説明

食用油用濾過器

【課題】 使用後の食用油の酸化値を下げ、食用油の多数回の再使用を可能にする。
【解決手段】 料理滓を食用油から分離する一次濾材16とドーソナイト22によって食用油の酸化値を下げる二次濾材17とを含む濾過エレメント4を貯油タンク2の開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置する。ドーソナイト22の強力な脱酸性により、使用後の食用油の酸化値を下げる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天麩羅油等の食用油を濾過し貯蔵する食用油用濾過器に関する。
【0002】
【従来の技術】天麩羅油等の食用油は、使用後に濾過して貯蔵し、再使用するのが一般的である。食用油を濾過し貯蔵する機器としては、蓋付きの貯油タンクに濾過エレメントを着脱自在に取り付けた構造の食用油用濾過器が一般に広く用いられている。このような構造の食用油用濾過器では、使用後の食用油を濾過エレメントを通過させて貯油タンクに貯蔵し、食用油の再使用に備える。
【0003】ここで、食用油用濾過器の濾過エレメントは、天麩羅滓等の料理滓を塞止めて料理滓から食用油を分離するという機能を基本機能として備えている。これに対し、近年では、使用によって劣化した食用油の特性を回復する機能をも併せ持つ濾過エレメントが開発され、実用化されている。例えば、活性炭を濾材として用い、活性炭の脱酸性、脱臭性及び脱色性を利用して劣化した食用油の特性を回復するようにした濾過エレメントが実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、食用油用濾過器の濾過エレメントの濾材として活性炭を用いた場合、強力な脱酸性が得られない。このため、使用後の食用油を活性炭で濾過したとしても、食用油の酸化値は毎回毎回上昇し、多数回の使用に耐え得ないという問題がある。
【0005】例えば、食用油が使用可能かどうかを判断する目安として、食用油をたらしてその切れ具合を見る、というようなことが一般に行われている。通常の料理人がこのような手法で使用不可能と判断する食用油の酸化値は、「0.3〜0.4」程度である。したがって、「0.3〜0.4」程度までが理想的な酸化値と考えることができる。これに対し、使用後の食用油を活性炭で濾過することを繰り返した場合、食用油の酸化値は、3〜4回程度の使用で酸化値「0.3〜0.4」を越え、その後は濾過を繰り返してもそれ以下の酸化値には回復しない。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の食用油用濾過器は、上面が開口した貯油タンクと、貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置されて料理滓を食用油から分離する一次濾材とドーソナイトを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備える。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントの一次濾材に濾過されて料理滓から分離され、二次濾材に濾過されて酸化値が下げられる。この際、二次濾材は、ドーソナイトによって食用油の酸化値を下げるため、食用油の酸化値を下げる効果が高い。したがって、食用油を多数回再使用することができる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の食用油用濾過器において、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられている。したがって、貯油タンクに注ぎ込んだ食用油は、浄油タンクに一旦貯えられ、濾過エレメントを通過して徐々に貯油タンクに貯蔵される。これにより、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しが防止される。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐドーソナイトフィルタにドーソナイトが保持されて形成された二次濾材と、を含む。したがって、ドーソナイトフィルタは料理滓を捕捉する。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有する。したがって、濾過エレメントが有する活性炭を含む三次濾材により、使用後の食用油が脱臭及び脱色される。
【0010】請求項5記載の発明の食用油用濾過器は、開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントにドーソナイトを含ませた。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントに濾過されて料理滓から分離され、この際、ドーソナイトによって酸化値が下げられる。ドーソナイトは食用油の酸化値を下げる効果が高いため、食用油を多数回再使用することができる。
【0011】請求項6記載の発明の食用油用濾過器は、上面が開口した貯油タンクと、貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置されて料理滓を食用油から分離する一次濾材と酸化マグネシウムを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備える。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントの一次濾材に濾過されて料理滓から分離され、二次濾材に濾過されて酸化値が下げられる。この際、二次濾材は、酸化マグネシウムによって食用油の酸化値を下げるため、食用油の酸化値を下げる効果が高い。したがって、食用油を多数回再使用することができる。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項6記載の食用油用濾過器において、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられている。したがって、貯油タンクに注ぎ込んだ食用油は、浄油タンクに一旦貯えられ、濾過エレメントを通過して徐々に貯油タンクに貯蔵される。これにより、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しが防止される。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐ酸化マグネシウムフィルタに酸化マグネシウムが保持されて形成された二次濾材と、を含む。したがって、酸化マグネシウムフィルタは料理滓を捕捉する。
