顕微鏡包囲体システム
自動式顕微鏡を収容する遮光包囲体システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2006年8月4日に出願された米国仮出願第60/821,544号の優先権の特典を主張するものであり、該出願は言及したことにより全体的に本明細書中に援用される。
発明の背景
本明細書において引用される全ての文献およびそれらの言及文献は、付加的もしくは代替的な詳細、特徴および/または技術的背景の教示に対して適切である場合、言及したことにより本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は概略的に、顕微鏡包囲体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
概略的にハイエンドの顕微鏡は、暗室内に配置されることで、周囲光による視認の阻害が減少される。斯かる顕微鏡は多くの場合、種々のコンピュータ、コントローラ、および、それらに関連する他の構成要素を備えた卓台もしくはデスク上に載置される。斯かる設備は顕微鏡検査法を相当に支援するが、暗室の使用には不都合がある。
【0003】
任意の暗室の最初の不都合は、暗室によれば該暗室のユーザは、外部の明るい光から該暗室の暗い光への変化に適応するために、且つ、該暗室の暗い光から明るい外部の光に向かい該暗室を離脱するときに時間が掛かるということである。暗室はまたそれ自体、塵埃、周囲の汚染物質などが、該暗室内で撮られた顕微鏡画像と干渉することを防止しない。実際、多くの暗室は本質的に小寸であり、該暗室内で利用できる通気は不適切であることから、該暗室においては汚染物質が実際に蓄積し得る。最後に、暗室の作製および保守は、相当に費用が掛かり得る。
【0004】
暗室はまたそれら自体、顕微鏡検査法の幾つかの危険性に対して顕微鏡使用者を保護しない。たとえば、顕微鏡使用者は多くの場合、UV放射線の如く可能的に有害な電磁波を放出する。更に顕微鏡使用者は、一定の毒性金属もしくは標識剤を備えたサンプルを処理する必要があり得る。斯かる条件下において顕微鏡の操作者は多くの場合、メガネおよび手袋の如き保護用具を装着する必要があるが、操作者は依然として、不都合なレベルの電磁波放射および毒性物質に晒されることが多い。
【0005】
特許文献1は、当該防振台に切り込まれた孔を有する搬送可能な防振台上に取付けられた放射型顕微鏡を有する放射型顕微鏡システムを記述し、上記放射型顕微鏡は遮光包囲体により包囲されている。上記包囲体に対する押圧が上記放射型顕微鏡を振動させない様に、上記放射型顕微鏡は上記防振台に対して堅固に取付けられるが、上記包囲体はそうではない。記述された如く半導体回路であるという視認されるべきサンプルは、同様に移動可能な支持構造上に保持され得るテスタ・ヘッド上に載置される。上記テスタ・ヘッドは、遮光性の撓曲可能なシリコーン・ゴム・カラーであって該テスタ・ヘッドを上記防振台における上記孔に対して機械的に繋止するというシリコーン・ゴム・カラーにより該テスタ・ヘッドを上記孔に結合させることにより、上記防振台に対して結合され得るべく設計される。斯かるシステムは、顕微鏡の移動の容易さと併せ、サンプルに対する好適な遮光視認を提供する。しかし、それは、上記包囲体が上記防振台に対してシールされていないのでユーザを全ての電磁波放射から保護しないこともあり、且つ、それは、サンプルが視認されるべき毎に、上記テスタ・ヘッドを上記防振台に対して厳密に結合されることを必要とする。更に、上記防振台に対して結合が行われるまでサンプルは上記テスタ・ヘッド上に露出状態で保持されることから、読取られるべきサンプルは周囲環境中の汚染物質により汚染されることがある。
【0006】
手動式の顕微鏡検査法の面倒なプロセスを克服すべく、本発明者を含む多数の研究者は、顕微鏡スライドまたは(多重ウェル・プレートの如き)他のサンプル保持デバイス上の生物学的サンプルの複数の画像視野を捕捉かつ分析するための自動式顕微鏡検査システムを提案している。斯かるシステムは、顕微鏡分析の効率を相当に改善し且つサンプルの顕微鏡分析に影響する主観的な入力の幾つかを排除する可能性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,475,316号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動式顕微鏡は、習用の顕微鏡検査法において伝統的に手作業で行われる機能の全てを高度に制御する必要があり、同様に、画像の記録を達成し得る多くのパラメータを厳密に制御する必要があることから、斯かるシステムはこれまで多くの場合に暗室に押しやられてきた。暗室における顕微鏡の作動構成要素は、卓台およびカウンタの如き静止的な物体に対して移動不能に固定される。習用の自動式顕微鏡検査システムは厳しい防振要件があり、且つ、斯かる自動式顕微鏡検査システムは多くのサンプルの順次的な分析を取扱うことが望ましいとすると、上記の特許文献1に記述された如きシステムは自動式顕微鏡検査システムに対して有用であるとは思われない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において開示された実施例は、以下のものを包含する:
【0011】
第1の見地においては、所定表面に沿い変位可能であると共に自動化ロボット式顕微鏡を収容する遮光包囲体が提供される。上記包囲体は、電子的に制御可能な構成要素と画像捕捉デバイスとを有する。上記遮光包囲体は、a)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、b)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決め可能であるという少なくともひとつの棚部と、c)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、d)当該包囲体の表面に取付けられた複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口と、を含む。
【0012】
更なる見地においては、第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムが提供される。上記統合型顕微鏡システムは、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを含む。このシステムにおいて、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、(i)載荷台を有する顕微鏡と、(ii)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、(iii)上記スライドを照射する光源と、(iv)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、(v)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を含む。更に、このシステムにおいて、上記遮光包囲体は、(i)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、(ii)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、(iii)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、(iv)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口と、を含む。
【0013】
更なる付加的な見地においては、試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法が提供される。斯かる実施例において、上記方法は、
(a)第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、本発明の遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムを配備する段階と、
(b)上記ロボット式顕微鏡システムを上記第2表面に関する適切な位置へと変位させる段階と、
(c)上記顕微鏡載荷台上に試料用スライドを可逆的に位置決めする段階と、
(d)上記試料用スライドを照射する段階と、
(e)上記試料用スライドの上記画像を捕捉する段階と、
(f)上記画像を上記モニタ上に表示する段階と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】顕微鏡包囲体区画室の実施例の外面図である。
【図2】開かれた顕微鏡包囲体区画室の実施例を示す図であり、自身上に顕微鏡アセンブリを備えた摺動可能棚部を示している。
【図3】タッチ感応式モニタ画面を含む顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図4】防振支持体を含む摺動可能棚部の実施例を示す図である。
【図5】転倒防止用支持脚部の実施例を示す図である。
【図6a】コンピュータ周辺機器を収容する摺動可能棚部を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分図である。
【図6b】コンピュータ周辺機器を収容する摺動可能棚部を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分図である。
【図7】電気機器および電子機器用の差込口を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図8】顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図9】顕微鏡を備えた包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図10】種々の電子デバイスおよび制御デバイスを収容する区画室を示す包囲体の実施例の部分図である。
【図11】発光ランプの実施例を示す図である。
【図12】発光ランプ・ハウジングおよび顕微鏡包囲体の一部の実施例を示す図である。
【図13】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図14】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図15】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図16】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の斜視図である。
