説明

飛翔玩具

【課題】玩具一部をスプリングの弾性に抗して指で押下げた状態から、指を滑落すことで玩具が飛翔するよう設けた飛翔玩具において、該玩具の主要構成部材としての台板と揺動板とを着脱自在に枢支させ、又それ等台板と揺動板とを構造等を多少異にする複数の台板と揺動板で形成して、それ等を取替え可能に組付けして、水平方向への飛翔距離、ないしジャンプの高さを競うことが可能とした。
【解決手段】台板2と該台板上へ載置させた揺動板11とを着脱自在に枢支させ、該枢支部分後方の台板部分と揺動板部分間へ圧縮スプリング15を介在させて、揺動板11を上後方へ押下げ可能にさせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具一部を指先で押下げかつ指を滑らせて玩具から離すことで、玩具が飛翔するよう設けた飛翔玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
駒を飛ばす装置を、ゲーム盤外枠の対向位置にそれぞれ取付け、上記両装置から別々に飛ばした駒の位置によって優劣を競う遊戯具が知られている(特許文献1)。
その他市販品として、玩具一部をバネ板で形成し、該玩具一部を指で押下げた後に指を滑り落すと玩具が飛翔するよう設けた飛翔玩具が知られている。
【特許文献1】特開2005−152238公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願飛翔玩具は、台板上面へ揺動板を着脱自在に枢支すると共に該枢支部分後方の台板部分と揺動板部分との間に圧縮スプリングを装着させて、台板に対して揺動板を後部が高く、前部は低く傾斜させて取付け、揺動板後端部をスプリング圧縮により指で押下げた状態から指を滑落ちさせると、スプリングの復元により玩具が前方ないし上方へ飛び出すよう設けたものであり、多少形状ないし外見を異にする複数の台板および揺動板を用意しておき、その組合せを変えることで、又車輪等の補助部分を取付け等することでの上記飛翔形態の変化を楽しみ、又工夫して機能を高め、競技の際はその飛翔距離、又飛び上り高さ等を競うことが可能としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の手段として、台板2と該台板上へ載置させた揺動板11とを、前後方向中間部で着脱自在に枢支させると共に、該枢支部分の後方部分間へ圧縮スプリング15を着脱自在に介在させて揺動板11を後上方へ押下げ可能に傾斜させた。
【0005】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に上記揺動板11の後端部上面を、年滑な摺動面の指当て部14に形成した。
【0006】
第3の手段として、上記第1、又は第2の手段を有すると共に上記台板2前後の各左右両部に、下面開口の穴ないし嵌合孔を穿設し、それ等各穴ないし嵌合孔内へ、上端部を着脱自在に嵌合させて足18を垂下させた。
【0007】
第4の手段として、上記第1、第2、又は第3の手段を有すると共に上記台板2の上面を、前後のいずれかの一方が高く、他方が低い傾斜面とした。
【0008】
第5の手段として、上記第1、第2、第3、又は第4の手段を有すると共に上記揺動板11の後端部上面に形成した指当て部14下方の台板左右両側部分に台板移動同車輪7を付設し、上記指当て部押下げによる、枢支部を中心とする揺動板の回動で指当て部14が車輪中心よりも後方上へ移動可能に形成した。
【0009】
第6の手段として、上記第1、第2、第3、第4、又は第5の手段を有すると共に上記台板2ないし揺動板11を複数設けて、それ等各台板ないし揺動板を他の台板ないし揺動板に対して、少くとも一部がそれぞれ異なる形状ないし外具に形成した。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のようにすることで、台板2から揺動板11を外して他の揺動板に取代えて飛翔の変化等を楽しむことが出来る。
【0011】
請求項2のようにすることで、付勢に抗して揺動板後部を指先で押下げた状態から、その指先を滑落ちさせて揺動板から容易に外すことが出来、するとスプリング15は一瞬のうちに弾性復元して玩具を大きく飛翔させることが出来る。
【0012】
請求項3のようにすることで、台板2の前方側だけに、又は後方側だけに足18を付けることができ、このようにすることで、台板載置面からの玩具の飛出し角度を高く、又低く変化させることが出来、従ってその飛翔形態も高く、又低く変えることが出来る。
【0013】
請求項4のようにすることでも、請求項3の場合のように飛翔形態を変えて楽しむことが出来る。
【0014】
請求項5のようにすることで、揺動板11後端部を押下げした際、車輪7が後方回転することで、指当て部からの指の滑落ちが容易となる。
【0015】
請求項6のようにすることで、複数台板および揺動板のうち、どれを選ぶかによって飛翔形態を変えたり、又外見を変えたりすることが出来、例えば競技する際、台板および揺動板の選択および組み合せを工夫して競技相手よりも好成績を残すことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面について説明すると、1は飛翔玩具であり、該玩具は台板と揺動板と圧縮スプリングとを主要部材とする。
【0017】
台板2は別に設ける競技板等上面へ載置可能とするもので、図示例では前半部と後半部との下面を水平とすると共にその後半部を厚肉として前半部上面よりも後半部上面を高く設け、かつ前端部と、前後方向中間部と、後端部との各左右両側に上下方向開孔のリング3を付設している。尚後半部の中央部には後述のコイルスプリング用受皿4を付形し、又前半部の後方部分からは上端部から爪5を後方突出するフック6を起立させている。
【0018】
上記台板2上方へは揺動板11を着脱自在に枢支させる。該揺動板は図示例において、図3が示すように左半11aと右半11bとを嵌着させて形成したものであり、上記フック6へ枢支させる枢支軸12を前後方向中間部下方に横設しており、又図示例にあっては枢支軸12後方の左右方向中間部に後述コイルスプリング掛止め棒13を横設している。該揺動板は後端部上面を斜下後方への傾斜面として指当て部14としており、枢支軸12をフック6の爪5の下面へ着脱自在に枢支させ、又掛止め棒13外面へ圧縮スプリング15上端に付設したリング16を嵌合させて該スプリング下端を受皿4内へ嵌合させ、指当て部14後部を斜下後方へ突出させて設けている。図示例ではスプリングをコイルスプリングで形成しているが、必ずしもコイルスプリングである必要はない。
【0019】
上記構成において玩具外形は、想像上の怪獣ないしロケット状に形成するとよい。
【0020】
上記構成において、図1、図2が示す状態から上記指当て部14をスプリング15の弾性に抗して指先で押下げして、揺動板前部が高く、後部を低く傾斜した状態からその指先を押下げ部後端から滑落ちさせると、スプリング15が瞬間に弾性復元することで、台板載置面から飛び出して飛翔する。
【0021】
該飛翔形態は、前方へ遠くまで飛ばせる場合と上方へ高くジャンプさせる場合とに大別でき、それぞれの場合に応じて台板および揺動板の形状を変えることが出来る。
【0022】
前方遠くまで飛ばせる場合は、斜上前方へ、又ジャンプさせる場合は上方へ、それぞれ玩具が飛び出すよう設ければよく、斜上前方へ飛出しさせる場合は、指当て部14上面を、後方が低い傾斜面に、又ジャンプさせる場合は前部が低い傾斜面にそれぞれ形成する。
【0023】
斜上前方へ飛出しさせて飛距離を長くする場合は、その玩具の飛出し角度が重要であり、該角度が低すぎると、飛翔力を残したままで地面等に接して飛距離をのばすことが出来ず、又上記角度が高すぎれば、ジャンプ式の飛翔に近づいて同様に飛距離は低下する。その飛び出し角度調整のためには、図1が二点鎖線で示すように台板下面に補助板17を付設し、或いは足18を嵌合する等して競技板上面等へ載置させたとき、台板上面が前後いずれかの方面へ傾斜するように設けるとよい。
【0024】
上記飛出し角度は、揺動板の後部押下げ後にその指当て部14を押下げている指をその押下げ部から滑落させるタイミングが極めて重要であるが、指当て部の後端縁へ指が引っ掛かって希望位置での滑落を確実に行えないことが多い。該滑落を確実かつ容易にするためには図4が示すように台板2後部の左右両側に一対の台板移動用車輪17を付設するとよい。これ等車輪は指当て部14の垂直下方に車輪中心を位置させ、揺動板11が枢支軸12を中心として回動したとき指当て部14が車輪中心上方よりも後方へ移動するよう設けるとよい。このようにすることで、指当て部押下げ状態から、斜下後方へ指の押下げ力方向を変えることで車輪が後転すると同時に指当て部も後退し、よって指当て部14から指先を容易に後方へ滑落させることが出来る。
【0025】
図示例のようにすることで車輪接地面は台板2下面よりも下方に位置することとなり、よってこのようにすることでも、台板上面を後方が高い傾斜面とすることが出来る。
【0026】
ジャンプさせる構造としては、図1が示すように揺動板11の前端部を台板下面よりも下前方まで延長させて、該延長部分11e先端面が、既述のように揺動板、揺動後の弾性復元時に、玩具載置面を強打して該強打により玩具が上方へ飛び上るようにすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本願飛翔玩具の側面図である。
【図2】図1玩具を前上方からみた斜視図である。
【図3】図1玩具の分解斜視図である。
【図4】図1玩具の後部に車輪を付設させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 飛翔玩具 2 台板
3 リング 4 受皿
5 爪 6 フック
7 車輪 11 揺動板
12 枢支軸 14 指当て部
15 圧縮スプリング 17 補助板
18 足

