説明

顔料の高分子分散剤およびカラーフィルター用着色組成物

【課題】低温安定性に優れ、保存時の変質が抑制された顔料分散液を与える分散剤、特に低温安定性に優れ、保存時の変質が抑制されたカラーフィルター用着色組成物を提供すること。
【解決手段】分子量が100〜20,000のポリエチレンイミンからなる主鎖と、該主鎖に結合したグラフト鎖とからなり、上記グラフト鎖は、側鎖としてアルキル基を有する分子量が500〜40,000の低結晶性ポリアルカン酸エステルであり、該グラフト鎖の数が1分子当たり1〜20個であることを特徴とする顔料の高分子分散剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料の高分子分散剤(以下単に「分散剤」という)およびカラーフィルター用着色組成物に関し、さらに詳しくはカラーフィルター用着色組成物などに有用な顔料の分散剤および該分散剤を含むカラーフィルター用着色組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からグラフトポリマー型の分散剤として、ヒドロキシカルボン酸の縮合物とポリ(低級アルキレンイミン)からなるものが知られている。例えば、ヒドロキシカルボン酸の縮合物として、12−ヒドロキシステアリン酸の縮合物(ポリエステル)を用いた例がある(特許文献1)。
【0003】
また、ポリエチレンイミンとポリ(カルボニル−C3〜C6−アルキレンオキシ)鎖を骨格とし、カルボン酸を有するポリエステルからなる例(特許文献2)、ポリアルキレンポリアミンとポリアルカン酸またはポリアルケン酸の縮合物を原料として用いた例(特許文献3)が開示されている。
【0004】
上記特許文献によれば、これらの分散剤の具体的な合成の基礎となる技術は、何れもε−カプロラクトンの開環重合物を用いる方法である。ε−カプロラクトンの開環重合物の応用は良いアイデアではあるが、その反面、ポリカプロラクトンが高結晶性の重合体であることから、上記特許文献に記載の分散剤を用いて得られる顔料分散液は、低温安定性が乏しくなるという欠点を有している。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−30057号公報
【特許文献2】特公平6−77681号公報
【特許文献3】特開平9−313917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、上記の従来技術の欠点が解消され、低温安定性に優れ、保存時の変質が抑制された顔料分散液を与える分散剤、特に低温安定性に優れ、保存時の変質が抑制されたカラーフィルター用着色組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は以下の本発明によって達成される。
1.分子量が100〜20,000のポリエチレンイミンからなる主鎖と、該主鎖に結合したグラフト鎖とからなり、上記グラフト鎖は、側鎖としてアルキル基を有する分子量が500〜40,000の低結晶性ポリアルカン酸エステルであり、該グラフト鎖の数が1分子当たり1〜20個であることを特徴とする分散剤。
【0008】
2.主鎖が、下記式(1)で表され、グラフト鎖が、下記式(2)で表される前記1に記載の分散剤。

(式(1)中のk+l(エル)は1を超える整数であり、Gはグラフト鎖を表し、式(2)中のRとR’は水素原子またはアルキル基を表し、RとR’の少なくとも一方はアルキル基を表し、n+m、p+q、i+jはそれぞれ1を超える整数を表す。)
【0009】
3.凝固点が、マイナス5℃以下である前記1に記載の分散剤。
4.少なくとも顔料と、該顔料の分散剤と、樹脂ワニスとからなり、顔料の分散剤が、前記1に記載の分散剤であることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明者らは、前記本発明の目的を達成するため、鋭意研究を重ねた結果、低結晶性ポリアルカン酸エステルを使用した分散剤が、カラーフィルター用着色組成物などの顔料分散液の低温安定性を改良することを見出した。すなわち、ε−カプロラクトン開環重合からなるポリペンタメチレンエステルの高い結晶性に着目し、ε−カプロラクトン開環重合物の代わりにアルキル基などの側鎖のある低結晶性ポリアルカン酸エステルを使用することで、顔料の分散性を損なうことなく、低温安定性に優れた顔料分散液、特にカラーフィルター用着色組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に発明の実施の形態を挙げて本発明をより詳しく説明する。
