飲料を用意するための装置およびカプセル
本発明は、液体媒体を用いて、特にカプセル内に含まれる材料から飲料を用意するための装置(1)に関する。装置は2つのチャンバ部(5)および(6)を含み、チャンバ部は互いに押し付けられて、閉じた状態において受取チャンバを形成し、その中にカプセルを固定することができる。前記受取チャンバは、チャンバの内部からチャンバの外部に延びる少なくとも1つの排水チャネル(12)を含み、前記チャネルは、カプセル(2)によって、および/または閉じた状況にしたときに他方のチャンバ部(6)によって封止されるよう、チャンバ部(5)の一方の壁部に配置される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、飲料を用意するための装置に関する。最近、この種の装置は、常に一定である品質で人数分のコーヒーまたはお茶を用意するために、ますます頻繁に用いられている。この場合、原則として、抽出処理は、計られた量の熱湯がポーションパッケージを通る受取チャンバで行なわれる。この種の装置の例は、EP 1646305、WO2008/004116またはWO2008/087099に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
これらの装置の一つの問題は、抽出処理の後、計られた量の水がすべて抽出された形で流れ出ないことである。一定の量の残留水が抽出チャンバ内に留まり、使用済みのポーションパッケージを取除くために抽出チャンバを開けたときに排水される。しかし、これは望ましくない。なぜなら、残留水はその装置または次に用意される飲料を汚すからである。特に、たとえばコーヒー、紅茶、ミルクまたはチョコレート飲料といった異なる種類の飲料が同じ装置を用いて用意される場合に混入が起こる。残留水が長い間閉じられたチャンバ内に残ると、発酵が起こり、その結果として抽出チャンバでの味を変えてしまう。残留水は洗浄動作の後でもかなり長い時間抽出チャンバ内に留まり得る。
【0003】
既知の装置のさらなる不利点は、受取チャンバの出口開口が詰まり、約20バールの内部圧が発生する可能性もある。このような圧力では、シールは押し開けられ、抽出水が機械の中に入ったり、極端な場合は、機械のスイッチが切られたとしても、入口開口から外に飛び出すこともある。
【0004】
DE20 2005021159は、ばね仕掛けの封鎖部材により、残留水が不所望な態様で流れ出すのを防止することを提案しており、ばね仕掛けの封鎖部材は抽出チャンバが閉じられるまで開かない。しかし、これは問題を実際には解決しない。なぜなら、残留水はチャンバが閉じられたときに流れ出し、さらにチャンバが開いたときにそのまま留まるからであり、これは残留水が次の閉鎖処理の際に流れ出ることを意味する。
【0005】
WO 2009/115474は、略同等の装置を示しており、互いに押さえ付けられ得るチャンバ部分の少なくとも一方の端縁には、ギャップが設けられる。前記ギャップは規定のセクター内に配置され、チャンバ内にカプセルがない場合、水は目標とする態様で流れ出る。前記ギャップを密封できるのは、フランジ状エッジに変形可能なシール材を有するカプセルを使った場合だけである。カプセルがなければ、チャンバを密封した態様で閉じることはできない。しかも、たとえば、過度の圧力下では、チャンバが閉じてカプセルが挿入された状態でも、余剰の流体を導出させることはできない。なぜならエッジでのギャップは、閉鎖した状態では気密封止した態様で閉じられているからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、既に用意された飲料または装置が汚されることなく、残っている残留水が抽出チャンバから導出可能である、上記の種類の装置をもたらすことである。この目的は、請求項1の特徴を有する装置によって、本発明で記載されるように、達成される。
【0007】
チャンバの中からチャンバの外に導く排水チャネルの最初の効果は、残留水が出来上がった飲料用の出口から導出されないことである。それでも、排水チャネルは抽出処理の際は閉じたままである。なぜなら、排水チャネルは、ポーションパッケージによって、および/または閉じた状態が設定された場合には他方のチャンバ部によって、封止されるような態様で、チャンバ部の壁部上に配置されるからである。抽出動作の際のこの封止は重要である。なぜなら、抽出は部分的に10バールを超える圧力下で行なわれるからである。抽出チャンバが開くまたはポーションパッケージが取除かれると直ちに、残っている残留水は排水チャネルによって流れ出ることができる。特定の場合には、抽出チャンバでの過度な圧力が減少して、ポーションパッケージによって発生した封止作用が解かれる場合でも十分であり得る。
【0008】
排水チャネルは、抽出動作のすぐ後に、受取チャンバが空にされ、その後再度閉じられた場合、その効果を発揮する。たとえば、1個のコーヒーカプセルを取り出す処理は、管にまだ残っている残留水すべてを取除くのに十分ではない。排水チャネルにより、残留液体全部が、装置が非稼働になるときから次の抽出動作までの間排出されることを可能にする。さらに、排水チャネルは、高い内部圧となった場合に圧力逃がし弁として働く。排水チャネルは、シールが受取チャンバに対して押さえ付けられる前に開く。結果として、余剰の水または蒸気さえも、その排水チャネルにより導出される。これにより、たとえば電子アセンブリなどの感度の高い機械の部分が損傷されないことを確実にする。最後に、排水チャネルは抽出チャンバの最適な洗浄をもたらす。受取チャンバでの付加的開口は洗浄処理での逆圧を減少させ、さらに単位時間当たりの洗浄液の流速を高める。特に、排水チャネルは洗浄動作の後、受取チャンバを迅速に空にして乾燥させることを確実にする。
【0009】
排水チャネルがチャンバの内側に出入り口開口を有し、この開口がチャンバ内のポーションパッケージの外壁部によって封止可能である場合に特に有利である。ポーションパッケージは、カプセル、袋、または他の提供できる形であり得る。ポーションパッケージの外側の構成および出入り口開口領域のチャンバの内側の構成は、所望の封止作用がもたらされるよう、互いに一致しなければならない。
【0010】
しかし、この代替として、または補足のため、排水チャネルは他方のチャンバ部に伴う閉鎖体によっても封止可能である。この閉鎖体は、たとえば、弁体であってもよく、チャンバが閉じると排水チャネルにおいて直接係合して閉塞する。しかし、排水チャネルは、チャンバが開いた場合にばね仕掛けのバルブによって開いた位置に保持できることも考えられ、他方のチャンバ部の閉鎖体はバルブをその閉じる位置に変える。閉鎖体は他方のチャンバ部に対して無理に直接配置させる必要はない。他方のコンポーネントへの間接的な動作接続も考えられる。
【0011】
ポーションパッケージがカプセルとして実現される場合、一方のチャンバ部が、ポーションパッケージを受入れるためのキャビティを有するホルダとして実現され、他方のチャンバ部が、キャビティを閉じるための、および排水チャネルをホルダに配置するための、閉鎖部として実現されると、有利である。排水チャネルはこのように最適な態様で位置付けることができる。この場合、2つのチャンバ部がどのように動かされるかは基本的に重要でない。明らかに、排水チャネルが閉鎖部に配置できることも考えられる。ポーションパッケージの実現に応じて、2つのチャンバ部は完全に対称的な態様でも実現することができる。一方または両方のチャンバ部に複数の排水チャネルを配置することも考えられる。
【0012】
キャビティが少なくとも1つの排水溝を有し、その排水溝が長手方向の中心軸に対して、好ましくはキャビティの底部からその開口に向かって延在する場合に、さらなる利点がある。排水溝は残留水の導出を簡単にし、特に底面領域から、かつ抽出チャンバの全長にわたって導出を簡単にする。さらに、排水溝はカプセルの排出を簡単にするという有利な効果を有する。なぜなら、キャビティの内壁とカプセルの外壁との吸着作用が減少またはなくなるからである。排水溝はキャビティの長さにわたり線形的な態様で延在することができる。しかし、螺旋状または他の形も考えられる。
【0013】
さらに、キャビティはその開口側において、支持ショルダを有することができ、支持ショルダはポーションパッケージの相補の壁部分を支持するために、長手方向の中心軸に対して好ましくは直角に傾いている。排水溝は支持ショルダに開口し、排水チャネルは支持ショルダからまたは支持ショルダに直接隣接する領域から始まる。この態様で、ポーションパッケージは閉じた状況において排水チャネルを閉じるだけでなく、同時に開口側の排水溝の端部をも閉じる。排水溝は、排水チャネルの出入り口開口がある同じ放射面上の支持ショルダに開口する場合に有利であることは明らかである。
【0014】
ポーションパッケージを通る流れを得るために、少なくとも1つのチャンバ部は、閉じた状況においてポーションパッケージを刺通するための刺通エレメントを少なくとも1つ有することができる。両方のチャンバ部の各々には好ましくは少なくとも1つの刺通エレメントが設けられ、ポーションパッケージの両側が閉じた状況において穴が開けられるが、これは無理なく行なわれる。特定のシステムの場合、刺通はポーションパッケージを変形する手段によって、または内部圧増大時に引き裂き応力を超えることによって、まず出口側で行なわれる。しかし、圧力が増大したときに起動する刺通手段が設けられているポーションパッケージも既知である。さらに、抽出チャンバを閉じることにより、または圧力の影響により開く、内蔵バルブを有する複雑なポーションパッケージも既知である。
【0015】
排水チャネルは、入口開口および/または出口開口の断面より小さい断面を有することができる。排水チャネルの断面は好ましくは0.1mm2および10mm2の間にある。入口開口または出口開口と比べて、排水チャネルの断面が相対的に小さい利点は、抽出チャンバを洗浄できるということであり、洗浄水の大部分は出口開口を通って流れ、排水チャネルには少量しか通らない。
【0016】
排水チャネルを介して排出された流体が装置を汚してしまうことを防ぐために、排水チャネルが排水された液体を受入れる容器に延びる場合に有利である。これはたとえば、飲料水用の出口の下に配置されるドリップパンであり得る。排水チャネルは、この目的のためのパイプラインまたはホースラインに接続することができる。
【0017】