【図17】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の斜視図である。
【図18】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の側面図である。
【図19】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の平面図である。
【図20】前方から見た包囲体の実施例の全体図である。
【図21】自動式顕微鏡アセンブリおよび関連する電子構成要素およびコンピュータ構成要素を示す包囲体の実施例の内部を示す図である。
【図22】後方から見た包囲体の実施例の全体図である。
【図23】電気機器および電子機器用の差込口を示す包囲体の実施例の斜視図である。
【図24】画像を表示するモニタを示す包囲体の実施例の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書においては、遮光包囲体内における統合型顕微鏡が提供される。実施例においては特に、キャスタの如き移動可能な取付具上に位置された遮光包囲体内における自動化ロボット式顕微鏡システムが提供される。斯かる実施例によれば、上記顕微鏡は容易に移動され得ると共に、該顕微鏡は、包囲体扉が一旦閉じられたならば暗い環境において作動し得る。上記包囲体は更に、有害なUVおよび他の放射線の遮断を助力する材料で製造され得る。
【0016】
一実施例において上記包囲体は、包囲された顕微鏡が清浄な環境で作動することを許容するフィルタリング・システムを更に含む。
【0017】
別実施例において上記包囲体は、該包囲体の内部とはならない該包囲体の表面が、該表面上に固着されたモニタであって、該包囲体内において顕微鏡システムにより視認されつつあるサンプルに関連する情報の視認を許容するというモニタを提供する如く設計される。選択的に斯かるモニタは、上記包囲体内における上記顕微鏡システムの機能性(たとえば、毎分当たりに読取られるスライドの枚数、検査において採用されるべきフィルタの形式、タイプライタ型キーボードなど)が当該タッチスクリーンにより制御されることを許容するタッチスクリーンを含み得る。
【0018】
別実施例においては、少なくとも2つの別体的な区画室であって、その各々が当該区画室内へのアクセスを許容する扉を有し得るという少なくとも2つの別体的な区画室を備える包囲体システムが開示される。ひとつの斯かる形式の包囲体システムにおいて、該システムは、他方の区画室内に収容された機器の制御下で、QCカメラ(図13の51)の如き多くの部品を備える顕微鏡アセンブリを収容する区画室を備えて成る。上記QCカメラは、上記区画室が閉じられている間における上記自動式顕微鏡システムの構成要素の動作を調べるために使用され得る。
【0019】
顕微鏡を収容する上記区画室は、周囲光が撮像と干渉するのを阻止すべく、且つ、画像化プロセスにおいて使用される一切の電磁波放射の漏出物が該区画室の周囲の環境へと漏れるのを阻止すべく遮光性とされ得る。
【0020】
自動式顕微鏡アセンブリの実施例210は、2つの斜視図である図16および図17、側面図である図18、および、平面図である図19に示される。顕微鏡の試料用スライドはカセット内へと装填され、該カセットは次に、顕微鏡システムの入力ポート300内へと装填される。カセットのバーコード・タグからは、識別データ(ID)が読取られる。代替的に、上記IDデータに対し、RFIDタグ、または、電磁的に読取可能な情報の如き他の同等の手段が採用され得る。カセットの存在を、磁気的センサが検出する。一定の実施例においては、装填されたカセットを上記入力ポートから上昇器サブアセンブリ310まで、コンベア・ベルトが搬送する。上昇器サブアセンブリ310は、モータ駆動式の送りネジ325上で上下動するフック状の取付け用固定具320を備えて成る。取付け用固定具320は、上記カセット上の受容スロットであって、該カセットが上昇もしくは下降することを許容するという受容スロットに対して係合する。上記カセットは次に、該カセット内に収容された第1の顕微鏡スライドにアクセスするに適した位置まで下降される。
【0021】
取出しのために選択された上記スライドの直上にて、上記カセット内へと送給器アーム・アセンブリが送給器アーム360を挿入する。顕微鏡載荷台370上に取付けられたスライド・ホルダは、該載荷台370により、スライドと整列する位置へと移動される。上記スライド・ホルダを所定位置へと移動させると、各端部に屈曲部を備える小径のワイヤは90°回転されることにより、送給器アーム360の前縁部から下方に垂直に突出するフックが設定される。引き続き送給器アーム360が後退されるとき、上記ワイヤ・フックは上記スライドを上記スライド・ホルダ上へと引張る。載荷台370の移動によれば送給器アーム・ワイヤは再び回転することにより、送給器アーム360の前縁部において既に展開されているフックを後退させ、同時に、送給器アーム360の後縁部の同様のフックを展開させる。
【0022】
載荷台370は次に、試料用スライドが顕微鏡の視野内となる様に、上記スライド・ホルダを位置決めする。上記試料用スライドは、直角のプリズムもしくはミラーにより反射モードで光源330により照射される。モータ駆動式回転台340により所望波長のフィルタが選択され、光路内に載置される。カメラもしくは画像化デバイス350は画像を捕捉する。プロトコルにより必要とされる如く、顕微鏡載荷台370が上記スライドを再位置決めし且つ/又は別のフィルタが選択され、且つ、付加的な画像が捕捉される。必要な画像の全てが捕捉されたとき、顕微鏡載荷台370は上記スライドを、カセット・スロットの直前における該スライドの再装填位置へと戻す。
【0023】
上記送給器アーム・アセンブリは、送給器アーム360を以前と同様に上記カセット内へと挿入する。一実施例において、今や展開された後部フックは、送給器アーム360が延伸されるにつれ、上記スライドをそのカセット・スロット内へと押し戻す。代替実施例においては、上記送給器アーム・アセンブリの下方のカム/スライド押圧ブロックが上記スライドを上記カセット内へと押圧する。次に送給器アーム360は後退し、且つ、上昇器サブアセンブリ310により上記カセットは移動されることで、それは次のスライドに対するアクセスのために位置決めされる。上記取出し/検査/戻しプロセスは、全てのスライドが検査されるまで反復される。
【0024】
上記カセットは次に、上記上昇器サブアセンブリにより低位レベルへと移動され、其処でそれは、フック状の取付け用固定具320から結合解除される。上記カセットを、コンベア・ベルトが出力ポート380まで搬送する。
【0025】
一実施例において上記各区画室は、相互に積層されると共に、(たとえばネジ、ボルト、溶接などの)固着デバイスにより相互に対して取付けられる。最下部の区画室の底面上に車輪もしくはキャスタの如き回転可能な機構を含めることにより、結合された上記各区画室は、相互に協働して床部上を容易に移動され得る。もしキャスタが使用されるなら、該キャスタは完全に繋止可能とされ得、各車輪および垂直枢動軸は協働して繋止される。斯かる実施例においては、当該構造が着座する床部に臨む上記区画室の底面に対して取付けられた転倒防止用支持脚部が含まれ得る。該転倒防止用支持脚部は、下側区画室から突出され得る所定材料製のアングル・ピースから成り得る。斯かる支持脚部は、該支持脚部の一部分であって、上記下側区画室の底面に対して摺動可能とされることで該転倒防止用支持脚部の伸張および格納を許容するという一部分を有すべく作用的に構成され得る。上記転倒防止用支持脚部によれば、相互接続されて積層された各区画室が転倒する虞れが減少され得る。
【0026】
図1を参照すると、本発明の区画室アセンブリ10の好適実施例が示される。斯かるシステムは、上側区画室15および下側区画室20を備えて成る。
【0027】
下側区画室20はファン通気口40を含むと共に、該区画室自身の下側面に取付けられたキャスタ5を有することで、区画室アセンブリ10が床部上で移動可能とされることが許容される。示された如く下側区画室20は転倒防止用支持脚部45を更に含み、該脚部は下側区画室20の下側面上に収容され且つ該脚部は其処から伸張位置まで伸張可能であり、該位置において上記転倒防止用支持脚部の一部は、区画室アセンブリ10に対する支持を提供すべく上記下側区画室から遠位となる床部分上に着座する。図6aおよび図6bに示された如く下側区画室20は、マウス110およびキーボード105の如き入力手段を介して自動式顕微鏡に命令を提供するために有用なデバイスを含み得る。折畳み可能かつ延出可能なマウステーブル107が含まれ得る。
【0028】
上側区画室15は、該区画室内の機器を清浄に冷却して維持することを助力する(図14において内部的に示された)空気フィルタ・システム34と、ディスプレイ・モニタ30とを含んで示され、該モニタを通しては、画像表示物が視認され得、且つ/又は、該区画室内に収容された上記顕微鏡に関する命令が入力され得る。図3には代表的なディスプレイ・モニタ30が示され、この場合に該モニタは自身上に、画像ウィンドウ34、命令20および画像増進ウィンドウ30、ならびに、他の情報を含んでいる。入力は、夫々の部分への接触によるものとされ得る。上側区画室15は更に、画像走査の阻害を引き起こさずに、複数の顕微鏡スライドを収容するカセットを収納しもしくは取出すための小寸の摺動可能扉(10)を含んで示される。図15には、内側区画室からの代表的な摺動可能扉(10)が示される。図15に示された如く、摺動可能扉(25)は平行な一対の溝付きランナ165、165’と接合することで、該摺動可能扉(10)が上記ランナに沿い移動することが許容される。図15はまた、モニタ30に対して設定された代表的な接続部(166)も示している。上側区画室15は更に、図8のファン・ダクト40’に対して接続されたファンの如き冷却装置、および、図14の150にて示された如きライトを含み得る。
【0029】
