説明

飲料ディスペンサのためのクリーンインプレイスシステム

ディスペンサノズルのためのフラッシュシステムは、フラッシュダイバータおよびキャリアを含み得る。前記フラッシュダイバータは、計量分配位置およびフラッシュ位置を含み得る。前記キャリアは、前記飲料ディスペンサノズルに対して前記計量分配位置または前記フラッシュ位置のいずれかに前記フラッシュダイバータを方向付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、主に飲料ディスペンサに関し、より詳細には、多数の飲料選択肢を要求に応じて計量分配することが可能なジュースディスペンサまたは他の任意の種類の飲料ディスペンサに関する。
【背景技術】
【0002】
共有されている米国特許第4,753,370号は、「Tri−Mix Sugar Based Dispensing System」に関する。同特許は、前記高濃度の香味料を甘味料および希釈液と分離する飲料計量分配システムについて記載している。この分離により、複数の香味モジュールおよび1つの汎用甘味料を用いた多数の飲料オプションの生成が可能になる。同特許の目的の1つは、包装済みの瓶または缶の市場において利用可能なような多くの飲料を飲料ディスペンサから提供することである。
【0003】
しかし、これらの分離技術は概してジュースディスペンサには適用されておらず、むしろ、ジュースディスペンサでは典型的には、ディスペンサ中に保存されたジュース濃縮物と、前記ディスペンサから計量分配される製品との間には1対1の関係があることが多い。そのため、濃縮物の保管スペースが多く必要なため、消費者は一般的には、比較的少数の製品からしか選択できないことが多い。そのため、従来のジュースディスペンサの場合、広範囲の異なる製品を提供するためには、大きな専有面積が必要となる。
【0004】
公知のジュースディスペンサに関連する別の問題として、カップ中の最後の1口分のジュースを適切に混合することができないため、不希釈濃縮物が大量に残り得る点がある。この問題は、粘性のジュース濃縮物が十分に攪拌されなかった場合に、発生し得る。その結果、味が悪くなり、飲料も不出来になることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、広範囲の異なる飲料に対応することが可能な、向上した飲料ディスペンサが望まれている。好適には、前記飲料ディスペンサは、広範囲のジュースベース製品または他の種類の飲料を合理的なサイズの専有面積内において提供することができる。さらに、前記飲料ディスペンサによって提供される飲料は、適切に完全に混合されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、本出願は、ディスペンサノズルのためのフラッシュシステムを記載する。前記フラッシュシステムはフラッシュダイバータおよびキャリアを含み得る。前記フラッシュダイバータは、計量分配位置およびフラッシュ位置を含み得る。前記キャリアは、前記飲料ディスペンサノズルに対して前記計量分配位置または前記フラッシュ位置のいずれかに前記フラッシュダイバータを方向付ける。
【0007】
前記フラッシュダイバータは、その内部に計量分配経路およびフラッシュ経路を含み得る。前記フラッシュダイバータはドレーンパンを含み得、前記ドレーンパンはドレーンと連通し得る。前記計量分配経路は、その内部に計量分配経路開口部を含み得る。前記計量分配経路開口部は、角度付けされた縁部を含み得る。前記キャリアは、その内部にキャリア開口部を含み得る。前記フラッシュダイバータは、前記計量分配経路と前記フラッシュ経路との間の分離器を含み得る。前記フラッシュシステムは、前記キャリアと連通するモータをさらに含み得る。前記キャリアは、ヒンジを含み得、その周りを回転するようにできる。
【0008】
本出願は、ディスペンサノズル周囲においてフラッシュダイバータを動作させる方法をさらに記載する。前記方法は、前記フラッシュダイバータを計量分配位置に方向付けるステップと、前記ディスペンサノズルを通じて第1の流体を流すステップと、前記フラッシュダイバータをフラッシュ位置に方向付けるステップと、前記フラッシュダイバータ内の第2の流体をドレーンへと流すステップとを含み得る。
【0009】
前記方法は、前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップをさらに含み得る。前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを取り外すステップを含み得る。前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを旋回して方向付けるステップを含み得る。前記フラッシュダイバータを計量分配位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを水平に方向付けるステップを含み得る。計量分配位置にある前記フラッシュダイバータを用いて前記ディスペンサノズルを通じて第1の流体を流すステップは、前記第1の流体をフラッシュダイバータ開口部を通じて流すステップを含み得る。
【0010】
本出願は、ノズル、成分源、成分送管およびポンプを備えたディスペンサのためのクリーンインプレイスシステムをさらに記載し得る。前記クリーンインプレイスシステムは、内部に洗浄用流体を備えた洗浄用流体源、洗浄マニホルド、前記ノズルに取付可能な流体経路付け装置、および前記成分送管上に配置されたコネクタを含み得る。前記コネクタは計量分配位置および洗浄位置を含み得、これにより、前記流体経路付け装置が前記ノズルに取り付けられかつ前記コネクタが前記洗浄位置にある場合、前記洗浄源は、前記洗浄用流体を前記マニホルドを通じて前記成分送管内へと流し得る。
【0011】
前記流体経路付け装置は、取り外し可能なキャップを含み得る。前記流体経路付け装置は、流体経路付け装置計量分配位置および流体経路付け装置洗浄位置を含み得る。前記洗浄用流体は塩基を含み得る。前記クリーンインプレイスシステムは、内部に消毒流体を備えた消毒流体源をさらに含み得る。前記消毒流体は酸を含み得る。
【0012】
前記洗浄マニホルドはヒーターを含み得る。前記洗浄マニホルドは、流量センサ、温度センサ、圧力センサ、伝導性センサおよび/またはpHセンサを含み得る。前記洗浄マニホルドは通気孔を内部に含み得る。前記クリーンインプレイスシステムは、連通前記洗浄マニホルドに連通するような水源をさらに含み得る。前記クリーンインプレイスシステムは、前記ノズル、前記流体経路付け装置、前記洗浄マニホルド、前記コネクタ、前記成分送管、および前記ポンプを通じて流体回路をさらに含み得る。前記コネクタは三方コネクタを含み得る。
