説明

食用組成物の一部分としての活性成分のための送達システムを製造するためのプロセス

封入材料中に封入された少なくとも1つの活性成分の送達システムを製造する方法を記載する。この方法は、例えば、その活性剤の遅延放出および/または制御放出をもたらすために有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
封入材料に封入された少なくとも1つの活性成分の送達システムの製造方法が記載される。この送達システムは、例えばその活性成分の遅延放出および/または制御放出をもたらすのに有用である。
【背景技術】
【0002】
一般に強力甘味料(high intensity sweetener)は、等価な甘さレベルでは、砂糖(スクロース)よりも大きい甘味強度(sweetening intensity)および砂糖のカロリー値よりも低いカロリー値を有する。ある状況では、高い甘さレベルは消費者を容易に閉口させる可能性があるため、組成物における強力甘味料の放出を制御することは特に望ましい。さらに、甘味料の制御放出は不快な味がする物質の望ましいマスキングを提供し、他の成分の香味料特性を引き出すことを助ける可能性がある。各強力甘味料は化学的にも物理的にも特徴のあるものであるので、各々は食用組成物において使用するには厄介なものであり、各々は1つ以上の短所を提示する。これらの短所は封入によって緩和される可能性がある。
【0003】
例えば、多くの強力甘味料は、ある香味料とともにチューインガムおよび菓子類などの食用組成物で使用すると、その甘味強度を急速に失う。封入によって、放出を穏やかにしかつ長期化させ、より望ましい味覚プロフィールが提供される可能性がある。サッカリン、ステビオシド、アセサルフェーム−K、グリシルリジン、およびタウマチンなどのいくつかの強力甘味料は関連した苦味すなわち後味(off−note)を有する。ある強力甘味料はまた、ある化学物質(アルデヒドおよびケトンが挙げられる)の存在下では不安定であり、環境条件(湿気が挙げられる)への曝露に対して敏感である。固体スクラロースは、熱および周囲の空気に曝露したまま長期保存する間に色が黒くなることが知られている。封入は、分解を予防し保存期間を延ばすために、不安定な化合物を隔離するためにも使用することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常は、強力甘味料の味覚プロフィールは甘味の急激なバーストとして説明することができる。通常、強力甘味料は、その甘味のピークに急速に到達し、甘味の強度はその後まもなく急速に減衰する。初期の急速なバーストは、強烈な甘味がその食用組成物中に存在するかも知れない他の香味料を圧倒する傾向があるため、多くの消費者にとっては不快である可能性がある。甘味の比較的急速な消失はまた、苦い後味をもたらす可能性がある。このため、放出速度を穏やかにしかつ長期化させ、そして味覚プロフィール全体を化学的に安定化しかつ増強するために、強力甘味料を封入材料で封入することが望ましい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1つ以上の活性薬剤の制御放出および/または遅延放出を提供する送達システムを調製するための改良された方法を提供することによる、当該技術分野の有意義な進歩である。この活性薬剤の非限定的な例は、甘味料(強力甘味料が挙げられる)、酸、フレーバー剤(flavorant)、医薬品、治療薬、ビタミン、ミネラル、歯面漂白剤または歯磨材、口臭消臭剤、冷感剤(cooling agent)、加温剤、冷・温感剤(sensate)などである。
【0006】
本発明は、例えば、チューインガム、菓子組成物、および他の食用製品などの食用組成物において活性成分の放出を制御および/またはするために使用することができる送達システムの製造に対する新規なアプローチを提供する。この活性成分(複数種であってもよい)およびこの活性成分を部分的または完全に封入するために使用される材料は、広範囲の送達システムにわたって活性成分の放出の非常に優れた制御を可能にし、かつその送達システムを処方するために使用される可能性がある、ある範囲の封入材料および添加物の使用にも配慮している送達システム(複数種であってもよい)を提供する。封入された活性成分は、放出するのが望ましいときまで保存され、それゆえ湿気、反応性化合物、pH変化などから保護され得る。活性成分が甘味料である場合、この送達システムは、一貫した持続放出を提供するように調整することができ、従って甘味料が放出される時間、または長く続く望ましい味覚プロフィール、唾液分泌の増加および/または全体的な味覚の享受をもたらす食用組成物を提供するために甘味料が利用可能である時間を延ばす。
【0007】
添付の図面と関連付けて考慮すると以下の詳細な説明を参照することにより本発明および本発明の多くの付随する利点がよりよく理解されるので、本発明および本発明の多くの付随する利点は、容易により完全に理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本願明細書において使用する場合、「を含む(comprising)」および「を含む(comprise)」との用語は、具体的には引用されていないが実施形態および/または請求項の範囲に含まれる他の要素の包含を許容する開放型移行部である。
【0009】
2003年11月21日出願の米国特許出願番号第10/719,298号および2004年11月22日出願の国際出願番号PCT/US2004/037185号は、参照により本願明細書に引用されたものとする。
【0010】
これより図面を参照する。図面では、同じ参照番号は、いくつかの図にわたって同一または対応する部分を指す。
【0011】
図1を参照すると、10個の混合ゾーン(1−10)を有する代表的な連続ミキサが示されている。各ゾーンは、ミキサ内の上記送達システムの成分のための異なる供給口、異なる運搬要素および/または混合要素、またはこれらの組合せを表している。ゾーンの数は、具体的な封入材料、活性成分(複数種であってもよい)および/またはこの連続ミキサに加えられる他の成分に応じて変わり得る。ゾーンの数は、例えば、ミキサ内の温度を増減するため、および/またはこのミキサ内での混合量を増減するために、ミキサ中の滞留時間を増減するために調整することができる。この図において、封入材料21は混合ゾーン1の供給口またはホッパーからミキサに加えられ、封入材料21は運搬領域26を通って運ばれ、運搬領域26の端部近くで活性成分22がミキサへと供給される。封入材料および活性成分は混合領域25で混和され、もう1つの運搬領域27を通ってミキサ24のエンドプレートに運ばれる。いくつかの実施形態において、混合は、運搬領域26および/または運搬領域27でも行われてよい。混合領域25の位置は連続ミキサのゾーン7に示されているが、混合領域25の位置は混合領域内の異なるゾーンに動かすことができるが、連続ミキサ中で封入材料、活性成分、および(使用する場合には)他の成分の少なくともいくつかを加える位置の下流に配置されることが好ましい。混合領域25内に、1つ以上の混合要素が収容されている。かかる混合要素の非限定的な例としては、ニーダー(中立(neutral)または勾配のある(pitched)右巻き(RH)もしくは左巻き(LH)の単葉形、二葉形、三葉形、四葉形、または多葉形の設計、ショルダー、ftxおよび多目的構成)、タービン翼で混合したような品質を与える、セグメント要素、ブレードまたは切り欠きの組合せ(例えば、zme、tme、zb、zs、sme、sfe、またはigelのような分配ミキサ(distributive mixer)、二軸スクリュー、一軸スクリュー、ブレード・ピン、バリアスクリューおよび当該分野で公知の他のものが挙げられる。運搬領域26の長さは、封入材料の融解または封入材料の温度の維持を最適化するように調整することができる。加えて、運搬領域27の長さは、温度を下降または上昇させるため、封入を高めるまたは軽減するためなどのために、封入材料および活性成分(ならびに加えた場合には他の成分)の混合量を最適化、増やすまたは減らすように調整することができる。いくつかの実施形態では、運搬領域27は使用しなくてもよい。本願明細書に記載する送達システムの中へ組み込むことができる1つ以上の付加的な液体および/または固体成分23の随意の供給も示されている。
【0012】
本発明のプロセスで有用な連続ミキサは、二軸押出機、一軸押出機、ブレード・ピンおよび連続的な処理量をもたらすことができる他のタイプのミキサであってよい。例えば、一実施形態では、かかるミキサは、混合領域25のような適切な混合要素(例えば、二軸、一軸またはブレード・ピン)とともに、ミキサの最初の部分と終わりの部分に運搬領域26および27を有する構成としてもよい。他の構成および他のミキサも利用できる。例えば、上記成分がミキサに供給されて分配混合およびせん断混合をもたらすインラインミキサが使用できる。かかるインラインミキサが連続ミキサと連結されて、本発明の製品を製造してもよい。他の実施形態において、2つ以上の連続ミキサ、またはバッチ式ミキサと組合された少なくとも1つの連続ミキサが、本願明細書に記載する送達システムを調製するために使用することができる。
【0013】
別の実施形態において、連続ミキサは、ミキサ内の背圧を高めるため、例えばある必要な領域で連続ミキサ内の材料の体積を増やすおよび/または最適化するために、ゾーン1内および/または混合ゾーン1に対して下流位置に制限的要素を備えることができる。例えば、混合制限要素は運搬領域27に置かれてもよい。かかる制限的要素は当該分野で公知であり、(ミキサ中の流れの方向に対して)逆方向の流れ(flight)を生み出す要素を備え、ピッチの長さまたは程度に応じて逆流および背圧を高めてもよい。一実施形態において、この連続ミキサは1つ以上の制限的要素と組合された運搬要素のみを収容する(例えば、二軸スクリュー要素などの混合領域を欠く)ことができる。この実施形態において、この少なくとも1つの制限的要素は、送達システムの成分が連続混合装置に供給される点の下流のミキサ中の位置に置かれる。
【0014】
上記送達システムを製造するようにこの連続ミキサを構成する場合、封入材料は、溶融した形でミキサに加えてもよく、固体の形で加えられてミキサ中で溶融されてもよく、またはこれらの組合せであってもよい。溶融した形でミキサに加える場合は連続ミキサ中でのその材料のせん断を下げることができるが、その場合は封入材料(例えばポリ酢酸ビニルおよび/または他のもの)は、特別に構成したサイドフィーダーを通してミキサの中へ導入することができる。運搬領域(数を含めて)および混合領域(含まれる場合)の構成は、活性成分の少なくともいくつかが添加される前に封入材料の作業性および活性成分との混合を容易にする温度まで封入材料をゆっくりと融解させるように最適化されることが好ましい。当業者なら認識するとおり、この温度は高すぎてはならず、そして/またはミキサを出る前に活性成分が実質的に分解するであろうような高温に維持されてはならない。このように、ミキサ中の材料の温度は活性成分の分解を最少にするように維持されることが好ましい。ある実施形態において、ミキサ中の材料(または測定点によってはミキサ自体)の温度は、活性成分の量が最初にミキサに加えられた活性成分の量に対して少なくとも90重量%であるような温度に維持される。さらなる実施形態において、この温度は、活性成分の量がミキサに最初に加えられる活性成分の量に対して少なくとも約50重量%(55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、および85重量%、ならびにこれらの間のすべての値および範囲を含む)であるように維持される。
【0015】
ある実施形態において、ミキサに導入された材料がミキサの内側表面に付着するのを低減および/または回避するために、1つ以上の滑剤がこの連続ミキサに加えられる。滑剤として、種々の材料を加えることができ、その例としては、モノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪(水素化されていてもいなくてもよい)、ろう、トリアセチン、レシチン、モノジグリセリドの酢酸エステル、モノジグリセリドの乳酸エステル、モノジグリセリドのクエン酸エステル、モノジグリセリドのジアセチル酒石酸エステル、モノジグリセリドのコハク酸エステル、脂肪酸の塩(Na、K、Ca、Mg)、脂肪酸のポリグリセロールエステル(例えば、トリグリセロールモノステアレート)、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベートを挙げることができる。この滑剤は押出機のどこででも加えることができ、ある実施形態においては、押出機の中央でおよび/または封入材料が加えられた後で加えることができる。滑剤の量は、封入材料の種類、活性成分および/またはミキサ/混合プロセスの長さに応じて変わり得る。ある実施形態において、滑剤はミキサに加えられる材料の0.5−30重量%の量、好ましくは約2〜約5重量%の範囲の量で用いられる。好ましくは滑剤の量は、送達システムを脆弱化させるようなレベルを超えるべきではない。
【0016】
封入材料、活性成分および/または付加的な成分(使用する場合)を含めた成分は、この目的で一般に使用される装置を使用して連続ミキサの中へ供給される。例えば、ポンプ、自重送り装置(gravity feeder)、サイドフィーダーおよび押出機を使用してよい。一実施形態において、活性成分および/または他の成分は、サイドフィーダーを使用して連続ミキサの中に供給される。成分をミキサの中に供給するために使用されるサイドフィーダーは当該分野で公知であり、例として例えば、1つ以上の運搬要素を備える一軸押出機または二軸押出機、またはミキサを挙げることができる。再加工または再利用される送達システム材料は、封入材料21とともに、例えば混合ゾーン1で連続ミキサに加えることができ、そして/または活性成分および/または(使用する場合は)付加的な成分(脂肪など)の添加に少なくとも先立って連続ミキサに加えることができる。
【0017】
ある実施形態において、この連続ミキサは、ミキサ、そのミキサに加えられた材料、および/またはミキサを通って加工されている材料の1つ以上の特性(例えば、成分がミキサに供給される速度、ミキサ内の圧力、ミキサ中の材料の流量、ミキサおよび/またはミキサ中の材料の温度が挙げられる)、ならびに他の加工のためのパラメータを感知、検出および/または測定するための1つ以上のセンサを備えていてもよい。所望の目的を実現するために適切なパラメータが調整されている場合には、これらのセンサは、オペレータに情報(光またはアラームなど)を提供することによりこれらのパラメータのうちの1つ以上を制御するために使用することができ、そして/またはセンサによって処理された情報を制御モジュールにフィードバックすることもできる(あるいは、別個の制御なしでこれを行うようにセンサを構成することもできる)。ある例では、感知されている1つ以上のパラメータを、プリセットまたはプログラムされた構成(複数であってもよい)に従って制御することもできる。
