飲料を調製するためのカートリッジおよび該カートリッジの製造方法
【課題】1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されるカートリッジ(1)において、製造時にカートリッジのコンポーネントを手で取り扱う程度を減らし、かつコンポーネントの全数を減らす。
【解決手段】カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口(122)とを具え、前記カートリッジが外側部材(2)および該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(3)を具え、前記内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口(43)を具える。
【解決手段】カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口(122)とを具え、前記カートリッジが外側部材(2)および該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(3)を具え、前記内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口(43)を具える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカートリッジに関し、特に、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成され、飲料の調製用に1種類または複数種類の原料を含有するシール済みカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
空気に対して不透過性である個々のパッケージ内に飲料調製原料をシールすることが、これまで提案されてきた。例えば、挽いたコーヒーを圧縮して収納するカートリッジやカプセルは、一般に「エスプレッソ」機械と呼ばれる特定のコーヒー調製機械で使用するものとして知られている。こうした調製機械を用いたコーヒーの製造では、コーヒーカートリッジが煎出チャンバ内に配置され、湯がこのカートリッジを比較的高い圧力で通過することにより、挽かれたコーヒーから薫り高いコーヒー成分が抽出されて、コーヒー飲料を生成する。通常、こうした機械は、6×105Paを超える圧力で動作する。このタイプの調製機械は、これに含まれる水ポンプおよびシールなどのコンポーネントが高圧に耐えられるものでなければならないため、今まで比較的高価であった。
【0003】
特許文献1には、概して0.7から2.0×105Paで動作する飲料調製用カートリッジが記載されている。しかし、このカートリッジは、商業または工業市場用飲料調製機内で使用する設計となっており、比較的高価である。したがって、カートリッジおよび飲料調製機が、特に、価格、性能および信頼性の面で家庭向け市場に適したものとなっている飲料調製用カートリッジが必要である。
【0004】
カートリッジ本体内に形成される狭隘で蛇行した通路によって、上述したタイプの飲料カートリッジを殺菌することが難しいこともわかっている。例えばカートリッジを上記にさらすことによる殺菌は蛇行通路に対して有効ではない。カートリッジの表面張力特性によって蛇行通路内への蒸気の進入が妨げられ、したがってコンポーネント表面全体を蒸気にさらすことができなくなるからである。
【0005】
飲料カートリッジはスプラッタおよびスプラッシュの問題を起こしがちであり、カートリッジから飲料を提供する際に、飲料が容器の縁の外に噴射されたりはね飛んだりする。これは特に飲料が比較的高圧で提供される場合に起こる。容器内に飲料を導く吐出プローブを飲料調製機械に設けることによって、この問題を緩和する試みがなされている。しかしながら、吐出プローブは時間が経つにつれて飲料残渣により汚染される傾向にあり、清浄にすることが困難である。さらに、異種飲料間の相互汚染の恐れもある。
【0006】
加えて、特許文献1のカートリッジにおいては、アパーチャを通して飲料を通過させることにより飲料の噴流が形成されるようにしている。このタイプのアパーチャを正確に寸法づけ、位置決めすることは困難であることがわかっている。アパーチャを正確に寸法づけ、位置決めすることは非常に重要である。最終的な飲料内に適正に気泡が巻き込まれるようにすることが重要であるからである。アパーチャが内部に配置され、かつコンポーネントの他の部分に取り囲まれるような場合、射出成型コンポーネントに小径のアパーチャを形成することは特に難しい。アパーチャを形成する従来の方法は、アパーチャの所要の直径に合わせて寸法づけたモールドピンを用いるものである。しかしモールドピンによって形成されるアパーチャは通常、コンポーネントの開口(この開口は、成型時にモールドピンがコンポーネントにアクセスできるようにするものである)に向いているのみである。この結果、飲料カートリッジにおいては、飲料が出口に向けてそのまま導かれることから、12〜16m/sという非常に高い速度で開口から供給されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/58786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カートリッジの信頼性における一つの要素は、内圧に耐える能力である。したがって、本発明の目的は、内圧に耐える能力を改善した飲料カートリッジを提供することにある。
【0009】
かかるカートリッジを低廉なものとするためには、簡単で信頼性の高い方法でカートリッジを製造することが望まれる。特に、製造時にカートリッジのコンポーネントを手で取り扱う程度を減らし、かつコンポーネントの全数を減らすことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口とを具え、前記カートリッジが外側部材および該外側部材に結合して組み付けられる内側部分を具え、前記内側部分が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口を具えていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0011】
本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、これらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造を最適化することができる。これは、カートリッジを通る飲料流路が外側部材および内側部材間の界面によって形成されることから、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、この内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときに簡単に殺菌消毒することができるものである。これらのコンポーネントを組み合わせると何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。加えて、結合される分離コンポーネントを用いることで、組み立て時にカートリッジを反転する必要がない。内側部材および付加的なフィルタの結合、飲料原料の充填およびラミネートなどのリッドの結合はすべて、外側部材の一姿勢により行うことができるからである。
【0012】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が飲料残渣によって汚されることがない。好適には、注ぎ口が内側部材と一体となっている。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0013】
一実施形態において、注ぎ口はテーパ部分を具えている。他の実施形態では、注ぎ口が円筒部分を具えている。さらなる選択的変形例では、注ぎ口は、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切りを具えている。仕切りは流出する飲料の飛散を低減する。
【0014】
好適には、外側部材と内側部材とを結合するためにスナップ嵌合構造が設けられる。典型的には、スナップ嵌合構造は協働する形成物を内側部材および外側部材に具えている。スナップ嵌合構造は内側部材および外側部材の迅速な組み立てを提供するだけでなく、結合を確実にする方法である。有利な点は、飲料原料にさらされることになるカートリッジの内部において接着剤が不要となることである。
【0015】
好ましくは、外側部材は閉塞された第1端と開放された第2端とを具え、外側部材と結合する内側部材では注ぎ口の出口が開放第2端に向くようになっている。また好適には、入口が外側部材の開放第2端に向いている。よって入口および出口はカートリッジの同じサイドに向いている。これにより、カートリッジを薄型(low-profile)の機械に使用することができ、使用に際しては入口および出口を形成するための穿孔手段を飲料調整機械の単一面から突出させることができるようになる。
【0016】
好ましくは、外側部材の閉塞第1端の部位またはその近傍で、外側部材および内側部材が結合される。よって、内側部材および外側部材の結合は、外側部材の開放端すなわち口部から離れた位置で行われることになる。有利な点は、飲料原料のカートリッジへの充填に先立って、かつカートリッジの開放端すなわち口部の封止に先立って結合ステップを行なうことができることである。これにより、内側部材および外側部材をまず結合させて部分組み立て品を形成し、その後にパッキングラインの充填ステーションに移送して1以上の飲料原料を入れることができるので、組み立てプロセスが簡単なものとなる。次に、充填されたカートリッジが封止される。これは例えば、外側部材の開放端にラミネートシートを熱溶着する(heat welded)ことによって行われる。この組み立てプロセスにより、熱溶着のステップを通じ、外側部材、内側部材およびラミネートを位置合わせし、かつ位置合わせ状態を維持するための困難な作業を排除できる。
【0017】
好適には、外側部材は内側に向かう延在部を具え、外側部材と内側部材との結合時に注ぎ口の基端部(proximal end)に受容されるようになっている。
【0018】
一実施形態では、内側部材はフレームを具え、このフレーム上にフィルタが設けられている。好適には、内側部材と外側部材とが結合したときに、外側部材の閉塞第1端とフレームとの間に1以上の通路が形成される。さらに、その1以上の通路は、フレームから上方に延在して外側部材の閉塞第1端に至るウェブによって画成される。好ましくは、1以上の通路は注ぎ口に向かって下方に傾斜している。
【0019】
他の実施形態において、内側部材は注ぎ口を取り囲むスカートを具えている。好ましくは、スカートは上部延在部を具え、カートリッジを組み立てたときにカートリッジの閉塞第1端と接触するようになっている。好ましくは、上部延在部の上部リムが外側部材の協働形成物と係合して、内側部材を外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす。典型的には、外側部材の協働形成物は内向きの延在部である。
【0020】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。カートリッジはさらに飲料の噴流を生成するための手段を具えていてもよく、この手段は入口と出口との間の飲料流路にアパーチャを有している。好ましくは入口および/または出口は、使用のためにカートリッジの入口および/または出口を形成する前には、実質的に空気および水不透過性の材料で覆われている。例えば、入口および/または出口は実質的に空気および水不透過性のラミネートで覆われる。ラミネートはポリプロピレンであってもよい。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。あるいは、外側部材および/または内側部材を生分解性高分子で形成することも可能である。
【0021】
好ましくは、内側部材は荷重受け部材(load- bearing member)をなす。
【0022】
好ましくは、上述したようなカートリッジを複数設け、カートリッジ内に収納された1以上の飲料原料から生成される飲料の百分率生産量(percentage yield)が標準偏差1.0以内となるようにする。
【0023】
また、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口とを具え、前記カートリッジが外側部材と、該外側部材に挿入される内側部分と、前記飲料の噴流を生成するための手段とを具え、該噴流生成手段が前記入口を前記出口に接続させるための飲料流路にアパーチャを有しており、前記アパーチャが前記内側部材および前記外側部材間の界面によって画成されていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0024】
本発明のカートリッジは、提供される飲料の見た目や特性を変えることのできる飲料噴流を生成する。例えば、飲料の噴流に空気を混入することで、提供される飲料内に多数の小気泡を生成することができる。本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、これらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造およびカートリッジの組み立てを最適化することができる。これは、噴流を生成するアパーチャの寸法および配置について、および、カートリッジを通る飲料流路の残部について、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、アパーチャを流路の全体的な方向に直交する向きとすることで、飲料がカートリッジの壁面に衝突し、供給に先立って減速されるようにすることができる。上述したように、アパーチャを精密にし、方向づけることは射出成形コンポーネントにとって困難である。本発明によれば、単一のコンポーネントに例えばモールドピンによってアパーチャの全体を形成するのではなく、内側部材と外側部材との間の界面を用いてアパーチャを画成することにより、そのような困難が解消される。
【0025】
内側部材または外側部材の一方は開口を具え、内側部材または外側部材の他方は閉塞部(obstruction)を具えて、内側部材を外側部材に挿入する際に、閉塞部が開口を部分的に閉塞してアパーチャが画成されるようになっている。
【0026】
有利な点は、アパーチャを画成するべく合わされる分離した開口および閉塞部をより容易に作成できることである。好ましくは、開口は細長いスロットを具え、これは内側部材に設けることができる。この場合は外側部材が閉塞部を具える。好ましくは、閉塞部は外側部材の延在部を具え、その少なくとも一部が内側部材内に突出するようにする。内側部材の円筒壁に細長いスロットを形成することができる。好ましくは、細長いスロットは円筒壁の上縁まで延在している。一実施形態では、外側部材の延在部は円筒状の延在部であり、内側部材の円筒壁内に摺動嵌合するようにして受容される。典型的には、アパーチャは0.4〜0.7mm2の断面積を有している。
【0027】
好ましくは、カートリッジはさらに、少なくとも1つの空気用の入口と、飲料の噴流の圧力低下を生じさせるための手段とを具え、使用に際し、少なくとも1つの空気用入口から飲料内に複数の小泡が導入されるようにする。好ましくは、少なくとも1つの空気用入口はアパーチャより下流の内側部材に設けられる。内側部材が出口を形成する注ぎ口を具えていてもよい。好ましくは、アパーチャによって提供される飲料噴流が注ぎ口に導かれ、アパーチャから導入されて出口から出て行く間に、注ぎ口の表面に衝突できるようにする。好ましくは、当該表面は注ぎ口の凹壁である。凹壁は、好ましくはアパーチャとは反対側の注ぎ口の部位に配置される。好ましくは、アパーチャは、出口から流出する飲料の流れに実質的に垂直な角度で流れるよう、飲料を導く。よって飲料は、カートリッジから出て行くことができる前に偏向され、その結果飲料が減速する。これは、容器に対する飛散を防止する上で望ましい。
【0028】
内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときにより簡単に殺菌消毒することができる。これらのコンポーネントを組み合わせると何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。
【0029】
有利な点は、注ぎ口が内側部材に一体化されていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が飲料残渣によって汚されることがない。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0030】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。生分解性高分子でカートリッジを形成することも可能である。
【0031】
また、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための区画を具え、該区画が水媒体をその内部に導入するための複数の入口アパーチャと、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料のための出口アパーチャとを有しており、前記入口アパーチャの一部と前記出口アパーチャとをずらすことで、前記入口アパーチャを通って前記区画内に進入する前記水媒体の一部が前記区画内で強制循環されてから前記出口アパーチャを通って前記区画から出て行くようにされており、前記複数の入口アパーチャが前記区画の周りに配置されていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0032】
有利な点は、本発明のカートリッジが入口アパーチャと、少なくとも一部がずれた出口アパーチャとを具えていることである。これにより,飲料原料を収納する区画に入る水媒体が入口アパーチャから出口アパーチャへとそのまま通過してしまうことが無いようにすることができる。そのまま通過するのではなく、水媒体は出口アパーチャを介して出てゆく前に、区画内で強制的に循環させられる。これにより、区画内の飲料原料のほぼ全部が水媒体流路に接触するので、水媒体と飲料原料との混合の度合いが増進する。
【0033】
好ましくは、入口アパーチャを区画周囲に等間隔に配置することができる。好ましくは、入口アパーチャに対し、出口アパーチャは区画の中心に向けて配置される。出口アパーチャを区画中心の周りに等間隔に配置することができる。入口アパーチャおよび出口アパーチャを等間隔に配置することによって、区画内でのより一様な流れを提供し、これによって飲料原料および水媒体のより確実な混合が提供される。
【0034】
好ましくは、カートリッジは3〜10個の入口アパーチャを具える。一実施形態では、4個の入口アパーチャが設けられる。
【0035】
好ましくは、カートリッジは3〜10個の出口アパーチャを具える。一実施形態では、5個の出口アパーチャが設けられる。
【0036】
好ましくは、入口アパーチャの数と出口アパーチャの数とは等しくない。
【0037】
好ましくは、入口アパーチャの数および出口アパーチャの数は次の公式で与えられる。
【0038】
Xo=Xi+C
ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数
有利な点は、入口アパーチャおよび出口アパーチャの数が上記公式に従って選択されることである。これは特に、カートリッジがディスク形状であり、それらアパーチャがディスクのまわりに等間隔に配される場合において有利である。組み立て時に、入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジのコンポーネントの位置合わせに意を払う必要がなくなるからである。コンポーネントの向きがどのようなものであっても、入口アパーチャおよび出口アパーチャの少なくとも一部はずれることになる。例えば、4個の入口アパーチャおよび5個の出口アパーチャがあり、すべてが等間隔に配される場合、入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジのコンポーネントをどのように位置合わせしても、2以上の入口アパーチャを出口アパーチャに整列させることは不可能である。これにより、組み立て手順をより迅速かつ簡単に行うことができるようになる。あるいは、等しい数の入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジとしてもよいが、入口アパーチャおよび出口アパーチャの少なくとも一部が確実にずれるようにそれらの間隔が定められる。
【0039】
典型的には、入口アパーチャはカートリッジの外側部材に設けられ、出口アパーチャはカートリッジの内側部材に設けられる。好ましくは、内側部材は出口アパーチャに連通する注ぎ口を具える。
【0040】
好適実施形態では、カートリッジはディスク形状である。好ましくは、入口アパーチャを通って区画内に流入する水媒体はカートリッジの中心に向かって半径方向内方に導かれる。
【0041】
カートリッジの特別な応用例として、粘稠液すなわちゲルの形態の液体原料に用いられることがわかる。一応用例では、液状のチョコレート原料がカートリッジ1に収納され、これは、周囲温度にて粘性が1700〜3900mPa、0℃にて5000〜10000mPaであり、屈折性の固形分(refractive solids)が67ブリックス度±3である。別の応用例では、カートリッジ1内には液体コーヒーが収納され、これは、周囲温度にて粘性が70〜2000mPa、0℃にて80〜5000mPaであり、全固形分量が40〜70%である。
【0042】
粘稠液すなわちゲルのような可溶性飲料原料を用いる場合、原料が水媒体と完全に混合しないことが特に問題となる。特に、そのような製品を収納するカートリッジにおいては、原料の局所的な溶解に起因して、カートリッジの入口と出口とを結ぶチャネルが速やかに生成されてしまうことがある。そしてチャネルは残りの水媒体に対して比較的低抵抗の流路を形成し、区画内にある残りの未溶解の粘性の高い原料を通るのではなく、チャネルに沿って流れやすくしてしまう。本発明のカートリッジは主としてこの問題を解決するものであり、水媒体を区画内で強制的に再循環させることによって、原料の大部分を溶解させるだけでなく、区画内に乱流を生成して残りの原料の混合を促進するよう作用させるとともに、入口アパーチャと出口アパーチャとを結ぶ低抵抗の流路の生成および維持を阻止するものである。
【0043】
外側部材および/または内側部材はポリプロピレンで形成することができ、射出成型されたものとすることができる。一実施形態においては、外側部材および/または内側部材は生分解性高分子で形成される。
【0044】
本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、を具え、前記内側部材が荷重受け部材をなしていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0045】
本発明のカートリッジは飲料を供給するための頑健な機構を具える。特に内側部材が荷重受け部材をなし、使用時における比較的高い圧縮荷重に耐えることができるようになっている。これにより、供給サイクルを始めるに先立ってカートリッジに圧縮荷重を加える飲料調製機械においても、カートリッジを用いることができるようになる。そしてこれは、内部が加圧される際にカートリッジが破損する恐れを低減する。加えて、カートリッジに対する圧縮加重の作用により、カートリッジのコンポーネントが確実に、正確な位置に保持されるようになる。
【0046】
好ましくは、内側部材および外側部材は別体のコンポーネントであり、それらはカートリッジの組み立て時に結合する。
【0047】
好ましくは、カートリッジはさらに内側部材に結合するフィルタを具える。
【0048】
好ましくは、内側部材は十分な剛性をもつ荷重受け部材をなし、カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようになっている。より好ましくは、荷重受け部材は十分な剛性をもち、カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにする。好ましくは、荷重受け部材が十分な剛性をもち、荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにする。
【0049】
一実施形態では、内側部材はポリプロピレンで形成されている。他の形態においては、外側部材および/または内側部材は生分解性高分子で形成される。
【0050】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。
【0051】
好ましくは、内側部材と注ぎ口とは一体の部材(ピース)として形成される。
【0052】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、閉塞された第1端と、開放された第2端とを有するハウジングを具え、該ハウジングが前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成し、前記ハウジングの前記解放された第2端がリッドによって封止されており、前記ハウジングの前記閉塞された第1端と前記リッドとの間に渡された荷重受け部材をさらに具えていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0053】
好ましくは、前記荷重受け部材は、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用の出口を形成する注ぎ口を具える。
【0054】
好ましくは、前記荷重受け部材は前記カートリッジの中心またはその近傍に配置される。
【0055】
好ましくは、内側部材は十分な剛性をもち、カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようになっている。より好ましくは、荷重受け部材は十分な剛性をもち、カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにする。好ましくは、荷重受け部材が十分な剛性をもち、荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにする。
【0056】
本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、前記収納室および前記注ぎ口の間に配されたフィルタと、を具え、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1つの溶接部によって、前記外側部材に対し1操作で結合されることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0057】