【0013】
本出願は、ノズル、成分源、水源、成分送管およびポンプを有するディスペンサを洗浄する方法をさらに記載し得る。前記方法は、前記ノズルおよび前記成分送管においてクリーンインプレイスシステムを接続するステップと、前記クリーンインプレイスシステム、前記ノズル、前記成分送管および前記ポンプを通じて洗浄流体または消毒流体を循環させるステップと、前記水源からの水を前記クリーンインプレイスシステムと、前記ノズル、前記成分送管および前記ポンプを通じて循環させるステップとを含み得る。
【0014】
前記方法は、前記洗浄または消毒流体を加熱するステップをさらに含み得る。前記クリーンインプレイスシステムは、ドレーンを含み得、加熱後に前記洗浄流体または消毒流体を前記ドレーンにパージするステップと、前記水源からの水を前記クリーンインプレイスシステム、前記ノズル、前記成分送管および前記ポンプを通じて循環させるステップと、前記水を前記ドレーンにパージするステップとをさらに含みる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書中記載される飲料ディスペンサの模式図である。
【図2】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得る水計量システムおよび炭酸水計量システムの模式図である。
【図3A】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るHFCS計量システムの模式図である。
【図3B】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得る別のHFCS計量システムの模式図である。
【図4A】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るマクロ成分貯蔵および計量システムの模式図である。
【図4B】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るマクロ成分貯蔵および計量システムの模式図である。
【図5】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るミクロ成分混合チャンバの模式図である。
【図6】図5のミクロ成分混合チャンバの正面図である。
【図7】図6の線7−7に沿ってとられたミクロ成分混合チャンバの断面図である。
【図8】図6の線7−7に沿ってとられたミクロ成分混合チャンバの断面図である。
【図9】図6の線7−7に沿ってとられたミクロ成分混合チャンバの断面図である。
【図10A】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得る混合モジュールの斜視図である。
【図10B】図10Aの混合モジュールのさらなる斜視図である。
【図10C】図10Aの混合モジュールの上面図である。
【図11】図10cの線11−11に沿ってとられた前記混合モジュールの側面断面図である。
【図12】図10Cの線12−12に沿ってとられた前記混合モジュールの側面断面図である。
【図13】図10Bの線13−13に沿ってとられた前記混合モジュールのさらなる側面断面図である。
【図14】図12の底部の拡大図である。
【図15】図14の混合モジュールおよびノズルを斜視的に示す側面断面図である。
【図16】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るフラッシュダイバータの斜視図である。
【図17】図16の線17−17に沿ってとられた前記フラッシュダイバータの側面断面図である。
【図18】図16の線17−17に沿ってとられた前記フラッシュダイバータの側面断面図である。
【図19】図16の線17−17に沿ってとられた前記フラッシュダイバータの側面断面図である。
【図20】図16の線17−17に沿ってとられた前記フラッシュダイバータの側面断面図である。
【図21A】前記フラッシュダイバータの動作を示す模式図である。
【図21B】前記フラッシュダイバータの動作を示す模式図である。
【図21C】前記フラッシュダイバータの動作を示す模式図である。
【図22】図1の飲料ディスペンサにおいて用いられ得るクリーンインプレイスシステムの模式図である。
【図23】図22のクリーンインプレイスシステムにおいて用いられ得るクリーンインプレイスキャップの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ここで図面を参照する。図面中、類似の参照符号は類似の要素を指す。図1は、本明細書中記載されるような飲料ディスペンサ100の模式図である。冷蔵室110内にあり得る飲料ディスペンサ100の部位を点線で示し、冷蔵されない成分を外側に示す。ここで、他の冷蔵構成が用いられ得る。
【0017】
ディスペンサ100は、任意の数の異なる成分を利用し得る。例示目的のため、ディスペンサ100は、以下を用い得る:すなわち、水源130からの淡水120(静水または非炭酸水)、水源130と連通する炭酸化装置150からの炭酸水140(炭酸化装置150および他の要素は、冷却装置160内に配置され得る)、多数のマクロ成分源180からの多数のマクロ成分170、および多数のミクロ成分源200からの多数のミクロ成分190。ここで、他の種類の成分が用いられ得る。
【0018】
一般的に説明すると、マクロ成分170の再構成比は、原液濃度(希釈無し)〜約6:1(しかし、一般的には約10:1未満)の範囲である。マクロ成分170は、ジュース濃縮物、シュガーシロップ、HFCS(「ブドウ糖果糖液糖」)、濃縮抽出物、ピューレ、または類似の種類の成分を含み得る。他の成分を挙げると、乳製品、大豆、米濃縮物がある。同様に、マクロ成分ベースの製品を挙げると、前記甘味料および香味料、酸および他の一般的成分がある。前記ジュース濃縮物および乳製品は一般的には冷蔵しなければならない。砂糖、HFCS、または他のマクロ成分ベースの製品は一般的には、ディスペンサ100から遠隔位置にある従来のバッグインボックス容器内に保管され得る。前記マクロ成分の粘度は、約1〜約10,000センチポアズであり得、一般的には100センチポアズを越え得る。
【0019】