受取チャンバが回転対称的態様で実現され、排水チャネルが一方のチャンバ部における半径方向の孔として実現された場合に有利である。今日の通常のカプセルシステムの場合、抽出チャンバの長手方向の中心軸は原則としてほぼ水平に延在する。なぜなら、カプセルは抽出チャンバ内に封入される前に、重力の影響下で中間的位置に達するからである。排水チャネルとしての半径方向の孔は、チャンバの内部と外部との間の最も短い接続である。この場合、半径方向の孔は、残留水が下方向に流れるよう、抽出チャンバの最も低い点に配置することができる。明らかに、排水チャネルはチャンバの長手方向の中心軸に対して半径方向の態様で延在する必要はない。装置の設計に応じて、前記長手方向中心軸に対してほぼ平行な態様で特定の部分にわたって延在することもできる。排水チャネルの断面は無理やり円形である必要もない。どの場合でも重要なのは、液体が重力の影響下で下方向に流出可能であるよう排水チャネルが設計されていることである。しかし、特定の場合、排水チャネルはチャンバの内部から外部の間で上昇した面に延在することができる。これは、たとえば水蒸気といった蒸気媒体がチャンバから導出されなければならない場合である。
【0018】
排水チャネルを介して液体を導出することは、チャンバの外側の排水チャネルの出口開口の領域にドリップスカートが配置され、流出する液体はドリップスカートに沿って導き出される場合に、さらに改良される。ドリップスカートは好ましくは垂直面に延在し、さらに液体の滴下を促進するために、出口開口に延びる溝を設けることができる。ドリップスカートは他方のチャンバ部に対する保護ともなり得る。なぜなら、液体が2つのチャンバ部の間の密封ゾーン内に入って、それらを汚すことを防止するからである。
【0019】
本発明は請求項12の特徴を有するカプセルにも関する。前記カプセルは上記の装置において特定的に有利な態様で挿入することができる。断面が傾斜または湾曲している壁部を有する円周ショルダにより、カプセルを抽出チャンバ内において有利な態様で支持することができ、ショルダの外側は密封面を形成し、これが相補の接触面に対して密封した態様で押さえ付けることができる。最適な密封作用を得るために、壁部の幅は少なくとも1mmである。ショルダの高さは、十分に大きい密封面を得るために、好ましくは少なくとも3.5mmである。この場合の幅という用語は、投影量に対するものである。すなわち、チャンバの長手方向中心軸に対して直角に測定された幅である。しかし、カプセルにある比較的際立った円周ショルダはさらに有利である。他方で、WO2008/087099からそれ自体既知であるように、これは積み上げエッジを形成し、それによりまだ空であるカプセル本体を互いに積み重ね上げて、充填システムにおいて良好に選り分けることができる。さらに、ショルダは圧力下でカプセル内に押し出される抽出用水の流れる方向を変える。すなわち、前記水は、最も短い経路で出口開口に達するよう、カプセル壁に直接沿った流路を求める傾向にある。この処理は「チャネリング」とも呼ばれ、抽出が不完全な態様で排出されることをもたらす。これに対して、円周ショルダは同心円的な態様でカプセルの内部方向に流れの方向を変え、それにより厄介なスルーチャネルがカプセルの内側壁に形成されない。
【0020】
さらに、カプセルの傾斜壁部が底面方向に先細りとなるよう長手方向の中心軸に対して45°傾斜した場合に有利である。これにより、作用している閉鎖力は傾斜面上で最適な態様で分配される。さらに、底面とショルダとの間のカプセルの側壁は底面に向かって徐々に細く実現され、好ましくは長手方向中心軸に対して7°の角度で傾斜する。
【0021】
さらなる利点はカプセルがプラスチック材の膜から深絞りされた場合に得ることができる。たとえばデンプンのようなバイオポリマーの膜、または金属、または積層物も考えられる。射出成形法を用いて作成されたカプセルに比べて、深絞りカプセルの弾性は著しく高い。これはショルダでのカプセルの密封効果を著しく向上させる。この場合、カプセルの内部に対して弾性的に変形可能であるよう、カプセルの底面を実現するのが特に有利である。これは、底面から側壁での遷移の半径を底面自体よりも薄く実現することにより、有利な態様で達成される。この場合、遷移領域の壁厚さは最大0.18mmであり、底面は0.1から0.2mmの間の壁厚さを有することができる。その結果、受取チャンバにある刺通手段によりカプセルの底面が内部の方向に膨らみ、さらに必要なら、カプセルの底面に少し穴が開けられる。
【0022】
抽出処理でのさらなる利点は、チャンバ部の少なくとも一方が圧縮手段を有し、圧縮手段は受取チャンバに対して向けられ、閉じた状況においてポーションパッケージに作用する場合に得られる。前記圧縮手段は、好ましくはカプセルカバーのエッジ領域に作用するような態様で、上記の刺通手段と組合せて用いられる。すなわち、カプセルのカバーは、刺通手段の刺通を促進しかつ流入水が全体のカバー面に分配されるよう、しっかりと延ばされることを意味する。この場合、圧縮手段はボルトの態様で円筒形に、または矩形に実現できる。前記圧縮手段の端面を丸めるまたは角を付けることもできる。特定の場合、圧縮手段と刺通手段との組合せも考えられる。
【0023】
圧縮手段は複数の板ばねを有する少なくとも1つの弾性エレメントを含み、板ばねは中心から半径方向外側に突出して延在し、その弾性自由端は閉じた状況においてポーションパッケージに作用する。この場合、個々の板ばねの配置は、クモの足の態様にある。刺通エレメントおよび/またはさらなる圧縮手段、たとえばボルトの形のものを、個々の板ばねまたはすべての板ばねの間で、チャンバ部上に配置することができる。板ばねの端部はカプセルのカバー膜の上をわたるだけでなく、チャンバを開いた場合にカプセルが刺通手段に固着することを防ぐ。板ばねの力は、チャンバを開いたときに穴の開けられたカプセルが押し出されるような態様で定められる。この種の配置は明らかに非常に有利であり、排水チャネルがない従来の装置の場合でも好都合である。
【0024】
本発明に係る装置において、使用されるカプセルの側壁が圧力下で半径方向に膨張可能であり、排水チャネルは膨張した側壁の密封面により封止可能である場合に、さらに好都合である。この場合、受取チャンバはカプセルが圧力下の抽出の際に1mm以上半径方向の態様で膨張することができるよう寸法が定められる。このような態様で、カプセルは密封効果を得るために非常に精密な態様で寸法が定められる必要はなくなる。
【0025】
本発明のさらなる利点および特徴は、例示的実施形態および図面の詳細な説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】カプセルを装填する場合の、コーヒーメーカーの斜視図である。
【図2】飲料を注出する場合であって、受取容器が別個に示される、図1に従うコーヒーメーカーを示す図である。
【図3】図1のコーヒーメーカーの断面であって、本発明に係る装置を有する簡略図である。
【図4】カプセルを有するカプセルホルダおよび封鎖部の斜視図である。
【図5】カプセルホルダを通る長手方向の断面図である。
【図6】排水チャネルの領域における、図5に従うカプセルホルダの断面図である。
【図7】図4に従う配置による長手方向の斜視断面図である。
【図8】受取チャンバが閉じる少し前の、図7に従う配置を示す図である。
【図9】抽出処理の際、閉じた抽出チャンバを通る長手方向の断面を示す図である。
【図10】受取チャンバの変形した例示的実施の形態の長手方向の断面を示す図である。
【図11】排水チャネルの領域において、図10に従う受取チャンバの断面図である。
【図12】代替の圧縮手段を有する閉鎖部のさまざまな例示的実施例を示す図である。
【図13】閉鎖部によって閉鎖可能である排水チャネルを有する代替の実施例の長手方向の断面を示す図である。
【図14】本発明に係るカプセルの斜視図である。
【図15】2つの積み上げられたカプセル本体の断面を示す図である。
【図16】本発明に係るカプセルの断面の拡大図である。
【図17】図16に従うカプセルの底の上面図である。
【図18】さらなる例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図19】さらなる例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図20】さらに他の変形した例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図21】さらなる実施例に従うカプセルホルダの長手方向の断面を示す図である。
【図22】図21に従うカプセルホルダの開口の上面図である。
【図23】図21に従うカプセルホルダに挿入するための底ふるいプレートの斜視および拡大図である。
【図24】板ばねを有するインジェクタプレートの側面図である。
【図25】図24に従うインジェクタプレートの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、参照符号40のコーヒーメーカーを示し、コーヒーカプセル2は入力開口42を介して抽出モジュール41に既知の態様で供給される。操作レバー43により、カプセルは以下に記載される態様で抽出位置まで動かされ、抽出位置で計られた量のコーヒーが出口44から注出される(図2)。このため、コーヒーメーカーは水タンク45を有する。水切り板47によって覆われているドリップトレー46は、出口44の下方に配置される。
【0028】
図2は、ドリップトレー46に接続されるカプセル容器48を示すが、外側からは見えず、使用済みのカプセル2および抽出チャンバからの残留水を受取る。
【0029】
この状況は、図3に示される。操作レバー43が抽出処理の後、後ろに押されると、使用済みカプセル2は下方向にカプセル容器48内に落ちる。本例示的実施例の場合、抽出モジュール41はカプセルを受取るためのホルダ5を有する。前記ホルダは、相対的に固定した態様で配置される。抽出チャンバを閉じるための閉鎖部6は、操作レバー43によって直線の態様で、ホルダ5に対して移動可能である。
【0030】
カプセルが取り外されると、操作レバー43は原則として再度閉じられ、それにより抽出チャンバは密封された閉じた状況に戻る。これは、抽出動作の場合と同じである。残留水はコーヒーメーカーのこのような作動していない位置でも、排水チャネル12を介して滴り落ちる。
【0031】
入口開口8は閉鎖部6に配置され、出口開口9はホルダ5に配置される。前記出口開口は出口44に直接繋がる。タンク45の抽出用水4はポンプ50およびフローヒータ49を介して入口開口8に供給される。レバー43を操作することにより抽出モジュールが閉じられると、予め挿入されたカプセルが刺通手段(ここでは図示されていない)により穴が開けられ、それにより抽出用水はカプセルを通って流れることができる。以下において機能がより詳細に説明される排水チャネル12は、ホルダ5の底縁部に配置される。
【0032】
