説明

食材管理システム

【課題】食材収納庫の温度を食材に合わせて調整できる構成において、省エネルギ効果を高める。
【解決手段】建物10に設けられたガレージ11には、野菜などの食材を保管する食材収納庫31と、生ゴミを処理する生ゴミ処理装置32とが設けられている。食材収納庫31には収納庫給気ファン51が設けられており、生ゴミ処理装置32には処理装置給気ファン52が設けられている。また、ガレージ11上部にはガレージ給気ファン42が設けられている。食材収納庫31については、収納されている食材の種類に基づいて目標保管温度が設定され、目標保管温度に基づいて給気ファン51,52,42の動作制御が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
野菜などの食材を収納する収納庫においては、食材の保存条件に応じて収納庫の内部温度を調整する必要がある。例えば特許文献1には、複数の収納庫を冷却ユニットにより熱伝導的に個別に冷却し、各収納庫をそれぞれ異なる温度環境とする構成が記載されている。この構成によれば、複数の食材を複数の収納庫にて個別に収納することにより、各食材をそれぞれの保存条件に合わせた環境で保存することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−126623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、冷却ユニット等の温度調整装置を駆動させることで収納庫の温度調整が行われるため、省エネルギ化を図ることが困難になると考えられる。したがって、食材収納庫の温度調整を行う構成に関して改善の余地がある。
【0005】
本発明は、食材収納庫の温度を食材に合わせて調整できる構成において、省エネルギ効果を高めることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明は、食材を収納する食材収納庫と、建物内又はその周辺の熱及び冷気の少なくとも一方を前記食材収納庫に対して供給する冷熱供給手段と、前記食材収納庫に収納される食材について該食材収納庫の保存温度を設定する保存温度設定手段と、前記保存温度設定手段により設定された保存温度に基づいて前記冷熱供給手段の動作制御を行う冷熱制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、建物内又は建物の周辺に存在する熱及び冷気の少なくとも一方が食材収納庫の保存温度に基づいて食材収納庫に供給される。この場合、例えばヒータ部や電気駆動式の冷却装置を駆動させて温度調整のためだけの専用の熱や冷気を生成する場合に比べて、省エネルギ化を図ることができる。また、収納される食材に合わせた食材収納庫の保存温度に基づいて熱供給及び冷気供給の少なくとも一方の制御が行われるため、食材収納庫に熱や冷気が過剰に供給されることを抑制できる。したがって、食材収納庫の温度調整を好適に行いつつ、省エネルギ効果を高めることができる。
【0008】
第2の発明では、前記冷熱供給手段は、前記建物又はその付属設備で生じる廃熱を前記食材収納庫に対して供給する廃熱供給手段を有しており、前記冷熱制御手段は、前記廃熱供給手段による廃熱の供給を制御する。
【0009】
第2の発明によれば、建物又はその付属設備で生じる廃熱により食材収納庫内の温度を上昇させることができる。したがって、廃熱利用を好適に行うことにより食材収納庫の温度調整に際して省エネルギ効果を高めることができる。
【0010】
第3の発明では、前記廃熱供給手段は、前記建物の一部として設けられた付属車庫内の空気を前記食材収納庫に対して供給する給気手段である。
【0011】
付属車庫には駐車車両から放出された廃熱が溜まりやすい。この点、第3の発明によれば、付属車庫内の空気が食材収納庫に対して供給されるため、廃熱が食材収納庫に供給されることになる。したがって、食材収納庫の温度調整に車両の廃熱を利用できる。
【0012】
なお、前記食材収納庫には前記付属車庫の上部空間に通じる通気ダクトが接続されており、前記給気手段は、前記通気ダクトを通じて前記付属車庫の上部の空気を前記食材収納庫に対して供給することが好ましい。この場合、付属車庫の上部に溜まっている車両からの廃熱を食材収納庫に供給しやすくなる。ちなみに、車両からの廃熱としては、車両のエンジンからの排気に含まれる排気熱や、車両のエンジンルームから放出される放出熱が挙げられる。
【0013】
第4の発明では、前記冷熱供給手段は、前記建物内又はその周辺で生じる冷気を前記食材収納庫に対して供給する冷気供給手段を有しており、前記冷熱制御手段は、前記冷気供給手段による冷気の供給を制御する。
【0014】
第4の発明によれば、建物内やその周辺で生じる冷気により食材収納庫内の温度を低下させることができる。したがって、不要な冷気を好適に利用することにより食材収納庫の温度調整に際して省エネルギ効果を高めることができる。
【0015】
第5の発明では、前記冷気供給手段は、前記建物の床下において基礎に囲まれてなる床下空間の空気を前記食材収納庫に対して供給する冷気用給気手段である。
【0016】
建物の床下空間には冷気が溜まりやすい。この点、第5の発明によれば、床下空間の空気が食材収納庫に対して供給されるため、冷気が食材収納庫に供給されることになる。したがって、食材収納庫内の温度調整に床下空間の冷気を利用できる。
【0017】
第6の発明では、前記食材収納庫に収納された食材の形、色、大きさ及び硬さのうち少なくとも1つを検知する食材検知手段と、前記食材検知手段による検知結果に基づいて前記食材の種類を推定する食材推定手段とを備え、前記保存温度設定手段は、前記食材推定手段により推定された食材の種類に基づいて前記保存温度を設定する。
【0018】