本発明の分散剤は、主鎖がポリエチレンイミンであり、該主鎖に低結晶性ポリアルカン酸エステルがグラフト結合している構造を有している。主鎖として使用するポリエチレンイミンは、前記特許文献1〜3に記載されているポリエチレンイミンと同様であり、その分子量は100〜20,000である。より好ましい分子量は300〜10,000である。ポリエチレンイミンの分子量が100未満では得られる分散剤の顔料に対する吸着点が少なく、顔料が分散剤から離脱し易く、顔料の凝集を防止しづらくなり、一方、分子量が20,000を超えると、得られる分散剤を用いた分散液の粘度上昇が顕著になり、顔料分散液の分散安定性が低下するなどの不都合がある。
【0012】
本発明の主たる特徴は、上記ポリエチレンイミンにグラフト結合させるポリアルカン酸エステルにある。本発明の分散剤のグラフト鎖の前駆体であるポリアルカン酸エステルオキシ酸の合成には一般的な方法を用いることができる。例えば、代表的なものとしては少なくとも一方が側鎖としてアルキル基を有する多価アルコールと多塩基酸とを当量比およそ1:1で重縮合反応することで低結晶性のポリアルカン酸エステルオキシ酸が得られる。
【0013】
このようにして得られるポリアルカン酸エステルオキシ酸の酸価は2.8〜22.4KOHmg/gであることが好ましい。酸価が2.8KOHmg/g未満では、得られる分散液の粘度の制約からグラフト数を少なくする必要があり、顔料の分散性が低下するなどの不都合があり、一方、酸価が22.4KOHmg/gを超えると、グラフト鎖が短くなり、分散剤によって分散している複数の顔料粒子同士が近付くことで、顔料粒子の凝集を引き起こすなどの不都合がある。
【0014】
上記でポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用する、側鎖としてアルキル基を有する多価アルコールまたは多塩基酸は全て同一である必要はなく、他の分子構造をもった多価アルコールまたは多塩基酸を任意の割合で混合して使用しても構わない。また、多価アルコールはモノマーである必要はなく、既存の低結晶性ポリエステルジオールに多塩基酸を当量比1:1で縮合反応させたものでもよい。さらには、既存の低結晶性ポリエステルジオールの末端OH基に対し1/2当量の酸無水物を開環付加させたものでもよい。
【0015】
また、ヒドロキシカルボン酸を開始剤にしてアルキル基などの側鎖を持つラクトンを開環重合させたものでもよい。この場合、ラクトンは全て同一である必要はなく、他の分子構造をもったラクトンを任意の割合で混合して使用しても構わない。
【0016】
ポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール;ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
【0017】
ポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用する多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、グルタル酸、スベリン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,20−エイコサンジカルボン酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、グルタコン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸などが挙げられる。
【0018】
ポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用する酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ナフタリントリカルボン酸無水物、ジフェニルトリカルボン酸無水物、ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ナフタリンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、コハク酸無水物、アジピン酸無水物、アゼライン酸無水物、1,10−デカンジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0019】
ポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用するラクトンとしては、例えば、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチルγ−ブチロラクトン、γ−ヘキサノラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ペンタノ−δ−バレロラクトン、δ−ヘキサノラクトン、ε−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、δ−ヘプタノラクトン、γ−オクタノラクトン、β−メチル−γ−オクタノラクトン、δ−オクタノラクトン、γ−ノナノラクトン、δ−ノナノラクトン、γ−デカノラクトン、δ−デカノラクトン、ε−デカノラクトン、γ−ウンデカノラクトン、δ−ウンデカノラクトン、γ−ドデカノラクトン、δ−ドデカノラクトン、ε−ドデカノラクトンなどが挙げられる。
【0020】
ポリアルカン酸エステルオキシ酸の製造に使用するヒドロキシカルボン酸としては、例えば、乳酸、ヒドロキシ酢酸、ヒドロキシイソ酪酸、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸、2−ヒドロキシノナン酸、3−ヒドロキシノナン酸、2−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、2−ヒドロキシウンデカン酸、3−ヒドロキシウンデカン酸、11−ヒドロキシウンデカン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、3−ヒドロキシテトラデカン酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、3−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。
【0021】
本発明の分散剤は、前記ポリエチレンイミンに以上の如くして得られる低結晶性ポリアルカン酸エステルオキシ酸をグラフト結合させることによって得られる。例えば、ポリエチレンイミンとポリアルカン酸エステルオキシ酸のグラフト結合は、アミド結合であり、ポリエチレンイミンとポリアルカン酸エステルオキシ酸とは極めて容易に反応する。従って、本発明の要点はいかに低結晶性ポリアルカン酸エステルオキシ酸を得るかにある。ポリアルカン酸エステルオキシ酸の合成方法には幾つかの手法が考えられるが、一般的には次の方法が挙げられる。
【0022】
(1)ポリエステル合成法:一般的なポリエステルジオールの合成においては、ジオールを過剰に配合して重縮合反応を行ない、両末端を水酸基にしている。本発明ではジオールとジカルボン酸のモル比を敢えて1:1にすることで、理論的に一方の末端に水酸基を有し、他方の末端にカルボキシル基を有するポリアルカン酸エステルオキシ酸を作り出している。この時、生成するポリアルカン酸エステルオキシ酸を低結晶性にするためにに、原料の少なくとも一方として側鎖のあるものを選択している。また、理論的には無限大の分子量となる上記のモル比1:1の反応を途中で止めることで任意の分子量の低結晶性ポリアルカン酸エステルオキシ酸を得ることができる。
【0023】
(2)ポリエステル変性法:ジオールまたは既存の低結晶性ポリエステルジオールの一方の末端水酸基を酸無水物によってカルボキシル基に変性する。理論的には一方の末端に水酸基を有し、他方の末端にカルボキシル基を有することなるので、後は自己縮合反応によってポリエステル合成方法と同様に重縮合反応を行なえば、任意の分子量の低結晶性ポリアルカン酸エステルオキシ酸を得ることができる。
【0024】
(3)ラクトンの開環重合:前述のようにヒドロキシカルボン酸を開始剤として、ε−カプロラクトンを開環重合させるのが一般的であるが、この生成物は開環後に側鎖がないために、高結晶性となる。しかし、開環後に側鎖のあるポリエステルを与えるラクトン類は多くあり、これらのラクトンを単独重合または共重合することで低結晶性ポリアルカン酸エステルオキシ酸を得ることができる。
【0025】
上記製造方法において、使用するポリエチレンイミンの分子量や使用量、ポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量や使用量によって種々の形態のグラフト重合体が得られるが、その一般的な構造式は以下の通りである。すなわち、本発明の分散剤は、主鎖が、下記式(1)で表され、グラフト鎖が、下記式(2)で表される高分子化合物であることが好ましい。

【0026】
上記式(1)中のk+l(エル)は1を超える整数であり、Gはグラフト鎖を表し、式(2)中のRとR’は水素原子またはアルキル基を表し、RとR’の少なくとも一方はアルキル基を表し、n+m、p+q、i+jはそれぞれ1を超える整数を表す。
【0027】
上記式(1)中のk+l(エル)は1を超える整数であるが、k+lは好ましくは6〜180であり、n+mは好ましくは1〜12であり、p+qは好ましくは1〜12であり、i+jは好ましくは3〜300である。
【0028】
