飲料分配のための容器
加圧下で飲料を分配するための容器(2)であって、該容器は分配されるべき飲料を受容するための内部空間(4)を備え、圧力制御装置(8)は第1室(16)と、周囲に対して密閉された圧力制御室(50)とを備え、前記第1室には、閉鎖部(33)を有する分配口(32)が設けられ、前記圧力制御室には前記閉鎖部を開放するための駆動手段(17)が設けられ、開放位置で前記第1室と開放連通状態となる流路(35,57,62)が設けられ、前記圧力制御装置は、前記第1室に対して動作方向に移動可能な壁部(49)を備え、該壁部は動作要素(68)を支持し、該動作要素は、前記流路内に、あるいは前記流路に接触して、または前記流路を覆って摺動可能であり、前記第1室と周囲との間のガス供給経路を、特に前記流路の排気口(60)を解放または覆うことによって解放または密閉することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分配のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料分配のための容器であって、容器内部空間の飲料を相対的に一定に保持する圧力制御装置を備える容器は、たとえば、欧州特許第1064221号明細書から公知である。該文献には、容器内部空間に圧力制御装置を有する飲料容器が開示され、該圧力制御装置は圧力媒体を備えるコンパートメントと、容器内部空間に行き渡る圧力に基づいて前記コンパートメントから容器内部に空間圧力媒体の供給を制御するための駆動装置とを含む。該駆動装置によって、容器内部空間の圧力が所望の圧力より降下したときはいつでも、内部空間の圧力が所望の圧力に復帰するように圧力媒体を供給することができる。
【0003】
この公知の飲料容器では、前記駆動装置は、前記圧力媒体を放出するためのバルブを開放または閉鎖する。第1コンパートメントの圧力は相当に低い。なぜなら、その内部に吸着剤および/または圧力媒体吸着剤を含むからである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、導入部分において記載したタイプの飲料分配のための容器を提供することである。
【0005】
第1の態様において、本発明に従う容器は、分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は、第1室と、周囲に対して閉された圧力制御室とを備え、第1室には、閉鎖部を有する排気口が設けられ、圧力制御室には、閉鎖部を開閉するための駆動手段が設けられることを特徴とする。開放位置にあるときに第1室と開放連通状態となる流路が設けられ、圧力制御室は、第1室に対して動作方向に移動可能な壁部を有し、該壁部は、動作要素を支持し、該動作要素は、前記流路内に、あるいは前記流路に接触して、または流路を覆って摺動可能であり、流路の排気口を解放または密封することができ、該排気口は、容器の内部空間において直接的または間接的に終端する。そのような容器では、流路、特に排気口が動作要素によって解放される場合に圧力媒体は解放され、流路、特に排気口が動作要素によって密封されると分配が停止可能である。第1室における圧力媒体の圧力の閉鎖部への影響が少なくとも部分的に除かれる。
【0006】
第2の態様において、容器は、前記圧力制御室が閉鎖部を開放位置に保持するための手段を備えることを特徴とする。その結果、前記第1室内の、圧力媒体の圧力が閉鎖部の開放に及ぼす影響が、使用中に取り除かれる。
【0007】
好ましくは、前記流路は、前記排気口の高さにおいて、動作方向と角度をなす流出方向を有し、該角度は、180度以外の角度、好ましくは30〜150度、さらに特に60〜120度、好ましくはほぼ90度である。その結果、前記移動可能な壁部に対する圧力媒体の圧力および流出の影響が減少する。
【0008】
他の態様において、本発明に従う容器は、前記圧力制御室が、動作方向に摺動可能な第1筐体に含まれ、さらに、第1室に取り付けられた第2筐体に少なくとも部分的に含まれ、第1筐体を第2筐体に対して固定/保持するための固定/保持手段を備えることを特徴とする。第1筐体は、たとえば、非動作位置から動作位置に移動することができ、非動作位置においては、閉鎖部は閉じられ、前記移動可能な壁部および前記動作要素は閉鎖部を開くことが不可能となり、動作位置においては、閉鎖部は開かれ、第1筐体によって開放状態に維持され、第2筐体に対して保持される。
【0009】
別の実施形態において、本発明に従う容器は、前記閉鎖部が流路を含むステムを含み、流路の分配口は、圧力均一化空間において終端し、それによって閉鎖可能であることを特徴とする。前記排気口が開かれた状態では、圧力均一化空間と第1室との間で圧力均一化が起こり、排気口が閉じられたとき、閉鎖部は、開放位置と閉鎖位置との間で、移動可能な壁部によって移動可能である。その結果、第1室内の圧力媒体の影響が、閉鎖部の開閉には実質的に影響を及ぼさないように相殺可能である。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、容器が、分配されるべき飲料を収容するための内部空間を備え、前記圧力制御装置が、第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室とを備え、前記第1室は、閉鎖部を有する分配口を備え、圧力制御室には、少なくとも一部が動作方向に変位することによって前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、前記閉鎖部と前記駆動手段とは、動作方向に相互に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に略同一の圧力を設定するように設計されることを特徴とする。その結果、閉鎖部を動作方向に変位させるために、第1室の圧力媒体の圧力に実質的に依存しない最小限の力のみが必要とされるだけである。
【0011】
さらに他の態様において、本発明は、本発明に従う容器内で使用するための圧力制御装置を特徴とする。そのような圧力制御装置は、容器外に用意され、使用に先立って、容器内または容器上に取り付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、容器および圧力制御装置の典型的な実施形態がより詳細に説明される図面に基づき、さらに明瞭になるであろう。
【図1】本発明に従う容器の第1の実施形態を示す部分的側断面図である。
【図1A】図1に従う容器の別の実施形態を示す部分的側断面図である。
