説明

食品廃棄物の処理方法およびその装置

【課題】食品廃棄物を嫌気性処理する方法において、水素発酵処理とメタン発酵処理を2段階で進めることによりにより、水素・酸生成、メタン生成を効率的に進行させ、有機物のガス化効率を向上させる方法を提供する。
【解決手段】食品廃棄物からなる被処理物を水素発酵槽5で水素ガス、二酸化炭素、有機酸に分解し、生成した水素含有ガスを水素発酵ガス貯留タンク17に貯留するとともに、水素発酵後の発酵液をメタン発酵槽10内で好ましくは固定化担体11を使用してメタンガスと二酸化炭素に分解し、生成したメタン含有ガスをメタン発酵ガス貯留タンク20に貯留する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭、外食産業、食品工場等から排出される食品廃棄物を、水素発酵とメタン発酵を利用することにより、廃棄物中の有機物を迅速に分解・消化処理する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、家庭、レストランなどの外食産業、食品工場等から排出される食品廃棄物は、益々その種類が多様化し、大量なものとなってきている。
一方、下水汚泥や生ごみ等有機性廃棄物の処理方法として、嫌気性消化が注目されるようになっている。従来の嫌気性消化法では、有機物分解速度、消化ガス生成速度は満足できるほど高くないという問題点があり、その処理にはある程度大きな消化槽を用意する必要があった。しかし、分解速度が速くなれば、消化槽をよりコンパクトにすることができ、経済性・エネルギー収支等の改善が実現できる。
【0003】
嫌気性消化法には、UASB法といわれる微生物が自己凝集したグラニュールを用い、消化槽内の微生物濃度を高め、高速、高効率な方法が検討・実用化されているが(例えば、特許文献1参照)、この方法は固形分をあまり分解できないので、もっぱら懸濁固形分の少ない有機性廃水の処理に利用されており、固形分を比較的多く含有する廃水や殆どが固形分である有機性廃棄物の処理には不向きである。
【0004】
また、有機性廃棄物の水素発酵法が提案されているが(例えば、特許文献2参照)、これは水素発酵を減圧し微嫌気で行う方法であり、発酵処理後の水素発酵液の処理の問題は残る。
さらに、これよりもっと安定的な水素発酵法が提案されているが(例えば、特許文献3参照)、この方法は水素発酵槽の滞留時間を制御して、水素発酵を安定に行う方法に関する発明であり、やはり処理後の水素発酵液の処理の問題は解決されていない。
【0005】
またさらに、水素発酵の促進方法が提案されているが(例えば、特許文献4参照)、これは原料を加熱して水素発酵微生物の活動を促進しようとする技術で、水素およびメタンガスの製造を目的とするものであり、水素発酵液の処理の問題は残ったままである。
【0006】
【特許文献1】特開平11−319782号公報
【特許文献2】特開平07−031998号公報
【特許文献3】特開2002−272491号公報
【特許文献4】特開2003−135089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明は、その処理技術の確立が強く望まれている食品廃棄物からなる固形分濃度の高い被処理物を嫌気性微生物の存在下で分解する嫌気性消化処理法において、その有機物の可溶化と水素ガスを発生させる水素発酵処理と、水素発酵液からメタンガスを発生させるメタン発酵処理により、食品廃棄物の水素ガス・酸生成、メタンガス生成を効率的に進行させ、有機物のガス化効率を高めて消化速度を向上させる。それにより、消化槽をより小型化し、また、処理液の浄化度合いを高くする。そして、得られる気体および固体は有効利用できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水素発酵処理とメタン発酵処理を別々の処理槽で行うことで発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)食品廃棄物からなる被処理物を嫌気性消化処理する方法であって、水素発酵槽とメタン発酵槽を具備し、水素発酵処理とメタン発酵処理の組み合わせで消化を行うことを特徴とする食品廃棄物の処理方法、