また、上記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられるが、これらの基は好ましい基であり上記の基に限定されない。アルキル基は得られる分散剤の凝固点を低くする目的であり、メチル基やエチル基などの低級アルキル基であることが好ましい。このようなアルキル基を導入することによって得られる分散剤の凝固点を−5℃以下とすることができる。分散剤の凝固点が−5℃よりも高くなると、本発明の分散剤を用いて得られる顔料分散液の低温安定性が不十分となる場合がある。
【0029】
また、本発明の分散剤においては、主鎖であるポリエチレンイミンに対してグラフト鎖であるポリアルカン酸エステルが1〜20個グラフト結合している。より好ましいグラフト鎖の数は3〜16である。グラフト鎖数が1未満の分散剤では顔料の分散性に乏しいなどの不都合があり、グラフト鎖数が20を超えると、粘度の制約から低分子のグラフト鎖となり、顔料分散液の安定性に乏しいなどの不都合がある。
【0030】
以上の本発明の分散剤は主として、顔料を油性媒体中に分散させる分散剤として有用であり、塗料、インクジェットインキ、印刷インキ、各種コーティング剤などにおける顔料の分散剤として有用である。本発明の分散剤は特にカラーフィルター用着色組成物用の顔料の分散剤として有用であるので、本発明の分散剤の使用方法を、以下カラーフィルター用着色組成物を代表例とて説明する。
【0031】
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、顔料、前記の分散剤および樹脂ワニスから構成される。本発明で使用する顔料は、従来カラーフィルターの画素形成に使用されている顔料であって、例えば、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23などが挙げられる。上記顔料の使用量は特に限定されないが、通常、後述の樹脂ワニスの樹脂バインダー100質量部に対し5〜500質量部の割合で使用される。
【0032】
本発明の分散剤の顔料に対する配合割合は、顔料100質量部に対して、0.05〜40質量部の割合が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10質量部の割合である。分散剤の配合割合が少なすぎると、目的とする分散剤の効果が十分に得られにくくなる。また、分散剤の配合割合が多すぎると、多く用いただけの効果が得られず、逆にその結果得られるカラーフィルター用着色組成物の諸物性の低下をもたらす。
【0033】
本発明において顔料を分散させる分散媒体としての樹脂ワニスとしては、従来からカラーフィルター用着色組成物に使用されている公知の樹脂ワニスがいずれも使用でき、特に限定されない。また、樹脂ワニスとしては適切な溶剤または水系媒体が使用される。また、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑化剤および密着化剤などが適宜添加使用される。
【0034】
樹脂ワニスとしては、感光性の樹脂ワニスと非感光性樹脂ワニスが使用される。感光性樹脂ワニスとしては、例えば、紫外線硬化性インキや電子線硬化インキなどに用いられる感光性樹脂ワニスが挙げられ、非感光性樹脂ワニスとしては、例えば、凸版インキ、平版インキ、凹版グラビアインキおよび孔版スクリーンインキなどの印刷インキに使用する樹脂ワニス、インクジェット方法に使用する樹脂ワニス、電着塗装に使用する樹脂ワニス、電子印刷や静電印刷の現像剤に使用する樹脂ワニス、熱転写フィルムまたはリボンに使用する樹脂ワニスなどが挙げられる。
【0035】
感光性樹脂ワニスの具体例としては、例えば、感光性環化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂など、および不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂などのワニス、或いはこれらにさらに反応性希釈剤としてモノマーが加えられたワニスが挙げられる。上記感光性樹脂ワニスの中で好適な樹脂としては、分子中にフリーのカルボキシル基を有するアルカリ現像可能なアクリレート系の樹脂が望ましい。
【0036】
非感光性の樹脂ワニスの具体例としては、例えば、セルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレン系(共)重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ樹脂変性ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルポリオールウレタン系樹脂、可溶性ポリアミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体の水溶性塩、水溶性アミノアルキッド系樹脂、水溶性アミノポリエステル系樹脂および水溶性ポリアミド系樹脂などが挙げられ、これらは単独或いは2種以上を組み合わせて使用される。