【図2】本発明に従う容器の第2実施形態を示す部分的側断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図3B】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図3C】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図4A】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図4B】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図4C】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図5A】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図5B】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図5C】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図6A】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図6B】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図6C】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図7A】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図7B】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図7C】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図8A】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図8B】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図8C】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図9A】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図9B】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図9C】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図10A】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図10B】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図10C】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図11】本発明に従う容器のさらに異なる実施形態を示す部分的側断面図である。
【図11A】本発明に従う容器のさらに異なる実施形態を示す部分的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において、同一または対応する部分は同一または対応する参照符を有する。図示される実施形態は、一般的な発明の概念を示すために提示されるだけのものであって、限定的に解釈すべきではない。本明細書において、ビールのような炭酸飲料を分配するための容器が起点となる。しかしながら、清涼飲料またはワインのような、他種飲料も分配することができる。
【0014】
図1は、分配されるべき所定量の飲料3が受容される容器2に実施された、本発明に従う装置1を概略的に示す図である。飲料3として、ビールが記載されるが、本発明はそれに限られるものではない。飲料3は、容器2の内部空間4に受容される。容器2は、たとえば数リットルの容積を有する相対的に薄壁の缶として表現されているが、缶は、実際には、所望の、いかなる形状、いかなるサイズ、およびいかなる構成をも持つことができる。図示された実施形態において、缶の容積は、たとえば3〜6リットルであるが、缶は、より小さな容積に対して、または10リットル以上、たとえば25、30、もしくは50リットルの容積に対しても使用されることができる。そのような容器の通例として、飲料3と周囲が接触することを防止するために、内部空間4は周囲に対して密封される。詳述される分配手段7が、飲料3を分配するために備えられている。図1において、分配手段は、上面5の開口6内に設けられるが、異なる位置または異なる面、たとえば側壁に設けられることもできる。さらに、内部空間4内に圧力制御装置8が設けられ、該圧力制御装置は、本実施形態においては分配手段7に懸垂されているが、たとえば図1Aに示されるように容器2の底11に取り付けることもでき、または異なる方法で設けられることができる。原理的には、圧力制御装置は、飲料3内に分離して、または容器2の固定部分として設けることさえできる。ディップチューブ10が設けられ、該ディップチューブは、飲料がすべて分配され得るように、分配手段7から底11の縁に隣接する位置に達する。
【0015】
図示される実施形態において、分配手段7は、蓋または他のバルブ12から上面5の外周を越える位置に達する分配管13を含み、グラスまたは他の入れ物20が分配口の下方に保持され得るように形成される。ディップチューブ10は、バルブ12に接続される。操作ノブ14が設けられ、操作ノブによって、バルブ12が開かれ飲料が加圧下で内部空間4からグラス20に分配されるように、分配管13は下方に移動させられることができる。このような構成の容器は、たとえば、欧州特許第1064221号明細書から公知であり、出願人により、ドラフトケッグ(Draftkeg)の名前で市販されている。
【0016】
このドラフトケッグにおいては、圧力制御装置は、活性炭が充填された第1室の形態で設けられ、第1室は、さらに活性炭によって大部分が吸着されたある量のCO2を含む。結果として、依然としてすべての飲料3を内部空間4から排出させるに充分な量のガスが含まれるが、第1室内のCO2の圧力は相当に低い。圧力制御装置は、駆動手段を備え、該駆動手段によって、飲料が分配される間は、内部空間内の圧力が自動的に所望の駆動圧力に維持される。したがって、この既知の装置は、外部圧力手段を必要としないという利点を有している。しかしながら、場合によっては、活性炭を含むことが長所とならないこともある。それは、たとえば、高価で技術的に複雑であること、活性炭が汚染および廃棄物の問題を引き起こすかもしれないこと、さらに活性炭による/を通したガスの解放が、一般に、圧力制御装置の温度に対して、特にガスおよび活性炭の温度に対して、非常に敏感であるかもしれないことである。さらなる欠点は、圧力制御装置、特に内部にガスを含む第1室が依然として相対的に大きいことであるかもしれない。この既知の圧力制御装置のさらなる欠点は、ガス圧力が駆動手段に作用するということの結果として、駆動手段の挙動が第1室内の圧力、特にその変化によって望ましくない影響を受けることである。
【0017】
本発明に従う装置によれば、高い圧力、特に使用中の圧力変化の影響を受け難い圧力制御装置8が使用される。さらに、活性炭または同様のガス吸着剤および/または吸着手段は、同一容積を有する室内に同一体積のガスをより低い圧力で含むという前述の利点のために、使用可能であるが、必ずしも使用される必要はない。本発明に従う圧力制御装置の実施形態は、図2〜図11に基づいて、さらに詳細に述べられ、それぞれが、たとえば、第1室16と圧力制御手段17とを有する本体15を備え、圧力制御手段は、詳述されるように、ガスを第1室16から制御された方法で分配する駆動手段の機能を果たす。図1において、本体15は、懸架手段18を用いて分配手段7に懸架されている。好ましくは、分配手段7は、圧力制御装置8と共に開口6を通して導入されることができ、それによって開口6は分配手段7によって密封される、あるいは、分配手段は、容器が閉じられる前に、たとえば底部11に配置される。