【0018】
図2を参照すると、運搬領域内の種々の位置の運搬要素が示されており、これは狭いピッチの運搬要素30、中ピッチの運搬要素31、および幅広いピッチの運搬要素32を備える。運搬要素のピッチは、互いに対して相応に多かれ少なかれピッチを備えていくつかの運搬要素が存在する限り、ある具体的なサイズに特に制限されるわけではない。このように、狭いピッチの運搬要素は高ピッチおよび中ピッチの運搬要素よりも小さいピッチを有し、中ピッチの要素は高ピッチ運搬要素と狭いピッチ運搬要素との間のピッチを有し、高ピッチ運搬要素は狭いピッチ運搬要素および中ピッチ運搬要素よりも大きいピッチを有する。例えば、狭いピッチ要素は長さ30mm、全長30mmのピッチを有していてよく、高ピッチ運搬要素は長さ135mm、全長67.5mmのピッチを有していてよく、中ピッチ運搬要素はこれら2つの間、例えば長さ90mm、全長90mmのピッチを有するであろう。
【0019】
図3を参照すると、連続ミキサの2つ以上の供給ポートを通して活性成分22が随意に供給される図が示されている。例えば、活性成分の例として甘味料を使用すると、異なる段階で甘味料を封入材料の中に組み込んで複数レベルの甘味料放出を提供することが望ましい場合がある。この実施形態において、プロセスの初期段階でミキサに甘味料を加えると、プロセスの後の段階でミキサに加えられた甘味料よりもより遅れて放出されるようにできる。
【0020】
図4を参照すると、上記送達システムに組み込むことができる1つ以上の付加的な液体および/または固体成分23が連続ミキサのいくつかの領域で随意に供給される図が示されている。いくつかの実施形態では、組み込むことができる液体および/または固体成分23の例としては、脂肪、オイル、ろう、引張り強さ変性剤および本願明細書に記載する他の成分(例えば、グリセロールモノステアレート)が挙げられる。例えば、本願明細書に記載するとおり、封入材料の加工の間に脂肪および/またはオイルをミキサに添加すると生成する送達システムの引張り強さを改変することができ、所望の放出速度が得られる。
【0021】
図5を参照すると、運搬領域26および27の運搬要素の相対的なピッチが示されている。運搬領域26において、この運搬要素は狭いピッチ要素として始まり、混合要素25まで徐々に幅広いピッチ要素へと幅広くなる。運搬領域27において、混合要素25の後の運搬要素は幅広いピッチ要素として始まり、ミキサの末端に向かって狭いピッチ要素へと幅が狭くなる。ミキサの構成、運搬領域26および27の運搬要素、および成分の添加によって、混合は運搬領域26および/または運搬領域27で行われてもよい。
【0022】
図6を参照すると、ミキサから下流での加工へと材料を運ぶためのポンプ40がミキサの末端に配置されて示されている。このポンプは低せん断ポンプであってよく、ダイ41を通して材料の均一性を高める働きを持たせることができ、ミキサからの排出の点で高まる圧力を低下させることによりこのミキサを通過する材料の冷却効率を高めることもできる。さらに、ポンプ40はミキサからの排出圧力の制御を容易にすることができ、ミキサを通る材料の流れ、およびミキサの運転速度と組合わせて連続ミキサ中の混合の制御として作用することができる。一実施形態において、ポンプ速度は連続ミキサ中の速度および/または圧力に基づいて制御することができる。この制御は、本願明細書に記載する他のプロセスパラメータとは別個であってもよく、それらと連動していてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、ミキサからの生産物は冷却されて、食用組成物(例えばチューインガム)中の成分として使用するために粉末化されてもよい。さらなる実施形態において、挽き砕かれた材料は、凝集を最少にするためおよび/またはさらなる加工助剤として作用させるため、粉末でコーティングされてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、送達システムの製造方法は、上記封入材料および上記少なくとも1つの活性成分を連続ミキサに加えるステップと、この少なくとも1つの活性成分がこの封入材料によって少なくとも部分的に封入されるように封入材料を少なくとも1つの活性成分と混合するステップと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、封入材料によって少なくとも部分的に封入された少なくとも1つの活性成分を有する食用組成物(例えばチューインガム組成物または菓子組成物)において内包するための送達システムの製造方法が提供される。
【0026】
いくつかの実施形態において、この送達システムの製造方法は、封入材料および少なくとも1つの活性成分を連続ミキサの中へ供給するステップであって、この連続ミキサが少なくとも第1の運搬領域および第2の運搬領域ならびにこの少なくとも第1の運搬領域と第2の運搬領域との間の混合領域を備え、第1の運搬領域はこの連続ミキサ中で第2の運搬領域から上流にあり、封入材料の少なくとも一部は第1の運搬領域に供給され、この少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部は、この混合領域にて、またはこの混合領域の上流ではあるが封入材料が連続ミキサに供給される場所の下流である位置に供給されるステップと、封入材料および少なくとも1つの活性成分を混合領域中で混合するステップと、封入材料および少なくとも1つの活性成分を第2の運搬領域を経由して運搬し送達システムを製造するステップと、を含む。
【0027】
本願明細書中に提供される記載に従って製造される送達システムと少なくとも1つの食用組成物を形成する成分(例えば、ガムベース)とを混合して食用組成物を製造することによる、食用組成物、例えば、菓子組成物またはチューインガム組成物の製造方法もまた提供される。
【0028】
一実施形態はチューインガム組成物、菓子組成物および飲料に関するが、本願明細書において開示される方法および装置は種々の食用組成物を製造するために利用することができ、この食用組成物としては食品、食材、栄養物含有組成物、医薬品、栄養補助食品、ビタミンおよび消費者によって消費されるために調製され得る他の製品が挙げられるが、これらに限定されない。本願明細書において使用する場合、チューインガム組成物には風船ガム組成物が含まれる。送達システムは容易に食用組成物に組み込むことができるため、本発明から恩恵を受けることができかつ本発明に包含される食用組成物は上述のとおり幅広い範囲に及ぶ。
【0029】
本願明細書において使用する場合「送達システム」との用語は、封入材料およびその中に封入された少なくとも1つの活性成分、ならびに本願明細書中下記の送達システムを形成するために使用される他の随意の添加物を包含することが意図されている。本発明の食用組成物が複数の送達システムを含み、各送達システムが1つのまたは複数の活性成分を含有してもよいことは理解できるであろう。
【0030】
「封入材料」との用語は、活性成分のまわりの保護バリアとして固体コーティングまたは膜を形成することができる任意の1つ以上の食用の水不溶性材料を包含することが意図されている。
【0031】
本発明は、全体的に、封入材料および封入材料によって封入された活性成分を含む食用組成物において使用するための、本願明細書において画定される送達システムの製造に関する。この送達システムは、予め選択された期間(例えば長期間)にわたって活性成分の一貫した制御放出を提供するために処方される。この期間は、この送達システムが組み込まれている製品の種類、封入材料の種類、製品中の活性な他の成分(例えば、脂肪)の種類に応じて変わり得る。所望の効果を実現するために、当業者は、本願明細書中の開示に基づいて送達システムおよびミキサの構成を調整することができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、本願明細書において使用する場合、「長期間」は、以前に記載されたシステムよりも長い期間にわたる送達システムからの活性成分の高められた放出に関し、少なくとも15分(少なくとも20分、少なくとも25分、少なくとも30分ならびにこれらの間のすべての値および範囲、例えば、約25〜30分、45〜60分、またはより長くを含む)であってよい。さらに、本発明の送達システムはまた、長期間にわたって活性薬剤を送達するためだけでなく長期間にわたって活性成分の高められた強度を維持するための方法も提供する。例えば、この活性成分が香味料または甘味料である場合。本発明の一態様において、放出される活性薬剤の量は長期間のあいだで変わり得る。例えば、送達の初期段階では(その時に送達システム中に存在する全量に基づく)放出される活性成分の量は、その後またはもっと後の期間のあいだに放出される(その時に送達システム中に存在する全量に基づく)活性成分の量よりも多くてよい。
【0033】
一実施形態において、この長期間とは、食用組成物中の活性成分の送達の開始(例えばチューインガム組成物を噛み始めた時)から30分後に、少なくとも1つの活性成分の少なくとも約5%(30分後に少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、またはより多くを含む)を保持する結果となるものである。別の実施形態において、この長期間とは、活性成分の送達の開始から20分後に、少なくとも1つの活性成分の少なくとも約10%(20分後に少なくとも約15%、20%、25%、30%、40%、50%またはより多くを含む)を保持する結果となるものである。別の実施形態において、この長期間とは、活性成分の送達の開始から15分後に、少なくとも1つの活性成分の少なくとも約30%(15分後に少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、75%またはより多くを含む)を保持する結果となるものである。
【0034】
別の実施形態において、一例としてのチューインガムで甘味料を使用すると、この長期間とは、少なくとも上記の期間全体(例えば、チューインガム組成物を噛み始めた時から少なくとも約15分、少なくとも約20分、少なくとも約30分など)のあいだ知覚される甘味強度をもたらす結果となるものである。さらに、噛んでいるあいだ甘味料が有効である期間を延ばすと、香味料が消費者によって知覚される時間量を延ばす可能性がある。
【0035】
製造された送達システムは、広範な食用組成物(チューインガム組成物、食品、菓子組成物、医薬組成物、飲料、食材、栄養物含有組成物、ビタミン、栄養補助食品などが挙げられる)中の活性成分の制御放出を容易にする。
【0036】
本発明によって開発された送達システムは、一部は活性成分および所望の活性成分の放出速度に依存して、公知の放出速度の活性成分を含む公知の送達システムの標品から選択することができる。送達システムの一部として組み込むことができる活性成分は、甘味料(強力甘味料が挙げられる)、酸、フレーバー剤、医薬品、治療薬、ビタミン、ミネラル、歯面漂白剤または歯磨材、口臭消臭剤、冷感剤、加温剤、冷・温感剤、ならびに保護、制御放出および/または味覚のマスキングのためのコーティングにより恩恵を受ける他の材料から選択することができる。この活性成分としては、たばこ製品中毒の治療に有用なニコチン、ならびに通常コーヒーおよび/または飲料中に見出されるカフェインが挙げられる。本発明の一実施形態において、活性成分は甘味料(例えば、本願明細書に記載するネオテーム、アスパルテーム、スクラロース、アセサルフェームカリウムなどの強力甘味料)である。
【0037】
活性成分を送達するための送達システムは、活性成分の種類および量ならびに所望の放出速度に基づいて活性成分の効果的な持続放出を確実にするために処方することができる。例えば、ある消費者には不快であるかも知れない甘さの急激なバーストを防ぐために、25〜30分という期間にわたる強力甘味料の制御放出をもたらすことが望ましい場合がある。各活性成分について別々の送達システムを使用することによって同一の食用組成物に組み込まれるかも知れない他の種類の活性成分(医薬品または治療薬など)については短い制御放出時間が望ましい場合がある。本発明によれば、送達システムは標品に対する放出速度の範囲に基づいて処方することもできる。この標品は、例えば、ある範囲にわたる特定の疎水性および/または引張り強さを有するポリマー封入材料を有する一連の公知の送達システムを含んでいてよい。この標品の送達システムの各々は、特定の放出速度または放出速度の範囲と関連付けられる。
【0038】
一実施形態において、食用組成物の製造は、複数の別々の活性成分(明らかに異なる放出速度で放出されることが望ましいかも知れない活性成分を含む)を送達するための複数の送達システムを組み込むことを含む。この活性成分は同一であってもよく、異なっていてもよい。異なる送達システムは異なる活性成分および/または異なる封入材料を使用することもできる。
【0039】
例えば、強力甘味料は長期間(例えば20〜30分)にわたって放出されることが望ましいかも知れず、他方、ある医薬品は有意に短い期間にわたって放出されることが望ましい。
【0040】
本発明のある実施形態において、この送達システムは、少なくとも1つの活性薬剤の放出が送達時間に対して特異的な速度であるように製造することができる。例えば、一実施形態において、送達システムは、少なくとも1つの活性薬剤の放出が15分にわたって80%、20分にわたって90%、および/または30分にわたって95%の速度で放出されるように調製することができる。別の実施形態では、上記送達システムは、1つ以上の活性薬剤が15分にわたって25%、20分にわたって50%および/または30分にわたって75%の速度で放出されるように調製することができる。例えば、一例としてチューインガムを使用すると、同一の甘味料は2つの異なる送達システムに組み込むことができ、そのうちの1つは早期の放出をもたらし、第2の送達システムはより遅延された放出をもたらしてより長く継続して消費者が甘さおよび/または香味料を知覚できるようにする。
【0041】
