説明

飲料を調製するためのシステム、方法及びカプセル

【課題】本発明は抽出可能の製品を用いて消費するのに適した所定量の飲料を調製する装置、方法及びカプセルに関する。
【解決手段】装置は、交換可能なカプセル、及び交換可能なカプセルを保持する収容器と、流体を交換可能なカプセルに供給する流体供給器とを備えた器具を有する。交換可能なカプセルは、外周壁、基部、及び蓋からなる。その壁、基部及び蓋は抽出可能な製品を有する内部空間を囲んでいる。収容器は、代替のカプセルの流入領域に孔を開け、抽出可能な製品に流体を供給するための少なくとも一つの入口開口を作るための基部貫通手段を有している。本発明のカプセルの入口領域は、そこを通じて抽出可能な製品に流体を供給するための入口フィルタを有している。使用時に、装置のカプセルが基部貫通手段によって孔が開けられないように、入口フィルタは基部貫通手段から隔てられている。フィルタは多層フィルタであり、少なくとも互いに接合された第一層と第二層からなる。第一層は第二層より高い引裂き強度を有し、第二層は第一層より高い剛性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出可能な製品を用いて消費するのに適した所定量の飲料を調製する装置に関し、前記装置は、交換可能なカプセルを有し、さらに交換可能なカプセルを保持する収容器と、一定量の水のような流体に圧力を掛けて交換可能なカプセルに供給する流体供給器とを備えた器具を有し、そこで、前記交換可能なカプセルは、抽出可能な製品を有する内部空間を囲む外周壁、基部及び蓋を有し、前記基部は入口領域を有し、前記装置は、飲料を調製するための流体を抽出可能な製品に供給するために、前記流体供給器が前記入口領域と流体連絡となるように配置され、そして、前記蓋は出口領域を有し、前記装置は出口を有し、使用中に調製した飲料をカプセルから流し、かつ飲料をカップのような容器に供給するために前記出口は前記出口領域と流体が連通する。
【背景技術】
【0002】
抽出可能な製品を有する内部空間を囲むカプセルを使用するそのような装置はそれ自体知られている。蓋の出口領域は、フィルタシート又は他の穿孔され及び/又は多孔質のフィルタを備えている場合がある。カプセルは、例えば、抽出可能な製品として焙煎して挽いたコーヒーを含む。カプセルは、適当な器具で所定量のコーヒーを調製するために使用されることがある。そのようなカプセルの欠点は、調製した飲料の再現性が悪いということである。例えば、カプセル内の流体の圧力などの影響を受けて、フィルタの孔などの安定性が悪く、変形、破裂、引裂き及び/又は拡大により、調製した飲料の品質が低下すること及び/又は調製した飲料の品質の再現性が悪い及び/又はカプセルごとに品質が変わる、などである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、そのような装置を改良するもので、具体的には、調製した飲料の品質の再現性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それに、本発明によれば、抽出可能な製品を用いて消費するのに適した所定量の飲料を調製する装置が提供され、前記装置は交換可能なカプセルを有し、更に、或る量の水のような流体に圧力を掛けて交換可能なカプセルに供給する流体供給器と、交換可能なカプセルを保持する収容器とを備えた器具を有し、ここで、前記交換可能なカプセルは、抽出可能な製品を有する内部空間を囲む外周壁、基部、及び蓋を有し、ここで、前記流体供給器は、飲料を作るために基部を通して流体を抽出可能な製品に供給するために配置され、ここで、前記基部は入口領域を有し、前記装置は、飲料を調製するために流体を抽出可能な製品に供給するために、前記流体供給器が前記入口領域と流体連絡となるようにされ、ここで、前記蓋は出口領域を有し、前記装置は出口を有し、調製した飲料をカプセルから流し、そして飲料をカップのような容器に供給するために前記出口は使用中に前記出口領域と流体が連通し、ここで、前記収容器はカプセルから前記出口領域を通して調製した飲料を流すようにされ、ここで、カプセルの出口領域は少なくとも互いに接合された第一層と第二層からなるシート状の多層フィルタを有し、ここで、前記第一層は第二層より高い引裂き強度を有し、ここで、前記第二層は第一層より高い剛性を有している。
【0005】
第一層が第二層より高い引裂き強度を有し、第二層が第一層より高い剛性を有し、これら第一層と第二層が互いに接合している多層フィルタを備えることにより、例えば流体の圧力の影響からフィルタの破裂を防ぐことができる。フィルタは、穿孔され及び/又は多孔質の層を含んでいてもよい。
【0006】
例えば、フィルタが孔を持つ層を含む場合、流体の圧力の影響下で、第一層は孔を引裂きから防ぐことができ、第二層は孔の拡大を防ぐことができるであろう。例えば、フィルタが多孔質層を含む場合、第一層はフィルタの破裂を防ぐことができ、第二層はフィルタの変形を最小限に抑えることができる。層を互いに接合することにより、層同士をより強化することができ、従って、変形及び/又は破裂が最小化された多層フィルタを提供することができる。層同士の接合は化学的または物理的接合で行うことができる。例えば、層は互いに接着されるか、または互いに熱プレスがされることによる。層はほぼ全面にわたり接着されることが好ましい。フィルタを生成するため、例えば、層同士を密封することによるなどして、層同士を結合することができる。次に無多孔質層は、例えば高温または低温の針もしくはレーザーにより孔を開ける。孔を開ける他の方法としては、例えば、化学的又は切断のように機械的に材料を除去することによっても可能となる。また、「目の粗い」層を用意することが可能であり、そして孔は、例えば、決定した孔の周辺の領域を接着、密封、塗布等の化学的又は機械的方法で閉鎖することにより形成することも可能となる。