有利な点は、本発明のカートリッジが、コンポーネントの手操作を最小限にした信頼性のある方法で組み立てられることである。加えて、外側部材、内側部材およびフィルタをまず部分組立品として組み立てることができるので、フィルタ脱落の恐れが生じることなくなく簡単に輸送することができる。これにより、外側部材、内側部材およびフィルタを離れた場所で組み立て、カートリッジの充填および封止を行うことが可能となる。
【0058】
好ましくは、外側部材は収納室にアクセスするための開口を有し、開口から離れたベースの部位で、内側部材およびフィルタを外側部材に結合するようになっている。
【0059】
好ましくは、内側部材、外側部材およびフィルタは環状である。
【0060】
好ましくは、溶接部は略円形である。
【0061】
一実施形態では、内側部材および外側部材はプラスチック材料であり、前記少なくとも1つの溶接部は超音波溶接により形成されている。
【0062】
一例では、内側部材はフレームを具え、前記少なくとも1つの溶接部は前記フレームの周囲に形成されている。溶接部は、飲料がフィルタ以外の収納室の部位から流出するのを阻止する。好ましくは、フレームは外側部材の閉塞された第1端に向けてフレームから上方に延在する複数のウェブを具え、フレームと外側部材の閉塞第1端との間に1以上の通路を画成するとともに、溶接部がウェブと外側部材の閉塞第1端との間に形成されるようにする。
【0063】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジの製造方法であって、前記カートリッジが、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、フィルタと、を具えており、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1回の溶接ステップによって、前記外側部材に対し1ステップで結合されることを特徴とする方法を提供する。
【0064】
好ましくは、溶接ステップは超音波溶接によって行われる。
【0065】
好ましくは、前記方法は内側部材および前記フィルタの周囲に第1溶接ラインを形成するステップをさらに具える。
【0066】
好ましくは、前記方法は注ぎ口またはその近傍で内側部材およびフィルタのまわりに第2溶接ラインを形成するステップをさらに具える。
【0067】
ここで用いる「カートリッジ」という語は、いかなるパッケージ、コンテナ、袋(sachet)または容器を含むものであり、記載された態様で1種または複数種の飲料原料を収納するものである。カートリッジは剛体であっても、半剛体であっても、可撓性のあるものであってもよい。
【0068】
本発明のカートリッジには、飲料製品の精製に好適な1種または複数種の飲料原料が収納される。飲料としては、例えばコーヒー、ティー、チョコレートまたはミルクを含む乳を原料とする飲料が挙げられる。飲料原料としては、粉末状のもの、挽いたもの、リーフベースのもの、または液体のものとすることができる。飲料原料は不溶性のものでも、可溶性のものでもよい。焙煎し、挽いたコーヒー、リーフティ、粉末チョコレートおよびスープ、液体ミルクベースの飲料および濃縮果汁が例として挙げられる。
【0069】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を流出させるための出口とを具えており、前記カートリッジが、外側部材と、該外側部材に結合して組み付けられる内側部分とを具え、該内側部分が前記カートリッジの前記出口を形成するとともに、前記カートリッジの組み立て時における前記外側部分と前記内側部分との結合にスナップ嵌合構造が設けられていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0070】
本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、スナップ嵌合構造によりこれらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造およびカートリッジの組み立てを最適化することができる。これは、カートリッジを通る飲料流路が外側部材および内側部材間の界面によって形成されることから、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときに簡単に殺菌消毒することができるものである。これらのコンポーネントをスナップ嵌合させると、何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。スナップ嵌合構造は迅速な組み立てを提供するだけでなく、結合を確実にする方法である。有利な点は、飲料原料にさらされることになるカートリッジの内部において接着剤が不要となることである。
【0071】
典型的には、スナップ嵌合構造は協働する形成物を内側部材および外側部材に具えている。好ましくは、外側部材は閉塞された第1端と開放された第2端とを具え、外側部材とスナップ嵌合する内側部材ではその出口が開放第2端に向くようになっている。また好適には、入口が外側部材の開放第2端に向いている。よって入口および出口はカートリッジの同じサイドに向いている。これにより、カートリッジを薄型の機械に使用することができ、使用に際しては入口および出口を形成するための穿孔手段を飲料調整機械の単一面から突出させることができるようになる。
【0072】
好ましくは、外側部材の閉塞第1端の部位またはその近傍で、外側部材および内側部材がスナップ嵌合される。よって、内側部材および外側部材の結合は、外側部材の開放端すなわち口部から離れた位置で行われることになる。有利な点は、飲料原料のカートリッジへの充填に先立って、かつカートリッジの開放端すなわち口部の封止に先立ってスナップ嵌合ステップを行なうことができることである。これにより、内側部材および外側部材をまずスナップ嵌合させてカートリッジの部分組み立て品を形成し、その後にパッキングラインの充填ステーションに移送して1以上の飲料原料を入れることができるので、組み立てプロセスが簡単なものとなる。次に、充填されたカートリッジが封止される。これは例えば、外側部材の開放端にラミネートシートを熱溶着することによって行われる。この組み立てプロセスにより、熱溶着のステップを通じ、外側部材、内側部材およびラミネートを位置合わせし、かつ位置合わせ状態を維持するための困難な作業を排除できる。
【0073】
有利な点は、内側部材および外側部材のスナップ嵌合によって水密性シールが形成されることである。
【0074】
一実施形態において、内側部材は出口を取り囲むスカートをさらに具えている。スカートは上部延在部を具え、該上部延在部は上部リムを有し、カートリッジを組み立てたときに上部リムが外側部材の協働形成物と係合して、内側部材を外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす。典型的には、外側部材の協働形成物は内向きの延在部である。
【0075】
好適には、外側部材は内向きの延在部を具え、外側部材と内側部材との結合時に注ぎ口の基端部(proximal end)に受容されるようになっている。
【0076】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が汚されることがなくなる。好適には、注ぎ口が内側部材と一体となっている。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0077】
一実施形態において、注ぎ口はテーパ部分を具えている。他の実施形態では、注ぎ口が円筒部分を具えている。さらなる選択的変形例では、注ぎ口は、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切りを具えている。仕切りは流出する飲料の飛散を低減する。
【0078】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。カートリッジはさらに飲料の噴流を生成するための手段を具えていてもよく、この手段は入口と出口との間の飲料流路にアパーチャを有している。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。
【0079】
以下の説明において、「上方」、「下方」およびその等価の用語を、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。「上方」、「下方」およびその等価の用語を、例えば図4に示すように、飲料調製機に挿入して引き続き供給を行う、通常の姿勢にあるカートリッジ(または他のコンポーネント)に対して指すものと理解すべきである。特に、「上方」および「下方」は、カートリッジの頂面11からより近い相対的位置、またはより遠い相対的位置をそれぞれ指す。加えて、「内側」、「外側」およびその等価の用語も、以下、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。これら「内側」、「外側」およびその等価の用語を、カートリッジ1(または他のコンポーネント)の中心または主軸Xからより近いまたはより遠い、カートリッジ(または他のコンポーネント)内での相対的位置付けをそれぞれ指すものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係るカートリッジの第1および第2の実施形態の外側部材を示す断面図である。
【図2】図1の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図3】スロットを示す、図1の外側部材の詳細を示す断面図である。
【図4】図1の外側部材を上から見た斜視図である。
【図5】図1の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図6】図1の外側部材を上から見た平面図である。
【図7】第1の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図8】図7の内側部材を上から見た斜視図である。
【図9】図7の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図10】図7の内側部材を上から見た平面図である。
【図11】組み立てた状態である第1の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図12】第2の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図13】アパーチャを示す、図12の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図14】図12の内側部材を上から見た斜視図である。
【図15】図12の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図16】図12の内側部材を示す別の断面図である。
【図17】空気入口を示す、図12の内側部材の別の詳細を示す断面図である。
【図18】組み立てた状態である第2の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図19】本発明に係るカートリッジの第3および第4の実施形態の外側部材を示す断面図である。
【図20】図19の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図21】図19の外側部材を上から見た平面図である。
【図22】図19の外側部材を上から見た斜視図である。
【図23】図19の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図24】第3の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図25】図24の外側部材を上から見た平面図である。
【図26】内向き上方リムを示す、図24の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図27】図24の内側部材を上から見た斜視図である。
【図28】図24の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図29】組み立てた状態である第3の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図30】第4の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図31】図30の内側部材を上から見た平面図である。
【図32】図30の内側部材を上から見た斜視図である。
【図33】図30の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図34】組み立てた状態である第4の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図35a】操作サイクル時間に対する濃度を示すグラフである。
【図35b】操作サイクル時間に対する泡立ち度を示すグラフである。
【図35c】操作サイクル時間に対する温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0081】
添付の図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。但しこれは一例としてのものである。
【0082】
図11に示すように、本発明のカートリッジ1は主に、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを含む。外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを組み合わせると、1種類または複数種類の飲料原料を収納するための内部120と、入口121と、出口122と、入口121から出口122までをつないで内部120を貫通する飲料流路とを有するカートリッジ1が形成される。入口121と出口122とは、当初はラミネート5でシールされているが、使用時に、そのラミネート5を穿孔または切断することにより開口される。飲料流路は、以下で説明するように、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5との間の空間的相互関係により画定される。この他にも、以下でさらに説明するように、フィルタ4などのコンポーネントを任意にカートリッジ1に含めることができる。
【0083】
次に予備知識として説明する第1の型式のカートリッジ1を、図1から図11に示す。第1の型式のカートリッジ1は、焙煎して挽いたコーヒーやリーフティなどの濾過生成物の供給に使用するように特に設計されたものである。しかし、この型式のカートリッジ1および、以下で説明する他の型式を、ココア、コーヒー、茶、甘味料類、強壮剤類、調味料類、アルコール飲料類、調味乳、果汁類、スカッシュ類、ソース類、およびデザート類などの他の生成物に使用することも可能である。
【0084】
図5からわかるように、カートリッジ1の全体形状は、その直径が高さより大幅に大きい略円形またはディスク形状である。長軸Xは、図1に示すように、外側部材の中心を通っている。通常、外側部材2の直径全体は74.5mm±6mmであり、高さ全体は16mm±3mmである。通常、このカートリッジ1の容積は30.2ml±20%である。
【0085】
外側部材2は主に、湾曲した環状壁13を有するボール形状のシェル10と、閉じた頂部11と、開いた底部12とを含む。閉じた頂部11から開いた底部12にかけて環状壁13が広がっているため、外側部材2の直径は、その頂部11にて、底部12の直径に比較して小さくなっている。環状壁13と閉じた底部11とが共に、内部34を有する容器を画成している。
【0086】
中空で内側向きの円柱状延出部18が、長軸Xを中心として閉じた頂部11に設けられている。図2でさらによくわかるように、円柱状延出部18は、第1、第2および第3の部分19、20および21を有する階段状プロファイルを含む。第1の部分19は、直円柱状である。第2の部分20は、裁頭円錐形状であり、内側に先細りになっている。第3の部分21は、もう1つの直円柱であり、下方面31により閉じられている。第1、第2および第3の部分19、20および21の直径は、円柱状延出部18の頂部11から閉じた下方面31にかけて、円柱状延出部18の直径が狭まるように、段階的に小さくなっている。略水平な肩32が、第2の部分20と第3の部分21との間の結合部分にて円柱状延出部18に形成されている。
【0087】
外向きに延出する肩33が、底部12に向けて外側部材2に形成されている。この外向きに延出する肩33が、環状壁13と同軸である副次的壁15を形成し、これにより、副次的壁15と環状壁13との間にマニホールド16を形成する環状トラックを画成するようになっている。マニホールド16は、外側部材2の周囲をめぐって通っている。一連のスロット17が、環状壁13にマニホールド16と同じ高さで設けられており、これにより、マニホールド16と外側部材2の内部34との間が気体および液体連通した状態となる。図3に示すように、スロット17は、環状壁13に形成された垂直スリットを含む。20から40本のスリットを設ける。図示した実施形態では、37本のスロット17が、ほぼ等間隔でマニホールド16の周囲に設けられている。スロット17を、好ましくは、1.4から1.8mmの長さとする。通常、各スロットの長さは、外側部材2の高さ全体の10%である1.6mmである。各スロットの幅は、0.25から0.35mmである。通常、各スロットの幅は0.3mmである。スロット17の幅を十分に狭くして、保管時、使用時のいずれかに飲料原料がマニホールド16内に通過してしまわないようにする。
【0088】
入口チャンバ26を、外側部材2の周囲にて外側部材2内に形成する。図5で最もよくわかるように、円柱状壁部27が設けられており、これが外側部材2の内部34に入口チャンバ26を画成し、同時に入口チャンバ26を外側部材2の内部34から仕切っている。この円柱状壁部27は、長軸Xに垂直な1平面上に形成された閉じた上方面28と、外側部材2の底部12と同平面上にある開いた下方端部29とを有する。入口チャンバ26は、図1に示すように、2本のスロット30を介してマニホールド16と連通する。別法として、1から4本のスロットを用いて、マニホールド16と入口チャンバ26との間を連通させてもよい。
【0089】
外向きに延出する肩33の下方端部には、長軸Xに垂直に外向きに延出するフランジ35が設けられている。通常、このフランジ35の幅は2〜4mmである。フランジ35の一部が、外側部材2の保持によってハンドル24を形成するように、拡張されている。ハンドル24には、掴みやすくするために先を上向きにしたリム25が設けられている。
【0090】
外側部材2を、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、またはこれらの2種以上の積層体から単体ピースとして形成する。好適なポリプロピレンは、DSM UK Limited(英国、レディッチ)から入手可能な一連のポリマー類である。この外側部材は、不透明でも、透明でも、半透明でもよい。この製造処理を射出成形とすることができる。
【0091】
図7から図10に示すように、内側部材3は、環状フレーム41と、下向きに延出する円柱状漏斗40とを含む。図7に示すように、長軸Xは内側部材3の中心を通っている。
【0092】
図8で最もよくわかるように、環状フレーム41は、外側リム51と、等間隔で設けられた10本の径方向スポーク53で接合されている内側ハブ52とを含む。内側ハブ52は円柱状漏斗40と一体であり、かつ円柱状漏斗40から延在している。濾過アパーチャ55が、径方向スポーク53の間で環状フレーム41内に形成されている。この濾過アパーチャ55をカバーするように、フィルタ4が環状フレーム41上に配置される。このフィルタを好ましくは、不織繊維材料であるポリエステルなど、湿潤強さの高い材料で製造する。この他に使用可能な材料として、織紙繊維を含むセルロース材料などの水分不透過性セルロース材料が挙げられる。この織紙繊維をポリプロピレン、ポリ塩化ビニルおよび/またはポリエチレンの繊維と混合させることができる。こうしたプラスチック材料をセルロース材料内に組み合わせると、そのセルロース材料がヒートシール可能なものとなる。フィルタ4を、熱および/または圧力で活性化される材料で処理またはコーティングして、熱および/または圧力により環状フレーム41にシールできるようにしてもよい。
【0093】
図7の断面プロファイルに示すように、内側ハブ52は外側リム51より下の位置に配置されるため、環状フレーム41のプロファイルが、下方に傾斜したものとなる。
【0094】
各スポーク53の上面に、直立型ウェブ54が設けられる。このウェブが、環状フレーム41上方の空隙を複数の通路57に分割する。各通路57はウェブ54により分割された両側と、フィルタ4の下面とにその境界を接した状態となる。通路57は外側リム51から下方に円柱状漏斗40に向けて延在し、ウェブ54の内側末端部により画成される開口56にて円柱状漏斗40に開いている。
【0095】
円柱状漏斗40は、内側注ぎ口43を取り囲む外側チューブ42を含む。この外側チューブ42が、円柱状漏斗40の外面を形成している。注ぎ口43はその上方端部にて外側チューブ42に、環状フランジ47により接合されている。注ぎ口43は、その上方端部に位置して通路57の開口56と連通する入口45と、その下方端部に位置し、調製済み飲料を通過させてカップや他の入れ物内に注ぐ出口44とを含む。注ぎ口43は、その上方端部に略切頭円錐状部分48を、またその下方端部に円柱状部分58を含む。この円柱状部分58にわずかに傾斜した部分を設けて、出口44に向けて幅を細めてもよい。略切頭円錐形部分48を設けることにより、飲料に乱流を起こすことなく、飲料を通路57から出口44に向けて下向きに流動させやすくなる。略切頭円錐形部分48の上面には、円柱状漏斗40の周囲に等間隔で位置する支持ウェブ49を設ける。この支持ウェブ49の間に複数のチャネル50が画定される。支持ウェブ49の上縁部は互いに同じ高さであり、長軸Xに垂直である。
【0096】
内側部材3を、上述したように、外側部材2と同様、ポリプロピレンまたはこれに類似した材料から射出成形により単体ピースとして形成することができる。
【0097】
別法として、内側部材3および/または外側部材2を、生分解性ポリマーで製造してもよい。好適な材料の例として、分解性ポリエチレン(例えば、英国ボアハムウッドのSymphony Environmental製SPITEK)、生分解性ポリエステルアミド(例えば、Symphony Environmental製BAK1095)、ポリ乳酸(米国ミネソタ州のCargil製PLA)、デンプン系ポリマー、セルロース誘導体、およびポリペプチドが挙げられる。
【0098】
ラミネート5は、アルミニウムによる第1の層、および無延伸ポリプロピレンによる第2の層の2層から形成される。このアルミニウム層は0.02から0.07mmの厚さである。無延伸ポリプロピレン層は0.025から0.065mmの厚さである。一実施形態において、アルミニウム層は0.06mmの厚さであり、ポリプロピレン層は0.025mmの厚さである。このラミネートは、組み立て時の巻き込みに高い抵抗を有するため、特に有利である。このため、ラミネート5を、歪みを発生させることなく、正しいサイズおよび形状に事前に切断しておき、その後製造ラインの組み立てステーションに移送することができる。したがって、このラミネート5は溶接に特に適している。他のラミネート材料も使用可能であり、その例として、PET/アルミニウム/PP、PE/EVOH/PP、PET/金属被覆/PP、およびアルミニウム/PPラミネートが挙げられる。打ち抜き加工した在庫品ではなく、ロールラミネートによる在庫品を用いてもよい。
【0099】
カートリッジ1を、可撓性のラミネートではなく、剛性または半剛性の蓋で閉じてもよい。
【0100】
カートリッジ1の組み立ては、
a)内側部材3を外側部材2に挿入するステップと、
b)フィルタ4を決まった形状に切断し、内側部材3上に配置して、円柱状漏斗40上で受け、環状フレーム41に対向する位置にくるようにするステップと、
c)内側部材3、外側部材2、およびフィルタ4を超音波溶接で接合するステップと、
d)このカートリッジ1に、1種類または複数種類の飲料原料を充填するステップと、
e)ラミネート5を外側部材2に取付けるステップと
を含む。
【0101】
上記ステップについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0102】
外側部材2を、その開いた底部12を上向きにして方向付ける。次に、内側部材3をその外側部材2内に挿入して、外側リム51がカートリッジ1の頂部11において軸方向延出部14内に遊合状態で受けられるようにする。これと同時に、外側部材2の円柱状延出部18が、内側部材3の円柱状漏斗40の上方部分内に受けられる。円柱状延出部18の閉じた下方面31が内側部材3の支持ウェブ49に当たった状態で、円柱状延出部18の第3の部分21が円柱状漏斗40内に納まる。次に、フィルタ4を、フィルタ材料が環状リム51に接触するように、内側部材3上に配置する。超音波溶接処理により、このフィルタ4を内側部材3に接合し、同時に同一処理ステップにおいて、内側部材3を外側部材2に接合する。内側部材3およびフィルタ4を外側リム51に沿って溶接する。内側部材3および外側部材2は、外側リム51およびウェブ54の上方縁部に沿って溶接線により接合する。
【0103】
図11で最もよくわかるように、外側部材2および内側部材3を互いに接合すると、環状フランジ41の下方かつ円柱状漏斗40の外側に、内部120内の孔空間130ができ、これが濾過チャンバとなる。この濾過チャンバ130と環状フレーム41上方の通路57とを、濾紙4が隔てる。
【0104】
濾過チャンバ130には1種類または複数種類の飲料原料200が収納される。1種類または複数種類の飲料原料は、濾過チャンバ130内に包装される。濾過式飲料の場合、この原料は通常、焙煎して挽いたコーヒーまたはリーフティである。濾過チャンバ130内の飲料原料の包装密度は、所望に応じて変更可能である。通常、濾過式コーヒー生成物の場合、この濾過チャンバは、通常5から14mm厚さの濾過床に5.0から10.2グラムの焙煎して挽いたコーヒーを収納する。付加的に、内部120に球体などの1種類または複数種類の物体を入れて、その中で自由に移動できるようになし、飲料を注ぐ時点で乱流を起こし、その飲料原料の沈殿物を砕いて混合しやすくするようにしてもよい。
【0105】