封入材料として使用することができるポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋されたポリビニルピロリドン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチルなど;例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、エチレン、アクリル酸、メタクリレート、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー;酢酸ビニル/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリレートコポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー;エチレン酢酸ビニル、ならびにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態において、封入材料は食用組成物の全重量に基づいて約0.2重量%〜10重量%(0.3重量%、0.5重量%、0.7重量%、0.9重量%、1.0重量%、1.25重量%、1.4重量%、1.7重量%、1.9重量%、2.2重量%、2.45重量%、2.75重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.25重量%、4.8重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、7.25重量%、7.75重量%、8.0重量%、8.3重量%、8.7重量%、9.0重量%、9.25重量%、9.5重量%、9.8重量%ならびにそれらの間のすべての値および範囲、例えば、1重量%〜5重量%を含む)の量で存在することができる。当然、封入材料の量は、封入せねばならない活性成分の量および/または所望の封入の程度に一部は依存する。送達システムの重量に対する封入材料の量は、約30重量%〜99重量%(35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、95重量%、97重量%ならびにそれらの間のすべての値および範囲、例えば、約60重量%〜90重量%)である。
【0043】
活性成分は、送達システムの得られる引張り強さが本願明細書中上記に示される基準を満たす限り、全体が封入材料内に封入されてもよく、不完全に封入材料内に封入されてもよい。不完全な封入は、活性成分の部分的な被覆を得るために製造および混合プロセスを改変および/または調整することにより実現することができる。いくつかの実施形態において、異なる混合要素および/または運搬要素は、封入の量に影響を与える可能性がある。加えて、ミキサ中でのより長い滞留時間は活性成分の封入の程度に影響を与える可能性がある。ある実施形態において、活性薬剤(例えば、スクラロースなどの甘味料)は、1つ以上の加工助剤と予め混合して、加えられたときのその材料の凝集を防止することができる。さらにまたはあるいは、活性薬剤は1つ以上の加工助剤とともにミキサに供給することもできる。さらにまたはあるいは、加工助剤は、ミキサ中に活性成分を供給するために使用する装置の内壁に添加することができる。適切な加工助剤の非限定的な例としては、タルク、リン酸二カルシウム、高融点糖アルコール(マンニトールなど)、微小粒径のコーンスターチ、微結晶性セルロース、粉砂糖が挙げられる。加工助剤の量は活性成分の凝集特性に依存して変わってもよく、加工助剤有用なレベルは加えられている活性成分の約0.5〜約50重量%(約1〜約10重量%を含み、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、および9重量%を含む)の範囲である。
【0044】
本発明の一態様において、活性成分の放出は、封入材料(例えば、ミキサに加えられるポリマー)の疎水性に基づいて送達システムを処方することにより制御することができる。非常に疎水性のポリマーを加えることにより、活性成分の放出時間を長くすることができる。同様に、さほど疎水性でない封入材料を使用すると、より急激に活性成分を放出させることができる。疎水性は、ASTM D570−98に準拠して測定される相対的吸水性によって定量することができる。従って、比較的高い吸水性をもつ封入材料を選択してそれをミキサに加えることにより、製造された送達システム中に含まれる活性成分の放出を、より低い吸水性を有する封入材料に比べて遅延させることができる。ある実施形態において、送達システムからの少なくとも1つの活性成分の放出を遅延させるために、約50〜100%(ASTM D570−98に準拠して測定した場合)の水吸収。さらに、相対的送達速度を高めるために、封入材料は、水吸収が約15〜約50%(ASTM D570−98に準拠して測定した場合)であるように選択することができる。さらに、他の実施形態において、封入材料の吸水性は、0.0〜約5%または約15%まで(ASTM D570−98に準拠して測定した場合)であるように選択することができる。他の実施形態において、異なる吸水性を有する封入材料を用いて処方された2つ以上の送達システムの混合物もまた、後の食用組成物への組み込みにおいて使用することができる。
【0045】
例えば、エチレン−酢酸ビニルが封入材料である場合、疎水性の程度はコポリマー中のエチレンと酢酸ビニルとの比を調整することにより制御することができる。エチレン:酢酸ビニル比が高いほど、活性成分の放出はより遅くなる。一例として酢酸ビニル/エチレンコポリマーを用いると、コポリマー中の酢酸ビニル/エチレンの比は、約1〜約60%(2.5%、5%、7.5%、9%、12%、18%、23%、25%、28%、30%、35%、42%、47%、52%、55%、58.5%ならびにそれらの間のすべての値および範囲の比を含む)とすることができる。
【0046】
さらなる実施形態において、送達システムの製造は、活性成分の遅延放出および/または制御放出をもたらすための封入材料の引張り強さの操作および選択に基づいて調製することができる。このような封入材料の引張り強さの操作および選択は、本願明細書中上記の疎水性と組合わせることもできるし、それとは独立に行ってもよい。このように、活性成分の制御放出および/または遅延放出は、封入材料の所定の引張り強さおよび所定の疎水性を選択することにより制御することができる。
【0047】
本願明細書において使用する場合、「引張り強さ」との用語は伸長荷重をかけられた材料が引き裂かれることなく耐え得る最大応力を意味する。所定の物質の引張り強さを測定する標準的な方法は、米国材料試験協会によって方法番号ASTM−D638として定義されている。
【0048】
所定の引張り強さは、一部は、活性成分およびその所望の放出時間に基づいて決定される。所定の引張り強さは、各標準の送達システムが所望の活性成分の公知の放出速度を有する1つ以上の送達システムからなる標品から選択することができる。活性成分に湿気および他の条件(pH変化、反応性化合物など)が存在すると活性成分が望ましくないことに分解され得るが、送達システムはさらに、これらの活性成分に湿気および他の条件(pH変化、反応性化合物など)に対する保護バリアを提供する。
【0049】
このようにして、異なる活性成分を含有する標準の送達システムと比較することにより、各々がかかる異なる活性成分を含む複数の送達システムを調製することができることは理解されるであろう。
【0050】
送達システムの引張り強さを予め選択した望ましい範囲内に維持することによって、活性成分を非常に制御されかつ一貫して上記組成物から放出することができる。送達システムの引張り強さに注目することによって、適切な送達システムを選択し処方するためのプロセスは高められ、先行技術のシステムでは通常必要な試行錯誤による実験の必要性を効果的に軽減する。
【0051】
送達システムの所望の引張り強さは所望の範囲内で容易に決定することができる。本発明の一実施形態において、送達システムの引張り強さは、少なくとも6,500psi(約44.8MPa)、(7500psi(約51.7MPa)、10,000psi(約68.9MPa)、20,000psi(約137.9MPa)、30,000psi(約206.8MPa)40,000psi(約275.8MPa)、50,000psi(約344.7MPa)、60,000psi(約413.7MPa)、70,000psi(約482.6MPa)、80,000psi(約551.6MPa)、90,000psi(約620.8MPa)、100,000psi(約689MPa)、125,000psi(約861.9MPa)、135,000psi(約930.8MPa)、150,000psi(約1034MPa)、165,000psi(約1138MPa)、175,000psi(約1207MPa)、180,000psi(約1241MPa)、195,000psi(約1344MPa)、200,000psi(約1379MPa)またはこれより大きい値、およびそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲、例えば6,500psi(約44.8MPa)〜200,000psi(約1379MPa)の範囲の引張り強さを含む)である。望ましい引張り強さをもつ送達システムは、種々の封入材料および少なくとも1つの添加物(これを、以下では「少なくとも1つの引張り強さ変性剤(modifying agent)またはモディファイア(modifier)」と呼ぶ)から処方することができる。この少なくとも1つの添加物は、本願明細書に記載する図面において言及した付加的な成分23として、封入材料および/または活性成分とともにミキサに加えられてもよく、ミキサへの供給に先立って封入材料と予めブレンドされてもよく、そして/または別々にミキサに加えられてもよい。この少なくとも1つの添加物は、送達システムの引張り強さを改変することにより送達システムを処方するために使用してもよく、この少なくとも1つの添加物としては、引張り強さ低下材料(脂肪、乳化剤、可塑剤(軟化剤)、ろう、低分子量ポリマーなど)、および引張り強さ向上材料(高分子量ポリマーなど)が挙げられる。加えて、送達システムの引張り強さは、異なる引張り強さモディファイアを組合せて送達システムを形成することにより微調整することもできる。例えば、高分子量ポリマー(ポリ酢酸ビニルなど)の引張り強さは、引張り強さ低下剤(脂肪および/またはオイル)が送達システムに加えられた場合、低下する可能性がある。
【0052】
一実施形態において、少なくとも1つの引張り強さ変性剤は、上記プロセスから製造される送達システムに含まれる1つ以上の活性薬剤の放出が、15分にわたって80%、20分にわたって90%、および/または30分にわたって95%の速度で放出されるのに十分な量でミキサに加えられる。別の実施形態において、この少なくとも1つの引張り強さ変性剤は、1つ以上の活性薬剤が15分にわたって25%、20分にわたって50%および/または30分にわたって75%の速度で放出されるのに十分な量で添加される。
【0053】
本発明の別の実施形態において、少なくとも1つの引張り強さ変性剤は、送達システムの中に、送達システムの引張り強さが少なくとも約6,500psi(約44.8MPa)、(7500psi(約51.7MPa)、10,000psi(約68.9MPa)、20,000psi(約137.9MPa)、30,000psi(約206.8MPa)40,000psi(約275.8MPa)、50,000psi(約344.7MPa)、60,000psi(約413.7MPa)、70,000psi(約482.6MPa)、80,000psi(約551.6MPa)、90,000psi(約620.8MPa)、100,000psi(約689MPa)、125,000psi(約861.9MPa)、135,000psi(約930.8MPa)、150,000psi(約1034MPa)、165,000psi(約1138MPa)、175,000psi(約1207MPa)、180,000psi(約1241MPa)、195,000psi(約1344MPa)、200,000psi(約1379MPa)またはこれより大きい値ならびにそれらの間のすべての範囲および部分的な範囲、例えば6,500psi(約44.8MPa)〜200,000psi(約1379MPa)の範囲の引張り強さを含む)であるのに十分な量で存在する。
【0054】
引張り強さモディファイアまたは変性剤の例としては、脂肪(例えば水素化植物油または非水素化植物油、動物脂肪)、ろう(例えば微結晶性ろう、蜜ろう)、可塑剤/乳化剤(例えば鉱油、脂肪酸、モノグリセリドおよびジグリセリド、トリアセチン、グリセリン、アセチル化モノグリセリド、グリセロールロジンモノステアリン酸エステル)、低分子量ポリマーおよび高分子量ポリマー(例えばポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリイソブチレン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル)など、ならびにこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。可塑剤は軟化剤とも呼ばれることがある。
【0055】
このように、引張り強さモディファイアを用いることにより、送達システムの全体の引張り強さは、標品との比較に基づいて食用組成物からの活性成分の対応する所望の放出速度について予め選択された引張り強さが得られるように、調整または変更することができる。
【0056】
送達システムの引張り強さは、比較的遅い放出速度が所望の場合の比較的高い引張り強さ、およびより速い放出速度が所望の場合の比較的低い引張り強さから選択することができる。このように、送達システムについて50,000の引張り強さを用いる場合、活性成分の放出速度は、封入材の疎水性が一貫して同様または同一に保たれている限り、選択された封入材料の種類(例えばポリ酢酸ビニル)には関係なく、10,000psi(約68.9MPa)の引張り強さを有する送達システム中の活性成分の放出速度よりも一般に低いであろう。
【0057】
一実施形態において、封入材料はポリ酢酸ビニルである。本発明において封入材料として使用するのに適切なポリ酢酸ビニル製品の代表的な例は、ミシガン州、エイドリアンのWacker Polymer Systemsによって販売されているVinnapas(登録商標) B100材料である。ポリ酢酸ビニルを利用する送達システムは、連続ミキサに加える前に、十分な量のポリ酢酸ビニルを約65℃〜120℃の温度で短期間、例えば5分間溶融させることにより調製することができる。あるいは、ポリ酢酸ビニルは、固体形態でミキサに加えて、例えば活性成分(複数個であってもよい)の添加の前に運搬領域26を通して運ぶことにより、ミキサ中で溶融させることもできる。溶融温度はポリ酢酸ビニル封入材料の種類および引張り強さに依存し、より高い引張り強さの材料は一般により高い温度で溶融するであろう。封入材料が溶融すると、適切な量の活性成分(例えばアスパルテームなどの強力甘味料)がミキサに添加され、さらなる短期間の混合の間、溶融した塊へと徹底的にブレンドされる。生成した混合物は半固体の塊であり、これはミキサから出た後(例えば0℃で)冷却して、固体を得て、次いで米国標準ふるい規格約30〜200(600〜75ミクロン)へと粉にすることができる。生成した送達システムの引張り強さは、必要なサイズおよび形状の封入材を成形した後、ASTM−D638に準拠して容易に試験することができる。
【0058】