【0018】
図2において、本発明に従う装置1の別の実施形態が図式的に示される。本実施形態において、装置1は、たとえばスチール製またはプラスティック製の容器2としてもう一度設計され、分配手段7は、たとえば国際公開第9931010号明細書、国際公開第0007927号明細書、または国際公開第2006/000437号明細書から周知のタップ21、もしくは、重力の影響下において飲料を分配するためのビール缶において実際に使用されているようなタップ21を含む。本発明の範囲内で多くの変形が可能であり、タップ21は、任意の所望の位置に設けることができる。図2の破線で示されるように、使用前には、タップ21は、実質的に完全に容器2の内部空間4内に含まれることができる。リップ2を引くことによって、タップ21の内部部分23が筐体24から引き出され、分配口25が解放される。さらに、ディップチューブ10が分配口25と開放連通に入り、ディップチューブを介して飲料は、分配されることができる。
【0019】
図2に示される実施形態において、圧力制御装置8は、開口6が複雑に密封されるように、容器2の上面5の開口6に懸架される。図1および図2における参照符は、以上において言及および詳述されていない場合、図3〜図10に基づいて詳述される。図示されるものは、圧力装置8が、本体15を含み、本体15内に、第1室に加えて第1筐体26と第2筐体27とが含まれる実施形態である。第2筐体27は、第1筐体26を少なくとも部分的に包囲し、本体15に取り付けられる。第2筐体27は、本体15から離れた側面に隣接して隆起部28を備える。開口6は、内部空間4に達する縁部29を含み、前記隆起部は、開口6が密封されるように、嵌合されて受けられ、好ましくは、締め付けられて受けられ、より好ましくは、封止されて受けられる。随意的に、第2筐体と縁部29との間に気密接続を得るために、たとえばプラスティックリングまたはラバーリングのようなガスケット30、接着接合のような密封、または他の閉鎖を設けることができる。第2筐体27において、2つの開口31が、ガスケットより下方に設けられるが、その目的はさらに説明されるであろう。第1筐体26は、以下においてさらに詳細に説明するように、容器2の外部から圧力制御装置を動作させるために、たとえば手または道具によってアクセス可能である。
【0020】
なお、図2〜図10に示される圧力制御装置8のそれぞれ、およびそれらの変形は、図1、図1A、図2、および図11に例示される本発明に従う装置において使用され得る。圧力制御装置の一部の側断面図が、図3〜図10のそれぞれに概略的に示され、最初の使用前の状態(A)、制御装置の動作直後の状態または動作後の休止状態(B)、ガスが第1室から供給されているときの状態(C)がそれぞれに示され、順に、非動作状態、動作閉鎖状態、動作開放状態とする。図示されたそれぞれの実施形態では、第1室16は、少なくとも使用開始時には、加圧ガス、特にCO2が、好ましくは相対的に高圧で、すなわち、5バール以上、さらに特に10〜20バール、または、たとえば30バール以上に圧縮され、液体状態の場合には、たとえば温度20℃においてほぼ50バールに圧縮される。活性炭、ゼオライト、または同様のガス吸着剤および/または吸着物質が前記圧力容器において使用される場合には、上述の圧力が下げられてもよく、または、より多量のガスが導入されてもよい。本明細書においては、特に断らない限り、このことが出発点となる。本明細書でバルブが記載される箇所では、駆動装置によって開放位置と閉鎖位置の間で動作され得る任意の種類のバルブも利用できることを理解すべきである。閉鎖状態において、バルブは、付勢されていることが望ましい。
【0021】
図3A〜図3Cは、第1室16を有する本体15を備える圧力制御装置8の一部を示す。分配口32が本体15内に設けられ、本体15内には分配口32を密封するバルブ33が設けられる。図示された実施形態においては、バルブ33はオス型バルブとして設計されており、それは、ステム34がバルブ33から本体15を越える位置に達することを意味する。第1流路部分35は、開いた第1端からステム34を通って延び、吸気口38がステム34の側面に設けられるように、反対側の第2端37において屈曲される。ステム34の周囲を囲んで、第1室に、閉鎖部39が設けられ、図3Aに図示される閉鎖位置にあるバルブ33と協働して吸気口を閉鎖する。ばね手段(図示せず)は、前記バルブを、この閉鎖位置に付勢させる。そのようなバルブ33自体は、充分に知られており、たとえばエアゾール容器において一般に使用されている。ステム34を前記付勢に抗して、第1室16方向の動作方向Fに、移動させることによって、吸気口38が閉鎖部39の下方に解放され、第1室との間の開放連通が得られる。この開放状態は、図3Bおよび図3Cに示される。ステム34の外側には、第1端36に隣接して、ガスケット40、たとえばOリングが設けられる。
【0022】
第2筐体27は、実質的に円筒形であって、軸線方向に第1長さL1を有し、下端41によって本体15の上に、たとえば丸められた縁部42の下方に保持され、本体15はバルブ33を前記筐体に通常の方法で保持する。結果として、前記筐体は、本体15に対して移動不可能となる。前記下端の反対側に位置する長手方向の縁部43に隣接して、2つの開口31が、たとえば前記筐体の直径方向に向かい合うように設けられる。また、第1筐体26も実質的に円筒形であって、軸線方向に第2長さL2を有するが、向かい合う2つの端部45、46において閉鎖されている。第1筐体の長手方向の壁47において、多くの好ましくは相対的に小さい開口48が、図3Aでは、たとえば、開口31の高さに設けられる。壁部49は、第1筐体の内部空間を、軸線方向に交差して実質的に分離された2つの空間に分割する。壁部49の本体15から離れた側には圧力制御室が設けられ、反対側には、開口48が終端する接続空間51が設けられる。本実施形態においては、前記壁部49は、たとえばプラスティックまたは金属から製造された膜として、かつ変形可能であるように設計される。壁部49と本体から離れた側の端壁45の間には、圧縮ばねの形状でばね要素が設けられ、該ばね要素は、壁部をバルブ33の方向に付勢する。
【0023】
バルブ33に近接する、第1筐体26の前記端部46は、介在要素53によって形成され、介在要素は、第1筐体26と一体に製造されてもよく、または、蓋として設けられることができる。バルブ33に近接する側に、介在要素53に接して、要素55が実質的に円筒形のブッシュの形態で設けられ、気密接続を得るためにステム34と前記閉鎖部41を嵌合する。反対側の面に、介在要素53に接して、第2ステム56が設けられる。これは、好ましくは、前述のステム34と同軸方向に延びる。第2流路部分57は、第2ステム56を通って、バルブ33に隣接する端部58から反対側の端部59へ向かう方向に延び、排気口60が第2ステム56の側面に、隣接する端部59のわずかに下方に設けられるように、端部59において流路57に屈曲が設けられる。第2ステム56の外側の周囲に、2つのガスケット61Aおよび61B、たとえばOリングが、排気口のそれぞれの側に設けられる。第1流路部分35および第2流路部分57は、動作状態において(図3Bおよび図3C)連続する流路62を形成するように直線状に延びる。
【0024】