【0037】
本発明の上記の各成分から構成される着色組成物の製造方法は、特に制限されないが、例えば、下記の方法などが挙げられる。
(イ)有機溶媒中に顔料を均一に懸濁させ、該懸濁液に分散剤を含有する溶液を添加し、上記顔料粒子表面に分散剤を沈着させたものを樹脂ワニスに加えて練肉する方法。
(ロ)顔料および分散剤をアトライターやボールミルなどの湿式媒体分散機で微分散し、樹脂ワニスに添加して練肉する方法。
(ハ)樹脂ワニス中に顔料および分散剤をプレミキシング時に添加し、湿式媒体分散機で分散処理する方法。
【0038】
本発明のカラーフィルター用着色組成物を用いてカラーフィルターを製造するに際しては、樹脂ワニスとして感光性の樹脂ワニスを使用する場合には、該組成物にベンゾインエーテルやベンゾフェノンなどの従来公知の光重合開始剤を加え、従来公知の方法で練肉して調製した感光性着色組成物を使用する。また、上記の光重合開始剤に代えて熱重合開始剤を使用して熱重合性着色組成物として使用することもできる。
【0039】
上記の感光性着色組成物を用いて基板上にカラーフィルターの画素を形成する場合には、透明基板上に該感光性着色組成物を、例えば、スピンコーター、低速回転コーター、ロールコーターまたはナイフコーターなどを用いて全面コーティングを行うか、或いは各種の印刷方法による全面印刷または画素よりやや大きな部分印刷を行い、予備乾燥後フォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯を使用して露光を行って画素を焼き付けする。次いで現像および洗浄を行い、必要に応じポストベークを行うことによりカラーフィルターの画素を形成することができる。これらのカラーフィルターの画素形成方法自体は公知であり、本発明においてはカラーフィルターの画素形成方法は特に限定されない。
【0040】
非感光性の樹脂ワニスを使用した本発明のカラーフィルター用着色組成物(非感光性着色組成物)を用いてカラーフィルターの画素を形成する場合には、透明基板上に該非感光性着色組成物を、例えば、カラーフィルター用印刷インキとして上記した各種の印刷方法にて直接基板に画素を印刷する方法、カラーフィルター用水性電着塗装組成物として電着塗装により基板に画素を形成する方法、インクジェット用インキとしてインクジェット方法により基板に画素を形成する方法、電子印刷方法や静電印刷方法を用いたり、或いは転写性基材に上記の方式などで一旦画素を形成させてからカラーフィルター用基板に転写する方法などが挙げられる。次いで常法に従い、必要に応じてベーキングを行ったり、表面平滑化のための研磨を行ったり、表面保護のためのトップコーティングを行う。また、常法に従いブラックマトリックスを形成させて、RGBの各画素を有するカラーフィルターを得ることができる。これらのカラーフィルターの製造方法自体は公知であり、本発明においてはカラーフィルターの製造方法は特に限定されない。
【実施例】
【0041】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。また、「分子量」は特に断りのない限り重量平均分子量である。
【0042】
〔製造実施例1〕
2リットルのフラスコにアジピン酸を307g、ネオペンチルグリコールを110g、1,4−ブタンジオールを57gおよびエチレングリコールを26gを配合する。上記フラスコに加熱制御装置、コンデンサー、撹拌装置および温度計を取り付け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら1時間かけて加熱昇温させる。135〜145℃で昇温を止めこの温度に1時間保持する。その後、165〜175℃まで30分から1時間かけて昇温して1時間位この温度に保持する。その後、約1時間かけて195〜205℃まで昇温してこの温度に保持する。この状態で溜出水が理論量76gの90%を超えるまでこの温度を維持する。
【0043】
次いで窒素ガスを止めてトラップのついた減圧装置を取り付ける。減圧を開始し、系内の水分を取り除く。この時、減圧度は徐々に上げることが重要である。急激な減圧は好ましくない。溜出水が理論量の98%を超えたらフラスコ内を一旦常圧に戻し、触媒のテトラブチルチタネートを0.1g添加してさらに減圧を続ける。1時間毎にサンプリングして生成物の酸価(KOHmg/g)を測定し、酸価(KOHmg/g)が5.6近くになったところを反応の終点とし、直ちに150℃まで冷却する。このようにして得られたポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量は約11,000であった。