ミクロ成分190の再構成比は、約10:1以上であり得る。具体的には、多くのミクロ成分190の再構成比は、50:1〜300:1以上であり得る。ミクロ成分190の粘度は典型的には約1〜約6センチポアズなどであるが、この範囲から異なってもよい。ミクロ成分190の例を挙げると、天然または人工香味料、香味添加物、天然または人工着色料、人工甘味料(高甘味度など)、酸味を制御するための添加物(例えば、クエン酸またはクエン酸カリウム)、機能性添加物(例えば、ビタミン、ミネラル、ハーブ抽出物、nutricutical(栄養補助食品)、および市販(などの)医薬品(例えば、偽エフェドリン、アセトアミノフェン)、および類似の種類の材料がある。多様な種類のアルコールが、ミクロ成分またはマクロ成分のいずれかとして用いられ得る。ミクロ成分190は、液状、ガス状または粉状(および/または多様な媒体(水、有機溶媒および油を含む)中のその組み合わせ(可溶性成分および懸濁成分を含む))であり得る。ミクロ成分190は冷蔵を必要とするかまたは冷蔵不要であり得、適宜ディスペンサ100内に配置され得る。飲料以外の物質(例えば、塗料、ダイス(dies)、油、化粧品)も用いられ得、同様に計量分配され得る。
【0020】
水120、炭酸水140、マクロ成分170(HFCSを含む)およびミクロ成分190は、以下により詳細に説明するように、その多様な源130、150、180および200から混合モジュール210およびノズル220へとポンプ輸送され得る。概して前記成分はそれぞれ、前記正確な比および/または量で混合モジュール210に提供しなければならない。
【0021】
水140は、水源130から水計量システム230を介して混合ノズル210へと送達され得る。一方、炭酸水140は、炭酸化装置150から炭酸水計量システム240を介してノズル220へと送達され得る。図2に示すように、水源130からの水120は、先ず圧力調整器250を通過し得る。圧力調整器250は、従来の設計であり得る。水源130からの水120は、圧力調整器250を介して適切な圧力に調整または上げられる。その後、水は冷却装置160を通過する。冷却装置160は、内部に氷蓄を備えた、機械的に冷蔵された水槽であり得る。送水管260は、前記水を所望の温度に冷却するように、冷却装置160を通過する。ここで、他の冷却方法および装置も用いられ得る。
【0022】
その後、前記水は水計量システム230へと流れる。水計量システム230は、流量計270および比例制御弁280を含む。流量計270は、比例制御弁280にフィードバックを提供し、また、無流状態を検出し得る。流量計270は、パドルホイール装置、タービン装置、ギアメーター、または任意の種類の従来の計量装置であり得る。流量計270は、約2.5パーセント以内で高精度であり得る。毎秒約88.5ミリリットルの流量が用いられ得るが、ここで、他の任意の流量が用いられ得る。冷却装置160、流量計270および比例制御弁280における圧力降下は、前記所望の流量を維持するように、比較的低くするべきである。
【0023】
比例制御弁280により、水120対炭酸水140の正確な比が混合モジュール210およびノズル220に提供され、かつ/または、前記正確な流量が混合モジュール210およびノズル220に提供されることが、確実になる。前記比例制御弁は、パルス幅変調、可変オリフィスまたは他の従来の種類の制御手段を介して、動作し得る。比例制御弁280は、高精度の比を維持するように、混合ノズル210に対して物理的に近く配置されるべきである。
【0024】
同様に、炭酸化装置150は、ガスボンベ290に接続され得る。ガスボンベ290は一般的には、加圧二酸化炭素または同様のガスを含む。冷却装置160内の水120は、水ポンプ300により、炭酸化装置150へとポンプ輸送され得る。水ポンプ300は従来の設計でよく、ベーンポンプおよび類似の種類の設計を含み得る。水120は、従来の手段により炭酸化されて、炭酸水140となる。水120は、最適な炭酸化(carbonization)を得るために、酸化装置150内に入れる前に、冷却され得る。
【0025】
その後、炭酸水140は、炭酸水送水管310を介して炭酸水計量システム240内へと送られる。炭酸水送水管310上の弁315は、炭酸水の流れをオンおよびオフに切り換え得る。炭酸水計量システム240はまた、流量計320および比例制御弁330を含み得る。炭酸水流量計320は、上で記した通常の水の水流量計270に類似し得る。同様に、それらに対応する各比例制御弁280および330は類似し得る。比例制御弁280および流量計270は、単一ユニットに一体化され得る。同様に、比例制御弁330および流量計320も、単一ユニットに一体化され得る。比例制御弁330も、ノズル220のできるだけ近隣に配置すべきである。このような配置により、炭酸水送水管310中の炭酸水の量が最小化され得、同様に、突発的炭酸化の可能性が限定され得る。炭酸化損失に起因して泡が発生すると、それが送水管310中の水にとって代り、その結果前記水がノズル220内へと強制移動されて、液だれの原因となり得る。
【0026】
前記したマクロ成分170のうちの1つは、ブドウ糖果糖液糖(「HFCS」)340を含む。HFCS340は、HFCS源350から混合モジュール210へと送達され得る。図3に示すように、HFCS源350は、従来のバッグインボックス容器または類似の種類の容器であり得る。前記HFCSは、HFCS源350からポンプ370を介してポンプ輸送される。ポンプ370は、ガスアシストポンプまたは類似の種類の従来のポンプ輸送装置であり得る。HFCS源350は、ディスペンサ100内に配置されるかまたはディスペンサ100から総じて距離を空けて配置され得る。さらなるバッグインボックスポンプ370が必要になった場合、さらなるバッグインボックスポンプ370の入口の加圧が過剰にならないように、真空調整器360が用いられ得る。さらなるバッグインボックスポンプ370はまた、冷却装置160からHFCS源350への距離に応じて、冷却装置160のより近隣に配置され得る。HFCS送管390は、HFCS340が所望の温度に冷却されるように、冷却装置160内に通すことができる。
【0027】
その後、HFCS340は、HFCS計量システム380内に通すことができる。HFCS計量システム380は、流量計400および比例制御弁410を含み得る。流量計400は、上述したような従来の流量計、または、本出願と共に出願された、「FLOW センサ」というタイトルの共有されている米国特許出願シリアル番号第11/777,303号に記載されているような流量計であり得る。流量計400および比例制御弁410により、HFCS340がおよそ前記所望の流量で混合モジュール210に送達されること、および、無流状態を検出することが確実になる。
【0028】