壁部49のバルブ33に近接する側に、動作手段69の動作要素68が実質的に円筒形のブッシュ63の形態で設けられ、該ブッシュは、第2ステム56、ならびに2つのガスケット61Aおよび62Bを、動作の軸線方向または操作方向Fに摺動することによって、覆って嵌合する。ブッシュ63の壁部64には開口65が動作開放状態(図3C)および、随意的に非動作状態(図3A)において、排気口60の場所にあるような位置に設けられ、このことは、上記の状態においては、流路62と接続空間51との間に遮断されることがない連続経路が存在し、一方、動作閉鎖状態(図3B)においては、開口65は、バルブ33から最も離れた2つのガスケット61Aおよび61Bのうちの一方よりも、バルブ33からさらに遠く離れるように位置づけられることを意味していると解さなければならない。壁部49と第2ステム56の端部59との間の、ブッシュ63内の空間は、好ましくは、圧力の均一化が起こる間は接続空間51と開放連通状態にある。
【0025】
第1筐体26は、その外側に突起66を備え、該突起66は、非動作状態(図3A)においては、第2筐体の長手方向上縁部に、またはその上方に位置するが、動作状態においては、前記突起66は開口31に含まれて係合し、第1筐体の第2筐体に対する更なる軸線方向への移動を防止する。第1筐体外面と第2筐体内面との間には、介在部に隣接してまたは周囲に、摺動閉鎖部67が、第2筐体27と本体15との間の空間70が開口31に対して密封されるように設けられる。類似のガスケットは、第2筐体の開口31よりも上部の外周部分に設けられることができる。これは、特に、図2に従う実施形態では重要である。なぜならガスが周囲に流出することが防止されるからである。
【0026】
図3に従う圧力制御装置8は、以下のように使用することができる。
圧力制御室50内においては、環境の制御圧力P0が行き渡り、圧力P0は、ばね52のばね圧力と協働して、圧力Pcontrolをバルブ33の方向、すなわち動作方向Fに壁部49に及ぼす。第1室16内においては、使用開始時に、内部の純粋CO2などのある量の圧縮ガスの結果として、たとえば12〜16バールの最大圧力P2が行き渡る。接続空間51においては、圧力P1が行き渡り、P1は、たとえば圧力制御室内50内の圧力P0と等しい。第1筐体26は、図3Aに示される非動作状態にあり、介在部53と特にブッシュ55とは、第1ステム34から離れており、したがって、バルブ33は閉鎖されている。
【0027】
その後、第1筐体は、図3Aに示される非動作状態から、たとえばスナップフィンガとして設計される突起が開口31内に係合し第1筐体の逆行を防止する位置まで、バルブ33に向かう軸線方向の動作方向Fに押圧される。ここで、ブッシュ形状の要素55は第1ステム34およびガスケット40を覆って摺動し、したがって、流路62を形成する。この移動の結果として、バルブは開かれ、第1筐体が軸線方向において第2筐体内に閉じ込められていることによってバルブ33は開放状態に留まる。
【0028】
図1に示される実施形態において、第1筐体を非動作位置(図3A)から動作位置(図3Bおよび図3C)に移動させることは、第1筐体が第2筐体内部に押圧され、フィンガ66が開口33に係合する程度まで、容器2の内部空間4内の圧力を増加させることによって行われることができる。これは、開口6を通して少量のCO2を内部空間に注入することによって行われてもよい。図2に示される実施形態においては、これは、第1筐体を、たとえば指または道具を用いてフィンガ66が開口31に係合するまで押し下げることによって行われることができる。随意的に、たとえば第1筐体外側と第2筐体内側に協働するねじ山を設けるなど、第1筐体を動作位置に移動させるために他の手段が設けられることができる。
【0029】
図3Bおよび図3Cに示される動作位置において、流路62は、開口38と排気口60の間に延び、開口38は、常に開かれ、高ガス圧P2と開放連通しており、開口60は、図3Bでは閉鎖位置にあって、ブッシュ63の壁64と2つのガスケット61A、61Bによって密封されている。接続空間51内の圧力P1は、どちらの位置においても、容器2の内部空間4内の圧力に等しい。平衡位置において、この圧力P1は、所望の制御圧力にほぼ等しいであろう、制御圧力は、ラガータイプのビールに対しては、たとえば、ほぼ温度6℃において1.7〜2.1バールであり、これは、飲料内のCO2に対する平衡圧力を制御するために好ましい。その結果、圧力制御室50から壁部49に及ぼされる圧力Pcontrolは、接続空間51から壁部49に及ぼされる圧力(接続空間内に行き渡る圧力P1)と平衡し、それによって、壁部は、排気口60が前述の方法において密封されるように、図3Bに示される中間位置に至らされる。飲料3が容器の内部空間4から注がれるとき、該飲料は閉鎖部12またはタップ21が開放されている場合には圧力P1によって付勢されるが、移動可能な壁部48が動作方向Fのバルブの方向に付勢されるように、内部空間内の圧力P1が降下し、それによって、図3Cに示すように、高圧力P2のガスが接続空間51へ流出し、そこから内部空間4に流出するように、排気口60が開口65の位置において解放されるまで、ブッシュ63が第2ステムを覆って摺動する。結果として、内部空間4内および接続空間51内の圧力は、再び上昇し、それによって、高圧力下でのガス供給が停止されるように、前記壁部49は図3Bに示される平衡位置に戻るように付勢される。このようにして、内部空間4内の圧力は、ほぼ制御圧力に自動的に維持される。
【0030】
前記高ガス圧P2および/またはバルブ33の閉鎖圧力は、壁部49の移動またはバルブ33の開放に対して、仮にあったとしても、ほとんど影響することはない。図示された実施形態では、これは、少なくとも、排気口からのガス流出Gが動作方向Fならびに/または第1および第2筐体の長手方向、および/または軸線方向とαの角をなすことによって達成される。その結果、高い圧力が使用されることができ、たとえば飲料分配中における有効なガス量の減少による、第1筐体内の圧力P2の変化は、注出挙動または随意的な飲料の炭酸成分に影響しない。
【0031】
図4A〜図4Cでは、図3に従う圧力制御装置に類似の圧力制御装置の実施形態が示されている。基本的に、両者の差異のみが詳述される。オス型バルブの換わりにメス型バルブ33が使用される。メス型バルブによって、前記(第1)ステム34は、バルブ33には接続されず、介在要素53のような動作装置に接続される。バルブ33は、開口32の下方にトレイ型部分71を含み、該トレイ型部分は、たとえばばね(図示せず)および/またはガス圧P2によって、長手方向の縁が閉鎖部39に付くように押圧され、その位置から前記ステム34によって、ステム34内の流路62と第1室が開放連通するように押圧されることができる。このようなメス型バルブは、一般的に知られている。本実施形態では、第1ステム34は、介在要素53のバルブ33に近接する側から第2ステム56に沿って延び、前述のように、連続する流路62が吸気口38および排気口60と共に得られ、流路内の第1ステム吸気口側の屈曲は省略される。本実施形態において、第1ステム34は、開口32を通り、前記部分71内に押圧され、閉鎖部39のこの部分を閉じた状態で押圧し、閉じた状態で保持する。その後、前述の方法によって、内部空間内の圧力が制御される。
【0032】
