説明

風力発電機軸受用グリース組成物

【課題】疲労寿命(はく離寿命)だけでなく、焼付き寿命及び圧送性にも対応できる風力発電機軸受用グリース組成物を提供すること。
【解決手段】動粘度が40℃で10〜70mm/sであり、かつ、流動点が−40℃以下である基油と、増ちょう剤としてジウレア化合物、例えば下記式で表されるジウレア化合物とを含有する風力発電機軸受用グリース組成物:


(式中R1及びR2は共にC8アルキルである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電機軸受、すなわち、主軸受、ヨウ軸受、ピッチ軸受などに使用されるグリース組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機に用いられる軸受はほとんどが外径1m以上と大きく、回転速度も速くない。このため、潤滑油膜は薄くなり、早期に疲労寿命に至ることが懸念されていた。したがって、従来のグリースは、粘度の高い基油を使用することで油膜の厚膜化を図り、この疲労寿命に対応していた。
一方、一般の軸受で焼付き寿命が短命で終わるのは、潤滑剤の供給不足や油膜の補修不足から油膜破断に至るのがほとんどの原因であるが、風力発電機軸受では特に問題視されておらず、グリースの組成の検討も殆どなされてこなかった。これは、風力発電機は給脂設備を有し、新しいグリースを潤滑部に供給することにより、油膜が補修できるという考えで設計されているためである。
しかし、従来の風力発電機軸受用グリースは、疲労寿命対策のため、基油粘度を高くしたことからグリースの流動性が悪く、給脂しても容易に潤滑部のグリースが置き換わらず、油膜の補修ができなくなり、焼付き寿命に至る不具合があった。
また、風力発電軸機は屋外に設置するため、使用環境が−40℃程度の低温になることがあるが、従来の基油粘度の高い風力発電機軸受用グリースは低温では異常に見掛け粘度が高くなるため、圧送できなくなり、補給すらできなくなる問題がある。したがって、低温ではより焼付き寿命が悪くなるという問題があった。
風力発電機軸受用グリースとして、疲労(はく離)や摩耗に対しては、添加剤処方による対応がなされているが(特許文献1〜4)、これらは焼付き寿命を考慮したものではない。ましてや基油動粘度を低くさせ、グリースの流動性を向上させるなどの技術は全く記載されていない。
他方、風力発電機は、近年陸上へ設置する場所の不足から洋上への建設がなされている。洋上での使用では、軸受は潮風による塩水の影響で錆が発生し、その錆による回転不能などの不具合、錆を起点にした損傷が問題となる。しかしながら、従来のグリースは、このような洋上での使用を念頭に入れておらず、錆止め性対応はとられていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-161624号公報
【特許文献2】特開2007-63423号公報
【特許文献3】特開2008-38088号公報
【特許文献4】特開2008-111514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、疲労寿命(はく離寿命)だけでなく、焼付き寿命及び圧送性にも対応できる風力発電機軸受用グリース組成物を提供することを目的とする。したがって、本発明が解決しようとする課題は、疲労寿命対応のため従来グリースと同等以上の油膜厚さを有し、焼付き寿命対応のため流動性があり、−40℃における見かけ粘度も充分低い風力発電機軸受用グリース組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らが鋭意検討した結果、40℃における動粘度が低い基油と、増ちょう剤としてジウレア化合物とを組み合わせることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、40℃における動粘度が10〜70mm2/sであり、かつ、流動点が−40℃以下である基油と増ちょう剤としてジウレア化合物とを含有する風力発電機軸受用グリース組成物を提供する。
本発明はまた、前記ジウレア化合物が下記式(1)で示される前記風力発電機軸受用グリース組成物を提供する。
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、R1及びR2は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアルキルアリール基又はシクロヘキシル基であり、かつ、R1及びR2の合計モル数を基準として炭素原子数6〜30のアルキル基を25モル%以上含有する。)
本発明はまた、前記基油が、鉱油、合成炭化水素油、合成エステル油、及びフェニルエーテル油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む前記風力発電機軸受用グリース組成物を提供する。
本発明はまた、さらに、添加剤として、中性又は全塩基価が50mgKOH/g未満の有機スルホン酸塩系錆止め剤を含有する前記風力発電機軸受用グリース組成物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基油の動粘度を高くすることなしに油膜厚さを確保できる風力発電機軸受用グリース組成物を提供することができる。前述の通り、基油動粘度を40℃で10〜70mm2/sであり、かつ、流動点を−40℃以下とすることにより、グリースの流動性を向上させ、焼付き寿命を延長させる。また、低粘度基油を用いても、増ちょう剤にジウレア化合物を用いることで、ウレアが厚膜を形成し、厚い油膜を確保でき、疲労寿命に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔基油〕
本発明に使用する基油としては、グリースの流動性を満足させるため、動粘度が40℃で10〜70mm2/sであり、かつ、低温での流動性を確保するため、流動点が−40℃以下であるものを使用する。動粘度が40℃で10mm2/s未満であると、高温で蒸発し易く、耐熱性が劣り、グリース基油として適さなくなる。また、70mm2/sを超えると、本目的の充分良好な流動性が得られない。同じ理由から、20〜60mm2/sがさらに好ましい。
上記範囲の動粘度及び流動点を満足すれば、本発明の組成物に使用される基油の種類は特に制限されない。具体的には、鉱油,ポリαオレフィン油に代表される合成炭化水素油,ジエステル、ポリオールエステルなどに代表されるエステル系合成油,ポリプロピレングリコールに代表されるポリグリコール油,アルキルジフェニルエーテルに代表されるフェニルエーテル系合成油,PFPEに代表されるフッ素系合成油やこれらの混合油が挙げられる。基油が、鉱油、合成炭化水素油、合成エステル油、及びフェニルエーテル油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むのが好ましい。より好ましくは、グリースが使用される周辺の樹脂材料、ゴム材料などに悪影響を与えにくい合成炭化水素油、及び、合成炭化水素油と鉱油の混合油等があげられる。
【0010】
〔増ちょう剤〕
本発明に使用する増ちょう剤は、ジウレア化合物であれば特に制限されない。ジウレア系増ちょう剤を含ませることにより、所望の油膜厚さを確保することができる。これはジウレアに特有の現象で、他の増ちょう剤ではこのような効果は見られない。好ましい増ちょう剤は下記式(1)で表されるものである。
【0011】
【化2】