第6の発明によれば、食材収納庫に収納された食材の形や色、大きさ、硬さなどに基づいてその食材の種類が推定されるため、例えば食材の種類に関して入力操作が行われなくても、単に食材が食材収納庫に収納されるだけで廃熱供給の制御が好適に行われる。これにより、廃熱供給により温度調整が行われる食材収納庫の使い勝手を向上させることができる。
【0019】
第7の発明では、前記食材収納庫が設置された設置場所の環境温度を検出する温度検出手段を備え、前記冷熱制御手段は、前記温度検出手段により検出された環境温度に基づいて前記冷熱供給手段による熱又は冷気の供給を制御する。
【0020】
食材収納庫の温度調整が行われない場合、食材収納庫内の温度はその食材収納庫の設置場所に依存すると考えられる。この点、第7の発明によれば、食材収納庫の設置場所の環境温度に基づいて熱供給や冷気供給の制御が行われるため、環境温度による影響が付与されないように食材収納庫の温度を調整することができる。しかも、複数の食材収納庫に対して熱供給や冷気供給の制御が個別に行われるため、複数の食材収納庫が異なる環境に設置されていても各食材収納庫の温度調整をそれぞれ好適に行うことができる。
【0021】
第8の発明では、前記食材収納庫は、生ゴミが投入される生ゴミ回収部を有している。
【0022】
第8の発明によれば、廃熱供給手段により廃熱が食材収納庫に供給されることにより、生ゴミ回収部に投入された生ゴミの乾燥を促すことができる。したがって、食材収納庫を生ゴミ処理手段として使用しつつ、省エネルギ効果を得ることができる。
【0023】
第9の発明では、前記建物の一部として設けられた付属車庫がキッチンと隣接しており、前記付属車庫と前記キッチンとを仕切る仕切壁には開口部が形成されており、前記食材収納庫は、前記付属車庫内に設置されており、該食材収納庫又は前記開口部に設けられたキッチン側扉が開放されることで前記キッチンから前記開口部を通じた食材の出し入れが可能であり、該食材収納庫に設けられたガレージ側扉が開放されることで前記付属車庫からの食材の出し入れが可能である。
【0024】
第9の発明によれば、食材収納庫が付属車庫内に設置されているため、車庫空間部の上部の空気を食材収納庫に供給する構成を容易に実現できる。また、キッチン側扉を開放させることにより、仕切壁の開口部を通じてキッチンから食材収納庫への食材の出し入れを行うことができ、さらに、ガレージ側扉を開放させることにより、キッチンに加えてガレージからも食材収納庫に対する食材の出し入れができる。したがって、車両で運搬した食材を食材収納庫にて一時的に保管し、キッチンにて調理に使用するという食材の流れにおいて、食材を移動させることが容易となる。特に、食材が土などの付着した野菜である場合、住人等が野菜を持って玄関からキッチンまで移動する必要がないため、玄関や廊下などが土により汚れることを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態におけるガレージ及びキッチン周辺の構成を示す平面図。
【図2】食材収納庫周辺の断面図。
【図3】生ゴミ処理装置周辺の断面図。
【図4】食材収納庫及び生ゴミ処理装置に関する電気的な構成を示すブロック図。
【図5】食材保管制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図6】生ゴミ処理制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図7】別の食材収納庫の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1はガレージ及びキッチン周辺の構成を示す平面図である。
【0027】
図1に示すように、住宅等の建物10にはガレージ11とキッチン12とが設けられている。ガレージ11とキッチン12とは横並びに配置されており、仕切壁14により仕切られている。
【0028】
ガレージ11は、建物10の一部として形成された付属車庫となっており、ガレージ11の外壁15には車両出入口16が形成されている。ガレージ11には、車両Cを駐車させる目標駐車エリアS1と、運転者等の乗降に使用される非駐車エリアS2とが設定されている。目標駐車エリアS1及び非駐車エリアS2はそれぞれ車両進退方向に延びており、車両出入口16に対して横並びとなっている。非駐車エリアS2は仕切壁14側に配置されており、目標駐車エリアS1は非駐車エリアS2を挟んでキッチン12とは反対側に配置されている。
【0029】
キッチン12には、ガスコンロや流し台などを備える作業台17と、調理用のキャビネット18とが設置されている。キッチン12には、住人等が作業台17やキャビネット18を使用して調理を行う調理スペースKが設定されている。調理スペースKは仕切壁14に面しており、作業台17やキャビネット18といった調理設備の間において調理者の居場所となっている。
【0030】
ガレージ11には、野菜などの食材を保管する食材収納庫31と、生ゴミを処理する生ゴミ処理装置32とが設けられている。食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32は、非駐車エリアS2において仕切壁14を挟んで調理スペースKと隣り合う部分に、仕切壁14に沿って横並びに配置されている。仕切壁14において、食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32と調理スペースKとの間の部分には、ガレージ11とキッチン12とを連通する壁開口部34が形成されており、壁開口部34をガレージ11側から塞ぐようにして食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32が設置されている。壁開口部34には引き戸35が設けられており、引き戸35が開放されることによりキッチン12側から食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32へのアクセスが可能になっている。