次に、外方に延在するフランジ35の下面にラミネート5を接合するためにラミネート5の周囲に溶接部126を形成することにより、ラミネート5を外側部材2に取付ける。溶接部126を、ラミネート5を入口チャンバ26の円柱状壁部27の下方縁部に対してシールするように延在させる。さらに、この溶接部125を、ラミネート5と円柱状漏斗40の外側チューブ42の下方縁部との間に形成し、内側部材3が外側部材2とラミネート5との間に架かるようにする。このラミネート5が、濾過チャンバ130の下方壁となり、かつ入口チャンバ26および円柱状漏斗40をシールする。ただし、ラミネート5と注ぎ口43の下方縁部との間には、供給前に小さな隙間123ができるようになっている。ラミネート5の材料特性に応じて、熱および超音波溶接など、様々な溶接方法が使用可能である。
【0106】
有利なことに、外側部材2とラミネート5との間に内側部材3がある。この内側部材3を、ポリプロピレンなどの比較的硬い材料で形成する。これにより、内側部材3は、カートリッジ1が圧縮されてもラミネート5と外側部材2との間のスペースを保つように作用する荷重受け部材(load-bearing member)となる。使用時、カートリッジ1の受ける圧縮荷重を130〜280Nとすると好ましい。圧縮荷重はカートリッジが挿入される飲料調製機械に作用する。しかしカートリッジおよび機械の配置によっては、力の下限は50Nを超えるものとされ得る。圧縮力は、カートリッジが内部加圧下で破損することを防ぐ作用をすると同時に、内側部材3および外側部材2を互いに寄せる役割を果たす。これにより、確実に、カートリッジ1内の通路およびアパーチャの内側寸法は固定され、カートリッジ1が加圧されても変化しなくなる。
【0107】
このカートリッジ1を使用するには、まず、これを飲料調製機内に挿入し、入口121および出口122を飲料調製機の穿孔部材により開放する。穿孔部材はラミネート5を穿孔して折り返す。加圧された水媒体(通常は水)を、0.1から2.0バールの圧力でカートリッジ1に入れて、入口121から入口チャンバ26内へ通す。ここから、水はスロット30を通過してマニホールド16を回り、複数のスロット17を介してカートリッジ1の濾過チャンバ130内に入る。この水は、濾過チャンバ130を介して径方向内側に押し入れられ、そこに収納されている飲料原料200と混ざり合う。この水は同時に、その飲料原料内を通って上側に押し上げられる。水がこのように飲料原料内を通過することで形成された飲料は、フィルタ4および濾過アパーチャ55を通過して、環状フレーム41上方に位置する通路57内に入る。フィルタ4がスポーク53にシールされ、リム51が外側部材2に溶接されており、他の出口がまったくない状態であるため、この飲料すべてが確実にフィルタ4を通過する。
【0108】
次に、この飲料はウェブ54間に形成された径方向通路57に沿って下向きに流動し、開口56を通過して円柱状漏斗40内に入る。続いて、チャネル50に沿って支持ウェブ47間を通過し、注ぎ口43から下の出口44に落ち、これにより、この飲料はカップなどの容器内に注がれる。
【0109】
好ましくは、飲料調製機械に空気パージ性能を含めて、操作サイクルの終了時に圧縮空気をカートリッジ1内に押し入れることにより、残留飲料を容器内に流し出すようにする。
【0110】
図12〜図18は、第2の型式のカートリッジ1を示している。第2の型式のカートリッジ1は、クレマ(crema)として知られる細かい気泡の泡立ちを有する飲料を生成することが望まれる場合の、焙煎して挽いたコーヒーなどのエスプレッソ型生成物の調合に使用するように特に設計されたものである。第2の型式のカートリッジ1が備える特徴部は、その多くが第1の型式のものと同じであるため、同様の特徴部には同様の参照符号を用いている。以下の説明では、第1の型式と第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0111】
外側部材2の構造は、第1の型式のカートリッジ1が備え、図1〜図6に示すものと同じである。
【0112】
内側部材3の環状フレーム41は、第1の型式のものと同じである。また、フィルタ4が、濾過アパーチャ55をカバーするように、環状フレーム41上に配置される。円柱状漏斗40の外側チューブ42も、第1の場合と同様である。ただし、第2の型式の内側部材2に、第1の型式の場合と比較していくつか相違点がある。図16に示すように、注ぎ口43に、出口44から注ぎ口43に向けて一部延出する仕切り65が設けられている。この仕切り65を設けることにより、飲料が注ぎ口43を出る際にしぶきを飛ばす、かつ/またははねることを防止しやすくなる。注ぎ口43のプロファイルも異なっており、この注ぎ口43は、チューブ43の上方端部近傍で明確な屈曲部66を備える階段状プロファイルを含む。
【0113】
リム67が、環状フランジ47から直立して設けられて、外側チューブ42と注ぎ口43とを結合している。このリム67は入口45から注ぎ口43までを取り囲み、リム67と外側チューブ42の上方部分との間に環状チャネル69を画成する。リム67には、内向きの肩68が設けられている。リム67周囲の一箇所に、アパーチャ70がスロットの形態で設けられており、このスロットは、図12および図13で最もよくわかるように、リム67の上方縁部から肩68の高さよりわずかに下の箇所まで延在するものである。このスロットの幅は0.64mmである。
【0114】
図16および図17に示すように、環状フランジ47に、アパーチャ70と周方向に位置合わせされた空気入口71を設ける。この空気入口71は、外側チューブ42と注ぎ口43との間で、フランジ47の上方箇所とフランジ47の下方の空隙とを流通させるように、フランジ47を貫通するアパーチャを含む。好ましくは、図示のように、空気入口71に、上方切頭円錐形部分73と下方円柱状部分72とを含める。空気入口71は通常、ピンなどの成形工具により形成される。空気入口71をテーパ付きの形状とすると、成形工具を成形原料から取り出しやすくなる。空気入口71に近位である外側チューブ42の壁を、空気入口71から注ぎ口43の入口45へとつながるシュート75を形成する形状とする。図17に示すように、空気入口71とシュート75との間に斜めの肩74が形成されて、スロット70から噴射される飲料が、空気入口71のごく近位にあるフランジ47の上面を直接汚さないようにしている。
【0115】
第1の実施形態と同様、内側部材3は荷重受け部材として作用する。
【0116】
第2の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様である。しかし、いくつかの相違点もある。図18に示すように、円柱状延出部18の第3の部分21は、支持ウェブに対してではなく、支持リム67内に納まる。第2の部分20と第3の部分21との間に位置する円柱状延出部18の肩32は、内側部材3の支持リム67が含む上方縁部に当たる。このようにして、内側部材3と外側部材2との間に、カートリッジ1の周囲のほぼ全体に延び、円柱状延出部18と支持リム67との間の面シールを含む界面ゾーン124が形成される。ただし、支持リム67に形成するスロット70が支持リム67を貫通して肩68のわずか下方の箇所まで下向きに延在しているため、円柱状延出部18と支持リム67との間のシールは流体密ではない。したがって、円柱状延出部18と支持リム67との間が界面嵌合することにより、スロット70がアパーチャ128へと変化して、環状チャネル69と注ぎ口43との間を気体および液体連通させている。このアパーチャは通常、その幅が0.64mm、長さが0.69mmである。
【0117】
第2の型式のカートリッジ1で飲料を供給する操作は、第1の型式と同様であるが、いくつかの点で異なっている。径方向通路57内の飲料は、ウェブ54間に形成された通路57を下向きに流動して、開口56から円柱状漏斗40の環状チャネル69内に入る。環状チャネル69内に入った後、この飲料は、濾過チャンバ130および通路57内に収集した飲料の背圧により、圧力下でアパーチャ128から押出される。したがって、飲料はアパーチャ128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押出される。図18に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。アパーチャ128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注出され、気泡が所望のクレマとなる。したがって、アパーチャ128および空気入口71が共に、空気を飲料内に取り込むように作用するエダクタとなる。このエダクタ内への飲料の流動をできる限り滑らかに保ち、圧力損失を低減しなければならない。好ましくは、エダクタの壁部を凹形表面として、「壁面効果」摩擦による損失が低減されるようにする。アパーチャ128の寸法公差は小さい。好ましくは、このアパーチャに関するサイズを0.02mm2前後に定める。毛状物、繊維または他の表面凹凸をエダクタ内、またはエダクタの出口近傍に設けて、空気の取り込み量を増加させることがわかっている有効断面領域を増加してもよい。
【0118】
図19〜図29は第3の型式のカートリッジ1を示す。第3の型式のカートリッジ1は、粉末、液体、シロップ、ゲルまたはこれに類似の形態でよい溶解性生成物の供給に使用するように特に設計されたものである。この溶解性生成物は、使用時にカートリッジ1内を水などの水媒体が通過すると、その水媒体によって溶解する、または水媒体内に懸濁液を形成する。この飲料例として、チョコレート、コーヒー、乳、茶、スープ、またはその他の、水を加えて元に戻す生成物や水溶解性生成物が挙げられる。第3の型式のカートリッジ1が備える特徴部は、その多くが第1および第2の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴部を指している。以下の説明では、第3の型式と第1の型式および第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0119】
第1および第2の型式の外側部材2と比較すると、図20に示すように、第3の型式の外側部材2に含まれる中空で内向きの円柱状延出部18の直径は全体として大きくなっている。具体的に言えば、第1および第2の型式の外側部材2では13.2mmであったところが、第1の部分19の直径は通常16〜18mmである。さらに、第1の部分19には、図20で最もよくわかるように、凸状外面19aすなわちバルジが設けられている。このバルジの機能については以下で説明する。しかし、カートリッジ1のうち、第3の部分21の直径は同じである。このため、肩32の面積がこの第3の型式のカートリッジ1では広くなっている。通常、カートリッジ1の容積は、組み立て時で32.5ml±20%である。
【0120】
環状壁13の下方端部に設けるスロットの数および位置もまた異なっている。3〜5本のスロットが設けられている。図23に示すように、この実施形態では、4本のスロット36が等間隔でマニホールド16の周囲に設けられている。このスロット36は、第1および第2の型式のカートリッジ1の場合よりわずかに幅広で、0.35〜0.45mmであり、好ましくは、0.4mm幅である。
【0121】
他の点において、カートリッジ1の外側部材2はいずれも同じである。
【0122】
内側部材3に含まれる円柱状漏斗40の構造は、第1の型式のカートリッジ1と同じであり、外側チューブ42、注ぎ口45、環状フランジ47、および支持ウェブ49が設けられている。唯一の相違点は、注ぎ口45であり、これは上方切頭円錐形部分92と下方円柱状部分93とを備える形状となっている。
【0123】
第1および第2の型式と比較すると、図24〜図28に示すように、環状フレーム41はスカート部分80に置き換えられている。これは、円柱状漏斗40を取り囲み、かつ円柱状漏斗40を環状フランジ47にまたはこの近傍に結合する8本の径方向ストラット87により、円柱状漏斗40に接続されている。このスカート部分80からは、円柱状の延出部81がストラット87から上向きに延在して、上面が開いたチャンバ90を画成している。円柱状延出部81の上方リム91は、図26に示すように、内向きプロファイルを有する。スカート部分80の環状壁82は、ストラット87から下向きに延在して、スカート部分80と外側チューブ42との間に環状チャネル86を画成している。
【0124】
環状壁82は、その下方端部に、長軸Xに垂直に位置する外側フランジ83を含んでいる。リム84が、フランジ83の下面から下向きにぶら下がり、リム84に沿って周方向に等間隔な5個のアパーチャ85を具備している。したがって、リム84の下方は、城砦型形状となっている。
【0125】
ストラット87間にアパーチャ89を設けることにより、チャンバ90と環状チャネル86との間を連通させている。
【0126】
第1の実施形態と同様、内側部材は荷重受け部材として作用する。
【0127】
第3の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様であるが、いくつかの相違点もある。図29に示すように、外側部材2と内側部材3とは、互いに溶接されるのではなく、互いに押し嵌めされ、スナップ嵌合構造により保持される。この2つの部材の接合時、内向き円柱状延出部18が、スカート部分80の上方円柱状延出部81の内側に受けられる。内側部材3は、円柱状延出部18に含まれる第1の部分19の凸状外表面19aが上方円柱状延出部81の内向きリム91と摩擦係合することにより、外側部材2内に保持される。内側部材3が外側部材2内に配置した状態になると、混合チャンバ134が、スカート部分80の外側に画成される。この混合チャンバ134が、調合前の飲料原料200を収納する。4つの入口36と5つのアパーチャ85とが互い違いに周方向に配置されることに留意されたい。内側部材3および外側部材2を相対的にどのように位置決めしても4つの入口36および5つのアパーチャ85を用いることで確実にこの入口とアパーチャとの間に位置のずれが発生するため、この2つのコンポーネントの互いに対する径方向位置を組み立て時に決定または固定しなくてもよい。入口アパーチャおよび出口アパーチャは、次の公式で与えられる他の数であってもよい。
【0128】
Xo=Xi+C
ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数
あるいは、等しい数の入口アパーチャおよび出口アパーチャがカートリッジの周囲に不均等に配置されるようにすることで、入口アパーチャおよび出口アパーチャが確実にずれるようにしてもよい。
【0129】
1種類または複数種類の飲料原料がカートリッジの混合チャンバ134内にパッキングされる。この混合チャンバ134内における飲料原料のパッキング密度は所望に応じて変更可能である。
【0130】
次に、ラミネート5を内側部材3および外側部材2に、第1および第2の型式において上述したように取付ける。
【0131】
使用時、第1および第2の形式のカートリッジと同様に、水が、4本のスロット36を通って混合チャンバ134に入る。この水が径方向内側に混合チャンバ内に押し入れられ、そこに収納されている飲料原料と混ざり合う。この水の中に生成物が溶解または混合されて、混合チャンバ134内に飲料が形成され、これが、混合チャンバ134内の飲料および水の背圧により、アパーチャ85から環状チャネル86内に流される。4つの入口スロット36と5つのアパーチャ85とが互い違いに周方向に配置されることにより、水の噴流が入口スロット36から径方向に直接アパーチャ85内に入ることがなく、混合チャンバ134内では循環が発生する。このため、生成物の溶解または混合の程度および安定性は大幅に高まる。形成された飲料は、環状チャネル86内を上方向に押し上げられ、ストラット87間のアパーチャ89を通ってチャンバ90内に入る。次にチャンバ90から支持ウェブ49間の入口45を介して注ぎ口43に入り、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注がれる。このカートリッジを、粘稠液またはゲルの形態である飲料原料に適用できることがわかっている。一用途において、カートリッジ1内には、周囲温度にて粘性が1700〜3900mPa、0℃にて5000〜10000mPaであり、屈折固形分が67ブリックス度±3である液状チョコレート原料が入れられる。別の用途において、カートリッジ1内には、周囲温度にて粘性が70〜2000mPa、0℃にて80〜5000mPaであり、全固形分量が40から70%である液体コーヒーが入れられる。この液状コーヒー原料に、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%の重炭酸ナトリウムを収納させることができる。重炭酸ナトリウムは、コーヒーのpHレベルを4.8以下に維持して、コーヒーを充填したカートリッジの貯蔵寿命を最長12ヶ月にできるように作用するものである。
【0132】
第4の型式のカートリッジ1を図30〜図34に示す。第4の型式のカートリッジ1は、濃縮型液状乳などの液状生成物の供給に用いるように特に設計されたものである。第4の型式のカートリッジ1に含まれる特徴は、その多くが第1から第3の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指す。以下の説明では、第4の型式と第1から第3の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0133】
外側部材2は、第3の型式のカートリッジ1の、図19〜図23に示すものと同じである。
【0134】
内側部材3の円柱状漏斗40は、第2の型式のカートリッジ1に類似しているが、いくつかの点で異なる。図30に示すように、注ぎ口43は、上方切頭円錐部分106と、下方円柱状部分107とを含む形状である。この注ぎ口43の内面には3つの軸方向リブ105が設けられて、供給される飲料を下向きに出口44に方向付け、注がれた飲料が注ぎ口内で旋回しないようにしている。したがって、リブ105はバッフルとして作用する。第2の型式のカートリッジ1と同様、空気入口71が環状フランジ47を貫通して設けられている。しかし、空気入口71の下のシュート75は、第2の型式の場合より細長くなっている。
【0135】
スカート部分80が、上述した第3の型式のカートリッジ1に示したものと同様に設けられている。5〜12個のアパーチャ85がリム84内に設けられている。第3の型式のカートリッジ1では5個であったが、通常10個のアパーチャを設ける。
【0136】
スカート部分80のフランジ83から、これと一体となって延在している環状ボール100が設けられている。この環状ボール100は、上方口104を上向きに開いたフレア型本体101を含む。図30および図31に示す4個の送給アパーチャ103が、この本体101内にて、スカート部分80と接合するボール100の下方端部に、またはその近傍に配置されている。好ましくは、この送給アパーチャをボール100の周囲に等間隔で配置する。
【0137】
第1の実施形態と同様、内側部材は荷重受け部材として作用する。
【0138】
ラミネート5は、これまでの実施形態で説明したタイプのものである。
【0139】
第4の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第3の型式の組み立てと同様である。
【0140】
第4の型式のカートリッジ1の組み立て手順は、第3の型式の手順と同様である。
【0141】
第4の型式のカートリッジ1の操作は、第3の型式の操作と同様である。第1から第3の形式のカートリッジと同様に、水がカートリッジ1および混合チャンバ134に入る。ここで、上述したように、水が液体生成物と混ざり合い、これを希釈して、上述したように、ボール100の下のアパーチャ85を通り、出口44に向けて押出される。図34に示すように、環状ボール100に当初収納される一定割合の液体生成物は、混合チャンバ134に入った水によりすぐに希釈されるわけではない。混合チャンバ134の下方部分にある希釈された液体生成物は、上方口104から環状ボール100内に押し上げられるのではなく、アパーチャ85から出て行くことになる。したがって、環状ボール100内の液体生成物は、混合チャンバ134の下方部分にある生成物と比較して、操作サイクルの最初の段階ではまだ比較的濃縮状態を保っている。環状ボール100内の液体生成物は、重力を受けて送りアパーチャ103から、混合チャンバ134内にてボール100の下でアパーチャ85を通過する生成物流内へと滴下する。環状ボール100は、一定量の濃縮液体生成物を取り置き、操作サイクル中、定期的に液体流路内にそれを注出することにより、円柱状漏斗40に入る希釈済み液体生成物の濃度を平均化する作用をする。これを、およそ15秒の供給操作サイクル間における、全固形分含有量の割合として測定されるミルクの濃度を示す図35aに例示する。線aはボール100を設けた場合の濃度プロファイルを例示し、線bはボール100を設けないカートリッジの場合を例示したものである。この図からわかるように、カップ100を設けた場合の濃度プロファイルのほうが、操作サイクル中、均等であり、ボール100を設けない場合には起こっている急激な濃度の大幅低下がない。この乳の初期濃度は通常、30〜35%SSであり、サイクル終了時にはこれが10%SSとなる。これによる希釈率はおよそ3倍であるが、本発明では1倍〜6倍までの希釈率が可能である。他の液体飲料原料の場合、この濃度を変更することができる。例えば、液状チョコレートの場合、初期濃度はおよそ67%SSであり、サイクル終了時にはこれが12から15%SSとなる。これによる希釈率(調合飲料内における飲料原料に対する水媒体の比率)はおよそ5倍であるが、本発明では2倍〜10倍までの希釈率が可能である。液体コーヒーの場合、初期濃度はおよそ40から67%SSであり、調合終了時にはこれが1〜2%SSとなる。これによる希釈率はおよそ20倍〜70倍であるが、本発明では10倍〜100倍までの希釈率が可能である。
【0142】
こうした飲料は、圧力下で押出されて、濾過チャンバ134およびチャンバ90に収集される飲料の背圧により、環状チャネル86からアパーチャ128を通過する。したがって、飲料はアパーチャ128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押出される。図34に示すように、この飲料噴流は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴流の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。アパーチャ128から出た飲料噴流は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注がれ、気泡が所望の泡立った外観を呈する。
【0143】
有利なことに、内側部材3、外側部材2、ラミネート5、およびフィルタ4はすべて、別個のコンポーネントであり、個別には蛇行通路や細い隙間を含んでいないため、これらを容易に殺菌消毒することができる。必要な通路が形成されるのは、殺菌消毒後にこれらのコンポーネントを結合した時点である。これは、飲料原料が液状乳濃縮物などの乳原料を主原料とする生成物である場合に特に重要である。
【0144】
飲料カートリッジの第4の実施形態は、液状乳などの濃縮した乳原料を主原料とする液体生成物の供給に特に有利である。これまで、粉末状の乳生成物は、小袋の形態で提供され、これを事前に調製した飲料に加えるようになっていた。しかし、カプチーノタイプ飲料の場合、ミルクを泡立てる必要がある。これはこれまで、液状乳生成物に蒸気を通すことで実施されてきた。しかし、これには、蒸気供給部が必要であるため、この飲料の調合に用いる機械のコストならびに複雑度が増してしまう。また、蒸気を使用すると、カートリッジ操作時に怪我を負う危険性も高まる。したがって、本発明は、濃縮した乳原料を主原料とする液体生成物を中に有する飲料カートリッジを提供するものである。ミルク生成物を濃縮した場合、新鮮なミルクまたはUHTミルクと比較すると、特定容積のミルクに対してより多くの量の泡沫を生成できることがわかっている。これを利用すれば、ミルク用カートリッジに要求されるサイズが縮小される。新鮮な半脱脂乳は、およそ1.6%の脂肪分および10%の全固形分を含む。本発明による濃縮型液状乳調製物は、0.1〜12%の脂肪分および25〜40%の全固形分を含む。一典型的実施例では、この調製物は4%の脂肪分および30%の全固形分を含む。この濃縮型乳調製物は、以下に記載するように低圧調製機械による泡立てに適している。具体的に言えば、このミルクの泡立てを、上述した第4の実施形態のカートリッジを用い、2バール未満、好ましくはおよそ1.5バールの圧力で行う。
【0145】
濃縮ミルクを泡立てることは、カプチーノおよびミルクセーキなどの飲料に特に都合がよい。好ましくは、ミルクをアパーチャ128から空気入口71上に通過させ、任意にボール100を用いて、ミルクの40%を超える量、好ましくは、70%を超える量を泡立てられるようにする。液状チョコレートの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。液状コーヒーの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。泡沫性(foambility)レベルは、調合した液体飲料原料の容積に対して生成された泡沫容積の比率として測定される。例えば、138.3mlの飲料が調合され、そのうち58.3mlが泡沫となった場合、泡沫性は、[58.3/(138.3−58.3)]×100=72.9%となる。このミルク(および他の液体原料)の泡沫性は、図35bでわかるように、ボール100を設けることで高められる。ボール100を設けて調合した乳の泡沫性(線a)は、ボールを設けずに調合した乳の泡沫性(線b)より高くなっている。これは、ミルクの泡沫性がミルクの濃度に正比例し、図35aに示すように、ボール100が操作サイクルの大半でミルクの濃度を高く維持するためである。また、ミルクの泡沫性は、図35cに示すように、水媒体の温度に正比例することも知られている。したがって、水媒体が最も高温である操作サイクルの終了近くまで、より多くのミルクがカートリッジ内に残るため、ボール100を設けると有利となる。これによりさらに、泡沫性が改良される。
【0146】
第4の実施形態のカートリッジも、液状コーヒー生成物の調合に有利である。
【0147】
本発明の飲料カートリッジの実施形態は、従来技術によるカートリッジと比較して、供給する飲料の安定性を有効に改良できることがわかる。以下に示す表1を参照すると、焙煎して挽いたコーヒーを収納するカートリッジAおよびカートリッジBそれぞれについて、20試料を煎出して得られた収率が示されている。カートリッジAは、本発明の第1の実施形態による飲料カートリッジである。カートリッジBは、本願出願人による特許文献1に記載された従来技術による飲料カートリッジである。煎出した飲料の屈折率をブリックス度で測定し、これを、標準表および式を用いて溶解性固形分の比率(%SS)に変換する。以下の実施例において、
%SS=0.7774*(ブリックス度値)+0.0569
%収率=(%SS*煎出量(g))/(100*コーヒー重量(g))
である。
【0148】
【表1−1】