図4は、本発明に係る装置1を非常に簡略化された態様で示し、前記装置は図3に示される抽出モジュールの構成要素である。閉鎖部6およびホルダ5は互いに押さえ付けられ、カプセル2用の受取チャンバ7を形成する。
【0033】
ホルダの詳細は、図5および図6に示される。ホルダ5はキャビティ29を有し、キャビティ29はカプセルの形に適合され、ここではほぼ円錐台の形で実現される。出口開口9はキャビティの底16に配置される。合計4個の刺通エレメント19は、その数および配置を任意の態様で変えることができるが、出口開口の周りに配置される。キャビティ29は、開口31側において支持ショルダ17および排水チャネル12を有し、排水チャネル12はチャンバの内部10からチャンバの外部11への半径方向の孔として延在し、開口の領域内に配置される。排水チャネルの出入り口13は、支持ショルダ17の前の大きく開いた開口領域にある。排水チャネル12と同じ放射面に位置する排水溝15は、キャビティの底16から支持ショルダまで延在する。
【0034】
図5はさらに、排水チャネル12がドリップチャネル32に続くことを示す。前記ドリップチャネルの角状先端は、液体の滴下を促進する。特定の場合、この排水チャネルが柔軟なホースに開口できることも考えられる。
【0035】
図7は、図4とほぼ同じ状況を再度示すが、排水チャネル12および排水溝15の放射面を通る断面図である。さらに、閉鎖部6上の刺通エレメント18は、カプセル2のカバー23を刺通することができるのがわかる。カプセル2はたとえば比較的密に圧粉されたコーヒー粉3で満たされる。さらに、カプセルカラー30のすぐ下にある円周ショルダ24も見え、その外側の全体が密封面26を形成する。
【0036】
図8は、カプセル2がホルダ5のキャビティ29内に既に挿入されている動作位置を示す。しかし、閉鎖部6はまだホルダ5に対して密封した態様には押されていない。示されているように、円周ショルダ24は、ホルダ5の円周ショルダ17に対してほぼ相補的態様で嵌合する。この場合、排水チャネル12も閉じるが、気密封止された態様ではまだ封止されていない。カプセルの外側壁とともに、排水溝15は閉じたチャネルを形成するが、これもまだ気密封止された態様では封止されていない。
【0037】
図9は、抽出動作の際の状況を示し、矢印によって示される抽出用水4は圧力下で入口開口8を通って閉じた受取チャンバ7内に押し出され、コーヒー抽出物が出口開口9から出る。刺通エレメント18は、チャンバ7が閉じたときに、カプセルのカバー23を刺通しており、流入する抽出用水はカプセルのカバー23をカプセルの内側に押し、それにより、抽出用水はカバーの表面全体上に分配され、形成された開口を通ってカプセルの内部に入る。この場合、カプセルの円周ショルダ24は、端の領域に流入する抽出用水を、湾曲した矢印によって示される通り、カプセルの中心方向に案内する。これにより、抽出用水がカプセル壁と圧粉されたコーヒーとの間の端の領域における流路を求め、不完全な抽出をもたらし得ることを防止する。
【0038】
内部圧力の影響により、カプセルの底22は外側に膨らみ、キャビティの底の刺通エレメント19によって刺通される。カプセルの底およびカバーが、チャンバが閉じたときに同時に刺通されることも考えられる。
【0039】
内部圧力の影響により、カプセルの円周密封面26はまた、排水チャネル12の口に対して押され、それにより前記排水チャネルは封止された態様で閉じる。しかし、過度の内部圧がチャンバ7内に発生すると、液体は排水溝15および排水チャネル12を経由してチャンバの外に至る経路を形成することができる。よって排水チャネル12は圧力逃がし弁の機能をも果たす。抽出処理が完了する、すなわちチャンバ7内の圧力が減少すると、余剰な液体は抽出チャンバが開けられる前に、排水チャネル12を介して直ちに排水される。これにより、余剰な液体がもっぱら出口開口9だけから排出されることを防ぐ。
【0040】
抽出処理の際、排水チャネル12だけが閉じ、排水溝15の口が閉じられないことも考えられる。しかし、特定の条件下では、排水溝の口だけを閉じることができ、実際には、これが排水チャネルの機能自体を果たす。
【0041】
図10および図11はホルダ5の代替の実施例を示す。前記ホルダと、図5および図6に従う実施例との唯一の違いは、円周ショルダ17が、キャビティの長手方向の中心軸L1に対して直角にあるのではなく、ある角度が付けられていることである。この場合、ショルダ17は円錐を形成し、その外部表面は、排水チャネル12の口および排水溝15の端部の両方を横断する。
【0042】
ショルダ17のさらなる断面形状も考えることができる。前記ショルダは湾曲した態様で、特に弓型の態様で延在することができる。どの場合でも重要なのは、排水チャネルの出入り口13の周りに十分な密封面が残るよう、十分な幅および十分な高さをすべての構成が有することである。
【0043】
図12は、閉鎖部6の異なる態様を合計5つ示す。前記閉鎖部の特別な点は、上記の刺通エレメント18とともに、付加的圧縮手段28が特に外側領域に配置されることである。前記圧縮手段の主要な目的は、カプセルのカバーをできるだけ速く刺通することではない。むしろ、圧縮手段は図9に従う閉じた状況Sにおいて示されるように、端の領域においてカプセルのカバーを固定することである。カプセルカバーを固定することにより、流入する抽出用水が全体の表面上に分配されることを確実にする。しかし、圧縮手段は閉鎖動作の少なくとも最終段階において、完全にまたは部分的な態様でカプセルカバーを刺通することにより、二重の機能を有することもできる。上記の圧縮手段は、排水チャネル12と独立してその最適な効果を発生する。つまり、これらは排水チャネルのない従来の装置の場合でも使用することができることを意味する。
【0044】
図12aに従い、圧縮エレメント28は円筒形の態様で実現される。このようなエレメントが合計4個、規則的に90°の角度分布で、閉鎖部6の外側縁部上に分配される。図12bに従い、圧縮エレメント28はその高さのみが残りの刺通エレメントと異なる円錐の頂点として実現される。図12cは、外面がドーム状の態様で丸められている円筒形の圧縮エレメントを示す。前記圧縮エレメントは、カプセルのカバーを刺通することはできない。圧縮エレメントの数および配置は、任意の態様で変えることができる。さらに、圧縮エレメントを1つだけ設けることもできる。前記圧縮エレメントは、たとえば刺通エレメントを囲む輪の形を取ることもできる。
【0045】
図12dに従い、刺通エレメント28はくさび形として示される。最後に、図12eは、別の変形を示し、圧縮エレメント28は、断面が台形の形で実現される。この場合、エレメントは平たくされたくさび形または円錐台の形で実現できる。明らかに、このような圧縮エレメントの他の任意の変形も考えることができ、カプセルの構成に応じて、閉鎖部の異なる領域にも延在することができる。
【0046】
図13は、装置1の代替的変形を示し、カプセルが挿入されていなくても排水チャネルは閉鎖した状況Sにおいて封止されている。このため、閉鎖部6は閉鎖体14を有し、これはたとえば円筒形またはブロック状の態様で実現することができる。示される閉鎖状態Sにおいて、前記閉鎖体はバルブの閉鎖部材のように、排水チャネル12を閉塞する。この構成の場合、排水チャネル12を介して洗浄水を逃がすことなく、受取チャンバ7を熱湯で洗浄することができる。
【0047】
図14は、図16および図17によってより詳細に示される、カプセルの外面図である。図15からわかるように、円周ショルダ24は充填され密封される前の空のカプセル本体20が有利な態様で積み上げられることを可能にする。いわゆる積み上げエッジは、従来のカプセルで既に知られている。
【0048】
図16および図17からわかるように、側壁21、底22および円周ショルダ24を含む実際のカプセル本体20は、カバー23によって閉じられ、カバー23は円周カプセルカラー30に溶着または接着される。たとえばコーヒーである材料3は、カプセルチャンバ27内に圧縮固形物を形成し、前記固形物の表面はカバー23のすぐ下で終端する。ショルダ24の外部全体は密封面26を形成し、これは抽出チャンバの相補の表面に対して密封した態様で配置することができる。ここではカプセルの長手方向中心軸L2に対してほぼ直角に延在する壁部25は、好ましくは1mmより大きい幅bを有する。抽出チャンバの閉じた状況Sにおいて、前記壁部は、排水溝15の端部に対して密封した態様に位置付けられる(図9参照)。ショルダ24の高さは、長手方向中心軸L2を基準に、壁部25の取り付け部からカプセルカラー30まで測定され、好ましくは3.5mm以上である。例外的な場合、たとえば直径が非常に小さい排水チャネルの場合、この測定値はより小さい。
【0049】
図18は、カバーがなく、かつカプセルの内容物がないカプセル本体20を、代替の断面構成で示す。特に、断面において、円周ショルダ24は、半径rの丸められた態様で実現される。この場合、突出しているショルダの幅bは、図16に従う例示的実施例の場合と同じであり得る。カプセル側壁21は、図16の例示的実施例のように二段階の円錐形態様では実現されず、円周ショルダ24から直接壁部25を経て底22に延在する。底22は些か異なる態様で作られる。なぜなら、蛇腹型の螺旋形33はより小さい外径を有するので、円形の底面は残る。蛇腹型螺旋形33の目的は、この領域において底22を柔軟な態様で実現することであり、それにより蛇腹は逆圧の際には、カプセルの内側に拡がる。
【0050】
図19はすべての横壁部、すなわち密封面26、壁部25および壁部21の残りの部分が、底22に向かって先細りとなるカプセル本体20を示す。壁部25の幅bと比べて、ショルダ24の高さhは上記の場合よりも大きい。ここでの高さはたとえば8mmである。
【0051】
明らかに、抽出チャンバおよび/またはカプセルもしくはポーションパッケージの異なる構成は、本発明の目的から逸脱することなく考えることができる。したがって、たとえば複数の排水チャネルが、チャンバ部の異なる点で配置することができる。同じことが記載されている排水溝にも当てはまり、前記排水溝をカプセルにも配置することができる。
【0052】
図20は、ショルダ24の高さhが、図19に従う実施例と比べて小さい、さらなるカプセル本体を示す。ショルダの幅bはほぼ同じであるが、長手方向中心軸L2に対する角度αはやや小さくなっており、それによりいくらか大きい面が壁部25の領域にもたらされる。本例示的実施例の角度αは正確に45°である。図19に従うカプセルに対するさらなる違いは、底の螺旋状変形33が完全に平たい態様で実現され、カプセルの内側に膨らまないことである。その結果、カプセルの充填量を少し増加させることができる。本例示的実施例において、ショルダ24と底22との間の側壁20の傾斜角度βは正確に7°である。
