説明

食器

【課題】手指に運動機能障害のある方がスプーンやフォークを使って食事する際に使いやすく、健常な方はスプーンやフォークや箸を使って食事する際にさらに使いやすい、ユニバーサルデザインを取り入れた、機能性とデザインに優れた食器を提供する。
【解決手段】内縁1から外縁2に向かった半円形の窪み3を設け、半円形の窪みに沿って皿底5に伸びた縁壁4aと、同じく半円形の窪みに沿った容器の内側から外側に凹んだ縁壁を設け、容器中心から縁壁に平行に伸びて突き当たる二本線の凸部6を皿底5に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縁に半円形の窪みを設け、それに沿って皿底に伸びる異なった縁壁を数か所設け、その半円形の縁壁や皿底に、スプーンやフォークや箸を使用して食するのに適した機能を施した、健常の方や手指に運動機能障害がある方でも使いやすい食器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スプーンやフォークや箸などで食しやすくするために凹凸を付けた皿や、縁壁を容器の内側から外側に凹ませた、食器があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−232930号公報(第2頁 図2)
【特許文献2】特開2006−271921号公報(第4頁 図1)
【特許文献3】特開平8−294438号公報(第3頁 図4)
【特許文献4】実用新案公開平8−1621号公報(第2頁 図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのために、次のような問題点があった。
(イ)食器に凹凸が多数付いただけなので、フォークや箸で食べ物を突き刺す場合の滑り止めの効果は不確実である。
(ロ)食器に凹凸が多数付いているので、スプーンやフォークや箸を使ってスライドさせながらすくい上げて食する場合に、食器の凹凸にスプーンやフォークや箸が引っ掛かり、かえって食しづらくするものである。
(ハ)組み合わせ式食器というのは、手指に運動機能障害のある方には扱いづらいものである。
(二)縁を容器の内側から外側に凹ませた面の幅や、食べ物を集めるポイントの角度の開きが広すぎて、一方向ないし二方向しか縁壁に接しないため、球状の食べ物を丸い形状のスプーンやフォークですくい上げようとすると、スプーンやフォークの横に逃げてしまい食することが困難である。
本発明は以上の問題点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
内縁から外縁に向かった半円形の窪みを設け、その半円形の窪みに沿って皿底に伸びる縁壁を設け、容器の中心部からその半円形の縁壁最深部に水平に伸びて突き当たる二本線の凸部を設ける。内縁から外縁に向かった半円形の窪みを設け、その半円形の窪みに沿って容器の内側から外側に凹んだ縁壁を設ける。
以上を特徴とする食器である。
【発明の効果】
【0006】
(イ)半円形の窪みに沿って皿底に伸びる縁壁に、容器の中心部から半円形の縁壁最深部に水平に伸びて突き当たる二本線の凸部の上部に、食べ物を乗せることにより、食べ物が皿底と張り付くことを軽減し、フォークを二本線の凸部に合致するように水平にスライドさせることによって、縁壁に食べ物を押し付けながら、スムーズにすくい上げることができる。
(ロ)半円形の窪みに沿って皿底に伸びた縁壁や、半円形の窪みに沿って容器の内側から外側に凹んだ縁壁を、食器一個体に設けたので、多個体を組み合わせる必要もなく、手指に運動機能障害のある方でも容易に取り扱うことができる。
(ハ)健常の方や手指に運動機能障害がある方が片手で食しても、半円形の三方囲まれた縁壁に食べ物を押し付けることができ、スプーンやフォークや箸を使っても丸い形状の食べ物が左右に逃げにくいので、容易にすくい上げることができる。
以上のように健常な方や、手指に運動機能障害のある方や、ナイフとフォーク文化の方や、箸文化の方や、年齢性別を問わず、全世界中のどのような方が使っても容易に使いこなすことのできる、真のユニバーサルデザインを追求した発明なので、日本国内はもとより海外でも理解されやすい食器である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の斜視図
【図2】本発明の上面図
【図3】本発明の一部を切り欠いた断面図
【図4】本発明にフォークを用いて操作している説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(イ)内縁(1)から外縁(2)に向かった、半円形の窪み(3)に沿って皿底(5)に伸びた縁壁(4a)を設ける。
(ロ)内縁(1)から外縁(2)に向かった、半円形の窪み(3)に沿って容器の内側から外側に凹んだ縁壁(4b)を設ける。
(ハ)半円形の窪み(3)に沿った縁壁(4a)の皿底(5)に、容器中心部から縁壁(4a)方向に水平に伸びて突き当たる、二本線の凸部(6)を設ける。
本発明は以上のような構造で、これを使用するときは、スプーンやフォークや箸で半円形の窪み(3)に食べ物を運び込み、縁壁(4a)か凹んだ縁壁(4b)に食べ物を押し付けて、スプーンやフォークや箸ですくい上げて食する。
フォークや箸などで皿底(5)に二本線の凸部(6)がある半円形の窪み(3)に食べ物を運び込み、食べ物を、皿底(4)の二本線の凸部(6)の上部に乗せることにより、食べ物と皿底(5)が張り付くことを軽減し、食べ物と皿底(5)の間に隙間を作り出すことによって、フォークや箸で食べ物をスムーズにすくい上げ食する。
フォークや箸などで半円形の窪み(3)に食べ物を運び込み、縁壁(4a)か凹んだ縁壁(4b)に食べ物を押し付けて、フォークや箸で突き刺して食する。
これにより、手指に運動機能障害がある方でも、フォークやスプーンを使い片手のみで、半円形の窪み(3)に食べ物を運び込み、縁壁(4a)か凹んだ縁壁(4b)に食べ物を押し付けてすくえば、自立した食事ができる。
【符号の説明】
【0009】
1 内縁
2 外縁
3 半円形の窪み
4a 縁壁
4b 凹んだ縁壁
5 皿底
6 二本線の凸部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内縁から外縁に向かった半円形の窪みを設け、半円形の窪みに沿って皿底に伸びた縁壁と、同じく半円形の窪みに沿った容器の内側から外側に凹んだ縁壁を設け、容器中心から縁壁に平行に伸びて突き当たる二本線の凸部を皿底に設けたことを特徴とする食器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−10943(P2011−10943A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−158793(P2009−158793)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(309019969)有限会社ミント介護サービス (1)
【Fターム(参考)】