【0031】
次に、食材収納庫31、生ゴミ処理装置32及びそれらの周辺構成について、図2及び図3を参照しつつ説明する。図2は食材収納庫31周辺の断面図、図3は生ゴミ処理装置32周辺の断面図である。
【0032】
まずはキッチン12の床下部分の構成について説明する。図2に示すように、キッチン12の下方には床下空間21が形成されている。床下空間21は、建物10を支える基礎22に囲まれた空間となっている。ここで、基礎22は地中に埋設されたフーチング部23と、フーチング部23から上方に起立した起立部24とを有しており、起立部24上には、床仕上材や床下地材からなる床材26を支持する床梁材27が設置され、仕切壁14は床材26上に設置されている。この場合、床下空間21は床材26の下方に形成されていることになる。また、床下空間21は、キッチン12とガレージ11との境界部に設けられた基礎22を挟んでガレージ11とは反対側に配置されている。
【0033】
続いて食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32の構成について説明する。食材収納庫31には第1収納扉36aと第2収納扉36bとが設けられており、それら収納扉36a,36bはそれぞれ回動可能に軸支されている。第1収納扉36aはキッチン12側の側面に取り付けられており、壁開口部34を通じてキッチン12側に向けて開く扉となっている。第2収納扉36bは第1収納扉36aとは反対側の側面に取り付けられており、キッチン12とは反対側に向けて開く扉となっている。
【0034】
図3に示すように、生ゴミ処理装置32は、箱状の装置本体38と、生ゴミを回収する生ゴミ回収部37とを有している。生ゴミ回収部37は装置本体38内に設置されており、装置本体38には第1本体扉39aと第2本体扉39bとが設けられている。装置本体38において、第1本体扉39aはキッチン12側の側面に取り付けられており、壁開口部34の引き戸35が開放された場合に開放可能となる。第2本体扉39bは第1本体扉39aとは反対側の側面に取り付けられている。ちなみに、ここでの生ゴミ処理装置32は、生ゴミを低温で乾燥させるとともにバイオ処理を行うハイブリッド式となっている。
【0035】
以上の構成によれば、住人等が買い物から車両Cで帰宅した場合、ガレージ11の目標駐車エリアS1に車両Cを駐車させた状態で、非駐車エリアS2にて車両Cから食材収納庫31へ食料品を容易に移すことができる。そして、キッチン12にいる調理者は調理スペースKにて食材収納庫31を開放させ、キッチン12に居ながらにして食料品を取り出すことができる。また、調理者はキッチン12に居ながらにして生ゴミ処理装置32に生ゴミを投入することができる。そして、住人等は生ゴミ処理装置32にて処理された生ゴミをガレージ11にて取り出すことができるため、生ゴミを持って建物10内を移動する必要がない。
【0036】
なお、食材収納庫31の第1収納扉36a及び生ゴミ処理装置32の第1本体扉39aがそれぞれキッチン側扉に相当し、第2収納扉36b及び第2本体扉39bがそれぞれガレージ側扉に相当する。
【0037】
食材収納庫31や生ゴミ処理装置32については、それぞれの内部温度を調整することが可能となっている。本実施形態では、ガレージ11や、床下空間21、屋外空間から食材収納庫31や生ゴミ処理装置32に対して空気を供給することにより、温度調整に際して省エネルギ化を図っている。
【0038】
まず、ガレージ11及び屋外空間から食材収納庫31や生ゴミ処理装置32に空気を取り込む構成について説明する。
【0039】
図1に示すように、ガレージ11においては、ガレージ11上部の空気や外気が取り込まれる空気取込部41が食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32上に設置されており、空気取込部41は、食材収納庫31と、生ゴミ処理装置32の装置本体38とにそれぞれ接続されている。空気取込部41には、ガレージ11上部の空気を取り込むガレージ給気ファン42がガレージ給気ダクト43を介して接続されているとともに、屋外空間から外気を取り込む外気給気ファン45が外気給気ダクト46を介して接続されている。ガレージ給気ファン42は、例えば外壁15上部の内側面に対して取り付けられており、外気給気ファン45は、外壁15に形成された屋外通気口47に対して取り付けられている。
【0040】
食材収納庫31においては、空気取込部41から空気を取り込む収納庫給気ファン51が空気取込部41の下方に設けられている(図2参照)。また、生ゴミ処理装置32の装置本体38においては、空気取込部41から空気を取り込む処理装置給気ファン52が空気取込部41の下方に設けられている(図3参照)。
【0041】
以上の構成によれば、ガレージ給気ファン42が駆動した場合、それとともに収納庫給気ファン51が駆動すればガレージ11上部の空気が食材収納庫31へ取り込まれ、処理装置給気ファン52が駆動すればガレージ11上部の空気が生ゴミ処理装置32へ取り込まれる。一方、外気給気ファン45が駆動した場合、それとともに収納庫給気ファン51が駆動すれば外気が食材収納庫31へ取り込まれ、処理装置給気ファン52が駆動すれば外気が生ゴミ処理装置32へ取り込まれる。
【0042】
なお、空気取込部41内の空気と食材収納庫31内の空気との間で熱交換を行わせる食材収納庫31用の熱交換装置が空気取込部41又は食材収納庫31に設けられていてもよい。この場合、収納庫給気ファン51が駆動することで空気取込部41内の空気が熱交換装置を通過してガレージ11内に放出される構成とすることにより、食材収納庫31内に直接空気を送り込むことなく食材収納庫31内に熱を供給することが可能となる。また、食材収納庫31用の熱交換装置と同様に、空気取込部41内の空気と生ゴミ処理装置32内の空気との間で熱交換を行わせる生ゴミ処理装置32用の熱交換装置が設けられていてもよい。