(2)前記水素発酵処理が、中温または高温発酵処理であることを特徴とする(1)に記載の食品廃棄物の処理方法、
(3)前記メタン発酵処理が、中温または高温発酵処理であることを特徴とする(1)に記載の食品廃棄物の処理方法、
(4)前記メタン発酵が、固定化担体を備える固定化メタン発酵であることを特徴とする(1)または(3)に記載の食品廃棄物の処理方法、
(5)食品廃棄物からなる被処理物を嫌気性消化処理する方法であって、(I)加水分解微生物群および水素発酵微生物群を含有する水素発酵槽にて可溶化と水素発酵によって水素ガス生成を行う工程、(II)該工程で得られた発酵液をメタン発酵微生物の存在下、メタン発酵槽にてメタンガス生成を行う工程、を含むことを特徴とする食品廃棄物の処理方法、
(6)前記(I)の工程で発生した水素ガスを含有する気相部と、前記(II)の工程で発生したメタンガスを含有する気相部を燃料とすることを特徴とする(5)に記載の食品廃棄物の処理方法、および、
(7)食品廃棄物の嫌気性消化装置であって、水素発酵槽とメタン発酵槽を別々に備えることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の食品廃棄物の処理方法に用いる嫌気性消化装置、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、食品廃棄物は、それぞれ別槽で水素発酵処理とメタン発酵処理を順番に受けるので、分解消化に関わる微生物がそれぞれの槽で温度等の最適な条件に維持され、有機物の分解速度が速く、水素ガスとメタンガスがより迅速に発生する。したがって、処理量に対する処理槽の大きさをよりコンパクトにすることができる。また、処理液は、浄化度が進み有機物濃度が低くなっている。そして、得られる水素ガス、メタンガスは、燃料、燃料電池用ガス等として有効利用でき、固相である発酵残渣はコンポスト法による有機肥料より塩分濃度が低い良質の有機肥料となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の食品廃棄物の処理方法の好ましい実施の形態について、詳細に説明する。
本発明は、水素発酵槽とメタン発酵槽の2つの発酵槽を具備して、それぞれ水素発酵処理とメタン発酵処理を進めるものである。それは、水素発酵に係わる微生物は増殖速度が速く反応速度も速いにもかかわらず、従来の1槽式嫌気性発酵ではメタンガス生成微生物の増殖が遅くメタンガス生成反応が遅いため滞留時間を長く取る必要があり、さらに、水素ガスが発生しないといった問題点があった。これを克服するために、本発明では滞留時間の短い水素発酵槽を別に設け、水素発酵を効率よく行わせ、有機物の可溶化を進めると同時に水素を含むガスを取り出せるものである。
【0011】
本発明でいう水素発酵とは、酸素のない嫌気的な条件で嫌気性微生物の働きにより、有機物から水素ガスと有機酸と二酸化炭素を生成する反応である。この発酵は、20〜70℃、好ましくは30〜60℃で行う発酵法であり、このうち中温発酵は好ましくは30〜40℃、高温発酵は好ましくは55〜65℃で行うものである。また、本発明でいうメタン発酵とは、酸素のない嫌気的な条件で嫌気性微生物の働きにより、有機物からメタンと二酸化炭素を生成する反応である。これは20〜70℃、好ましくは30〜60℃で行う発酵法であり、このうち中温発酵は好ましくは30〜45℃、高温発酵は好ましくは50〜65℃で行うものである。
中温発酵と高温発酵では発酵に関与する微生物群集が異なり、それぞれ発酵できる温度範囲が限られている。そのため、本発明で上記のような温度範囲の中温発酵または高温発酵が好ましいのは、発酵温度が低すぎても高すぎても水素発酵やメタン発酵が上手く進まなくなるからである。
【0012】