【0007】
引裂き強度は、材料の製造業者などによって定義される、層に用いられる材料の特性である。本発明に関連する引裂き強度は、材料の層が層の面内に取り付けられた時の、材料の引裂き強度である。
【0008】
剛性は、材料の製造業者などによって定義される、層に用いられる材料の特性である。本発明に関連する剛性は、材料の層が、層の平面を横断する方向に荷重されたときの材料の剛性である。
【0009】
第一層の引裂き強度は、前記のように第二層の引裂き強度よりもかなり高いので、フィルタの孔の破裂を防ぐことができる。第二層の剛性は、前記のように第一層の剛性よりもかなり高いので、フィルタの孔の変形を最小限に抑えることができる。
【0010】
フィルタの変形及び/又は破裂は、調製した飲料の品質不良につながる可能性がある。フィルタの変形及び/又は破裂を回避することによって、調製した飲料の品質は、カプセルごとに、より一定に近づくであろう。本発明に係るカプセルを用いて調製した飲料は、品質が向上し、1つのカプセルから代替のカプセルまで、より再現性がある。
【0011】
例えば、飲料の調製中に引裂いて開けることを意図した、最新の閉じたフィルタがある。しかし、この引裂き作業は制御できないし、また、孔の引裂きが1つのカプセルから代替のカプセルまでうまく再現できないので、1つのカプセルから代替のカプセルまで飲料の再現性がない。また、粒子及び/又は抽出可能な製品の他の堆積物が、引裂かれた孔を通じて調製した飲料に流入することで、調製した飲料の品質を低下させるかもしれない。第一層がより高い引裂き強度を有し、第二層がより高い剛性を有する多層フィルタを備えることにより、フィルタ層が破裂及び/又は変形を最小限にし、飲料の調製の再現性と制御可能性を最適化するように設計することができる。
【0012】
好ましくは、第一層は、第二層の引裂き強度より少なくとも20%、好ましくは50%高い引裂き強度を有している。好ましくは、第二層は、充分な堅固さと強度のあるフィルタを提供するために、第一層の剛性よりも少なくとも20%、好ましくは50%高い剛性を持っていることが望ましい。
【0013】
一実施例において、多層フィルタは2層より多くの層を含むことができ、続く層がそれぞれより高い引裂き強度と高い剛性を持っていてもよい。多層フィルタは、カプセル内で圧力をかけられた流体に対して、より安定した流れ抵抗として作用する。
【0014】
第一層が第二層よりも高い引裂き強度を有し、第二層が第一層よりも高い剛性を有しているような、第一層と第二層が互いに接合された多層フィルタを備えることにより、再現可能な流体の圧力が、このような多層のフィルタと蓋を有するカプセル内に生じる。充分な強度と充分な剛性を有する多層フィルタを備えることにより、充分な圧力が制御された状態で及び/又は所定の方法でカプセル内に発生し、このためより良い品質の抽出飲料を提供する。層は穿孔され及び/又は多孔質であり、穿孔され及び/又は多孔の寸法は、カプセル内の圧力の影響下でほぼ同一である。好ましくは、その寸法は、カプセル内の圧力の影響下でカプセルの使用中に、3%未満ずれても差し支えない。穿孔され及び/又は多孔は引裂かれないから、孔の変化は所定のものでかつ制御されている。無制御かつ予測不可能なフィルタ層の引裂きとは違って、多層フィルタの孔の動作を制御しかつ予め決定することができる。
【0015】
一実施例において、多層フィルタの孔は、レーザーにより形成することができる。レーザーの熱により、孔の周縁に融解リッジを備えることができる。融解リッジでは、より多くの材料が存在し、局所的に補強領域となる。この融解リッジは、第一層の引裂きに対する抵抗に、かつ第二層の剛性に役立つであろう。フィルタのそれらの層の異なる機械的特性のため、融解リッジは同じ側に作成されるので、融解リッジを作成するために、フィルタのどちら側からフィルタにレーザーの焦点を当てるかという事は重要でない。
【0016】
また、層の厚さは、比較的に限定されてよい。例えば、1層の厚さは約5μm乃至約40μmである。好ましくは、層の厚さは約10μm乃至約35μmである。例えば、第一層の厚さは約12μm又は約23μmでよく、第二層の厚さは約30μmでよい。一実施例において、高い引裂き強度を有する第一層は、塩素化ポリプロピレン(CPP)から作られてもよく、約30μmの厚さでもよい。高い剛性を有する第二層はポリエチレンテレフタレート(PET)から作られてもよく、約15μmの厚さでよい。
【0017】
一実施例において、第一層は、カプセルの内部に、すなわち抽出可能な製品を有する内部空間に向けて設けることができる。そして抽出可能な製品の粒子は、特に孔の近くで、第一層の材料内に僅かに押し入り、第一層の材料と協働することができる。このように、粒子が協働して孔を跨り、そのため流れ抵抗を提供するのに役立つのである。
【0018】
