説明

顕微鏡システム

【課題】十分に省電力化を実現した顕微鏡システムを提供する。
【解決手段】試料を照明するための照明装置5,8を含む複数の電動装置2,3,4,6,7,9と、前記複数の電動装置2,3,4,6,7,9を制御するための制御装置10とを備えた顕微鏡1からなる顕微鏡システムにおいて、顕微鏡1に対して所定時間以上操作が行われない場合に、制御装置10は照明装置5,8の電源を切ることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の顕微鏡では、観察光学系等の切り換えに応じて照明光の光量を変化させる構成のものが知られており、特に最近では、照明光の光量を適切に調整して省電力化を図るとともに、常に良好な観察画像を取得することが可能な顕微鏡システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このような顕微鏡システムでは、顕微鏡にパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)が組み合わされ、顕微鏡で得られた観察像をPCのモニタに拡大表示するとともに記憶媒体に記憶させることが可能である。また、PCは電池電源を有し、この電池電源は顕微鏡システム全体の電源として使用される。したがって以上のような構成の顕微鏡システムにおいては、顕微鏡を制御するためのアプリケーションが必須であるため、顕微鏡及びPCに加えこのようなアプリケーションも含めて顕微鏡システムとしてとらえられる。
【特許文献1】特開2004−138818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように従来の顕微鏡システムは、観察光学系等の切り換えに応じて照明光の光量を変化させることで省電力化を図るものである。このため、電源の切り忘れ等による顕微鏡不使用時の電力の浪費を解消できるものではなかった。特に、ランプの消し忘れは、消費電力も大きく発熱による火災へとつながってしまう危険がある。また、従来の顕微鏡システムでは、顕微鏡はPCの外部接続装置の一つにすぎないため、顕微鏡を使用せずにPCのみが動作している等の場合がある。このような場合でも従来の顕微鏡システムは、顕微鏡に対して電力が供給される構成であるため、十分に省電力化が図られたものではなかった。
【0004】
例えば、複数台の顕微鏡を用いこれらを一台のPCによって操作する構成の顕微鏡システムでは、使用中の顕微鏡にのみ電源を入れている状態が望まれる。また、これとは逆に一台の顕微鏡に対して複数台のPCを接続して操作する構成の顕微鏡システムは、複数人の使用者によって使用される機会が多く、顕微鏡とPCの接続を変更するだけで顕微鏡の操作を別の使用者へと引き継ぐことができる。しかしながらこのような状況では、電源の切り忘れが発生しやすい。したがって、顕微鏡システムの十分な省電力化を実現するためには、使用していない顕微鏡毎に、特にランプの電源を切ることが不可欠となる。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、十分に省電力化を実現した顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
試料を照明するための照明装置を含む複数の電動装置と、前記複数の電動装置を制御するための制御装置とを備えた顕微鏡からなる顕微鏡システムにおいて、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記制御装置は前記照明装置の電源を切ることを特徴とする顕微鏡システムを提供する。
【0007】
また本発明の好ましい態様によれば、
前記顕微鏡システムは、前記顕微鏡と、前記複数の電動装置を操作するための外部制御装置とからなり、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記外部制御装置が前記照明装置の電源を切ることが望ましい。
【0008】
また本発明の好ましい態様によれば、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記複数の電動装置全ての電源が切られることが望ましい。
【0009】
