説明

飲料を作るためのシステム、方法及びカプセル

本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムにおいて、該システムは、交換可能なカプセルと、該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに加圧下で供給するための流体分配デバイスとを備える器具とを備え、該交換可能なカプセルは、外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において該外周壁を閉じる蓋とを備え、該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、該底は、入口領域を備え、該システムは、飲料を作るために抽出可能な製品に流体を供給するように、該流体分配デバイスを該入口領域と流体連絡させるように配置されており、該蓋は出口領域を備え、該システムは、作られた飲料をカプセルから排出して、飲料を容器例えばカップに供給するように、使用中に、該出口領域と流体連絡している出口を備え、該収容器は、作られた飲料をカプセルから該出口領域を通して排出するように配置されており、該カプセルは、追加の剛性を与えるために内部空間の方へ延在する少なくとも1の追加の壁要素を備えている、前記システムに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムにおいて、
該システムは、
交換可能なカプセルと、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに加圧下で供給するための流体分配デバイスとを備える器具
とを備え、
該交換可能なカプセルは、外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において該外周壁を閉じる蓋とを備え、該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、
該底は、入口領域を備え、該システムは、飲料を作るために抽出可能な製品に流体を供給するように、該流体分配デバイスを該入口領域と流体連絡させるように配置されており、
該蓋は出口領域を備え、
該システムは、作られた飲料をカプセルから排出して、飲料を容器例えばカップに供給するように、使用中に、該出口領域と流体連絡している出口を備える。
【0002】
そのようなシステムは自体公知である。そのようなシステムのカプセルは実質的に柔らかな壁を有し得、そうすることにより、カプセルを環境の影響に対して影響されやすくする。例えば、該カプセルは、輸送、取り扱い及び/又は使用の間に損傷される及び/又は変形される可能性がある。また、例えば流体圧力の影響下での使用の間の変形の故に、作られた飲料の再現性は劣る可能性がある。
【0003】
上記のシステムを改良すること、より具体的には、上記の問題の少なくとも1を減少させることが本発明の目的である。
【0004】
それに加えて、本発明に従うと、
交換可能なカプセルと、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに加圧下で供給するための流体分配デバイスとを備える器具
とを備え、
該交換可能なカプセルは、外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において該外周壁を閉じる蓋とを備え、
該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、
該底は、入口領域を備え、該システムは、飲料を作るために抽出可能な製品に流体を供給するように、流体分配デバイスを該入口領域と流体連絡するように配置されており、
該蓋は、出口領域を備え、該システムは、作られた飲料をカプセルから排出して、飲料を容器例えばカップに供給するように、使用中に、該出口領域と流体連絡している出口を備え、
該カプセルは、追加の堅さを与えるために内部空間の方へ延在する少なくとも1の追加の壁要素を備えるところの、
抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムが提供される。
【0005】
カプセルの内部空間の方へ延在する、追加の壁要素をカプセルに与えることにより、該壁要素を備える壁は、追加的に強化され、そうすることにより、カプセルの取り扱い、使用及び/又は輸送の間の損傷及び/又は変形を減少させる。底は、追加の壁要素を備え得及び/又は蓋は追加の壁要素を備え得、及び/又は外周壁は追加の壁要素を備え得る。追加の壁要素によりカプセルに追加の剛性を与えることにより、カプセルは流体圧力の影響下でより低位に変形可能であり得るので、カプセルの再現性は改善し得る。
