウム-およびカリウム塩の混合物である。使用することができる有機ビルダー物質は、例えば、生態学的な見地において好ましくないものでなく、好ましくはナトリウム塩の形態で使用されるクエン酸、ニトリロアセテート(NTA)、およびエチレンジアミン四酢酸のようなカルボン酸、およびホスホン酸およびポリホスホン酸である。これと類似して、ポリマーのカルボン酸およびその塩もまた使用することができる。これらは例えばホモポリマーまたはコポリマーのポリアクリレート、ポリメタクリレート、および特にアクリル酸とマレイン酸、好ましくは50%〜10%のマレイン酸とのコポリマー、およびポリアスパラギン酸およびポリビニルピロリドンおよびウレタンの塩が含まれる。遊離酸を基準にして、ホモポリマーの相対分子量は、一般に1000〜100000であり、コポリマーの相対分子量は2000〜200000、好ましくは50000〜120000であり、特に例えば約1%のスブロース(Subrose)のポリアリルエーテルで架橋され、100万以上の相対分子量を持つ水溶性のポリアクリル酸塩が適している。これに関する例は、Carbopol 940および941 という名前で入手できるポリマーである。
【0056】
適当な酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ(Pullinasen)、クチナーゼ(Cutinasen)およびセルラーゼまたはこれらの混合物が挙げられる。プロテアーゼとしては、BLAP(R)、Opticlean(R)、Maxacal(R)、Maxapem(R)、Esperase(R)、Savinase(R)、Purafect(R)、OxPおよび/またはDuraxym(R)、アミラーゼとしては、Termamyl(R)、Amylase-LT(R)、Maxamyl(R)、Duramyl(R)、および/またはPruafect(R) OxAm、リパーゼとしては、Lipolase(R)、Lipomax(R)、Lumafast(R)、および/またはLipozym(R)を使用することができる。前記酵素は、キャリアー物質に吸収されおよび/またはコーティング物質中に包埋される。
【0057】
本発明により製造される漂白活性剤顆粒に加えて、あるいは洗剤組成物は、欧州特許(EP)第446 982号明細書および欧州特許(EP)第 453 003号明細書により公知のスルホンイミンおよび/または漂白を強化する遷移金属塩または遷移金属錯体をいわゆる漂白触媒として含むことができる。
【0058】
使用される塩または増量剤としては、例えば硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムまたはケイ酸ナトリウム(水ガラス)が挙げられる。
【0059】
洗剤組成物のさらなる成分としては、蛍光増白剤、例えばジアミノスチルベンジスルホン酸の誘導体、またはそれらのアルカリ金属塩、および脂肪酸アルキルエステルアルコキシレートのような抑泡剤、有機ポリシロキサンおよびこれらの極微粒子状、場合によりシラン化されたケイ酸との混合物、ならびにパラフィン、ワックス、微晶質ワックスおよびこれらのシラン化されたケイ酸との混合物を用いることができる。種々の抑泡剤の混合物、例えばシリコン油、パラフィン油またはワックスからのようなものも使用することができる。抑泡剤は、好ましくは水において可溶性または分散性の顆粒状キャリアー物質中に結合させる。微量の重金属に結合させるために、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)およびジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP)のようなポリホスホン酸の塩を添加することができる。さらなる添加物質に関する典型的なそれぞれの例は、ホウ酸ナトリウム、セルロースおよび澱粉ならびにそれらのエーテルおよびエステル、スクロース、ポリデキストロースおよび高分子添加物である。
【0060】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0061】
トリメチルアセトニトリルメト硫酸塩/TAED共顆粒の流動層工程における顆粒化。
【0062】
実施例1:実験室での顆粒化
1)スプレースラリーの製造:
最初に、40 %のクメンスルホン酸ナトリウム水溶液486.1 gを、45 %のSokalan C45水溶液259.3 gと室温で混合した。その後、溶液の活性含有量が約46%である、55.6 %のアンモニウムニトリル水溶液422.7 gを徐々に添加した。アンモニウムニトリル溶液の添加の際に、アンモニウムニトリルおよびクメンスルホン酸ナトリウムからなる混合塩が部分的、一時的に沈殿するのを避けるために、添加の間混合溶液をウルトラ-タラックスを用いて激しく均質化した。最後に、194.4 g のTAED粉末(粉砕の前処理なしの)を添加し、TAEDの結晶を粉砕するために、懸濁液を約5分間ウルトラ-タラックスを用いて同様に処理した。このようにして得られた懸濁液は高い粘性を示し、沈殿を避けるために絶え間なく撹拌しなければならない。しかし、スラリーは高度に濃縮され(固体成分含有量 約55%)、室温で(すなわち複雑な加熱処理なしに)ペリスタルティックポンプを用いて問題なく運搬され、二流体ノズルを経て噴霧される。