本明細書で言う水素発酵微生物とは、嫌気性消化において水素と有機酸と二酸化炭素等を生成する微生物を意味し、クロストリジウム属(Clostridium sp.)等が挙げられ、加水分解微生物とは、有機物を低分子化する微生物を意味し、クロストリジウム属(Clostridium sp.)バチルス属(Bacillus sp.)ラクトバチルス属(Lactobacillus sp.)バクトロイデス属(Bacteroides sp.)ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium sp.)ユーバクテリウム属(Eubacterium sp.)等が挙げられる。また、メタン発酵微生物とは、嫌気性消化においてメタンと二酸化炭素を生成する微生物を意味し、メタノバクテリウム属(Methanobacterium sp.)メタノサーモバクタ属( Methanothermobacter sp.)メタノサルシナ属( Methanosarcina sp.)メタノサエタ属(Methanosaeta sp.)等が挙げられる。これら水素発酵微生物、加水分解微生物、メタン発酵微生物とも従来からよく知られているものである。
本発明においては、水素発酵槽内ではこの他に特定されない多様な水素発酵微生物が生育し、またメタン醗酵槽内でも上記の他に特定されない多様なメタン発酵微生物が生育する。このように、多様な微生物が存在することにより、原料である食品廃棄物を殺菌しなくても原料に対応した最適な微生物群が増殖し、安定した発酵、分解処理が行える。
【0013】
本発明の処理対象となる食品廃棄物は、家庭、レストランなどの外食産業、食品工場等から排出される食品残滓や廃液などである。
【0014】
次に、本発明の実施方法を述べる。
まず、被処理対象である原料の食品廃棄物を粉砕し、含水率75〜99.9%、好ましくは85〜98%に調整し、これを水素発酵槽内で水素発酵微生物群と混合し、20℃以上、好ましくは30〜65℃、さらに好ましくは35〜60℃で湿式水素発酵処理させる。中温発酵の場合は、30〜40℃、高温発酵の場合は50〜65℃で処理させる。
水素発酵槽内のpHは、中温水素発酵ではpH5.0〜7.0、高温水素発酵ではpH5.0〜6.5に保持する。
続いて、水素発酵後の発酵液を原料として、メタン発酵槽内でメタン発酵微生物群と混合し、20℃以上、好ましくは30〜65℃、更に好ましくは35〜55℃で湿式メタン発酵処理させる。中温発酵の場合は30〜40℃で、高温発酵の場合は50〜65℃で処理させる。
メタン発酵処理でのpHは、中温および高温メタン発酵処理共pH6.5〜8.5に保持する。
【0015】
この場合、本発明においては、水素発酵槽にメタン発酵後の処理液の一部を返送することにより、水素発酵によって酸性化してくる水素発酵槽のpH調整用にアルカリ度を補給し、pHを5.0〜6.5に調整し、より安定した水素発酵が持続するようにすることもできる。
また、本発明においては、メタン発酵槽に増殖の遅いメタン発酵微生物の住処となる固定化担体を具備し、槽内の微生物濃度を高くしてメタン生成の効率を向上させることができる。
【0016】
前記のようにして、食品廃棄物を水素発酵処理・メタン発酵処理すると、廃棄物を構成する有機物が分解されてガス化し、嫌気性消化処理物が得られる。その時発生する発酵残渣は、窒素やリンなどの肥料成分を多く含み、発酵が進んでいるのでそのまま液肥として、または固液分離した後、固形分を有機性肥料として利用することが可能である。
最近実施されている好気的なコンポスト法によって生ごみ等から生産された有機性肥料では、その中に含まれる塩分が問題となる場合がある。しかし、本発明方法による場合は、固液分離した後の塩分は液相部中に多く含まれるため、固相である発酵残滓は塩分が少ないものとなり、本法により得られる有機性肥料はコンポスト法による有機性肥料に比べ塩分濃度が低いという利点を有する。
【0017】
また、それぞれの発酵処理による消化時に発生する水素やメタンは、ボイラー燃料、消化ガス発電、マイクロガスタービンに利用できるのは勿論、直接又は水素への改質後燃料電池の燃料として利用することができる。
【0018】
次に、本発明の実施態様を添付の図1に従って説明する。
図1は本発明を実施する場合の工程を示す説明図である。