好ましくは、多層フィルタの細孔及び/又は穿孔は、抽出可能な製品がカプセル内に残るように、抽出可能な製品の粒径よりも小さい方がよい。流量制限は、多層フィルタそれ自体及び/又は例えば粒子がフィルタの孔及び/又は穿孔を部分的に塞ぐときに抽出可能な製品の粒子と一緒に多層フィルタによって形成される。孔は約0.2mm乃至約0.4mmとすることができる。孔の数及び/又は孔の大きさは、コーヒー又は抽出可能な製品の挽き具合に応じて決定することができる。孔の分布及び/又は数及び/又は大きさと組み合わせた珈琲の挽き具合は、調製されたコーヒーの品質を決定する側面である。好ましくは、この挽き具合と、フィルタの孔の分布及び/又は数及び/又は大きさとの組み合わせは、コーヒーにより安定した品質を、及び/又はよりクリーミーに、及び/又はより再現可能に、及び/又は典型的な調製されたエスプレッソにより近いものとし、及び/又は調製したコーヒーの乾物量のより高い数値をもたらすものである。
【0019】
第一層が第一の材料からなり、第二層が第二の材料からなり、その層同士が互いに接合しているカプセルを作ることにより、比較的コスト効率の高い多層フィルタを得ることができ、例えばカプセル内の流体圧力の影響下で、その変形及び/又は破裂を回避することができる。例えば、第一層がポリプロピレンを、もしくは第二層がポリエチレンを、もしくはその逆を、含んでよい。また、ポリアミド、もしくは、例えば、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)といった、適切な特性を持つその他の物質を用いることができる。もちろん、他の多くの材料を用いてもよい。また、第一層はろ過紙、第二層は穿孔フィルム、もしくは両者の層ともに、両者の層が互いに対応する孔を有する穿孔フィルムであってもよい。
【0020】
さらに、入口領域も同様にフィルタとして形成することができる。互いに接合された、第一層が第二層より高い引裂き強度を有し、第二層が第一層より高い剛性を有する、少なくとも2つの層からなる多層フィルタを有する基部を備えることにより、引裂き及び/又は破裂及び/又は変形しにくくなる基部フィルタを得ることができる。また、入口フィルタが多層フィルタであり、出口フィルタが単層フィルタであり、またはその逆、であってもよい。
【0021】
このような多層フィルタからなる蓋及び基部を有するカプセルを作ることにより、再現性及び/又は制御可能性のある流体圧力をカプセル内で生じさせることができ、そのため調製した飲料の品質の再現性を提供する。
【0022】
一実施例において、装置の器具の収容器は、カプセルの蓋に隣接する支持面を有することができる。その支持面は、例えば、リブ及び/又は溝といった非平坦な形状を含んでもよい。本発明による多層フィルタを構成する蓋を有するカプセルに対して、非平坦な形状の場合に、フィルタは充分な柔軟性及び/又は弾性を有していて、その支持面の形状に従って引裂き及び/又は破裂することがなく、もしくは、フィルタが穿孔を有するなら、その穿孔が実質的に拡大することはない。一実施例において、フィルタは非平坦な形状を有する頂部に従うのみであり、非平坦な形状の底の中にまで変形することはない。例えば、非平坦な形状が規則的に配列された鈍い頂部とその間の底部を有するならば、フィルタは、カプセル内の圧力の影響下で飲料が調製されている間、頂部表面に接触するだけである。フィルタは充分に強固であり、非平坦な形状を有する底に至るまで変形しないであろう。
【0023】
一実施例において、カプセルの閉じた基部を穿孔するか、もしくは、流体をカプセルへ流入させるシート状のフィルタ層をカプセル基部に備えることにより、カプセルに流体を提供することができる。シート状の多層フィルタは、貫通手段によって孔が開かないような、充分な堅固さと強度があるであろう。また、飲料を調製するための器具が基部孔明け手段を備えているとき、カプセルの基部は、使用時に基部貫通手段が基部を穿孔できない、カプセルの蓋と同様な間隔に配置することができる。
【0024】
一実施例において、基部の入口領域は、カプセル内の圧力下で流体を流入させるための多層フィルタを設けることができる。充分に強度があり及び/又は充分に堅固なフィルタ層を備えることにより、多層フィルタが基部貫通手段によって穿孔されないことで、使用中、入口フィルタは損傷されないままである。従って、安定した入口領域が提供され、カプセル内に信頼性と再現性のある圧力の発生が得られるようになる。
【0025】
本発明は、また、そのようなシステムで使用するための多層フィルタを備えたカプセルに関するものである。
【0026】
本発明は、また、そのようなシステムの装置で飲料の所定量を調製するためのカプセルの使用に関するものである。
【0027】
本発明は、さらに、抽出可能な製品を用いて消費するのに適した所定量の飲料を調製する方法に関し、前記方法は、抽出可能な製品を有する内部空間を囲む外周壁、基部、および蓋を有する交換可能なカプセルを用意し、前記交換可能なカプセルを保持する収容器と、飲料を調製するために一定量の水のような流体に圧力を掛けて交換可能なカプセルに供給する流体供給器と、調製した飲料をカプセルから流し、かつ飲料をカップのような容器に供給するために、使用中に前記カプセルと流体が連通する出口とを備えた器具を用意し、飲料を調製するために流体を抽出可能な製品に供給する、ことからなり、ここで、カプセルの蓋は、互いに接合された少なくとも第一層と第二層を有するシート状の多層フィルタであり、ここで、前記第一層は第二層より高い引裂き強度を有し、かつ、ここで、前記第二層は第一層より高い剛性を有している。
【0028】
本発明は更に図面を参照して、これらの限定されない実施例によって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による装置の実施例を示す。