適切な封入材料の選択は、一部は、活性成分の種類および量ならびに他の添加物または成分の存在にも依存するであろう。可塑剤または軟化剤ならびに脂肪およびオイルは、例えば、「引張り強さ変性剤」として作用し、送達システムおよび特に封入材料の中に組み込まれて、生成した送達システムの引張り強さを改変する可能性がある。上述した添加物は、溶融状態の間に封入材料に加えてもよい。本発明の送達システムにおいて使用される添加物の量は、当然、所望の引張り強さに応じて変わり、送達システムの全重量に基づき40重量%までの範囲に及ぶことができる。
【0059】
所定の引張り強さおよび予め選択された疎水性の封入材料を有するように送達システムを処方する際に、活性成分は、送達システムの得られる引張り強さが本願明細書中上記に示される基準を満たす限り、全体が封入材料内に封入されてもよく、不完全に封入材料内に封入されてもよい。不完全な封入は、活性成分の部分的な被覆を得るために製造プロセスを改変および/または調整することにより実現することができる。
【0060】
脂肪およびオイルをミキサに加えることは、送達システムに対して2つの効果をもたらす可能性がある。第1の効果は低濃度、すなわち5重量%まで(4.7重量%まで、4.5重量%まで、4.25重量%まで、4.0重量%まで、3.5重量%まで、3.0重量%まで、2.5重量%まで、2.25重量%まで、2.0重量%まで、1.75重量%まで、1.5重量%まで、1.0重量%まで、ならびにそれらの間のすべての値および範囲を含む)で観察され、脂肪および/またはオイルは送達システムの引張り強さを維持または向上させる。より高い濃度(すなわち通常、5重量%より高い)において、脂肪および/またはオイルは送達システムの引張り強さを低下させる傾向がある。送達システムの引張り強さに対するかかる独特または非線形の効果があっても、活性成分の所望の放出を備える適切な送達システムは、活性成分についての公知の放出速度を有するサンプル送達システムに基づいて調製することができる。このように、かかる脂肪および/またはオイルは、本願明細書上記に説明したようにして、ミキサに加えることができる。
【0061】
いくつかの例では、封入材料内に封入された活性成分のいくつかは、封入材料と混和性であってもよい。例えば、ポリ酢酸ビニルは、本発明で使用することができる1つの種類の封入材料である。いくつかの成分(短鎖または中鎖エステルである香味料など)はポリ酢酸ビニル(PVA)と相互作用する可能性があり、それによって活性成分の制御放出および/または遅延放出プロフィールの有効性を低下させる可能性がある。
【0062】
それゆえ、一実施形態において、それ自体でまたは本願明細書に記載する他の実施形態と組合せて、活性成分は、封入材料とは混和性でないかまたは封入材料との混和性と比べて少なくともそれほど混和性でない「コーティング材料」でコーティングすることができる。活性成分は、封入材料によるその封入に先立ってまたはそれと同時にコーティング材料でコーティングすることができる。
【0063】
コーティング材料は、そのコーティング材料でコーティングされていない活性成分の混和性と比べて、活性成分の封入材料に対する混和性を少なくとも5%、好ましくは25%、より好ましくは少なくとも50%(10%、15%、20%、30%、40%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはこれより大きい値を含む)低下させる可能性がある。
【0064】
一実施形態において、活性成分をコーティングするために使用される材料は、水溶性のおよび/または親水性の材料である。適切なコーティング材料の非限定的な例としては、アラビアガム、セルロース、変性セルロース、ゼラチン、ポリオール(例えばソルビトール、マルチトール)、シクロデキストリン、ゼイン、ポリビニルアルコール、ポリ(メタクリル酸メチル)、およびポリウレタンが挙げられる。コーティング材料の混合物もまた使用することができる。
【0065】
コーティング厚みは、活性材料の最初の粒径および形状、ならびに所望の重量%コーティングレベルに応じて変わる。本発明によれば、コーティング厚みは約1〜約200ミクロン(10ミクロン、20ミクロン、30ミクロン、40ミクロン、50ミクロン、60ミクロン、70ミクロン、80ミクロン、90ミクロン、100ミクロン、110ミクロン、120ミクロン、130ミクロン、140ミクロン、150ミクロン、160ミクロン、170ミクロン、180ミクロンおよび190ミクロンならびにそれらの間のすべての値および範囲を含む)であることが好ましく、例えば、コーティング材料の厚みは、約10〜約50ミクロンおよび20〜54重量%とすることができる。
【0066】
活性成分の混和性を低下および/または排除することができるバリア安定性を提供することに加えて、本発明において使用されるコーティング材料はまた、活性成分と封入材料との間のバリアの形成を容易にする良好な膜形成能を有していてもよい。本願明細書において使用する場合、膜形成能は、少なくとも1つの溶媒(例えば、水および/または有機溶媒)に溶解した後、例えばこの少なくとも1つの溶媒が活性成分の上で蒸発し、吸収しおよび/または消散すると、コーティング材料がそのコーティング材料が塗布された活性成分の上に膜を残すことを意味する。さらに、コーティング材料が食用組成物(チューインガムなど)の調製で使用されるとき、当業者なら、コーティング材料は、その味覚、保存期間、粘着性、耐微生物増殖性、および消費用の成分を選択するための他の一般的な基準に基づいて選択されるべきであることはわかる。
【0067】
活性成分は、パン、スプレー、バッチおよび/または材料をコーティングするために通常使用される連続プロセスを使用してコーティング材料を活性成分に塗布することによりコーティング材料でコーティングすることができる。一実施形態では、コーティング材料は活性成分上へのコーティングを容易にするために溶媒に溶解または分散される。コーティング材料は、基材をコーティングする慣用的な方法を使用して送達することができる。好ましいコーティング方法では、例えば、米国特許第3,196,827号に記載される流動床技術が用いられる。この特許文献の関連する内容は、参照により本願明細書に引用されたものとする。
【0068】
さらなる実施形態において、本願明細書に提供される説明に従って活性成分をコーティングし活性成分を封入することによって、食用組成物のより長い保存期間を実現することができる。本願明細書において使用する場合、保存期間は活性成分を含む食用組成物の成分の安定性の指標である。例示のためにフレーバー剤および/または甘味料を使用すると、この保存期間の延長は、組成物に含まれるフレーバー剤および/または甘味料の知覚された香味および/または甘さを測定することにより評価することができる。いくつかの実施形態において、活性成分をコーティングするためのコーティング材料を使用する場合、活性成分がバリア材料でコーティングされていない類似の製品と比較して、保存期間の5%の延長(10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはより大きい値、ならびにそれらの間のすべての値および範囲の保存期間の延長を含む)を実現することができる。別の実施形態において、より長い保存期間は、製造後の貯蔵時間と相関させることができ、例えば10週間の保存期間においてコーティングされた活性成分を含有する組成物は、本願明細書に記載する本発明に係るコーティング材料でコーティングされた活性成分を含有しないことを除いて類似の組成物に対する50%、75%、80%、または90%の改善を実証するであろう。さらなる例において、24週間の保存時に、コーティングされた活性成分は本願明細書に記載する本発明に係るコーティング材料でコーティングされた活性成分を含有しないことを除いて類似の組成物に対して80〜90%の改善を示す。
【0069】
いくつかの実施形態において、送達システムは粉末または顆粒の形態とすることができる。一般に、粒径は様々であってよく、本発明の機能に対して大きな影響を与えることはない。一実施形態において、平均粒径は、所望の放出速度および/または口当たり(すなわち砂のような感触)および食用組成物に組み込まれる担体の種類に従って選択されることが望ましい。このように、本発明のある実施形態において、平均粒径は約75〜約600ミクロン(100ミクロン、110ミクロン、140ミクロン、170ミクロン、200ミクロン、230ミクロン、260ミクロン、290ミクロン、320ミクロン、350ミクロン、370ミクロンならびにそれらの間のすべての値および範囲を含む)である。この値は平均値であるので、所定のサンプルの粉末または顆粒内で与えられる数値よりも大きいおよび/または小さいサイズを有する粒子があってもよいことは理解される。本発明の一実施形態において、上記送達システムがチューインガムに組み込まれている場合には、この粒径は600ミクロン未満であってもよい。
【0070】
本願明細書に記載するプロセスによって製造される送達システムに組み込まれる少なくとも1つの活性成分としては、例えば、甘味料(高強度甘味料など)、酸(例えば、食品用酸)、フレーバー剤、医薬品、治療薬、ビタミン、ミネラル、口臭消臭剤、歯面漂白剤または歯磨材、冷感剤、加温剤、冷・温感剤、喉用緩和剤(throat−soothing agents)、スパイス、カフェイン、薬物などが挙げられる。これらの活性成分の組合せが同一または異なる送達システムに含まれていてもよい。かかる成分は、それらの意図された効果を実現するために十分な量で使用することができる。
【0071】
種々の周知の冷感剤を用いてもよい。例えば、有用な冷感剤としては、メントール、キシリトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環式カルボキシアミド、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換尿素およびスルホンアミド、置換メンタノール(menthanol)、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、2−イソプロパニル(isoprpanyl)−5−メチルシクロヘキサノール、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、乳酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、コハク酸メンチル、3,1−メントキシプロパン1,2−ジオールなどが挙げられる。これらおよび他の適切な冷感剤は、以下の米国特許に記載されている:米国特許第4,230,688号、同第4,032,661号、同第4,459,425号、同第4,136,163号、同第5,266,592号、同第6,627,233号。これらの特許文献のすべては、参照によりその全体を本願明細書に引用したものとする。
【0072】
使用することができる食品用酸の例としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸などが挙げられる。
【0073】
温感成分は、温感という感覚信号を使用者に与えることが公知の広範な化合物から選択することができる。これらの化合物は、特に口腔において暖かさという感覚の知覚を与え、しばしば香味料、甘味料および他の官能成分の知覚を増強する。有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社(東京、日本)が供給しているバニリルアルコール n−ブチルエーテル(TK−1000)、バニリルアルコール n−プロピルエーテル、バニリルアルコール イソプロピルエーテル、バニリルアルコール イソブチルエーテル、バニリルアルコール n−アミノエーテル、バニリルアルコール イソアミルエーテル、バニリルアルコール n−ヘキシルエーテル、バニリルアルコール メチルエーテル、バニリルアルコール エチルエーエル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール(paradol)、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0074】
温感効果または冷感効果の感覚は、米国特許出願公開第2003/0072842(A1)号明細書に記載される疎水性の甘味料を使用して長期化することができる。この特許文献は参照により本願明細書に引用されたものとする。例えば、かかる疎水性の甘味料としては、この特許文献に記載の式I〜XIの甘味料が挙げられる。米国特許第6,159,509号明細書に記載されるペリラルチンも添加することができる。この特許文献もまた参照により本願明細書に引用されたものとする。
【0075】
口臭消臭剤は、本願明細書に記載する上記の香味料および冷感剤に加えて、匂い制御特性をもつ種々の組成物を含むことができる。これらのものとしては、シクロデキストリンおよびモクレン属の花木の樹皮の抽出物を挙げることができるが、これらに限定されない。口臭消臭剤は、長期の口臭消臭効果をもたらすためにさらに封入されていてもよい。悪臭制御組成物の例は、Staplerらに対する米国特許第5,300,305号明細書において、および米国特許出願公開第2003/0215417号明細書および同第2004/0081713号明細書において挙げられている。これらの特許文献は参照により本願明細書に引用されたものとする。
【0076】
上記のように、種々の口腔ケア製品は、チューインガムのいくつかの実施形態においても含まれていてよい。これらのものとしては歯面漂白剤、染み抜き剤および石灰化抑制剤(anticalculus agent)を挙げることができる。これらのものの例としては、加水分解剤(タンパク質分解酵素が挙げられる)、研磨剤(ケイ酸、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびアルミナなど)、他の活性な染み抜き成分(例えば、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化オレイン酸ブチル、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤のような表面活性剤、ならびに通常歯磨材組成物において歯石制御成分として用いられるポリリン酸塩などのキレート剤)が挙げられるが、これらに限定されない。また、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸塩、ならびに研磨用シリカ(abrasive silica)も挙げられる。さらなる例は、以下の米国特許に挙げられている:米国特許第5,227,154号、同第5,378,131号および同第6,685,916号。これらの特許文献は参照によりその全体が本願明細書に引用されたものとする。
【0077】