【0043】
次に、車両Cから放出された廃熱を生ゴミ処理装置32に取り込む構成について説明する。
【0044】
ガレージ11の床部には、車両Cのエンジンルーム等から下方へ放出される廃熱を吸収する熱吸収部55が埋め込まれている。熱吸収部55は、鉄や銅などの熱伝導材料により板状に形成されており、目標駐車エリアS1の少なくとも一部にてガレージ11の床面を形成している。熱吸収部55の一部は生ゴミ処理装置32の下方にて床面を形成している。ちなみに、車両Cから放出される廃熱としては、車両Cのエンジンから排出される排気に含まれる排気熱や、車両Cのエンジンルームから放出される放出熱などが挙げられる。
【0045】
図3に示すように、生ゴミ処理装置32の下方には、熱吸収部55にて吸収した車両Cの廃熱を蓄える蓄熱装置56が設置されている。蓄熱装置56は、例えばパラフィンからなる蓄熱部57と、その蓄熱部57が収納されている外箱58とを有しており、熱吸収部55上に載置されている。外箱58はその上下が開放されており、熱吸収部55の熱が蓄熱部57を介して生ゴミ処理装置32に放出されるようになっている。
【0046】
生ゴミ処理装置32の装置本体38においては、蓄熱装置56から熱気を取り込む蓄熱取込ファン59が蓄熱装置56の上方に設けられている。また、生ゴミ処理装置32には、装置本体38内の空気を加熱する処理装置ヒータ61と、装置本体38の内部温度を検出する処理装置温度センサ62とが設けられている。
【0047】
続いて、床下空間21から食材収納庫31に空気を取り込む構成について説明する。
【0048】
図2に示すように、食材収納庫31の下方には、床下空間21と食材収納庫31とを連通する連通ダクト64を有する床下用連通部65が設けられている。具体的には、基礎22の起立部24において、床下用連通部65と床下空間21との間の部分には開口部としての床下通気口66が形成されており、床下用連通部65は床下通気口66を通じて床下空間21と連通されている。
【0049】
食材収納庫31は床下用連通部65に通じており、食材収納庫31においては床下用連通部65から空気を取り込む床下給気ファン67が床下用連通部65の上方に設けられている。また、食材収納庫31には、食材収納庫31内の空気を冷却する収納庫冷却部69と、食材収納庫31内の空気を加熱する収納庫ヒータ71と、食材収納庫31の内部温度を検出する収納庫温度センサ72とが設けられている。ちなみに、収納庫冷却部69はペルチェ素子を含んで構成されており、収納庫ヒータ71は電熱線を含んで構成されている。
【0050】
ここで、食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32に関する電気的な構成について、図4のブロック図を参照しつつ説明する。
【0051】
図4において、コントローラ81は、CPUや各種メモリからなるマイクロコンピュータを含んで構成されており、例えばキッチン12の壁面に取り付けられている。コントローラ81は、手動操作が行われる操作部82と、温度管理の必要な野菜などの食材に関する食材情報や、食材ごとに保管に適した温度に関する情報などが記憶されている記憶部83と、食材情報などを画像として表示する表示モニタ84とを有している。なお、温度管理の必要な野菜としては根菜類が挙げられる。
【0052】
コントローラ81には、処理装置温度センサ62と、収納庫温度センサ72と、ガレージ11上部の温度を検出するガレージ温度センサ85と、外気温度を検出する外気温度センサ86と、床下空間21の温度を検出する床下温度センサ87と、蓄熱装置56の蓄熱部57の温度を検出する蓄熱温度センサ88とが接続されている。ガレージ温度センサ85は外壁15のガレージ側面に取り付けられ、外気温度センサ86は外壁15の屋外側面に取り付けられ、床下温度センサ87は基礎22の起立部24の床下空間側面に取り付けられ、蓄熱温度センサ88は蓄熱装置56に内蔵されている。これらセンサ62,72,85〜88は検出信号をコントローラ81に対して出力する。
【0053】
さらに、コントローラ81には、ガレージ給気ファン42、外気給気ファン45、収納庫給気ファン51、処理装置給気ファン52、蓄熱取込ファン59、処理装置ヒータ61、床下給気ファン67、収納庫冷却部69及び収納庫ヒータ71が接続されており、コントローラ81は指令信号を出力することによりこれらファン42,45,51,52,59,67やヒータ61,71、収納庫冷却部69の動作制御を行う。
【0054】
次に、食材収納庫31を対象としてコントローラ81によって行われる食材保管制御処理について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本処理は所定周期で実行される。
【0055】
図5において、ステップS101では、収納庫温度センサ72、ガレージ温度センサ85、外気温度センサ86、床下温度センサ87からの各種信号を取得する。ステップS102では、食材収納庫31に収納されている食材の種類を特定する。ここでは、食材収納庫31に収納された食材の種類を入力する入力操作が操作部82に対して行われた場合に、その入力操作に基づいて食材の種類を取得する。
【0056】
ステップS103では、食材の種類に基づいて食材収納庫31の目標保管温度N1を算出する。ここでは、食材と適正保管温度との関係を示すテーブルデータを記憶部83から読み込み、テーブルデータを参照して収納済みの食材の適正保管温度を目標保管温度N1として算出する。例えば、食材がジャガイモであれば、ジャガイモの適正保管温度は2〜5℃であるため目標保管温度N1を2〜5℃に設定する。なお、他の食材の適正保管温度を例示すると、サツマイモは12〜15℃、きゅうりは10〜13℃、ナスは8〜12℃、キャベツは0℃である。