【0149】
【表1−2】
【0150】
上記データについてt‐検定統計分析を行ったところ、以下の結果を得た。
【0151】
【表2】
【0152】
この分析から、煎出濃さに匹敵する収率の安定性は、標準偏差が0.88%であった本発明によるカートリッジについて、従来技術によるカートリッジの標準偏差2.24%と比較して、より大幅に高かった(95%の信頼水準)ことがわかる。これは、本発明によるカートリッジにより供給した飲料の濃さのほうが、再現可能かつ均一であるということである。これは、同じ飲料を何度も味わいたく、その飲料の濃さを勝手に変更されたくない消費者に好ましい。
【0153】
第1および第2の形式のカートリッジは溶接の操作によって組み立てられるものとしたが、本発明に係るスナップ嵌合構造によっても同様に組み立て可能である。例えば、外側部材2が、スナップ嵌合部を形成する環状フレーム41の周囲と協働する形成物を具えていてもよい。
【0154】
上述したカートリッジの材料に、バリアコーティングを施して、酸素および/または湿気、および/または他の汚染侵入物に対する防御性を改良してもよい。このバリアコーティングを施すと、飲料原料がカートリッジから漏れることに対する防御性を改良し、かつ/または飲料原料に悪影響を与えかねないカートリッジ材料からの抽出物滲出の程度を抑えることができる。バリアコーティングの材料を、PET、ポリアミド、EVOH、PVDCまたは金属化材料からなる群から選択することができる。バリアコーティングの適用には、いくつかの機構が利用可能であり、その例として、これらに限定するものではないが、蒸着、真空蒸着、プラズマコーティング、共押出加工、インモールドラベリング、および二段/多段成形が挙げられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を調製するためのカートリッジに関し、特に、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成され、飲料の調製用に1種類または複数種類の原料を含有するシール済みカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
空気に対して不透過性である個々のパッケージ内に飲料調製原料をシールすることが、これまで提案されてきた。例えば、挽いたコーヒーを圧縮して収納するカートリッジやカプセルは、一般に「エスプレッソ」機械と呼ばれる特定のコーヒー調製機械で使用するものとして知られている。こうした調製機械を用いたコーヒーの製造では、コーヒーカートリッジが煎出チャンバ内に配置され、湯がこのカートリッジを比較的高い圧力で通過することにより、挽かれたコーヒーから薫り高いコーヒー成分が抽出されて、コーヒー飲料を生成する。通常、こうした機械は、6×105Paを超える圧力で動作する。このタイプの調製機械は、これに含まれる水ポンプおよびシールなどのコンポーネントが高圧に耐えられるものでなければならないため、今まで比較的高価であった。
【0003】
特許文献1には、概して0.7から2.0×105Paで動作する飲料調製用カートリッジが記載されている。しかし、このカートリッジは、商業または工業市場用飲料調製機内で使用する設計となっており、比較的高価である。したがって、カートリッジおよび飲料調製機が、特に、価格、性能および信頼性の面で家庭向け市場に適したものとなっている飲料調製用カートリッジが必要である。
【0004】
カートリッジ本体内に形成される狭隘で蛇行した通路によって、上述したタイプの飲料カートリッジを殺菌することが難しいこともわかっている。例えばカートリッジを上記にさらすことによる殺菌は蛇行通路に対して有効ではない。カートリッジの表面張力特性によって蛇行通路内への蒸気の進入が妨げられ、したがってコンポーネント表面全体を蒸気にさらすことができなくなるからである。
【0005】
飲料カートリッジはスプラッタおよびスプラッシュの問題を起こしがちであり、カートリッジから飲料を提供する際に、飲料が容器の縁の外に噴射されたりはね飛んだりする。これは特に飲料が比較的高圧で提供される場合に起こる。容器内に飲料を導く吐出プローブを飲料調製機械に設けることによって、この問題を緩和する試みがなされている。しかしながら、吐出プローブは時間が経つにつれて飲料残渣により汚染される傾向にあり、清浄にすることが困難である。さらに、異種飲料間の相互汚染の恐れもある。
【0006】
加えて、特許文献1のカートリッジにおいては、アパーチャを通して飲料を通過させることにより飲料の噴流が形成されるようにしている。このタイプのアパーチャを正確に寸法づけ、位置決めすることは困難であることがわかっている。アパーチャを正確に寸法づけ、位置決めすることは非常に重要である。最終的な飲料内に適正に気泡が巻き込まれるようにすることが重要であるからである。アパーチャが内部に配置され、かつコンポーネントの他の部分に取り囲まれるような場合、射出成型コンポーネントに小径のアパーチャを形成することは特に難しい。アパーチャを形成する従来の方法は、アパーチャの所要の直径に合わせて寸法づけたモールドピンを用いるものである。しかしモールドピンによって形成されるアパーチャは通常、コンポーネントの開口(この開口は、成型時にモールドピンがコンポーネントにアクセスできるようにするものである)に向いているのみである。この結果、飲料カートリッジにおいては、飲料が出口に向けてそのまま導かれることから、12〜16m/sという非常に高い速度で開口から供給されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第01/58786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
カートリッジの信頼性における一つの要素は、内圧に耐える能力である。したがって、本発明の目的は、内圧に耐える能力を改善した飲料カートリッジを提供することにある。
【0009】
かかるカートリッジを低廉なものとするためには、簡単で信頼性の高い方法でカートリッジを製造することが望まれる。特に、製造時にカートリッジのコンポーネントを手で取り扱う程度を減らし、かつコンポーネントの全数を減らすことが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口とを具え、前記カートリッジが外側部材および該外側部材に結合して組み付けられる内側部分を具え、前記内側部分が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口を具えていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0011】
本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、これらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造を最適化することができる。これは、カートリッジを通る飲料流路が外側部材および内側部材間の界面によって形成されることから、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、この内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときに簡単に殺菌消毒することができるものである。これらのコンポーネントを組み合わせると何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。加えて、結合される分離コンポーネントを用いることで、組み立て時にカートリッジを反転する必要がない。内側部材および付加的なフィルタの結合、飲料原料の充填およびラミネートなどのリッドの結合はすべて、外側部材の一姿勢により行うことができるからである。
【0012】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が飲料残渣によって汚されることがない。好適には、注ぎ口が内側部材と一体となっている。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0013】
一実施形態において、注ぎ口はテーパ部分を具えている。他の実施形態では、注ぎ口が円筒部分を具えている。さらなる選択的変形例では、注ぎ口は、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切りを具えている。仕切りは流出する飲料の飛散を低減する。
【0014】
好適には、外側部材と内側部材とを結合するためにスナップ嵌合構造が設けられる。典型的には、スナップ嵌合構造は協働する形成物を内側部材および外側部材に具えている。スナップ嵌合構造は内側部材および外側部材の迅速な組み立てを提供するだけでなく、結合を確実にする方法である。有利な点は、飲料原料にさらされることになるカートリッジの内部において接着剤が不要となることである。
【0015】
好ましくは、外側部材は閉塞された第1端と開放された第2端とを具え、外側部材と結合する内側部材では注ぎ口の出口が開放第2端に向くようになっている。また好適には、入口が外側部材の開放第2端に向いている。よって入口および出口はカートリッジの同じサイドに向いている。これにより、カートリッジを薄型(low-profile)の機械に使用することができ、使用に際しては入口および出口を形成するための穿孔手段を飲料調整機械の単一面から突出させることができるようになる。
【0016】
好ましくは、外側部材の閉塞第1端の部位またはその近傍で、外側部材および内側部材が結合される。よって、内側部材および外側部材の結合は、外側部材の開放端すなわち口部から離れた位置で行われることになる。有利な点は、飲料原料のカートリッジへの充填に先立って、かつカートリッジの開放端すなわち口部の封止に先立って結合ステップを行なうことができることである。これにより、内側部材および外側部材をまず結合させて部分組み立て品を形成し、その後にパッキングラインの充填ステーションに移送して1以上の飲料原料を入れることができるので、組み立てプロセスが簡単なものとなる。次に、充填されたカートリッジが封止される。これは例えば、外側部材の開放端にラミネートシートを熱溶着する(heat welded)ことによって行われる。この組み立てプロセスにより、熱溶着のステップを通じ、外側部材、内側部材およびラミネートを位置合わせし、かつ位置合わせ状態を維持するための困難な作業を排除できる。
【0017】
好適には、外側部材は内側に向かう延在部を具え、外側部材と内側部材との結合時に注ぎ口の基端部(proximal end)に受容されるようになっている。
【0018】
一実施形態では、内側部材はフレームを具え、このフレーム上にフィルタが設けられている。好適には、内側部材と外側部材とが結合したときに、外側部材の閉塞第1端とフレームとの間に1以上の通路が形成される。さらに、その1以上の通路は、フレームから上方に延在して外側部材の閉塞第1端に至るウェブによって画成される。好ましくは、1以上の通路は注ぎ口に向かって下方に傾斜している。
【0019】
他の実施形態において、内側部材は注ぎ口を取り囲むスカートを具えている。好ましくは、スカートは上部延在部を具え、カートリッジを組み立てたときにカートリッジの閉塞第1端と接触するようになっている。好ましくは、上部延在部の上部リムが外側部材の協働形成物と係合して、内側部材を外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす。典型的には、外側部材の協働形成物は内向きの延在部である。
【0020】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。カートリッジはさらに飲料の噴流を生成するための手段を具えていてもよく、この手段は入口と出口との間の飲料流路にアパーチャを有している。好ましくは入口および/または出口は、使用のためにカートリッジの入口および/または出口を形成する前には、実質的に空気および水不透過性の材料で覆われている。例えば、入口および/または出口は実質的に空気および水不透過性のラミネートで覆われる。ラミネートはポリプロピレンであってもよい。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。あるいは、外側部材および/または内側部材を生分解性高分子で形成することも可能である。
【0021】
好ましくは、内側部材は荷重受け部材(load- bearing member)をなす。
【0022】
好ましくは、上述したようなカートリッジを複数設け、カートリッジ内に収納された1以上の飲料原料から生成される飲料の百分率生産量(percentage yield)が標準偏差1.0以内となるようにする。
【0023】
また、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口とを具え、前記カートリッジが外側部材と、該外側部材に挿入される内側部分と、前記飲料の噴流を生成するための手段とを具え、該噴流生成手段が前記入口を前記出口に接続させるための飲料流路にアパーチャを有しており、前記アパーチャが前記内側部材および前記外側部材間の界面によって画成されていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0024】
本発明のカートリッジは、提供される飲料の見た目や特性を変えることのできる飲料噴流を生成する。例えば、飲料の噴流に空気を混入することで、提供される飲料内に多数の小気泡を生成することができる。本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、これらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造およびカートリッジの組み立てを最適化することができる。これは、噴流を生成するアパーチャの寸法および配置について、および、カートリッジを通る飲料流路の残部について、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、アパーチャを流路の全体的な方向に直交する向きとすることで、飲料がカートリッジの壁面に衝突し、供給に先立って減速されるようにすることができる。上述したように、アパーチャを精密にし、方向づけることは射出成形コンポーネントにとって困難である。本発明によれば、単一のコンポーネントに例えばモールドピンによってアパーチャの全体を形成するのではなく、内側部材と外側部材との間の界面を用いてアパーチャを画成することにより、そのような困難が解消される。
【0025】
内側部材または外側部材の一方は開口を具え、内側部材または外側部材の他方は閉塞部(obstruction)を具えて、内側部材を外側部材に挿入する際に、閉塞部が開口を部分的に閉塞してアパーチャが画成されるようになっている。
【0026】
有利な点は、アパーチャを画成するべく合わされる分離した開口および閉塞部をより容易に作成できることである。好ましくは、開口は細長いスロットを具え、これは内側部材に設けることができる。この場合は外側部材が閉塞部を具える。好ましくは、閉塞部は外側部材の延在部を具え、その少なくとも一部が内側部材内に突出するようにする。内側部材の円筒壁に細長いスロットを形成することができる。好ましくは、細長いスロットは円筒壁の上縁まで延在している。一実施形態では、外側部材の延在部は円筒状の延在部であり、内側部材の円筒壁内に摺動嵌合するようにして受容される。典型的には、アパーチャは0.4〜0.7mm2の断面積を有している。
【0027】
好ましくは、カートリッジはさらに、少なくとも1つの空気用の入口と、飲料の噴流の圧力低下を生じさせるための手段とを具え、使用に際し、少なくとも1つの空気用入口から飲料内に複数の小泡が導入されるようにする。好ましくは、少なくとも1つの空気用入口はアパーチャより下流の内側部材に設けられる。内側部材が出口を形成する注ぎ口を具えていてもよい。好ましくは、アパーチャによって提供される飲料噴流が注ぎ口に導かれ、アパーチャから導入されて出口から出て行く間に、注ぎ口の表面に衝突できるようにする。好ましくは、当該表面は注ぎ口の凹壁である。凹壁は、好ましくはアパーチャとは反対側の注ぎ口の部位に配置される。好ましくは、アパーチャは、出口から流出する飲料の流れに実質的に垂直な角度で流れるよう、飲料を導く。よって飲料は、カートリッジから出て行くことができる前に偏向され、その結果飲料が減速する。これは、容器に対する飛散を防止する上で望ましい。
【0028】
内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときにより簡単に殺菌消毒することができる。これらのコンポーネントを組み合わせると何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。
【0029】
有利な点は、注ぎ口が内側部材に一体化されていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が飲料残渣によって汚されることがない。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0030】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。生分解性高分子でカートリッジを形成することも可能である。
【0031】
また、本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための区画を具え、該区画が水媒体をその内部に導入するための複数の入口アパーチャと、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料のための出口アパーチャとを有しており、前記入口アパーチャの一部と前記出口アパーチャとをずらすことで、前記入口アパーチャを通って前記区画内に進入する前記水媒体の一部が前記区画内で強制循環されてから前記出口アパーチャを通って前記区画から出て行くようにされており、前記複数の入口アパーチャが前記区画の周りに配置されていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0032】
有利な点は、本発明のカートリッジが入口アパーチャと、少なくとも一部がずれた出口アパーチャとを具えていることである。これにより,飲料原料を収納する区画に入る水媒体が入口アパーチャから出口アパーチャへとそのまま通過してしまうことが無いようにすることができる。そのまま通過するのではなく、水媒体は出口アパーチャを介して出てゆく前に、区画内で強制的に循環させられる。これにより、区画内の飲料原料のほぼ全部が水媒体流路に接触するので、水媒体と飲料原料との混合の度合いが増進する。
【0033】
好ましくは、入口アパーチャを区画周囲に等間隔に配置することができる。好ましくは、入口アパーチャに対し、出口アパーチャは区画の中心に向けて配置される。出口アパーチャを区画中心の周りに等間隔に配置することができる。入口アパーチャおよび出口アパーチャを等間隔に配置することによって、区画内でのより一様な流れを提供し、これによって飲料原料および水媒体のより確実な混合が提供される。
【0034】
好ましくは、カートリッジは3〜10個の入口アパーチャを具える。一実施形態では、4個の入口アパーチャが設けられる。
【0035】
好ましくは、カートリッジは3〜10個の出口アパーチャを具える。一実施形態では、5個の出口アパーチャが設けられる。
【0036】
好ましくは、入口アパーチャの数と出口アパーチャの数とは等しくない。
【0037】
好ましくは、入口アパーチャの数および出口アパーチャの数は次の公式で与えられる。
【0038】
Xo=Xi+C
ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数
有利な点は、入口アパーチャおよび出口アパーチャの数が上記公式に従って選択されることである。これは特に、カートリッジがディスク形状であり、それらアパーチャがディスクのまわりに等間隔に配される場合において有利である。組み立て時に、入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジのコンポーネントの位置合わせに意を払う必要がなくなるからである。コンポーネントの向きがどのようなものであっても、入口アパーチャおよび出口アパーチャの少なくとも一部はずれることになる。例えば、4個の入口アパーチャおよび5個の出口アパーチャがあり、すべてが等間隔に配される場合、入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジのコンポーネントをどのように位置合わせしても、2以上の入口アパーチャを出口アパーチャに整列させることは不可能である。これにより、組み立て手順をより迅速かつ簡単に行うことができるようになる。あるいは、等しい数の入口アパーチャおよび出口アパーチャを含むカートリッジとしてもよいが、入口アパーチャおよび出口アパーチャの少なくとも一部が確実にずれるようにそれらの間隔が定められる。
【0039】
典型的には、入口アパーチャはカートリッジの外側部材に設けられ、出口アパーチャはカートリッジの内側部材に設けられる。好ましくは、内側部材は出口アパーチャに連通する注ぎ口を具える。
【0040】
好適実施形態では、カートリッジはディスク形状である。好ましくは、入口アパーチャを通って区画内に流入する水媒体はカートリッジの中心に向かって半径方向内方に導かれる。
【0041】
カートリッジの特別な応用例として、粘稠液すなわちゲルの形態の液体原料に用いられることがわかる。一応用例では、液状のチョコレート原料がカートリッジ1に収納され、これは、周囲温度にて粘性が1700〜3900mPa、0℃にて5000〜10000mPaであり、屈折性の固形分(refractive solids)が67ブリックス度±3である。別の応用例では、カートリッジ1内には液体コーヒーが収納され、これは、周囲温度にて粘性が70〜2000mPa、0℃にて80〜5000mPaであり、全固形分量が40〜70%である。
【0042】
粘稠液すなわちゲルのような可溶性飲料原料を用いる場合、原料が水媒体と完全に混合しないことが特に問題となる。特に、そのような製品を収納するカートリッジにおいては、原料の局所的な溶解に起因して、カートリッジの入口と出口とを結ぶチャネルが速やかに生成されてしまうことがある。そしてチャネルは残りの水媒体に対して比較的低抵抗の流路を形成し、区画内にある残りの未溶解の粘性の高い原料を通るのではなく、チャネルに沿って流れやすくしてしまう。本発明のカートリッジは主としてこの問題を解決するものであり、水媒体を区画内で強制的に再循環させることによって、原料の大部分を溶解させるだけでなく、区画内に乱流を生成して残りの原料の混合を促進するよう作用させるとともに、入口アパーチャと出口アパーチャとを結ぶ低抵抗の流路の生成および維持を阻止するものである。
【0043】
外側部材および/または内側部材はポリプロピレンで形成することができ、射出成型されたものとすることができる。一実施形態においては、外側部材および/または内側部材は生分解性高分子で形成される。
【0044】
本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、を具え、前記内側部材が荷重受け部材をなしていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0045】
本発明のカートリッジは飲料を供給するための頑健な機構を具える。特に内側部材が荷重受け部材をなし、使用時における比較的高い圧縮荷重に耐えることができるようになっている。これにより、供給サイクルを始めるに先立ってカートリッジに圧縮荷重を加える飲料調製機械においても、カートリッジを用いることができるようになる。そしてこれは、内部が加圧される際にカートリッジが破損する恐れを低減する。加えて、カートリッジに対する圧縮加重の作用により、カートリッジのコンポーネントが確実に、正確な位置に保持されるようになる。
【0046】
好ましくは、内側部材および外側部材は別体のコンポーネントであり、それらはカートリッジの組み立て時に結合する。
【0047】
好ましくは、カートリッジはさらに内側部材に結合するフィルタを具える。
【0048】
好ましくは、内側部材は十分な剛性をもつ荷重受け部材をなし、カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようになっている。より好ましくは、荷重受け部材は十分な剛性をもち、カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにする。好ましくは、荷重受け部材が十分な剛性をもち、荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにする。
【0049】
一実施形態では、内側部材はポリプロピレンで形成されている。他の形態においては、外側部材および/または内側部材は生分解性高分子で形成される。
【0050】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。
【0051】
好ましくは、内側部材と注ぎ口とは一体の部材(ピース)として形成される。
【0052】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、閉塞された第1端と、開放された第2端とを有するハウジングを具え、該ハウジングが前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成し、前記ハウジングの前記解放された第2端がリッドによって封止されており、前記ハウジングの前記閉塞された第1端と前記リッドとの間に渡された荷重受け部材をさらに具えていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0053】
好ましくは、前記荷重受け部材は、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用の出口を形成する注ぎ口を具える。
【0054】
好ましくは、前記荷重受け部材は前記カートリッジの中心またはその近傍に配置される。
【0055】
好ましくは、内側部材は十分な剛性をもち、カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようになっている。より好ましくは、荷重受け部材は十分な剛性をもち、カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにする。好ましくは、荷重受け部材が十分な剛性をもち、荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにする。
【0056】