食品廃棄物(水を含む)1を貯留する撹拌装置3を有する原料貯留槽2より貯留原料配管4を通って、水素発酵および加水分解を生じさせる微生物群を含有する水素発酵槽5に供給する。水素発酵槽5は嫌気的な条件に保つ。
水素発酵および加水分解を生じさせる微生物群としては、下水処理場の下水汚泥の嫌気性消化汚泥やコンポスト(堆肥)、田畑の土壌等を使用すればよい。
【0019】
この水素発酵槽5において、食品廃棄物は水素発酵微生物および加水分解微生物の分解作用を受け、水素ガスと二酸化炭素ガスと有機酸に分解される。この分解処理により、食品廃棄物中の有機物は迅速かつ安定的に低分子化される。
本発明に係る水素発酵槽5は、槽内の原料と微生物群を撹拌して混合し、発酵反応を促進させるために、撹拌装置6を具備させることが望ましい。また、槽内の発酵液を抜き再度投入する発酵液の循環により撹拌を実現してもよい。
さらに、水素発酵槽5内で発生した水素を含むガスは水素発酵ガス配管16を通って水素発酵ガス貯留タンク17に貯留される。この場合の水素含有ガスは、通常H:20〜80(容量)%、CO:20〜80%(容量)を含有する。
【0020】
一方、水素発酵槽5で得られた発酵液は水素発酵液配管7を通って水素発酵液貯留槽8に導入される。水素発酵液貯留槽8は撹拌装置18によって発酵液が撹拌されるのでメタン発酵槽10へ均一組成のメタン発酵原料液として供給することができる。なお、この水素発酵液貯留槽8を省略し、水素発酵液を直接メタン発酵槽10へ供給してもよい。
【0021】
水素発酵貯留液は水素発酵貯留液配管9を通ってメタン発酵槽10に導入される。メタン発酵槽10は嫌気的な条件に保つ。メタン発酵を生じさせる微生物群としては、下水処理場の下水汚泥の嫌気性消化汚泥等を使用すればよい。
このメタン発酵槽10において、有機酸を主体とする発酵液はメタン発酵微生物の作用を受け、メタンガスと二酸化炭素に分解される。このメタンガス生成処理により、原料液中の有機酸は迅速に安定的に分解される。
【0022】
本発明に係るメタン発酵槽10は、槽内の原料液と微生物群を撹拌して混合し、発酵反応を促進させるために、撹拌装置12を具備させることが望ましい。また、槽内の発酵液を抜き再度投入することにより撹拌を実現してもよい。
さらに、メタン発酵微生物の濃度を高く維持するために、メタン発酵微生物の住処となる固定化担体11をメタン発酵槽内に具備させることが好ましい。
【0023】
また、メタン発酵槽10内で発生したメタンを含むガスはメタンガス配管19を通ってメタン発酵ガス貯留タンク20に貯留される。この場合のメタン含有ガスは、通常CH:40〜90(容量)%、CO:10〜60(容量)%を含有する。
一方、メタン発酵槽10で得られた発酵液はメタン発酵液配管13を通ってメタン発酵液貯留槽14に貯留される。
処理の済んだ発酵液は、従来のメタン発酵より有機物の分解率が高く、溶存有機物の濃度の低いものであり、必要に応じメタン発酵貯留液15とし、接触ばっ気法や活性汚泥法等の簡単な廃水処理をされた後放流される。固相は、有機性肥料やコンポスト、土地改良剤として再利用できる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
35±1℃に保持できる有効容積0.16mの水素発酵槽と、55±1℃に保持できる有効容積3.6mのメタン発酵槽とを図1に示すように直列に接続した2段発酵装置を用意した。水素発酵槽、メタン発酵槽とも発酵液を撹拌できるように撹拌翼を取り付けてあり、さらにメタン発酵槽には固定化担体が充填してある。
前処理して夾雑物を取り除いた下記表1に記載した製糖(ビート)工場廃棄物を0.24m/日の供給速度で水素発酵槽へ投入し、水素発酵槽より流出する水素発酵液をメタン発酵槽に投入した。
なお、水素発酵槽およびメタン発酵槽は、水素発酵微生物、メタン発酵微生物をあらかじめ各発酵原料と下水の嫌気性消化汚泥とで1か月以上馴養運転した。
【0025】
【表1】

【0026】
実験条件については、水素発酵はpH6.0、滞留時間16時間、酸化還元電位−440mVで、メタン発酵はpH7.9、滞留時間15日で行った。