【0014】請求項9記載の発明は、請求項6記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有する。したがって、濾過エレメントが有する活性炭を含む三次濾材により、使用後の食用油が脱臭及び脱色される。
【0015】請求項10記載の発明の食用油用濾過器は、開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントに酸化マグネシウムを含ませた。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントに濾過されて料理滓から分離され、この際、酸化マグネシウムによって酸化値が下げられる。酸化マグネシウムは食用油の酸化値を下げる効果が高いため、食用油を多数回再使用することができる。
【0016】請求項11記載の発明の食用油用濾過器は、上面が開口した貯油タンクと、貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置されて料理滓を食用油から分離する一次濾材と炭酸水素ナトリウムを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備える。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントの一次濾材に濾過されて料理滓から分離され、二次濾材に濾過されて酸化値が下げられる。この際、二次濾材は、炭酸水素ナトリウムによって食用油の酸化値を下げるため、食用油の酸化値を下げる効果が高い。したがって、食用油を多数回再使用することができる。
【0017】請求項12記載の発明は、請求項11記載の食用油用濾過器において、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられている。したがって、貯油タンクに注ぎ込んだ食用油は、浄油タンクに一旦貯えられ、濾過エレメントを通過して徐々に貯油タンクに貯蔵される。これにより、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しが防止される。
【0018】請求項13記載の発明は、請求項11又は12記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐ炭酸水素ナトリウムフィルタに炭酸水素ナトリウムが保持されて形成された二次濾材と、を含む。したがって、炭酸水素ナトリウムフィルタは料理滓を捕捉する。
【0019】請求項14記載の発明は、請求項11記載の食用油用濾過器において、濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有する。したがって、濾過エレメントが有する活性炭を含む三次濾材により、使用後の食用油が脱臭及び脱色される。
【0020】請求項15記載の発明の食用油用濾過器は、開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントに炭酸水素ナトリウムを含ませた。したがって、貯油タンクに食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメントに濾過されて料理滓から分離され、この際、炭酸水素ナトリウムによって酸化値が下げられる。炭酸水素ナトリウムは食用油の酸化値を下げる効果が高いため、食用油を多数回再使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。図1に全体の縦断正面図、図2に全体の斜視図をそれぞれ示す。食用油用濾過器1は、貯油タンク2の開口した上面に筒状の浄油タンク3が着脱自在に載置され、この浄油タンク3内に濾過エレメント4が着脱自在に保持され、前記浄油タンク3の上面開口部が蓋5で覆われることにより形成されている。
【0022】貯油タンク2は、上面が開口した筒形筐体であり、その上縁6が外側に折り返されている。この上縁6の一部には、一部折り返されていない部分があり、この部分には油注ぎ口7が形成されている。そして、この油注ぎ口7と反対側の貯油タンク2の外周面には、下部把手8が取り付けられている。
【0023】浄油タンク3は、周面略中央部に周方向を巡る段部9を有し、この段部9を境として上下で直径が僅かに異なる。このような浄油タンク3は、直径が小さくなった部分が貯油タンク2内に挿入され、段部9が貯油タンク2の上縁6に載置される寸法に形成されている。そして、浄油タンク3の外周面には、上部把手10が取り付けられている。また、浄油タンク3の上縁11は外側に折り返され、この上縁11に蓋5が載置されている。この蓋5には、上面中央部にドーナツ状の凹部12が形成され、この凹部12によって蓋5の上面中心部につかみ13が形成されている。
【0024】濾過エレメント4は、底部が活性炭フィルタ14で塞がれたステンレス製の筒状体15に一次濾材16、二次濾材17及び三次濾材18が設けられて形成されている。そして、濾過エレメント4は、上縁19が外側に折り返され、この上縁19がOリング20を介して浄油タンク3の段部9に載置されている。したがって、濾過エレメント4は、浄油タンク3に着脱自在に挿入されて保持される。