図3Bは、別のHFCS送達方法を示す。HFCS340は、HFCS源350の近隣に配置されたバッグインボックスポンプ370により、HFCS源350からポンプ輸送され得る。第2のポンプ371は、ディスペンサ100の近隣または内部に配置され得る。第2のポンプ371は、容積式ポンプ(例えば、プログレッシブキャビティポンプ)であり得る。第2のポンプ371は、HFCS340が前記所望の温度に冷却されるように、HFCS340を正確な流量でHFCS送管390および冷却装置160を通じてポンプ輸送する。その後、HFCS340は、上述したものと同様のHFCS流量計401を通過し得る。流量計401および容積式ポンプ371により、HFCS340がおよそ前記所望の流量で混合モジュール210へと送達されかつ無流状態を検出することが、確実になる。流量計401からのフィードバックが無くても容積式ポンプ371が十分なレベルの流量精度を提供することができる場合、前記システム全体を「開ループ」方式で動作させることができる。
【0029】
図1では単一のマクロ成分源180を示しているが、ディスペンサ100は任意の数のマクロ成分170およびマクロ成分源180を含み得る。この例においては8個のマクロ成分源180が用いられ得るが、任意の数が本明細書中用いられ得る。各マクロ成分源180は、フレキシブルバッグまたは任意の従来の種類の容器であり得る。各マクロ成分源180は、マクロ成分トレイ420あるいは同様の機構または容器内に収容され得る。マクロ成分トレイ420について以下より詳細に説明するが、図4Aは、マクロ成分源180を収容したマクロ成分トレイ420を示しており、マクロ成分源180は雌取付具430を有し、雌取付具430は、CIPコネクタを介してマクロ成分ポンプ450に伴う雄取付具440と噛み合うようになっている。(以下により詳細に説明するようなCIPコネクタ960)。ここで、他の種類の接続手段が用いられ得る。このようにして、マクロ成分トレイ420および前記CIPコネクタは、洗浄または交換のためにマクロ成分源180をマクロ成分ポンプ450から切断することができる。マクロ成分トレイ420も取り外し可能であり得る。
【0030】
マクロ成分ポンプ450は、プログレッシブキャビティポンプ、フレキシブルインペラーポンプ、蠕動ポンプ、他の種類の容積式ポンプ、または類似の種類の装置であり得る。マクロ成分ポンプ450は、多様なマクロ成分170を毎秒約1〜60ミリリットル程度の流量で約2.5パーセントの精度でポンプ輸送し得る。前記流量は、約5パーセント(5%)〜100パーセント(100%)流量まで変化し得る。ここで、他の流量が用いられ得る。マクロ成分ポンプ450は、特定の種類のマクロ成分170の特性に合わせて較正され得る。取付具430および440はまた、特定の種類のマクロ成分170の専用にされ得る。
【0031】
流量センサ470は、ポンプ450と連通し得る。流量センサ470は、上述したものと同様であり得る。流量センサ470により、その内部の正確な流量が確実になり、無流状態が検出される。マクロ成分送管480は、ポンプ450および流量センサ470を混合モジュール210に接続させ得る。上述したように、前記システムは「閉ループ」方式で動作可能であり、その場合、流量センサ470は、前記マクロ成分流量を測定し、ポンプ450にフィードバックを提供する。流量センサ470からのフィードバックが無くても容積式ポンプ450が十分なレベルの流量精度を提供できる場合、前記システムは「閉ループ」方式で実行可能である。あるいは、遠隔位置に配置されたマクロ成分源181は、図4Bに示すように、チューブ182を介して雌取付具430に接続され得る。遠隔配置に配置されたマクロ成分源181は、ディスペンサ100の外部に配置され得る。
【0032】
ディスペンサ100は、任意の数のミクロ成分190も含み得る。この例において、32個のミクロ成分源200が用いられ得るが、任意の数が本明細書中用いられ得る。ミクロ成分源200は、取り扱い、貯蔵、および積載を容易にするために、プラスチックまたは段ボール箱内に配置され得る。各ミクロ成分源200は、ミクロ成分ポンプ500と連通し得る。ミクロ成分ポンプ500は、高精度の極めて小用量のミクロ成分190を提供するような、容積式ポンプであり得る。ここで、蠕動ポンプ、ソレノイドポンプ、圧電ポンプなどの類似の種類の装置が用いられ得る。
【0033】
各ミクロ成分源200は、ミクロ成分送管520を介してミクロ成分混合チャンバ510と連通し得る。ミクロ成分混合チャンバ510の使用を図5に示す。ミクロ成分混合チャンバ510は、補助送水管540と連通し得る。補助送水管540は、少量の水120を水源130から方向付ける。水120は、圧力調整器541を通じて源130から補助送水管540内に流れる。圧力調整器541において、当該圧力はおよそ10psi程度まで低減され得る。ここで、他の圧力が用いられ得る。水120は、送水管540を通じて水入口ポート542へと続き、その後中央水路605を通過する。中央水路605は、ミクロ成分混合チャンバ510を通じて延びる。ミクロ成分190はそれぞれ、ミクロ成分混合チャンバ510の中央水チャンバ605内で水120と混合される。水およびミクロ成分の混合物は、出口ポート545を介してミクロ成分混合チャンバ510から出され、ミクロ成分送管550およびオン/オフ弁547の組み合わせを介して混合モジュール210へと送られる。ミクロ成分混合チャンバ510はまた、以下により詳細に説明するようにミクロ成分混合チャンバ510を加圧および減圧するように、三方弁555および空気式入口ポート585を介して二酸化炭素ガスボンベ290と連通し得る。
【0034】
図6〜図9に示すように、ミクロ成分混合チャンバ510は、多層マイクロ流体装置であり得る。各ミクロ成分送管520は、入口ポート取付具560を介してミクロ成分混合チャンバ510と連通し得る。入口ポート取付具560は、成分チャンネル570へと繋がる。成分チャンネル570は、空気式チャンネル590と連通する変位膜580と、中央水路605および組み合わされたミクロ成分送管550へと繋がる一方膜弁600とを有し得る。変位膜580は、エラストマー膜製であり得る。膜580は、一方膜弁600にかかる圧力を低減し得るため、背圧低減手段として機能し得る。一方膜弁600上に背圧がかかると、弁600を通じてミクロ成分190が漏れ得る。一方膜弁600は一般的には、ミクロ成分190が成分チャンネル570を通じて好適な方法で流れる場合を除いて、閉められたままである。変位膜580および一方膜弁600は全て、1つの共通膜で作製され得る。
【0035】