図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Cにおいて、オス型およびメス型バルブを有する圧力制御装置8がそれぞれ示されており、これは、特に膜として設計された壁部49が、ここではピストンの形状を有し、一方、介在要素53は、これもまた固定部分、たとえば溶接または接着された蓋であってもよいが、第1筐体の下側に別個の部分として設けられる、という点において、図3および図4に示されている実施形態とはそれぞれ異なっている。ピストン72は、底壁73および周壁74を有し、該周壁は、バルブ33から離間する方向に延び、その外側に第1筐体26内部を密封する閉鎖部76が設けられる。ピストン72と第1筐体26の間に、再び、圧力制御装置8が閉じ込められている。ピストン72のストロークは、好ましくは、バルブから離れる方向には、筐体56の上縁45によって制限され、下方では、介在部分53および/または第2ステム63によって制限される。
【0033】
図7A〜図7C、および図8A〜図8Cにおいては、本発明に従う圧力制御装置のさらなる変形が図示されており、再び、オス型およびメス型を有する形態がそれぞれ示されている。本実施形態では、第2筐体27は、壁74を備え、該壁は、前記筐体27の軸線方向に略垂直な方向に延び、バルブ33に隣接し、オス型バルブ33のステム34とガスケット41とを覆って嵌合するブッシュ55(図7)、または、下方に延び開口32を通過し部分71内部に達する第1ステム34を備える。したがって、本実施形態では、バルブ33は、第2筐体によって開放されかつ開放状態が維持される。第2ステム56は、第1ステムとは反対方向に、第2筐体の軸線方向の長さL1および第1筐体の軸線方向の長さL2と比較して相対的に大きな長さにわたって延び、流路62を含む。流路62は、それぞれ、図3および図5、または図4および図6に従う流路とほぼ同一形状を有する。第2ステム56の周囲に、自由端59に隣接して、再びガスケット61A,62Bが、開口60の両側に設けられる。
【0034】
本実施形態において、第1筐体は、移動可能な壁部を形成する横壁49を有する周壁47を備える。横壁49は、その中心に実質的に円筒形であり、両端が開いており、第1ステムと同軸方向に延びるブッシュ63を有する。ブッシュは、バルブ33から離れた一端63Aに隣接して、その内部に拡張部分75を備え、ガスケット61のうちの1つ、特に、バルブ33から最も遠くに位置するガスケット61が拡張部分に位置する場合を除いて摺動閉鎖が得られるように、第2ステム56とガスケット61を覆って嵌合する。第1筐体は、ガスケット76と協働して第2筐体27内部に対して摺動するように密封し、実際には、ピストンを形成する。
【0035】
前記横壁49とピストンとして機能する前記第1筐体26との間に、圧力制御室50が含まれる。圧力制御室の内において、使用中には、平衡状態において、制御圧力P3が行き渡るが、非動作位置(図7A,8A)においては、圧力制御室に行き渡る圧力は、ほぼ大気圧であるか、または少なくとも制御圧力よりは小さい。圧力制御装置を動作位置に移動させるときに、制御圧力をもたらすように、圧力制御室50内に存在するガスは圧縮される。図7Bおよび図8Bから明らかなように、動作閉鎖位置において、拡張部分75は、2つのガスケット61A,62Bの間の、排気口60の高さに位置し、そのため、ガスは、排気口から周囲に流出できず、特に、容器2の内部空間には流出できない。
【0036】
第2筐体は、長手方向上縁部45に隣接して、以前の図における開口31に類似した機能を果たす空洞31Aを備えるが、さらに詳述するように、空洞31Aは、わずかな軸線方向の摺動を許容する。さらに、前記上縁部45と前記空洞31Aの間に、開口31Bが設けられ、圧力制御装置が図7Aおよび図8Aに示される非動作状態にあるときは、開口31B内に第1筐体26のフィンガ突起66のような凸部が係合できる。図7Bおよび図8Bに図示されるような、動作閉鎖位置において、少なくとも所望の制御圧力(たとえば、ラガービールの場合には概ね1.4〜2.3バール)にほぼ等しい、容器2内に行き渡る圧力P1は、少なくとも圧力制御室50内の圧力に等しい圧力を壁部49に及ぼす。結果として、第1筐体26は、バルブ方向に最大限に押圧され、その状態においては、排気口60は前述のように周囲に対して密封される。飲料が内部空間4から排出されるときには、または、その圧力が他の理由によって、たとえば冷却時に下降するときには、バルブから離れた側から壁部49にかかる圧力は降下し、第1筐体26は、バルブから離れる方向に、図7Cに示されるように、前記突起66が開口の長手方向の縁、少なくとも空洞31Aの縁に衝突するまで押圧される。結果として、第1室から容器の内部空間に至る流路62を通る経路Xが、拡張部とブッシュ端部を介して解放される。
【0037】
バルブ33の替わりに、異なる種類の閉鎖部、たとえば第1筐体内に圧入され、ガス圧のために制御装置が動作位置に至るまで閉鎖状態を維持する、一度に限り開放されるべき栓、あるいは、シールのように貫通可能な閉鎖部、栓、または膜が使用できることが明らかであろう。第1室を有する本体として、ホイップクリーム缶、炭酸水のような、市販のCO2カートリッジも使用でき、該カートリッジは、第2筐体に、たとえばステム34に対する底面から簡単にねじ込むことができ、そして、前述の方法で貫通されることができる。
【0038】
図7および図8に示される制御では、第1筐体は、たとえばバルブ、貫通部のようなものを圧入することによって、ビール工場において既に開放しておくこともできるが、制御室は、制御室とピストンの位置の結果として、使用の際にのみ圧力がかけられる。
【0039】
図9A〜図9Cは、図5A〜図5Cに図示される圧力制御装置と幾分類似しているが介在要素53が省略された、本発明に従う圧力制御装置8のさらなる詳細を示す。本実施形態において、使用に先立ち、第1ステム34内部の流路62は、第2端36が、たとえば貫通可能シールによって密封される。流路は、第1室内部に達している。ピストンの一部としてもう一度設計された壁部49に設けられるブッシュ63の内部に、針78または類似の鋭利な要素が設けられ、駆動装置が非動作位置(図9A)にあるときには、前記シール77から離れて位置する。第1筐体が前述のように動作位置に至るとき(図9Bおよび図9C)、針78はシール77を貫通して押圧される。動作閉鎖位置(図9B)において、針78は、動作開放位置(図9C)と比較して幾分後退しており、そのため、閉鎖位置においては、ガスが、高圧力P2の下で第1筐体16から流路62を経由しブッシュ63によって密閉された空間79に流入する。その結果、圧力の均一化が起こり、ガスは、ステム34の両端をほぼ等しい強さで押圧する。これは、接続空間51(容器2の内部空間4)内の圧力P1が圧力制御室50内の駆動圧力P3以下に降下したとき、移動可能な壁部49は、ステム34が下方にすなわち第1筐体の方向に押圧される方向である動作方向Fの方向に移動されることを意味する。本実施形態において、前記ステム34は、その外側に収縮部80を有し、該収縮部は、動作閉鎖位置においては閉鎖39より上部に位置し、開口32は閉鎖される。ステム34が押し下げられたとき、収縮部80は、少なくとも部分的に前記閉鎖部の位置に到達し、そのため、ガスは、高圧力P2の下で、ステムを通過し、接続空間51に抜け、開口48を経由し、容器2の内部空間3に抜ける。前記ステムの両端に実質的に同じ圧力が行き渡ると、この圧力はガスの流出経路を開放するために必要とされる力には実質的に影響しない。ステム34が、たとえばばね(図示せず)によって、閉鎖位置に付勢されている場合、ステム34の端部表面の適切な選択によって、前記付勢は相殺され、ばね力もまたガスの流出経路を開放するために必要とされる力には実質的に影響しない。使用中、前記ステム34の両端に加えられる逆向きの力は、ほぼ相殺され、容器内または第1室内に行き渡る圧力には関係しない。