【0053】
カプセルの底22の壁厚さwは、たとえば0.1から0.2mmであり、丸くなっている遷移領域uの壁の厚さは0.1および0.18mmの間であり得る。遷移領域は、底が柔軟な態様で内側に変形することを容易にする折り曲げジョイントと同じ態様で働く。
【0054】
図21のカプセルホルダ5の設計の基本的原理は、図5のものと同じである。キャビティ29の内側形状は、図20に従うカプセルの外側形状に適合させる。出口開口9は中心に配置されるのではなく、底の領域に配置される。この場合、刺通エレメントはキャビティの底16に統合されない。むしろ、以下に記載する底ふるいプレートが嵌合する凹所が底に設けられる。排水チャネル15は、連続する溝として、支持ショルダ17まで延在する。ドリップスカート34が排水チャネル12のすぐ隣に配置され、前記排水チャネルに対して平行に延在する。図22からわかるように、前記ドリップスカートは、ホルダの外側の特定の部分上に延在する。排水チャネル自体は、溝としてドリップスカートの後ろ側部上に続き、それにより流れ出る液体は溝の毛細管現象により、排水溝から除去される。
【0055】
図23は底ふるいプレート35の斜視図であり、底ふるいプレート35は図21に従うホルダの底部に挿入することができる。チャンバが開いたときにカプセルをホルダ5から押し出す目的を有する螺旋ばね36は、中央に固定されている。抽出物をカプセルから取り出す手段である複数の刺通エレメント19は、中心の周りに配置される。ふるいプレート35は、たとえばプラスチック材またはセラミック材から作ることができる。
【0056】
最後に、図24および図25は、別のインジェクタプレート37を示し、これは図3に従うコーヒーメーカー(閉鎖部6に対応)に挿入することができる。インジェクタプレートは、この目的のためにねじ山39を有する。たとえば熱湯をカプセル内に導入することができる連続する入口開口8は、中央を通る。半径方向外側に延在する合計6個の個別の板ばねを含む板ばね配置38は、インジェクタプレートの上面および入口開口8の周りに固定される。各々が比較的鋭いエッジを有するピラミッドの形にある刺通エレメント18は、個々の板ばねの間で、円周領域に配置することができる。図24からわかるように、板ばねの自由端は、応力のかからない状態ではピラミッドの先端を越えて突出する。カプセルのカバー膜は、ピラミッドの先端が穴を開ける前に既に引っ張られている。さらに、ボルトの形の単一の圧縮エレメント28が、上面の一か所に配置されている。弾性材から作られ、閉じた状態ではカプセルの外周カラーに対して押さえ付けられるシーリングリップは、インジェクタプレートの最も外側の円周領域に配置することができる。
【背景技術】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、飲料を用意するための装置に関する。最近、この種の装置は、常に一定である品質で人数分のコーヒーまたはお茶を用意するために、ますます頻繁に用いられている。この場合、原則として、抽出処理は、計られた量の熱湯がポーションパッケージを通る受取チャンバで行なわれる。この種の装置の例は、EP 1646305、WO2008/004116またはWO2008/087099に記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
これらの装置の一つの問題は、抽出処理の後、計られた量の水がすべて抽出された形で流れ出ないことである。一定の量の残留水が抽出チャンバ内に留まり、使用済みのポーションパッケージを取除くために抽出チャンバを開けたときに排水される。しかし、これは望ましくない。なぜなら、残留水はその装置または次に用意される飲料を汚すからである。特に、たとえばコーヒー、紅茶、ミルクまたはチョコレート飲料といった異なる種類の飲料が同じ装置を用いて用意される場合に混入が起こる。残留水が長い間閉じられたチャンバ内に残ると、発酵が起こり、その結果として抽出チャンバでの味を変えてしまう。残留水は洗浄動作の後でもかなり長い時間抽出チャンバ内に留まり得る。
【0003】
既知の装置のさらなる不利点は、受取チャンバの出口開口が詰まり、約20バールの内部圧が発生する可能性もある。このような圧力では、シールは押し開けられ、抽出水が機械の中に入ったり、極端な場合は、機械のスイッチが切られたとしても、入口開口から外に飛び出すこともある。
【0004】
DE20 2005021159は、ばね仕掛けの封鎖部材により、残留水が不所望な態様で流れ出すのを防止することを提案しており、ばね仕掛けの封鎖部材は抽出チャンバが閉じられるまで開かない。しかし、これは問題を実際には解決しない。なぜなら、残留水はチャンバが閉じられたときに流れ出し、さらにチャンバが開いたときにそのまま留まるからであり、これは残留水が次の閉鎖処理の際に流れ出ることを意味する。
【0005】
WO 2009/115474は、略同等の装置を示しており、互いに押さえ付けられ得るチャンバ部分の少なくとも一方の端縁には、ギャップが設けられる。前記ギャップは規定のセクター内に配置され、チャンバ内にカプセルがない場合、水は目標とする態様で流れ出る。前記ギャップを密封できるのは、フランジ状エッジに変形可能なシール材を有するカプセルを使った場合だけである。カプセルがなければ、チャンバを密封した態様で閉じることはできない。しかも、たとえば、過度の圧力下では、チャンバが閉じてカプセルが挿入された状態でも、余剰の流体を導出させることはできない。なぜならエッジでのギャップは、閉鎖した状態では気密封止した態様で閉じられているからである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、既に用意された飲料または装置が汚されることなく、残っている残留水が抽出チャンバから導出可能である、上記の種類の装置をもたらすことである。この目的は、請求項1の特徴を有する装置によって、本発明で記載されるように、達成される。
【0007】
チャンバの中からチャンバの外に導く排水チャネルの最初の効果は、残留水が出来上がった飲料用の出口から導出されないことである。それでも、排水チャネルは抽出処理の際は閉じたままである。なぜなら、排水チャネルは、ポーションパッケージによって、および/または閉じた状態が設定された場合には他方のチャンバ部によって、封止されるような態様で、チャンバ部の壁部上に配置されるからである。抽出動作の際のこの封止は重要である。なぜなら、抽出は部分的に10バールを超える圧力下で行なわれるからである。抽出チャンバが開くまたはポーションパッケージが取除かれると直ちに、残っている残留水は排水チャネルによって流れ出ることができる。特定の場合には、抽出チャンバでの過度な圧力が減少して、ポーションパッケージによって発生した封止作用が解かれる場合でも十分であり得る。
【0008】
排水チャネルは、抽出動作のすぐ後に、受取チャンバが空にされ、その後再度閉じられた場合、その効果を発揮する。たとえば、1個のコーヒーカプセルを取り出す処理は、管にまだ残っている残留水すべてを取除くのに十分ではない。排水チャネルにより、残留液体全部が、装置が非稼働になるときから次の抽出動作までの間排出されることを可能にする。さらに、排水チャネルは、高い内部圧となった場合に圧力逃がし弁として働く。排水チャネルは、シールが受取チャンバに対して押さえ付けられる前に開く。結果として、余剰の水または蒸気さえも、その排水チャネルにより導出される。これにより、たとえば電子アセンブリなどの感度の高い機械の部分が損傷されないことを確実にする。最後に、排水チャネルは抽出チャンバの最適な洗浄をもたらす。受取チャンバでの付加的開口は洗浄処理での逆圧を減少させ、さらに単位時間当たりの洗浄液の流速を高める。特に、排水チャネルは洗浄動作の後、受取チャンバを迅速に空にして乾燥させることを確実にする。
【0009】
排水チャネルがチャンバの内側に出入り口開口を有し、この開口がチャンバ内のポーションパッケージの外壁部によって封止可能である場合に特に有利である。ポーションパッケージは、カプセル、袋、または他の提供できる形であり得る。ポーションパッケージの外側の構成および出入り口開口領域のチャンバの内側の構成は、所望の封止作用がもたらされるよう、互いに一致しなければならない。
【0010】
しかし、この代替として、または補足のため、排水チャネルは他方のチャンバ部に伴う閉鎖体によっても封止可能である。この閉鎖体は、たとえば、弁体であってもよく、チャンバが閉じると排水チャネルにおいて直接係合して閉塞する。しかし、排水チャネルは、チャンバが開いた場合にばね仕掛けのバルブによって開いた位置に保持できることも考えられ、他方のチャンバ部の閉鎖体はバルブをその閉じる位置に変える。閉鎖体は他方のチャンバ部に対して無理に直接配置させる必要はない。他方のコンポーネントへの間接的な動作接続も考えられる。
【0011】
ポーションパッケージがカプセルとして実現される場合、一方のチャンバ部が、ポーションパッケージを受入れるためのキャビティを有するホルダとして実現され、他方のチャンバ部が、キャビティを閉じるための、および排水チャネルをホルダに配置するための、閉鎖部として実現されると、有利である。排水チャネルはこのように最適な態様で位置付けることができる。この場合、2つのチャンバ部がどのように動かされるかは基本的に重要でない。明らかに、排水チャネルが閉鎖部に配置できることも考えられる。ポーションパッケージの実現に応じて、2つのチャンバ部は完全に対称的な態様でも実現することができる。一方または両方のチャンバ部に複数の排水チャネルを配置することも考えられる。
【0012】
キャビティが少なくとも1つの排水溝を有し、その排水溝が長手方向の中心軸に対して、好ましくはキャビティの底部からその開口に向かって延在する場合に、さらなる利点がある。排水溝は残留水の導出を簡単にし、特に底面領域から、かつ抽出チャンバの全長にわたって導出を簡単にする。さらに、排水溝はカプセルの排出を簡単にするという有利な効果を有する。なぜなら、キャビティの内壁とカプセルの外壁との吸着作用が減少またはなくなるからである。排水溝はキャビティの長さにわたり線形的な態様で延在することができる。しかし、螺旋状または他の形も考えられる。
【0013】
さらに、キャビティはその開口側において、支持ショルダを有することができ、支持ショルダはポーションパッケージの相補の壁部分を支持するために、長手方向の中心軸に対して好ましくは直角に傾いている。排水溝は支持ショルダに開口し、排水チャネルは支持ショルダからまたは支持ショルダに直接隣接する領域から始まる。この態様で、ポーションパッケージは閉じた状況において排水チャネルを閉じるだけでなく、同時に開口側の排水溝の端部をも閉じる。排水溝は、排水チャネルの出入り口開口がある同じ放射面上の支持ショルダに開口する場合に有利であることは明らかである。