発酵実験の結果は、実験条件が定常状態に達してから90日間継続し、その間に水素発酵液貯留槽、メタン発酵液貯留槽で得られた処理液を93日、100日、107日目にそれぞれ採取し、分析し、その平均値を次の表2に示した。比較例として、表1に示した原料液を1槽式のメタン発酵槽で、前記のメタン発酵と同条件で直接処理を実施したラボスケールのメタン発酵液の結果も表2に示した。
【0027】
【表2】

【0028】
これらの実験結果から、水素・メタン2段発酵法により、食品廃棄物が効率よく水素とメタンと二酸化炭素に分解し、食品廃棄物の分解速度やガス化速度が向上することがわかった。また、処理液は、分解されずに残った有機物濃度が従来例に比べて非常に低く、接触ばっ気法などの簡単な浄化処理で放流することができた。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る食品廃棄物の嫌気性消化工程の説明図である。
【符号の説明】
【0030】
1.食品廃棄物
2.原料貯留槽
3.撹拌装置
4.貯留原料配管
5.水素発酵槽
6.撹拌装置
7.水素発酵液配管
8.水素発酵液貯留槽
9.水素発酵貯留液配管
10.メタン発酵槽
11.固定化担体
12.撹拌装置
13.メタン発酵液配管
14.メタン発酵液貯留槽
15.メタン発酵貯留液
16.水素発酵ガス配管
17.水素発酵ガス貯留タンク
18.撹拌装置
19.メタン発酵ガス配管
20.メタン発酵ガス貯留タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品廃棄物からなる被処理物を嫌気性消化処理する方法であって、水素発酵槽とメタン発酵槽を具備し、水素発酵処理とメタン発酵処理の組み合わせで消化を行うことを特徴とする食品廃棄物の処理方法。
【請求項2】
前記水素発酵処理が、中温または高温発酵処理であることを特徴とする請求項1に記載の食品廃棄物の処理方法。
【請求項3】
前記メタン発酵処理が、中温または高温発酵処理であることを特徴とする請求項1に記載の食品廃棄物の処理方法。
【請求項4】
前記メタン発酵が、固定化担体を備える固定化メタン発酵であることを特徴とする請求項1または3に記載の食品廃棄物の処理方法。
【請求項5】
食品廃棄物からなる被処理物を嫌気性消化処理する方法であって、(I)加水分解微生物群および水素発酵微生物群を含有する水素発酵槽にて可溶化と水素発酵によって水素ガス生成を行う工程、(II)該工程で得られた発酵液をメタン発酵微生物の存在下、メタン発酵槽にてメタンガス生成を行う工程、を含むことを特徴とする食品廃棄物の処理方法。
【請求項6】
前記(I)の工程で発生した水素ガスを含有する気相部と、前記(II)の工程で発生したメタンガスを含有する気相部を燃料とすることを特徴とする請求項5に記載の食品廃棄物の処理方法。
【請求項7】
食品廃棄物の嫌気性消化装置であって、水素発酵槽とメタン発酵槽を別々に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の食品廃棄物の処理方法に用いる嫌気性消化装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−255538(P2006−255538A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74085(P2005−74085)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成16年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構委託研究「バイオマスエネルギー高効率転換技術開発/有機性廃棄物の高効率水素・メタン醗酵を中心とした二段醗酵技術研究開発」産業活力特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000147408)株式会社西原環境テクノロジー (44)
【Fターム(参考)】