【0012】
式中、R1及びR2は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアルキルアリール基又はシクロヘキシル基であり、かつ、R1及びR2の合計モル数を基準にして炭素原子数6〜30のアルキル基を25モル%以上含有する。
上記アルキル基としては、炭素原子数6〜20のアルキル基が好ましい。
上記アリール基としては、フェニル基が好ましい。
上記アルキルアリール基としては、炭素原子数が1〜6のアルキル基で置換されたフェニル基が好ましく、特に4−メチルフェニル基が好ましい。
式(1)の化合物に含まれる炭素原子数6〜30のアルキル基は、R1及びR2の合計モル数を基準にして、25モル%以上が好ましく、30モル%以上がより好ましい。
炭素原子数6〜30のアルキル基が25モル%未満であると、増ちょう剤含有量が多くなり、グリースの流動性が損なわれる場合がある。25モル%以上であれば、増ちょう剤含有量を少なくでき、グリースの流動性を確保することができる。
【0013】
本発明で用いるジウレア化合物としては、特に以下のものが好ましい:
式(1)中、R1及びR2が共にC8アルキル基であり、R1及びR2の合計モル数を基準にして、C8アルキル基が100モル%であるジウレア化合物;
式(1)中、R1及びR2が共にC18アルキル基であるジウレア化合物と、R1及びR2が共にシクロヘキシル基であるジウレア化合物と、R1がC18アルキル基であり、R2がシクロヘキシル基であるジウレア化合物との混合物であって、該混合物中のR1及びR2の合計モル数を基準にして、C18アルキル基が30モル%以上であるジウレア化合物;及び
式(1)中、R1及びR2が共にC8アルキル基であるジウレア化合物と、R1及びR2が共に4-メチルフェニル基であるジウレア化合物と、R1がC8のアルキル基であり、R2が4-メチルフェニル基であるジウレア化合物との混合物であって、該混合物中のR1及びR2の合計モル数を基準にして、C8アルキル基が30モル%以上であるジウレア化合物。
【0014】
このようなジウレア系増ちょう剤は、オクチルアミン、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアルキルモノアミン、アニリン、p-トルイジン等のアリールモノアミン、シクロヘキシルアミン等のモノアミンとジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネートとの反応によって得られる。
ジウレア系増ちょう剤のグリース組成物中の含有量は、好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは3〜20質量%である。本発明では、流動性や低温の圧送性を満足させるために低粘度で低流動点の基油を使うだけでなく、増ちょう剤にもR1及びR2にアルキル基を25モル%以上含ませることで、増ちょう剤含有量を低減することができる。
【0015】
〔任意成分〕
本発明の組成物は、更に、錆止め剤、耐荷重添加剤、酸化防止剤などを必要に応じて含有することができる。これらの成分の使用量は、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%である。
〔錆止め剤〕
錆止め剤を含むことにより、洋上に風力発電機を設置した場合に、風力発電機の軸受内に塩水が入り込んでも発錆しない風力発電機軸受用グリース組成物を提供することができる。錆止め剤としては、中性又は全塩基価が50mgKOH/g未満の有機スルホン酸塩系錆止め剤を好適に使用することができる。これらは塩水に対する軸受の錆止め性が優れる。
本発明で使用可能な有機スルホン酸塩としては、炭素原子数1〜12のアルキル基で一又は二置換されていてもよいベンゼンスルホン酸又はナフタレンスルホン酸の塩、例えばカルシウム,マグネシウム,バリウム等のアルカリ土類金属塩、ナトリウム,カリウム,リチウム等のアルカリ金属塩、亜鉛塩、鉛塩、アンモニウム塩、エチレンジアミン等のアミン塩が挙げられる。より好ましくは、カルシウム塩,バリウム塩、亜鉛塩、アンモニウム塩である。さらに好ましくは、炭素原子数1〜12のアルキル基で一又は二置換されていてもよいナフタレンスルホン酸のカルシウム塩,亜鉛塩、アンモニウム塩であり、炭素原子数1〜12のアルキル基で一又は二置換されていてもよいナフタレンスルホン酸の亜鉛塩が特に好ましい。
なお、本明細書において、全塩基価は、JIS K 2501に準拠して測定した値である。
