説明

食品用容器及び包装食品

【課題】商品陳列時に、蓋正面をほぼ垂直に立たせることができる食品用容器及び該容器に食品を密封包装してなる包装食品の提供。
【解決手段】食品を充填し開口端縁に蓋フィルム7をシールして密封包装し、包装食品6を製造するための食品用容器において、前記包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で包装食品を陳列する支持部5が設けられたことを特徴とする食品用容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を密封包装するための食品用容器に関し、特に商品陳列時に、蓋正面をほぼ垂直に立たせることができる食品用容器及び該容器に食品を密封包装してなる包装食品に関する。
【背景技術】
【0002】
調理済み食品を合成樹脂製の食品用容器に入れて殺菌し、容器開口を合成樹脂製の蓋フィルムをシールして無菌包装した無菌包装食品は、電子レンジや湯煎などによる簡易加熱で喫食可能であることから市場に広く出回るようになってきている。この種の無菌包装食品としては、現在、例えば白飯、赤飯、具入りご飯、粥、雑炊等の米飯加工食品の他、カレー、スープ、シチュー等のペースト状食品などにも応用され、多くの種類が市販されている。
【0003】
無菌包装食品などの密封包装を要求される食品の包装は、完全な密封性を要求される。また、その食品用容器としては、その製造機器などの制限、運搬時の省スペース化等の要求により、舟形や椀形の容器が広く用いられている。特に、開口部が広いために、殺菌効率が良く、かつ底部を広く取ることができるために安定である舟形の容器が無菌包装食品では広く使われている。
【0004】
これらの食品用容器は、水平に広く作られ、容器上側の開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装する構造のものが多い。また、蓋フィルムには、その商品の説明などを記載する場合が多いが、水平に広く作られた食品用容器では、その水平部分を下にした状態が安定しているため、商品を棚置きする際には蓋フィルムが上向きに置かれることが多い。
その結果、棚置きされた際には、その商品の説明が顧客の目にとまり難くなり、顧客に商品の説明をアピールするために、立てた状態で陳列するためのダミーの容器を準備することが必要であった。
【0005】
なお、レトルト食品においては、スタンディングパウチなどのように、立てて陳列できるものが作られているが、このような容器では短時間高温殺菌などの工程を要する包装食品の製造には用いることができず、そのため殺菌のための過度の加熱を要し、またそのために呈味が劣るものしか製造できなかった。
【0006】
従来、容器上側に設けられた蓋を立てた状態で陳列するための容器として、例えば、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、容器本体と蓋体、支持台とからなる食品用容器であって、支持台が、内壁と底壁とを具え、蓋体に延設した支持板にヒンジを介して連設され、ヒンジを軸に廻動反転可能に形成されており、底壁には、容器本体の胴部周壁に当接する面が形成され、支持台の廻動反転時に、容器本体の胴部周壁面に当接し、容器を横立てにし、蓋表面をほぼ垂直にして正立させるようにしたことを特徴とする食品用容器が開示されている。
【0007】
特許文献2には、上部開口部を円形とした合成樹脂製の本体と、該本体を密封する蓋体とから構成された包装容器であって、前記本体の底部から上部開口部に向けて、その横断面を略六角形に構成して該本体の周囲に六面を備えさせ、且つ、その六面を、上部開口部から底部の中心に向けて所定の角度で傾斜させ、前記六面の底部縁と前記本体の円形の開口部とで傾斜状態に姿勢維持できるように構成した包装容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4188044号公報
【特許文献2】特開平7−257541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に開示された食品用容器は、容器本体と、蓋体と、該蓋体に延設した支持板にヒンジを介して連設された支持台とを備えるものであり、容器本体の開口を蓋フィルムでシールするタイプの食品用容器と比べて構造が複雑でコストが高くなる問題がある。また、この食品用容器は、開口が円形のお椀形や丼形の容器に適用するためのものであり、殺菌効率や運搬上の安定性に優れる舟形、角形、楕円形などの食品用容器には適用し難いという問題がある。
【0010】
特許文献2に開示された包装容器は、六面の底部縁と容器本体の円形の開口部とで傾斜状態に姿勢維持するものであり、容器本体に米飯のように流動性が無い食品を開口部よりも下の位置まで詰めた場合には、重心が容器底部側になり、傾斜状態にしても底部が下向きの状態に戻ってしまう問題がある。また、この容器も開口が円形のお椀形や丼形の容器に適用するためのものであり、殺菌効率や運搬上の安定性に優れる舟形、角形、楕円形などの食品用容器には適用し難いという問題がある。
【0011】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、食品を充填し開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装し、包装食品を製造するための食品用容器において、商品陳列時に、蓋正面をほぼ垂直に立たせることができる食品用容器及び該容器に食品を密封包装してなる包装食品の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、本発明は、食品を充填し開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装し、包装食品を製造するための食品用容器において、前記包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で包装食品を陳列する支持部が設けられたことを特徴とする食品用容器を提供する。
【0013】
本発明において、食品を収容した状態での食品用容器の重心が中心より下にある構成としてもよい。