顕微鏡アセンブリ(55)を収容する区画室(15)は、該区画室内に位置決めされた摺動可能棚部(45)を含み得、該棚部上には顕微鏡が着座し得る(図9を参照)。上記摺動可能棚部によれば上記顕微鏡は、上記区画室に対して出入りすべく摺動され得る。図2は、下側区画室20を更に備える区画室アセンブリ10の上側区画室15であって扉50を介してアクセス可能であるという上側区画室15内に見られる顕微鏡アセンブリ45を支持する代表的な摺動可能棚部60を示している。摺動可能棚部60は、伸張可能支持体65内を摺動する摺動可能ランナ62を含んで示される。上記摺動可能棚部は、周囲の振動力による顕微鏡の振動を減少する様式で例えば図4に示された所定数の防振軸受を含むことで、画像の安定性および品質を高め得る。図4に示された如く摺動可能棚部60は自身上に、動作の間において顕微鏡に伝わる一切の振動を減少することで、区画室アセンブリ10に対して不測の衝撃が加えられたときに画像の安定性および品質を高めるべく作用的に構成された防振軸受90、90’、90”を含み得る。上記摺動可能棚部は、上記顕微鏡を保持する上記区画室から該摺動可能棚部が引き出されるときに、床部に臨む前記区画室の底面の下方から転倒防止用支持脚部を摺動させるべく作用的に構成された(限定的なものとしてで無く、プーリ・システムの如き)連結機構により該支持脚部に対して連結され得る。斯かる様式で上記転倒防止用支持脚部は、上記摺動可能棚部上の顕微鏡がその区画室から突出されたときにおける転倒の虞れを減少する。
【0030】
図2に示された如く、転倒防止用支持脚部45は、摺動可能棚部60の移動時に上側チャンバ15から外方に伸張可能である。転倒防止用支持脚部45は、部分的にはキャスタ70により提供される隙間により、下側区画室20の下側表面の下方に格納可能である。図5には代表的な転倒防止用支持脚部45が示され、この場合、該転倒防止用支持脚部が完全に伸張された如き伸張位置に在るときに、区画室アセンブリ10が載置される床部上に着座すべく作用的に構成された支持部分95を備える脚部が示される。上記転倒防止用支持脚部は更に、各摺動支持体100間において上記区画室アセンブリの下側区画室の下方に着座すべく作用的に構成された区画室の摺動部分105を含む。一実施例において上記転倒防止脚部は、摺動可能棚部60を引き出すことを必要とせずに、外部に係合され得る。
【0031】
図4に例証される如く上記摺動可能棚部は、該摺動可能棚部が上記区画室内へと内方に且つ該区画室から外方へと移動されるときに、顕微鏡に取付けられた各ケーブルが絡まない様に該ケーブルを保持する可撓ケーブル・レール63を含み得る(図11も参照)。当業者であれば理解される様に、(たとえば図8に示されたランプ125などの)電磁波放射源の部分の如き上記顕微鏡システムの一定の構成要素は、対物レンズおよびサンプルに関する遮光包囲体が維持される限りにおいて、上記顕微鏡を収容する上記区画室の外部に延在すべく構成され得る。たとえば図8に示されたランプ125は、開口124を通して上側区画室15の外部へと延在する。熱が上記上側チャンバ内へ注がれるのではなく上記キャビネット環境へと注がれ得るなら、上記ランプを外部に延在させることは好適であり得る。図11に示された如くランプ125は、当該ハウジング145と図12の光閉鎖材料124との間において光シールが行われる如く該光閉鎖材料124と接合すべく設計されたハウジング145を介して、上側区画室20内へと突出する。
【0032】
上記顕微鏡に対して区画室が収容する制御デバイス(20)は、データ格納、データ処理のための機器、または、他の任意の形式の制御デバイス(図10の130、135、140)を備え得る。たとえば斯かる区画室はまた、図6aおよび図6bに示された如く、キーボード(106)と、マウス(110)と、当該摺動可能棚部(105)から延出可能に作用的に構成され得るマウス・パッド・テーブル(107)とを収容する摺動可能棚部(105)も含み得る。
【0033】
図7に示された如く、ひとつ以上の区画室は、好適には該区画室の外部に電力パネル115を備え得る。該電力パネルは、電力用差込口120、ネットワーク用差込口、電話用差込口、USB用差込口、VGA用差込口、および、キーボード用差込口122の如き差込口を含み得る。ひとつ以上の区画室は、ファン、フィルタ、およびライトの如き内部もしくは外部のデバイスを備え得る。上記各区画室の夫々の扉は、該ドアの全体を開く必要なしで当該区画室内への容易なアクセスを許容する摺動扉であって、当該区画室内への周囲光の最小限の進入を以て該区画室内への最少侵襲的な進入を許容するという摺動扉を含み得る。
【0034】
代替実施例において、二区画室式の遮光包囲体は図20に示され、且つ、図21乃至図24に更に示される。図20の実施例は、相互に上下に垂直に積層された2つの区画室を含んでいる。図20に見られる如く、下側区画室はその下側の外側表面に対して取付けられた一群のキャスタを有することにより、周囲における床部、または、実験システムの基台の如き表面に関して上記包囲体の全体の容易な変位を許容する。下側区画室は該区画室の前部扉内に、前部冷却ファンに対する開口を含む。この実施例において上側区画室は好適に配置された大寸のディスプレイ/タッチスクリーンを含み、該スクリーン上には、上記包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムの種々の構成要素を動作させる命令、および、画像捕捉デバイスにより獲得された画像が表示され得る。斯かる捕捉画像の描写は、図24に示される。上記上側区画室は、複数の試料用スライドを収容するスライド・カセットの導入もしくは引出しのための摺動可能なカセット用扉を更に含んでいる。
【0035】
図21には、同様に相互に上下に積層された2つの区画室を表す遮光包囲体の実施例が示される。各区画室は、図21において開いて示されることでその内部へのアクセスを許容する扉を有する。上側区画室は、摺動可能棚部上の自動化ロボット式顕微鏡を含んで示される。下側区画室は、コントローラ、コンピュータ、および、UPS電源などの種々の電気的および電子的構成要素を含んで示される。
【0036】
図22には、遮光包囲体の実施例が異なる視点から示されており、垂直に積層された2つの区画室も示されている。上側区画室は、上側キャビネットの内側からランプ・ハウスを遮断するハウジングである切欠き空間を含む。このハウジング内には、上記遮光包囲体の外側からアクセス可能なランプアクセス用扉、ならびに、ランプ・ハウスが在る。これらの2つの区画室によれば、顕微鏡光源の好適な観察および保守が許容される。図22に示された下側区画室においては、各ファンに対する開口が含まれる。
【0037】
図23には、遮光包囲体の実施例の斜視図が示される。該図に示された下側区画室にて包囲体の側部表面上には、該区画室内における種々の電源、電子的構成要素およびコンピュータ構成要素と通信する種々の電気的および電子的な差込口に対するパネルがある。これらは、商用電源、VGAコネクタ、および、ネットワークおよびUSBコネクタに対する差込口を含んでいる。
【0038】
本明細書において提供された統合型顕微鏡システムに対しては、種々の用途が企図される。該システムは、完全に自己完結式であると共に、実験室の設備において、床部に沿い、または、基台もしくは作業台の表面上で変位し得ることで、局部的環境の要件に適合する。但し、外部ディスプレイおよびコンピュータ関連機器とインタフェースする構成要素などの種々の電気的および電子的構成要素に対する差込口に鑑みると、本発明の上記システムは、広範囲な実験用もしくは診断用のプロトコルを達成すべく非常に多用途的である。スライド・カセットの包含、および、コンピュータもしくは同様のデジタル制御デバイスを介して該スライド・カセットの動作を指示する機能によれば、高スループットの実験または診断のスクリーニングが実現可能である。使用に際し、本発明の上記システムによれば、試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法の実施例が提供される。これらの方法は、本明細書に開示された如く、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えると共に第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムを含む。上記ロボット式顕微鏡システムは、研究もしくは運用設備の作業表面上の任意の適切な位置に配置され得る。検査されるべき生物学的、診断的または外科的なサンプルから単一のスライドまたは複数のスライドが調製される。斯かる調製には、区画化、薄片化、固定、および、蛍光in situハイブリダイゼーションを介して特定の成分を目標限定する蛍光標識などの蛍光標識に対する露光による着色の如き処置、および、当業者に公知である同様の処置を伴い得る。種々の実施例において上記スライドは、顕微鏡分析のために追随すべき特定の実験プロトコルの表示などの調製の属性を識別するための読取可能なラベルを更に備える。
【0039】
スライド・カセット内には単一もしくは複数のスライドが載置され、該カセットは次に、上記遮光包囲体の区画室に配備されたカセット用扉を通して上記自動化ロボット式顕微鏡システム内へと導入される。上記カセットは、上記顕微鏡の載荷台上に特定のスライドを可逆的に搬送することを指示される。上記スライドは次に、追随される特定のスライド調製プロトコルに対して適切である入射光特性の設定を含め、行われつつある分析に対して適切である光により照射される。これは、入射光の光線内への適切なフィルタの導入を伴い得る。
【0040】
画像捕捉デバイスは、上記スライドの画像を位置合わせし、且つ、必要であれば、コンピュータに常駐するアルゴリズムと相互作用することで、捕捉された画像を最適化する。これは、スライド上の試料の特定部分であって分析に対して最適な画像を呈する特定部分に対してアクセスする段階、ならびに、露光もしくは強度レベルを最適化して可及的に有用な画像を提供する段階を含み得る。
【0041】
捕捉して最適化された画像は次に上記統合型顕微鏡システムの外部モニタ上に表示され、更に該画像は、更なる分析のために上記システムのコンピュータ内に保存もしくは記録されると共に、更なる分析のために他のレンダリング装置もしくは他のコンピュータ関連機器へと外部に送信される。
【0042】
好適実施例に関する陳述
本発明は好適実施例に関して記述されたが、当業者であれば、本発明に対しては添付の各請求項により定義された本発明の精神または有効範囲から逸脱せずに種々の変更および/または改変が為され得ることを容易に理解し得よう。
【符号の説明】
【0043】
5 キャスタ
10 区画室アセンブリ
15 上側区画室
20 下側区画室
30 ディスプレイ・モニタ
34 画像ウィンドウ
40 ファン通気口
40´ ファン・ダクト
45 転倒防止用支持脚部
50 扉
51 QCカメラ
60 摺動可能棚部
62 摺動可能ランナ
63 可撓ケーブル・レール
65 伸張可能支持体
70 キャスタ
90、90´、90´´ 防振軸受