【0014】
ポーションパッケージを通る流れを得るために、少なくとも1つのチャンバ部は、閉じた状況においてポーションパッケージを刺通するための刺通エレメントを少なくとも1つ有することができる。両方のチャンバ部の各々には好ましくは少なくとも1つの刺通エレメントが設けられ、ポーションパッケージの両側が閉じた状況において穴が開けられるが、これは無理なく行なわれる。特定のシステムの場合、刺通はポーションパッケージを変形する手段によって、または内部圧増大時に引き裂き応力を超えることによって、まず出口側で行なわれる。しかし、圧力が増大したときに起動する刺通手段が設けられているポーションパッケージも既知である。さらに、抽出チャンバを閉じることにより、または圧力の影響により開く、内蔵バルブを有する複雑なポーションパッケージも既知である。
【0015】
排水チャネルは、入口開口および/または出口開口の断面より小さい断面を有することができる。排水チャネルの断面は好ましくは0.1mm2および10mm2の間にある。入口開口または出口開口と比べて、排水チャネルの断面が相対的に小さい利点は、抽出チャンバを洗浄できるということであり、洗浄水の大部分は出口開口を通って流れ、排水チャネルには少量しか通らない。
【0016】
排水チャネルを介して排出された流体が装置を汚してしまうことを防ぐために、排水チャネルが排水された液体を受入れる容器に延びる場合に有利である。これはたとえば、飲料水用の出口の下に配置されるドリップパンであり得る。排水チャネルは、この目的のためのパイプラインまたはホースラインに接続することができる。
【0017】
受取チャンバが回転対称的態様で実現され、排水チャネルが一方のチャンバ部における半径方向の孔として実現された場合に有利である。今日の通常のカプセルシステムの場合、抽出チャンバの長手方向の中心軸は原則としてほぼ水平に延在する。なぜなら、カプセルは抽出チャンバ内に封入される前に、重力の影響下で中間的位置に達するからである。排水チャネルとしての半径方向の孔は、チャンバの内部と外部との間の最も短い接続である。この場合、半径方向の孔は、残留水が下方向に流れるよう、抽出チャンバの最も低い点に配置することができる。明らかに、排水チャネルはチャンバの長手方向の中心軸に対して半径方向の態様で延在する必要はない。装置の設計に応じて、前記長手方向中心軸に対してほぼ平行な態様で特定の部分にわたって延在することもできる。排水チャネルの断面は無理やり円形である必要もない。どの場合でも重要なのは、液体が重力の影響下で下方向に流出可能であるよう排水チャネルが設計されていることである。しかし、特定の場合、排水チャネルはチャンバの内部から外部の間で上昇した面に延在することができる。これは、たとえば水蒸気といった蒸気媒体がチャンバから導出されなければならない場合である。
【0018】
排水チャネルを介して液体を導出することは、チャンバの外側の排水チャネルの出口開口の領域にドリップスカートが配置され、流出する液体はドリップスカートに沿って導き出される場合に、さらに改良される。ドリップスカートは好ましくは垂直面に延在し、さらに液体の滴下を促進するために、出口開口に延びる溝を設けることができる。ドリップスカートは他方のチャンバ部に対する保護ともなり得る。なぜなら、液体が2つのチャンバ部の間の密封ゾーン内に入って、それらを汚すことを防止するからである。
【0019】
本発明は請求項12の特徴を有するカプセルにも関する。前記カプセルは上記の装置において特定的に有利な態様で挿入することができる。断面が傾斜または湾曲している壁部を有する円周ショルダにより、カプセルを抽出チャンバ内において有利な態様で支持することができ、ショルダの外側は密封面を形成し、これが相補の接触面に対して密封した態様で押さえ付けることができる。最適な密封作用を得るために、壁部の幅は少なくとも1mmである。ショルダの高さは、十分に大きい密封面を得るために、好ましくは少なくとも3.5mmである。この場合の幅という用語は、投影量に対するものである。すなわち、チャンバの長手方向中心軸に対して直角に測定された幅である。しかし、カプセルにある比較的際立った円周ショルダはさらに有利である。他方で、WO2008/087099からそれ自体既知であるように、これは積み上げエッジを形成し、それによりまだ空であるカプセル本体を互いに積み重ね上げて、充填システムにおいて良好に選り分けることができる。さらに、ショルダは圧力下でカプセル内に押し出される抽出用水の流れる方向を変える。すなわち、前記水は、最も短い経路で出口開口に達するよう、カプセル壁に直接沿った流路を求める傾向にある。この処理は「チャネリング」とも呼ばれ、抽出が不完全な態様で排出されることをもたらす。これに対して、円周ショルダは同心円的な態様でカプセルの内部方向に流れの方向を変え、それにより厄介なスルーチャネルがカプセルの内側壁に形成されない。
【0020】
さらに、カプセルの傾斜壁部が底面方向に先細りとなるよう長手方向の中心軸に対して45°傾斜した場合に有利である。これにより、作用している閉鎖力は傾斜面上で最適な態様で分配される。さらに、底面とショルダとの間のカプセルの側壁は底面に向かって徐々に細く実現され、好ましくは長手方向中心軸に対して7°の角度で傾斜する。
【0021】
さらなる利点はカプセルがプラスチック材の膜から深絞りされた場合に得ることができる。たとえばデンプンのようなバイオポリマーの膜、または金属、または積層物も考えられる。射出成形法を用いて作成されたカプセルに比べて、深絞りカプセルの弾性は著しく高い。これはショルダでのカプセルの密封効果を著しく向上させる。この場合、カプセルの内部に対して弾性的に変形可能であるよう、カプセルの底面を実現するのが特に有利である。これは、底面から側壁での遷移の半径を底面自体よりも薄く実現することにより、有利な態様で達成される。この場合、遷移領域の壁厚さは最大0.18mmであり、底面は0.1から0.2mmの間の壁厚さを有することができる。その結果、受取チャンバにある刺通手段によりカプセルの底面が内部の方向に膨らみ、さらに必要なら、カプセルの底面に少し穴が開けられる。
【0022】
抽出処理でのさらなる利点は、チャンバ部の少なくとも一方が圧縮手段を有し、圧縮手段は受取チャンバに対して向けられ、閉じた状況においてポーションパッケージに作用する場合に得られる。前記圧縮手段は、好ましくはカプセルカバーのエッジ領域に作用するような態様で、上記の刺通手段と組合せて用いられる。すなわち、カプセルのカバーは、刺通手段の刺通を促進しかつ流入水が全体のカバー面に分配されるよう、しっかりと延ばされることを意味する。この場合、圧縮手段はボルトの態様で円筒形に、または矩形に実現できる。前記圧縮手段の端面を丸めるまたは角を付けることもできる。特定の場合、圧縮手段と刺通手段との組合せも考えられる。
【0023】
圧縮手段は複数の板ばねを有する少なくとも1つの弾性エレメントを含み、板ばねは中心から半径方向外側に突出して延在し、その弾性自由端は閉じた状況においてポーションパッケージに作用する。この場合、個々の板ばねの配置は、クモの足の態様にある。刺通エレメントおよび/またはさらなる圧縮手段、たとえばボルトの形のものを、個々の板ばねまたはすべての板ばねの間で、チャンバ部上に配置することができる。板ばねの端部はカプセルのカバー膜の上をわたるだけでなく、チャンバを開いた場合にカプセルが刺通手段に固着することを防ぐ。板ばねの力は、チャンバを開いたときに穴の開けられたカプセルが押し出されるような態様で定められる。この種の配置は明らかに非常に有利であり、排水チャネルがない従来の装置の場合でも好都合である。
【0024】
本発明に係る装置において、使用されるカプセルの側壁が圧力下で半径方向に膨張可能であり、排水チャネルは膨張した側壁の密封面により封止可能である場合に、さらに好都合である。この場合、受取チャンバはカプセルが圧力下の抽出の際に1mm以上半径方向の態様で膨張することができるよう寸法が定められる。このような態様で、カプセルは密封効果を得るために非常に精密な態様で寸法が定められる必要はなくなる。
【0025】
本発明のさらなる利点および特徴は、例示的実施形態および図面の詳細な説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】カプセルを装填する場合の、コーヒーメーカーの斜視図である。
【図2】飲料を注出する場合であって、受取容器が別個に示される、図1に従うコーヒーメーカーを示す図である。
【図3】図1のコーヒーメーカーの断面であって、本発明に係る装置を有する簡略図である。
【図4】カプセルを有するカプセルホルダおよび封鎖部の斜視図である。
【図5】カプセルホルダを通る長手方向の断面図である。
【図6】排水チャネルの領域における、図5に従うカプセルホルダの断面図である。
【図7】図4に従う配置による長手方向の斜視断面図である。
【図8】受取チャンバが閉じる少し前の、図7に従う配置を示す図である。
【図9】抽出処理の際、閉じた抽出チャンバを通る長手方向の断面を示す図である。
【図10】受取チャンバの変形した例示的実施の形態の長手方向の断面を示す図である。
【図11】排水チャネルの領域において、図10に従う受取チャンバの断面図である。
【図12】代替の圧縮手段を有する閉鎖部のさまざまな例示的実施例を示す図である。
【図13】閉鎖部によって閉鎖可能である排水チャネルを有する代替の実施例の長手方向の断面を示す図である。
【図14】本発明に係るカプセルの斜視図である。
【図15】2つの積み上げられたカプセル本体の断面を示す図である。
【図16】本発明に係るカプセルの断面の拡大図である。
【図17】図16に従うカプセルの底の上面図である。
【図18】さらなる例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図19】さらなる例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図20】さらに他の変形した例示的実施例に従うカプセル本体の断面を示す図である。
【図21】さらなる実施例に従うカプセルホルダの長手方向の断面を示す図である。
【図22】図21に従うカプセルホルダの開口の上面図である。
【図23】図21に従うカプセルホルダに挿入するための底ふるいプレートの斜視および拡大図である。
【図24】板ばねを有するインジェクタプレートの側面図である。