【0014】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記底面部を半分割する所定の方向に沿った前記側壁部の両側のうちの少なくとも一方の側に前記支持部が設けられた構成としてもよい。
【0015】
本発明において、前記底面部は、前記所定の方向に沿った底面部端部よりも底面部中央部が底浅に形成された構成としてもよい。
【0016】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記底面部を半分割する所定の方向に沿った前記側壁部の両側のうちの一方の側に前記支持部が設けられ、前記底面部は、前記所定の方向に沿った両側のうち、前記支持部が設けられた一方の側の方が、それと対向する他方の側よりも幅広に形成された構成としてもよい。
【0017】
前記食品用容器は、三角形の開口を有する三角錐形の壁部からなり、いずれか1つの壁面が前記支持部とされた構成としてもよい。
【0018】
前記食品用容器は、四角形の開口を有する楔形の壁部からなり、いずれか1つの壁面が前記支持部とされた構成としてもよい。
【0019】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、底面部と側壁部との境界部分に、外側に向けて突出した前記支持部が形成された構成としてもよい。
【0020】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記側壁部に、上窄まりの傾斜面が設けられ、該傾斜面の底面部側端部が前記支持部とされた構成としてもよい。
【0021】
また本発明は、前記食品用容器に食品を入れ、開口端縁に蓋フィルムをシールし密封包装してなることを特徴とする包装食品を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の食品用容器は、食品を充填し開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装し、包装食品を製造するための食品用容器において、前記包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で包装食品を陳列する支持部が設けられたものなので、水平に広く作られた容器であっても、該容器を用い製造された包装食品を、支持部及び開口端縁を接地し、蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0023】
本発明の包装食品は、前記食品用容器に食品を入れ、開口端縁に蓋フィルムをシールし密封包装してなるものなので、水平に広く作られた容器であっても蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができ、蓋フィルムに記載した説明等が顧客に見易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の食品用容器の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明の食品用容器の第1実施形態を示す正面図である。
【図3】本発明の食品用容器の第1実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明の包装食品の一実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の食品用容器の第2実施形態を示す平面図である。
【図6】本発明の食品用容器の第3実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の食品用容器の第4実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の食品用容器の第5実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の食品用容器の第6実施形態を示す正面図である。
【図10】本発明の食品用容器の第7実施形態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、以下に説明する本発明の食品用容器及び包装食品の実施形態は、本発明の具体例を示す単なる例示であり、本発明はこれらの実施形態の記載にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱しない限り、種々の変更や修正が可能である。
【0026】
図1〜図3は、本発明の食品用容器の第1実施形態を示す図である。本実施形態の食品用容器1は、食品を充填し開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装し、包装食品を製造するためのものであり、蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で陳列するための支持部5が設けられたことを特徴としている。
【0027】
本実施形態の食品用容器1は、合成樹脂シートを成形した一体成形品であり、合成樹脂シートの材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、オレフィンと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。さらに、2枚のポリプロピレン製フィルムで他の合成樹脂製フィルム、例えばエチレン-ビニルアルコール共重合体フィルムを挟んでラミネートした合成樹脂積層シートを用いることもできる。
【0028】
本実施形態の食品用容器1は、略長円形をなす底面部2とその周縁から立設された側壁部3とからなり、側壁部3の先端部は外方に向けて張り出し、外形が略長方形をなしたフランジ4(開口端縁)となっている。
【0029】
本実施形態の食品用容器1は、底面部2を半分割する所定の方向、例えば、略長円形をなす底面部2の長手方向に沿った側壁部3の両側に、支持部5,5が設けられると共に、底面部2は長手方向に沿った底面部端部2b,2cよりも底面部中央部2aが底浅に形成されている。底面部端部2b,2cと底面部中央部2aとの底深さの差(t)は、食品用容器1の大きさ、密封包装する食品の種類などに応じて適宜設定されるが、通常の個食用サイズ(内容量100〜300g程度)の食品用容器1にあっては、t=2〜10mm程度とすることが望ましい。