医薬、ハーブ、および栄養補給剤を含めて種々の薬物もまた、このガム処方物に含まれていてもよい。有用な薬物の例としては、ACE阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、高コレステロール血症治療薬(anti−cholesterolemic)、鎮痛剤、麻酔薬、抗痙攣薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め、解毒剤、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、抗炎症剤、抗高脂血症薬(anti−lipid agent)、抗躁薬、制嘔吐剤、抗卒中薬、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス剤、座瘡抑制薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳薬、抗尿酸血薬、抗ウイルス薬、同化製剤(anabolic preparation)、全身性抗感染薬および非全身性抗感染薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激薬、生物反応修飾物質、血液修飾物質、骨代謝調節因子、心血管作動薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去剤、栄養補助食品、ドーパミン受容体アゴニスト、子宮内膜症管理薬(endometriosis management agent)、酵素、勃起不全療法(例えば、現在Viagra(登録商標)として市販されているクエン酸シルデナフィル)、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法、ホルモン、高カルシウム血症管理薬(hypercalcemia management agent)および低カルシウム血症管理薬(hypocalcemia management agent)、免疫刺激剤、免疫抑制剤、片頭痛用製剤、乗り物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、肥満症管理薬(obesity management agent)、骨粗しょう症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器官用薬、鎮静剤、禁煙補助薬(ブロモクリプチンまたはニコチンなど)、交感神経抑制剤、抗振戦製剤(tremor preparation)、尿路用薬、血管拡張薬、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制剤、去痰剤、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠動脈拡張薬、脳血管拡張薬(cerebral dilator)、末梢血管拡張薬、向精神薬、刺激薬、血圧降下薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固剤、抗血栓剤、催眠薬、制吐剤(anti−emetic)、制嘔吐剤(anti−nauseant)、抗痙攣薬、神経筋薬、血糖上昇薬および血糖降下薬、甲状腺用製剤および抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、テリン弛緩剤(terine relaxant)、肥満防止薬、赤血球増殖剤、気管支喘息治療薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、DNA修飾因子および遺伝子修飾因子、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0078】
他の活性成分の例としては、制酸剤、H2−アンタゴニスト、および鎮痛剤が挙げられる。例えば、制酸剤投与量は、成分の炭酸カルシウムのみを使用してまたは水酸化マグネシウム、および/または水酸化アルミニウムと組み合わせて使用して調製することができる。さらに、制酸剤はH2−アンタゴニストと併用して使用することができる。
【0079】
鎮痛剤としては、アヘン剤およびアヘン剤誘導体(オキシコンチン(Oxycontin)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、およびこれらの組合せなど)が挙げられ、これらは必要に応じてカフェインを含んでいてもよい。
【0080】
実施形態において使用するための他の薬物成分としては、下痢止め(イモジウムADなど)、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、充血除去剤、ビタミン、および口臭消臭剤が挙げられる。抗不安薬(ザナックス(Xanax)など);抗精神病薬(クロザリル(Clozaril)およびハルドール(Haldol)など);非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ボルタレン(Voltaren)およびロジン(Lodine)など)、抗ヒスタミン薬(クラリチン(Claritin)、ヒスマナル(Hismanal)、レラフェン(Relafen)、およびタビスト(Tavist)など);制吐剤(キトリル(Kytril)およびセサメット(Cesamet)など);気管支拡張薬(ベントリン(Bentolin)、プロベンティル(Proventil)など);抗うつ剤(プロザック(Prozac)、ゾロフト(Zoloft)、およびパキシル(Paxil)など);抗偏頭痛薬(イミグラ(Imigra)など)、ACE阻害剤(バソテック(Vasotec)、カポテン(Capoten)およびゼストリル(Zestril)など);抗アルツハイマー病薬(ニセルゴリン(Nicergoline)など);ならびにCaH−アンタゴニスト(プロカルディア(Procardia)、アダラート(Adalat)、およびカラン(Calan)など)も、本発明における使用が想定される。
【0081】
使用できるH2−アンタゴニストとしては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン(ebrotidine)、ミフェンチジン(mifentidine)、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジン(aceroxatidine)が挙げられる。
【0082】
活性な制酸剤成分としては、水酸化アルミニウム、アミノ酢酸水酸化アルミニウム、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス(bismuth subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、硫酸アルミン酸マグネシウム水和物(hydrate magnesium aluminate sulfate)、マガルドレード(magaldrate)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、アルミニウム第1リン酸カルシウムまたはアルミニウム第2リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸およびその塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0083】
上述のビタミンまたはミネラルなどの種々の他の栄養補給剤もまた挙げることができる。例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、セレン、マンガン、コリン、クロム、モリブデン、フッ素、コバルトおよびこれらの組合せを使用することができる。
【0084】
栄養補給剤の例は、米国特許出願公開第2003/0157213(A1)号明細書、同第2003/0206993号明細書および同第2003/0099741(A1)号明細書に示されている。これらの特許文献は参照によりそれらの全体が本願明細書に引用されたものとする。
【0085】
種々の医薬としての特性または栄養補助特性を有するものなど種々のハーブもまた含まれていてもよい。ハーブは医薬としてまたは香味料として使用することができる一般に香りの強い植物または植物の一部である。適切なハーブは、単独で使用することもでき、種々の混合物として使用することもできる。例としては、エキナセア、ヒドラスチス、キンセンカ、アロエ、赤根草、グレープフルーツ種子抽出液、ブラックコホッシュ、クランベリー、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、月見草油、ヨヒンベ樹皮、緑茶、マカ、ビルベリー、ルテイン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0086】
使用することができるフレーバー剤としては、天然香味料および人工香味料などの当業者に公知の香味料が挙げられる。これらの香味料は、合成物の香味料オイルおよび矯味矯臭性芳香薬(flavoring aromatics)および/または矯味矯臭性オイル、含油樹脂ならびに植物、葉、花、果実などから誘導される抽出液、ならびにこれらの組合せから選択することができる。非限定的な代表的な香味料オイルとしては、スペアミント油、桂皮油、冬緑油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、丁子油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、シーダーの葉の油、ナツメグの油、オールスパイス、セージの油、メース、ビターアーモンドの油、およびカシア油が挙げられる。また、有用な香味料は、人工物、天然物および合成物の果実フレーバー(バニラなど)、および柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツが挙げられる)、ならびに果実精(リンゴ、西洋ナシ、桃、ブドウ、ブルーベリー、いちご、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、ホンアンズなどが挙げられる)である。これらの着香料は、液体または固体の形態で使用することができ、かつ個別にまたは混合物として使用することもできる。一般に使用される香味料としては、ミント(ペパーミントなど)、メントール、スペアミント、人工バニラ、桂皮誘導体、および種々の果実香味料が挙げられ、これらは個別にまたは混合物として用いることができる。香味料は口臭消臭特性をも提供する。本願明細書以下に記載する冷感剤と組合せて使用する場合のミント香味料は特にそうである。
【0087】
アルデヒドおよびエステル(酢酸シンナミル、桂皮アルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル(dihydrocarvyl acetate)、ギ酸オイゲニル、p−メチルアニソールなどが挙げられる他の有用な 香味料が使用できる。一般に、全米科学アカデミーによるChemicals Used in Food Processing,刊行物1274,63−258頁に記載されるものなどの任意の香味料または食品添加物を使用することができる。この刊行物は、参照により本願明細書に引用されたものとする。これには、天然の香味料および合成物の香味料を含めることができる。
【0088】
アルデヒド香味料のさらなる例としては、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(甘草、アニス)、桂皮アルデヒド(桂皮)、シトラール、すなわちα−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミル桂皮アルデヒド(香ばしい果実フレーバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性物(modifies)、多種)、デカナール(柑橘類の果実)、アルデヒドC−8(柑橘類の果実)、アルデヒドC−9(柑橘類の果実)、アルデヒドC−12(柑橘類の果実)、2−エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキセナール、すなわちtrans−2(液果類)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわちメロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(熟していない果実)、および2−ドデセナール(柑橘類、マンダリンミカン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、イチゴのショートケーキ、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
使用する甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然に存在する水溶性甘味料から誘導された水溶性甘味料、ジペプチドベースの甘味料、およびタンパク質ベースの甘味料ならびにこれらの混合物を含む幅広い範囲の材料から選択することができる。特定の甘味料に限定されることなく、代表的な範疇および具体例としては、
(a)ジヒドロカルコン類、モネリン、ステビオシド、グリシルリジン、ジヒドロフラベノール(dihydroflavenol)、糖アルコール(ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、イソマルト(isomalt)など)、ならびにL−アミノジカルボン酸 アミノアルケン酸 エステルアミド(例えば、米国特許第4,619,834号明細書に開示されているもの。この特許文献の開示は参照により本願明細書に引用されたものとする)、ならびにこれらの混合物などの、水溶性甘味剤、
(b)可溶性サッカリン塩、すなわちサッカリンナトリウム塩またはサッカリンカルシウム塩、チクロ塩、アセサルフェーム塩(3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩もしくはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセサルフェーム−K)など)、サッカリンの遊離酸形態、ならびにこれらの混合物などの水溶性人工甘味料、
(c)L−アスパラギン酸由来の甘味料(L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)および米国特許第3,492,131号に記載されている物質)、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、ネオテーム、ならびにこれらの混合物など)のようなジペプチドベースの甘味料、