【図2】本発明によるカプセルの第一実施例を示す。
【図3】本発明によるカプセルの第二実施例を示す。
【図4】本発明によるカプセルの第三実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
この説明において、同一の或は対応する部材は、同一の或は対応する参照番号を有している。図示した例示の実施例は、いかなる意味でも限定的に解釈されるものではなく、単に例示をなすものである。
【実施例】
【0031】
図1は、本発明による抽出可能な製品を用いて消費するに適した所定の量の飲料を調製するための装置1の実施例を示す。装置1は交換可能なカプセル2と器具104を有する。器具104は、交換可能なカプセル2を保持するための収容器106を有する。この実施例において、収容器106はカプセル2の形状に補完的な形状を有する。図1において、明確にするために、カプセル2と収容器106との間には隙間が描いてある。使用にあたっては、カプセル2は収容器106に接触する位置にすることができることを理解されたい。器具104は、更に、ある量の水のような流体を圧力を掛けて交換可能なカプセル2に供給する流体供給器108を有する。
【0032】
図1に示す装置1において、交換可能なカプセル2は、外周壁10、外周壁10を第一端14で閉じる基部12、外周壁10を基部12の反対側の第二端18で閉じる蓋16を有する。外周壁10、基部12及び蓋16は、抽出可能な製品を有する内部空間20を囲んでいる。この実施例では、交換可能なカプセル2は、1人分の飲料、好ましくはカップ1杯の飲料、例えば30乃至200mlの調製した飲料、を調製するのに適した量の抽出可能な製品を有している。交換可能なカプセルは、従って、1杯分のパックである。抽出可能な製品は、例えば焙煎して、挽いたコーヒーである。
【0033】
図1の装置は、代替のカプセルに孔を開けるための基部貫通手段122を有している。図1は、代替のカプセルの基部に入口開口を作るために、伸びた位置に在る基部貫通手段を図示している。本発明によれば、カプセル2は入口フィルタ34を有し、基部貫通手段が伸びた位置に引き込まれたときに、カプセル2は基部貫通手段122によって貫通されず、そして基部12は損傷しないままであるように、その入口フィルタ34は基部貫通手段12から隔てられている。
【0034】
図1において、貫通手段122は内腔126を有し、その内腔を通して流体が収容器106の内部空間に供給される。流体、ここでは、例えば6バール以上まで上昇した圧力の影響を受けた湯が、この例では1杯の飲料、ここではコーヒーを調製するため、抽出可能な製品、この例では約4乃至8グラムの焙煎し挽いたコーヒーから所望の物質を抽出するために、カプセル2の内部空間20内に入口フィルタ34を通して流れる。流体は、4乃至20バール、好ましくは5乃至18バール、より好ましくは6乃至15バール、例えば12バールの圧力で供給することができる。圧密、粒子の大きさ及び/又は飲料の所望の特性によるが、抽出可能な製品の4乃至10グラムがカプセル2内に入れられる。
【0035】
従って、更に一般的には、図1の実施例では、基部12は入口フィルタ34により形成される入口領域を有し、装置1は飲料を調製するため流体を抽出可能な製品に供給するために、流体供給器108を入口領域と流体連絡にするように配置される。
【0036】
図1の実施例では、外周壁10は実質的に剛性である。外周壁は、例えばプラスチック材料からなり、例えば、射出成形、真空成形、熱成形等で形成され、もしくは金属材料であってもよい。また、図1の実施例では、外周壁10は切頭円錐形であるが、他の形状でも可能である。例えば、外周壁は円筒形又はピラミッド形にすることができる。
【0037】
図1の実施例では、基部12は外周壁10と一体である。この実施例において入口フィルタ34は、基部12内の複数の入口開口24によって形成される。この実施例において複数の入口開口24は基部12のほぼ全面にわたって分布させられている。従って、流体は複数の入口開口24を介して抽出可能な製品に供給され、これがカプセル2のほぼ全断面にわたり抽出可能な製品を湿潤させる。そのため、抽出可能な製品に非常に均一な流体の供給ができる。また、孔及び/又は孔のない領域とともに孔を有する領域のパターンもまた作ることができ、例えば、孔がフィルタの中心領域に配列され、フィルタの周縁域には孔が無いままにされる。
【0038】
本発明の1態様によれば、図1の装置1は、別の従来技術のカプセルから飲料を流すことができる少なくとも1つの出口開口を作るために、その従来技術のカプセル内の流体及び/又は飲料の圧力により、蓋が蓋貫通手段128に対して充分に押し付けられた場合に、その別の従来技術のカプセルの蓋に孔を開けるための蓋貫通手段128を有している。
【0039】
本発明によれば、カプセル2は、出口フィルタ36を有し、その出口フィルタ36を通して飲料がカプセル2から流れることができる。本発明によれば、出口フィルタ36は、少なくとも第一層と第二層とが互いに接合した多層出口フィルタである。第一層は第二層よりも高い引裂き強度を有し、第二層は第一層よりも高い剛性を有し、好ましくは、第一層は第二層よりも著しく高い引裂き強度を有し、第二層は第一層よりも著しく高い剛性を有していることである。従って、出口フィルタ36は充分に強度があり、かつ充分に剛性があるので、カプセル2内部の圧力の影響で蓋貫通手段128によって孔が開けられない。カプセル2内部の圧力の影響で、出口フィルタ36は圧力の影響で損傷を受けないままであり、蓋貫通手段によって裂けたり、破れたり、又は孔が開いたりはしない。良質な飲料のための充分な圧力をカプセル2内で上昇させることができる。その上に、充分な強度と充分な剛性を有する出口フィルタのために、カプセルごとの圧力上昇は再現可能及び/又は制御可能であり、そのため、作った飲料の再現性及び/又は品質を改善できる。