【0057】
ステップS104では、収納庫温度センサ72の検出信号に基づいて食材収納庫31の内部温度を実保管温度として算出するとともに、その実保管温度が目標保管温度N1と同じであるか否かを判定する。例えば、目標保管温度N1を2〜5℃に設定した場合、実保管温度が2〜5℃の範囲内にあるか否かを判定し、範囲内にある場合に同じであるとする。実保管温度が目標保管温度N1と同じである場合、温度調整の必要がないとしてそのまま本処理を終了し、実保管温度が目標保管温度N1と異なる場合、ステップS105に進む。
【0058】
ステップS105では、実保管温度が目標保管温度N1より高いか否かを判定し、実保管温度が目標保管温度N1より高い場合、実保管温度を低下させる必要があるとして、ステップS106に進み、床下温度センサ87の検出信号に基づいて床下空間21の温度を算出するとともに、その温度が目標保管温度N1より低いか否かを判定する。床下空間21の温度が目標保管温度N1より低い場合、ステップS107に進み、床下給気ファン67を駆動させ、床下空間21内の空気を食材収納庫31に供給させる。ここでは、床下空間21に溜まっている建物10内の冷気が食材収納庫31に供給されることになるため、その冷気によって実保管温度が低下して目標保管温度N1に近づく。
【0059】
床下空間21の温度が目標保管温度N1より低くない場合、ステップS108に進み、外気温度センサ86の検出信号に基づいて外気温度を算出するとともに、その外気温度が目標保管温度N1より低いか否かを判定する。外気温度が目標保管温度N1より低い場合、ステップS109にて外気給気ファン45を駆動させるとともに、ステップS110にて収納庫給気ファン51を駆動させ、外気を食材収納庫31に供給させる。この場合、外気が冷気として食材収納庫31に供給されることになるため、その冷気によって実保管温度が低下して目標保管温度N1に近づく。
【0060】
外気温度が目標保管温度N1より低くない場合、ステップS111に進み、収納庫冷却部69を駆動させ、食材収納庫31内の空気を強制的に冷却する。これにより実保管温度が低下して目標保管温度N1に近づく。
【0061】
なお、床下給気ファン67や外気給気ファン45、収納庫給気ファン51、収納庫冷却部69については、食材収納庫31の実保管温度が目標保管温度N1まで低下した場合に駆動停止させる。また、この場合、これらファン67,45,51や収納庫冷却部69を駆動させるか否かの判定基準値は目標保管温度N1でなくても、例えば実内部温度より低く且つ目標保管温度N1より高い温度であればよい。
【0062】
一方、実保管温度が目標保管温度N1より低い場合(ステップS105がNO判定の場合)、実保管温度を上昇させる必要があるとして、ステップS112に進み、ガレージ温度センサ85の検出信号に基づいてガレージ11上部の温度を算出するとともに、その温度が目標保管温度N1より高いか否かを判定する。ガレージ11上部の温度が目標保管温度N1より高い場合、ステップS113にてガレージ給気ファン42を駆動させるとともに、ステップS114にて収納庫給気ファン51を駆動させ、ガレージ11上部の空気を食材収納庫31に供給させる。ここでは、駐車車両Cから放出されてガレージ11上部に溜まっている廃熱が暖気として食材収納庫31に供給されることになるため、その暖気によって実保管温度が上昇して目標保管温度N1に近づく。
【0063】
ガレージ11上部の温度が目標保管温度N1より高くない場合、ステップS115に進み、収納庫ヒータ71を駆動させ、食材収納庫31内の空気を強制的に加熱する。これにより、実保管温度が上昇して目標保管温度N1に近づく。
【0064】
なお、ガレージ給気ファン42や収納庫給気ファン51、収納庫ヒータ71については、食材収納庫31の実保管温度が目標保管温度N1まで上昇した場合に駆動停止させる。また、この場合、これらファン42,51や収納庫ヒータ71を駆動させるか否かの判定基準値は目標保管温度N1でなくても、例えば実内部温度より高く且つ目標保管温度N1より低い温度であればよい。
【0065】
ステップS116では、表示モニタ84を制御対象とした表示制御処理を行う。表示制御処理では、実収納温度と記憶部83の食材情報とを照合するとともに、現在の実収納温度が目標保管温度N1と一致する食材を収納推奨食材として特定し、収納推奨食材の種類を表示モニタ84に表示させる。また、実保管温度と目標保管温度N1との温度差を算出するとともに、過去の処理の算出値と比較して実保管温度が目標保管温度N1に一致するまでに要する推定所要時間を算出し、推定所要時間が所定時間(例えば1時間)より大きければその旨を警告する警告画像を表示モニタ84に表示させる。
【0066】
続いて、生ゴミ処理装置32を対象としてコントローラ81によって行われる生ゴミ処理制御処理について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本処理は所定周期で実行される。
【0067】
図6において、ステップS201では、処理装置温度センサ62、ガレージ温度センサ85、外気温度センサ86、床下温度センサ87、蓄熱温度センサ88からの各種信号を取得する。ステップS202では、目標処理温度N2を設定する。ここでは、目標処理温度N2を20℃に設定している。ちなみに、目標処理温度N2の設定を20℃としなくてもよい。例えば、生ゴミ処理装置32としては本実施形態のハイブリッド式の他に、生ゴミを高温で乾燥させる乾燥式のものがあり、乾燥式のものでは目標処理温度N2の設定を130℃に設定する。
【0068】