また本発明の好ましい態様によれば、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記制御装置を含む前記顕微鏡全体の電源が切られることが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、十分に省電力化を実現した顕微鏡システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の各実施の形態に係る顕微鏡システムを添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡システムの構成を示す図である。
図1に示すように本実施の形態に係る顕微鏡システムは、後述する省電力制御を実行するための制御装置(後述の電動装置制御部10)を備えた顕微鏡1のみからなる。
顕微鏡1において、試料を載置するための電動ステージ2は、上下動制御部3によってその移動が制御される。
電動レボルバ4は、複数の対物レンズ(不図示)を取り外し交換自在に備えており、当該レボルバ4を回転させて適宜切り替えることができる。
【0012】
蛍光用ランプ5は、蛍光観察時に照明光源として用いられ、その電源のオン/オフ及び光量の調整は手動でも電動でも行うことが可能である。また、蛍光用ランプ5による照明光の観察光路内への導入/非導入はランプシャッタ6のオープン/クローズによって切り替えられる。
フィルタキューブ7は、2種類のフィルタと1枚のダイクロイックミラーとから構成されており、蛍光観察時に試料から発せられた蛍光とその他の不要な光等とを分離し、観察に必要な光のみを通過させる。
【0013】
透過用ランプ8は、通常観察時に照明光源として用いられ、その電源のオン/オフ及び光量の調整は電動で行うことが可能である。また、透過用ランプ8による照明光は、電動コンデンサ9によって集光したり、コンデンサ9中の絞りによって弱めたり、コンデンサ9の上下移動によって集光状態を変化させることができる。
【0014】
電動装置制御部10は、各電動装置、即ち電動ステージ2、上下動制御部3、電動レボルバ4、電動コンデンサ9、ランプシャッタ6、フィルタキューブ7、及び透過用ランプ8の制御を行う。また、電動装置制御部10に含まれる操作確認用タイマー11は、後述する省電力制御を開始する際のトリガーとなる。
【0015】
操作スイッチ12は、使用者によって直接操作されるものであり、使用者はこの操作スイッチ12を用いて各電動装置を操作することができる。また、さらに使用者はこの操作スイッチ12を用いて、後述する省電力制御のフローにおいて参照される各種制御フラグ13の設定を電動装置制御部10に対して行うことができる。なお、制御フラグ13には、省電力制御モード即ち省電力制御を行う設定とするための省電力制御モード使用許可フラグ、蛍光用ランプ5を用いて観察を行う設定とするための蛍光観察フラグ、及び透過照明用ランプ8を用いて観察を行う設定とするための透過照明観察フラグ等がある。
【0016】
パワーサプライ14は、顕微鏡1及び該顕微鏡1に接続されている全ての電動装置に対して電力を供給する。
通信制御部15は、顕微鏡1に対してPCが接続された場合に、PCと顕微鏡1との通信を制御する。
【0017】
以上の構成の下、電動ステージ2上に載置された試料は蛍光用ランプ5又は透過用ランプ8によって照明され、試料からの光は不図示の対物レンズを介して顕微鏡1に取り付けられたデジタルカメラ16へ導かれる。このデジタルカメラ16では試料の像が撮像されて、顕微鏡1に別途接続されている観察モニタ17に試料の像が観察画像として表示されることとなる。
【0018】
次に、本実施の形態に係る顕微鏡システムにおいて、省電力制御を行うために実行される省電力制御用のフローチャートを説明する。
図2は、本実施の形態における省電力制御用のフローチャートを示す図である。
はじめに、パワーサプライ14の電源を入れることで顕微鏡システムが起動し、この起動にともないフローチャートがスタートする。
【0019】
ステップ1−1:顕微鏡システムにおける電動ステージ2やランプ5,8等の電動装置の制御状況、即ち各電動装置の装着状態等を確認する初期化処理を行う。初期化処理終了後、ステップ1−2へ進む。
ステップ1−2:操作確認用タイマー11のカウントを0にセットし、ステップ1−3へ進む。
【0020】
ステップ1−3:通信制御部15の入出力状態から、顕微鏡1に対してPCが接続されているか否かを確認する。PCの接続が認められない場合はステップ1−4へ進み、認められた場合には顕微鏡1はPCの顕微鏡操作用アプリケーションに従って制御されることとなる。なお、本実施の形態に係る顕微鏡システムは、PCを接続していない場合に顕微鏡1自身で省電力化を実現するものであるため、PCの接続が確認された場合即ちPC接続モードについては言及しない。
【0021】