95 支持部分
100 摺動支持体
105 区画室の摺動部分
106 キーボード
107 マウステーブル/マウス・パッド・テーブル
110 マウス
115 電力パネル
120 電力用差込口
122 キーボード用差込口
124 開口
125 ランプ
130、135、140 制御デバイス
145 ハウジング
150 ライト
165、165´ 溝付きランナ
166 接続部
210 自動式顕微鏡アセンブリ
300 入力ポート
310 上昇器サブアセンブリ
320 フック状の取付け用固定具
325 モータ駆動式の送りネジ
330 光源
340 モータ駆動式回転台
350 カメラ/画像化デバイス
360 送給器アーム
370 顕微鏡載荷台
380 出力ポート
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2006年8月4日に出願された米国仮出願第60/821,544号の優先権の特典を主張するものであり、該出願は言及したことにより全体的に本明細書中に援用される。
発明の背景
本明細書において引用される全ての文献およびそれらの言及文献は、付加的もしくは代替的な詳細、特徴および/または技術的背景の教示に対して適切である場合、言及したことにより本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は概略的に、顕微鏡包囲体システムに関する。
【背景技術】
【0002】
概略的にハイエンドの顕微鏡は、暗室内に配置されることで、周囲光による視認の阻害が減少される。斯かる顕微鏡は多くの場合、種々のコンピュータ、コントローラ、および、それらに関連する他の構成要素を備えた卓台もしくはデスク上に載置される。斯かる設備は顕微鏡検査法を相当に支援するが、暗室の使用には不都合がある。
【0003】
任意の暗室の最初の不都合は、暗室によれば該暗室のユーザは、外部の明るい光から該暗室の暗い光への変化に適応するために、且つ、該暗室の暗い光から明るい外部の光に向かい該暗室を離脱するときに時間が掛かるということである。暗室はまたそれ自体、塵埃、周囲の汚染物質などが、該暗室内で撮られた顕微鏡画像と干渉することを防止しない。実際、多くの暗室は本質的に小寸であり、該暗室内で利用できる通気は不適切であることから、該暗室においては汚染物質が実際に蓄積し得る。最後に、暗室の作製および保守は、相当に費用が掛かり得る。
【0004】
暗室はまたそれら自体、顕微鏡検査法の幾つかの危険性に対して顕微鏡使用者を保護しない。たとえば、顕微鏡使用者は多くの場合、UV放射線の如く可能的に有害な電磁波を放出する。更に顕微鏡使用者は、一定の毒性金属もしくは標識剤を備えたサンプルを処理する必要があり得る。斯かる条件下において顕微鏡の操作者は多くの場合、メガネおよび手袋の如き保護用具を装着する必要があるが、操作者は依然として、不都合なレベルの電磁波放射および毒性物質に晒されることが多い。
【0005】
特許文献1は、当該防振台に切り込まれた孔を有する搬送可能な防振台上に取付けられた放射型顕微鏡を有する放射型顕微鏡システムを記述し、上記放射型顕微鏡は遮光包囲体により包囲されている。上記包囲体に対する押圧が上記放射型顕微鏡を振動させない様に、上記放射型顕微鏡は上記防振台に対して堅固に取付けられるが、上記包囲体はそうではない。記述された如く半導体回路であるという視認されるべきサンプルは、同様に移動可能な支持構造上に保持され得るテスタ・ヘッド上に載置される。上記テスタ・ヘッドは、遮光性の撓曲可能なシリコーン・ゴム・カラーであって該テスタ・ヘッドを上記防振台における上記孔に対して機械的に繋止するというシリコーン・ゴム・カラーにより該テスタ・ヘッドを上記孔に結合させることにより、上記防振台に対して結合され得るべく設計される。斯かるシステムは、顕微鏡の移動の容易さと併せ、サンプルに対する好適な遮光視認を提供する。しかし、それは、上記包囲体が上記防振台に対してシールされていないのでユーザを全ての電磁波放射から保護しないこともあり、且つ、それは、サンプルが視認されるべき毎に、上記テスタ・ヘッドを上記防振台に対して厳密に結合されることを必要とする。更に、上記防振台に対して結合が行われるまでサンプルは上記テスタ・ヘッド上に露出状態で保持されることから、読取られるべきサンプルは周囲環境中の汚染物質により汚染されることがある。
【0006】
手動式の顕微鏡検査法の面倒なプロセスを克服すべく、本発明者を含む多数の研究者は、顕微鏡スライドまたは(多重ウェル・プレートの如き)他のサンプル保持デバイス上の生物学的サンプルの複数の画像視野を捕捉かつ分析するための自動式顕微鏡検査システムを提案している。斯かるシステムは、顕微鏡分析の効率を相当に改善し且つサンプルの顕微鏡分析に影響する主観的な入力の幾つかを排除する可能性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,475,316号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
自動式顕微鏡は、習用の顕微鏡検査法において伝統的に手作業で行われる機能の全てを高度に制御する必要があり、同様に、画像の記録を達成し得る多くのパラメータを厳密に制御する必要があることから、斯かるシステムはこれまで多くの場合に暗室に押しやられてきた。暗室における顕微鏡の作動構成要素は、卓台およびカウンタの如き静止的な物体に対して移動不能に固定される。習用の自動式顕微鏡検査システムは厳しい防振要件があり、且つ、斯かる自動式顕微鏡検査システムは多くのサンプルの順次的な分析を取扱うことが望ましいとすると、上記の特許文献1に記述された如きシステムは自動式顕微鏡検査システムに対して有用であるとは思われない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において開示された実施例は、以下のものを包含する:
【0011】
第1の見地においては、所定表面に沿い変位可能であると共に自動化ロボット式顕微鏡を収容する遮光包囲体が提供される。上記包囲体は、電子的に制御可能な構成要素と画像捕捉デバイスとを有する。上記遮光包囲体は、a)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、b)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決め可能であるという少なくともひとつの棚部と、c)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、d)当該包囲体の表面に取付けられた複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口と、を含む。
【0012】
更なる見地においては、第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムが提供される。上記統合型顕微鏡システムは、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを含む。このシステムにおいて、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、(i)載荷台を有する顕微鏡と、(ii)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、(iii)上記スライドを照射する光源と、(iv)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、(v)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を含む。更に、このシステムにおいて、上記遮光包囲体は、(i)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、(ii)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、(iii)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、(iv)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口と、を含む。
【0013】
更なる付加的な見地においては、試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法が提供される。斯かる実施例において、上記方法は、
(a)第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、本発明の遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムを配備する段階と、
(b)上記ロボット式顕微鏡システムを上記第2表面に関する適切な位置へと変位させる段階と、
(c)上記顕微鏡載荷台上に試料用スライドを可逆的に位置決めする段階と、
(d)上記試料用スライドを照射する段階と、
(e)上記試料用スライドの上記画像を捕捉する段階と、
(f)上記画像を上記モニタ上に表示する段階と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】顕微鏡包囲体区画室の実施例の外面図である。
【図2】開かれた顕微鏡包囲体区画室の実施例を示す図であり、自身上に顕微鏡アセンブリを備えた摺動可能棚部を示している。
【図3】タッチ感応式モニタ画面を含む顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図4】防振支持体を含む摺動可能棚部の実施例を示す図である。
【図5】転倒防止用支持脚部の実施例を示す図である。
【図6a】コンピュータ周辺機器を収容する摺動可能棚部を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分図である。
【図6b】コンピュータ周辺機器を収容する摺動可能棚部を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分図である。
【図7】電気機器および電子機器用の差込口を示す顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図8】顕微鏡包囲体区画室の実施例の部分的外面図である。
【図9】顕微鏡を備えた包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図10】種々の電子デバイスおよび制御デバイスを収容する区画室を示す包囲体の実施例の部分図である。