【0040】
代わりに、又はそれに加えて、出口フィルタ36は、カプセル2から流出する飲料に対して十分な流れ抵抗を形成し、出口フィルタ36は、蓋貫通手段128によって孔が開けられるほど充分な力で蓋貫通手段128に押し付けられず、蓋16は損傷を受けないままである。出口フィルタ36は蓋貫通手段に押し付けられるかもしれないが、裂けたり破れたりしない。出口フィルタ36は、蓋貫通手段の頂部表面に従うだけで、頂部間の底に達するまでは変形しないような、充分な剛性と強度を有している。従って、出口フィルタ36のどんな変形も比較的限られたものとなる。そのため、使用中にカプセル2が蓋貫通手段128によって孔が開けられことがなく、そして蓋16が無傷のままであるように、出口フィルタ36を蓋貫通手段128に適合されている。更に一般的には、カプセル2が使用中に蓋貫通手段128によって貫通されず、そして蓋16が損傷を受けないままであるように、出口フィルタ36と蓋貫通手段128は互いに適合されている。
【0041】
図1の実施例では、蓋貫通手段128が図示され、蓋に孔を開けるための鋭い鋸歯状先端を有している。蓋貫通手段128は、代わりに、例えば図1に破線で示すように鈍い貫通面を有することができることを理解されたい。そのような実施例において、代替のカプセルでは、それにもかかわらず、例えば従来技術のカプセルがアルミニウム箔のシートからなる蓋の場合に、鈍い貫通手段128によって孔を開けられる。本発明による装置1のカプセル2の出口フィルタ36のパラメータは、出口フィルタ36が充分に高い引裂き強度を有し及び/又は充分に低い流れ抵抗を形成することで、孔を開けられたり、又は破れたりしないように、選ぶことができる。蓋貫通手段128が鈍いときに、出口フィルタ36のパラメータは、それらの鈍い貫通手段128に適合するように選ぶことができることを理解されたい。貫通手段128が鈍いときに、出口フィルタ36は、例えば蓋貫通手段が鋭いときよりも、薄くすることができ、同時に出口フィルタは充分に高い引裂き強度及び/又は充分な剛性を有することを保証し、及び/又は孔が開いたり、及び/又は破れたり、及び/又は破裂しない充分に低い流れ抵抗を形成する。
【0042】
蓋貫通手段128は、使用中に、蓋が接触するリッジを有することも可能である。そのようなリッジは、図1の破線で示すように、鈍い貫通手段128によって形成することができる。リッジは、例えば、使用中に、開いた第二端18にかぶさる蓋16の表面領域の部分と一致する、収容器106の表面の部分の少なくとも10%、場合により少なくとも25%を形成することができる。従って、使用中、蓋16は、例えば、開いた第二端18を覆う蓋16の表面領域の部分の少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%にわたって、リッジによって支持させることができる。既に示したように、別の従来技術のカプセルの蓋はそのようなリッジによって孔を開けることができるが、本発明による装置1のカプセル2の出口フィルタ36のパラメータは、出口フィルタが孔が開いたり、破れたりしない充分に高い引裂き強度を有し及び/又は充分に低い流れ抵抗を形成するように容易に選ぶことができる。蓋貫通手段がリッジを有するときに、出口フィルタ36のパラメータは、そのような蓋貫通手段に合わせるように選ぶことができることを理解されたい。
【0043】
図1の実施例において、リッジは鋭くない縁を有している。この実施例では、縁の曲率半径は約50μmであるが、他の半径、例えば100、200または500μmも考えることができる。従来技術のカプセルは、それにもかかわらず、従来技術のカプセルの蓋がアルミニウム箔のシートからなるときは、鈍い貫通手段128によって孔が開けられる。蓋貫通手段が鋭くない縁を有するとき、出口フィルタ36のパラメータはそのような蓋貫通手段に合うように選ぶことができることを理解されたい。本発明による装置のカプセル2の出口フィルタ36の層のパラメータは、出口フィルタ36に孔が開いたり破れたりしない充分に高い引裂き強度を有し及び/又は充分に低い流れ抵抗を形成するように選ぶことができる。
【0044】
蓋貫通手段128のリッジは、蓋16が接触する凸状頂部を有することもできる。従って、使用中に蓋がリッジに接触した場合に、蓋がリッジによって支持される表面積は増加し、そのためリッジによって蓋に掛かる局部的な圧力は減少する。従って、簡単な方法で、使用中の蓋が裂けたり及び/又は破れたりしないで、損傷しないままにすることが可能である。
【0045】
図1の実施例において、飲料、ここではコーヒーがカプセルから流れることができるカプセル2の出口領域を形成する出口フィルタ36は、ろ過紙のような多孔質シートによって形成され、例えば図2及び図3で示すように、2つの層が互いに接合しているものを有する。この実施例において、全体の蓋16は出口フィルタ36として形成される。図1、図2、図3及び図4の実施例において、カプセル2は第二端18に外側に延在する周縁38を有し、ここで、蓋16は外側に延在する周縁38に、例えば接着、溶接などによって、取り付けられる。そのため、この実施例において出口フィルタ36すなわち多層シートは外側に延在する周縁38に取り付けられている。