【0044】
次いで上記フラスコ内にポリエチレンイミン((株)日本触媒製 エポミンSP)8gを10倍量のPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)で希釈して一気に投入する。その後温度を150℃にして再び20mmHg以下の減圧を開始して水分を除去する。1時間ほどで反応で生成した水がPMAと共に溜出する。減圧を止め、冷却しながら希釈用PMAを648g仕込み、固形分約39.5%、分子量約52,000、アミン価約7.8(固形分)の分散剤Aの溶液1,080gを得た。この分散剤の凝固点は−15℃以下であり、ポリエチレンイミン1分子あたりポリアルカン酸エステルオキシ酸が約4個結合している。
【0045】
〔製造実施例2〕
2リットルのフラスコに市販の3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペート((株)クラレ製 クラレポリオールP−2010)を454gおよびセバシン酸を46gを仕込む。上記フラスコに加熱制御装置、コンデンサー、撹拌装置および温度計を取り付け、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら1時間かけて165〜175℃まで加熱昇温させ、1時間位この温度を保持する。その後さらに195〜205℃まで昇温してこの温度に1時間保持する。その後窒素ガスを止めてトラップのついた減圧装置を取り付ける。
【0046】
フラスコ内の減圧度を徐々に上げ、最終的に20mmHg以下で30分〜60分減圧し、系内の水を取り除く。その後、一旦フラスコ内を常圧に戻し触媒のテトラブチルチタネートを0.1g添加してさらに減圧を続ける。一定時間毎にサンプリングして生成物の酸価(KOHmg/g)を測定し、酸価(KOHmg/g)が5.6近くになったところを終点とし、直ちに150℃まで冷却する。このようにして得られたポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量は約9,800であった。
【0047】
次にフラスコ内に製造実施例1と同じポリエチレンイミン10gを10倍量のPMAで希釈して一気に投入する。温度150℃で再び20mmHg以下の減圧を開始する。1時間ほどで反応で生成した水がPMAと共に溜出する。その後減圧を止め、内容物を冷却しながら希釈用PMAを759g仕込み、固形分約39.7%、分子量約37,000、アミン価約8.1(固形分)の分散剤Bの溶液1,265gを得た。この分散剤の凝固点は−15℃以下であり、ポリエチレンイミン1分子あたりポリアルカン酸エステルオキシ酸が約3個結合している。
【0048】
〔製造実施例3〕
2リットルのフラスコに市販の3−メチル−1,5−ペンタンジオールアジペートを476gおよび無水コハク酸を24gを仕込む。上記フラスコに加熱制御装置、コンデンサー、撹拌装置および温度計を取り付け、115〜125℃まで30分かけて徐々に昇温する。このとき窒素ガスは導入しないで還流するようにしておく。約1時間後155〜165℃まで昇温する。1時間この温度を保持する。さらに、195〜205℃まで昇温し、窒素ガスを導入し生成した水を溜出させる。
【0049】
2時間ほどして水の溜出が収まったらトラップのついた減圧装置を取り付け減圧を開始する。20mmHg以下で1時間減圧をしたら一旦フラスコ内を常圧に戻し、触媒のテトラブチルチタネート0.1gを添加し再度減圧を行う。1時間毎に生成物の酸価(KOHmg/g)を測定し、酸価(KOHmg/g)が5.6になったら終点とし、直ちに150℃まで冷却する。このようにして得られたポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量は約10,000であった。
【0050】
続いて製造実施例1と同じポリエチレンイミン10gを10倍量のPMAで希釈して一気にフラスコ内に投入する。温度を150℃に制御し20mmHg以下に減圧する。1時間ほどで縮合反応で生成した水がPMAと共に溜出する。その後減圧を止め、冷却しながら希釈用PMAを765g仕込み、固形分約39.8%、分子量約41,000、アミン価約7.9(固形分)の分散剤Cの溶液1,275gを得た。この分散剤の凝固点は−15℃以下であり、ポリエチレンイミン1分子あたりポリアルカン酸エステルオキシ酸が約4個結合している。
【0051】
〔製造実施例4〕