【0006】
実質的に堅い外周壁を与えることにより、カプセルは、実質的に柔らかなカプセルの代わりに実質的に堅いカプセルになる。実質的に堅いカプセルに追加の壁要素を与えることにより、実質的に堅いカプセルはより強化され得る。また、剛性は追加の壁要素によってもまた与えられるので、壁はより薄くなってもよい。
【0007】
カプセルの底から蓋へと延在する追加の壁要素を与えることにより、追加の壁要素は硬くするためのリブであり得る。リブは、カプセルに入る流動体にそれが例えば耐流動性をもまた与えるように構成され得、そうすることにより、カプセルにおける圧力上昇を助ける。特に、圧力が、相対的に最適な作られた飲料を与えるために十分に高くなるまでカプセルにおいて上昇し得る。また、作られた飲料の量は、再現性がより高くなり得る。
【0008】
実施態様において、リブは、カプセルに入る流体に耐流動性を与えるために、底から蓋へ次第に大きくなる断面を有するくさび型に構成されていてもよく、そうすることにより、カプセルにおいて、より制御された圧力の増加を与える。
【0009】
実施態様において、該追加の壁要素は、流体を底に入れるために、底と向き合う末端に穴を備える。また、追加の壁要素は、穴のあけられた面及び/又は多孔質の面を備えていてもよく、それを通して流体を入れる。追加の壁要素に、流体を入れるための開口部、例えば流体を通過させるための複数の開口部を与えることにより、流体は、カプセルの特定の領域に導かれ得る。圧力の上昇及び調理工程は、改善され得、より制御され得る。また、圧力上昇及び/又は作られた飲料の再現性は改善し得る。
【0010】
実施態様において、追加の壁要素は、カプセルの内部空間を2以上の区画に分割する。該区画は、追加の剛性及び/又は堅さをカプセルに与え得る。異なる区画は、異なる抽出可能な製品を、及び/又は抽出可能な製品の異なる組成物を、及び/又は抽出可能な製品の異なる圧縮物を含み得る。例えば、一つの区画は抽出可能な製品、例えば煎られかつ挽かれたコーヒーが入れられており、一つの区画は空のままである2つの区画が与えられ得る。このようにして、カプセルの外側の寸法はカプセルが収容器にほぼ嵌合するように与えられ得る。内部空間には、最適の圧縮における抽出可能な製品を含むのに十分大きな区画が与えられ得、最適な圧力上昇が得られ得る。
【0011】
さらなる実施態様において、種々の区画は種々の製品、例えば種々の抽出可能な製品、例えばコーヒー又は茶及び/又は種々の可溶性の製品、例えばミルク又はカカオを含み得る。例えば、一つの区画はコーヒーを含み、第二の区画は、アマレットを含み、第三の区画はクリームを含み得る。また、種々の区画は、煎られかつ挽かれたコーヒーの種々の混合物を含み得る。複数の区画における圧力の上昇は、例えば特に組み立てられた、作られた飲料を与えるのに異なっていてもよい。例えば、第一の区画における圧力は第二の区画における圧力より低いレベルにまで上昇され得、その結果、第一の区画における抽出可能な製品がまずカップに送られ、そして第二の区画における抽出可能な製品がカップに後で送られる。
【0012】
可溶性の製品を含む区画においては、可溶性の製品を最適に溶解させるために、区画の流れに乱れ例えば回転又は渦巻き又はさもなければ乱れを作るための撹拌装置又は乱すための装置が備えられてもよい。該乱すための装置は、例えばグリッド又は羽根又はらせん構造又は迷宮のような構造又は樹木のような構造又はさもなければ区画において流れをみだす構造であってもよい。該乱すための装置は、カプセルの軸方向に対して横の、例えば放射状及び/又は円周方向の、流れの速度の成分を課す少なくとも1の構造要素を好ましくは備え得る。例えば樹木状構造は、流れを乱す枝を有し得、区画に回転を作る。このようにして作られた回転は、多くの方向の速度成分を含む。例えば、羽根のような構造は、ほぼ、軸的に一つの方向に延在し得、そして放射方向に対してある角度で別の方向に延在し得、そうすることにより、可溶な製品をよりよく溶解させるために乱れを作るために軸方向に対して横の少なくとも1の速度成分を有する渦巻き又は回転を導入する。また、例えばカプセルの入口及び/又は出口に対して実質的に平行に配置されていてもよいグリッド状の構造は、渦巻き又は回転又はさもなければ非層流の及び/又は非線形の乱された流れを作る。そのような乱された流れは、入口から出口の軸方向の速度成分に加えて、多くの方向に速度成分を有し、従って、可溶製品を溶解させることが改善し得る。乱すための装置の多くの変形および配向が可能である。