なお、本実施形態では、食品用容器1の長手方向をほぼ垂直に立てる状態(図4参照)を想定しているため、底面部2の長手方向に沿う側壁部3の両側に支持部5,5を設けているが、食品用容器の底面部形状、底面部を半分割する所定の方向、支持部の配置は本例示に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、前記長手方向と直交する方向に沿って支持部を設けてもよい。また、底面部形状が円形である場合には、支持部を円の周囲のいずれに設けてもよい。
【0030】
本実施形態において前記支持部5は、側壁部3の一部を外方に向けて膨出させて所定幅の平坦面が形成された構造になっている。該平坦面の底面部側には、包装食品を立てた状態で陳列する際の安定性を増すために複数本のリブを設けてもよい。前記平坦面の幅は、食品用容器1の大きさなどに応じて適宜設定されるが、通常の個食用サイズ(内容量100〜300g程度)の食品用容器1にあっては、5〜70mm程度とすることが望ましい。
【0031】
本実施形態の食品用容器1は、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ4に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
本実施形態の食品用容器1は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部5が設けられたものなので、水平に広く作られた容器であっても、該容器を用い製造された包装食品を、支持部5及びフランジ4を接地し、蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0032】
図4は、本発明に係る包装食品の一実施形態を示す図である。
本実施形態の包装食品6は、前述した食品用容器1に食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ4に蓋フィルム7をシールし、密封することで製造されたものである。
【0033】
この包装食品6の開口を密封するために用いられる蓋フィルム7としては、無菌包装食品などの密封包装を要求される包装食品の密閉のためのヒートシールにおいて一般に用いられている汎用のものを採用できる。この蓋フィルムとしては、例えば二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸延伸ナイロンフィルムといったフィルム基材の片面に、ポリプロピレン等の樹脂層からなるシーラント層を形成したものを用いることができる。
【0034】
この蓋フィルム7には、商品名、製造者名、食品の盛り付け例、調理方法、品質表示、栄養成分、注意書き、等の種々の印刷表示を施すことができる。この蓋フィルム7に設けられた印刷表示は、図4に示すように、蓋フィルム7をほぼ垂直に向けた状態で包装食品6を陳列することによって、顧客が視認しやすく、印刷表示の内容を理解しやすいものとすることができる。
【0035】
食品用容器1内に収容する食品は、特に限定されず、米飯(白米、赤飯、炊き込みご飯、釜飯等)、粥、パスタ類、カレー、グラタン、スープ、シチュー、各種惣菜などの調理済み食品、半調理食品などを収容可能である。
【0036】
本実施形態の包装食品6は、底面部2の長手方向に沿った側壁部3の両側に支持部5,5が設けられると共に、底面部2が長手方向に沿った底面部端部2b,2cよりも底面部中央部2aが底浅に形成されている前記食品用容器1を用いたものなので、この包装食品6を図4に示すように、蓋フィルム7をほぼ垂直に向けた状態で、支持部5とフランジ4とを接地させて立置きすることができる。特に、食品として粥、カレー、スープ、シチュー等の流動性を有する食品を包装した場合、包装食品を前述したように立置きにして陳列する際に、中身の食品が容器内で下方に流動し、包装食品6の重心が下がることで、安定して立置き状態を維持させることができる。
【0037】
図5は、本発明の食品用容器の第2実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器8は、前記第1実施形態の食品用容器1と同様の合成樹脂製の一体成形体であり、大小2つの円形が一部で重なり合った瓢箪形をなす底面部9と、該底面部9の周縁から立設された側壁部10とからなり、側壁部10の先端部は外方に向けて張り出してフランジ11(開口端縁)となっている。
【0038】
本実施形態の食品用容器8において、底面部9は、該底面部9の長手方向に沿って一方の側が大きな円の部分である幅広部9a、他方の側が小さい円の部分である幅狭部9bからなり、長手方向に沿って前記幅広部9aの側の側壁部10に、支持部12が設けられている。
なお、本実施形態の食品用容器8において、底面部9の形状は、図5に示した瓢箪形に限定されるものではなく、支持部12が設けられた一方の側の方が、それと対向する他方の側よりも幅広に形成された形状であればよく、例えば、台形、半円形、三角形などの形状とすることができる。
【0039】
本実施形態の食品用容器8において、前記支持部12は、側壁部10の一部を外方に向けて膨出させて所定幅の平坦面が形成された構造になっている。該平坦面の底面部側には、包装食品を立てた状態で陳列する際の安定性を増すために複数本のリブを設けてもよい。前記平坦面の幅は、食品用容器8の大きさなどに応じて適宜設定されるが、通常の個食用サイズ(内容量100〜300g程度)の食品用容器8にあっては、20〜70mm程度とすることが望ましい。
【0040】
本実施形態の食品用容器8は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、米飯などの食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ11に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0041】