本発明は、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、前記収納室および前記注ぎ口の間に配されたフィルタと、を具え、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1つの溶接部によって、前記外側部材に対し1操作で結合されることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0057】
有利な点は、本発明のカートリッジが、コンポーネントの手操作を最小限にした信頼性のある方法で組み立てられることである。加えて、外側部材、内側部材およびフィルタをまず部分組立品として組み立てることができるので、フィルタ脱落の恐れが生じることなくなく簡単に輸送することができる。これにより、外側部材、内側部材およびフィルタを離れた場所で組み立て、カートリッジの充填および封止を行うことが可能となる。
【0058】
好ましくは、外側部材は収納室にアクセスするための開口を有し、開口から離れたベースの部位で、内側部材およびフィルタを外側部材に結合するようになっている。
【0059】
好ましくは、内側部材、外側部材およびフィルタは環状である。
【0060】
好ましくは、溶接部は略円形である。
【0061】
一実施形態では、内側部材および外側部材はプラスチック材料であり、前記少なくとも1つの溶接部は超音波溶接により形成されている。
【0062】
一例では、内側部材はフレームを具え、前記少なくとも1つの溶接部は前記フレームの周囲に形成されている。溶接部は、飲料がフィルタ以外の収納室の部位から流出するのを阻止する。好ましくは、フレームは外側部材の閉塞された第1端に向けてフレームから上方に延在する複数のウェブを具え、フレームと外側部材の閉塞第1端との間に1以上の通路を画成するとともに、溶接部がウェブと外側部材の閉塞第1端との間に形成されるようにする。
【0063】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジの製造方法であって、前記カートリッジが、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室を画成する外側部材と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口を有する内側部材と、フィルタと、を具えており、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1回の溶接ステップによって、前記外側部材に対し1ステップで結合されることを特徴とする方法を提供する。
【0064】
好ましくは、溶接ステップは超音波溶接によって行われる。
【0065】
好ましくは、前記方法は内側部材および前記フィルタの周囲に第1溶接ラインを形成するステップをさらに具える。
【0066】
好ましくは、前記方法は注ぎ口またはその近傍で内側部材およびフィルタのまわりに第2溶接ラインを形成するステップをさらに具える。
【0067】
ここで用いる「カートリッジ」という語は、いかなるパッケージ、コンテナ、袋(sachet)または容器を含むものであり、記載された態様で1種または複数種の飲料原料を収納するものである。カートリッジは剛体であっても、半剛体であっても、可撓性のあるものであってもよい。
【0068】
本発明のカートリッジには、飲料製品の精製に好適な1種または複数種の飲料原料が収納される。飲料としては、例えばコーヒー、ティー、チョコレートまたはミルクを含む乳を原料とする飲料が挙げられる。飲料原料としては、粉末状のもの、挽いたもの、リーフベースのもの、または液体のものとすることができる。飲料原料は不溶性のものでも、可溶性のものでもよい。焙煎し、挽いたコーヒー、リーフティ、粉末チョコレートおよびスープ、液体ミルクベースの飲料および濃縮果汁が例として挙げられる。
【0069】
本発明はまた、1種類または複数種類の飲料原料を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジであって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を流出させるための出口とを具えており、前記カートリッジが、外側部材と、該外側部材に結合して組み付けられる内側部分とを具え、該内側部分が前記カートリッジの前記出口を形成するとともに、前記カートリッジの組み立て時における前記外側部分と前記内側部分との結合にスナップ嵌合構造が設けられていることを特徴とするカートリッジを提供する。
【0070】
本発明のカートリッジは、内側部材および外側部材である主コンポーネントによって容易に組み立てられる。内側部材および外側部材として分離したコンポーネントを用い、スナップ嵌合構造によりこれらを結合して組み立てるようにすることで、各コンポーネントの製造およびカートリッジの組み立てを最適化することができる。これは、カートリッジを通る飲料流路が外側部材および内側部材間の界面によって形成されることから、非常に小さい公差が望まれる本発明のカートリッジにおいて特に有利な点である。加えて、内側部材および外側部材のコンポーネントは、組み立て前の分離状態にあるときに簡単に殺菌消毒することができるものである。これらのコンポーネントをスナップ嵌合させると、何本かの小口付き蛇行経路が形成され、これを既知の方法で効果的に殺菌することはできない。コンポーネントを殺菌できることは、カートリッジを乳を主原料とする飲料の供給に用いる場合において、特に有利な特徴である。スナップ嵌合構造は迅速な組み立てを提供するだけでなく、結合を確実にする方法である。有利な点は、飲料原料にさらされることになるカートリッジの内部において接着剤が不要となることである。
【0071】
典型的には、スナップ嵌合構造は協働する形成物を内側部材および外側部材に具えている。好ましくは、外側部材は閉塞された第1端と開放された第2端とを具え、外側部材とスナップ嵌合する内側部材ではその出口が開放第2端に向くようになっている。また好適には、入口が外側部材の開放第2端に向いている。よって入口および出口はカートリッジの同じサイドに向いている。これにより、カートリッジを薄型の機械に使用することができ、使用に際しては入口および出口を形成するための穿孔手段を飲料調整機械の単一面から突出させることができるようになる。
【0072】
好ましくは、外側部材の閉塞第1端の部位またはその近傍で、外側部材および内側部材がスナップ嵌合される。よって、内側部材および外側部材の結合は、外側部材の開放端すなわち口部から離れた位置で行われることになる。有利な点は、飲料原料のカートリッジへの充填に先立って、かつカートリッジの開放端すなわち口部の封止に先立ってスナップ嵌合ステップを行なうことができることである。これにより、内側部材および外側部材をまずスナップ嵌合させてカートリッジの部分組み立て品を形成し、その後にパッキングラインの充填ステーションに移送して1以上の飲料原料を入れることができるので、組み立てプロセスが簡単なものとなる。次に、充填されたカートリッジが封止される。これは例えば、外側部材の開放端にラミネートシートを熱溶着することによって行われる。この組み立てプロセスにより、熱溶着のステップを通じ、外側部材、内側部材およびラミネートを位置合わせし、かつ位置合わせ状態を維持するための困難な作業を排除できる。
【0073】
有利な点は、内側部材および外側部材のスナップ嵌合によって水密性シールが形成されることである。
【0074】
一実施形態において、内側部材は出口を取り囲むスカートをさらに具えている。スカートは上部延在部を具え、該上部延在部は上部リムを有し、カートリッジを組み立てたときに上部リムが外側部材の協働形成物と係合して、内側部材を外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす。典型的には、外側部材の協働形成物は内向きの延在部である。
【0075】
好適には、外側部材は内向きの延在部を具え、外側部材と内側部材との結合時に注ぎ口の基端部(proximal end)に受容されるようになっている。
【0076】
有利な点は、内側部材が注ぎ口を具えていることである。注ぎ口は流出する飲料をカップなどの容器に導く働きをする。注ぎ口は飲料の余計な飛散を防ぐとともに、流量特性を調整して飲料がカートリッジから容器に移るようにするのに有用である。例えば、飲料に加わる乱流の程度を低減するよう注ぎ口の形状を定めることで、飲料に含まれる泡が必要以上に減らないようにすることができる。また、有利な点は、飲料調製機械内に分離した注ぎ口を設けるのではなく、カートリッジ自体が注ぎ口を具えていることである。よって、供給サイクルにおいて異種飲料間の相互汚染の恐れがない。それぞれの注ぎ口は1回だけ使用され、カートリッジの残りの部分とともに処分されるからである。また、好ましくは、注ぎ口から流出する飲料が飲料調製機械の出口機構と接触しないようにする。これにより、飲料調製機械が汚されることがなくなる。好適には、注ぎ口が内側部材と一体となっている。有利な点は、注ぎ口と内側部材とがモールドまたはその他の方法によって一体化された単一ユニットとなっており、カートリッジの製造コストを低減するとともに、組み立てを要するコンポーネントの数を減らすことができることである。
【0077】
一実施形態において、注ぎ口はテーパ部分を具えている。他の実施形態では、注ぎ口が円筒部分を具えている。さらなる選択的変形例では、注ぎ口は、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切りを具えている。仕切りは流出する飲料の飛散を低減する。
【0078】
好ましくは、カートリッジはディスク形状である。カートリッジはさらに飲料の噴流を生成するための手段を具えていてもよく、この手段は入口と出口との間の飲料流路にアパーチャを有している。外側部材および/または内側部材は、例えばポリプロピレンで形成することができる。
【0079】
以下の説明において、「上方」、「下方」およびその等価の用語を、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。「上方」、「下方」およびその等価の用語を、例えば図4に示すように、飲料調製機に挿入して引き続き供給を行う、通常の姿勢にあるカートリッジ(または他のコンポーネント)に対して指すものと理解すべきである。特に、「上方」および「下方」は、カートリッジの頂面11からより近い相対的位置、またはより遠い相対的位置をそれぞれ指す。加えて、「内側」、「外側」およびその等価の用語も、以下、本発明の特徴要素の相対的位置付けを説明するために用いる。これら「内側」、「外側」およびその等価の用語を、カートリッジ1(または他のコンポーネント)の中心または主軸Xからより近いまたはより遠い、カートリッジ(または他のコンポーネント)内での相対的位置付けをそれぞれ指すものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係るカートリッジの第1および第2の実施形態の外側部材を示す断面図である。
【図2】図1の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図3】スロットを示す、図1の外側部材の詳細を示す断面図である。
【図4】図1の外側部材を上から見た斜視図である。
【図5】図1の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図6】図1の外側部材を上から見た平面図である。
【図7】第1の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図8】図7の内側部材を上から見た斜視図である。
【図9】図7の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図10】図7の内側部材を上から見た平面図である。
【図11】組み立てた状態である第1の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図12】第2の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図13】アパーチャを示す、図12の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図14】図12の内側部材を上から見た斜視図である。
【図15】図12の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図16】図12の内側部材を示す別の断面図である。
【図17】空気入口を示す、図12の内側部材の別の詳細を示す断面図である。
【図18】組み立てた状態である第2の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図19】本発明に係るカートリッジの第3および第4の実施形態の外側部材を示す断面図である。
【図20】図19の外側部材の詳細を示す断面図であり、内側向きの円柱状延出部を示している。
【図21】図19の外側部材を上から見た平面図である。
【図22】図19の外側部材を上から見た斜視図である。
【図23】図19の外側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図24】第3の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図25】図24の外側部材を上から見た平面図である。
【図26】内向き上方リムを示す、図24の内側部材の詳細を示す断面図である。
【図27】図24の内側部材を上から見た斜視図である。
【図28】図24の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図29】組み立てた状態である第3の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図30】第4の実施形態であるカートリッジの内側部材を示す断面図である。
【図31】図30の内側部材を上から見た平面図である。
【図32】図30の内側部材を上から見た斜視図である。
【図33】図30の内側部材を逆向きにして上から見た斜視図である。
【図34】組み立てた状態である第4の実施形態のカートリッジを示す断面図である。
【図35a】操作サイクル時間に対する濃度を示すグラフである。
【図35b】操作サイクル時間に対する泡立ち度を示すグラフである。
【図35c】操作サイクル時間に対する温度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0081】
添付の図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。但しこれは一例としてのものである。
【0082】
図11に示すように、本発明のカートリッジ1は主に、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを含む。外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5とを組み合わせると、1種類または複数種類の飲料原料を収納するための内部120と、入口121と、出口122と、入口121から出口122までをつないで内部120を貫通する飲料流路とを有するカートリッジ1が形成される。入口121と出口122とは、当初はラミネート5でシールされているが、使用時に、そのラミネート5を穿孔または切断することにより開口される。飲料流路は、以下で説明するように、外側部材2と、内側部材3と、ラミネート5との間の空間的相互関係により画定される。この他にも、以下でさらに説明するように、フィルタ4などのコンポーネントを任意にカートリッジ1に含めることができる。
【0083】
次に予備知識として説明する第1の型式のカートリッジ1を、図1から図11に示す。第1の型式のカートリッジ1は、焙煎して挽いたコーヒーやリーフティなどの濾過生成物の供給に使用するように特に設計されたものである。しかし、この型式のカートリッジ1および、以下で説明する他の型式を、ココア、コーヒー、茶、甘味料類、強壮剤類、調味料類、アルコール飲料類、調味乳、果汁類、スカッシュ類、ソース類、およびデザート類などの他の生成物に使用することも可能である。
【0084】
図5からわかるように、カートリッジ1の全体形状は、その直径が高さより大幅に大きい略円形またはディスク形状である。長軸Xは、図1に示すように、外側部材の中心を通っている。通常、外側部材2の直径全体は74.5mm±6mmであり、高さ全体は16mm±3mmである。通常、このカートリッジ1の容積は30.2ml±20%である。
【0085】
外側部材2は主に、湾曲した環状壁13を有するボール形状のシェル10と、閉じた頂部11と、開いた底部12とを含む。閉じた頂部11から開いた底部12にかけて環状壁13が広がっているため、外側部材2の直径は、その頂部11にて、底部12の直径に比較して小さくなっている。環状壁13と閉じた底部11とが共に、内部34を有する容器を画成している。
【0086】
中空で内側向きの円柱状延出部18が、長軸Xを中心として閉じた頂部11に設けられている。図2でさらによくわかるように、円柱状延出部18は、第1、第2および第3の部分19、20および21を有する階段状プロファイルを含む。第1の部分19は、直円柱状である。第2の部分20は、裁頭円錐形状であり、内側に先細りになっている。第3の部分21は、もう1つの直円柱であり、下方面31により閉じられている。第1、第2および第3の部分19、20および21の直径は、円柱状延出部18の頂部11から閉じた下方面31にかけて、円柱状延出部18の直径が狭まるように、段階的に小さくなっている。略水平な肩32が、第2の部分20と第3の部分21との間の結合部分にて円柱状延出部18に形成されている。
【0087】
外向きに延出する肩33が、底部12に向けて外側部材2に形成されている。この外向きに延出する肩33が、環状壁13と同軸である副次的壁15を形成し、これにより、副次的壁15と環状壁13との間にマニホールド16を形成する環状トラックを画成するようになっている。マニホールド16は、外側部材2の周囲をめぐって通っている。一連のスロット17が、環状壁13にマニホールド16と同じ高さで設けられており、これにより、マニホールド16と外側部材2の内部34との間が気体および液体連通した状態となる。図3に示すように、スロット17は、環状壁13に形成された垂直スリットを含む。20から40本のスリットを設ける。図示した実施形態では、37本のスロット17が、ほぼ等間隔でマニホールド16の周囲に設けられている。スロット17を、好ましくは、1.4から1.8mmの長さとする。通常、各スロットの長さは、外側部材2の高さ全体の10%である1.6mmである。各スロットの幅は、0.25から0.35mmである。通常、各スロットの幅は0.3mmである。スロット17の幅を十分に狭くして、保管時、使用時のいずれかに飲料原料がマニホールド16内に通過してしまわないようにする。
【0088】
入口チャンバ26を、外側部材2の周囲にて外側部材2内に形成する。図5で最もよくわかるように、円柱状壁部27が設けられており、これが外側部材2の内部34に入口チャンバ26を画成し、同時に入口チャンバ26を外側部材2の内部34から仕切っている。この円柱状壁部27は、長軸Xに垂直な1平面上に形成された閉じた上方面28と、外側部材2の底部12と同平面上にある開いた下方端部29とを有する。入口チャンバ26は、図1に示すように、2本のスロット30を介してマニホールド16と連通する。別法として、1から4本のスロットを用いて、マニホールド16と入口チャンバ26との間を連通させてもよい。
【0089】
外向きに延出する肩33の下方端部には、長軸Xに垂直に外向きに延出するフランジ35が設けられている。通常、このフランジ35の幅は2〜4mmである。フランジ35の一部が、外側部材2の保持によってハンドル24を形成するように、拡張されている。ハンドル24には、掴みやすくするために先を上向きにしたリム25が設けられている。
【0090】
外側部材2を、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、またはこれらの2種以上の積層体から単体ピースとして形成する。好適なポリプロピレンは、DSM UK Limited(英国、レディッチ)から入手可能な一連のポリマー類である。この外側部材は、不透明でも、透明でも、半透明でもよい。この製造処理を射出成形とすることができる。
【0091】
図7から図10に示すように、内側部材3は、環状フレーム41と、下向きに延出する円柱状漏斗40とを含む。図7に示すように、長軸Xは内側部材3の中心を通っている。
【0092】
図8で最もよくわかるように、環状フレーム41は、外側リム51と、等間隔で設けられた10本の径方向スポーク53で接合されている内側ハブ52とを含む。内側ハブ52は円柱状漏斗40と一体であり、かつ円柱状漏斗40から延在している。濾過アパーチャ55が、径方向スポーク53の間で環状フレーム41内に形成されている。この濾過アパーチャ55をカバーするように、フィルタ4が環状フレーム41上に配置される。このフィルタを好ましくは、不織繊維材料であるポリエステルなど、湿潤強さの高い材料で製造する。この他に使用可能な材料として、織紙繊維を含むセルロース材料などの水分不透過性セルロース材料が挙げられる。この織紙繊維をポリプロピレン、ポリ塩化ビニルおよび/またはポリエチレンの繊維と混合させることができる。こうしたプラスチック材料をセルロース材料内に組み合わせると、そのセルロース材料がヒートシール可能なものとなる。フィルタ4を、熱および/または圧力で活性化される材料で処理またはコーティングして、熱および/または圧力により環状フレーム41にシールできるようにしてもよい。
【0093】
図7の断面プロファイルに示すように、内側ハブ52は外側リム51より下の位置に配置されるため、環状フレーム41のプロファイルが、下方に傾斜したものとなる。
【0094】
各スポーク53の上面に、直立型ウェブ54が設けられる。このウェブが、環状フレーム41上方の空隙を複数の通路57に分割する。各通路57はウェブ54により分割された両側と、フィルタ4の下面とにその境界を接した状態となる。通路57は外側リム51から下方に円柱状漏斗40に向けて延在し、ウェブ54の内側末端部により画成される開口56にて円柱状漏斗40に開いている。
【0095】
円柱状漏斗40は、内側注ぎ口43を取り囲む外側チューブ42を含む。この外側チューブ42が、円柱状漏斗40の外面を形成している。注ぎ口43はその上方端部にて外側チューブ42に、環状フランジ47により接合されている。注ぎ口43は、その上方端部に位置して通路57の開口56と連通する入口45と、その下方端部に位置し、調製済み飲料を通過させてカップや他の入れ物内に注ぐ出口44とを含む。注ぎ口43は、その上方端部に略切頭円錐状部分48を、またその下方端部に円柱状部分58を含む。この円柱状部分58にわずかに傾斜した部分を設けて、出口44に向けて幅を細めてもよい。略切頭円錐形部分48を設けることにより、飲料に乱流を起こすことなく、飲料を通路57から出口44に向けて下向きに流動させやすくなる。略切頭円錐形部分48の上面には、円柱状漏斗40の周囲に等間隔で位置する支持ウェブ49を設ける。この支持ウェブ49の間に複数のチャネル50が画定される。支持ウェブ49の上縁部は互いに同じ高さであり、長軸Xに垂直である。
【0096】
内側部材3を、上述したように、外側部材2と同様、ポリプロピレンまたはこれに類似した材料から射出成形により単体ピースとして形成することができる。
【0097】
別法として、内側部材3および/または外側部材2を、生分解性ポリマーで製造してもよい。好適な材料の例として、分解性ポリエチレン(例えば、英国ボアハムウッドのSymphony Environmental製SPITEK)、生分解性ポリエステルアミド(例えば、Symphony Environmental製BAK1095)、ポリ乳酸(米国ミネソタ州のCargil製PLA)、デンプン系ポリマー、セルロース誘導体、およびポリペプチドが挙げられる。
【0098】
ラミネート5は、アルミニウムによる第1の層、および無延伸ポリプロピレンによる第2の層の2層から形成される。このアルミニウム層は0.02から0.07mmの厚さである。無延伸ポリプロピレン層は0.025から0.065mmの厚さである。一実施形態において、アルミニウム層は0.06mmの厚さであり、ポリプロピレン層は0.025mmの厚さである。このラミネートは、組み立て時の巻き込みに高い抵抗を有するため、特に有利である。このため、ラミネート5を、歪みを発生させることなく、正しいサイズおよび形状に事前に切断しておき、その後製造ラインの組み立てステーションに移送することができる。したがって、このラミネート5は溶接に特に適している。他のラミネート材料も使用可能であり、その例として、PET/アルミニウム/PP、PE/EVOH/PP、PET/金属被覆/PP、およびアルミニウム/PPラミネートが挙げられる。打ち抜き加工した在庫品ではなく、ロールラミネートによる在庫品を用いてもよい。
【0099】
カートリッジ1を、可撓性のラミネートではなく、剛性または半剛性の蓋で閉じてもよい。
【0100】
カートリッジ1の組み立ては、
a)内側部材3を外側部材2に挿入するステップと、
b)フィルタ4を決まった形状に切断し、内側部材3上に配置して、円柱状漏斗40上で受け、環状フレーム41に対向する位置にくるようにするステップと、
c)内側部材3、外側部材2、およびフィルタ4を超音波溶接で接合するステップと、
d)このカートリッジ1に、1種類または複数種類の飲料原料を充填するステップと、
e)ラミネート5を外側部材2に取付けるステップと
を含む。
【0101】
上記ステップについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0102】
外側部材2を、その開いた底部12を上向きにして方向付ける。次に、内側部材3をその外側部材2内に挿入して、外側リム51がカートリッジ1の頂部11において軸方向延出部14内に遊合状態で受けられるようにする。これと同時に、外側部材2の円柱状延出部18が、内側部材3の円柱状漏斗40の上方部分内に受けられる。円柱状延出部18の閉じた下方面31が内側部材3の支持ウェブ49に当たった状態で、円柱状延出部18の第3の部分21が円柱状漏斗40内に納まる。次に、フィルタ4を、フィルタ材料が環状リム51に接触するように、内側部材3上に配置する。超音波溶接処理により、このフィルタ4を内側部材3に接合し、同時に同一処理ステップにおいて、内側部材3を外側部材2に接合する。内側部材3およびフィルタ4を外側リム51に沿って溶接する。内側部材3および外側部材2は、外側リム51およびウェブ54の上方縁部に沿って溶接線により接合する。
【0103】
図11で最もよくわかるように、外側部材2および内側部材3を互いに接合すると、環状フランジ41の下方かつ円柱状漏斗40の外側に、内部120内の孔空間130ができ、これが濾過チャンバとなる。この濾過チャンバ130と環状フレーム41上方の通路57とを、濾紙4が隔てる。