(d)天然に存在する水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料(例えばステビオシド、通常の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体(例えば、スクラロースの製品名で公知であるクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などのクロロデオキシ糖誘導体)(クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体としては、1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、または4,1’−ジクロロ−4、1’−ジデオキシガラクトスクロース:1’,6’−ジクロロ1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;および4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、ならびにこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない))、
(e)タウマッコスダニエリ(thaumaoccous danielli)(タウマチンIおよびII)、タリンなどのタンパク質ベースの甘味料、ならびに
(f)アミノ酸ベースの甘味料、が挙げられる。
【0090】
強力な甘味剤は甘さの初期のバーストおよび/または長期の甘さの感覚を提供するための当該分野で周知の多くの特徴ある物理的形態で使用することができる。限定されるわけではないが、かかる物理的形態としては、遊離形態(スプレードライ形態、粉末化形態、ビーズ化形態など)、封入された形態、およびこれらの混合形態が挙げられる。一実施形態において、甘味料は、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、およびアセサルフェームカリウム(Acc−K)などの強力甘味料である。
【0091】
上記送達システムの一部である活性成分(例えば甘味料)は、活性成分の使用に関連する所望の効果(例えば甘さ)を賦与するのに必要な量で使用することができる。送達システム中にそれらが存在することに関して、活性成分は、送達システムの全重量に基づいて約1重量%〜70重量%(5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、ならびにそれらの間のすべての値および範囲、例えば、送達システムの全重量に基づいて約10重量%〜40重量%)の量で存在することができる。通常の食用組成物(チューインガム組成物、菓子組成物および飲料組成物が挙げられる)に対しては、甘味料は、食用組成物の全重量に基づいて約0.1重量%〜6重量%(0.5重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%ならびにそれらの間のすべての値および部分的な範囲、例えば、0.5重量%〜3重量%)の量で存在することができる。特に活性成分が甘味料である場合は、活性成分も、所望の放出プロフィールに応じて遊離形態で食用組成物中に存在することができる。
【0092】
別の態様において、本発明の送達システムおよびこの送達システムを収容するのに適した量の担体を含む食用組成物の製造方法が提供される。本願明細書において使用する場合の「担体」との用語は、経口的に許容できるビヒクル(送達システムと混合することができるがヒトを含めた温血動物に害を与えないチューインガム組成物の可溶性成分および不溶性成分など)をいう。この担体は、送達システムとの顕著な相互作用なく混合することができる組成物の成分をさらに含む。
【0093】
一実施形態において、食用組成物は、活性成分の長期放出(例えば通常は少なくとも15分)を有するチューインガム組成物である。チューインガム組成物は、チューインガムベース、ならびに封入材料および少なくとも1つの封入された活性成分(例えば、甘味料またはフレーバー剤など)を含む本発明の送達システムを含む。この送達システムは、チューインガム組成物の全重量に基づいて約0.2重量%〜10重量%(0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%、3.0重量%、4.0重量%、5.0重量%、6.0重量%、7.0重量%、8.0重量%、9.0重量%、ならびにそれらの間のすべての値および部分的な範囲、例えば、約1重量%〜5重量%を含む)の量で存在する。
【0094】
本発明は、当該分野で公知のチューインガム組成物を調製するための種々のプロセスに組み込むことができる。かかるチューインガム組成物は、チューインガム製品を作製するために通常使用される種々の異なる処方物であってもよく、かつそれを含むことができる。通常は、チューインガム組成物は、実質的に水を含まず、水不溶性であるチュワブルタイプのガムベース部分と、水溶性のバルク部分とを含む。
【0095】
水溶性部分は、一般に、噛んでいる間にガムベース部分から放出される。ガムベース部分は、噛んでいる間ずっと口の中に保持される。水不溶性ガムベースは、一般にエラストマー、エラストマー溶媒、可塑剤、ろう、乳化剤、および無機充填剤を含む。ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックポリマーも含まれ、これらはいくらか可塑剤としても挙動する。使用することができる他のプラスチックポリマーとしては、ポリラウリル酸ビニル、架橋されたポリビニルピロリドンおよびポリヒドロキシアルカノエートが挙げられる。
【0096】
エラストマーは、ガムベースの約5重量%〜95重量%を構成してもよい。別の実施形態において、エラストマーはガムベースの約10重量%〜70重量%を構成してもよく、別の実施形態においては、ガムベースの15重量%〜45重量%を構成してもよい。エラストマーの例としては、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルなどの合成エラストマーが挙げられる。エラストマーとしては、天然ゴムならびに天然ガム(ジェルトン、レチカスピ(lechi caspi)、ペリロ(perillo)、マッサランドババラタ(massaranduba balata)、チクル、グッタハングカング(gutta hang kang)またはこれらの組合せなど)のような天然エラストマーも挙げることができる。他のエラストマーは当業者に公知である。
【0097】
エラストマー可塑剤は、ガムベースにおいて使用された場合には、完成したガムの堅さを改変する。エラストマー可塑剤は、通常、ガムベースの75重量%までの量で存在する。別の実施形態では、エラストマー可塑剤は、ガムベースの約5重量%〜45重量%の量で存在し、別の実施形態ではガムベースの約10重量%〜30重量%の量で存在する。エラストマー可塑剤の例としては、部分水素化ロジンのグリセロールエステル、トールオイルロジンのグリセロールエステル、部分水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジンのメチルエステルおよびロジンの部分水素化メチルエステルなどの天然のロジンエステルが挙げられる。テルペン樹脂などの合成エラストマー可塑剤もまたガムベース組成物において用いることができる。
【0098】
ろうとしては、ポリエチレン、蜜ろう、カルナウバろうなどの合成ろうおよび天然のろうが挙げられる。パラフィンなどの石油ろうもまた使用することができる。このろうは、ガムベースの30重量%までの量で存在することができる。ろうは完成したガムの硬化を促進し、香味料の放出を改善するのを助け、さらには製品の保存期間を延ばす可能性もある。
【0099】
エラストマー溶媒は、たいてい、テルペン樹脂などの樹脂である。軟化剤と呼ばれることもある可塑剤は、通常、脂肪およびオイルであり、獣脂、水素化植物油、およびカカオバターを挙げることができる。
【0100】
ガムベースは、通常、充填剤成分をも含むことができる。この充填剤成分はガムベースの質感を改変し、加工を助ける。かかる充填剤の例としては、ケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルミニウム、粘土、アルミナ、タルク、酸化チタン、セルロースポリマーなどが挙げられる。充填剤は、通常、は1重量%〜60重量%の量で存在する。
【0101】
可塑性をも有することもある乳化剤としては、グリセロールモノステアレート、レシチン、および三酢酸グリセロールが挙げられる。さらに、ガムベースは酸化防止剤、色素、および香味料などの任意の成分をも含んでいてもよい。
【0102】
不溶性ガムベースはチューインガムの約5重量%〜95重量%の量で存在することができる。一実施形態では、不溶性ガムベースはガムベースの約10重量%〜50重量%の量で存在することができ、別の実施形態では、ガムベースの約20重量%〜40重量%の量で存在することができる。
【0103】
軟化剤は、ガムの咀嚼性(chewability)および口当たりを最適化するためにチューインガムに加えられる。当該分野で可塑剤または可塑性の薬剤としても公知の軟化剤は、一般に、チューインガム組成物の全重量に基づいて約0.5重量%〜15重量%の量で存在する。本発明が想定する軟化剤としては、例えば、レシチンが挙げられる。さらに、ソルビトール、水素化デンプン加水分解物、コーンシロップ、およびこれらの組合せを含むものなどの甘味料水溶液は、ガムにおいて軟化剤および結合剤として使用することができる。
【0104】
チューインガム組成物はコーティングされていてもコーティングされていなくてもよく、かつ平板、棒、ペレット、ボールなどの形態であってもよい。チューインガム組成物の様々な形態の組成物は類似しているであろうが、成分の比に応じて様々な形態をとってよい。例えば、コーティングされたガム組成物は低割合(%)の軟化剤を含んでいてよい。ペレットおよびボールは小さいチューインガムのコアを有し、このコアはさらに糖類溶液または無糖溶液のいずれかでコーティングされ、硬質シェルを形成する。平板および棒は、通常、チューインガムコアよりも質感が軟質であるように処方される。
【0105】
チューインガム組成物の一態様によれば、上記送達システムはチューインガム組成物の製造中に添加される。本発明の別の態様において、上記送達システムは最後のステップの1つとして、例えば、チューインガム組成物の形成における最後のステップとして添加される。
【0106】
このプロセス改変によって、送達システムがガムベースと直接混合される場合に起こるかも知れないような、ガム組成物中での送達システムの物質的な結合を引き起こすことなく、送達システムがそのガム組成物に組み込まれると出願人らは判断した。このように、送達システムは、ガム組成物内にゆるく含有されるに過ぎないが、通常の噛む動作の間にガム組成物から活性成分をより効果的に放出することができる。このように、送達システムの材料部分はガムベース、およびチューインガムの対応する成分を含まない。
【0107】
ガム用の成分の混合の異なる段階に送達システムを組み込むことは、異なる送達速度(例えば早期および後期)を提供するために使用することができ、従ってこの製造プロセスはそれに応じて調整することができる。
【0108】
チューインガム組成物についてコーティングを施すためのコーティング技法(例えば、パンコーティングおよびスプレーコーティング)は周知である。一実施形態において、硬質のキャンディ層を作るように構成されている溶液でのコーティングを使用することができる。糖類および糖アルコールはともに、強力甘味料、着色剤、フレーバー剤および結合剤とともにこの目的のために使用することができる。
【0109】
他の成分が少量でコーティング用シロップに加えられてもよく、この他の成分としては、吸湿性化合物、固着防止化合物、分散剤および膜形成剤が挙げられる。コーティング用シロップで使用するのに適した吸湿性化合物としては、マンニトールまたはリン酸二カルシウムが挙げられる。固着防止化合物は充填剤としての機能をもはたすことができ、有用な固着防止化合物としてはタルク、三ケイ酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムが挙げられる。これらの成分は、そのシロップの約0.5重量%〜5重量%の量で用いることができる。コーティング用シロップに用いることができる分散剤の例としては、二酸化チタン、タルクまたは上で示した他の固着防止化合物が挙げられる。
【0110】
このコーティング用シロップは、通常は加熱され、その一部がコアの上に堆積される。通常は、コーティング用シロップの1回の堆積では所望量または所望の厚みのコーティングをもたらすには十分ではなく、コーティング用シロップの第2、第3、またはそれ以上のコーティングが施され、各層をコーティング間で乾燥させながら、コーティングの重量および厚みが所望のレベルまで高められる。
【0111】
チューインガム組成物の調製方法は、本発明の送達システムを含む種々のチューインガム成分を当該分野で公知の任意の市販のミキサに逐次的に加えることにより提供される。成分が完全に混合されたあと、ガムベースはミキサから排出され、そして例えばシート状に巻いて棒状に切るか、塊(chunk)へと押出し成形するか、またはペレット状に成形する(casing)ことにより、所望の形態に成形される。
【0112】
一般に、この成分はまず、ガムベースを融解させそれを稼働中のミキサに加えることにより混合される。この基礎剤はまたミキサ自体の中で融解させることもできる。色素または乳化剤はこのときに加えてもよい。このとき、シロップおよび一部の増量剤とともに軟化剤をミキサに加えることができる。さらに一部の増量剤は後にミキサに加えられる。フレーバー剤は、通常は、増量剤の最後の部分とともに加えられる。最後に、所定の引張り強さを示す送達システムが、生成した混合物に加えられる。他の随意の成分は、当業者に周知の通常のやり方ではバッチ式で加えられる。
【0113】
この混合手順全体は、通常、5〜15分かけて行われるが、より長い混合時間が必要とされる場合がある。上述の手順の多くのバリエーションに従ってもよいことを当業者は認識している。
【0114】
成分が混合された後、ガムの塊は種々の形状および製品へと成形することができる。例えば、この成分はペレットまたはボールへと成形することができ、コーティングされたチューインガム製品を作製するためのコアとして使用することができる。しかしながら、任意の種類のチューインガム製品が本発明とともに利用することができる。
【0115】
コーティングされた製品が所望される場合、コーティングはフレーバー剤、人工甘味料、分散剤、着色剤、膜形成剤および結合剤などの成分を含んでいてもよい。本発明で想定されるフレーバー剤としては、精油、合成香味料、またはその混合物などの一般に当該分野で公知のものが挙げられ、具体的には植物および果実から誘導されるオイル(柑橘油、果実精、ペパーミント油、スペアミント油、他のハッカ油、丁子油、冬緑油、アニスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。フレーバー剤は、コーティングが約0.2重量%〜1.2重量%の着香料の量で存在するような量で、コーティング用シロップに加えられてもよい。別の実施形態では、コーティングは約0.7重量%〜1.0重量%の着香料の量で存在してもよく、これがより好ましい。