計量分配の開始時において、オン/オフ弁547が開き、水120が低流量であるが、高い直線速度でミクロ混合チャンバ510内に流入し始める。例えば、前記流量は、毎秒約1ミリリットルであり得る。ここで、他の流量が用いられ得る。その後、ミクロ成分ポンプ500は、所望のミクロ成分190のポンプ輸送を開始し得る。図8に示すように、前記ポンプ輸送動作により一方膜弁600が開き、成分190が計量分配されて中央水路605内に入る。ミクロ成分190は水120と共に混合モジュール210へと流れ、ここで組み合わされ、最終製品が生成される。
【0036】
前記計量分配の最終時において、その後ミクロ成分ポンプ500は停止するが、水120はミクロ成分混合器510内に流入し続ける。このとき、空気式チャンネル590は、三方弁555を介して加圧と減圧状態との間で交互に変化し得る。図9に示すように、膜580は加圧されるとたわんで、これにより任意のさらなるミクロ成分190を成分チャンネル570から中央水路605内に移動させる。減圧時、膜580はそのもとの位置に戻り、成分チャンネル570内に若干の減圧を引き込む。この減圧により、一方膜弁600上の残留背圧が無いことが確実になり得る。その結果、弁600が閉じられた状態となり、その内部を通じたキャリーオーバーまたはミクロ成分液漏れが回避されることを確実にすることが支援される。ミクロ成分混合器510を通じた水の流れにより、前記計量分配の終了後に移動したミクロ成分190は、組み合わされたミクロ成分送管550および混合モジュール210へと搬送される。
【0037】
その後、前記計量分配の終了後に移動したミクロ成分は、計量分配後のフラッシュサイクルの一部であるドレーン(これについては、以下に詳細に説明する)へと方向転換され得る。前記計量分配後のフラッシュサイクルが完了した後、調整器541の設定に従って、弁547は閉じ、中央水路605は加圧される。この圧力により、膜弁600はきつく閉じた状態で保持される。
【0038】
図10A〜図13は、混合モジュール210と、その下側に設けられたノズル220とを示す。混合モジュール210は、マクロ成分マニホルド615の一部としての多数のマクロ成分入口ポート610を有し得る。マクロ成分入口ポート610は、HFCS340を含むマクロ成分170に対応し得る。9個のマクロ成分入口ポート610が図示されているが、任意の数のポート610が用いられ得る。各マクロ成分ポート610は、ダックビル弁630により閉められ得る。ここで、他の種類のチェック弁、一方弁またはシーリング弁が用いられ得る。ダックビル弁630により、成分170、190、340および水120の逆流が回避される。8個のポート610が前記マクロ成分用に用いられ、1個のポートがHFCS340用に用いられる。組み合わされたミクロ成分送管550と連通するミクロ成分入口ポート640が、ダックビル弁630を介して混合チャンバ690の上部に入り得る。
【0039】
混合モジュール210は、水入口ポート650と、ノズル220の周囲に配置された炭酸水入口ポート660とを含む。水入口ポート650は、多数の水ダックビル弁670または類似の種類のシーリング弁を含み得る。水入口ポート650は、環状水チャンバ680へと繋がり得る。環状水チャンバ680は、(以下により詳細に説明するような)混合器シャフトを包囲する。環状水チャンバ680は、5個の水ダックビル弁670を介して混合チャンバ690の上部と流体連通する。水ダックビル弁670は、前記チャンバ壁部の内径周囲に配置され、これにより、水ダックビル弁670から出てきた水120がその他の成分ダックビル弁630全てを洗浄するようになっている。その結果、前記計量分配サイクル時において適切な混合が確実に行われ、前記フラッシュサイクル時において適切な洗浄が確実に行われる。ここで、他の種類の分配手段が用いられ得る。
【0040】
混合器700は、混合チャンバ690内に配置され得る。混合器700は、モータ/ギアの組み合わせ710によって駆動される撹拌器であり得る。モータ/ギアの組み合わせ710は、DCモータ、ギア減速ボックスまたは他の従来の種類の駆動手段を含み得る。混合器700は、効果的な混合が得られるように、混合されている成分の性質に応じて可変速度で(典型的には約500〜約1500rpmで)回転する。ここで、他の速度が用いられ得る。混合器700は、異なる粘度および量の成分を完全に組み合わせて、過剰な発泡無く均質な混合物を生成し得る。混合チャンバ690の容積が低減すると、より直接的な計量分配が得られる。混合チャンバ690の直径は、使用可能なマクロ成分170の数によって決定され得る。以下により詳細に説明するようなフラッシュサイクル時の成分の損失を低減するように、混合チャンバ690の内部容積も最小限にとどめられる。混合チャンバ690および混合器700は、前記混合器700が動作しているときに前記フラッシュサイクル時の遠心力に起因してその内部の流体を保持するように、おおむねタマネギ型の形状であり得る。よって、混合チャンバ690は、フラッシュ動作に必要な水の量を最小化する。
【0041】
図14および図15に示すように、炭酸水入口660は、環状炭酸水チャンバ720へと繋がり得る。環状炭酸水チャンバ720は、ノズル220の上方かつ混合チャンバ690の下方に配置される。次に、環状炭酸水チャンバ720は、多数の垂直経路735を介して流れ偏向器730へと繋がり得る。流れ偏向器730は、前記炭酸水の流れを前記混合された水および成分ストリーム内へと方向付け、これによりさらなる混合を促進する。ここで、他の種類の分配手段が用いられ得る。ノズル220自体は、多数の出口740およびその内部に配置されたバッフル745を有し得る。バッフル745は、混合器700から出てきた後の回転成分を有し得る前記流れを直線状にし得る。ノズル220に沿った流れは、視覚的に美しくすべきである。
【0042】
このようにして、マクロ成分170(HFCS340を含む)、ミクロ成分190および水140は、混合器700を介して混合チャンバ690内において混合される。その後、炭酸水140が流れ偏向器730を介して前記混合された成分ストリーム内に噴霧される。前記ストリームがノズル220に沿って降下し続ける間、混合が継続される。
【0043】
計量分配の完了後、最終飲料を得るための成分120、140、170、190、340のポンプ輸送は停止し、混合チャンバ690は、オンにされた混合器700で水でフラッシュ洗浄される。混合器700は、約3〜5秒間にわたって約1500rpmで動作し得、前進運動および後進移動を交互に繰り返して(ウィグワグ動作として知られる)、洗浄を促進させ得る。ここで、最終飲料の性質に応じて、他の速度および時間が用いられ得る。約30ミリリットルの水が、当該飲料の種類に応じて各フラッシュにおいて用いられ得る。混合器700が動作している間、前記フラッシュ水は、遠心力に起因して混合チャンバ690内に残り続ける。前記混合器がオフにされると、混合チャンバ690はドレーン排液する。従って、前記フラッシュにより、一つの飲料が次の飲料にキャリーオーバーする事態を大幅に回避する。