本実施形態の食品用容器8は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部12が設けられたものなので、水平に広く作られた容器であっても、該容器を用い製造された包装食品は、支持部12及びフランジ11を接地し、蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
さらに本実施形態の食品用容器8は、幅広部9aと幅狭部9bとを有する底面部9の幅広部9側に支持部12を設けたことによって、この食品用容器8に米飯などの食品を密封包装し、これを立置きした場合に、該包装食品の重心が幅広部9aの支持部側となるので、安定して立置き状態を維持させることができる。
【0042】
図6は、本発明の食品用容器の第3実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器13は、前記第1実施形態の食品用容器1と同種の合成樹脂製一体成形体であり、三角形の開口を有する三角錐形の壁部14からなり、いずれか1つの壁面を、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で包装食品を陳列するための支持部16とした構成になっている。また、前記壁部14の開口端縁には、フランジ15が設けられている。
【0043】
前記支持部16と蓋フィルムがシールされる開口面(フランジ15形成面)とがなす角度は、直角またはそれに近い角度とすることが望ましい。前記角度をほぼ直角とすることで、支持部16を水平な面に接地した状態で、蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で陳列させることができる。
【0044】
本実施形態の食品用容器13は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ15に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0045】
本実施形態の食品用容器13は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部16が設けられたものなので、該容器を用い製造された包装食品は、支持部16を接地し蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0046】
図7は、本発明の食品用容器の第4実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器17は、前記第1実施形態の食品用容器1と同種の合成樹脂製一体成形体であり、四角形の開口を有する楔形の壁部18からなり、開口面とほぼ直角に設けられた壁面を、支持部20とした構成になっている。また、前記壁部18の開口端縁には、フランジ19が設けられている。
【0047】
本実施形態の食品用容器17は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ19に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0048】
本実施形態の食品用容器17は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部20が設けられたものなので、該容器を用い製造された包装食品は、支持部20を接地し蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0049】
図8は、本発明の食品用容器の第5実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器21は、前記第1実施形態の食品用容器1と同種の合成樹脂製一体成形体であり、四角形の開口を有する楔形の壁部22からなり、開口面と直角よりも小さい所定角度で設けられた壁面を支持部24とした構成になっている。また、前記壁部22の開口端縁には、フランジ23が設けられている。
【0050】
前記開口面と支持部24とがなす角度は、10〜90度の範囲内であることが好ましい。前記壁部22の壁面のうち、三角形をなしている壁面は、二等辺三角形や正三角形とすることができる。二等辺三角形とすることにより、それぞれの面の強度を等しくすることができ、強度的にも安定になる。
【0051】
本実施形態の食品用容器21は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ23に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0052】
本実施形態の食品用容器21は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部24が設けられたものなので、該容器を用い製造された包装食品は、支持部24を接地し蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0053】
図9は、本発明の食品用容器の第6実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器25は、前記第1実施形態の食品用容器1と同種の合成樹脂製一体成形体であり、底面部26とその周縁から立設された側壁部27とからなり、側壁部27の先端部は外方に向けて張り出してフランジ28(開口端縁)となっている。
【0054】
本実施形態の食品用容器25は、底面部26と側壁部27との境界部分に、外側に向けて突出した支持部29が形成されている。この支持部29は、先端に平坦面を有し、図9に示すように、フランジ28が向けられた開口をほぼ垂直に向けた状態で食品用容器25を立置きした際に、該支持部29の平坦面と該フランジ28とが接地するような寸法関係で形成されている。該支持部29の平坦面の大きさは、食品用容器25の大きさなどに応じて適宜設定されるが、通常の個食用サイズ(内容量100〜300g程度)の食品用容器25にあっては、幅70〜150mm程度、高さ120〜250mm程度とすることが望ましい。
【0055】
本実施形態の食品用容器25は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ28に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0056】