【0025】図3は、濾過エレメント4の詳細図である。図3を参照し、各濾材16,17,18の構造を説明する。まず、一次濾材16は、筒状体15の上面に取り付けられた金網16a及び一次フィルタ16bにより形成されている。この一次濾材16は、使用後の食用油に含まれている料理滓を塞止め、料理滓を食用油から分離する構造のものである。ついで、二次濾材17は、筒状体15の内部をその周方向に仕切るドーソナイトフィルタとしての二次フィルタ21と、この二次フィルタ21と一次濾材16との間に収容されたドーソナイト22とよりなる。二次フィルタ21には、ドーソナイト22の粒子よりも目が細かいフィルタが用いられている。ドーソナイト22については後述する。そして、三次濾材18は、筒状体15の底部をなす活性炭フィルタ14と二次フィルタ21との間に収容された活性炭23とよりなる。活性炭フィルタ14は、金網14aと三次フィルタ14bとより形成されている。
【0026】ここで、ドーソナイト22について説明する。ドーソナイト22の組成は、NaAl(OH)2CO3であり、各組成物の比率は、Na2O 21.5%Al23 35.4%CO2 30.5%H2O 12.5%である。このようなドーソナイト22は、比表面積が大きい白色の微粉末結晶であり、結晶状態は、斜方晶系a:b:c=0.648:1:0.534の斜方結晶からなる花弁状房などをなしている。そして、80〜90%の気孔率を有する非常に軽い多孔質体である。塊状を示すドーソナイト22の粒度分布についてみると、20μm以下に約90%が集中しており、このうち、5〜10μmが主体となっている。ドーソナイト22の性質としては、特に吸着性が強く、脱酸性、脱臭性、難燃性、脱煙性等を有する。特に、重量比に対する表面積率が極めて高いため、長期間に渡り活性状態を維持する。
【0027】このような構成において、貯油タンク2に食用油を注ぎ込むと、食用油は濾過エレメント4の一次濾材16に濾過されて料理滓から分離され、二次濾材17に濾過されて酸化値が下げられ、三次濾材18に濾過されて脱臭及び脱色される。この際、二次濾材17に含まれるドーソナイト22の強い脱酸性によって、食用油の酸化値が急激に下げられる。したがって、食用油の再使用可能回数が増え、食用油を多数回再使用することができるようになる。これにより、資源の有効利用が図られる。
【0028】ここで、本出願の発明者は、食用油の酸化値に関する濾過エレメント4の濾過効果を実験してみた。この実験では、食用油として市販のサラダ油を使用し、180℃のサラダ油を自然濾過させた。図4のグラフは、その実験結果である。まず、活性炭のみを含むフィルタを使用してみると、図4にaとして示すように、酸化値が「0.15」の初期値から使用により「0.32」程度まで上がったサラダ油の酸化値が一回目の濾過で「0.27」程度まで下がった。このサラダ油を再使用すると、その酸化値は「0.4」まで上がり、二度目の濾過によって「0.31」程度に下がった。ところが、酸化値の理想値は「0.3〜0.4以下」であるため、活性炭のみを含むフィルタを濾材とする場合、二度の使用によってサラダ油の酸化値が理想値を越える範囲に入ってしまうことが判明した。
【0029】これに対し、本実施の形態の濾過エレメント4を使用すると、使用により「0.32」まで上がったサラダ油の酸化値が一回目の濾過で「0.17」程度まで急激に下がり、その後もサラダ油の酸化値が急激に上昇することはなかった。図4にbとして示すように、十回もの濾過を終えたサラダ油でも、その酸化値は「0.27」程度と理想値を下回っている。したがって、本実施例の食用油用濾過器1は、食用油の再使用可能回数を激増させることができる、ということが実験から確かめられた。
【0030】なお、本実施例の濾過エレメント4には、筒状体15並びに活性炭フィルタ14及び一次濾材16の一部に金属製の材料が用いられているが、これらを含む濾過エレメント4の全体を低公害の可燃性材料により形成することで、寿命後の濾過エレメント4の焼却が可能となり、その消去処理が容易になる。また、浄油タンク3と濾過エレメント4との間にシール性さえ維持できれば、Oリング20を省略しても良い。さらに、二次濾材17の上層に三次濾材18を配置しても良く、ドーソナイト22と活性炭23とを混ぜて二次濾材17と三次濾材18とを一体化しても良い。
【0031】次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。前実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明を省略する。図1ないし図3を参照して説明すれば、本実施の形態において、二次濾材17は、酸化マグネシウムフィルタとしての二次フィルタ21と、この二次フィルタ21と一次濾材16との間にドーソナイト22に代えて収容された酸化マグネシウム(図示せず)とよりなる。二次フィルタ21には、酸化マグネシウムの粒子よりも目が細かいフィルタが用いられている。したがって、アルカリ性の酸化マグネシウムの中和作用により食用油の酸化値を下げるので、食用油の再使用可能回数を増やすことができる。ちなみに、酸化マグネシウムは、JIS(日本工業規格)に基づく試験により下記局方規格を満足するものを用いた。
【0032】
MgO含有(強熱後) 96.0%以上 アルカリ 0.1N−H2SO4 2.0ミリリットル 可溶性塩 0.010g(2.0%以下)
酸不溶物 0.1%以下 炭酸塩 ほとんど泡だたない 鉄 0.05%以下 重金属 40ppm以下 酸化カルシウム 1.5%以下 ヒ素(AS23) 10ppm以下 フッ化物(F) 0.08%以下 強熱減量 10%以下ただし、酸化マグネシウムは上記局方規格を満足するものに限定されるものではない。
【0033】さらに、本発明の第三の実施の形態について説明する。第一の実施の形態と同一部分は同一符号を用い説明を省略する。図1ないし図3を参照して説明すれば、本実施の形態において、二次濾材17は、炭酸水素フィルタとしての二次フィルタ21と、この二次フィルタ21と一次濾材16との間にドーソナイト22に代えて収容された炭酸水素ナトリウム(図示せず)とよりなる。二次フィルタ21には、炭酸水素ナトリウムの粒子よりも目が細かいフィルタが用いられている。したがって、アルカリ性の炭酸水素ナトリウムの中和作用により食用油の酸化値を下げるので、食用油の再使用可能回数を増やすことができる。ちなみに、炭酸水素ナトリウムは、JIS(日本工業規格)に基づく試験により下記の条件を満足するものを用いた。