2リットルのフラスコにδ−デカノラクトン388gと12−ヒドロキシステアリン酸12gと触媒としてテトラブチルチタネート0.39gを仕込み、上記フラスコに加熱制御装置、コンデンサー、撹拌装置および温度計を取り付け、窒素雰囲気下で170℃で反応させる。3時間を過ぎたら1時間毎に生成物の酸価(KOHmg/g)を測定し、酸価(KOHmg/g)が5.6になったら終点とし、150℃まで冷却する。このようにして得られたポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量は約9,700であった。
【0052】
続いて製造実施例1と同じポリエチレンイミン8gを10倍量のPMAで希釈して一気に投入する。温度150℃で20mmHg以下に減圧をする。1時間ほどで縮合反応で生成した水と未反応δ−デカノラクトンがPMAと共に溜出する。その後減圧を止め、冷却しながら希釈用PMAを612g仕込み、固形分約39.4%、分子量約48,000、アミン価約8.0(固形分)の分散剤Dの溶液1,004gを得た。この分散剤の凝固点は−15℃以下であり、ポリエチレンイミン1分子あたりポリアルカン酸エステルオキシ酸が約4個結合している。
【0053】
〔製造比較例1〕
2リットルのフラスコにε−カプロラクトン388gと12−ヒドロキシステアリン酸12gと触媒としてテトラブチルチタネート0.19gを仕込み、上記フラスコに加熱制御装置、コンデンサー、撹拌装置および温度計を取り付け、窒素雰囲気下で170℃で反応させる。3時間を過ぎたら1時間毎に生成物の酸価(KOHmg/g)を測定し、酸価(KOHmg/g)が5.6になったら終点とし、150℃まで冷却する。このようにして得られたポリアルカン酸エステルオキシ酸の分子量は約11,000であった。
【0054】
続いて製造実施例1と同じポリエチレンイミン8gを10倍量のPMAで希釈して一気にフラスコ内に投入する。温度150℃で20mmHg以下の減圧をする。1時間ほどで縮合反応で生成した水と未反応ε−カプロラクトンがPMAと共に溜出する。その後減圧を止め、冷却しながら希釈用PMAを612g仕込み、固形分約39.6%、分子量約52,000、アミン価約7.9(固形分)の分散剤Eの溶液1,020gを得た。この分散剤の凝固点は50℃であり、ポリエチレンイミン1分子あたりポリアルカン酸エステルオキシ酸が約4個結合している。
【0055】
実施例1〜4、比較例1、2
前記製造実施例と製造比較例で得た分散剤を用いて下記の配合で顔料を分散させて実施例1〜4および比較例1の顔料分散液を調製して、それぞれの分散剤の性能を比較を行った。分散液の低温安定性については常温と−15℃における状態を、分散剤自体、分散剤の溶液および顔料分散液について評価した。分散性については実際に顔料分散液を作り、分散液の粘度を目安に評価した。粘度が低い方が分散性良好とみる。配合は分散剤の種類を除き下記の如く全て同一とした。
・顔料 6部
・分散剤(A〜Eの何れか) 3部
・アクリル樹脂(大日精化工業(株)製) 3部
(商品名:CFV−208α)
・PMA 18部
(計30部)
【0056】
上記配合液に1〜1.25mmΦガラスビーズ30ml(約90g)を加え、ペイントシェーカーで3時間分散を行い、10gのPMAで希釈し顔料分散液を得、これを評価に供した。顔料は以下の通りである。結果を表1および表2に示す。なお、比較例2として上記配合で分散剤を添加せずに分散を行なって比較例2の顔料分散液を得、これを評価に供した。
・C.I.ピグメントレッド(PR) 254
・C.I.ピグメントイエロー(PY) 138
・C.I.ピグメントブルー(PB) 15:6
【0057】

【0058】

上記表2から明らかであるように、実施例1〜4および比較例1の分散液の粘度は低くいずれも常温での分散安定性に優れている。なお、比較例2の分散液は分散剤を使用していないことから短時間でゲル化した。
【0059】
[用途実施例1]
アクリル樹脂ワニス(メタクリル酸/ブチルアクリレート/スチレン/ヒドロキシエチルアクリレートを25/50/15/10のモル比で共重合させたもの、分子量12,000、固形分30%)50部にジケトピロロピロール顔料(PR254)15部、前記分散剤A3部および溶剤(PMA)を32部配合し、プレミキシングの後、横型ビーズミルで分散し、赤色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
【0060】
[用途実施例2]
顔料としてPR254の代わりにPG(C.I.ピグメントグリーン)36を、そして前記分散剤Aの代わりに前記分散剤Bを使用する以外は用途実施例1と同様にして緑色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
【0061】
[用途実施例3]