【0104】
濾過チャンバ130には1種類または複数種類の飲料原料200が収納される。1種類または複数種類の飲料原料は、濾過チャンバ130内に包装される。濾過式飲料の場合、この原料は通常、焙煎して挽いたコーヒーまたはリーフティである。濾過チャンバ130内の飲料原料の包装密度は、所望に応じて変更可能である。通常、濾過式コーヒー生成物の場合、この濾過チャンバは、通常5から14mm厚さの濾過床に5.0から10.2グラムの焙煎して挽いたコーヒーを収納する。付加的に、内部120に球体などの1種類または複数種類の物体を入れて、その中で自由に移動できるようになし、飲料を注ぐ時点で乱流を起こし、その飲料原料の沈殿物を砕いて混合しやすくするようにしてもよい。
【0105】
次に、外方に延在するフランジ35の下面にラミネート5を接合するためにラミネート5の周囲に溶接部126を形成することにより、ラミネート5を外側部材2に取付ける。溶接部126を、ラミネート5を入口チャンバ26の円柱状壁部27の下方縁部に対してシールするように延在させる。さらに、この溶接部125を、ラミネート5と円柱状漏斗40の外側チューブ42の下方縁部との間に形成し、内側部材3が外側部材2とラミネート5との間に架かるようにする。このラミネート5が、濾過チャンバ130の下方壁となり、かつ入口チャンバ26および円柱状漏斗40をシールする。ただし、ラミネート5と注ぎ口43の下方縁部との間には、供給前に小さな隙間123ができるようになっている。ラミネート5の材料特性に応じて、熱および超音波溶接など、様々な溶接方法が使用可能である。
【0106】
有利なことに、外側部材2とラミネート5との間に内側部材3がある。この内側部材3を、ポリプロピレンなどの比較的硬い材料で形成する。これにより、内側部材3は、カートリッジ1が圧縮されてもラミネート5と外側部材2との間のスペースを保つように作用する荷重受け部材(load-bearing member)となる。使用時、カートリッジ1の受ける圧縮荷重を130〜280Nとすると好ましい。圧縮荷重はカートリッジが挿入される飲料調製機械に作用する。しかしカートリッジおよび機械の配置によっては、力の下限は50Nを超えるものとされ得る。圧縮力は、カートリッジが内部加圧下で破損することを防ぐ作用をすると同時に、内側部材3および外側部材2を互いに寄せる役割を果たす。これにより、確実に、カートリッジ1内の通路およびアパーチャの内側寸法は固定され、カートリッジ1が加圧されても変化しなくなる。
【0107】
このカートリッジ1を使用するには、まず、これを飲料調製機内に挿入し、入口121および出口122を飲料調製機の穿孔部材により開放する。穿孔部材はラミネート5を穿孔して折り返す。加圧された水媒体(通常は水)を、0.1から2.0バールの圧力でカートリッジ1に入れて、入口121から入口チャンバ26内へ通す。ここから、水はスロット30を通過してマニホールド16を回り、複数のスロット17を介してカートリッジ1の濾過チャンバ130内に入る。この水は、濾過チャンバ130を介して径方向内側に押し入れられ、そこに収納されている飲料原料200と混ざり合う。この水は同時に、その飲料原料内を通って上側に押し上げられる。水がこのように飲料原料内を通過することで形成された飲料は、フィルタ4および濾過アパーチャ55を通過して、環状フレーム41上方に位置する通路57内に入る。フィルタ4がスポーク53にシールされ、リム51が外側部材2に溶接されており、他の出口がまったくない状態であるため、この飲料すべてが確実にフィルタ4を通過する。
【0108】
次に、この飲料はウェブ54間に形成された径方向通路57に沿って下向きに流動し、開口56を通過して円柱状漏斗40内に入る。続いて、チャネル50に沿って支持ウェブ47間を通過し、注ぎ口43から下の出口44に落ち、これにより、この飲料はカップなどの容器内に注がれる。
【0109】
好ましくは、飲料調製機械に空気パージ性能を含めて、操作サイクルの終了時に圧縮空気をカートリッジ1内に押し入れることにより、残留飲料を容器内に流し出すようにする。
【0110】
図12〜図18は、第2の型式のカートリッジ1を示している。第2の型式のカートリッジ1は、クレマ(crema)として知られる細かい気泡の泡立ちを有する飲料を生成することが望まれる場合の、焙煎して挽いたコーヒーなどのエスプレッソ型生成物の調合に使用するように特に設計されたものである。第2の型式のカートリッジ1が備える特徴部は、その多くが第1の型式のものと同じであるため、同様の特徴部には同様の参照符号を用いている。以下の説明では、第1の型式と第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0111】
外側部材2の構造は、第1の型式のカートリッジ1が備え、図1〜図6に示すものと同じである。
【0112】
内側部材3の環状フレーム41は、第1の型式のものと同じである。また、フィルタ4が、濾過アパーチャ55をカバーするように、環状フレーム41上に配置される。円柱状漏斗40の外側チューブ42も、第1の場合と同様である。ただし、第2の型式の内側部材2に、第1の型式の場合と比較していくつか相違点がある。図16に示すように、注ぎ口43に、出口44から注ぎ口43に向けて一部延出する仕切り65が設けられている。この仕切り65を設けることにより、飲料が注ぎ口43を出る際にしぶきを飛ばす、かつ/またははねることを防止しやすくなる。注ぎ口43のプロファイルも異なっており、この注ぎ口43は、チューブ43の上方端部近傍で明確な屈曲部66を備える階段状プロファイルを含む。
【0113】
リム67が、環状フランジ47から直立して設けられて、外側チューブ42と注ぎ口43とを結合している。このリム67は入口45から注ぎ口43までを取り囲み、リム67と外側チューブ42の上方部分との間に環状チャネル69を画成する。リム67には、内向きの肩68が設けられている。リム67周囲の一箇所に、アパーチャ70がスロットの形態で設けられており、このスロットは、図12および図13で最もよくわかるように、リム67の上方縁部から肩68の高さよりわずかに下の箇所まで延在するものである。このスロットの幅は0.64mmである。
【0114】
図16および図17に示すように、環状フランジ47に、アパーチャ70と周方向に位置合わせされた空気入口71を設ける。この空気入口71は、外側チューブ42と注ぎ口43との間で、フランジ47の上方箇所とフランジ47の下方の空隙とを流通させるように、フランジ47を貫通するアパーチャを含む。好ましくは、図示のように、空気入口71に、上方切頭円錐形部分73と下方円柱状部分72とを含める。空気入口71は通常、ピンなどの成形工具により形成される。空気入口71をテーパ付きの形状とすると、成形工具を成形原料から取り出しやすくなる。空気入口71に近位である外側チューブ42の壁を、空気入口71から注ぎ口43の入口45へとつながるシュート75を形成する形状とする。図17に示すように、空気入口71とシュート75との間に斜めの肩74が形成されて、スロット70から噴射される飲料が、空気入口71のごく近位にあるフランジ47の上面を直接汚さないようにしている。
【0115】
第1の実施形態と同様、内側部材3は荷重受け部材として作用する。
【0116】
第2の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様である。しかし、いくつかの相違点もある。図18に示すように、円柱状延出部18の第3の部分21は、支持ウェブに対してではなく、支持リム67内に納まる。第2の部分20と第3の部分21との間に位置する円柱状延出部18の肩32は、内側部材3の支持リム67が含む上方縁部に当たる。このようにして、内側部材3と外側部材2との間に、カートリッジ1の周囲のほぼ全体に延び、円柱状延出部18と支持リム67との間の面シールを含む界面ゾーン124が形成される。ただし、支持リム67に形成するスロット70が支持リム67を貫通して肩68のわずか下方の箇所まで下向きに延在しているため、円柱状延出部18と支持リム67との間のシールは流体密ではない。したがって、円柱状延出部18と支持リム67との間が界面嵌合することにより、スロット70がアパーチャ128へと変化して、環状チャネル69と注ぎ口43との間を気体および液体連通させている。このアパーチャは通常、その幅が0.64mm、長さが0.69mmである。
【0117】
第2の型式のカートリッジ1で飲料を供給する操作は、第1の型式と同様であるが、いくつかの点で異なっている。径方向通路57内の飲料は、ウェブ54間に形成された通路57を下向きに流動して、開口56から円柱状漏斗40の環状チャネル69内に入る。環状チャネル69内に入った後、この飲料は、濾過チャンバ130および通路57内に収集した飲料の背圧により、圧力下でアパーチャ128から押出される。したがって、飲料はアパーチャ128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押出される。図18に示すように、この飲料噴射は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴射の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。アパーチャ128から出た飲料噴射は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注出され、気泡が所望のクレマとなる。したがって、アパーチャ128および空気入口71が共に、空気を飲料内に取り込むように作用するエダクタとなる。このエダクタ内への飲料の流動をできる限り滑らかに保ち、圧力損失を低減しなければならない。好ましくは、エダクタの壁部を凹形表面として、「壁面効果」摩擦による損失が低減されるようにする。アパーチャ128の寸法公差は小さい。好ましくは、このアパーチャに関するサイズを0.02mm2前後に定める。毛状物、繊維または他の表面凹凸をエダクタ内、またはエダクタの出口近傍に設けて、空気の取り込み量を増加させることがわかっている有効断面領域を増加してもよい。
【0118】
図19〜図29は第3の型式のカートリッジ1を示す。第3の型式のカートリッジ1は、粉末、液体、シロップ、ゲルまたはこれに類似の形態でよい溶解性生成物の供給に使用するように特に設計されたものである。この溶解性生成物は、使用時にカートリッジ1内を水などの水媒体が通過すると、その水媒体によって溶解する、または水媒体内に懸濁液を形成する。この飲料例として、チョコレート、コーヒー、乳、茶、スープ、またはその他の、水を加えて元に戻す生成物や水溶解性生成物が挙げられる。第3の型式のカートリッジ1が備える特徴部は、その多くが第1および第2の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴部を指している。以下の説明では、第3の型式と第1の型式および第2の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0119】
第1および第2の型式の外側部材2と比較すると、図20に示すように、第3の型式の外側部材2に含まれる中空で内向きの円柱状延出部18の直径は全体として大きくなっている。具体的に言えば、第1および第2の型式の外側部材2では13.2mmであったところが、第1の部分19の直径は通常16〜18mmである。さらに、第1の部分19には、図20で最もよくわかるように、凸状外面19aすなわちバルジが設けられている。このバルジの機能については以下で説明する。しかし、カートリッジ1のうち、第3の部分21の直径は同じである。このため、肩32の面積がこの第3の型式のカートリッジ1では広くなっている。通常、カートリッジ1の容積は、組み立て時で32.5ml±20%である。
【0120】
環状壁13の下方端部に設けるスロットの数および位置もまた異なっている。3〜5本のスロットが設けられている。図23に示すように、この実施形態では、4本のスロット36が等間隔でマニホールド16の周囲に設けられている。このスロット36は、第1および第2の型式のカートリッジ1の場合よりわずかに幅広で、0.35〜0.45mmであり、好ましくは、0.4mm幅である。
【0121】
他の点において、カートリッジ1の外側部材2はいずれも同じである。
【0122】
内側部材3に含まれる円柱状漏斗40の構造は、第1の型式のカートリッジ1と同じであり、外側チューブ42、注ぎ口45、環状フランジ47、および支持ウェブ49が設けられている。唯一の相違点は、注ぎ口45であり、これは上方切頭円錐形部分92と下方円柱状部分93とを備える形状となっている。
【0123】
第1および第2の型式と比較すると、図24〜図28に示すように、環状フレーム41はスカート部分80に置き換えられている。これは、円柱状漏斗40を取り囲み、かつ円柱状漏斗40を環状フランジ47にまたはこの近傍に結合する8本の径方向ストラット87により、円柱状漏斗40に接続されている。このスカート部分80からは、円柱状の延出部81がストラット87から上向きに延在して、上面が開いたチャンバ90を画成している。円柱状延出部81の上方リム91は、図26に示すように、内向きプロファイルを有する。スカート部分80の環状壁82は、ストラット87から下向きに延在して、スカート部分80と外側チューブ42との間に環状チャネル86を画成している。
【0124】
環状壁82は、その下方端部に、長軸Xに垂直に位置する外側フランジ83を含んでいる。リム84が、フランジ83の下面から下向きにぶら下がり、リム84に沿って周方向に等間隔な5個のアパーチャ85を具備している。したがって、リム84の下方は、城砦型形状となっている。
【0125】
ストラット87間にアパーチャ89を設けることにより、チャンバ90と環状チャネル86との間を連通させている。
【0126】
第1の実施形態と同様、内側部材は荷重受け部材として作用する。
【0127】
第3の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第1の型式の組み立てと同様であるが、いくつかの相違点もある。図29に示すように、外側部材2と内側部材3とは、互いに溶接されるのではなく、互いに押し嵌めされ、スナップ嵌合構造により保持される。この2つの部材の接合時、内向き円柱状延出部18が、スカート部分80の上方円柱状延出部81の内側に受けられる。内側部材3は、円柱状延出部18に含まれる第1の部分19の凸状外表面19aが上方円柱状延出部81の内向きリム91と摩擦係合することにより、外側部材2内に保持される。内側部材3が外側部材2内に配置した状態になると、混合チャンバ134が、スカート部分80の外側に画成される。この混合チャンバ134が、調合前の飲料原料200を収納する。4つの入口36と5つのアパーチャ85とが互い違いに周方向に配置されることに留意されたい。内側部材3および外側部材2を相対的にどのように位置決めしても4つの入口36および5つのアパーチャ85を用いることで確実にこの入口とアパーチャとの間に位置のずれが発生するため、この2つのコンポーネントの互いに対する径方向位置を組み立て時に決定または固定しなくてもよい。入口アパーチャおよび出口アパーチャは、次の公式で与えられる他の数であってもよい。
【0128】
Xo=Xi+C
ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数
あるいは、等しい数の入口アパーチャおよび出口アパーチャがカートリッジの周囲に不均等に配置されるようにすることで、入口アパーチャおよび出口アパーチャが確実にずれるようにしてもよい。
【0129】
1種類または複数種類の飲料原料がカートリッジの混合チャンバ134内にパッキングされる。この混合チャンバ134内における飲料原料のパッキング密度は所望に応じて変更可能である。
【0130】
次に、ラミネート5を内側部材3および外側部材2に、第1および第2の型式において上述したように取付ける。
【0131】
使用時、第1および第2の形式のカートリッジと同様に、水が、4本のスロット36を通って混合チャンバ134に入る。この水が径方向内側に混合チャンバ内に押し入れられ、そこに収納されている飲料原料と混ざり合う。この水の中に生成物が溶解または混合されて、混合チャンバ134内に飲料が形成され、これが、混合チャンバ134内の飲料および水の背圧により、アパーチャ85から環状チャネル86内に流される。4つの入口スロット36と5つのアパーチャ85とが互い違いに周方向に配置されることにより、水の噴流が入口スロット36から径方向に直接アパーチャ85内に入ることがなく、混合チャンバ134内では循環が発生する。このため、生成物の溶解または混合の程度および安定性は大幅に高まる。形成された飲料は、環状チャネル86内を上方向に押し上げられ、ストラット87間のアパーチャ89を通ってチャンバ90内に入る。次にチャンバ90から支持ウェブ49間の入口45を介して注ぎ口43に入り、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注がれる。このカートリッジを、粘稠液またはゲルの形態である飲料原料に適用できることがわかっている。一用途において、カートリッジ1内には、周囲温度にて粘性が1700〜3900mPa、0℃にて5000〜10000mPaであり、屈折固形分が67ブリックス度±3である液状チョコレート原料が入れられる。別の用途において、カートリッジ1内には、周囲温度にて粘性が70〜2000mPa、0℃にて80〜5000mPaであり、全固形分量が40から70%である液体コーヒーが入れられる。この液状コーヒー原料に、0.1〜2.0重量%、好ましくは0.5〜1.0重量%の重炭酸ナトリウムを収納させることができる。重炭酸ナトリウムは、コーヒーのpHレベルを4.8以下に維持して、コーヒーを充填したカートリッジの貯蔵寿命を最長12ヶ月にできるように作用するものである。
【0132】
第4の型式のカートリッジ1を図30〜図34に示す。第4の型式のカートリッジ1は、濃縮型液状乳などの液状生成物の供給に用いるように特に設計されたものである。第4の型式のカートリッジ1に含まれる特徴は、その多くが第1から第3の型式のものと同じであるため、同様の参照符号を用いて同様の特徴を指す。以下の説明では、第4の型式と第1から第3の型式との間の違いについて述べる。同様に機能する共通の特徴について、以下では詳細な説明を省略する。
【0133】
外側部材2は、第3の型式のカートリッジ1の、図19〜図23に示すものと同じである。
【0134】
内側部材3の円柱状漏斗40は、第2の型式のカートリッジ1に類似しているが、いくつかの点で異なる。図30に示すように、注ぎ口43は、上方切頭円錐部分106と、下方円柱状部分107とを含む形状である。この注ぎ口43の内面には3つの軸方向リブ105が設けられて、供給される飲料を下向きに出口44に方向付け、注がれた飲料が注ぎ口内で旋回しないようにしている。したがって、リブ105はバッフルとして作用する。第2の型式のカートリッジ1と同様、空気入口71が環状フランジ47を貫通して設けられている。しかし、空気入口71の下のシュート75は、第2の型式の場合より細長くなっている。
【0135】
スカート部分80が、上述した第3の型式のカートリッジ1に示したものと同様に設けられている。5〜12個のアパーチャ85がリム84内に設けられている。第3の型式のカートリッジ1では5個であったが、通常10個のアパーチャを設ける。
【0136】
スカート部分80のフランジ83から、これと一体となって延在している環状ボール100が設けられている。この環状ボール100は、上方口104を上向きに開いたフレア型本体101を含む。図30および図31に示す4個の送給アパーチャ103が、この本体101内にて、スカート部分80と接合するボール100の下方端部に、またはその近傍に配置されている。好ましくは、この送給アパーチャをボール100の周囲に等間隔で配置する。
【0137】
第1の実施形態と同様、内側部材は荷重受け部材として作用する。
【0138】
ラミネート5は、これまでの実施形態で説明したタイプのものである。
【0139】
第4の型式のカートリッジ1を組み立てる手順は、第3の型式の組み立てと同様である。
【0140】
第4の型式のカートリッジ1の組み立て手順は、第3の型式の手順と同様である。
【0141】
第4の型式のカートリッジ1の操作は、第3の型式の操作と同様である。第1から第3の形式のカートリッジと同様に、水がカートリッジ1および混合チャンバ134に入る。ここで、上述したように、水が液体生成物と混ざり合い、これを希釈して、上述したように、ボール100の下のアパーチャ85を通り、出口44に向けて押出される。図34に示すように、環状ボール100に当初収納される一定割合の液体生成物は、混合チャンバ134に入った水によりすぐに希釈されるわけではない。混合チャンバ134の下方部分にある希釈された液体生成物は、上方口104から環状ボール100内に押し上げられるのではなく、アパーチャ85から出て行くことになる。したがって、環状ボール100内の液体生成物は、混合チャンバ134の下方部分にある生成物と比較して、操作サイクルの最初の段階ではまだ比較的濃縮状態を保っている。環状ボール100内の液体生成物は、重力を受けて送りアパーチャ103から、混合チャンバ134内にてボール100の下でアパーチャ85を通過する生成物流内へと滴下する。環状ボール100は、一定量の濃縮液体生成物を取り置き、操作サイクル中、定期的に液体流路内にそれを注出することにより、円柱状漏斗40に入る希釈済み液体生成物の濃度を平均化する作用をする。これを、およそ15秒の供給操作サイクル間における、全固形分含有量の割合として測定されるミルクの濃度を示す図35aに例示する。線aはボール100を設けた場合の濃度プロファイルを例示し、線bはボール100を設けないカートリッジの場合を例示したものである。この図からわかるように、カップ100を設けた場合の濃度プロファイルのほうが、操作サイクル中、均等であり、ボール100を設けない場合には起こっている急激な濃度の大幅低下がない。この乳の初期濃度は通常、30〜35%SSであり、サイクル終了時にはこれが10%SSとなる。これによる希釈率はおよそ3倍であるが、本発明では1倍〜6倍までの希釈率が可能である。他の液体飲料原料の場合、この濃度を変更することができる。例えば、液状チョコレートの場合、初期濃度はおよそ67%SSであり、サイクル終了時にはこれが12から15%SSとなる。これによる希釈率(調合飲料内における飲料原料に対する水媒体の比率)はおよそ5倍であるが、本発明では2倍〜10倍までの希釈率が可能である。液体コーヒーの場合、初期濃度はおよそ40から67%SSであり、調合終了時にはこれが1〜2%SSとなる。これによる希釈率はおよそ20倍〜70倍であるが、本発明では10倍〜100倍までの希釈率が可能である。
【0142】
こうした飲料は、圧力下で押出されて、濾過チャンバ134およびチャンバ90に収集される飲料の背圧により、環状チャネル86からアパーチャ128を通過する。したがって、飲料はアパーチャ128から噴射されて、注ぎ口43の上方端部が形成する膨張チャンバ内に押出される。図34に示すように、この飲料噴流は、空気入口71上をそのまま通過する。飲料が注ぎ口43に入ると、飲料噴流の圧力が降下する。この結果、空気が空気入口71を介して引き込まれるのと同時に、その空気が飲料流内に多数の小さな気泡として混入される。アパーチャ128から出た飲料噴流は、下向きに流れて集まり、出口44までくると、ここでカップなどの容器内に注がれ、気泡が所望の泡立った外観を呈する。
【0143】
有利なことに、内側部材3、外側部材2、ラミネート5、およびフィルタ4はすべて、別個のコンポーネントであり、個別には蛇行通路や細い隙間を含んでいないため、これらを容易に殺菌消毒することができる。必要な通路が形成されるのは、殺菌消毒後にこれらのコンポーネントを結合した時点である。これは、飲料原料が液状乳濃縮物などの乳原料を主原料とする生成物である場合に特に重要である。
【0144】
飲料カートリッジの第4の実施形態は、液状乳などの濃縮した乳原料を主原料とする液体生成物の供給に特に有利である。これまで、粉末状の乳生成物は、小袋の形態で提供され、これを事前に調製した飲料に加えるようになっていた。しかし、カプチーノタイプ飲料の場合、ミルクを泡立てる必要がある。これはこれまで、液状乳生成物に蒸気を通すことで実施されてきた。しかし、これには、蒸気供給部が必要であるため、この飲料の調合に用いる機械のコストならびに複雑度が増してしまう。また、蒸気を使用すると、カートリッジ操作時に怪我を負う危険性も高まる。したがって、本発明は、濃縮した乳原料を主原料とする液体生成物を中に有する飲料カートリッジを提供するものである。ミルク生成物を濃縮した場合、新鮮なミルクまたはUHTミルクと比較すると、特定容積のミルクに対してより多くの量の泡沫を生成できることがわかっている。これを利用すれば、ミルク用カートリッジに要求されるサイズが縮小される。新鮮な半脱脂乳は、およそ1.6%の脂肪分および10%の全固形分を含む。本発明による濃縮型液状乳調製物は、0.1〜12%の脂肪分および25〜40%の全固形分を含む。一典型的実施例では、この調製物は4%の脂肪分および30%の全固形分を含む。この濃縮型乳調製物は、以下に記載するように低圧調製機械による泡立てに適している。具体的に言えば、このミルクの泡立てを、上述した第4の実施形態のカートリッジを用い、2バール未満、好ましくはおよそ1.5バールの圧力で行う。
【0145】
濃縮ミルクを泡立てることは、カプチーノおよびミルクセーキなどの飲料に特に都合がよい。好ましくは、ミルクをアパーチャ128から空気入口71上に通過させ、任意にボール100を用いて、ミルクの40%を超える量、好ましくは、70%を超える量を泡立てられるようにする。液状チョコレートの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。液状コーヒーの場合、70%を超える量の泡立てが可能である。泡沫性(foambility)レベルは、調合した液体飲料原料の容積に対して生成された泡沫容積の比率として測定される。例えば、138.3mlの飲料が調合され、そのうち58.3mlが泡沫となった場合、泡沫性は、[58.3/(138.3−58.3)]×100=72.9%となる。このミルク(および他の液体原料)の泡沫性は、図35bでわかるように、ボール100を設けることで高められる。ボール100を設けて調合した乳の泡沫性(線a)は、ボールを設けずに調合した乳の泡沫性(線b)より高くなっている。これは、ミルクの泡沫性がミルクの濃度に正比例し、図35aに示すように、ボール100が操作サイクルの大半でミルクの濃度を高く維持するためである。また、ミルクの泡沫性は、図35cに示すように、水媒体の温度に正比例することも知られている。したがって、水媒体が最も高温である操作サイクルの終了近くまで、より多くのミルクがカートリッジ内に残るため、ボール100を設けると有利となる。これによりさらに、泡沫性が改良される。