【0044】
図16〜図20は、フラッシュダイバータ750を示す。フラッシュダイバータ750は、ノズル220周囲に配置され得る。図21A〜図21C中に模式的に示すように、フラッシュダイバータ750は、計量分配モード760、フラッシュモード770、およびクリーンインプレイスモード780を有し得る。フラッシュダイバータ750は、計量分配モード760とフラッシュモード770との間で切り替わり動作する。その後、フラッシュダイバータ750は、クリーンインプレイスモード780で取り外され得る。
【0045】
フラッシュダイバータ750は、外部ドレーン800へと繋がるドレーンパン790を含み得る。ドレーンパン790は、ドレーン800に向かう流れを促進するように、角度付けされる。ドレーンパン790は、その内部に配置された計量分配開口部830を含む。計量分配開口部830は、ノズル220からの噴霧を最小化するように上方に角度付けされた縁部840を有する。
【0046】
ドレーンパン790は、計量分配経路810およびフラッシュ経路820を有する。仕切り850が、計量分配経路810をフラッシュ経路820から分離させ得る。仕切り850は、前記フラッシュ水の一部が計量分配開口部830から出てくる可能性を最小化する。フラッシュダイバータ蓋部860は、ドレーンパン790の上方に配置され得る。ノズル220に接続され得るノズルシュラウド870は、蓋部860の蓋部開口部880内で動作するようなサイズにされ得る。ノズルシュラウド870もまた、ノズル220からの噴霧を最小化し得る。
【0047】
フラッシュダイバータ750は、フラッシュダイバータキャリア890上に配置され得る。フラッシュダイバータキャリア890は、ノズル220とアライメントされ得るキャリア開口部831を含む。フラッシュダイバータ750は、多数のギア911と関連して、フラッシュダイバータモータ900により、回転的に(ドレーン800の中心線の垂直軸周囲で旋回して)動作し得る。フラッシュダイバータモータ900は、DCギアモータまたは類似の種類の装置であり得る。ギア911は、ラックアンドピニオン構成または類似の種類の装置における1組のかさ歯車であり得る。フラッシュダイバータ750は、キャリア890が静止状態であり得る間、キャリア890内において回転し得る。図19に示すように、フラッシュダイバータキャリア890も、多数のヒンジ付け点910の周囲において旋回可能であり得る。これらのヒンジ付け点910は、キャリア890のための回転の水平軸を提供するように、前記ディスペンサのフレームに取り付けられる。前記計量分配モードおよびフラッシュモードにおいて、キャリア890は実質的に水平であり得る。前記クリーンインプレイスモードにおいて、キャリア890は実質的に垂直であり得る。前記計量分配モードおよびフラッシュモードにおいて、キャリア開口部831はノズル220と位置合わせされる。
【0048】
図18に示すように、フラッシュダイバータ750は、ノズル220からの不要液だれを捕まえるように、計量分配が開始するまではフラッシュモード770のままであり得る。計量分配が実際に開始する際、フラッシュダイバータ750は、図17に示すようにノズル220がノズルシュラウド870と共に計量分配経路810および計量分配開口部830とに位置合わせされるように、移動する。このようにして、飲料は、フラッシュダイバータ750およびキャリア890からの障害のない経路を有する。フラッシュダイバータ750は、前記計量分配後数秒間はこの位置に留まり、これにより、混合モジュール210がドレーン排液を行えるようにする。その後、フラッシュダイバータ750はフラッシュモード770に戻る。具体的には、ノズル220はフラッシュ経路820上に配置され得る。その後、フラッシュ用流体がノズル220およびドレーンパン790を通過してドレーン800へと到達して、フラッシュ混合チャンバ210およびノズル220をフラッシュ洗浄し、次の飲料中へのキャリーオーバーを最小限にする。ドレーン800は、前記フラッシュ用流体が見えないように、経路配置され得る。
【0049】
クリーンプレースモード780において、フラッシュダイバータ750およびフラッシュダイバータキャリア890は、図19に示すようにヒンジ付け点910の周囲を旋回し得る。その結果、洗浄のためにノズル220へアクセスすることが可能になる。同様に、図20に示すようにフラッシュダイバータ750は洗浄のためにフラッシュダイバータキャリア890から取り外すことができる。
【0050】
ディスペンサ100は、クリーンインプレイスシステム950も含み得る。クリーンインプレイスシステム950は、定期的にかつ/または必要なときにディスペンサ100の部品を洗浄および消毒する。
【0051】
図22に模式的に示すように、クリーンインプレイスシステム950は、2つの位置(すなわち、クリーンインプレイスコネクタ960およびクリーンインプレイスキャップ970)を介して、ディスペンサ100全体と連通し得る。クリーンインプレイスコネクタ960は、マクロ成分源180の近隣のディスペンサ100内に連結され得る。クリーンインプレイスコネクタ960は、三方弁または類似の種類の接続手段として機能し得る。クリーンインプレイスキャップ970は、必要なときにノズル220に取り付けられ得る。図23に示すように、クリーンインプレイスキャップ970はツーピース構造であり得、これにより、その閉モードにおいて、クリーンインプレイスキャップ970はノズル220およびディスペンサ100内に洗浄用流体を再循環させる。その開モードにおいて、クリーンインプレイスキャップ970は、ノズル220からの洗浄用流体を方向転換して、残留流体を全てキャップ970からドレーン排液させる。
【0052】
クリーンインプレイスシステム950は、洗浄用化学物質源990内に配置された1つ以上の洗浄用化学物質980を用い得る。洗浄用化学物質980の例としては、熱湯、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどがある。洗浄用化学物質源990は、洗浄用化学物質980を安全に投入および除去できるよう、多数のモジュールを含み得る。これらのモジュールにより、上記したポンプとの正確な据え付けおよび正確なシーリングが確保される。クリーンインプレイスシステム950はまた、1つ以上の化学殺菌剤1000も含み得る。化学殺菌剤1000の例を挙げると、リン酸、クエン酸、および類似の種類の化学物質がある。化学殺菌剤1000は、1つ以上の化学殺菌剤源1010内に配置され得る。洗浄用化学物質980および化学殺菌剤1000は、1つ以上のクリーンインプレイスポンプ1030を介してクリーンインプレイスマニホルド1020に接続され得る。クリーンインプレイスポンプ1030は従来の設計であり得、単動ピストンポンプ、蠕動ポンプおよび類似の種類の装置を含み得る。洗浄用化学物質源990および化学殺菌剤源1010は、クリーンインプレイスマニホルド1020への専用接続部を有し得る。