【0013】
あるいは、及び/又は追加的に、可溶な製品を制限された方法でコーヒーと混合することにより、可溶な製品を溶解することもまた改善され得る。
【0014】
該追加の壁要素は、流体が通過することを許し、そしてカプセルにおける均一な圧力の上昇を許すが、抽出可能な製品がそこを通過することを防止するように、穴があけられており、及び/又は多孔質であってもよい。あるいは、例えばカプセルの異なる区画において異なる圧力が上昇されるときは、追加の壁要素は、流体及び抽出可能な製品がそこを通過することを防止するために不透過性であってもよい。
【0015】
好ましくは、出口領域は、作られた飲料が出口領域を通って排出することを許すために、穴があけられており及び/又は多孔質である出口フィルターを備えられる。有利には、出口フィルターは、生分解性の物質でできている。また、入口領域は、抽出可能な製品がカプセルの内部空間から入口領域を介して漏れることを防ぎ、かつ入口フィルターを流体が通過することを許すために、入口フィルターを備えられていてもよい。有利には、入口フィルターは、生分解性の物質でできていてもよい。また、カプセル及び/又は追加の壁要素もまた生分解性物質で作られていてもよい。
【0016】
実施態様において、少なくとも1の入口開口部を作り、該少なくとも1の入口開口部を通して流体を抽出可能な製品に供給するように、代替のカプセルの底を貫通することを意図された底貫通手段を、収容器は備え、該システムのカプセルの底は、入口フィルターであって、それを通して流体を抽出可能な製品に供給するための入口フィルターを備え、該入口フィルターは、システムのカプセルが底貫通手段により貫通されず、底が無傷のままであるように、使用中に底貫通手段から離して配置される。
【0017】
更なる実施態様において、少なくとも1の出口開口部を作り、該出口開口部を通って飲料が代替のカプセルから排出することができるように、カプセル中の流体及び/又は飲料の圧力の影響下で、蓋貫通手段に対して出口領域が十分に押されているときに、該代替のカプセルの出口フィルターを貫通することを意図された蓋貫通手段を収容器が備え、該システムのカプセルの出口領域は出口フィルターを備え、該出口フィルターを通って飲料はシステムのカプセルから排出し、該システムのカプセルは、使用中に蓋貫通手段により貫通されず、蓋は無傷のままである。
【0018】
実施態様において、流体分配デバイスは、約4〜20バール、好ましくは4.5〜18バール、より好ましくは5〜15バールの圧力下で、流体を交換可能なカプセルに供給するように配置されている。カプセル及び/又はカプセルの区画において相対的に高い圧力の上昇を与えることにより、カプセル内の圧力の上昇は、より制御可能であり、飲料はより再現性が高くなる。
【0019】
本発明は、追加の壁要素を有するカプセルにもまた関する。
【0020】
本発明は、本システムの器具を使用して飲料を作るために、追加の壁要素を有するカプセルを使用する方法にもまた関する。本発明は、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るための方法において、
外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において外周壁を閉じる蓋とを備え、該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲む交換可能なカプセルを用意すること、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに少なくとも4バールの圧力下で供給するための流体分配デバイスと、作られた飲料をカプセルから排出して、該飲料を容器例えばカップに供給するために、使用中に、カプセルと流体連絡している出口とを備える器具を用意すること、
流体を加圧下で抽出可能な製品に供給して飲料を作るために、蓋を有する該交換可能なカプセルを収容器の支持表面と当接して配置すること
を含み、
該カプセルは、追加の剛性を与えるために、内部空間へと延在する少なくとも1の追加の壁要素を備える、
上記方法にもまた関する。
【0021】