【図11】発光ランプの実施例を示す図である。
【図12】発光ランプ・ハウジングおよび顕微鏡包囲体の一部の実施例を示す図である。
【図13】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図14】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図15】包囲体の内部の実施例の部分図である。
【図16】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の斜視図である。
【図17】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の斜視図である。
【図18】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の側面図である。
【図19】自動式顕微鏡アセンブリの実施例の平面図である。
【図20】前方から見た包囲体の実施例の全体図である。
【図21】自動式顕微鏡アセンブリおよび関連する電子構成要素およびコンピュータ構成要素を示す包囲体の実施例の内部を示す図である。
【図22】後方から見た包囲体の実施例の全体図である。
【図23】電気機器および電子機器用の差込口を示す包囲体の実施例の斜視図である。
【図24】画像を表示するモニタを示す包囲体の実施例の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書においては、遮光包囲体内における統合型顕微鏡が提供される。実施例においては特に、キャスタの如き移動可能な取付具上に位置された遮光包囲体内における自動化ロボット式顕微鏡システムが提供される。斯かる実施例によれば、上記顕微鏡は容易に移動され得ると共に、該顕微鏡は、包囲体扉が一旦閉じられたならば暗い環境において作動し得る。上記包囲体は更に、有害なUVおよび他の放射線の遮断を助力する材料で製造され得る。
【0016】
一実施例において上記包囲体は、包囲された顕微鏡が清浄な環境で作動することを許容するフィルタリング・システムを更に含む。
【0017】
別実施例において上記包囲体は、該包囲体の内部とはならない該包囲体の表面が、該表面上に固着されたモニタであって、該包囲体内において顕微鏡システムにより視認されつつあるサンプルに関連する情報の視認を許容するというモニタを提供する如く設計される。選択的に斯かるモニタは、上記包囲体内における上記顕微鏡システムの機能性(たとえば、毎分当たりに読取られるスライドの枚数、検査において採用されるべきフィルタの形式、タイプライタ型キーボードなど)が当該タッチスクリーンにより制御されることを許容するタッチスクリーンを含み得る。
【0018】
別実施例においては、少なくとも2つの別体的な区画室であって、その各々が当該区画室内へのアクセスを許容する扉を有し得るという少なくとも2つの別体的な区画室を備える包囲体システムが開示される。ひとつの斯かる形式の包囲体システムにおいて、該システムは、他方の区画室内に収容された機器の制御下で、QCカメラ(図13の51)の如き多くの部品を備える顕微鏡アセンブリを収容する区画室を備えて成る。上記QCカメラは、上記区画室が閉じられている間における上記自動式顕微鏡システムの構成要素の動作を調べるために使用され得る。
【0019】
顕微鏡を収容する上記区画室は、周囲光が撮像と干渉するのを阻止すべく、且つ、画像化プロセスにおいて使用される一切の電磁波放射の漏出物が該区画室の周囲の環境へと漏れるのを阻止すべく遮光性とされ得る。
【0020】
自動式顕微鏡アセンブリの実施例210は、2つの斜視図である図16および図17、側面図である図18、および、平面図である図19に示される。顕微鏡の試料用スライドはカセット内へと装填され、該カセットは次に、顕微鏡システムの入力ポート300内へと装填される。カセットのバーコード・タグからは、識別データ(ID)が読取られる。代替的に、上記IDデータに対し、RFIDタグ、または、電磁的に読取可能な情報の如き他の同等の手段が採用され得る。カセットの存在を、磁気的センサが検出する。一定の実施例においては、装填されたカセットを上記入力ポートから上昇器サブアセンブリ310まで、コンベア・ベルトが搬送する。上昇器サブアセンブリ310は、モータ駆動式の送りネジ325上で上下動するフック状の取付け用固定具320を備えて成る。取付け用固定具320は、上記カセット上の受容スロットであって、該カセットが上昇もしくは下降することを許容するという受容スロットに対して係合する。上記カセットは次に、該カセット内に収容された第1の顕微鏡スライドにアクセスするに適した位置まで下降される。
【0021】
取出しのために選択された上記スライドの直上にて、上記カセット内へと送給器アーム・アセンブリが送給器アーム360を挿入する。顕微鏡載荷台370上に取付けられたスライド・ホルダは、該載荷台370により、スライドと整列する位置へと移動される。上記スライド・ホルダを所定位置へと移動させると、各端部に屈曲部を備える小径のワイヤは90°回転されることにより、送給器アーム360の前縁部から下方に垂直に突出するフックが設定される。引き続き送給器アーム360が後退されるとき、上記ワイヤ・フックは上記スライドを上記スライド・ホルダ上へと引張る。載荷台370の移動によれば送給器アーム・ワイヤは再び回転することにより、送給器アーム360の前縁部において既に展開されているフックを後退させ、同時に、送給器アーム360の後縁部の同様のフックを展開させる。
【0022】
載荷台370は次に、試料用スライドが顕微鏡の視野内となる様に、上記スライド・ホルダを位置決めする。上記試料用スライドは、直角のプリズムもしくはミラーにより反射モードで光源330により照射される。モータ駆動式回転台340により所望波長のフィルタが選択され、光路内に載置される。カメラもしくは画像化デバイス350は画像を捕捉する。プロトコルにより必要とされる如く、顕微鏡載荷台370が上記スライドを再位置決めし且つ/又は別のフィルタが選択され、且つ、付加的な画像が捕捉される。必要な画像の全てが捕捉されたとき、顕微鏡載荷台370は上記スライドを、カセット・スロットの直前における該スライドの再装填位置へと戻す。
【0023】
上記送給器アーム・アセンブリは、送給器アーム360を以前と同様に上記カセット内へと挿入する。一実施例において、今や展開された後部フックは、送給器アーム360が延伸されるにつれ、上記スライドをそのカセット・スロット内へと押し戻す。代替実施例においては、上記送給器アーム・アセンブリの下方のカム/スライド押圧ブロックが上記スライドを上記カセット内へと押圧する。次に送給器アーム360は後退し、且つ、上昇器サブアセンブリ310により上記カセットは移動されることで、それは次のスライドに対するアクセスのために位置決めされる。上記取出し/検査/戻しプロセスは、全てのスライドが検査されるまで反復される。
【0024】
上記カセットは次に、上記上昇器サブアセンブリにより低位レベルへと移動され、其処でそれは、フック状の取付け用固定具320から結合解除される。上記カセットを、コンベア・ベルトが出力ポート380まで搬送する。
【0025】
一実施例において上記各区画室は、相互に積層されると共に、(たとえばネジ、ボルト、溶接などの)固着デバイスにより相互に対して取付けられる。最下部の区画室の底面上に車輪もしくはキャスタの如き回転可能な機構を含めることにより、結合された上記各区画室は、相互に協働して床部上を容易に移動され得る。もしキャスタが使用されるなら、該キャスタは完全に繋止可能とされ得、各車輪および垂直枢動軸は協働して繋止される。斯かる実施例においては、当該構造が着座する床部に臨む上記区画室の底面に対して取付けられた転倒防止用支持脚部が含まれ得る。該転倒防止用支持脚部は、下側区画室から突出され得る所定材料製のアングル・ピースから成り得る。斯かる支持脚部は、該支持脚部の一部分であって、上記下側区画室の底面に対して摺動可能とされることで該転倒防止用支持脚部の伸張および格納を許容するという一部分を有すべく作用的に構成され得る。上記転倒防止用支持脚部によれば、相互接続されて積層された各区画室が転倒する虞れが減少され得る。
【0026】
図1を参照すると、本発明の区画室アセンブリ10の好適実施例が示される。斯かるシステムは、上側区画室15および下側区画室20を備えて成る。
【0027】
下側区画室20はファン通気口40を含むと共に、該区画室自身の下側面に取付けられたキャスタ5を有することで、区画室アセンブリ10が床部上で移動可能とされることが許容される。示された如く下側区画室20は転倒防止用支持脚部45を更に含み、該脚部は下側区画室20の下側面上に収容され且つ該脚部は其処から伸張位置まで伸張可能であり、該位置において上記転倒防止用支持脚部の一部は、区画室アセンブリ10に対する支持を提供すべく上記下側区画室から遠位となる床部分上に着座する。図6aおよび図6bに示された如く下側区画室20は、マウス110およびキーボード105の如き入力手段を介して自動式顕微鏡に命令を提供するために有用なデバイスを含み得る。折畳み可能かつ延出可能なマウステーブル107が含まれ得る。
【0028】
上側区画室15は、該区画室内の機器を清浄に冷却して維持することを助力する(図14において内部的に示された)空気フィルタ・システム34と、ディスプレイ・モニタ30とを含んで示され、該モニタを通しては、画像表示物が視認され得、且つ/又は、該区画室内に収容された上記顕微鏡に関する命令が入力され得る。図3には代表的なディスプレイ・モニタ30が示され、この場合に該モニタは自身上に、画像ウィンドウ34、命令20および画像増進ウィンドウ30、ならびに、他の情報を含んでいる。入力は、夫々の部分への接触によるものとされ得る。上側区画室15は更に、画像走査の阻害を引き起こさずに、複数の顕微鏡スライドを収容するカセットを収納しもしくは取出すための小寸の摺動可能扉(10)を含んで示される。図15には、内側区画室からの代表的な摺動可能扉(10)が示される。図15に示された如く、摺動可能扉(25)は平行な一対の溝付きランナ165、165’と接合することで、該摺動可能扉(10)が上記ランナに沿い移動することが許容される。図15はまた、モニタ30に対して設定された代表的な接続部(166)も示している。上側区画室15は更に、図8のファン・ダクト40’に対して接続されたファンの如き冷却装置、および、図14の150にて示された如きライトを含み得る。
【0029】