【0053】
ヒーター1040が、マニホルド1020の内部に配置され得る。(あるいは、ヒーター1040は、マニホルド1020の外部に配置され得る。)ヒーター1040は、前記流体がヒーター1040の内部を通過する際に前記流体を加熱する。マニホルド1020は、1つ以上の通気孔1050および1つ以上のセンサ1060を有し得る。通気孔1050は、クリーンインプレイスシステム950全体のための圧力逃しを提供し、また、ドレーン排液時の空気入口を提供するためにも用いられ得る。センサ1060により、流体がその内部を通過することが保証され、無流状態が検出され得る。また、センサ1060は、温度、圧力、伝導性、pHおよび他の任意の変数をモニタリングし得る。予測される値を越える変数がある場合、当該変数は、全体として、ディスペンサ100が故障していることを示し得る。
【0054】
従って、クリーンインプレイスシステム950は、クリーンインプレイスマニホルド1020(これはヒーター1040を含む)から弁マニホルド971への回路を提供する。弁マニホルド971は、マクロ成分ポンプ450、混合モジュール210、ノズル220、クリーンインプレイスキャップ970およびCIP再循環管1065を通じてクリーンインプレイスマニホルド1020へと戻って、前記流れをドレーン801、あるいはCIPコネクタ960へと方向付ける。ここで、他の経路が用いられ得る。前記モジュールの一部または全てが同時に洗浄され得る。
【0055】
最初に、フラッシュダイバータ750は前記フラッシュ位置にあり、ディスペンサ100は本質的に図1に示すように構成される。ディスペンサ100を洗浄および消毒するために、第1のステップにおいて、マクロ成分170をフラッシュ洗浄する。図4に示すように、雌取付具430を雄取付具440から切断することにより、マクロ成分源180は前記システムから切断される。これは、CIPコネクタ960を作動させることにより、達成される。CIPコネクタ960の作動により、CIPモジュール950もマクロ成分ポンプ450に接続される。その後、水源130が弁マニホルド971によってオンにされ、マクロ成分ポンプ450がオンにされる。よって、水がクリーンインプレイスシステム950から、CIPコネクタ960、ポンプ450および混合モジュール210を通じて流れる。その後、水はフラッシュダイバータ750を介してドレーン800へとフラッシュされる。マクロ成分190がパージされた後、前記水およびポンプ450は停止し、その後フラッシュダイバータ750は旋回してCIP位置に下方移動し、クリーンインプレイスキャップ970がノズル220に取り付けられる。CIP再循環管1065中の弁1066が開いて、混合モジュール210とクリーンインプレイスマニホルド1020との間の流体連通経路が得られる。クリーンインプレイスキャップ970は、ノズル220から出て行こうとする流体を捉えて、炭酸水ポート660を介してCIP再循環管1065へと送る。CIP再循環管1065はクリーンインプレイスマニホルド1020へと繋がる。その後、フラッシュダイバータ750は洗浄のために取り外すことができる。ここで、ディスペンサ100は、本質的に図22に示すように構成される。
【0056】
次のステップにおいて、前記システム内に熱湯を循環させることにより、マクロ成分170の残留物を前記システムからより完全にフラッシュ洗浄する。その後、水源130をマクロ成分ポンプ450とともに再度オンにする。その後、前記システム中の空気が、クリーンインプレイスマニホルド1020と関連付けられた通気孔1050を介して通気され得る。その後、前記システムが準備完了となると、水源130がオフにされ得、ドレーン801は閉められ得る。マクロ成分ポンプ450はヒーター1040とともにオンにされ、これによりディスペンサ100内に熱湯を循環させる。前記熱湯を循環させた後、ドレーン801が開かれ得、水源130は再度オンにされて、ディスペンサ100内に冷水を循環させて、残留マクロ成分170を含む熱湯を、新しい冷水と交換する。
【0057】
同様の様式で、洗浄用化学物質980がディスペンサ100内に導入され得、循環および加熱され、その後冷水と交換され得る。化学殺菌剤1000も同様に導入、循環および加熱され、その後冷水と交換され得る。クリーンインプレイスキャップ970を取り外した後、CIPコネクタ960の作動を停止させることにより、マクロ成分源180が前記システムに取り付けられ得る。CIPコネクタ960を作動停止させると、CIPモジュール950もマクロ成分ポンプ450から切断される。CIP再循環管1065中の弁1066が閉められて、混合モジュール210とクリーンインプレイスマニホルド1020との間の流体連通が切断される。その後、フラッシュダイバータ750は交換され得、前記フラッシュ/計量分配位置へと旋回され得る。ここでも、ディスペンサ100は本質的に図1に示すような構成にされる。その後、飲料送管が成分と共に準備完了となり得、計量分配が開始可能となる。ここで、他の種類の洗浄技術が用いられ得る。
【0058】
洗浄サイクルと消毒サイクルとの間の間隔は、使用される成分性質に応じて異なり得る。従って、本明細書中記載される洗浄技術は、前記飲料送管の全てではなく一部のみにしか実施する必要がない場合があり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサノズルのためのフラッシュシステムであって、
計量分配位置およびフラッシュ位置を含むフラッシュダイバータと、
前記飲料ディスペンサノズルに対して前記計量分配位置または前記フラッシュ位置のいずれかに前記フラッシュダイバータを方向付けるキャリアと、
を含む、フラッシュシステム。
【請求項2】
前記フラッシュダイバータは、その内部に計量分配経路およびフラッシュ経路を含む、請求項1に記載のフラッシュシステム。
【請求項3】
前記フラッシュダイバータはドレーンパンを含み、前記ドレーンパンはドレーンと連通する、請求項1に記載のフラッシュシステム。
【請求項4】