【0046】
この実施例では、出口フィルタ36は、実質的にカプセル2の開いた第二端18の全体に広がる、実質的に連続な流体透過性の多層シートである。従って、流体はカプセル2から広い面積にわたって流れることができる。そのため、抽出可能な製品から非常に均質な飲料の流出が得られる。
【0047】
一般に、本発明による装置1のカプセル2の出口フィルタの層のパラメータは、出口フィルタが裂けたり又は破けたりしないように選ぶことができ、例えば、充分に高い引裂き強度を有し、及び/又は充分に高い剛性を有し、及び/又は充分に低い流れ抵抗を形成し、孔が開いたり破れたりしないなどである。出口フィルタ36が、例えばろ過紙の層で作られているときに、ろ過紙のパラメータ、例えば、密度、厚さ、及び/又はPE含有量、を容易に選ぶことができて、充分に高い引裂き強度及び/又は充分に高い剛性及び/又は充分に低い流れ抵抗を形成する出口フィルタを提供することができる。代わりに、出口フィルタ36の層が、例えば複数の出口開口を備えたポリマーフィルムで形成されると、ポリマーフィルムのパラメータ、例えば密度、厚さ、出口開口の数、大きさ及び/または出口開口の形状を容易に選択することができて、充分に高い引裂き強度を有し及び/または充分に低い流れ抵抗を形成する第三壁を提供することができる。
【0048】
異なる材料を異なる層に使用することもできる。多数の材料、例えば、PE、PP、PET、ナイロン、EVOH、EVA、L- LDPE、LDPE、金属が適している。また、層は異なる厚さであってよい。例えば、1つの層の厚さは約5μm乃至約40μmであってもよい。好ましくは、複数層の厚さは約10μm乃至約35μmである。例えば、第一層の厚さは約12μmまたは約23μmでよく、第二層の厚さは約30μmでよい。
【0049】
図2は、本発明によるカプセル2の一実施例を示す。出口フィルタ36は、2つの層51、52を有する。2つの層51、52は、互いに作用できるように及び/又は互いに強化するように、共に接合される。物理的及び/又は化学的接合が、層のほぼ全面にわたってされる。本発明によれば、第一層51は第二層52より高い引裂き強度を有し、第二層52は第一層51より高い剛性を有する。層51、52の剛性及び引裂き強度は、層が裂けたり、破裂したり、もしくは過剰に変形したりしないように、出口フィルタ36がカプセル内で生じる圧力に対して比較的一定な流れ抵抗を有するようにし、従ってより再現可能及び/又はより制御可能になる。図2には、多孔質層51と孔30のある穿孔層52とを有する出口フィルタ36が示されている。図3は、出口フィルタ36が穿孔層51と多孔質層52を有するカプセルの実施例を示している。多孔質層は、穿孔層の孔30の拡大を防ぐために充分に強く、穿孔層は、多孔質層の引裂きを防ぐために充分に堅い。また、図4に見られるように、二つの穿孔層が提供されてもよく、もしくは二つの多孔質層が提供されてもよい。出口フィルタ36の層51、52の穿孔30は、カプセル2から流体を放出する流体通路を提供するために、互いに対応している。また、多層フィルタは2層より多くを有しているものであってよい。例えば、3もしくはそれ以上の層からなる多層フィルタが提供され、それぞれ異なる引裂き強度及び/又は剛性を有する。それぞれ異なった特性を有する異なった層を提供することで、層は互いの特性を強化することができるので、そのため、引裂かれず、破裂せず、もしくは孔を開けられない多層フィルタを提供できる。好ましくは、穿孔層にとって穿孔が圧力の影響で変形しないことである。好ましくは、飲料調製中のカプセルを使用している間に、穿孔の寸法の変化が3%未満であることである。また、多孔質層にとっても、孔が変形せず、飲料調製中のカプセルを使用している間における孔の寸法の変化が3%未満であることが好ましい。
【0050】
出口フィルタ36は、蓋16の上流または下流に設けることができ、もしくは蓋16の出口開口に設けられる。好ましくは、出口フィルタ36は外側に延在する周縁38に取り付けられる。出口フィルタ36は、また外周壁14に取り付けられることもできる。
【0051】
一般に、出口開口30、穿孔層の穿孔あるいは多孔質層の孔は、挽いたコーヒーのような抽出可能な製品の粒子のうちの大きな粒子の大部分をカプセル2の内部に留めるために、孔30の大きさは充分に小さい。非常に小さい粒子、いわゆるファインだけが、孔を通って流出する。また、一般に、出口開口30は、カプセルから抽出された飲料を流す前に、カプセル内に一定の圧力を発生させるために充分な流れ抵抗が得られるような大きさとされ、かつ分布させられている。
【0052】
本発明の1態様によれば、基部12に入口フィルタ34が設けられている。図2及び図3に示すように、入口フィルタ34は、例えば2つの層61、62を有する多層フィルタとして提供することができる。また、入口フィルタは2層を超える層を持つものとして提供することができる。代わりに、カプセル2は、入口領域を開いたままで、入口フィルタ34なしで提供することもできる。入口フィルタ34は、基部12の上流もしくは下流に設けられ、もしくは、図示しないが、入口開口に設けられ、内側に延在する周縁42に取り付けることができる。カプセル2の内部空間20内に周縁の厚みが存在しないために、その内容積が最大化することになる。代わりに、又はそれに加えて、入口フィルタは外周壁10に取り付けることができる。
【0053】