【0116】
分散剤は、たいてい、白くするためおよび粘着性低下を目的としてシロップコーティングに加えられる。本発明においてコーティング用シロップで用いられることが想定されている分散剤としては、二酸化チタン、タルク、または任意の他の固着防止化合物が挙げられる。この分散剤はコーティングが約0.1重量%〜1.0重量%(0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%ならびにそれらの間のすべての値および範囲、例えば、約0.3重量%〜0.6重量%を含む)のその薬剤を含むような量でコーティング用シロップに加えられてよい。
【0117】
着色剤は、色素またはレーキの形態でコーティング用シロップに直接加えることができる。本発明が想定する着色剤としては食品品質の色素が挙げられる。膜形成剤はコーティング用シロップに加えることができ、例としてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどまたはこれらの組合せを挙げることができる。結合剤は、チューインガム中心への最初のコーティングとして添加されてもよく、またはコーティング用シロップに直接添加されてもよい。本発明が想定する結合剤としては、アラビアガム、タルハガム(gum talha)、ゼラチン、植物ガムなどが挙げられる。コーティング用シロップに加えられる場合、結合剤は通常、約0.5重量%〜10重量%の量で加えられる。
【0118】
本発明はさらに、本発明の送達システムを含む菓子組成物を包含する。菓子組成物としては、例えば圧縮錠剤(ミント菓子など)、ハードボイルドキャンディ、チョコレート、チョコレート含有製品、棒状にした栄養物(nutrient bar)、ヌガー、ゲル、中心部充填型の糖菓、フォンダン、パンニング品(panning goods)、消耗薄膜および菓子組成物として一般に受け入れられている定義内に入る他の組成物が挙げられる。
【0119】
圧縮錠剤(ミント菓子など)の形態の菓子組成物は、一般に、細かく篩い分けした糖類または糖類代替物、着香料(例えばペパーミント香味料)、増量剤(アラビアガムなど)、および随意の着色剤を混合することにより作製することができる。着香料、増量剤は混合され、次いで徐々に糖類または糖類代替物が、必要に応じて着色剤とともに加えられる。
【0120】
次いで製品は所望のメッシュサイズ(例えば12メッシュ)の篩(seize)を通すことにより顆粒化され、通常は約55℃〜60℃の温度で乾燥される。生成した粉末は大きいサイズのパンチを備えた打錠機に供給され、生成したペレットは顆粒に砕かれ、次いで圧縮される。
【0121】
ハード(high)ボイルドキャンディは通常、糖類または糖類代替物、グルコース、水、着香料および随意の着色剤を含有する。この糖類は水に溶解され、次いでグルコースが添加される。この混合物は、煮沸される。この生成した液体にはこれまでに着色剤が添加されていてもよく、この生成した液体はオイルを塗った平板の上に注がれ、冷却される。着香料が次いで加えられ、冷却した塊へと混錬される。次いで、生成した混合物は当該分野で公知のドロップローラー(drop roller)アセンブリに供給され、最終のキャンディ形状に成形される。
【0122】
ヌガー組成物は通常、2つの主要成分、ハード(high)ボイルドキャンディおよびフラッペを含む。例として、卵の卵白またはその代替物は水と合わされ、泡立てられてふんわりした泡沫が形成される。糖類およびグルコースが水に加えられ、通常は約130℃〜140℃の温度で煮沸され、生成した煮沸した製品は混合機に注ぎ込まれ、クリーム状になるまでホイップされる。
【0123】
ホイップした卵白および着香料はクリーム状製品と合わされ、この合わせた物はその後徹底的に混合される。
【0124】
菓子組成物の調製に関するさらなる詳細は、SkuseのComplete Confectioner(第13版)(1957)の41−71頁、133−144頁、および255−262頁;ならびにSugar Confectionery Manufacture(第2版)(1995),E.B.Jackson編集,129−168頁、169−188頁、189−216頁、218−234頁、および236−258頁に見出すことができる。これらの文献の各々は、参照により本願明細書に引用されたものとする。
【0125】
特に明記した場合を除き、本発明にかかる組成物中へ導入される成分の量は、組成物の全重量に基づく重量%として示す。
【実施例】
【0126】
以下に示すものは、本願明細書に記載する方法に従って加工することができるシステムの実施例である。各実施例において、操作の温度範囲、押出機の種類および押出機が運転される速度を説明する。
【0127】
(実施例1:中分子量PVA(MW≒35,000−45,000)を使用するスクラロースの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にPVAを加えた。この押出機を、60〜110℃の温度範囲で運転した。この加工の温度を、封入されるスクラロースの顕著な分解を回避するためにできるだけ低く保持することが好ましい。混合ゾーン4において脂肪をこの押出機に加え、スクラロースを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表1】


【0128】
かかる処方物のさらなる実施例において、このポリ酢酸ビニルは、例えば80−90%および87−95%の量で加えることができる。脂肪は、例えば1−10%および3−5%の量で加えることができ、スクラロースは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0129】
(実施例2:高分子量PVA(MW≒80,000−100,000)を使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にPVAを加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表2】

【0130】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ酢酸ビニルは、例えば60−70%および65−75%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−5%および3.5−4%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1−3%および1.25−2%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0131】
(実施例3:高分子量PVA(MW≒80,000−100,000)を使用するアセサルフェームKの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にPVAを加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アセサルフェームKを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表3】

【0132】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ酢酸ビニルは、例えば60−75%および65−70%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−4%および2−3.75%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1−4%および2−3%の量で加えることができ、アセサルフェームKは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0133】
(実施例4:低分子量PVA(MW≒10,000−15,000)を使用するネオテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にPVAを加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、ネオテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表4】

【0134】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ酢酸ビニルは、例えば85−94%および87−90%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−4%および2−3%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1−5%および2−3.5%の量で加えることができ、ネオテームは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0135】
(実施例5:ポリ(メタクリル酸メチル)を使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にポリ(メタクリル酸メチル)を加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表5】

【0136】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ(メタクリル酸メチル)は、例えば57−70%および60−65%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−5%および2−3.7%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1.25−5%および2−4%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0137】
(実施例6:ポリ(メタクリル酸エチル)を使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約100〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にポリ(メタクリル酸エチル)を加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表6】

【0138】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ(メタクリル酸エチル)は、例えば57−70%および60−65%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−5%および2−3.7%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1.25−5%および2−4%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0139】
(実施例7:ポリエチレンを使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約85〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にポリエチレンを加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表7】

【0140】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリエチレンは、例えば57−67%および60−65%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−5%および2−3.7%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1−5%および2−4%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば、10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0141】
(実施例8:ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)(7.5%VA)を使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約85〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)(7.5%VA)を加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表8】

【0142】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)(7.5%VA)は、例えば57−67%および60−65%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−3.75%および2−3%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1.25−4%および2−3%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば10−30%および15−25%の量で加えることができる。
【0143】
(実施例9:ポリ(酢酸ビニル−co−ビニルピロリドン)を使用するアスパルテームの封入)
図1に示す混合ゾーン1において約85〜約400RPMの送り速度で運転される二軸押出機にポリ(酢酸ビニル−co−ビニルピロリドン)を加えた。この押出機を、60〜140℃の温度範囲で運転した。混合ゾーン4において脂肪およびグリセロールモノステアレートをこの押出機に加え、アスパルテームを図1に示す混合ゾーン6に加えた。これらの成分を、1時間あたり10〜1500lb(約4.5〜約680kg)の範囲の流量で加えた。
【表9】

【0144】
かかる処方物のさらなる実施例において、ポリ(酢酸ビニル−co−ビニルピロリドン)は、例えば67−80%および70−75%の量で加えることができ、脂肪は、例えば1−4%および2−3%の量で加えることができ、グリセロールモノステアレートは、例えば1.25−4.5%および2−3.75%の量で加えることができ、アスパルテームは、例えば15−40%および20−30%の量で加えることができる。