【0034】[含量] 本品を乾燥したものは、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)99.0%を含む。
[性状] 本品は、白色の結晶性の粉末又は結晶塊である。
[確認試験] 本品は、ナトリウム塩の反応及び炭酸水素塩の反応を呈する。
[純度試験]
(1)溶状 澄明(1.0g,水20ミリリットル)
(2)塩化物 Clとして 0.021%以下(3)炭酸塩 本品1.0gを量り、新たに煮沸し冷却した水20ミリリットルを注意しながら加え、15°以下の温度で水平に揺り動かして溶かす。この液に0.1N塩酸2.0ミリリットルを加え、次にフェノールフタレイン試液2滴を加えるとき、直ちに紅色を呈さない。
(4)アンモニウム塩 本品1.0gを量り、加熱するとき、アンモニアの臭いを発しない。
(5)重金属 pbとして10μg/g(6)ヒ素 AS23として4.0μg/g[乾燥減量] 0.25%以下ただし、炭酸水素ナトリウムは、上記条件を満たすものに限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、濾過エレメントがドーソナイトによって食用油の酸化値を下げる二次濾材を含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を二次濾材中のドーソナイトによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【0036】請求項2記載の発明は、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有するので、貯油タンクに注ぎ込んまれた食用油を浄油タンクに一旦貯えることができ、したがって、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しを防止することができる。
【0037】請求項3記載の発明は、濾過エレメントを、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐドーソナイトフィルタにドーソナイトが保持されて形成された二次濾材とにより形成したので、一次濾材によって料理滓から分離された料理油の酸化値を二次濾材によって下げることができ、したがって、ドーソナイトに対する料理滓の混入を防止することができる。
【0038】請求項4記載の発明は、濾過エレメントが活性炭を含む三次濾材を更に有するので、三次濾材中の活性炭によって使用後の食用油を脱臭及び脱色することができる。
【0039】請求項5記載の発明は、濾過エレメントにトーソナイトを含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を濾過エレメントによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【0040】請求項6記載の発明は、濾過エレメントが酸化マグネシウムによって食用油の酸化値を下げる二次濾材を含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を二次濾材中の酸化マグネシウムによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【0041】請求項7記載の発明は、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有するので、貯油タンクに注ぎ込んまれた食用油を浄油タンクに一旦貯えることができ、したがって、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しを防止することができる。
【0042】請求項8記載の発明は、濾過エレメントを、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐ酸化マグネシウムフィルタに酸化マグネシウムが保持されて形成された二次濾材とにより形成したので、一次濾材によって料理滓から分離された料理油の酸化値を二次濾材によって下げることができ、したがって、酸化マグネシウムに対する料理滓の混入を防止することができる。
【0043】請求項9記載の発明は、濾過エレメントが活性炭を含む三次濾材を更に有するので、三次濾材中の活性炭によって使用後の食用油を脱臭及び脱色することができる。
【0044】請求項10記載の発明は、濾過エレメントに酸化マグネシウムを含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を濾過エレメントによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【0045】請求項11記載の発明は、濾過エレメントが炭酸水素ナトリウムによって食用油の酸化値を下げる二次濾材を含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を二次濾材中の炭酸水素ナトリウムによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【0046】請求項12記載の発明は、貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有するので、貯油タンクに注ぎ込んまれた食用油を浄油タンクに一旦貯えることができ、したがって、貯油タンクに注ぎ込もうとする食用油の溢れ出しを防止することができる。
【0047】請求項13記載の発明は、濾過エレメントを、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として筒状体の内部を塞ぐ炭酸水素ナトリウムフィルタに炭酸水素ナトリウムが保持されて形成された二次濾材とにより形成したので、一次濾材によって料理滓から分離された料理油の酸化値を二次濾材によって下げることができ、したがって、炭酸水素ナトリウムに対する料理滓の混入を防止することができる。