図2及び図3に示すように、入口フィルタ34の第一層61は、例えばろ過紙のような、多孔質シートでよく、第二層62は、例えばポリマーフィルムのような、穿孔シートでよい。本発明の1態様によれば、第一層はより高い引裂き強度を有し、第二層はより高い剛性を有している。代わりに、第一層が穿孔箔であってもよく、第二層が多孔質シートである。入口開口24は、抽出可能な製品に均一な流体の供給を可能にするため、入口領域にほぼ均等に分布させることができる。図4に示すように、多層入口フィルタ34の層61及び62は共に穿孔層であってよい。双方の層の穿孔24は流体通路を設けるために互いに対応している。
【0054】
本発明は、詳細な説明及び図面に示した実施例に決して限定されないことは明白である。多くの変形及び組合せが、特許請求の範囲の請求項に記載された本発明の構成内で可能である。例えば、記載した実施例では、第一層が第二層の上流にあるように描かれている。当業者であれば、第二層は第一層の上流にあってもよいということは明白であろう。また、記載した実施例では、第一層が第二層よりも薄いであろう。当業者であれば、第二層も第一層より薄くてよいということは明白であろう。実施例の1つ以上の態様の組合せ、又は種々の実施例の組合せが、本発明の構成内で可能である。すべての類似の変形は、請求項に記載された本発明の構成内に入ることと理解される。
【符号の説明】
【0055】
1 装置
2 カプセル
10 カプセルの外周壁
12 カプセルの基部
14 カプセルの第一端
16 カプセルの蓋
18 カプセルの第二端
20 カプセルの内部空間
24 入口開口
30 出口開口、穿孔層52の孔
34 入口フィルタ
36 出口フィルタ
38 外側に延在する周縁
61 入口フィルタの第一層
62 入口フィルタの第二層
42 内側に延在する周縁
106 収容器
108 流体供給器
122 基部貫通手段
126 基部貫通手段の内腔
128 蓋貫通手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出可能な製品を用いて、消費に適した所定量の飲料を調製する装置であって、前記装置は、
交換可能なカプセル、及び
或る量の水のような流体を圧力を掛けて前記交換可能なカプセルに供給する流体供給器と、前記交換可能なカプセルを保持する収容器とを備える器具、
を有し、
ここで、前記交換可能なカプセルは、前記抽出可能な製品を有する内部空間を囲む外周壁、基部、及び蓋を有し、
ここで、前記流体供給器は、飲料を形成するために前記基部を通じて前記抽出可能な製品に流体を供給するように配置され、
ここで、前記基部は入口領域を有し、前記装置は、飲料を調製するために流体を前記抽出可能な製品に供給するために、前記流体供給器を前記入口領域と流体連絡にするように配置され、
ここで、前記蓋は出口領域を有し、前記装置は出口を有し、調製した飲料を前記カプセルから流出させ、そして飲料をカップのような容器に供給するために前記出口は使用中に前記出口領域と流体連絡しており、
ここで、前記収容器はカプセルから前記出口領域を通して調製した飲料を流出させるように配置され、
ここで、前記カプセルの出口領域は互いに接合された少なくとも第一層と第二層からなるシート状の多層フィルタを有し、
ここで、前記第一層は前記第二層より高い引裂き強度を有し、かつ前記第二層は前記第一層より高い剛性を有している、
前記飲料を調製する装置。
【請求項2】
前記第一層は第二層の引裂き強度より少なくとも20%、好ましくは50%高い引裂き強度を有し、かつ前記第二層は第一層の剛性よりも少なくとも20%、好ましくは50%高い剛性を有する請求項1に記載の飲料を調製する装置。
【請求項3】
前記第一層は第二層より高い引裂き強度を有する第一の材料からなり、前記第二層は第一層より高い剛性を有する第二の材料からなる請求項1又は2に記載の飲料を調製する装置。
【請求項4】
前記第一層は穿孔され及び/又は多孔質であり及び/又は前記第二層は穿孔され及び/又は多孔質である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項5】
前記第一層と前記第二層は穿孔され、第一層の穿孔と第二層の穿孔とが対応している、請求項4に記載の飲料を調製する装置。
【請求項6】
前記第一層及び/又は前記第二層は、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン及び/又はポリエチレンテレフタレート及び/又は塩素化ポリプロピレン及び/又はナイロン及び/又はエチレンビニルアルコール及び/又はエチレン酢酸ビニル及び/又は低密度ポリエチレン及び/又は金属からなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項7】
前記多層フィルタは、
ろ過紙のような多孔質シート、
複数の流入孔が設けられている、ポリマーフィルムのような箔、
によって形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項8】
前記入口領域はシート状のフィルタからなる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項9】
前記入口領域は多層フィルタからなる、請求項8に記載の飲料を調製する装置。
【請求項10】
前記多層フィルタは、第一層と第二層とからなり、前記第一層は前記第二層より高い引裂き強度を有し、前記第二層は前記第一層より高い剛性を有し、前記第一及び前記第二層が互に接合されている、請求項9に記載の飲料を調製する装置。