ステップS203では、処理装置温度センサ62の検出信号に基づいて生ゴミ処理装置32の装置本体38の内部温度を実処理温度として算出するとともに、その実処理温度が目標処理温度N2より低いか否かを判定する。実処理温度が目標処理温度N2より低い場合、実処理温度を上昇させる必要があるとして、ステップS204に進み、蓄熱温度センサ88の検出信号に基づいて蓄熱装置56の蓄熱部57の温度を算出するとともに、その温度が目標処理温度N2より高いか否かを判定する。
【0069】
蓄熱部57の温度が目標処理温度N2より高い場合、ステップS205に進み、蓄熱取込ファン59を駆動させ、蓄熱装置56内の熱を生ゴミ処理装置32に取り込ませる。ここでは、駐車車両Cから放出されて熱吸収部55を介して蓄熱装置56に蓄えられた廃熱が暖気として生ゴミ処理装置32に供給されることになるため、その暖気によって実処理温度が上昇して目標処理温度N2に近づき、生ゴミの乾燥が促される。
【0070】
蓄熱部57の温度が目標処理温度N2より高くない場合、ステップS206に進み、ガレージ温度センサ85の検出信号に基づいてガレージ11上部の温度を算出するとともに、その温度が目標保管温度N1より高いか否かを判定する。ガレージ11上部の温度が目標処理温度N2より高い場合、ステップS207にてガレージ給気ファン42を駆動させるとともに、ステップS208にて処理装置給気ファン52を駆動させ、ガレージ11上部の空気を生ゴミ処理装置32に供給させる。ここでは、食材収納庫31の場合と同様に、駐車車両Cから放出されてガレージ11上部に溜まっている廃熱が暖気として生ゴミ処理装置32に供給されることになるため、その暖気によって実処理温度が上昇して目標処理温度N2に近づき、生ゴミの乾燥が促される。
【0071】
ガレージ11上部の温度が目標処理温度N2より高くない場合、ステップS209に進み、処理装置ヒータ61を駆動させ、生ゴミ処理装置32内の空気を強制的に加熱させる。これにより、実処理温度が上昇して目標処理温度N2に近づき、生ゴミの乾燥が促される。
【0072】
なお、蓄熱取込ファン59やガレージ給気ファン42、処理装置給気ファン52、処理装置ヒータ61については、生ゴミ処理装置32の実処理温度が目標処理温度N2まで上昇した場合に駆動停止させる。また、この場合、これらファン59,42,52や処理装置ヒータ61を駆動させるか否かの判定基準値は目標処理温度N2でなくても、例えば実内部温度より高く且つ目標処理温度N2より低い温度であればよい。
【0073】
一方、実処理温度が目標処理温度N2より低くない場合(ステップS203がNO判定の場合)、実処理温度を上昇させる必要がないとして、ステップS210にて外気給気ファン45を駆動させるとともに、ステップS211にて処理装置給気ファン52を駆動させ、外気を生ゴミ処理装置32に供給させる。この場合、外気が生ゴミ回収部37内にある生ゴミに送り込まれることになり、送風効果によって生ゴミの乾燥が促される。
【0074】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0075】
食材収納庫31の内部温度を上昇させるために、ガレージ11上部の空気が供給されることで車両Cの廃熱が食材収納庫31に供給された場合、収納庫ヒータ71を駆動させた場合に比べて省エネルギ化を図ることができる。また、食材収納庫31に収納されている食材の種類に基づいてガレージ11からの給気が行われるため、食材収納庫31に供給されるガレージ11からの廃熱が食材にとって過剰となることを回避できる。以上の結果、食材収納庫31の温度調整を好適に行いつつ、省エネルギ効果を高めることができる。
【0076】
食材収納庫31の内部温度を低下させるために、床下空間21の空気が供給されることで冷気が食材収納庫31に供給された場合、収納庫冷却部69を駆動させた場合に比べて省エネルギ化を図ることができる。また、ガレージ11内の空気と同様に、収納食材の種類に基づいて床下空間21からの給気が行われるため、床下空間21から供給される冷気が食材にとって過剰になることを回避できる。つまり、食材収納庫31内の温度を上昇させる場合だけでなく低下させる場合でも、食材収納庫31の温度調整を好適に行いつつ、省エネルギ効果を高めることができる。
【0077】
生ゴミ処理装置32の内部温度を上昇させるために、生ゴミ処理装置32に対して、ガレージ11上部の空気が供給されることで車両Cの廃熱が暖気として供給された場合や、ガレージ11の床面に向けて放出された車両Cの廃熱が蓄熱装置56を通じて供給された場合、処理装置ヒータ61を駆動させた場合に比べて省エネルギ化を図ることができる。したがって、車両Cからの廃熱により生ゴミの乾燥を促すことができる。
【0078】
食材収納庫31は、ガレージ11に設置されており、第1収納扉36aが開放されることによりキッチン12からの食材の出し入れが可能になるとともに、第2収納扉36bが開放されることによりガレージ11からの食材の出し入れが可能になる。この場合、ガレージ11に駐車された車両Cとキッチン12との間で食材を移動させる際に住人等が食材を持って玄関や廊下を通る必要がない。したがって、例えば野菜などの食材に土が付着している場合、玄関や廊下が土により汚れることを回避できる。
【0079】
食材収納庫31と同様に、生ゴミ処理装置32はガレージ11に設置されており、第1本体扉39aが開放されることによりキッチン12から生ゴミを生ゴミ回収部37に投入することが可能になるとともに、第2本体扉39bが開放されることによりガレージ11から生ゴミを取り出すことが可能となる。この場合、生ゴミをキッチン12から屋外へ持ち出す場合に住人等が生ゴミを持って玄関や廊下を通る必要がないため、生ゴミにより玄関や廊下が汚れることを回避できる。
【0080】