本発明は、図面に参照して、非制限的な実施例によりさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1a】本発明に従う第一の実施態様の例を示す。
【図1b】本発明に従う第二の実施態様の例を示す。
【図2】本発明に従うカプセルの第一の実施態様を示す。
【図3】本発明に従うカプセルの第二の実施態様を示す。
【図4a】本発明に従うカプセルの第三の実施態様を示す。
【図4b】本発明に従うカプセルの第三の実施態様を示す。
【発明を実施するための態様】
【0023】
本明細書において、同一及び対応する項目は同一又は対応する参照番号を有する。示された例示的な実施態様は、如何なる態様においても制限的であると解釈されるべきではなく、単に例として役立つのみである。
【0024】
図1aは、本発明に従う抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステム1の第一の実施態様の例を示す。システム1は交換可能な、開いているカプセル2と器具4とを備える。器具4は、交換可能なカプセル2を保持するための収容器6を備える。図1aにおいて、カプセル2と収容器6との間に明確性のために隙間が描かれている。使用中に、カプセル2は収容器6と接触していてもよいことが理解されるだろう。この実施例において、収容器6は、カプセル2の形状に対して相補的な形状を有する。この実施例において、容器6は上部8と支持表面10とを備える。
【0025】
器具4は、ある量の流体、例えば水、を高圧下で、例えば約4バール(絶対圧力)超の圧力で該交換可能なカプセル2に供給するために流体分配デバイス12をさらに備え得る。
【0026】
図1aに示されたシステム1において、交換可能なカプセル2は、実質的に堅い外周壁14と、第一の端部18において該外周壁を閉じる底16と、底16と反対側の第二の開放端部22において外周壁14を閉じる蓋20とを備える。外周の第一の壁14、底16、及び蓋20は、抽出可能な製品、この実施例においては煎られかつ挽かれたコーヒー、を容れる内部空間24を取り囲む。この実施例では交換可能なカプセル2は、一回分の飲料、好ましくはカップ一杯の飲料、例えば30〜200mlの作られた飲料を作るのに適するのに適するある量、例えば約5グラムの煎られかつ挽かれたコーヒーを含む。即ち、該交換可能なカプセルは、一回分のパックである。
【0027】
図1aの実施例において、外周の第一の壁14は、実質的に堅い。外周壁14は、例えばプラスチック物質を含み得、例えば射出成型、真空成型、熱形成などにより形成され得る。
【0028】
この実施例においては、底16は外周壁14と一体である。この実施例において、底16は、シートの形状であり、流体がカプセル2に入ることを許すように、複数の入口開口部26を備えている。
【0029】
この実施例において蓋20は、柔軟であり、シートの形状である。さらに、この実施例において蓋20は、多孔質である。蓋20は、この実施例においてフィルム層から製造される。この実施例において、フィルター層は、ポリエチレン(PE)繊維を含む。この実施例において、蓋20は熱封止により外周壁14に接続される。この実施例において、蓋20は、その軸方向においてカプセル2の最外郭の境界を形成する。図1aから、蓋20は収容器6の支持表面10と境界を接していることが見られることができる。
【0030】
図1aにおいて示されたシステム1はカップ一杯のコーヒーを作るために、以下のように操作される。
【0031】
カプセル2が、収容器6の中に置かれる。蓋20が支持表面10と接触させられる。流体、ここでは加圧下の熱湯、が入口開口部26を通って内部空間24における抽出可能な製品に供給される。水はコーヒーの挽かれたものを濡らし、所望される物質を抽出して、コーヒー飲料を形成する。作られたコーヒーは、多孔質の蓋20を通って、カプセル2から排出する。コーヒー飲料は、さらに収容器6から複数の出口28を介して排出され、容器30、例えばカップに供給され得る。
【0032】
図1aの実施例において、底16は、実質的に入口層32に亘って分布されている複数の入口開口部26を有する入口層32を備える。この実施例において、入口層32は、底16を形成する。入口層32は、例えば幅、断面及び/又は入口開口部26の入口層32上の分布により決定される、ある耐流動性を有する。
【0033】