ステップ1−4:電動装置制御部10によって顕微鏡システムの制御状態の変化、例えば電動ステージ2や電動レボルバ4が動作していないか等の確認を行う。制御状態に変化があった場合はステップ1−5へ進み、変化がなかった場合はステップ1−6へ進む。
ステップ1−5:操作確認用タイマー11のカウントを0にリセットする。
ステップ1−6:操作確認用タイマー11の時間経過を確認する。所定の時間を経過している場合はステップ1−7へ進み、経過していない場合にはステップ1−3へ戻り、ステップ1−3から本ステップ1−6までのフローを繰り返し実行する。
【0022】
ステップ1−7:制御フラグ13中の省電力制御モード使用許可フラグより、省電力制御モードに移行するか否かを判断する。当該フラグが省電力制御を行う設定となっていればステップ1−8へ進み、なっていなければステップ1−3へ戻る。またここで、試料の経時変化を観察するタイムラプス処理等を行っている場合にもステップ1−3へ戻る。
【0023】
ステップ1−8:省電力制御モードへの移行が許可される。
ステップ1−9:制御フラグ13中の蛍光観察フラグ及び透過照明観察フラグから、現在、蛍光観察又は透過照明観察のうちのいずれの観察を行っているかを確認する。
ステップ1−10:ステップ1−9において、蛍光観察を行っていることが確認された場合は蛍光用ランプ5の電源を消し、また、透過照明観察を行っていることが確認された場合は透過照明用ランプ8の電源を消す。
【0024】
ステップ1−11:蛍光用ランプ5、ランプシャッタ6、フィルタキューブ7、電動レボルバ4、電動ステージ2、上下動制御部3、制御フラグ13の状態変化の有無、及び操作スイッチ12による顕微鏡システムへの入力の有無を確認する。いずれの状態変化も入力も確認されない場合は本ステップ1−11を繰り返し行い、状態変化又は入力のいずれかが確認された場合はステップ1−12へ進む。
【0025】
ステップ1−12:ステップ1−10において蛍光用ランプ5の電源を消した場合には蛍光用ランプ5の電源を再び入れ、また、透過用ランプ8の電源を消した場合には透過用ランプ8の電源を再び入れることによって省電力制御モードを解除する。そして、ステップ1−3へ戻り、ステップ1−3から本ステップ1−12までのフローを繰り返し行う。
【0026】
本実施の形態に係る顕微鏡システムは、以上のフローチャートを実行することによって、所定時間以上使用者がスイッチ操作や手動操作をしなかった場合に、使用中のランプの電源が自動的に切断される。これにより、電源の切り忘れ等による顕微鏡不使用時の電力の浪費を解消して省電力化を実現することができ、ランプの消し忘れによる火災も防ぐことができる。
【0027】
なお、本実施の形態では、省電力制御のフローチャートにステップ1−3を備えることでPCと接続可能な顕微鏡1を例示しているが、これに限られず本発明の省電力制御はPCと接続することができない構成の顕微鏡にも当然適用することができる。この場合、省電力制御のフローチャートは、ステップ1−3を削除し、該ステップ1−3へのループをステップ1−4へのループとするだけでよい。
また、本実施の形態では、上述のタイムラプス処理を行っている際にも省電力制御を行う構成とすることでさらなる省電力化を図ることが可能である。
【0028】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡システムの構成を示す図である。
図3に示すように本実施の形態に係る顕微鏡システムは、顕微鏡1と、後述する省電力制御を実行するための顕微鏡操作用アプリケーションを備えたPC18とからなる。
ここで、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様の構成である部分については同じ符号を付してその説明を省略し、特徴的な部分についてのみ詳細に説明する。
【0029】
PC19は、顕微鏡操作用アプリケーションがインストールされたPC本体20、モニタ21、及び入力装置22からなる。
モニタ21には、顕微鏡操作用アプリケーションに基づく操作画面が表示され、この操作画面には各電動装置の接続状況等を示す情報も含まれている。
また、入力装置22はマウス等からなり、使用者はこの入力装置22を用いて前記操作画面を直接操作することで顕微鏡18へ操作命令を送ることができる。
通信制御部15は、PC本体20とUSB接続されており、顕微鏡18とPC19との通信を制御する。
【0030】