また、キッチン12とガレージ11との間の仕切壁14に形成された壁開口部34が食材収納庫31及び生ゴミ処理装置32により塞がれており、壁開口部34に設けられた引き戸35を開放させない限りは食材収納庫31のキッチン側の第1収納扉36a及び生ゴミ処理装置32のキッチン側の第1収納扉36aを開放させることができない。この場合、仮に不審者がガレージ11内に進入して食材収納庫31のガレージ側の第2収納扉36bや生ゴミ処理装置32のガレージ側の第2本体扉39bを開放させたとしても、壁開口部34を通じてキッチン12内に進入することができない。したがって、キッチン12とガレージ11との間で食材や生ゴミの移動を容易な構成を実現しつつ、建物10の防犯性能を高めることができる。
【0081】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0082】
(1)食材収納庫31に収納された食材の種類をセンサやカメラ等を用いて自動認識し、その認識結果に基づいて食材収納庫31内における食材の保存温度を設定する構成としてもよい。例えば、図7に示すように、コントローラ81に、食材収納庫31内を撮像する収納庫カメラ92と、食材の重量を検出する食材重量センサ93と、収納された食材の硬さを検出する食材硬さ検出装置94とが電気的に接続されている構成とする。この構成において、食材収納庫31は食材が収納される収納スペース95を複数有しており、収納庫カメラ92、食材重量センサ93及び食材硬さ検出装置94は各収納スペース95にそれぞれ設けられている。また、各収納スペース95は個別に温度調整が行われる構成となっている。例えば、各収納スペース95には、収納庫給気ファン51や床下給気ファン67、収納庫ヒータ71が個別に設けられており、それらファン51,67やヒータ71はコントローラ81により収納スペース95ごとに個別に動作制御が行われる。
【0083】
収納スペース95には、食材が載置される受け皿96が設けられており、食材重量センサ93は受け皿96に設けられている。食材硬さ検出装置94は、接触及び非接触のいずれかの検出方法により食材の硬さを検出する構成となっている。例えば接触式として、受け皿96上の食材を上方から所定の荷重にて押さえる押圧部と、食材を押圧した状態での押圧部の変位量を検出する変位量検出センサと、その変位量検出センサの検出結果に基づいて食材の硬さを算出する硬さ算出部とを有する構成が挙げられる。
【0084】
コントローラ81は、収納庫カメラ92、食材重量センサ93及び食材硬さ検出装置94の各検出信号に基づいて、食材の推定パラメータとして、食材の形、色、大きさ、硬さ及び重さをそれぞれ取得し、それら取得結果に基づいて食材の種類を推定する。このとき、食材収納庫31への収納が想定される野菜類について、野菜の種類ごとに形、色、大きさ、硬さ及び重さといった食材情報を定めておき、その食材情報を記憶部83にあらかじめ記憶しておく。そして、食材収納庫31に食材(野菜類)が収納される都度、記憶部83の食材情報に基づいてその種類を推定する。食材情報には、食材の種類ごとに定められた適正保存温度が含まれている。
【0085】
食材情報として、例えばジャガイモに関しては、略球形状で薄い茶色、直径が5〜7cm程度、硬さを3段階(硬い・普通・柔らかい)で表せば「硬い」であり、重量が200〜300g程度といったデータが含まれている。また、サツマイモに関しては、ジャガイモに比べて長細い形状で赤茶色、長さが15〜20cm程度、硬さは「硬い」であり、重量が300〜600g程度といったデータが含まれている。かかる場合、1つの収納スペース95に同一種類の食材が収納されていれば、収納スペース95ごとに実保管温度が食材の適正保存温度に保たれることになる。
【0086】
なお、こうした食材の推定処理は、上述した図5のステップS102において、ユーザ入力に基づく食材特定処理に置き換えて実施される。
【0087】
以上の構成によれば、食材収納庫31の収納スペース95に食材が収納された場合に操作部82に対する入力操作が行われなくても、食材に対応した目標保管温度N1が設定され、食材収納庫31の実内部温度が調整される。したがって、温度調整が行われる食材収納庫31の使い勝手を向上させることができる。
【0088】
なお、コントローラ81は、食材の推定情報として、食材の形、色、大きさ及び硬さのうち少なくとも1つを取得する構成としてもよい。この場合でも食材の種類を推定することが可能となる。
【0089】
また、コントローラ81は、食材収納庫31の内部湿度を調整する構成としてもよい。例えば、コントローラ81に、食材収納庫31(収納スペース95)の内部湿度を検出する収納庫湿度センサ98が電気的に接続されており、コントローラ81は収納庫湿度センサ98の検出信号に基づいて実内部湿度を算出するとともに、目標保存湿度と同様に首脳食材の種類に基づいて目標保存湿度を算出し、実内部湿度が目標保存湿度に近づくように給気制御を行う。例えば、実内部湿度が目標保存湿度より低い場合、床下給気ファン67を駆動させて湿度の高い空気を床下空間21から食材収納庫31に供給させる。
【0090】
(2)食材収納庫31に収納された食材の種類を、食材ごとに添付された電子タグで自動認識し、その認識結果に基づいて食材収納庫31内における食材の保存温度を設定する構成としてもよい。この場合、食材収納庫31内に情報読み取り装置を設けておき、食材収納庫31に食材(野菜類)が収納される都度、電子タグの読み取り情報に基づいてその種類を特定するとよい。
【0091】
(3)食材収納庫31を建物の複数箇所にそれぞれ設置する構成としてもよい。この場合、食材収納庫31の設置場所によって環境温度が異なると考えられる。ゆえに、食材収納庫31ごとの環境温度に応じて廃熱制御を実施することが望ましい。
【0092】
(4)家庭用のエネルギ生成装置を有する建物において、そのエネルギ生成装置の廃熱を用いて食材収納庫31の温度制御を実施することも可能である。具体的には、熱エネルギと電気エネルギとを同時に生成するコジェネレーションシステムを備える建物において、同システムの廃熱(例えばガスエンジンの廃熱)を利用する。また、例えばキッチンや浴室など建物内にこもった熱や、建物周辺の熱を用いて食材収納庫31の温度背魚を実施することも可能である。