図1aの実施例において、そこを通って、飲料、ここではコーヒー、が、カプセルから排出するところのカプセル2の出口領域を形成する蓋20は、出口層34を備える。この実施例において、出口層34は蓋20を形成する。この実施例において、出口層34は、多孔質のシート、例えばフィルター層又はフィルターペーパー、により形成される。この実施例において、蓋20全体が多孔質のシートの出口層34として形成される。この実施例において、蓋20は、実質的にカプセル2の第二の開放端部22全体に広がっている、実質的に連続している流体―透過性のシートを形成する。出口層34は、例えばフィルター層、例えばフィルターペーパーの多孔性及び/又は透過性により決定されるある耐流動性を有する。
【0034】
飲料がカプセル2から出口層20を介して排出する前に、カプセル2における圧力の上昇を可能にするために、出口層34の耐流動性は入口層32の耐流動性より高い。カプセル2における圧力上昇の故に、カプセル2における圧力は、熱湯がカプセル2に供給される圧力より高くなる。カプセル2におけるより高い圧力は、調理工程にとって有利であり、よりよい飲料を与える。また、熱湯がカプセル2にあって、抽出可能な製品から飲料を抽出する時間は、大きくなり、即ちよりよい飲料をもたらし得る。また、システム1を損傷させ得、及び/又は調理工程に不利であり得るところの、カプセルの上流での圧力の上昇が防げられ得る。
【0035】
図1bは、抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るための、本発明に従うシステム1の第二の実施態様の例を示す。システム1は交換可能なカプセル2と器具4とを備える。器具4は、交換可能なカプセル2を保持するための収容器6を備える。この実施例において、収容器6は、カプセル2の形状に相補的な形状を有する。図1bにおいて、カプセル2と収容器6との間に明確性のために隙間が描かれている。使用中に、カプセル2は収容器6と接触していてもよいことが理解されるだろう。器具4は、ある量の流体、例えば水、を加圧下で交換可能なカプセル2に供給するための流体分配デバイス12をさらに備える。
【0036】
図1bに示されるシステム1において、交換可能なカプセル2は、外周壁14と、第一の端部18において該外周壁14を閉じる底16と、該底16と反対側の第二の端部22において外周壁14を閉じる蓋20とを備える。外周壁14、底16、及び蓋20は、抽出可能な製品を容れる内部空間24を取り囲む。この実施例では交換可能なカプセル2は、一回分の飲料、好ましくはカップ一杯の飲料、例えば30〜200mlの作られた飲料を作るのに適するある量の抽出可能な製品を含む。即ち、該交換可能なカプセルは、一回分のパックである。ほぼ、カプセルは、4〜8グラムの煎られかつ挽かれたコーヒーで満たされ得る。コーヒーの粒径は例えばカプセル2におけるほぼ5グラムの挽かれたコーヒーについて0.2〜0.4mmであり得る。
【0037】
この実施態様において、底16は、実質的に底16全体に亘って分布されている入口層32に分布されている入口開口部を有する入口層32を備える。図1bの実施例において、底16は外周壁14と一体である。
【0038】
この実施態様において、図1bのシステム1は、カプセルを貫通することを意図された底貫通手段122を備える。図1bは、カプセルの底16に入口開口部を作ることを意図された、延ばされた位置における底貫通手段122を示す。しかし、ここで、カプセル2の底16は、底貫通手段122から離れて配置されており、その結果、底貫通手段122が延ばされた位置にされたときカプセル2は底貫通手段122により貫通されず、底16は無傷のままである。
【0039】
図1bにおいて、底貫通手段122は、それを通して流体が、収容器6の内部空間に供給されることのできる穴126を備える。流体、ここでは加圧、例えば4バール超の圧力、下の熱湯、が入口層32を通ってカプセル2の内部空間24へと流れ込み、所望される物質を抽出可能な製品、この実施例では約5グラム煎られかつ挽かれたコーヒー、から抽出してこの実施例ではカップ一杯の飲料、ここではコーヒー、を作る。入口層32の耐流動性は通常十分に低く、収容器6における入口層又は穴126の上流における圧力上昇は可能ではなく、このことは、システム1及び/又は飲料に負の影響を有し得る。
【0040】
図1bの実施例において、外周壁14は、実質的に堅い。外周壁14は例えばプラスチック物質を備え得、例えば射出成型、真空成型、熱形成などにより形成され得る。
【0041】