【0063】
2)流動層顆粒化:
Glatt社の、流入直径D = 150 mmを持ち、噴霧ノズルが流動層に下から噴霧する、GPCG 1.1型の回分運転式実験用流動層を実験室における実験のために使用した。
【0064】
前記顆粒化工程を実施可能とするために、活性成分溶液を噴霧することができる流動量(Wirbelmasse)が必要である。具体的には、工程進行の開始においては通常、利用可能な適当な流動量がなく、従って通常はキャリアー物質を用いて開始する必要がある。しかしこれは、最初の開始物質が確実に交換されて、流動層に実際の目的生成物のみが存在するまで、非常に長時間にわたって工程が実施されなくてはならない。今回調べられた組成物の場合に、これらは流動層装置において非常によくスプレー乾燥されることが明らかになった。従ってキャリアー物質を用いる調合が可能であり、流動層としての所望の目的組成物とともにスプレー乾燥された粉末を製造することができる。従って面倒な交換工程がもはや必要ない。始動および上述のような交換段階が終了した後に、生成物の目的とする顆粒化を問題なく実施することができる。流動媒体を流動させるガス流量は、約33 m3/hであった。約110℃に開始する生成物の軟化および焼結効果から十分な距離を置くために、吸気口の雰囲気温度は約95℃に制限された。スプレー出力は溶液で約12〜19 g/min(固体では8〜10 g/minに相当する)に、流動層内の温度は約62〜63℃に調節され、この温度は安定に保持された。これらの操作条件とともに、排気口の雰囲気温度は約56〜57℃に調節された。最初に選択されたp = 0.8 barのスプレーガス圧では、顆粒は不均一な構造(球状ではなく、不規則な表面)を示した。より良い結果およびさらに均一な顆粒は、スプレーガス圧をp = 1 barに増加させた場合に得られた。
【0065】
これらの実験の条件を用いると、目標とする粒子範囲である630〜1250 μmで、約81%の顆粒の収率が達成された。顆粒の容積密度は510 g/lであった。最終顆粒の組成物は、26.3重量%のアンモニウムニトリル、26.3重量%のTAED、26.3重量%のNa-クメンスルホネート、15.8重量%のSokalan CP 45(洗浄活性物質を基準とする比率= 1:1:1:0.6)、および5.3重量%の第2の成分であった。
【0066】
実施例2:個別に添加する固体としてTAEDを用いる実験室での顆粒化
1) スプレースラリーの製造:
最初に、40 %のクメンスルホン酸ナトリウム水溶液347.2 gを、45 %のSokalan C45水溶液185.2 gと室温で混合した。その後、溶液の活性含有量が約49%である、59 %のアンモニウムニトリル水溶液284.6 gを徐々に添加した。アンモニウムニトリル溶液の添加の際に、アンモニウムニトリルおよびクメンスルホン酸ナトリウムからなる混合塩が部分的、一時的に沈殿するのを避けるために、添加の間混合溶液をウルトラ-タラックスを用いて激しく均質化した。
【0067】
2) 流動層顆粒化:
Glatt社の、流入直径D = 150 mmを持ち、噴霧ノズルが流動層に下から噴霧する、GPCG 1.1型の回分運転式実験用流動層を実験室における実験のために使用した。
【0068】
組成物を完成させるのに必要な139 g の量のTAEDを、予備実験からの495.7 gの流動層流動媒体(顆粒および粉砕された粗い媒体)と一緒に、流動層に導入した。前記媒体は約22〜31 m3/hのガス流量で流動化され、ガス吸気口温度は約90〜95℃であった。45分間かけて、810 gのスプレースラリーを流動層に14〜22 g/minの計量供給速度で噴霧した。この間、流動層の温度は約63〜71℃に調節された。これらの実験の条件を用いると、目標とする粒子範囲である630〜1250 μmで、約49%の顆粒の収率が達成された。顆粒の容積密度は472 g/lであった。最終顆粒の組成物は、26.3重量%のアンモニウムニトリル、26.3重量%のTAED、26.3重量%のNa-クメンスルホネート、15.8重量%のSokalan CP 45(洗浄活性物質を基準とする比率 = 1:1:1:0.6)、および5.3重量%の第2の成分であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顆粒状アンモニウムニトリルの製造方法であって、前記アンモニウムニトリルを、圧縮空気により生じる(pneumatisch erzeugten)流動層においてバインダーおよび場合によりさらなる添加剤と一緒に顆粒化し、同時に乾燥することを特徴とする前記製造方法。
【請求項2】
顆粒化されるアンモニウムニトリルが式1
【化1】

で表される化合物であることを特徴とし、そして