【0146】
第4の実施形態のカートリッジも、液状コーヒー生成物の調合に有利である。
【0147】
本発明の飲料カートリッジの実施形態は、従来技術によるカートリッジと比較して、供給する飲料の安定性を有効に改良できることがわかる。以下に示す表1を参照すると、焙煎して挽いたコーヒーを収納するカートリッジAおよびカートリッジBそれぞれについて、20試料を煎出して得られた収率が示されている。カートリッジAは、本発明の第1の実施形態による飲料カートリッジである。カートリッジBは、本願出願人による特許文献1に記載された従来技術による飲料カートリッジである。煎出した飲料の屈折率をブリックス度で測定し、これを、標準表および式を用いて溶解性固形分の比率(%SS)に変換する。以下の実施例において、
%SS=0.7774*(ブリックス度値)+0.0569
%収率=(%SS*煎出量(g))/(100*コーヒー重量(g))
である。
【0148】
【表1−1】
【0149】
【表1−2】
【0150】
上記データについてt‐検定統計分析を行ったところ、以下の結果を得た。
【0151】
【表2】
【0152】
この分析から、煎出濃さに匹敵する収率の安定性は、標準偏差が0.88%であった本発明によるカートリッジについて、従来技術によるカートリッジの標準偏差2.24%と比較して、より大幅に高かった(95%の信頼水準)ことがわかる。これは、本発明によるカートリッジにより供給した飲料の濃さのほうが、再現可能かつ均一であるということである。これは、同じ飲料を何度も味わいたく、その飲料の濃さを勝手に変更されたくない消費者に好ましい。
【0153】
第1および第2の形式のカートリッジは溶接の操作によって組み立てられるものとしたが、本発明に係るスナップ嵌合構造によっても同様に組み立て可能である。例えば、外側部材2が、スナップ嵌合部を形成する環状フレーム41の周囲と協働する形成物を具えていてもよい。
【0154】
上述したカートリッジの材料に、バリアコーティングを施して、酸素および/または湿気、および/または他の汚染侵入物に対する防御性を改良してもよい。このバリアコーティングを施すと、飲料原料がカートリッジから漏れることに対する防御性を改良し、かつ/または飲料原料に悪影響を与えかねないカートリッジ材料からの抽出物滲出の程度を抑えることができる。バリアコーティングの材料を、PET、ポリアミド、EVOH、PVDCまたは金属化材料からなる群から選択することができる。バリアコーティングの適用には、いくつかの機構が利用可能であり、その例として、これらに限定するものではないが、蒸着、真空蒸着、プラズマコーティング、共押出加工、インモールドラベリング、および二段/多段成形が挙げられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口(122)とを具え、前記カートリッジが外側部材(2)および該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(3)を具え、前記内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口(43)を具えていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記注ぎ口(43)が前記内側部材(3)と一体である請求項1に記載のカートリッジ(1)。
【請求項3】
前記注ぎ口(43)がテーパ部分(45;92)を具えている請求項1または2に記載のカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記注ぎ口(43)が円筒部分(58;93)を具えている請求項1ないし3のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項5】
前記注ぎ口(43)が、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切り(65)を具えている請求項1ないし4のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項6】
前記外側部材と前記内側部材とを結合するためのスナップ嵌合構造が設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項7】
前記スナップ嵌合構造は協働する形成物(19,91)を前記内側部材および前記外側部材に具えている請求項6に記載のカートリッジ(1)。
【請求項8】
前記外側部材(3)は閉塞された第1端(11)と開放された第2端(12)とを具え、前記外側部材と結合する前記内側部材では注ぎ口の出口(44)が前記開放第2端に向いている請求項6または7に記載のカートリッジ(1)。
【請求項9】
前記入口(121)が前記外側部材の前記開放第2端に向いている請求項8に記載のカートリッジ(1)。
【請求項10】
前記外側部材の前記閉塞第1端の部位またはその近傍で、前記外側部材および前記内側部材が結合される請求項8または9に記載のカートリッジ(1)。
【請求項11】
前記外側部材は内側に向かう延在部(18)を具え、該延在部が前記外側部材と前記内側部材との結合時に前記注ぎ口の基端部に受容されるようにした請求項6ないし10のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項12】
前記内側部材(3)はフレーム(41)を具え、該フレーム上にフィルタ(4)が設けられている請求項6ないし11のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項13】
前記内側部材と前記外側部材とが結合したときに、前記外側部材の前記閉塞第1端と前記フレーム(41)との間に1以上の通路(57)が形成されている請求項12に記載のカートリッジ(1)。
【請求項14】
前記1以上の通路(57)が、フレームから上方に延在して前記外側部材の前記閉塞第1端に至るウェブ(54)によって画成されている請求項13に記載のカートリッジ(1)。
【請求項15】
前記1以上の通路(57)が前記注ぎ口(43)に向かって下方に傾斜している請求項13または14に記載のカートリッジ(1)。
【請求項16】
前記内側部材(3)がさらに前記注ぎ口を取り囲むスカート(80)を具えている請求項6ないし11のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項17】
前記スカート(80)は上部延在部(81)を具え、前記カートリッジを組み立てたときに前記上部延在部が前記カートリッジの前記閉塞第1端(11)と接触するようになっている請求項16に記載のカートリッジ(1)。
【請求項18】
前記上部延在部(81)の上部リム(91)が前記外側部材の協働形成物(18,19)と係合して、前記内側部材を前記外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす請求項17に記載のカートリッジ(1)。
【請求項19】
前記外側部材の前記協働形成物は内向きの延在部(18)である請求項18に記載のカートリッジ(1)。
【請求項20】
前記カートリッジがディスク形状である請求項1ないし19のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項21】
さらに飲料の噴流を生成するための手段を具え、該手段が前記入口と前記出口との間の飲料流路にアパーチャ(70)を有している請求項1ないし20のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項22】
前記入口(121)および/または前記出口(122)は、使用のためにカートリッジの前記入口および/または前記出口を形成する前には、実質的に空気および水不透過性の材料で覆われている請求項1ないし21のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項23】
前記入口および/または前記出口は実質的に空気および水不透過性のラミネート(5)で覆われている請求項1ないし22のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項24】
前記ラミネートがポリプロピレンである請求項23に記載のカートリッジ(1)。
【請求項25】
前記外側部材および/または前記内側部材がポリプロピレンで形成されている請求項1ないし24のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項26】
前記外側部材および/または前記内側部材が生分解性高分子で形成されている請求項1ないし25のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項27】
前記外側部材および/または前記内側部材が射出成形によって形成されている請求項1ないし26のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項28】
前記内側部材が荷重受け部材をなしている請求項1ないし27のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項29】
請求項1ないし28のいずれかに記載されたカートリッジ(1)であって、それぞれに収納された前記1以上の飲料原料から生成される飲料の百分率生産量が標準偏差1.0以内となるようにした複数のカートリッジ。
【請求項30】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための区画(134)を具え、該区画が水媒体をその内部に導入するための複数の入口アパーチャ(36)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料のための出口アパーチャ(85)とを有しており、前記入口アパーチャの一部と前記出口アパーチャとをずらすことで、前記入口アパーチャを通って前記区画内に進入する前記水媒体の一部が前記区画内で強制循環されてから前記出口アパーチャを通って前記区画から出て行くようにされており、前記複数の入口アパーチャ(36)が前記区画の周りに配置されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項31】
前記入口アパーチャ(36)が前記区画の周囲に等間隔に配置されている請求項30に記載のカートリッジ(1)。
【請求項32】
前記入口アパーチャに対し、前記出口アパーチャ(85)が前記区画の中心に向けて配置されている請求項30または31に記載のカートリッジ(1)。
【請求項33】
前記出口アパーチャ(85)が前記区画の中心の周りに等間隔に配置されている請求項32に記載のカートリッジ(1)。
【請求項34】
3ないし10個の前記入口アパーチャ(36)を具えている請求項30ないし33のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項35】
4個の前記入口アパーチャ(36)を具えている請求項34に記載のカートリッジ(1)。
【請求項36】
3ないし10個の前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項30ないし35のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項37】
5個の前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項36に記載のカートリッジ(1)。
【請求項38】
前記入口アパーチャ(36)の数と前記出口アパーチャ(85)の数とが等しくない請求項30ないし37のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項39】
前記入口アパーチャ(36)の数と前記出口アパーチャ(85)の数とが、次の公式
Xo=Xi+C
(ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数)
で与えられる請求項30ないし38のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項40】
等しい数の前記入口アパーチャ(36)および前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項30ないし37のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項41】
前記入口アパーチャ(36)が前記カートリッジの前記外側部材(2)に設けられ、前記出口アパーチャ(85)が前記カートリッジの前記内側部材に設けられている請求項30ないし40のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項42】
前記内側部材(3)が前記出口アパーチャ(85)に連通する注ぎ口(43)を具えている請求項41に記載のカートリッジ(1)。
【請求項43】
前記カートリッジがディスク形状である請求項30ないし42のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項44】
前記入口アパーチャ(36)を通って前記区画(134)に流入する水媒体が前記カートリッジの中心に向かって半径方向内方に導かれる請求項43に記載のカートリッジ(1)。
【請求項45】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が前記水媒体に溶解可能なものである請求項30ないし44のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項46】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が液体のチョコレート原料またはコーヒー原料である請求項45に記載のカートリッジ(1)。
【請求項47】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が濃縮液またはゲルである請求項30ないし46のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項48】
液体の前記飲料原料が、周囲温度にて70〜3900mPaの粘性を有している請求項30ないし47のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項49】
前記液体の飲料原料が、周囲温度にて1700〜3900mPaの粘性を有している請求項48に記載のカートリッジ(1)。
【請求項50】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)がポリプロピレンで形成されている請求項49に記載のカートリッジ(1)。
【請求項51】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が射出成形によって形成されている請求項50に記載のカートリッジ(1)。
【請求項52】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が生分解性高分子で形成されている請求項30ないし51のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項53】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130;134)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口(122)を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、を具え、前記内側部材(3)が荷重受け部材をなしていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項54】
前記内側部材(3)および前記外側部材(2)がカートリッジの組み立て時に結合する別体のコンポーネントである請求項53に記載のカートリッジ(1)。
【請求項55】
前記内側部材(3)に結合するフィルタ(4)をさらに具えた請求項53または54に記載のカートリッジ(1)。
【請求項56】
前記内側部材(3)が十分な剛性をもつ荷重受け部材をなし、前記カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようした請求項53ないし55のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項57】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにした請求項56に記載のカートリッジ(1)。
【請求項58】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにした請求項53ないし57のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項59】
前記内側部材(3)がポリプロピレンで形成されている請求項53ないし58のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項60】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が生分解性高分子で形成されている請求項53ないし59のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項61】
前記内側部材と注ぎ口(43)とが一体のピースとして形成されている請求項53ないし60のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項62】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、閉塞された第1端(11)と、開放された第2端(12)とを有するハウジングを具え、該ハウジングが前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130;134)を画成し、前記ハウジングの前記解放された第2端がリッド(5)によって封止されており、前記ハウジングの前記閉塞された第1端と前記リッドとの間に渡された荷重受け部材をさらに具え、該荷重受け部材が前記カートリッジの中心またはその近傍に配置されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項63】
前記荷重受け部材が、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用の出口(122)を形成する注ぎ口(43)を具えている請求項62に記載のカートリッジ(1)。
【請求項64】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようした請求項62または63に記載のカートリッジ(1)。
【請求項65】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにした請求項64に記載のカートリッジ(1)。
【請求項66】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにした請求項61ないし65のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項67】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口(122)を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、前記収納室および前記注ぎ口の間に配されたフィルタ(4)と、を具え、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1つの溶接部によって、前記外側部材に対し1操作で結合されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項68】
前記外側部材(2)は前記収納室(130)にアクセスするための開口(12)を有し、該開口から離れたベース(11)の部位で、前記内側部材および前記フィルタを前記外側部材に結合するようにした請求項67に記載のカートリッジ(19)。
【請求項69】
前記内側部材、前記外側部材および前記フィルタが環状である請求項67または68に記載のカートリッジ(1)。
【請求項70】
前記溶接部が略円形である請求項69に記載のカートリッジ(19)。
【請求項71】
前記内側部材および前記外側部材がプラスチック材料であり、前記少なくとも1つの溶接部が超音波溶接により形成されている請求項68ないし70のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項72】
前記内側部材はフレーム(41)を具え、前記少なくとも1つの溶接部が前記フレームの周囲に形成されている請求項67ないし71のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項73】
前記フレーム(41)は前記外側部材の閉塞された第1端(11)に向けてフレームから上方に延在する複数のウェブ(54)を具え、該複数のウェブが前記フレームと前記外側部材の閉塞第1端との間に1以上の通路(57)を画成するとともに、前記溶接部が前記ウェブと前記外側部材の閉塞第1端との間に形成されるようにした請求項72に記載のカートリッジ(1)。
【請求項74】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)の製造方法であって、前記カートリッジが、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、フィルタ(4)と、を具えており、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1回の溶接ステップによって、前記外側部材に対し1ステップで結合されることを特徴とする方法。
【請求項75】
前記溶接ステップが超音波溶接によって実施されるものである請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記内側部材および前記フィルタの周囲に第1溶接ラインを形成するステップをさらに具えている請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
前記注ぎ口またはその近傍で前記内側部材および前記フィルタのまわりに第2溶接ラインを形成するステップをさらに具えている請求項76に記載の方法。
【請求項78】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を流出させるための出口(122)とを具えており、前記カートリッジが、外側部材(3)と、該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(2)とを具え、該内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成するとともに、前記カートリッジの組み立て時における前記外側部材と前記内側部材との結合にスナップ嵌合構造が設けられていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項79】
前記スナップ嵌合構造(19a,91)が、協働する形成物を前記内側部材および前記外側部材に具えている請求項78に記載のカートリッジ(1)。
【請求項80】
前記外側部材が閉塞された第1端(11)と開放された第2端(12)とを具え、前記外側部材とスナップ嵌合する前記内側部材ではその出口が前記開放第2端に向いている請求項78または79に記載のカートリッジ(1)。
【請求項81】
前記入口(121)が前記外側部材の前記開放第2端に向いている請求項80に記載のカートリッジ(1)。
【請求項82】
前記外側部材の前記閉塞第1端の部位またはその近傍で、前記外側部材および前記内側部材がスナップ嵌合される請求項80または81に記載のカートリッジ(1)。
【請求項83】
前記内側部材および前記外側部材のスナップ嵌合によって水密性シールが形成される請求項78ないし82のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項84】
前記内側部材が前記出口を取り囲むスカート(80)をさらに具え、該スカートは上部延在部(81)を具え、該上部延在部は上部リム(91)を有し、前記カートリッジを組み立てたときに前記上部リムが前記外側部材の協働形成物と係合して、前記内側部材を前記外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす請求項78ないし83のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項85】
前記外側部材の協働形成物が内向きの延在部(18)である請求項84に記載のカートリッジ(1)。
【請求項86】
前記内側部材が前記出口を形成する注ぎ口(43)を具えている請求項78ないし85のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項87】
前記外側部材が内向きの延在部(18)を具え、該延在部が前記外側部材と前記内側部材との結合時に前記注ぎ口の基端部に受容される請求項86に記載のカートリッジ(1)。
【請求項88】
前記注ぎ口(43)が前記内側部材と一体である請求項86または87に記載のカートリッジ(1)。
【請求項89】
前記注ぎ口(43)がテーパ部分(45;106)を具えている請求項86ないし88のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項90】
前記注ぎ口(43)が円筒部分(93;107)を具えている請求項86ないし89のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項91】
前記注ぎ口(43)が、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切り(65)を具えている請求項86ないし90のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項92】
前記カートリッジがディスク形状である請求項78ないし91のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項93】
さらに飲料の噴流を生成するための手段を具え、該手段が前記入口と前記出口との間の飲料流路にアパーチャ(70)を有している請求項78ないし92のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項94】