【0048】請求項14記載の発明は、濾過エレメントが活性炭を含む三次濾材を更に有するので、三次濾材中の活性炭によって使用後の食用油を脱臭及び脱色することができる。
【0049】請求項15記載の発明は、濾過エレメントに炭酸水素ナトリウムを含むので、貯油タンクに注ぎ込まれた食用油の酸化値を濾過エレメントによって下げることができ、したがって、食用油の酸化値を大幅に下げて食用油の再使用可能回数を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す全体の縦断正面図である。
【図2】全体の斜視図である。
【図3】濾過エレメントの一部の縦断正面図である。
【図4】食用油の濾過回数に対する酸化値の変化の状態を示すグラフである。
【符号の説明】
2 貯油タンク
3 浄油タンク
4 濾過エレメント
5 蓋
14 活性炭フィルタ
15 筒状体
16 一次濾材
17 二次濾材
18 三次濾材
21 ドーソナイトフィルタ
22 ドーソナイト
23 活性炭

【特許請求の範囲】
【請求項1】 上面が開口した貯油タンクと、前記貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置され、料理滓を食用油から分離する一次濾材とドーソナイトを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備えることを特徴とする食用油用濾過器。
【請求項2】 貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の食用油用濾過器。
【請求項3】 濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として前記筒状体の内部を塞ぐドーソナイトフィルタにドーソナイトが保持されて形成された二次濾材と、を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の食用油用濾過器。
【請求項4】 濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有することを特徴とする請求項1記載の食用油用濾過器。
【請求項5】 開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されてこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、前記濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントにドーソナイトを含ませたことを特徴とする食用油用濾過器。
【請求項6】 上面が開口した貯油タンクと、前記貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置され、料理滓を食用油から分離する一次濾材と酸化マグネシウムを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備えることを特徴とする食用油用濾過器。
【請求項7】 貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項6記載の食用油用濾過器。
【請求項8】 濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として前記筒状体の内部を塞ぐ酸化マグネシウムフィルタに酸化マグネシウムが保持されて形成された二次濾材と、を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の食用油用濾過器。
【請求項9】 濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有することを特徴とする請求項6記載の食用油用濾過器。
【請求項10】 開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されてこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、前記濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントに酸化マグネシウムを含ませたことを特徴とする食用油用濾過器。
【請求項11】 上面が開口した貯油タンクと、前記貯油タンクの開口した上面を塞ぐ位置に着脱自在に配置され、料理滓を食用油から分離する一次濾材と炭酸水素ナトリウムを含む二次濾材とを有する濾過エレメントと、この濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋と、を備えることを特徴とする食用油用濾過器。
【請求項12】 貯油タンクの開口した上面に着脱自在に保持されて濾過エレメントを着脱自在に保持する筒状の浄油タンクを更に有し、蓋はその浄油タンクの上部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項11記載の食用油用濾過器。
【請求項13】 濾過エレメントは、筒状体と、この筒状体の上部に取り付けられた一次濾材と、この一次濾材の下部層として前記筒状体の内部を塞ぐ炭酸水素ナトリウムフィルタに炭酸水素ナトリウムが保持されて形成された二次濾材と、を含むことを特徴とする請求項11又は12記載の食用油用濾過器。
【請求項14】 濾過エレメントは、活性炭を含む三次濾材を更に有することを特徴とする請求項11記載の食用油用濾過器。
【請求項15】 開口した上面を塞ぐ位置に料理滓を料理油から分離する濾過エレメントが着脱自在に配置されてこの濾過エレメントを通過した食用油を貯える貯油タンクと、前記濾過エレメントを開閉自在に覆う蓋とを備える食用油用濾過器において、濾過エレメントに炭酸水素ナトリウムを含ませたことを特徴とする食用油用濾過器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1】
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