顕微鏡アセンブリ(55)を収容する区画室(15)は、該区画室内に位置決めされた摺動可能棚部(45)を含み得、該棚部上には顕微鏡が着座し得る(図9を参照)。上記摺動可能棚部によれば上記顕微鏡は、上記区画室に対して出入りすべく摺動され得る。図2は、下側区画室20を更に備える区画室アセンブリ10の上側区画室15であって扉50を介してアクセス可能であるという上側区画室15内に見られる顕微鏡アセンブリ45を支持する代表的な摺動可能棚部60を示している。摺動可能棚部60は、伸張可能支持体65内を摺動する摺動可能ランナ62を含んで示される。上記摺動可能棚部は、周囲の振動力による顕微鏡の振動を減少する様式で例えば図4に示された所定数の防振軸受を含むことで、画像の安定性および品質を高め得る。図4に示された如く摺動可能棚部60は自身上に、動作の間において顕微鏡に伝わる一切の振動を減少することで、区画室アセンブリ10に対して不測の衝撃が加えられたときに画像の安定性および品質を高めるべく作用的に構成された防振軸受90、90’、90”を含み得る。上記摺動可能棚部は、上記顕微鏡を保持する上記区画室から該摺動可能棚部が引き出されるときに、床部に臨む前記区画室の底面の下方から転倒防止用支持脚部を摺動させるべく作用的に構成された(限定的なものとしてで無く、プーリ・システムの如き)連結機構により該支持脚部に対して連結され得る。斯かる様式で上記転倒防止用支持脚部は、上記摺動可能棚部上の顕微鏡がその区画室から突出されたときにおける転倒の虞れを減少する。
【0030】
図2に示された如く、転倒防止用支持脚部45は、摺動可能棚部60の移動時に上側チャンバ15から外方に伸張可能である。転倒防止用支持脚部45は、部分的にはキャスタ70により提供される隙間により、下側区画室20の下側表面の下方に格納可能である。図5には代表的な転倒防止用支持脚部45が示され、この場合、該転倒防止用支持脚部が完全に伸張された如き伸張位置に在るときに、区画室アセンブリ10が載置される床部上に着座すべく作用的に構成された支持部分95を備える脚部が示される。上記転倒防止用支持脚部は更に、各摺動支持体100間において上記区画室アセンブリの下側区画室の下方に着座すべく作用的に構成された区画室の摺動部分105を含む。一実施例において上記転倒防止脚部は、摺動可能棚部60を引き出すことを必要とせずに、外部に係合され得る。
【0031】
図4に例証される如く上記摺動可能棚部は、該摺動可能棚部が上記区画室内へと内方に且つ該区画室から外方へと移動されるときに、顕微鏡に取付けられた各ケーブルが絡まない様に該ケーブルを保持する可撓ケーブル・レール63を含み得る(図11も参照)。当業者であれば理解される様に、(たとえば図8に示されたランプ125などの)電磁波放射源の部分の如き上記顕微鏡システムの一定の構成要素は、対物レンズおよびサンプルに関する遮光包囲体が維持される限りにおいて、上記顕微鏡を収容する上記区画室の外部に延在すべく構成され得る。たとえば図8に示されたランプ125は、開口124を通して上側区画室15の外部へと延在する。熱が上記上側チャンバ内へ注がれるのではなく上記キャビネット環境へと注がれ得るなら、上記ランプを外部に延在させることは好適であり得る。図11に示された如くランプ125は、当該ハウジング145と図12の光閉鎖材料124との間において光シールが行われる如く該光閉鎖材料124と接合すべく設計されたハウジング145を介して、上側区画室20内へと突出する。
【0032】
上記顕微鏡に対して区画室が収容する制御デバイス(20)は、データ格納、データ処理のための機器、または、他の任意の形式の制御デバイス(図10の130、135、140)を備え得る。たとえば斯かる区画室はまた、図6aおよび図6bに示された如く、キーボード(106)と、マウス(110)と、当該摺動可能棚部(105)から延出可能に作用的に構成され得るマウス・パッド・テーブル(107)とを収容する摺動可能棚部(105)も含み得る。
【0033】
図7に示された如く、ひとつ以上の区画室は、好適には該区画室の外部に電力パネル115を備え得る。該電力パネルは、電力用差込口120、ネットワーク用差込口、電話用差込口、USB用差込口、VGA用差込口、および、キーボード用差込口122の如き差込口を含み得る。ひとつ以上の区画室は、ファン、フィルタ、およびライトの如き内部もしくは外部のデバイスを備え得る。上記各区画室の夫々の扉は、該ドアの全体を開く必要なしで当該区画室内への容易なアクセスを許容する摺動扉であって、当該区画室内への周囲光の最小限の進入を以て該区画室内への最少侵襲的な進入を許容するという摺動扉を含み得る。
【0034】
代替実施例において、二区画室式の遮光包囲体は図20に示され、且つ、図21乃至図24に更に示される。図20の実施例は、相互に上下に垂直に積層された2つの区画室を含んでいる。図20に見られる如く、下側区画室はその下側の外側表面に対して取付けられた一群のキャスタを有することにより、周囲における床部、または、実験システムの基台の如き表面に関して上記包囲体の全体の容易な変位を許容する。下側区画室は該区画室の前部扉内に、前部冷却ファンに対する開口を含む。この実施例において上側区画室は好適に配置された大寸のディスプレイ/タッチスクリーンを含み、該スクリーン上には、上記包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムの種々の構成要素を動作させる命令、および、画像捕捉デバイスにより獲得された画像が表示され得る。斯かる捕捉画像の描写は、図24に示される。上記上側区画室は、複数の試料用スライドを収容するスライド・カセットの導入もしくは引出しのための摺動可能なカセット用扉を更に含んでいる。
【0035】
図21には、同様に相互に上下に積層された2つの区画室を表す遮光包囲体の実施例が示される。各区画室は、図21において開いて示されることでその内部へのアクセスを許容する扉を有する。上側区画室は、摺動可能棚部上の自動化ロボット式顕微鏡を含んで示される。下側区画室は、コントローラ、コンピュータ、および、UPS電源などの種々の電気的および電子的構成要素を含んで示される。
【0036】
図22には、遮光包囲体の実施例が異なる視点から示されており、垂直に積層された2つの区画室も示されている。上側区画室は、上側キャビネットの内側からランプ・ハウスを遮断するハウジングである切欠き空間を含む。このハウジング内には、上記遮光包囲体の外側からアクセス可能なランプアクセス用扉、ならびに、ランプ・ハウスが在る。これらの2つの区画室によれば、顕微鏡光源の好適な観察および保守が許容される。図22に示された下側区画室においては、各ファンに対する開口が含まれる。
【0037】
図23には、遮光包囲体の実施例の斜視図が示される。該図に示された下側区画室にて包囲体の側部表面上には、該区画室内における種々の電源、電子的構成要素およびコンピュータ構成要素と通信する種々の電気的および電子的な差込口に対するパネルがある。これらは、商用電源、VGAコネクタ、および、ネットワークおよびUSBコネクタに対する差込口を含んでいる。
【0038】
本明細書において提供された統合型顕微鏡システムに対しては、種々の用途が企図される。該システムは、完全に自己完結式であると共に、実験室の設備において、床部に沿い、または、基台もしくは作業台の表面上で変位し得ることで、局部的環境の要件に適合する。但し、外部ディスプレイおよびコンピュータ関連機器とインタフェースする構成要素などの種々の電気的および電子的構成要素に対する差込口に鑑みると、本発明の上記システムは、広範囲な実験用もしくは診断用のプロトコルを達成すべく非常に多用途的である。スライド・カセットの包含、および、コンピュータもしくは同様のデジタル制御デバイスを介して該スライド・カセットの動作を指示する機能によれば、高スループットの実験または診断のスクリーニングが実現可能である。使用に際し、本発明の上記システムによれば、試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法の実施例が提供される。これらの方法は、本明細書に開示された如く、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えると共に第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムを含む。上記ロボット式顕微鏡システムは、研究もしくは運用設備の作業表面上の任意の適切な位置に配置され得る。検査されるべき生物学的、診断的または外科的なサンプルから単一のスライドまたは複数のスライドが調製される。斯かる調製には、区画化、薄片化、固定、および、蛍光in situハイブリダイゼーションを介して特定の成分を目標限定する蛍光標識などの蛍光標識に対する露光による着色の如き処置、および、当業者に公知である同様の処置を伴い得る。種々の実施例において上記スライドは、顕微鏡分析のために追随すべき特定の実験プロトコルの表示などの調製の属性を識別するための読取可能なラベルを更に備える。
【0039】
スライド・カセット内には単一もしくは複数のスライドが載置され、該カセットは次に、上記遮光包囲体の区画室に配備されたカセット用扉を通して上記自動化ロボット式顕微鏡システム内へと導入される。上記カセットは、上記顕微鏡の載荷台上に特定のスライドを可逆的に搬送することを指示される。上記スライドは次に、追随される特定のスライド調製プロトコルに対して適切である入射光特性の設定を含め、行われつつある分析に対して適切である光により照射される。これは、入射光の光線内への適切なフィルタの導入を伴い得る。
【0040】
画像捕捉デバイスは、上記スライドの画像を位置合わせし、且つ、必要であれば、コンピュータに常駐するアルゴリズムと相互作用することで、捕捉された画像を最適化する。これは、スライド上の試料の特定部分であって分析に対して最適な画像を呈する特定部分に対してアクセスする段階、ならびに、露光もしくは強度レベルを最適化して可及的に有用な画像を提供する段階を含み得る。
【0041】
捕捉して最適化された画像は次に上記統合型顕微鏡システムの外部モニタ上に表示され、更に該画像は、更なる分析のために上記システムのコンピュータ内に保存もしくは記録されると共に、更なる分析のために他のレンダリング装置もしくは他のコンピュータ関連機器へと外部に送信される。
【0042】
好適実施例に関する陳述
本発明は好適実施例に関して記述されたが、当業者であれば、本発明に対しては添付の各請求項により定義された本発明の精神または有効範囲から逸脱せずに種々の変更および/または改変が為され得ることを容易に理解し得よう。
【符号の説明】
【0043】
5 キャスタ