前記外側部材および/または前記内側部材がポリプロピレンで形成されている請求項78ないし93のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項95】
前記外側部材および/または前記内側部材が射出成形によって形成されている請求項78ないし93のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項1】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を吐出するための出口(122)とを具え、前記カートリッジが外側部材(2)および該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(3)を具え、前記内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成する注ぎ口(43)を具えていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
前記注ぎ口(43)が前記内側部材(3)と一体である請求項1に記載のカートリッジ(1)。
【請求項3】
前記注ぎ口(43)がテーパ部分(45;92)を具えている請求項1または2に記載のカートリッジ(1)。
【請求項4】
前記注ぎ口(43)が円筒部分(58;93)を具えている請求項1ないし3のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項5】
前記注ぎ口(43)が、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切り(65)を具えている請求項1ないし4のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項6】
前記外側部材と前記内側部材とを結合するためのスナップ嵌合構造が設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項7】
前記スナップ嵌合構造は協働する形成物(19,91)を前記内側部材および前記外側部材に具えている請求項6に記載のカートリッジ(1)。
【請求項8】
前記外側部材(3)は閉塞された第1端(11)と開放された第2端(12)とを具え、前記外側部材と結合する前記内側部材では注ぎ口の出口(44)が前記開放第2端に向いている請求項6または7に記載のカートリッジ(1)。
【請求項9】
前記入口(121)が前記外側部材の前記開放第2端に向いている請求項8に記載のカートリッジ(1)。
【請求項10】
前記外側部材の前記閉塞第1端の部位またはその近傍で、前記外側部材および前記内側部材が結合される請求項8または9に記載のカートリッジ(1)。
【請求項11】
前記外側部材は内側に向かう延在部(18)を具え、該延在部が前記外側部材と前記内側部材との結合時に前記注ぎ口の基端部に受容されるようにした請求項6ないし10のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項12】
前記内側部材(3)はフレーム(41)を具え、該フレーム上にフィルタ(4)が設けられている請求項6ないし11のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項13】
前記内側部材と前記外側部材とが結合したときに、前記外側部材の前記閉塞第1端と前記フレーム(41)との間に1以上の通路(57)が形成されている請求項12に記載のカートリッジ(1)。
【請求項14】
前記1以上の通路(57)が、フレームから上方に延在して前記外側部材の前記閉塞第1端に至るウェブ(54)によって画成されている請求項13に記載のカートリッジ(1)。
【請求項15】
前記1以上の通路(57)が前記注ぎ口(43)に向かって下方に傾斜している請求項13または14に記載のカートリッジ(1)。
【請求項16】
前記内側部材(3)がさらに前記注ぎ口を取り囲むスカート(80)を具えている請求項6ないし11のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項17】
前記スカート(80)は上部延在部(81)を具え、前記カートリッジを組み立てたときに前記上部延在部が前記カートリッジの前記閉塞第1端(11)と接触するようになっている請求項16に記載のカートリッジ(1)。
【請求項18】
前記上部延在部(81)の上部リム(91)が前記外側部材の協働形成物(18,19)と係合して、前記内側部材を前記外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす請求項17に記載のカートリッジ(1)。
【請求項19】
前記外側部材の前記協働形成物は内向きの延在部(18)である請求項18に記載のカートリッジ(1)。
【請求項20】
前記カートリッジがディスク形状である請求項1ないし19のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項21】
さらに飲料の噴流を生成するための手段を具え、該手段が前記入口と前記出口との間の飲料流路にアパーチャ(70)を有している請求項1ないし20のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項22】
前記入口(121)および/または前記出口(122)は、使用のためにカートリッジの前記入口および/または前記出口を形成する前には、実質的に空気および水不透過性の材料で覆われている請求項1ないし21のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項23】
前記入口および/または前記出口は実質的に空気および水不透過性のラミネート(5)で覆われている請求項1ないし22のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項24】
前記ラミネートがポリプロピレンである請求項23に記載のカートリッジ(1)。
【請求項25】
前記外側部材および/または前記内側部材がポリプロピレンで形成されている請求項1ないし24のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項26】
前記外側部材および/または前記内側部材が生分解性高分子で形成されている請求項1ないし25のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項27】
前記外側部材および/または前記内側部材が射出成形によって形成されている請求項1ないし26のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項28】
前記内側部材が荷重受け部材をなしている請求項1ないし27のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項29】
請求項1ないし28のいずれかに記載されたカートリッジ(1)であって、それぞれに収納された前記1以上の飲料原料から生成される飲料の百分率生産量が標準偏差1.0以内となるようにした複数のカートリッジ。
【請求項30】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための区画(134)を具え、該区画が水媒体をその内部に導入するための複数の入口アパーチャ(36)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料のための出口アパーチャ(85)とを有しており、前記入口アパーチャの一部と前記出口アパーチャとをずらすことで、前記入口アパーチャを通って前記区画内に進入する前記水媒体の一部が前記区画内で強制循環されてから前記出口アパーチャを通って前記区画から出て行くようにされており、前記複数の入口アパーチャ(36)が前記区画の周りに配置されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項31】
前記入口アパーチャ(36)が前記区画の周囲に等間隔に配置されている請求項30に記載のカートリッジ(1)。
【請求項32】
前記入口アパーチャに対し、前記出口アパーチャ(85)が前記区画の中心に向けて配置されている請求項30または31に記載のカートリッジ(1)。
【請求項33】
前記出口アパーチャ(85)が前記区画の中心の周りに等間隔に配置されている請求項32に記載のカートリッジ(1)。
【請求項34】
3ないし10個の前記入口アパーチャ(36)を具えている請求項30ないし33のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項35】
4個の前記入口アパーチャ(36)を具えている請求項34に記載のカートリッジ(1)。
【請求項36】
3ないし10個の前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項30ないし35のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項37】
5個の前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項36に記載のカートリッジ(1)。
【請求項38】
前記入口アパーチャ(36)の数と前記出口アパーチャ(85)の数とが等しくない請求項30ないし37のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項39】
前記入口アパーチャ(36)の数と前記出口アパーチャ(85)の数とが、次の公式
Xo=Xi+C
(ここで、Xi=入口アパーチャの数
Xo=出口アパーチャの数
C =0またはnXiを含まない整数の組
n =任意の整数)
で与えられる請求項30ないし38のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項40】
等しい数の前記入口アパーチャ(36)および前記出口アパーチャ(85)を具えている請求項30ないし37のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項41】
前記入口アパーチャ(36)が前記カートリッジの前記外側部材(2)に設けられ、前記出口アパーチャ(85)が前記カートリッジの前記内側部材に設けられている請求項30ないし40のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項42】
前記内側部材(3)が前記出口アパーチャ(85)に連通する注ぎ口(43)を具えている請求項41に記載のカートリッジ(1)。
【請求項43】
前記カートリッジがディスク形状である請求項30ないし42のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項44】
前記入口アパーチャ(36)を通って前記区画(134)に流入する水媒体が前記カートリッジの中心に向かって半径方向内方に導かれる請求項43に記載のカートリッジ(1)。
【請求項45】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が前記水媒体に溶解可能なものである請求項30ないし44のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項46】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が液体のチョコレート原料またはコーヒー原料である請求項45に記載のカートリッジ(1)。
【請求項47】
前記1種類または複数種類の飲料原料(200)が濃縮液またはゲルである請求項30ないし46のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項48】
液体の前記飲料原料が、周囲温度にて70〜3900mPaの粘性を有している請求項30ないし47のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項49】
前記液体の飲料原料が、周囲温度にて1700〜3900mPaの粘性を有している請求項48に記載のカートリッジ(1)。
【請求項50】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)がポリプロピレンで形成されている請求項49に記載のカートリッジ(1)。
【請求項51】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が射出成形によって形成されている請求項50に記載のカートリッジ(1)。
【請求項52】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が生分解性高分子で形成されている請求項30ないし51のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項53】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130;134)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口(122)を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、を具え、前記内側部材(3)が荷重受け部材をなしていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項54】
前記内側部材(3)および前記外側部材(2)がカートリッジの組み立て時に結合する別体のコンポーネントである請求項53に記載のカートリッジ(1)。
【請求項55】
前記内側部材(3)に結合するフィルタ(4)をさらに具えた請求項53または54に記載のカートリッジ(1)。
【請求項56】
前記内側部材(3)が十分な剛性をもつ荷重受け部材をなし、前記カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようした請求項53ないし55のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項57】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにした請求項56に記載のカートリッジ(1)。
【請求項58】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにした請求項53ないし57のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項59】
前記内側部材(3)がポリプロピレンで形成されている請求項53ないし58のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項60】
前記外側部材(2)および/または前記内側部材(3)が生分解性高分子で形成されている請求項53ないし59のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項61】
前記内側部材と注ぎ口(43)とが一体のピースとして形成されている請求項53ないし60のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項62】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、閉塞された第1端(11)と、開放された第2端(12)とを有するハウジングを具え、該ハウジングが前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130;134)を画成し、前記ハウジングの前記解放された第2端がリッド(5)によって封止されており、前記ハウジングの前記閉塞された第1端と前記リッドとの間に渡された荷重受け部材をさらに具え、該荷重受け部材が前記カートリッジの中心またはその近傍に配置されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項63】
前記荷重受け部材が、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用の出口(122)を形成する注ぎ口(43)を具えている請求項62に記載のカートリッジ(1)。
【請求項64】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようした請求項62または63に記載のカートリッジ(1)。
【請求項65】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記カートリッジが200Nを超える圧縮荷重に耐えることができるようにした請求項64に記載のカートリッジ(1)。
【請求項66】
前記荷重受け部材が十分な剛性をもち、前記荷重受け部材自身が130Nを超える圧縮荷重に耐え得るようにした請求項61ないし65のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項67】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジは、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口(122)を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、前記収納室および前記注ぎ口の間に配されたフィルタ(4)と、を具え、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1つの溶接部によって、前記外側部材に対し1操作で結合されていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項68】
前記外側部材(2)は前記収納室(130)にアクセスするための開口(12)を有し、該開口から離れたベース(11)の部位で、前記内側部材および前記フィルタを前記外側部材に結合するようにした請求項67に記載のカートリッジ(19)。
【請求項69】
前記内側部材、前記外側部材および前記フィルタが環状である請求項67または68に記載のカートリッジ(1)。
【請求項70】
前記溶接部が略円形である請求項69に記載のカートリッジ(19)。
【請求項71】
前記内側部材および前記外側部材がプラスチック材料であり、前記少なくとも1つの溶接部が超音波溶接により形成されている請求項68ないし70のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項72】
前記内側部材はフレーム(41)を具え、前記少なくとも1つの溶接部が前記フレームの周囲に形成されている請求項67ないし71のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項73】
前記フレーム(41)は前記外側部材の閉塞された第1端(11)に向けてフレームから上方に延在する複数のウェブ(54)を具え、該複数のウェブが前記フレームと前記外側部材の閉塞第1端との間に1以上の通路(57)を画成するとともに、前記溶接部が前記ウェブと前記外側部材の閉塞第1端との間に形成されるようにした請求項72に記載のカートリッジ(1)。
【請求項74】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)の製造方法であって、前記カートリッジが、前記1種類または複数種類の飲料原料を収納するための収納室(130)を画成する外側部材(2)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料の流出用出口を形成する注ぎ口(43)を有する内側部材(3)と、フィルタ(4)と、を具えており、前記内側部材および前記フィルタが、少なくとも1回の溶接ステップによって、前記外側部材に対し1ステップで結合されることを特徴とする方法。
【請求項75】
前記溶接ステップが超音波溶接によって実施されるものである請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記内側部材および前記フィルタの周囲に第1溶接ラインを形成するステップをさらに具えている請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
前記注ぎ口またはその近傍で前記内側部材および前記フィルタのまわりに第2溶接ラインを形成するステップをさらに具えている請求項76に記載の方法。
【請求項78】
1種類または複数種類の飲料原料(200)を収納し、実質的に空気および水分に対して不透過性である材料で形成されたカートリッジ(1)であって、該カートリッジが水媒体をそのカートリッジ内に導入するための入口(121)と、前記1種類または複数種類の飲料原料から生成された飲料を流出させるための出口(122)とを具えており、前記カートリッジが、外側部材(3)と、該外側部材に結合して組み付けられる内側部材(2)とを具え、該内側部材が前記カートリッジの前記出口を形成するとともに、前記カートリッジの組み立て時における前記外側部材と前記内側部材との結合にスナップ嵌合構造が設けられていることを特徴とするカートリッジ。
【請求項79】
前記スナップ嵌合構造(19a,91)が、協働する形成物を前記内側部材および前記外側部材に具えている請求項78に記載のカートリッジ(1)。
【請求項80】
前記外側部材が閉塞された第1端(11)と開放された第2端(12)とを具え、前記外側部材とスナップ嵌合する前記内側部材ではその出口が前記開放第2端に向いている請求項78または79に記載のカートリッジ(1)。
【請求項81】
前記入口(121)が前記外側部材の前記開放第2端に向いている請求項80に記載のカートリッジ(1)。
【請求項82】
前記外側部材の前記閉塞第1端の部位またはその近傍で、前記外側部材および前記内側部材がスナップ嵌合される請求項80または81に記載のカートリッジ(1)。
【請求項83】
前記内側部材および前記外側部材のスナップ嵌合によって水密性シールが形成される請求項78ないし82のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項84】
前記内側部材が前記出口を取り囲むスカート(80)をさらに具え、該スカートは上部延在部(81)を具え、該上部延在部は上部リム(91)を有し、前記カートリッジを組み立てたときに前記上部リムが前記外側部材の協働形成物と係合して、前記内側部材を前記外側部材に結合させるためのスナップ嵌合構造をなす請求項78ないし83のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項85】
前記外側部材の協働形成物が内向きの延在部(18)である請求項84に記載のカートリッジ(1)。
【請求項86】
前記内側部材が前記出口を形成する注ぎ口(43)を具えている請求項78ないし85のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項87】
前記外側部材が内向きの延在部(18)を具え、該延在部が前記外側部材と前記内側部材との結合時に前記注ぎ口の基端部に受容される請求項86に記載のカートリッジ(1)。
【請求項88】
前記注ぎ口(43)が前記内側部材と一体である請求項86または87に記載のカートリッジ(1)。
【請求項89】
前記注ぎ口(43)がテーパ部分(45;106)を具えている請求項86ないし88のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項90】
前記注ぎ口(43)が円筒部分(93;107)を具えている請求項86ないし89のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項91】
前記注ぎ口(43)が、その長さ方向に沿って少なくとも一部が延在する仕切り(65)を具えている請求項86ないし90のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項92】
前記カートリッジがディスク形状である請求項78ないし91のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項93】
さらに飲料の噴流を生成するための手段を具え、該手段が前記入口と前記出口との間の飲料流路にアパーチャ(70)を有している請求項78ないし92のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項94】
前記外側部材および/または前記内側部材がポリプロピレンで形成されている請求項78ないし93のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【請求項95】
前記外側部材および/または前記内側部材が射出成形によって形成されている請求項78ないし93のいずれかに記載のカートリッジ(1)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35a】
【図35b】
【図35c】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35a】
【図35b】
【図35c】
【公開番号】特開2012−40413(P2012−40413A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236183(P2011−236183)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2008−264558(P2008−264558)の分割
【原出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【出願人】(501175214)クラフト・フーヅ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・インコーポレイテッド (56)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R & D, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【分割の表示】特願2008−264558(P2008−264558)の分割
【原出願日】平成16年1月23日(2004.1.23)
【出願人】(501175214)クラフト・フーヅ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・インコーポレイテッド (56)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R & D, INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]