さらに、図1bに示されるシステム1は、代替のカプセルの蓋を貫通することを意図された蓋貫通手段128を備え得る。しかし、カプセル2の蓋20は、出口層34を備え、該出口層を通って飲料はカプセルから排出されることができる。出口層34は、カプセル2中の圧力の影響下、蓋貫通手段128により貫通されないように十分に高い引裂強度を有する及び/又は十分に硬いようにされている。しかし、出口層34はカプセル内の圧力の影響下で貫通手段のトップの面に対して変形され得るが、破裂されず及び/又は貫通手段により貫通されない。
【0042】
図1bの実施例において、飲料、ここではコーヒー、が底を通ってカプセルから排出することができる、カプセル2の出口領域を形成する出口層34は、多孔質のシート、例えばフィルターペーパー又は代替の物質のフィルター層により形成される。この実施例において、出口層34は、蓋20の出口領域に配置される。出口層34は、実質的にカプセル2の第二の開放端22全体に広がっている、実質的に連続している流体―透過性のシートを形成し得る。即ち、流体は、広い領域に亘って、カプセル2から排出できる。
【0043】
図2は、カプセル2が追加の壁要素50を備える、本発明に従うカプセル2の実施態様を示す。追加の壁要素50はカプセル2に追加の剛性を与える。追加の壁要素50は、底16から蓋20に延在し得る。追加の壁要素50は、カプセルの外周壁14から内部空間へと延在する。この実施態様において、追加の壁50は、カプセル2の内部空間24を2つの区画、48aと48bとに分割する。例えば、一つの区画48aに抽出可能な製品が入れられ、第二の区画49bは空のままにしておくことができる。このようにして、抽出可能な製品、例えば煎られかつ挽かれたコーヒー、のための最適な体積が作られ得、抽出可能な製品の最適な圧縮が得られ得る。他の実施態様において、第二の区画48bには、他の抽出可能な製品、例えば異なる種類のコーヒー、又はクリーム、又は可溶性の製品、例えばミルク又はカカオ、が入れられ得る。追加の壁50は、多孔質及び/又は穴をあけられていてもよく、又は両方の区画の複数の製品を混合しないようにするために不透過性であってもよい。また、区画において上昇されるべき圧力は異なっていてもよい。例えば、煎られかつ挽かれたコーヒーが入れられた一つの区画48aにおいて、上昇されるべき圧力は例えばクリームを入れられた区画48bより低い。即ち、容器30には、最初にコーヒー液が入れられ、その後クリームが入れられる。追加の壁要素50、壁14、及び出口フィルター36を有する蓋20の性質は、異なる区画において異なる圧力レベルに適応するように適合されていなければならない。
【0044】
図3は、カプセルの内部空間24を3つの区画48aと48bと48cとに分割する追加の壁要素50を備える、本発明に従うカプセル2の別の実施態様を示す。各区画には、異なる抽出可能な及び/又は可溶な製品、例えば煎られかつ挽かれたコーヒー、クリーム及び/又は酒で香りをつけられた抽出可能な製品が入れられ得る。例えば飲料又は特定の味の体験の魅力的な一杯のために、容器30の層へと排出される飲料を作るために、異なる区画における圧力の上昇は異なり得る。また、追加の壁要素50は、カプセル2に追加の剛性を与え得る。即ち、壁14、蓋20及び/又は底16は、より低位に硬くされ得、そのことは、製造者にとってより容易なカプセル2及び/又はより費用効果的なカプセル2をもたらし得る。
【0045】
図4は、くさび型のリブ46の形の追加の壁要素50を備える、本発明に従うカプセルの実施態様を示す。リブ46の断面は、底16から蓋20の方向で大きくなる。蓋20は、作られた飲料がそれを通って排出するように、出口開口部37を備える出口フィルター36を備える。リブ46は、外周壁14に追加の剛性を与え得る。好ましくは外周壁14は実質的に堅い。外周壁14に接続され、内部空間24の方へと延在する追加の壁要素50を用意することにより、追加の剛性が外周壁14に与えられ得、より硬くかつ堅い外周壁が得られ得る。1以上の追加の外周壁50が与えられ得る。追加の壁要素50の種々の形状、例えばくさび型、長方形、円形、多角形、が与えられ得る。また、追加の壁要素50の体積は、内部空間24の残っている体積が、最適な圧縮における十分な抽出可能な製品を提供するのに最適であるような体積である。即ち、内部空間の体積は、抽出可能な製品に依存して追加の壁要素により適合され得る。カプセル2が入口フィルター32及び出口層34を備えられているとき、カプセルの内部空間24は、カプセルに空気の体積が存在せず、そのことによりカプセルの抽出可能な製品の保存期間を改良するために、抽出可能な製品が全体的に入れられるように追加の壁要素50により適合され得る。カプセル2は、例えば生分解性封止材により適正に封止されることができる。