以上の構成の下、電動ステージ2上に載置された試料は蛍光用ランプ5又は透過用ランプ8によって照明され、試料からの光は不図示の対物レンズを介して顕微鏡18に取り付けられたデジタルカメラ16へ導かれる。このデジタルカメラ16では試料の像が撮像されて、顕微鏡18に別途接続されている観察モニタ17又はPC19のモニタ21に試料の像が観察画像として表示されることとなる。
【0031】
次に、本実施の形態に係る顕微鏡システムにおいて、省電力制御を行うために実行される省電力制御用のフローチャートを説明する。
図4は、本実施の形態における省電力制御用のフローチャートを示す図である。
まず、図4に示すフローチャートが実行される前段階として、パワーサプライ14の電源を入れることで顕微鏡システムが起動する。そして、上記第1の実施の形態におけるステップ1−1の初期化処理が行われる。そしてさらに、ステップ1−3のPC接続状態チェックが行われ、ここで顕微鏡18に対するPC19の接続が認められることによって図4に示すフローチャートがスタートする。
【0032】
ステップ2−1:顕微鏡操作用アプリケーションが起動する。
ステップ2−2:通信制御部15の入出力状態から、顕微鏡18とPC19との接続状態を確認する。顕微鏡18とPC19が接続されておりその通信が正常である場合はステップ2−3へ進み、正常な通信が可能な接続を認められない場合にはステップ2−5へ進む。
【0033】
ステップ2−3:電動装置制御部10によって顕微鏡システムの制御状態の変化、例えば電動ステージ2や電動レボルバ4が動作していないか等の確認を行う。制御状態に変化があった場合はステップ2−4へ進み、変化がなかった場合はステップ2−6へ進む。
ステップ2−4:モニタ21に表示されている顕微鏡操作用アプリケーションに基づく操作画面(GUI)を更新する。
ステップ2−5:顕微鏡操作用アプリケーションを自動的に終了し、フローを終了する。
【0034】
ステップ2−6:入力装置22によるPC18への外部入力が所定時間以上ない場合にはスクリーンセイバーやモニタ21の省電力機能が起動するため、本ステップではこのスクリーンセイバー又はモニタ21の省電力機能が起動していないかを確認する。詳細には、上記第1の実施の形態において操作確認用タイマー11を用いて行っていた所定時間経過の確認を、本実施の形態ではPC毎に設定されているスクリーンセイバー又はモニタ21の省電力機能が起動するまでの時間を前記所定時間としてこれらの起動を確認することで行う。スクリーンセイバー又はモニタ21の省電力機能のいずれかが起動している場合はステップ2−7へ進み、いずれも起動していない場合にはステップ2−2へ戻り、ステップ2−2から本ステップ2−6までのフローを繰り返し実行する。
【0035】
ステップ2−7:制御フラグ13中の省電力制御モード使用許可フラグより、省電力制御モードに移行するか否かを判断する。当該フラグが省電力制御を行う設定となっていればステップ2−8へ進み、なっていなければステップ2−2へ戻る。またここで、試料の経時変化を観察するタイムラプス処理等を行っている場合にもステップ2−2へ戻る。
ステップ2−8:省電力制御モードへの移行が許可される。
ステップ2−9:制御フラグ13中の蛍光観察フラグ及び透過照明観察フラグから、現在、蛍光観察又は透過照明観察のうちのいずれの観察を行っているかを確認する。
【0036】
ステップ2−10:ステップ2−9において、蛍光観察を行っていることが確認された場合は蛍光用ランプ5の電源を消し、また、透過照明観察を行っていることが確認された場合は透過照明用ランプ8の電源を消す。
ステップ2−11:蛍光用ランプ5、ランプシャッタ6、フィルタキューブ7、電動レボルバ4、電動ステージ2、上下動制御部3、制御フラグ13の状態変化の有無、操作スイッチ12による顕微鏡システムへの入力の有無、及び入力装置22による外部入力の有無を確認する。いずれの状態変化も入力も確認されない場合は本ステップ2−11を繰り返し行い、状態変化又は入力のいずれかが確認された場合はステップ2−12へ進む。
【0037】
ステップ2−12:ステップ2−10において蛍光用ランプ5の電源を消した場合には蛍光用ランプ5の電源を再び入れ、また、透過用ランプ8の電源を消した場合には透過用ランプ8の電源を再び入れることによって省電力制御モードを解除する。そして、ステップ2−2へ戻り、ステップ2−3から本ステップ2−12までのフローを繰り返し行う。
【0038】
本実施の形態に係る顕微鏡システムは、以上のフローチャートを実行することによって、所定時間以上使用者がスイッチ操作や手動操作をしなかった場合に、使用中のランプの電源が自動的に切断される。これにより、電源の切り忘れ等による顕微鏡不使用時の電力の浪費を解消して省電力化を実現することができ、ランプの消し忘れによる火災も防ぐことができる。