【請求項11】
前記多層フィルタは、開口のある少なくとも1つの層を有し、前記開口は前記フィルタ層のほぼ全面にわたって分布させられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項12】
前記開口は、約0.2mm乃至約0.4mmの直径を有する、請求項11に記載の飲料を調製する装置。
【請求項13】
前記第一層及び/又は前記第二層の厚さは約5μm乃至約40μmであり、好ましくは、約10μm乃至約35μmである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項14】
前記第一層が前記第二層より薄い、請求項1〜13のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項15】
前記蓋は、外端で前記カプセルを閉じる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項16】
前記外周壁が実質的に剛性である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項17】
前記収容器は、代替のカプセルの基部に孔を開けて、少なくとも1つの入口開口を作り、前記少なくとも1つの入口開口を通して抽出可能な製品に流体を供給するための基部貫通手段を有し、かつ、
前記装置の前記カプセルの前記基部は、それを通して抽出可能な製品に流体を供給するための入口フィルタを有しており、前記入口フィルタは、使用時に、前記装置の前記カプセルが前記基部貫通手段によって貫通されずに前記基部が損傷しないままであるように、前記基部貫通手段から隔てられている、請求項1〜16のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項18】
前記収容器は、代替のカプセルの基部に孔を開けて、少なくとも一つの入口開口を作り、前記の少なくとも一つの入口開口を通して抽出可能な製品に流体を供給するための基部貫通手段を有し、かつ、
前記装置の前記カプセルの前記基部はそれを通して抽出可能な製品に流体を供給するための入口フィルタを有しており、前記入口フィルタは、その第一層が充分な引裂き強度を有し第二層が充分な剛性を有する多層フィルタであり、それにより、使用時に、前記装置の前記カプセルが前記基部貫通手段によって貫通されずに、前記基部が損傷しないままであるようにされている、請求項1〜17のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項19】
前記収容器は、代替のカプセル内の流体及び/又は飲料の圧力の影響を受けて、出口領域が蓋貫通手段に対して充分に押し付けられた時に該代替のカプセルの出口フィルタを貫通して、前記代替のカプセルから飲料が流れることができる少なくとも一つの出口開口を作るための前記蓋貫通手段を有しており、かつ、
前記装置の前記カプセルの前記出口領域は、それを通して前記装置の前記カプセルから飲料が流れることができる、多層出口フィルタを有し、前記多層出口フィルタの第一層が充分な引裂き強度を有しかつ第二層が充分な剛性を有していて、それにより、使用時に、前記装置の前記カプセルが前記蓋貫通手段によって貫通されず、前記蓋が損傷しないままであるようにされている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の飲料を調製する装置のカプセル。
【請求項21】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の装置の器具を用いて飲料を調製するための、請求項20に記載のカプセルの使用方法。
【請求項22】
抽出可能な製品を用いて、消費に適した所定量の飲料を調製する方法であって、前記方法が、
前記抽出可能な製品を有する内部空間を囲む、外周壁、基部、及び蓋を有する交換可能なカプセルを用意し、
前記交換可能なカプセルを保持する収容器と、飲料を調製するための、或る量の水のような流体を圧力を掛けて前記交換可能なカプセルに供給する流体供給器と、使用時に、前記カプセルと流体連絡して、調製した飲料を前記カプセルから流させ、前記飲料をカップのような容器に供給するための出口とを有する器具を用意し、
前記飲料を調製するために前記流体を前記抽出可能な製品に供給すること、
ここで、前記カプセルの蓋は、互いに接合された少なくとも第一層と第二層とからなるシート状の多層フィルタであり、
ここで、前記第一層は前記第二層より高い引裂き強度を有し、かつ前記第二層は前記第一層より高い剛性を有している、
を含む飲料を調製するための方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−530534(P2012−530534A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516017(P2012−516017)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050832
【国際公開番号】WO2010/137961
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(512164779)コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. (28)
【Fターム(参考)】