【0046】
また、該追加の壁要素50、例えばリブ46は、底と向き合いかつ蓋において又は蓋の近傍で終わる、又は蓋と底の間に、穴を備えられていてもよい。該穴は、水をそこに入れるように開いており、例えば抽出可能な製品は、底の入口領域を通る流体により濡らされる抽出可能な製品に加えて、底の入口領域より下のレベルにおいてもまた濡らされることができる。このようにして、例えばより均一な圧力の上昇が得られ得る。
【0047】
上記の明細書において、本発明は、本発明の実施態様の特定の例を参照して記載された。しかし、種々の改良及び変更が、添付の特許請求の範囲に述べられた本発明のより広い精神及び範囲から外れることなく、そこでなされ得ることは明白である。
【0048】
複数の区画は、外周上で互いに隣り合って配置され得、又は軸方向で互いに隣り合って配置され得ることは明らかであり得る。区画の多くの変形及び配置の組み合わせが可能である。
【0049】
特許請求の範囲において、括弧の中の参照記号はいかなるものも、請求項を制限すると解釈されてはならない。用語「備える」は、請求項に挙げられた特徴又は段階以外の特徴又は段階の存在を排除しない。
【0050】
さらに、用語「一つの」は「ただ一つの」に制限されると解釈されてはならず、代わりに「少なくとも1の」を意味し、複数を排除しない。ある手段が相互に異なる請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが役立つために使用されることができないことを意味しない。
【符号の説明】
【0051】
2:カプセル
14:壁
16:底
20:蓋
24:内部空間
30:容器
38:縁
46:リブ
48a:区画
48b:区画
48c:区画
50:追加の壁要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るためのシステムにおいて、該システムは、
交換可能なカプセルと、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに加圧下で供給するための流体分配デバイスとを備える器具と
を備え、
該交換可能なカプセルは、外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において該外周壁を閉じる蓋とを備え、該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲み、
該底は、入口領域を備え、該システムは、飲料を作るために抽出可能な製品に流体を供給するように、該流体分配デバイスを該入口領域と流体連絡させるように配置されており、
該蓋は出口領域を備え、該システムは、作られた飲料をカプセルから排出して、飲料を容器例えばカップに供給するように、使用中に該出口領域と流体連絡している出口を備え、
該収容器は、作られた飲料をカプセルから該出口領域を通して排出するように配置されており、
該カプセルは、追加の剛性を与えるために内部空間の方へ延在する少なくとも1の追加の壁要素を備えている、
前記システム。
【請求項2】
該外周壁が実質的に堅い、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
該追加の壁要素が、カプセルの底から蓋まで延在している、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
該追加の壁要素が、底に流体を入れるために、底と向き合う端に穴を備え、及び/又は穴をあけられている及び/又は多孔質の面をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
該追加の壁要素が、内部空間を2以上の区画に分割する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
少なくとも1の区画が、抽出可能な製品を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
異なる区画が、
抽出可能及び/又は可溶な異なる製品を、及び/又は
抽出可能及び/又は可溶な製品の異なる組成物を、及び/又は
抽出可能及び/又は可溶な製品の異なる圧縮物を
含む、請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
追加の壁要素が、リブを形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