10 区画室アセンブリ
15 上側区画室
20 下側区画室
30 ディスプレイ・モニタ
34 画像ウィンドウ
40 ファン通気口
40´ ファン・ダクト
45 転倒防止用支持脚部
50 扉
51 QCカメラ
60 摺動可能棚部
62 摺動可能ランナ
63 可撓ケーブル・レール
65 伸張可能支持体
70 キャスタ
90、90´、90´´ 防振軸受
95 支持部分
100 摺動支持体
105 区画室の摺動部分
106 キーボード
107 マウステーブル/マウス・パッド・テーブル
110 マウス
115 電力パネル
120 電力用差込口
122 キーボード用差込口
124 開口
125 ランプ
130、135、140 制御デバイス
145 ハウジング
150 ライト
165、165´ 溝付きランナ
166 接続部
210 自動式顕微鏡アセンブリ
300 入力ポート
310 上昇器サブアセンブリ
320 フック状の取付け用固定具
325 モータ駆動式の送りネジ
330 光源
340 モータ駆動式回転台
350 カメラ/画像化デバイス
360 送給器アーム
370 顕微鏡載荷台
380 出力ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定表面に沿い変位可能であると共に自動化ロボット式顕微鏡を収容する遮光包囲体であって、電子的に制御可能な構成要素と画像捕捉デバイスとを有するという遮光包囲体であって、
(a)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(b)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決め可能であるという少なくともひとつの棚部と、
(c)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(d)当該包囲体の表面に取付けられた複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
遮光包囲体。
【請求項2】
前記区画室は、外部から該区画室の内部に対するアクセスを許容する開放可能な扉を有する、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項3】
前記自動化ロボット式顕微鏡を支持する棚部は防振手段上に取付けられる、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項4】
棚部は当該包囲体から摺動可能かつ可逆的に伸縮自在である、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項5】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスからの画像を表示する、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項6】
前記視認モニタは接触感応式画面を備えて成る、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項7】
前記視認モニタは接触起動可能なキーボードを表示する、請求項6記載の遮光包囲体。
【請求項8】
前記キーボードに対して入力されたキー・ストロークは前記顕微鏡の構成要素に対して伝達される、請求項7記載の遮光包囲体。
【請求項9】
区画室は、該区画室の表面におけるファン通気口に配設されたファンを備えて成る、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項10】
第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムであって、
(a)上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、
(i)載荷台を有する顕微鏡と、
(ii)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、
上記スライドを照射する光源と、
(iii)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、
(iv)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を備え、且つ、
(b)上記遮光包囲体は、
(i)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(ii)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、
(iii)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(iv)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
統合型顕微鏡システム。
【請求項11】
前記少なくとも一枚の試料用スライドはスライド・カセット内に収容される、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項12】
スライド搬送手段は、前記スライド・カセットから選択されたスライドを搬送して該スライドを前記載荷台上に位置決めする、請求項2記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項13】
前記スライド・カセットは、前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段により動作せしめられる、請求項2記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項14】
前記光源は、前記スライドを照射する光線を調節すべく可逆的に位置決め可能なフィルタを備えて成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項15】
前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段は、前記光線を調節するために前記フィルタを可逆的に位置決めする、請求項14記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項16】
前記画像捕捉デバイスはカメラから成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項17】
前記画像捕捉デバイスはデジタル画像化デバイスから成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項18】
前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段は前記画像捕捉デバイスを制御する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項19】
前記区画室は、外部から該区画室の内部に対するアクセスを許容する開放可能な扉を有する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項20】
前記自動化ロボット式顕微鏡を支持する棚部は防振手段上に取付けられる、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項21】
棚部は前記包囲体から摺動可能かつ可逆的に伸縮自在である、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項22】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスに対して電気的に接続される、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項23】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスに対して電気的に接続され且つそれからの画像を表示する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項24】
前記視認モニタは接触感応式画面を備えて成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項25】
前記視認モニタは接触起動可能なキーボードを表示する、請求項24記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項26】
前記キーボードに対して入力されたキー・ストロークは前記顕微鏡の構成要素に対して伝達される、請求項25記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項27】
(a)第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムを配備する段階であって、
(i)上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、
(1)載荷台を有する顕微鏡と、
(2)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、
(3)上記スライドを照射する光源と、
(4)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、
(5)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を備え、且つ、
(ii)上記遮光包囲体は、
(1)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(2)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、
(3)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(4)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
という段階と、
(b)上記ロボット式顕微鏡システムを上記第2表面に関する適切な位置へと変位させる段階と、
(c)上記顕微鏡載荷台上に試料用スライドを可逆的に位置決めする段階と、
(d)上記試料用スライドを照射する段階と、
(e)上記試料用スライドの上記画像を捕捉する段階と、
(f)上記画像を上記モニタ上に表示する段階とを備えて成る、