前記計量分配経路は、その内部に計量分配経路開口部を含む、請求項2に記載のフラッシュシステム。
【請求項5】
前記計量分配経路開口部は、角度付けされた縁部を含む、請求項4に記載のフラッシュシステム。
【請求項6】
前記キャリアは、その内部にキャリア開口部を含む、請求項4に記載のフラッシュシステム。
【請求項7】
前記フラッシュダイバータは、前記計量分配経路と前記フラッシュ経路との間に仕切りを含む。請求項2に記載のフラッシュシステム。
【請求項8】
前記キャリアと連通するモータをさらに含む、請求項1に記載のフラッシュシステム。
【請求項9】
前記キャリアは、ヒンジを含み、前記キャリアがその周囲を回転できる、請求項1に記載のフラッシュシステム。
【請求項10】
ディスペンサノズル周囲においてフラッシュダイバータを動作させる方法であって、
前記フラッシュダイバータを計量分配位置に方向付けるステップと、
前記ディスペンサノズルを通じて第1の流体を流すステップと、
前記フラッシュダイバータをフラッシュ位置に方向付けるステップと、
前記フラッシュダイバータ内の第2の流体をドレーンへと流すステップと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを取り外すステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記フラッシュダイバータをクリーンインプレイス位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを回転して方向付けるステップを含む。請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記フラッシュダイバータを計量分配位置に方向付けるステップは、前記フラッシュダイバータを水平に方向付けるステップを含む。請求項10に記載の方法。
【請求項15】
計量分配位置にある前記フラッシュダイバータを用いて前記ディスペンサノズルを通じて第1の流体を流すステップは、前記第1の流体をフラッシュダイバータ開口部を通じて流すステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
ノズル、成分源、成分送管およびポンプを備えたディスペンサのためのクリーンインプレイスシステムであって、前記クリーンインプレイスシステムは、
内部に洗浄用流体を備えた洗浄用流体源と、
洗浄マニホルドと、
前記ノズルに取付可能な流体経路付け装置と、
前記成分送管上に配置されたコネクタと、
を含み、
前記コネクタは計量分配位置および洗浄位置を含み、
前記流体経路付け装置が前記ノズルに取り付けられかつ前記コネクタが前記洗浄位置にある場合、前記洗浄源は、前記洗浄用流体を前記マニホルドを通じて前記成分送管内へと流し得る、
クリーンインプレイスシステム。
【請求項17】
前記流体経路付け装置は取り外し可能なキャップを含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項18】
前記流体経路付け装置は、流体経路付け装置計量分配位置および流体経路付け装置洗浄位置を含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項19】
前記洗浄用流体は塩基を含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項20】
内部に消毒流体を備えた消毒流体源をさらに含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項21】
前記消毒流体は酸を含む、請求項20に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項22】
前記洗浄マニホルドはヒーターを含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項23】
前記洗浄マニホルドは、流量センサ、温度センサ、圧力センサ、伝導性センサ、および/またはpHセンサを含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項24】
前記洗浄マニホルドは通気孔を内部に含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項25】
水源をさらに含み、前記水源は前記洗浄マニホルドと連通する、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項26】
前記ノズル、前記流体経路付け装置、前記洗浄マニホルド、前記コネクタ、前記成分送管、および前記ポンプを通じた流体回路をさらに含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項27】
前記コネクタは三方コネクタを含む、請求項16に記載のクリーンインプレイスシステム。
【請求項28】
ノズル、成分源、水源、成分送管およびポンプを有するディスペンサを洗浄する方法であって、
前記ノズルおよび前記成分送管においてクリーンインプレイスシステムを接続するステップと、
前記クリーンインプレイスシステム、前記ノズル、前記成分送管、および前記ポンプを通じて洗浄流体または消毒流体を循環させるステップと、
前記水源からの水を前記クリーンインプレイスシステム、前記ノズル、前記成分送管および前記ポンプを通じて循環させるステップと、
を含む、方法。
【請求項29】
前記洗浄または消毒流体を加熱するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記クリーンインプレイスシステムはドレーンを含み、
加熱後に前記洗浄流体または消毒流体を前記ドレーンにパージするステップと、
前記水源から水を前記クリーンインプレイスシステム、前記ノズル、前記成分送管および前記ポンプを通じて循環させるステップと、
前記水を前記ドレーンにパージするステップと、
をさらに含む、請求項29に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2010−533623(P2010−533623A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516111(P2010−516111)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/067212
【国際公開番号】WO2009/012011
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】