【0040】
図10A〜図10Cは、本発明に従う圧力制御装置8のさらに異なる実施形態を示し、圧力制御装置は、実質的に図3に示される構成と類似の構成を有する。ここで、第2筐体27は、第1筐体に近接する第1端41に隣接して開口81を有し、第1筐体が本体15に直接取り付けられ、少なくとも軸線方向Fにおいて、本体15に保持されるように、第2筐体は開口81を通り第1筐体の一部に達する。第1筐体は、膜として設計された移動可能な壁39のおおよその位置に、ショルダ82を備え、ショルダ82の上部には多くの空洞31Aが設けられる。第2筐体27は、開口81の直ぐ上に、空洞31Aに係合できるスナップフィンガ66を備える。非動作位置(図10A)において、前記スナップフィンガ66は、空洞の幾分上部に位置する。第1筐体のショルダ82より上部の部分の周囲に、ガスケット67が設けられ、第2筐体内部に対して摺動閉鎖を形成し、第2筐体の上側は端壁83によって閉鎖されている。結果として、第1筐体26と第2筐体27の間に、容積が可変である閉鎖された圧力制御室50が得られ、非動作位置(図10A)においては、たとえば、大気圧である、相対的に低い圧力P0が行き渡る。第1ステム34に、加圧要素84、たとえば皿状要素、が取り付けられ、加圧要素84の軸線方向の摺動がステム34の軸線方向変位、すなわち、バルブ33の開放または閉鎖をもたらす。加圧要素84は、少なくともその長手方向縁部85の一部が、第2筐体の第1端41の下方にある。壁部49に取り付けられるブッシュ63は、もう一度、ステム34とガスケット61A、61Bを覆って摺動し、第1室から流路62と排気口60を経由し、開口65を通過し、接続空間51と容器2の内部空間3までのガス流出経路を密封または開放するための開口65を備える。ブッシュ63と壁部49の間に、経路86が設けられ、経路86は、前記空間79と接続空間51の間に毎回圧力の均一化が起こり得るように、ブッシュ内部の空間79に達する。
【0041】
本実施形態では、前記スナップフィンガが空洞31Aに係合するように、第2筐体27が軸線動作方向Fに変位されるとき、前記装置は、非動作位置(図10A)から動作位置(図10BおよびC)に至る。そして、圧力制御室内の圧力は、少なくとも動作、閉鎖位置(図10B)においては、所望の制御圧力Pcontrolまで増加し、加圧要素84は、軸線方向に移動され、したがって、バルブ33は開放され開放状態が維持される。この動作閉鎖位置において、ブッシュ63は、高圧力P2下のガスの流出経路を遮断するように、ステム34に相対する位置にある。内部空間3、および、したがって、接続空間51の圧力が降下すると、壁部49は、ブッシュによって軸線方向Fに、本体15に向かって移動され、内部空間3の前記圧力P1が所望の値に復帰するように、流出経路が開放される。
【0042】
図3〜図10に示される実施形態においては、それぞれ、2つの動作位置に加えて、非動作位置が示されている。しかしながら、そのような非動作位置をとらないように、圧力制御装置8、特に駆動装置または制御装置を圧力制御装置へ設計することもできる。これは、たとえば、組立直後または組立中でさえ、圧力制御装置が、多量のガスが漏れることなく所望のガス圧が行き渡るまたは設定可能である環境中にある場合である。これは、たとえば、圧力制御装置が、飲料充填装置と調和して組み立てられ、少なくとも配置され、容器に導入される場合である。そのような実施形態において、第1および第2筐体は、固定位置において直接結合されることができ、または一体化させることさえできる。ここで、駆動制御装置または圧力制御装置90を本体15に配置するということは、バルブが開放されること、および/または制御装置が動作状態におかれるという結果をもたらす。しかしながら、非動作位置は、圧力制御装置を、たとえば大気圧下において長期間にわたり保管することができ、したがって、製造された制御装置を充填装置のラインを外れた容器に取り付けることができるという利点を有することができる。
【0043】
図示された実施形態では、圧力制御装置が、少なくともその一部分に容器2の外部からアクセス可能であるように、図2に示されるような位置に取り付けられるとき、圧力制御装置は機械的に、たとえばユーザの手動によって(非動作位置から)動作させることができる。圧力制御装置が完全にまたは部分的に容器の内部空間に含まれている場合、圧力制御装置の動作は、一時的に容器内の圧力を相対的に高いレベルまで、少なくとも制御圧力以上まで上昇させることによって行うこともでき、この圧力の結果として、圧力制御装置は、直接に動作位置に位置することを強制される。そのような過剰圧力は、たとえば、飲料が充填された容器の上部空間にある量の追加のCO2を導入することによって得ることができる。これは、所望の圧力上昇をもたらし、その後、たとえば飲料に吸収されおよび/または注出手段7の最初の開放と共に排出されるであろう。上部空間は、飲料の量と比較して相対的に小さいために、必要とされるガスは少量である。
【0044】
図11は、本発明に従う装置1の別の実施形態を示す、容器上側表面に上環90が取り付けられ、該上環90は前記上側表面5の幾分上部に達する。本実施形態において、タッピング装置91は、たとえば、国際公開第02/42197号明細書に記載されているように使用され、レバー形状を有する動作ノブ14が設けられ、それによって分配管13がバルブ12を開放するために下げられる。さらなる詳述のために、国際公開第02/42197号明細書と、そこに引用され組み込まれていると理解される文献とが参照される。前記上側表面5には、圧力制御装置8が取り付けられる。本実施形態において、第2筐体27は上面5の開口に、たとえば、継ぎ接続、接着、クランプ、または別の適切な技術の使用によって保持される。結果として、開口は、気密に密封されるが、開口31は内部空間4内にある。第1筐体16は、非動作位置におかれ、第1室16を有する本体は、実施形態においては、たとえば既知のガスカートリッジとして示されているが、別個に容器に供給される、または第1筐体に既に取り付けられていてもよい。本実施形態においては、非動作位置において、図11Aの左図に示すように、第1筐体は、前記第1端に近接した開口31の側に位置する。前記スナップフィンガ66は、先の実施形態と比較すると、反対方向を向いている。圧力制御装置を動作位置に至らせるために、第1筐体を有する本体15は、ビール工場または瓶詰め工場において取り付けられない場合は、たとえばねじ、クランプ、バイオネット、または異なる方法で、ブッシュの内部に配置される。その後、本体15は、第1筐体26と共に、第2筐体の少なくとも部分的に閉じられた第2端の方向に押圧され、前記スナップフィンガ66は、開口31に係合し、第1筐体の上端45は、第2筐体の内部に接する。ここで、第1筐体の第2端45は、幾分球面状であって、非動作位置においては可撓性を有することが望ましい(図11A左図)。これは、動作位置に向かう移動の結果として、第2端の湾曲が部分的にまたは完全につぶされ、第1筐体内の圧力制御室の体積が減少し、制御圧力Pcontrolが設定される。