【0093】
(5)車両Cからの廃熱を蓄える蓄熱装置56は食材収納庫31に熱を供給する構成としてもよい。例えば、熱吸収部55及び蓄熱装置56が食材収納庫31の下方に設けられており、蓄熱取込ファン59が駆動することで蓄熱装置56から食材収納庫31に熱が供給される構成とする。これにより、食材収納庫31内の温度上昇をより一層容易なものとすることができる。
【0094】
(6)床下用連通部65は床下空間21と生ゴミ処理装置32とを連通していてもよい。例えば、床下給気ファン67が駆動することで床下空間21の空気が床下用連通部65を通じて生ゴミ処理装置32に供給される構成とする。この場合、床下空間21の冷気により生ゴミ処理装置32の実処理温度を好適に低下させることができる。
【符号の説明】
【0095】
10…建物、11…付属車庫としてのガレージ、12…キッチン、13…仕切壁、21…床下空間、31…食品収納庫、32…生ゴミ回収部を有する食品収納庫としての生ゴミ処理装置、34…開口部としての壁開口部、36a…キッチン側扉としての第1収納扉、36b…ガレージ側扉としての第2収納扉、37…生ゴミ回収部、39a…キッチン側扉としての第1本体扉、39b…ガレージ側扉としての第2本体扉、42…冷熱供給手段、廃熱供給手段及び給気手段を構成するガレージ給気ファン、51…冷熱供給手段、廃熱供給手段及び給気手段を構成する収納庫給気ファン、52…冷熱供給手段、廃熱供給手段及び給気手段を構成する処理装置給気ファン、59…冷熱供給手段、廃熱供給手段としての蓄熱取込ファン、67…冷熱供給手段及び冷気供給手段としての冷気用給気手段としての床下給気ファン、81…保存温度設定手段、冷熱制御手段及び食材推定手段としてのコントローラ、85…温度検出手段としてのガレージ温度センサ、92…食材検知手段を構成する収納庫カメラ、93…食材検知手段を構成する食品重量センサ、94…食材検知手段を構成する食品硬さ検出装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を収納する食材収納庫と、
建物内又はその周辺の熱及び冷気の少なくとも一方を前記食材収納庫に対して供給する冷熱供給手段と、
前記食材収納庫に収納される食材について該食材収納庫の保存温度を設定する保存温度設定手段と、
前記保存温度設定手段により設定された保存温度に基づいて前記冷熱供給手段の動作制御を行う冷熱制御手段と
を備えていることを特徴とする食材管理システム。
【請求項2】
前記冷熱供給手段は、前記建物又はその付属設備で生じる廃熱を前記食材収納庫に対して供給する廃熱供給手段を有しており、
前記冷熱制御手段は、前記廃熱供給手段による廃熱の供給を制御することを特徴とする請求項1に記載の食材管理システム。
【請求項3】
前記廃熱供給手段は、前記建物の一部として設けられた付属車庫内の空気を前記食材収納庫に対して供給する給気手段であることを特徴とする請求項2に記載の食材管理システム。
【請求項4】
前記冷熱供給手段は、前記建物内又はその周辺で生じる冷気を前記食材収納庫に対して供給する冷気供給手段を有しており、
前記冷熱制御手段は、前記冷気供給手段による冷気の供給を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の食材管理システム。
【請求項5】
前記冷気供給手段は、前記建物の床下において基礎に囲まれてなる床下空間の空気を前記食材収納庫に対して供給する冷気用給気手段であることを特徴とする請求項4に記載の食材管理システム。
【請求項6】
前記食材収納庫に収納された食材の形、色、大きさ及び硬さのうち少なくとも1つを検知する食材検知手段と、
前記食材検知手段による検知結果に基づいて前記食材の種類を推定する食材推定手段と
を備え、
前記保存温度設定手段は、前記食材推定手段により推定された食材の種類に基づいて前記保存温度を設定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の食材管理システム。
【請求項7】
前記食材収納庫が設置された設置場所の環境温度を検出する温度検出手段を備え、
前記冷熱制御手段は、前記温度検出手段により検出された環境温度に基づいて前記冷熱供給手段による熱又は冷気の供給を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の食材管理システム。
【請求項8】
前記食材収納庫は、生ゴミが投入される生ゴミ回収部を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食材管理システム。
【請求項9】
前記建物の一部として設けられた付属車庫がキッチンと隣接しており、
前記付属車庫と前記キッチンとを仕切る仕切壁には開口部が形成されており、
前記食材収納庫は、前記付属車庫内に設置されており、該食材収納庫又は前記開口部に設けられたキッチン側扉が開放されることで前記キッチンから前記開口部を通じた食材の出し入れが可能であり、該食材収納庫に設けられたガレージ側扉が開放されることで前記付属車庫からの食材の出し入れが可能であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の食材管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−24515(P2011−24515A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175472(P2009−175472)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】