【0145】
明らかに、上記の教示を参酌すれば本発明の多くの改変およびバリエーションが可能である。それゆえ、添付の特許請求の範囲の範囲内で、具体的に本願明細書に記載されたものとは別の態様で本発明が実施されてもよいことを理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】送達システムを製造するための方法および装置の一実施形態を示す略立面図である。
【図2】随意の要素を含めて、送達を製造するための方法および装置の別の実施形態を示す略立面図である。
【図3】送達を製造するための方法および装置の別の実施形態を示す略立面図である。
【図4】送達システムを製造するための方法および装置の別の実施形態を示す略立面図である。
【図5】送達システムを製造するための方法および装置の別の実施形態を示す略立面図である。
【図6】送達システムを製造するための方法および装置の別の実施形態を示す略立面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封入材料に封入された少なくとも1つの活性成分を含む送達システムの製造方法であって、
前記封入材料および前記少なくとも1つの活性成分を連続ミキサに加えるステップと、
前記少なくとも1つの活性成分が前記封入材料によって少なくとも部分的に封入されるように前記封入材料を前記少なくとも1つの活性成分と混合するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの活性成分が前記封入材料によって完全に封入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記封入材料の温度が前記少なくとも1つの活性成分の分解を最少にするための温度に維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに、脂肪、乳化剤、可塑剤、軟化剤、低分子量ポリマー、高分子量ポリマー、ろうおよびこれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の成分を第1の運搬領域へと供給するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部を前記封入材料とともに前記連続ミキサに加えるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
製造された前記送達システムが少なくとも約6,500psi(約44.8MPa)の引張り強さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
製造された前記送達システムが少なくとも約10,000psi(約68.9MPa)の引張り強さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
製造された前記送達システムが少なくとも約20,000psi(約137.9MPa)の引張り強さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも2つの活性成分が前記連続ミキサに加えられる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
封入材料が、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋されたポリビニルピロリドン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチルおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記封入材料が、前記送達システムの全重量に基づいて約30重量%〜99重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記封入材料が前記送達システムの全重量に基づいて約60重量%〜90重量%の量で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの活性成分が、甘味料、酸、フレーバー剤、医薬品、治療薬、ビタミン、ミネラル、口臭消臭剤、歯面漂白剤、歯磨材、加温剤、冷・温感剤、冷感剤およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの活性成分が甘味料である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの活性成分が酸または香味料である、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの活性成分が冷感剤である、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
さらに、前記封入材料に対する前記少なくとも1つの活性成分の混和性ほどには前記封入材料と混和性ではないコーティング材料で、前記少なくとも1つの活性成分をコーティングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法によって製造される送達システム。
【請求項19】
食用組成物の製造方法であって、請求項18に記載の製造される送達システムを少なくとも1つの食用組成物形成成分と混合して食用組成物を製造するステップを含む、方法。
【請求項20】
前記食用組成物が、食品、医薬組成物、食材、栄養物含有組成物、ビタミン、栄養補助食品、およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記食用組成物が菓子類である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記食用組成物がチューインガムである、請求項0に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも2つの送達システムが前記少なくとも1つの食用成分と混合される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも2つの送達システムが前記封入された活性成分の異なる放出速度をもたらす、請求項3に記載の方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法によって製造される食用組成物。
【請求項26】
封入材料に封入された少なくとも1つの活性成分を含む送達システムの製造方法であって、
前記封入材料および前記少なくとも1つの活性成分を連続ミキサに供給するステップであって、前記連続ミキサは少なくとも第1の運搬領域および第2の運搬領域ならびに前記少なくとも第1の運搬領域と第2の運搬領域との間の混合領域を備え、前記第1の運搬領域は前記連続ミキサ中で前記第2の運搬領域から上流にあり、前記封入材料の少なくとも一部は第1の運搬領域に供給され、前記少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部は、前記混合領域にて、または前記混合領域の上流ではあるが前記封入材料が前記連続ミキサに供給される場所の下流である位置に供給されるステップと、
前記封入材料および少なくとも1つの活性成分を前記混合領域中で混合するステップと、
前記封入材料および前記少なくとも1つの活性成分を前記第2の運搬領域を経由して運搬し送達システムを製造するステップと、
を含む方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの活性成分が前記封入材料に少なくとも部分的に封入される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの活性成分が前記封入材料によって完全に封入される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記封入材料の温度が前記少なくとも1つの活性成分の分解を最少にするための温度に維持される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前記少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部を、前記第1の運搬領域、前記混合領域、前記第2の運搬領域、およびこれらの組合せからなる群から選択される追加的な位置で前記連続ミキサに供給するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部がサイドフィーダーによって前記連続ミキサへと供給される、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
さらに、脂肪、乳化剤、可塑剤、軟化剤、低分子量ポリマー、高分子量ポリマー、ろうおよびこれらの組合せからなる群から選択される1つ以上の成分を前記第1の運搬領域へと供給するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
さらに、前記少なくとも1つの活性成分の少なくとも一部を前記封入材料とともに前記連続ミキサへと供給するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の運搬領域が2種以上の運搬要素を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記混合領域の遠位の前記運搬要素が、前記混合領域の近位の前記運搬要素よりも小さいピッチを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の運搬領域が2種以上の運搬要素を備える、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
前記混合領域の近位の前記運搬要素が、前記混合領域の遠位の前記運搬要素よりも大きいピッチを備える、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記連続ミキサがさらに前記第2の運搬領域の後にポンプを備える、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
製造された前記送達システムが少なくとも約6,500psi(約44.8MPa)の引張り強さを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
製造された前記送達システムが少なくとも約10,000psi(約68.9MPa)の引張り強さを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも2つの活性成分が前記連続ミキサに供給される、請求項26に記載の方法。
【請求項42】
前記封入材料が、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、架橋されたポリビニルピロリドン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチルセルロース、ポリ酢酸ビニルフタレート、ポリエチレングリコールエステル、メタクリル酸−co−メタクリル酸メチルおよびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
前記封入材料が、前記送達システムの全重量に基づいて約30重量%〜99重量%の量で存在する、請求項26に記載の方法。
【請求項44】
前記封入材料が前記送達システムの全重量に基づいて約60重量%〜90重量%の量で存在する、請求項26に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1つの活性成分が、甘味料、酸、フレーバー剤、医薬品、治療薬、ビタミン、ミネラル、口臭消臭剤、歯面漂白剤、歯磨材、加温剤、冷・温感剤、冷感剤およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの活性成分が甘味料である、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記少なくとも1つの活性成分が酸または香味料である、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記少なくとも1つの活性成分が冷感剤である、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
さらに、前記封入材料に対する前記少なくとも1つの活性成分の混和性ほどには前記封入材料と混和性ではないコーティング材料で、前記少なくとも1つの活性成分をコーティングするステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項50】
請求項26に記載の方法によって製造される送達システム。
【請求項51】
食用組成物の製造方法であって、請求項50に記載の送達システムを少なくとも1つの食用組成物形成成分と混合して食用組成物を製造するステップを含む、方法。
【請求項52】
前記食用組成物が、食品、医薬組成物、食材、栄養物含有組成物、ビタミン、栄養補助食品およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記食用組成物が菓子類である、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記食用組成物がチューインガムである、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
少なくとも2つの送達システムが前記少なくとも1つの食用成分と混合される、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも2つの送達システムが前記封入された活性成分の異なる放出速度をもたらす、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
請求項51に記載の方法によって製造される食用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−540864(P2009−540864A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518407(P2009−518407)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/062430
【国際公開番号】WO2008/002691
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(503267283)キャドバリー・アダムズ・ユーエスエイ・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】