【0016】
〔耐荷重添加剤〕
耐荷重添加剤としては、リン酸エステルなどのリン系、ポリサルファイド、硫化油脂などの硫黄系、フォスフォロチオネートなどのリン-硫黄系、チオカルバミン酸塩、チオリン酸塩(例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP))、有機リン酸エステル等が挙げられる。また、固体潤滑剤であるMoS2、グラファイト、MCA、PTFE等も挙げられる。
【0017】
〔酸化防止剤〕
酸化防止剤は、グリースの酸化劣化抑制剤として知られている。本発明において使用可能な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6-ジ-ターシャリーブチル-p-クレゾール(BHT)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、2,6-ジ-ターシャリーブチル-フェノール、2,4-ジメチル-6-ターシャリーブチルフェノール、ターシャリーブチルヒドロキシアニソール(BHA)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(2,3-ジ-ターシャリーブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-ターシャリーブチルフェノール)等があげられる。
アミン系酸化防止剤としては、N-n-ブチル-p-アミノフェノール、4,4’-テトラメチル-ジ-アミノジフェニルメタン、α-ナフチルアミン、N-フェニル-α-ナフチルアミン、フェノチアジン等が挙げられる。
【実施例】
【0018】
〔実施例及び比較例〕
実施例及び比較例で増ちょう剤として使用した脂肪族ジウレアグリース、脂環式−脂肪族ジウレアグリース、芳香族−脂肪族ジウレアグリース、及びその合成方法は、表Aに示すものであり、これを基グリースとした。また、リチウム石けんグリースは、基油とリチウムステアレートを撹拌しながら加熱し、230℃で完全溶解させ、冷却させて得たグリースを基グリースとした。
これら基グリースに各添加剤成分を添加し、撹拌混合し、3段ロールミルで混練し、試料とした。なお、基油及びその他の成分は以下に示したものを用いた。表中の数字は、組成物の全量を基準とした質量%を表す。
なお、基油の40℃における動粘度及び流動点は以下に示す方法により測定した。また、実施例及び比較例の組成物のちょう度(JIS K2220)は、300に統一した。
【0019】
<試験方法>
(1)動粘度
試験方法;JIS K 2283に基づき、基油の40℃における動粘度を測定した。
(2)流動点
試験方法;JIS K 2269に基づき、基油の流動点を測定した。
判定;−40℃以下を合格(○)とし、それを超えた場合を不合格(×)とした。
(3)疲労寿命
試験方法;光干渉式EHL油膜厚さ測定装置を用いて油膜厚さを求めた。試験条件は、温度;70℃,面圧;0.56GPa、速度;0.04m/sとした。これは、実使用において最も油膜が薄くなる条件である。
判定;高粘度基油から求められる低速領域における最低油膜厚さの理論値(60nm)と比較し、それ以上の油膜厚さが得られれば充分な油膜が形成されているため合格(○)、それを下回った場合を不合格(×)とした。
【0020】
(4)焼付き寿命
試験方法;グリースの流動抵抗を計測するためレオメータ試験機を用い、グリースに一定せん断(0.1sec-1、25℃)を与え、最大せん断応力を求め、これを降伏値とした。
判定;降伏値が400Pa以下であれば流動性が良いとして焼付き寿命が長く合格(○)とし、それを超えた場合を不合格(×)とした。
【0021】
(5)圧送性
試験方法;グリースの低温の圧送性を評価するためレオメータ試験機を用い、グリースに一定せん断(100s-1、-40℃)を与え、見掛け粘度を求めた。
判定;見掛け粘度が100Pa・s以下であれば圧送性が良好として合格(○)とし、それを超えた場合を不合格(×)とした。
【0022】
(6)錆止め性
試験方法;実施例又は比較例の組成物に、0.5%塩水を5%含ませたものを試験試料とした。ASTM D1743-73に準じて塩水軸受防錆試験を行い、試験試料を軸受に封入し、軸を回転後、0.5%塩水中に1分浸漬して25℃,24h後の外輪転走面の発錆状況を観察した。
判定;発錆なしを合格(○)とし、発錆ありを不合格(×)とした。
【0023】
【表A】