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台板2と該台板上へ載置させた揺動板11とを、前後方向中間部で着脱自在に枢支させると共に、該枢支部分の後方部分間へ圧縮スプリング15を着脱自在に介在させて揺動板11を後上方へ押下げ可能に傾斜させた
ことを特徴とする飛翔玩具。
【請求項2】
上記揺動板11の後端部上面を、平滑な摺動面の指当て部14に形成した
ことを特徴とする請求項1記載の飛翔玩具。
【請求項3】
上記台板2前後の各左右両部に、下面開口の穴ないし嵌合孔を穿設し、それ等各穴ないし嵌合孔内へ、上端部を着脱自在に嵌合させて足18を垂下させた
ことを特徴とする請求項1又は2記載の飛翔玩具。
【請求項4】
上記台板2の上面を、前後いずれかの一方が高く、他方が低い傾斜面とした
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の飛翔玩具。
【請求項5】
上記揺動板11の後端部上面に形成した指当て部14下方の台板左右両側部分に台板移動用車輪7を付設し、上記指当て部押下げによる、枢支部を中心とする揺動板の回動で指当て部14が車輪中心よりも後方上へ移動可能に形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の飛翔玩具。
【請求項6】
上記台板2ないし揺動板11を複数設けて、それ等各台板ないし揺動板を他の台板ないし揺動板に対して、少くとも一部がそれぞれ異なる形状ないし外見に形成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の飛翔玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−222564(P2007−222564A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50326(P2006−50326)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(591056846)株式会社東京ユニーク (15)
【Fターム(参考)】