【図25】図24に従うインジェクタプレートの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、参照符号40のコーヒーメーカーを示し、コーヒーカプセル2は入力開口42を介して抽出モジュール41に既知の態様で供給される。操作レバー43により、カプセルは以下に記載される態様で抽出位置まで動かされ、抽出位置で計られた量のコーヒーが出口44から注出される(図2)。このため、コーヒーメーカーは水タンク45を有する。水切り板47によって覆われているドリップトレー46は、出口44の下方に配置される。
【0028】
図2は、ドリップトレー46に接続されるカプセル容器48を示すが、外側からは見えず、使用済みのカプセル2および抽出チャンバからの残留水を受取る。
【0029】
この状況は、図3に示される。操作レバー43が抽出処理の後、後ろに押されると、使用済みカプセル2は下方向にカプセル容器48内に落ちる。本例示的実施例の場合、抽出モジュール41はカプセルを受取るためのホルダ5を有する。前記ホルダは、相対的に固定した態様で配置される。抽出チャンバを閉じるための閉鎖部6は、操作レバー43によって直線の態様で、ホルダ5に対して移動可能である。
【0030】
カプセルが取り外されると、操作レバー43は原則として再度閉じられ、それにより抽出チャンバは密封された閉じた状況に戻る。これは、抽出動作の場合と同じである。残留水はコーヒーメーカーのこのような作動していない位置でも、排水チャネル12を介して滴り落ちる。
【0031】
入口開口8は閉鎖部6に配置され、出口開口9はホルダ5に配置される。前記出口開口は出口44に直接繋がる。タンク45の抽出用水4はポンプ50およびフローヒータ49を介して入口開口8に供給される。レバー43を操作することにより抽出モジュールが閉じられると、予め挿入されたカプセルが刺通手段(ここでは図示されていない)により穴が開けられ、それにより抽出用水はカプセルを通って流れることができる。以下において機能がより詳細に説明される排水チャネル12は、ホルダ5の底縁部に配置される。
【0032】
図4は、本発明に係る装置1を非常に簡略化された態様で示し、前記装置は図3に示される抽出モジュールの構成要素である。閉鎖部6およびホルダ5は互いに押さえ付けられ、カプセル2用の受取チャンバ7を形成する。
【0033】
ホルダの詳細は、図5および図6に示される。ホルダ5はキャビティ29を有し、キャビティ29はカプセルの形に適合され、ここではほぼ円錐台の形で実現される。出口開口9はキャビティの底16に配置される。合計4個の刺通エレメント19は、その数および配置を任意の態様で変えることができるが、出口開口の周りに配置される。キャビティ29は、開口31側において支持ショルダ17および排水チャネル12を有し、排水チャネル12はチャンバの内部10からチャンバの外部11への半径方向の孔として延在し、開口の領域内に配置される。排水チャネルの出入り口13は、支持ショルダ17の前の大きく開いた開口領域にある。排水チャネル12と同じ放射面に位置する排水溝15は、キャビティの底16から支持ショルダまで延在する。
【0034】
図5はさらに、排水チャネル12がドリップチャネル32に続くことを示す。前記ドリップチャネルの角状先端は、液体の滴下を促進する。特定の場合、この排水チャネルが柔軟なホースに開口できることも考えられる。
【0035】
図7は、図4とほぼ同じ状況を再度示すが、排水チャネル12および排水溝15の放射面を通る断面図である。さらに、閉鎖部6上の刺通エレメント18は、カプセル2のカバー23を刺通することができるのがわかる。カプセル2はたとえば比較的密に圧粉されたコーヒー粉3で満たされる。さらに、カプセルカラー30のすぐ下にある円周ショルダ24も見え、その外側の全体が密封面26を形成する。
【0036】
図8は、カプセル2がホルダ5のキャビティ29内に既に挿入されている動作位置を示す。しかし、閉鎖部6はまだホルダ5に対して密封した態様には押されていない。示されているように、円周ショルダ24は、ホルダ5の円周ショルダ17に対してほぼ相補的態様で嵌合する。この場合、排水チャネル12も閉じるが、気密封止された態様ではまだ封止されていない。カプセルの外側壁とともに、排水溝15は閉じたチャネルを形成するが、これもまだ気密封止された態様では封止されていない。
【0037】
図9は、抽出動作の際の状況を示し、矢印によって示される抽出用水4は圧力下で入口開口8を通って閉じた受取チャンバ7内に押し出され、コーヒー抽出物が出口開口9から出る。刺通エレメント18は、チャンバ7が閉じたときに、カプセルのカバー23を刺通しており、流入する抽出用水はカプセルのカバー23をカプセルの内側に押し、それにより、抽出用水はカバーの表面全体上に分配され、形成された開口を通ってカプセルの内部に入る。この場合、カプセルの円周ショルダ24は、端の領域に流入する抽出用水を、湾曲した矢印によって示される通り、カプセルの中心方向に案内する。これにより、抽出用水がカプセル壁と圧粉されたコーヒーとの間の端の領域における流路を求め、不完全な抽出をもたらし得ることを防止する。
【0038】
内部圧力の影響により、カプセルの底22は外側に膨らみ、キャビティの底の刺通エレメント19によって刺通される。カプセルの底およびカバーが、チャンバが閉じたときに同時に刺通されることも考えられる。
【0039】
内部圧力の影響により、カプセルの円周密封面26はまた、排水チャネル12の口に対して押され、それにより前記排水チャネルは封止された態様で閉じる。しかし、過度の内部圧がチャンバ7内に発生すると、液体は排水溝15および排水チャネル12を経由してチャンバの外に至る経路を形成することができる。よって排水チャネル12は圧力逃がし弁の機能をも果たす。抽出処理が完了する、すなわちチャンバ7内の圧力が減少すると、余剰な液体は抽出チャンバが開けられる前に、排水チャネル12を介して直ちに排水される。これにより、余剰な液体がもっぱら出口開口9だけから排出されることを防ぐ。
【0040】
抽出処理の際、排水チャネル12だけが閉じ、排水溝15の口が閉じられないことも考えられる。しかし、特定の条件下では、排水溝の口だけを閉じることができ、実際には、これが排水チャネルの機能自体を果たす。
【0041】
図10および図11はホルダ5の代替の実施例を示す。前記ホルダと、図5および図6に従う実施例との唯一の違いは、円周ショルダ17が、キャビティの長手方向の中心軸L1に対して直角にあるのではなく、ある角度が付けられていることである。この場合、ショルダ17は円錐を形成し、その外部表面は、排水チャネル12の口および排水溝15の端部の両方を横断する。
【0042】
ショルダ17のさらなる断面形状も考えることができる。前記ショルダは湾曲した態様で、特に弓型の態様で延在することができる。どの場合でも重要なのは、排水チャネルの出入り口13の周りに十分な密封面が残るよう、十分な幅および十分な高さをすべての構成が有することである。
【0043】
図12は、閉鎖部6の異なる態様を合計5つ示す。前記閉鎖部の特別な点は、上記の刺通エレメント18とともに、付加的圧縮手段28が特に外側領域に配置されることである。前記圧縮手段の主要な目的は、カプセルのカバーをできるだけ速く刺通することではない。むしろ、圧縮手段は図9に従う閉じた状況Sにおいて示されるように、端の領域においてカプセルのカバーを固定することである。カプセルカバーを固定することにより、流入する抽出用水が全体の表面上に分配されることを確実にする。しかし、圧縮手段は閉鎖動作の少なくとも最終段階において、完全にまたは部分的な態様でカプセルカバーを刺通することにより、二重の機能を有することもできる。上記の圧縮手段は、排水チャネル12と独立してその最適な効果を発生する。つまり、これらは排水チャネルのない従来の装置の場合でも使用することができることを意味する。
【0044】
図12aに従い、圧縮エレメント28は円筒形の態様で実現される。このようなエレメントが合計4個、規則的に90°の角度分布で、閉鎖部6の外側縁部上に分配される。図12bに従い、圧縮エレメント28はその高さのみが残りの刺通エレメントと異なる円錐の頂点として実現される。図12cは、外面がドーム状の態様で丸められている円筒形の圧縮エレメントを示す。前記圧縮エレメントは、カプセルのカバーを刺通することはできない。圧縮エレメントの数および配置は、任意の態様で変えることができる。さらに、圧縮エレメントを1つだけ設けることもできる。前記圧縮エレメントは、たとえば刺通エレメントを囲む輪の形を取ることもできる。
【0045】
図12dに従い、刺通エレメント28はくさび形として示される。最後に、図12eは、別の変形を示し、圧縮エレメント28は、断面が台形の形で実現される。この場合、エレメントは平たくされたくさび形または円錐台の形で実現できる。明らかに、このような圧縮エレメントの他の任意の変形も考えることができ、カプセルの構成に応じて、閉鎖部の異なる領域にも延在することができる。
【0046】
図13は、装置1の代替的変形を示し、カプセルが挿入されていなくても排水チャネルは閉鎖した状況Sにおいて封止されている。このため、閉鎖部6は閉鎖体14を有し、これはたとえば円筒形またはブロック状の態様で実現することができる。示される閉鎖状態Sにおいて、前記閉鎖体はバルブの閉鎖部材のように、排水チャネル12を閉塞する。この構成の場合、排水チャネル12を介して洗浄水を逃がすことなく、受取チャンバ7を熱湯で洗浄することができる。
【0047】
図14は、図16および図17によってより詳細に示される、カプセルの外面図である。図15からわかるように、円周ショルダ24は充填され密封される前の空のカプセル本体20が有利な態様で積み上げられることを可能にする。いわゆる積み上げエッジは、従来のカプセルで既に知られている。
【0048】
図16および図17からわかるように、側壁21、底22および円周ショルダ24を含む実際のカプセル本体20は、カバー23によって閉じられ、カバー23は円周カプセルカラー30に溶着または接着される。たとえばコーヒーである材料3は、カプセルチャンバ27内に圧縮固形物を形成し、前記固形物の表面はカバー23のすぐ下で終端する。ショルダ24の外部全体は密封面26を形成し、これは抽出チャンバの相補の表面に対して密封した態様で配置することができる。ここではカプセルの長手方向中心軸L2に対してほぼ直角に延在する壁部25は、好ましくは1mmより大きい幅bを有する。抽出チャンバの閉じた状況Sにおいて、前記壁部は、排水溝15の端部に対して密封した態様に位置付けられる(図9参照)。ショルダ24の高さは、長手方向中心軸L2を基準に、壁部25の取り付け部からカプセルカラー30まで測定され、好ましくは3.5mm以上である。例外的な場合、たとえば直径が非常に小さい排水チャネルの場合、この測定値はより小さい。
【0049】