【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
〔基油〕
鉱油A:200ニュートラル油:動粘度40mm2/s(40℃)のパラフィン系鉱油
合成炭化水素油A:動粘度18mm2/s(40℃)のポリアルファオレフィン油
合成炭化水素油B:動粘度48mm2/s(40℃)のポリアルファオレフィン油
合成炭化水素油C:動粘度71mm2/s(40℃)のポリアルファオレフィン油
合成炭化水素油D:動粘度460mm2/s(40℃)のポリアルファオレフィン油
エステル油:動粘度79mm2/s(40℃)のペンタエリスリトールエステル油
エーテル油:動粘度100mm2/s(40℃)のアルキルジフェニルエーテル油
〔錆止め添加剤〕
Caスルホネート(中性):ジノニルナフタレンスルホン酸Ca塩
Znスルホネート(中性):ジノニルナフタレンスルホン酸Zn塩
アンモニウムスルホネート(中性):ジノニルナフタレンスルホン酸アミン塩
Caスルホネート(TBN=200):過塩基性石油スルホン酸Ca塩
コハク酸無水物:アルケニルコハク酸無水物
【0027】
効果
(1)疲労寿命(EHL油膜厚さ)
増ちょう剤にジウレア化合物を用いた実施例1〜8は、増ちょう剤に石けんを用いた比較例1,5と比較しEHL油膜厚さの改善が認められた。比較例3は高粘度基油を用いた効果で油膜厚さを満足している(従来の対応)。
(2)焼付き寿命(レオメータによるグリースの流動性)
基油動粘度を40℃で10〜70mm2/sとした実施例1〜8は、基油動粘度が70mm2/sを超える比較例2〜5と比較して、グリースの流動性の改善が認められた。
(3)圧送性(−40℃の見掛け粘度)
−40℃以下の流動点である基油を用いた実施例1〜8は、−40℃を超える基油である比較例6と比較して、−40℃の見掛け粘度の改善が認められた。比較例2〜5は流動点を満足するが、基油動粘度が高いため、−40℃の見掛け粘度を満足することができなかった。
(4)錆止め性
中性又は全塩基価が50未満の有機スルホン酸塩系錆止め剤を含有する実施例1〜5は、それを含有しない実施例6〜8及び比較例と比較して、塩水下における錆止め性の改善が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
40℃における動粘度が10〜70mm2/sであり、かつ、流動点が−40℃以下である基油と増ちょう剤としてジウレア化合物とを含有する風力発電機軸受用グリース組成物。
【請求項2】
前記ジウレア化合物が下記式(1)で示される請求項1記載の風力発電機軸受用グリース組成物。
【化1】

(式中、R1及びR2は同一もしくは異なる、炭素原子数6〜30の直鎖又は分岐アルキル基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数7〜12のアルキルアリール基又はシクロヘキシル基であり、かつ、R1及びR2の合計モル数を基準として炭素原子数6〜30のアルキル基を25モル%以上含有する。)
【請求項3】
前記基油が、鉱油、合成炭化水素油、合成エステル油、及びフェニルエーテル油からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は2記載の風力発電機軸受用グリース組成物。
【請求項4】
さらに、添加剤として、中性又は全塩基価が50mgKOH/g未満の有機スルホン酸塩系錆止め剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の風力発電機軸受用グリース組成物。

【公開番号】特開2011−84646(P2011−84646A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−238433(P2009−238433)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(000162423)協同油脂株式会社 (165)
【Fターム(参考)】