顔料としてPR254の代わりにPB15:6を、そして前記分散剤Aの代わりに前記分散剤Cを使用する以外は用途実施例1と同様にして青色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
【0062】
[用途実施例4]
顔料としてPR254の代わりにPY138を、そして前記分散剤Aの代わりに前記分散剤Dを使用する以外は用途実施例1と同様にして黄色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
【0063】
[用途比較例1]
前記分散剤Aの代わりに前記分散剤Eを使用する以外は用途実施例1と同様にして赤色のカラーフィルター用着色組成物を得た。
【0064】
上記の用途実施例1〜4のカラーフィルター用着色組成物の流動性と展色面のグロスを用途比較例1の場合と比較した。カラーフィルター用着色組成物の流動性および展色のグロスは、下記の方法に従って測定し、用途比較例の場合と相対評価を行った。
流動性:B型粘度計を用い、室温(25℃)、ローターの回転数6rpmの条件で測定した。
グロス:バーコーター(巻線の太さ0.45mm)を使用して、ポリプロピレンフィルムに展色し、展色面のグロスを目視およびグロスメーターにて比較した。なお、グロスの高いものを良好とし、下記の指標で表示した。
○:良好
△:やや良好
×:不良
以上の結果を表3に示す。
【0065】

【0066】
表3から明らかなように、分散剤A〜Dを使用した用途実施例1〜4のカラーフィルター用着色組成物は、分散剤Eを使用した用途比較例1に比べて、初期粘度および貯蔵後の粘度(1ヶ月後)が低く、グロスも良好でカラーフィルター用着色組成物として優れた性質を有していた。
【0067】
[参考例]
シランカップリング剤処理を行ったガラス基板をスピンコーターにセットし、前記用途実施例1の赤色のカラーフィルター用着色組成物を最初300rpmで5秒間、次いで1,200rpmで5秒間の条件でスピンコートした。次いで80℃で10分間プリベークを行い、モザイク状の画素を有するフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯を用い100mJ/cm2の光量で露光を行った。次いで専用現像液および専用リンスで現像および洗浄を行い、ガラス基板上に赤色のモザイク状画素を形成させた。
【0068】
引き続いて用途実施例2および3の緑色および青色カラーフィルター用着色組成物を用いて上記と同様にして塗布および焼き付けを行って緑色画素および青色画素を形成し、RGBの各画素を有するカラーフィルターを得た。得られたカラーフィルターは優れた分光カーブ特性を有し、耐光性や耐熱性などの堅牢性に優れ、また、光の透過性にも優れた性質を有し、液晶カラーディスプレイ用カラーフィルターとして優れた性質を示した。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明によれば、本発明の分散剤は顔料に対して優れた分散性を有し、また、本発明の分散剤を用いた分散液は、特に低温安定性に優れているため低温時の顔料分散液の保存性や使い勝手が格段に向上する。さらにカラーフィルター用着色組成物としても同様であり、使用温度環境に左右されない安定したカラーフィルターの画素を形成することが可能となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子量が100〜20,000のポリエチレンイミンからなる主鎖と、該主鎖に結合したグラフト鎖とからなり、上記グラフト鎖は、側鎖としてアルキル基を有する分子量が500〜40,000の低結晶性ポリアルカン酸エステルであり、該グラフト鎖の数が1分子当たり1〜20個であることを特徴とする顔料の高分子分散剤。
【請求項2】
主鎖が、下記式(1)で表され、グラフト鎖が、下記式(2)で表される請求項1に記載の高分子分散剤。

(式(1)中のk+l(エル)は1を超える整数であり、Gはグラフト鎖を表し、式(2)中のRとR’は水素原子またはアルキル基を表し、RとR’の少なくとも一方はアルキル基を表し、n+m、p+q、i+jはそれぞれ1を超える整数を表す。)
【請求項3】
凝固点が、マイナス5℃以下である請求項1に記載の高分子分散剤。
【請求項4】
少なくとも顔料と、該顔料の分散剤と、樹脂ワニスとからなり、顔料の分散剤が、請求項1に記載の高分子分散剤であることを特徴とするカラーフィルター用着色組成物。

【公開番号】特開2007−63472(P2007−63472A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−253561(P2005−253561)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【Fターム(参考)】