図18は、カバーがなく、かつカプセルの内容物がないカプセル本体20を、代替の断面構成で示す。特に、断面において、円周ショルダ24は、半径rの丸められた態様で実現される。この場合、突出しているショルダの幅bは、図16に従う例示的実施例の場合と同じであり得る。カプセル側壁21は、図16の例示的実施例のように二段階の円錐形態様では実現されず、円周ショルダ24から直接壁部25を経て底22に延在する。底22は些か異なる態様で作られる。なぜなら、蛇腹型の螺旋形33はより小さい外径を有するので、円形の底面は残る。蛇腹型螺旋形33の目的は、この領域において底22を柔軟な態様で実現することであり、それにより蛇腹は逆圧の際には、カプセルの内側に拡がる。
【0050】
図19はすべての横壁部、すなわち密封面26、壁部25および壁部21の残りの部分が、底22に向かって先細りとなるカプセル本体20を示す。壁部25の幅bと比べて、ショルダ24の高さhは上記の場合よりも大きい。ここでの高さはたとえば8mmである。
【0051】
明らかに、抽出チャンバおよび/またはカプセルもしくはポーションパッケージの異なる構成は、本発明の目的から逸脱することなく考えることができる。したがって、たとえば複数の排水チャネルが、チャンバ部の異なる点で配置することができる。同じことが記載されている排水溝にも当てはまり、前記排水溝をカプセルにも配置することができる。
【0052】
図20は、ショルダ24の高さhが、図19に従う実施例と比べて小さい、さらなるカプセル本体を示す。ショルダの幅bはほぼ同じであるが、長手方向中心軸L2に対する角度αはやや小さくなっており、それによりいくらか大きい面が壁部25の領域にもたらされる。本例示的実施例の角度αは正確に45°である。図19に従うカプセルに対するさらなる違いは、底の螺旋状変形33が完全に平たい態様で実現され、カプセルの内側に膨らまないことである。その結果、カプセルの充填量を少し増加させることができる。本例示的実施例において、ショルダ24と底22との間の側壁20の傾斜角度βは正確に7°である。
【0053】
カプセルの底22の壁厚さwは、たとえば0.1から0.2mmであり、丸くなっている遷移領域uの壁の厚さは0.1および0.18mmの間であり得る。遷移領域は、底が柔軟な態様で内側に変形することを容易にする折り曲げジョイントと同じ態様で働く。
【0054】
図21のカプセルホルダ5の設計の基本的原理は、図5のものと同じである。キャビティ29の内側形状は、図20に従うカプセルの外側形状に適合させる。出口開口9は中心に配置されるのではなく、底の領域に配置される。この場合、刺通エレメントはキャビティの底16に統合されない。むしろ、以下に記載する底ふるいプレートが嵌合する凹所が底に設けられる。排水チャネル15は、連続する溝として、支持ショルダ17まで延在する。ドリップスカート34が排水チャネル12のすぐ隣に配置され、前記排水チャネルに対して平行に延在する。図22からわかるように、前記ドリップスカートは、ホルダの外側の特定の部分上に延在する。排水チャネル自体は、溝としてドリップスカートの後ろ側部上に続き、それにより流れ出る液体は溝の毛細管現象により、排水溝から除去される。
【0055】
図23は底ふるいプレート35の斜視図であり、底ふるいプレート35は図21に従うホルダの底部に挿入することができる。チャンバが開いたときにカプセルをホルダ5から押し出す目的を有する螺旋ばね36は、中央に固定されている。抽出物をカプセルから取り出す手段である複数の刺通エレメント19は、中心の周りに配置される。ふるいプレート35は、たとえばプラスチック材またはセラミック材から作ることができる。
【0056】
最後に、図24および図25は、別のインジェクタプレート37を示し、これは図3に従うコーヒーメーカー(閉鎖部6に対応)に挿入することができる。インジェクタプレートは、この目的のためにねじ山39を有する。たとえば熱湯をカプセル内に導入することができる連続する入口開口8は、中央を通る。半径方向外側に延在する合計6個の個別の板ばねを含む板ばね配置38は、インジェクタプレートの上面および入口開口8の周りに固定される。各々が比較的鋭いエッジを有するピラミッドの形にある刺通エレメント18は、個々の板ばねの間で、円周領域に配置することができる。図24からわかるように、板ばねの自由端は、応力のかからない状態ではピラミッドの先端を越えて突出する。カプセルのカバー膜は、ピラミッドの先端が穴を開ける前に既に引っ張られている。さらに、ボルトの形の単一の圧縮エレメント28が、上面の一か所に配置されている。弾性材から作られ、閉じた状態ではカプセルの外周カラーに対して押さえ付けられるシーリングリップは、インジェクタプレートの最も外側の円周領域に配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体媒体を用いて、ポーションパッケージに含まれる、特にカプセル(2)に含まれる材料(3)から飲料を用意するための装置(1)であって、前記装置は2つのチャンバ部(5,6)を含み、チャンバ部は、閉じた状況において互いに押さえ付けられて、中にポーションパッケージを包み込むことができる受取チャンバ(7)を形成し、受取チャンバは少なくとも1つの入口開口(8)および少なくとも1つの出口開口(9)を有し、液体媒体は閉じた状況において、ポーションパッケージを通って導出可能であり、受取チャンバ(7)は少なくとも1つの排水チャネル(12)を含み、排水チャネルはチャンバの内部(10)からチャンバの外部(11)に延び、排水チャネルはポーションパッケージによって、および/または閉じた状況(S)が設定された場合に他方のチャンバ部によって封止されるような態様で、一方のチャンバ部の壁部に配置される、装置。
【請求項2】
チャンバの内部において、排水チャネル(12)は、チャンバ内に包み込まれるポーションパッケージの外側壁部によって封止できる出入り口(13)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
排水チャネル(12)は、閉鎖体(14)によって封止可能であり、閉鎖体は他方のチャンバ部に関連付けられ、閉じた状況において排水チャネルを閉塞する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
一方のチャンバ部は、ポーションパッケージを受入れるためのキャビティを有するホルダ(5)として実現され、他方のチャンバ部は、キャビティを閉じるための閉鎖部(6)として実現され、排水チャネル(12)はホルダ上に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
キャビティは少なくとも1つの排水溝(15)を有し、排水溝は長手方向の中心軸(L1)に対して、好ましくはキャビティの底(16)からその開口に延在する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
キャビティは、開口側において、支持ショルダ(17)を有し、支持ショルダ(17)はポーションパッケージの相補的壁部を支持するために、長手方向中心軸に対して傾けられており、排水溝(15)は支持ショルダに開口し、排水チャネル(12)は支持ショルダからまたは支持ショルダに直接隣接する領域から始まる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのチャンバ部は、閉じた状況(S)においてポーションパッケージを刺通するための少なくとも1つの刺通エレメント(18)を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
排水チャネル(12)の断面は好ましくは0.1mm2および10mm2の間にある、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
排水チャネル(12)は排水チャネルによって導出された液体を受取るための容器に延びる、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
受取チャンバは回転対称の態様で実現され、排水チャネル(12)は、一方のチャンバ部において半径方向の孔として実現される、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
排水チャネル(12)の出口開口の領域において、ドリップスカート(34)が、チャンバ外部に配置され、流出する液体はドリップスカートに沿って導出できる、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
カプセル(2)であって、側壁(21)および前記側壁と一体的に実現される底(22)を有する好ましくは回転対称のカプセル本体(20)からなり、さらにカプセル本体を覆って閉じたカプセルチャンバ(27)を形成するカバー(23)を備え、閉じたカプセルチャンバ(27)は飲料を用意するための材料(3)を含み、液体を導出するために、カバーおよび底は、カプセルの外に配置される手段であって、好ましくは請求項1から11のいずれか1項に記載の装置内にある手段によって刺通され、側壁(21)は、カバー(23)に対面する領域において、断面で円周ショルダ(24)を形成し、ショルダ(24)は少なくとも壁部(25)を含み、壁部(25)はカプセルの長手方向中心軸(L2)に対して、その断面が傾斜または湾曲しており、ショルダの外側は、相補的接触面に対して密封した態様で押さえ付けられ得る円周密封面(26)を形成する、カプセル。
【請求項13】
傾斜したまたは湾曲した壁部(25)の幅(b)は少なくとも1mmであり、円周ショルダ(24)の高さは好ましくは、長手方向中心軸(L2)に対して少なくとも3.5mmである、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
傾斜壁部(25)は、長手方向中心軸(L2)に対して45°傾斜して、底に向かって先細りとなる、請求項12または13に記載のカプセル。
【請求項15】
底(22)およびショルダ(24)の間の側壁(21)は、底に向かって先細りとなることにより実現され、好ましくは長手方向中心軸(L2)に対して7°の角度で傾斜する、請求項12から14のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項16】
前記カプセルは、プラスチック材またはバイオポリマーまたは金属の膜から深絞りされ、底(22)は好ましくは弾性的に変形可能であるよう実現され、好ましくは0.1mmおよび0.2mmの間の壁厚さを有する、請求項12から15のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか1項に記載のカプセルを有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置であって、排水チャネル(12)は円周ショルダ(24)の密封面(26)により、閉じた状況(S)において封止されるまたは封止可能である、装置。