該リブが、くさび型である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
該くさび型のリブの断面が、底から蓋の方向で大きくなる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
該出口領域が、多孔質及び/又は穴をあけられた出口フィルターを備えられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
入口領域が、多孔質及び/又は穴をあけられた入口フィルターを備えられている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
該収容器は、少なくとも1の入口開口部を作り、該少なくとも1の入口開口部を通して抽出可能な製品に流体を供給するように、代替のカプセルの底を貫通することを意図された底貫通手段を備え、
該システムのカプセルの底は、それを通して抽出可能な製品に流体を供給するための入口フィルターを備え、該システムのカプセルが該底貫通手段により貫通されず、該底は無傷のままであるように、該入口フィルターは、使用中には、底貫通手段から離して配置される、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
少なくとも1の出口開口部を作り、該出口開口部を通って飲料が代替のカプセルから排出することができるように、カプセル中の流体及び/又は飲料の圧力の影響下で、蓋貫通手段に対して出口領域が十分に押されているときに該代替のカプセルの出口フィルターを貫通することを意図された蓋貫通手段を該収容器が備え、かつ
該システムのカプセルの出口領域は出口フィルターを備え、該出口フィルターを通って飲料はシステムのカプセルから排出し、該システムのカプセルは、使用中に、蓋貫通手段により貫通されず、蓋は無傷のままである、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
該流体分配デバイスが、約4〜20バール、好ましくは4.5〜18バール、より好ましくは5〜15バールの圧力下で、流体を交換可能なカプセルに供給するように配置されている、請求項1〜14のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステムのカプセル。
【請求項17】
請求項1〜15のいずれか1項に記載のシステムの器具を使用して飲料を作るために、請求項16に記載のカプセルを使用する方法。
【請求項18】
抽出可能な製品を使用して、摂取に適する所定量の飲料を作るための方法において、該方法は、
外周壁と、第一の端部において該外周壁を閉じる底と、該底と反対側の第二の端部において外周壁を閉じる蓋とを備える交換可能なカプセルを用意すること、該壁、底及び蓋は、抽出可能な製品を容れる内部空間を取り囲む、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器と、ある量の流体、例えば水、を該交換可能なカプセルに少なくとも6バールの圧力下で供給するための流体分配デバイスと、作られた飲料をカプセルから排出して、該飲料を容器例えばカップに供給するために、使用中にカプセルと流体連絡している出口とを備える器具を用意すること、
該交換可能なカプセルを、該蓋が収容器の支持表面と当接するように配置すること、及び
飲料を作るために、流体を加圧下で抽出可能な製品に供給すること、
を含み、
該カプセルは、追加の剛性を与えるために、内部空間の方向に延在する少なくとも1の追加の壁要素を含む、
上記方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【公表番号】特表2012−530533(P2012−530533A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516016(P2012−516016)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050831
【国際公開番号】WO2010/137960
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(512164779)コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. (28)
【Fターム(参考)】