【0045】
本発明に従う装置では、原理的に、圧力制御装置のバルブ33を常に開放できる。ここで、このバルブ33のばねは、さらにより良好な制御挙動が得られるように、第1室16からガスを分配するために必要とされる力には影響しない。代替案として、バルブ33は、たとえば、膜または栓などの貫通可能シール、たとえば栓、バルブまたは当業者にとって直接に明らかな別の手段などの押しのけることができる閉鎖部などの、恒久的に開放され得る、または恒久的に開放され得ない別の閉鎖部に置換することができる。
【0046】
本発明は、明細書および図面で示された実施形態に限定されない。これらの実施形態は、説明するためのものであって、請求項に要約されるように、本発明の枠組みの範囲内で多様な変形が可能である、その中でも、特に、図示された実施形態の部分を組み合わせることも可能である。本発明に従う圧力制御装置は、完全に、または部分的に容器の内部空間に含まれることができるが、既知であるケッグのタッピングロッドまたは、図2に従う形態に類似し慣例から知られているような、グラビティ缶の充填口に接続することができる。これらの形態や類似した変形も本発明の範囲内とされる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分配のための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料分配のための容器であって、容器内部空間の飲料を相対的に一定に保持する圧力制御装置を備える容器は、たとえば、欧州特許第1064221号明細書から公知である。該文献には、容器内部空間に圧力制御装置を有する飲料容器が開示され、該圧力制御装置は圧力媒体を備えるコンパートメントと、容器内部空間に行き渡る圧力に基づいて前記コンパートメントから容器内部に空間圧力媒体の供給を制御するための駆動装置とを含む。該駆動装置によって、容器内部空間の圧力が所望の圧力より降下したときはいつでも、内部空間の圧力が所望の圧力に復帰するように圧力媒体を供給することができる。
【0003】
この公知の飲料容器では、前記駆動装置は、前記圧力媒体を放出するためのバルブを開放または閉鎖する。第1コンパートメントの圧力は相当に低い。なぜなら、その内部に吸着剤および/または圧力媒体吸着剤を含むからである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、導入部分において記載したタイプの飲料分配のための容器を提供することである。
【0005】
第1の態様において、本発明に従う容器は、分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は、第1室と、周囲に対して閉された圧力制御室とを備え、第1室には、閉鎖部を有する排気口が設けられ、圧力制御室には、閉鎖部を開閉するための駆動手段が設けられることを特徴とする。開放位置にあるときに第1室と開放連通状態となる流路が設けられ、圧力制御室は、第1室に対して動作方向に移動可能な壁部を有し、該壁部は、動作要素を支持し、該動作要素は、前記流路内に、あるいは前記流路に接触して、または流路を覆って摺動可能であり、流路の排気口を解放または密封することができ、該排気口は、容器の内部空間において直接的または間接的に終端する。そのような容器では、流路、特に排気口が動作要素によって解放される場合に圧力媒体は解放され、流路、特に排気口が動作要素によって密封されると分配が停止可能である。第1室における圧力媒体の圧力の閉鎖部への影響が少なくとも部分的に除かれる。
【0006】
第2の態様において、容器は、前記圧力制御室が閉鎖部を開放位置に保持するための手段を備えることを特徴とする。その結果、前記第1室内の、圧力媒体の圧力が閉鎖部の開放に及ぼす影響が、使用中に取り除かれる。
【0007】
好ましくは、前記流路は、前記排気口の高さにおいて、動作方向と角度をなす流出方向を有し、該角度は、180度以外の角度、好ましくは30〜150度、さらに特に60〜120度、好ましくはほぼ90度である。その結果、前記移動可能な壁部に対する圧力媒体の圧力および流出の影響が減少する。
【0008】
他の態様において、本発明に従う容器は、前記圧力制御室が、動作方向に摺動可能な第1筐体に含まれ、さらに、第1室に取り付けられた第2筐体に少なくとも部分的に含まれ、第1筐体を第2筐体に対して固定/保持するための固定/保持手段を備えることを特徴とする。第1筐体は、たとえば、非動作位置から動作位置に移動することができ、非動作位置においては、閉鎖部は閉じられ、前記移動可能な壁部および前記動作要素は閉鎖部を開くことが不可能となり、動作位置においては、閉鎖部は開かれ、第1筐体によって開放状態に維持され、第2筐体に対して保持される。
【0009】
別の実施形態において、本発明に従う容器は、前記閉鎖部が流路を含むステムを含み、流路の分配口は、圧力均一化空間において終端し、それによって閉鎖可能であることを特徴とする。前記排気口が開かれた状態では、圧力均一化空間と第1室との間で圧力均一化が起こり、排気口が閉じられたとき、閉鎖部は、開放位置と閉鎖位置との間で、移動可能な壁部によって移動可能である。その結果、第1室内の圧力媒体の影響が、閉鎖部の開閉には実質的に影響を及ぼさないように相殺可能である。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、容器が、分配されるべき飲料を収容するための内部空間を備え、前記圧力制御装置が、第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室とを備え、前記第1室は、閉鎖部を有する分配口を備え、圧力制御室には、少なくとも一部が動作方向に変位することによって前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、前記閉鎖部と前記駆動手段とは、動作方向に相互に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に略同一の圧力を設定するように設計されることを特徴とする。その結果、閉鎖部を動作方向に変位させるために、第1室の圧力媒体の圧力に実質的に依存しない最小限の力のみが必要とされるだけである。
【0011】
さらに他の態様において、本発明は、本発明に従う容器内で使用するための圧力制御装置を特徴とする。そのような圧力制御装置は、容器外に用意され、使用に先立って、容器内または容器上に取り付けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、容器および圧力制御装置の典型的な実施形態がより詳細に説明される図面に基づき、さらに明瞭になるであろう。
【図1】本発明に従う容器の第1の実施形態を示す部分的側断面図である。
【図1A】図1に従う容器の別の実施形態を示す部分的側断面図である。
【図2】本発明に従う容器の第2実施形態を示す部分的側断面図である。