【請求項18】
カプセルの側壁は圧力の影響下で半径方向に膨張可能であり、排水チャネル(12)は膨張した側壁の密封面(26)によって封止可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項12から16のいずれか1項に記載のカプセルを有する、請求項6に記載の装置であって、カプセルの円周ショルダは、キャビティの支持ショルダ(17)の上に乗り、円周ショルダ(24)の密封面(26)は、排水溝(15)もしくは排水チャネル(12)のどちらか、または両方を封止する、請求項6に記載の装置。
【請求項20】
特に請求項1から11のいずれか1項に記載の装置であって、チャンバ部の少なくとも一方は圧縮手段(28)を有し、圧縮手段(28)は受取チャンバに対して向けられ、それにより閉じた状況(S)においてポーションパッケージに作用する、装置。
【請求項21】
圧縮手段は、中心から半径方向外側に延在する複数の板ばねを有する少なくとも1つの弾性エレメント(38)を含み、板ばねの弾性自由端は閉じた状況においてポーションパッケージに作用し、刺通エレメントおよび/またはさらなる圧縮手段は、個々の板ばねまたはすべての板ばねの間で壁エレメントに配置される、請求項20に記載の装置。
【請求項1】
液体媒体を用いて、ポーションパッケージに含まれる、特にカプセル(2)に含まれる材料(3)から飲料を用意するための装置(1)であって、前記装置は2つのチャンバ部(5,6)を含み、チャンバ部は、閉じた状況において互いに押さえ付けられて、中にポーションパッケージを包み込むことができる受取チャンバ(7)を形成し、受取チャンバは少なくとも1つの入口開口(8)および少なくとも1つの出口開口(9)を有し、液体媒体は閉じた状況において、ポーションパッケージを通って導出可能であり、受取チャンバ(7)は少なくとも1つの排水チャネル(12)を含み、排水チャネルはチャンバの内部(10)からチャンバの外部(11)に延び、排水チャネルはポーションパッケージによって、および/または閉じた状況(S)が設定された場合に他方のチャンバ部によって封止されるような態様で、一方のチャンバ部の壁部に配置される、装置。
【請求項2】
チャンバの内部において、排水チャネル(12)は、チャンバ内に包み込まれるポーションパッケージの外側壁部によって封止できる出入り口(13)を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
排水チャネル(12)は、閉鎖体(14)によって封止可能であり、閉鎖体は他方のチャンバ部に関連付けられ、閉じた状況において排水チャネルを閉塞する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
一方のチャンバ部は、ポーションパッケージを受入れるためのキャビティを有するホルダ(5)として実現され、他方のチャンバ部は、キャビティを閉じるための閉鎖部(6)として実現され、排水チャネル(12)はホルダ上に配置される、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
キャビティは少なくとも1つの排水溝(15)を有し、排水溝は長手方向の中心軸(L1)に対して、好ましくはキャビティの底(16)からその開口に延在する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
キャビティは、開口側において、支持ショルダ(17)を有し、支持ショルダ(17)はポーションパッケージの相補的壁部を支持するために、長手方向中心軸に対して傾けられており、排水溝(15)は支持ショルダに開口し、排水チャネル(12)は支持ショルダからまたは支持ショルダに直接隣接する領域から始まる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのチャンバ部は、閉じた状況(S)においてポーションパッケージを刺通するための少なくとも1つの刺通エレメント(18)を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
排水チャネル(12)の断面は好ましくは0.1mm2および10mm2の間にある、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
排水チャネル(12)は排水チャネルによって導出された液体を受取るための容器に延びる、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
受取チャンバは回転対称の態様で実現され、排水チャネル(12)は、一方のチャンバ部において半径方向の孔として実現される、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
排水チャネル(12)の出口開口の領域において、ドリップスカート(34)が、チャンバ外部に配置され、流出する液体はドリップスカートに沿って導出できる、請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
カプセル(2)であって、側壁(21)および前記側壁と一体的に実現される底(22)を有する好ましくは回転対称のカプセル本体(20)からなり、さらにカプセル本体を覆って閉じたカプセルチャンバ(27)を形成するカバー(23)を備え、閉じたカプセルチャンバ(27)は飲料を用意するための材料(3)を含み、液体を導出するために、カバーおよび底は、カプセルの外に配置される手段であって、好ましくは請求項1から11のいずれか1項に記載の装置内にある手段によって刺通され、側壁(21)は、カバー(23)に対面する領域において、断面で円周ショルダ(24)を形成し、ショルダ(24)は少なくとも壁部(25)を含み、壁部(25)はカプセルの長手方向中心軸(L2)に対して、その断面が傾斜または湾曲しており、ショルダの外側は、相補的接触面に対して密封した態様で押さえ付けられ得る円周密封面(26)を形成する、カプセル。
【請求項13】
傾斜したまたは湾曲した壁部(25)の幅(b)は少なくとも1mmであり、円周ショルダ(24)の高さは好ましくは、長手方向中心軸(L2)に対して少なくとも3.5mmである、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
傾斜壁部(25)は、長手方向中心軸(L2)に対して45°傾斜して、底に向かって先細りとなる、請求項12または13に記載のカプセル。
【請求項15】
底(22)およびショルダ(24)の間の側壁(21)は、底に向かって先細りとなることにより実現され、好ましくは長手方向中心軸(L2)に対して7°の角度で傾斜する、請求項12から14のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項16】
前記カプセルは、プラスチック材またはバイオポリマーまたは金属の膜から深絞りされ、底(22)は好ましくは弾性的に変形可能であるよう実現され、好ましくは0.1mmおよび0.2mmの間の壁厚さを有する、請求項12から15のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか1項に記載のカプセルを有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置であって、排水チャネル(12)は円周ショルダ(24)の密封面(26)により、閉じた状況(S)において封止されるまたは封止可能である、装置。
【請求項18】
カプセルの側壁は圧力の影響下で半径方向に膨張可能であり、排水チャネル(12)は膨張した側壁の密封面(26)によって封止可能である、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項12から16のいずれか1項に記載のカプセルを有する、請求項6に記載の装置であって、カプセルの円周ショルダは、キャビティの支持ショルダ(17)の上に乗り、円周ショルダ(24)の密封面(26)は、排水溝(15)もしくは排水チャネル(12)のどちらか、または両方を封止する、請求項6に記載の装置。
【請求項20】
特に請求項1から11のいずれか1項に記載の装置であって、チャンバ部の少なくとも一方は圧縮手段(28)を有し、圧縮手段(28)は受取チャンバに対して向けられ、それにより閉じた状況(S)においてポーションパッケージに作用する、装置。
【請求項21】
圧縮手段は、中心から半径方向外側に延在する複数の板ばねを有する少なくとも1つの弾性エレメント(38)を含み、板ばねの弾性自由端は閉じた状況においてポーションパッケージに作用し、刺通エレメントおよび/またはさらなる圧縮手段は、個々の板ばねまたはすべての板ばねの間で壁エレメントに配置される、請求項20に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図12c】
【図12d】
【図12e】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2013−514102(P2013−514102A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543744(P2012−543744)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069874
【国際公開番号】WO2011/073310
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(509053514)デリカ・アクチェンゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】DELICA AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069874
【国際公開番号】WO2011/073310
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(509053514)デリカ・アクチェンゲゼルシャフト (6)
【氏名又は名称原語表記】DELICA AG
【Fターム(参考)】
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