式中、R1、R2、R3は同一のまたは異なる、直鎖のまたは分岐したC1〜C24-アルキル基、C2〜C24-アルケニル基またはC1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル基、置換されたまたは置換されていないベンジルであるか、または、R1およびR2はそれらが結合する窒素原子と一緒に、C1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシ、C1〜C5-アルカノイル、フェニル、アミノ、アンモニウム、シアノ、シアナミノ(Cyanamino)、塩素または臭素で置換されてもよく、そして窒素原子に加えて、炭素原子の代わりに1つもしくは2つの酸素もしくは窒素原子、N-R6基またはR3-N-R6基を含むことができる、4から6個のC-原子を有する環を形成し、R6は水素、C1〜C5-アルキル、C2〜C5-アルケニル、C2〜C5-アルキニル、フェニル、C7〜C9-アリールアルキル、C5〜C7-シクロアルキル、C1〜C6-アルカノイル、シアノメチルまたはシアンであり、R4および R5は水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルケニル、C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル、フェニルまたはC1〜C3-アルキルフェニル、好ましくは、水素、メチルまたはフェニルであり、特にR4は、R5が水素でない場合に水素であり、そしてAはアニオンである、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
顆粒化されるアンモニウムニトリルが式2
【化2】

で表される化合物であることを特徴とし、そして
式中、R1、R2、R3は1〜24個の炭素原子を有する直鎖のまたは分岐した、飽和または不飽和のアルキル基、2〜24個の炭素原子を有するアルケニル基、または置換されたまたは置換されていないベンジルであり、そしてAはアニオンである、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
Aがアニオンである以下の式
【化3】


で表される化合物が顆粒化されることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
アンモニウムニトリルをさらなる漂白活性剤と一緒に顆粒化することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
アンモニウムニトリルをTAEDと一緒に顆粒化することを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項7】
使用されるバインダーが、アルカンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アリールスルホネート、特にクメン-、キシレン-、トルエンスルホネート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルフェート、α-オレフィンスルホネートまたは石鹸であることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
使用される酸性添加剤が、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸またはアクリル酸およびマレイン酸のコポリマーであることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項9】
それぞれ完成顆粒を基準として、全ての漂白活性剤の全量が25〜70重量%、バインダーの量が1〜45重量%および酸性添加剤の量が0〜30重量%で顆粒が製造されることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項10】
アンモニウムニトリル、バインダー、さらなる漂白活性剤および酸性添加剤を含んでなる水性スプレースラリー(Spruehslurry)が顆粒化されることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項11】
アンモニウムニトリル、バインダーおよび酸性添加剤を含んでなる水性スプレースラリーが、固体形態で個別に同時に計量供給されたさらなる漂白活性剤とともに顆粒化されることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
アンモニウムニトリル、バインダー、酸性添加剤および部分量のさらなる漂白活性剤を含んでなる水性スプレースラリーが、固体形態で個別に同時に計量供給された残りの部分量のさらなる漂白活性剤とともに顆粒化されることを特徴とする、請求項1記載の製造方法。
【請求項13】
請求項1記載の製造方法により製造された顆粒状アンモニウムニトリルを含んでなる洗剤、漂白剤および洗浄剤(Reinigungsmittel)。

【公表番号】特表2007−509188(P2007−509188A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505284(P2006−505284)
【出願日】平成16年4月27日(2004.4.27)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004426
【国際公開番号】WO2004/096756
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】