本実施形態の食品用容器25は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部29が設けられたものなので、該容器を用い製造された包装食品は、支持部29の平坦面とフランジ28とを接地し蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【0057】
図10は、本発明の食品用容器の第7実施形態を示す図である。
本実施形態の食品用容器30は、前記第1実施形態の食品用容器1と同種の合成樹脂製一体成形体であり、底面部31とその周縁から立設された側壁部32とからなり、側壁部32の先端部は外方に向けて張り出してフランジ33(開口端縁)となっている。
【0058】
本実施形態の食品用容器30は、側壁部32に、上窄まりの傾斜面35が設けられ、該傾斜面35の底面部側端部を立置き用の支持部34とした構成になっている。この支持部34の長さは、食品用容器30の大きさなどに応じて適宜設定されるが、通常の個食用サイズ(内容量100〜300g程度)の食品用容器30にあっては、幅70〜150mm程度、高さ120〜230mm程度とすることが望ましい。
【0059】
前記傾斜面35と底面部31とがなす傾斜角度は、45〜85度の範囲内であることが好ましい。
【0060】
本実施形態の食品用容器30は、前記第1実施形態の食品用容器1と同じく、食品を収容した状態で、開口端縁であるフランジ33に蓋フィルムをシールし、密封することで包装食品を製造するために用いられる。
【0061】
本実施形態の食品用容器30は、包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で該包装食品を陳列するための支持部34が設けられたものなので、該容器を用い製造された包装食品は、支持部34とフランジ33とを接地し蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で立置き陳列することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、食品を密封包装するための食品用容器に関し、特に商品陳列時に、蓋正面をほぼ垂直に立たせることができる食品用容器及び該容器に食品を密封包装してなる包装食品に関する。
【符号の説明】
【0063】
1…食品用容器、2…底面部、2a…底面部中央部、2b…底面部端部、2c…底面部端部、3…側壁部、4…フランジ(開口端縁)、5…支持部、6…包装食品、7…蓋フィルム、8…食品用容器、9…底面部、9a…幅広部、9b…幅狭部、10…側壁部、11…フランジ(開口端縁)、12…支持部、13…食品用容器、14…壁部、15…フランジ、16…支持部、17…食品用容器、18…壁部、19…フランジ(開口端縁)、20…支持部、21…食品用容器、22…壁部、23…フランジ(開口端縁)、24…支持部、25…食品用容器、26…底面部、27…側壁部、28…フランジ(開口端縁)、29…支持部、30…食品用容器、31…底面部、32…側壁部、33…フランジ(開口端縁)、34…支持部、35…傾斜面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を充填し開口端縁に蓋フィルムをシールして密封包装し、包装食品を製造するための食品用容器において、
前記包装食品の蓋フィルムをほぼ垂直に向けた状態で包装食品を陳列する支持部が設けられたことを特徴とする食品用容器。
【請求項2】
食品を収容した状態での食品用容器の重心が中心より下にあることを特徴とする請求項1に記載の食品用容器。
【請求項3】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記底面部を半分割する所定の方向に沿った前記側壁部の両側のうちの少なくとも一方の側に前記支持部が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の食品用容器。
【請求項4】
前記底面部は、前記所定の方向に沿った底面部端部よりも底面部中央部が底浅に形成された請求項1ないし3に記載の食品用容器。
【請求項5】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記底面部を半分割する所定の方向に沿った前記側壁部の両側のうちの一方の側に前記支持部が設けられ、前記底面部は、前記所定の方向に沿った両側のうち、前記支持部が設けられた一方の側の方が、それと対向する他方の側よりも幅広に形成された請求項1または2に記載の食品用容器。
【請求項6】
前記食品用容器は、三角形の開口を有する三角錐形の壁部からなり、いずれか1つの壁面が前記支持部とされた請求項1または2に記載の食品用容器。
【請求項7】
前記食品用容器は、四角形の開口を有する楔形の壁部からなり、いずれか1つの壁面が前記支持部とされた請求項1または2に記載の食品用容器。
【請求項8】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、底面部と側壁部との境界部分に、外側に向けて突出した前記支持部が形成された請求項1に記載の食品用容器。
【請求項9】
前記食品用容器は、底面部とその周縁から立設された側壁部とからなり、前記側壁部に、上窄まりの傾斜面が設けられ、該傾斜面の底面部側端部が前記支持部とされた請求項1に記載の食品用容器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の食品用容器に食品を入れ、開口端縁に蓋フィルムをシールし密封包装してなることを特徴とする包装食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−131559(P2012−131559A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287272(P2010−287272)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000140650)テーブルマーク株式会社 (55)
【Fターム(参考)】