【0039】
なお、上述のように本実施の形態では、スクリーンセイバー又はモニタ21の省電力機能の起動を、省電力制御モードを開始する際のトリガー(PC側のトリガー)としている。しかしながら本発明はこれに限られず、上記第1の実施の形態と同様に電動装置制御部10の操作確認用タイマー11をトリガーとして使用し、さらにPC側のトリガーも同時に使用する構成とすることもできる。この構成により、PC19上で顕微鏡操作以外の処理を行うことが可能となるため、顕微鏡を操作せずにPC19のみを使用している場合にも、顕微鏡18の省電力制御を機能させることが可能となる。
【0040】
また本実施の形態において、スクリーンセイバー及びモニタ21の省電力機能が起動するまでの時間は、それぞれ任意に設定することができる。これにより、省電力制御モードを開始するまでの所定時間を任意に設定することができる。
また本実施の形態では、上述のように顕微鏡18の電力をパワーサプライ14から得る構成であるが、本発明はこれに限られず、USB接続を介してPC19から直接電力を得る構成とすることもできる。
【0041】
また、上記各実施の形態に係る顕微鏡システムは、上述のように省電力制御モードに際して使用中のランプのみの電源を消す構成である。しかしながら本発明はこれに限られず、省電力制御モードに際して顕微鏡1,18におけるランプ以外の電動装置の電源を消す構成、又は電動装置制御部10以外の全ての電動装置の電源を消す構成とすることも可能であり、これによりさらなる省電力化を実現しつつ、再度顕微鏡1,18を使用する際にも顕微鏡システムの再起動をスムーズに行うことができる。また、省電力制御モードに際して顕微鏡1,18全体の電源を消す構成とすることも可能であり、これにより省電力化を最大限に図ることができる。
【0042】
以上、本発明の各実施の形態によれば、十分に省電力化を実現した顕微鏡システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る顕微鏡システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における省電力制御用のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る顕微鏡システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における省電力制御用のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1,18 顕微鏡
2 電動ステージ
5 蛍光用ランプ
8 透過用ランプ
10 電動装置制御部
14 パワーサプライ
19 PC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を照明するための照明装置を含む複数の電動装置と、前記複数の電動装置を制御するための制御装置とを備えた顕微鏡からなる顕微鏡システムにおいて、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記制御装置は前記照明装置の電源を切ることを特徴とする顕微鏡システム。
【請求項2】
前記顕微鏡システムは、前記顕微鏡と、前記複数の電動装置を操作するための外部制御装置とからなり、
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記外部制御装置が前記照明装置の電源を切ることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
【請求項3】
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記複数の電動装置全ての電源が切られることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡システム。
【請求項4】
前記顕微鏡に対して所定時間以上操作が行われない場合に、前記制御装置を含む前記顕微鏡全体の電源が切られることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−195274(P2006−195274A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7982(P2005−7982)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】