説明

食品包装装置

【課題】ガス置換充填と同時に、添加剤を均一に噴霧することができる食品包装装置を提供する。
【解決手段】ガス置換充填包装するためのガス導入管に、添加剤エアゾール容器からのノズルを接合し、エアゾール化した添加剤をガスと混合して、ガス置換充填包装する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
【0002】
本発明の包装食品は長期保存可能なるように添加剤を内包し、気密に包装した包装食品であり、食品の品質を長期保存するのに利用可能なものである。
【背景技術】
【0003】
一般に食品は、大気中の酸素により酸化されて品質が劣化し、また、好気性菌は酸素の下で繁殖する。
【0004】
このため、食品を包装する際にはできるだけ包装容器内の空気(酸素)を除去することが望ましい。加えて、より効果を増すために窒素ガス等を満たすことをおこなっていた。
【0005】
そこで、従来より、包装内の空気をできるだけ除去する包装方法が実用化されており、その主な包装方法としては、真空包装、(窒素)ガス置換充填包装、包装容器内に脱酸素剤を入れた包装等がある。
【0006】
近年は、窒素ガス充填と共に密封したものが多く出回っている。
【0007】
また、実開昭56−65869号に開示されているように、ガスバリア性のない内容器に食品を封入し、真空ガス置換包装によって、これを複数個まとめて脱酸素剤や抗酸化剤と共にガスバリア性のある外容器に封入したもの(二重包装したもの)もある。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記した従来の包装食品には以下のような課題がある。
【0009】
真空包装では中身が潰れてしまい体裁が悪い。
【0010】
また、真空でない場合は、空気を十分に除去できないため、僅かな酸素によっても著しく酸化して風味が損なわれる食品の包装には適さない。
【0011】
単なる脱酸素剤を使用した場合は、通常は酸素を吸収するだけであるため、脱酸素剤が吸収した酸素の分だけ容器内の体積が減少し、容器が部分的にへこむことがあり、体裁が悪い。
【0012】
また、食品包装に使用されている脱酸素剤は、鉄分系(金属系)のものが多く、ごみ焼却ができず、環境問題対策上、問題がある。
【0013】
加えて、鉄分系(金属系)の脱酸素剤を使用した場合は、電子レンジで温めることもできない。
【0014】
抗菌剤を封入した場合、均一に抗菌剤が塗布されず、抗菌剤の塗布されていない部分からの腐食が免れなかった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、シートを用いた成型食品容器にガス置換充填包装して密封すると同時に、添加剤を均一に噴霧して密封したことを特徴とし、合成樹脂製でガスバリア性を有するシートを成型した容器内に食品を収容する創意工夫したガス置換包装システムを提供するものである。
【0016】
つまり、上記添加剤を噴霧するに際し、ガス導入管内に添加剤の噴霧ノズルを設置し、ガス置換充填包装して密封したものである。
【発明の実施の形態1】
【0017】
本発明の包装食品の実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0018】
ここで、ガスバリア性のあるシートとは、一般的には、温度20℃、乾燥状態において、酸素透過度が7〜8ml/m・24h以下をいう。
【0019】
ガスボンベ3は、周知公用の装置が使用され、置換ガスには窒素ガス等の不活性ガスとか炭酸ガス、或はそれらの混合ガスを使用することができる。
【0020】
添加剤エアゾール容器4は、周知公用の装置が使用される。
【0021】
尚、添加剤噴霧ノズル口6の内径は、0.1〜0.6mmの範囲が、好ましい。
【0022】
添加剤は、既存の食品用抗菌剤、特にアルコール製剤や燻液などの抗菌剤や、ビタミンCなどの抗酸化剤を用いることができ、食品に適したインフルエンザウィルス不活化剤等を用いることもできる。
【0023】
【特許文献1】特開2009−249350
【0024】
また、食品に風味を加え補うもの等、あらゆる添加剤を用いることができる。
【0023】
なお、脱酸素剤を食品容器内に封入することもできる。
【0025】
そこで、ガス置換充填包装するためのガス導入管1に、添加剤エアゾール容器4からの添加剤噴霧ノズル5を接合し、エアゾール化した添加剤をガスと混合して、ガス置換充填包装するものである。
【0026】
つまり、ガスボンベ3から噴霧されたガスが、ガス導入管1を介して食品容器内に噴霧される装置において、ガス導入管1のガス導入口2とガスボンベ3の間に、添加剤エアゾール容器4から伸延された添加剤噴霧ノズル5を貫入接合させたものである。
【0027】
添加剤噴霧ノズル口6は、ガス導入管1の内径のほぼ中央位置に貫入させてなる。
【0028】
従って、ガスボンベ3と添加剤エアゾール容器4を、同時に作動させることにより食品容器内にガスと添加剤が均一に噴霧されるものである。
【発明の実施の形態2】
【0029】
図2の場合、添加剤噴霧ノズル5を、ガス導入口2に向かってほぼ斜め45度の角度で傾斜させ、添加剤噴霧ノズル口6は、ガス導入管1の内径のほぼ中央位置に貫入させてなる構造である。
【0030】
前述の発明の実施の形態1に比べ、食品容器内にガスと添加剤がより均一に噴霧されるものである。
【発明の実施の形態3】
【0031】
図3の場合、添加剤噴霧ノズル5を、ガス導入口2に向かってガス導入管1と並行に設置させ、添加剤噴霧ノズル口6は、ガス導入管1の内径のほぼ中央位置に貫入させてなる構造である。
【0032】
前述の発明の実施の形態2に比べ、食品容器内にガスと抗菌剤がより均一に噴霧されるものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明の食品包装装置は、ガス置換充填と同時に、置換ガスと同時に、自動的にエアゾール容器から添加剤を均一に噴霧することができるので次の様な効果がある。
1.ガスにより空気を遮断し酸化を防ぐと同時に、抗菌剤や抗酸化剤等の添加剤の効果を加えることができる。
2.添加剤を均一に噴霧することにより、添加剤を付着浸透させることができる。
3.既存のガス置換装置の軽微な改良で抗菌剤を均一に噴霧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装食品の第1の実施の形態を示す一部切断状態の図。
【図2】本発明の包装食品の第2の実施の形態を示す一部切断状態の図。
【図3】本発明の包装食品の第3の実施の形態を示す一部切断状態の図。
【符号の説明】
1 ガス導入管
2 ガス導入口
3 ガスボンベ
4 添加剤エアゾール容器
5 添加剤噴霧ノズル
6 添加剤噴霧ノズル口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベから噴霧されたガスが、ガス導入管を介して食品容器内に噴霧される真空ガス置換装置において、ガス導入管のガス導入口とガス導入管内の間に、食品容器内を真空にしたあとガス封入時にガス導入管に添加剤エアゾール容器から伸延された添加剤噴霧ノズルを貫入接合させたことを特徴とする食品包装装置
【請求項2】
添加剤噴霧ノズル口が、ガス導入管の内径のほぼ中央位置に貫入させてなることを特徴とする請求項1記載の食品包装装置
【請求項3】
添加剤噴霧ノズルを、ガス導入管口に向かってほぼ斜め45度の角度で傾斜させたことを特徴とする請求項2記載の食品包装装置
【請求項4】
添加剤噴霧ノズルを、ガス導入管口に向かってガス導入管と並行に設置させたことを特徴とする請求項3記載の食品包装装置
【請求項5】
添加剤が、燻液であることを特徴とする請求項3記載の食品包装装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−219165(P2011−219165A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99244(P2010−99244)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(500524693)株式会社ルック (5)
【出願人】(591264197)OCI株式会社 (5)
【出願人】(596161569)中村産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】