試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法。
【請求項1】
所定表面に沿い変位可能であると共に自動化ロボット式顕微鏡を収容する遮光包囲体であって、電子的に制御可能な構成要素と画像捕捉デバイスとを有するという遮光包囲体であって、
(a)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(b)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決め可能であるという少なくともひとつの棚部と、
(c)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(d)当該包囲体の表面に取付けられた複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
遮光包囲体。
【請求項2】
前記区画室は、外部から該区画室の内部に対するアクセスを許容する開放可能な扉を有する、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項3】
前記自動化ロボット式顕微鏡を支持する棚部は防振手段上に取付けられる、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項4】
棚部は当該包囲体から摺動可能かつ可逆的に伸縮自在である、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項5】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスからの画像を表示する、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項6】
前記視認モニタは接触感応式画面を備えて成る、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項7】
前記視認モニタは接触起動可能なキーボードを表示する、請求項6記載の遮光包囲体。
【請求項8】
前記キーボードに対して入力されたキー・ストロークは前記顕微鏡の構成要素に対して伝達される、請求項7記載の遮光包囲体。
【請求項9】
区画室は、該区画室の表面におけるファン通気口に配設されたファンを備えて成る、請求項1記載の遮光包囲体。
【請求項10】
第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムであって、
(a)上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、
(i)載荷台を有する顕微鏡と、
(ii)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、
上記スライドを照射する光源と、
(iii)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、
(iv)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を備え、且つ、
(b)上記遮光包囲体は、
(i)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(ii)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、
(iii)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(iv)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
統合型顕微鏡システム。
【請求項11】
前記少なくとも一枚の試料用スライドはスライド・カセット内に収容される、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項12】
スライド搬送手段は、前記スライド・カセットから選択されたスライドを搬送して該スライドを前記載荷台上に位置決めする、請求項2記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項13】
前記スライド・カセットは、前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段により動作せしめられる、請求項2記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項14】
前記光源は、前記スライドを照射する光線を調節すべく可逆的に位置決め可能なフィルタを備えて成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項15】
前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段は、前記光線を調節するために前記フィルタを可逆的に位置決めする、請求項14記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項16】
前記画像捕捉デバイスはカメラから成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項17】
前記画像捕捉デバイスはデジタル画像化デバイスから成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項18】
前記電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段は前記画像捕捉デバイスを制御する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項19】
前記区画室は、外部から該区画室の内部に対するアクセスを許容する開放可能な扉を有する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項20】
前記自動化ロボット式顕微鏡を支持する棚部は防振手段上に取付けられる、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項21】
棚部は前記包囲体から摺動可能かつ可逆的に伸縮自在である、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項22】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスに対して電気的に接続される、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項23】
前記視認モニタは前記画像捕捉デバイスに対して電気的に接続され且つそれからの画像を表示する、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項24】
前記視認モニタは接触感応式画面を備えて成る、請求項10記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項25】
前記視認モニタは接触起動可能なキーボードを表示する、請求項24記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項26】
前記キーボードに対して入力されたキー・ストロークは前記顕微鏡の構成要素に対して伝達される、請求項25記載の統合型顕微鏡システム。
【請求項27】
(a)第2表面に沿い変位可能な統合型顕微鏡システムであって、遮光包囲体内に収容された自動化ロボット式顕微鏡システムを備えるという統合型顕微鏡システムを配備する段階であって、
(i)上記自動化ロボット式顕微鏡システムは、
(1)載荷台を有する顕微鏡と、
(2)上記載荷台上に位置決め可能な少なくとも一枚の試料用スライドと、
(3)上記スライドを照射する光源と、
(4)上記試料の画像を捕捉する画像捕捉デバイスと、
(5)上記試料用スライド、上記光源および上記画像捕捉デバイスと通信すると共に、それらの位置決めを制御する電気的、電子的および/またはコンピュータ駆動式の手段と、を備え、且つ、
(ii)上記遮光包囲体は、
(1)少なくともひとつの区画室であって、下側区画室の最下部の外側表面は、上記表面に関する変位のために該外側表面に固着された転動可能手段を有するという少なくともひとつの区画室と、
(2)当該包囲体の内部となる少なくともひとつの棚部であって、上記自動化ロボット式顕微鏡システムは棚部上に位置決めされるという少なくともひとつの棚部と、
(3)当該包囲体の表面に配設され、該包囲体の外部の箇所から視認可能な視認モニタと、
(4)当該包囲体の表面に取付けられ且つ上記自動化ロボット式顕微鏡の各構成要素に対して接続された複数の差込口であって、該包囲体の外側表面と内側表面との間において電力または電子信号を伝達するという複数の差込口とを備えて成る、
という段階と、
(b)上記ロボット式顕微鏡システムを上記第2表面に関する適切な位置へと変位させる段階と、
(c)上記顕微鏡載荷台上に試料用スライドを可逆的に位置決めする段階と、
(d)上記試料用スライドを照射する段階と、
(e)上記試料用スライドの上記画像を捕捉する段階と、
(f)上記画像を上記モニタ上に表示する段階とを備えて成る、
試料用スライド上の試料の画像を捕捉して表示する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2010−500614(P2010−500614A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523913(P2009−523913)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/075132
【国際公開番号】WO2008/019298
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(504133615)イコニシス インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/075132
【国際公開番号】WO2008/019298
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(504133615)イコニシス インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]