【図3A】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図3B】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図3C】本発明の第1実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図4A】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図4B】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図4C】本発明の第2実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図5A】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図5B】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図5C】本発明の第3実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図6A】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図6B】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図6C】本発明の第4実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図7A】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図7B】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図7C】本発明の第5実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図8A】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図8B】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図8C】本発明の第6実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図9A】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図9B】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図9C】本発明の第7実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図10A】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、非動作状態を示す。
【図10B】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作閉鎖状態を示す。
【図10C】本発明の第8実施形態に従う圧力制御装置の一部を示す側断面図であって、動作開放状態を示す。
【図11】本発明に従う容器のさらに異なる実施形態を示す部分的側断面図である。
【図11A】本発明に従う容器のさらに異なる実施形態を示す部分的側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において、同一または対応する部分は同一または対応する参照符を有する。図示される実施形態は、一般的な発明の概念を示すために提示されるだけのものであって、限定的に解釈すべきではない。本明細書において、ビールのような炭酸飲料を分配するための容器が起点となる。しかしながら、清涼飲料またはワインのような、他種飲料も分配することができる。
【0014】
図1は、分配されるべき所定量の飲料3が受容される容器2に実施された、本発明に従う装置1を概略的に示す図である。飲料3として、ビールが記載されるが、本発明はそれに限られるものではない。飲料3は、容器2の内部空間4に受容される。容器2は、たとえば数リットルの容積を有する相対的に薄壁の缶として表現されているが、缶は、実際には、所望の、いかなる形状、いかなるサイズ、およびいかなる構成をも持つことができる。図示された実施形態において、缶の容積は、たとえば3〜6リットルであるが、缶は、より小さな容積に対して、または10リットル以上、たとえば25、30、もしくは50リットルの容積に対しても使用されることができる。そのような容器の通例として、飲料3と周囲が接触することを防止するために、内部空間4は周囲に対して密封される。詳述される分配手段7が、飲料3を分配するために備えられている。図1において、分配手段は、上面5の開口6内に設けられるが、異なる位置または異なる面、たとえば側壁に設けられることもできる。さらに、内部空間4内に圧力制御装置8が設けられ、該圧力制御装置は、本実施形態においては分配手段7に懸垂されているが、たとえば図1Aに示されるように容器2の底11に取り付けることもでき、または異なる方法で設けられることができる。原理的には、圧力制御装置は、飲料3内に分離して、または容器2の固定部分として設けることさえできる。ディップチューブ10が設けられ、該ディップチューブは、飲料がすべて分配され得るように、分配手段7から底11の縁に隣接する位置に達する。
【0015】
図示される実施形態において、分配手段7は、蓋または他のバルブ12から上面5の外周を越える位置に達する分配管13を含み、グラスまたは他の入れ物20が分配口の下方に保持され得るように形成される。ディップチューブ10は、バルブ12に接続される。操作ノブ14が設けられ、操作ノブによって、バルブ12が開かれ飲料が加圧下で内部空間4からグラス20に分配されるように、分配管13は下方に移動させられることができる。このような構成の容器は、たとえば、欧州特許第1064221号明細書から公知であり、出願人により、ドラフトケッグ(Draftkeg)の名前で市販されている。
【0016】
このドラフトケッグにおいては、圧力制御装置は、活性炭が充填された第1室の形態で設けられ、第1室は、さらに活性炭によって大部分が吸着されたある量のCO2を含む。結果として、依然としてすべての飲料3を内部空間4から排出させるに充分な量のガスが含まれるが、第1室内のCO2の圧力は相当に低い。圧力制御装置は、駆動手段を備え、該駆動手段によって、飲料が分配される間は、内部空間内の圧力が自動的に所望の駆動圧力に維持される。したがって、この既知の装置は、外部圧力手段を必要としないという利点を有している。しかしながら、場合によっては、活性炭を含むことが長所とならないこともある。それは、たとえば、高価で技術的に複雑であること、活性炭が汚染および廃棄物の問題を引き起こすかもしれないこと、さらに活性炭による/を通したガスの解放が、一般に、圧力制御装置の温度に対して、特にガスおよび活性炭の温度に対して、非常に敏感であるかもしれないことである。さらなる欠点は、圧力制御装置、特に内部にガスを含む第1室が依然として相対的に大きいことであるかもしれない。この既知の圧力制御装置のさらなる欠点は、ガス圧力が駆動手段に作用するということの結果として、駆動手段の挙動が第1室内の圧力、特にその変化によって望ましくない影響を受けることである。
【0017】
本発明に従う装置によれば、高い圧力、特に使用中の圧力変化の影響を受け難い圧力制御装置8が使用される。さらに、活性炭または同様のガス吸着剤および/または吸着手段は、同一容積を有する室内に同一体積のガスをより低い圧力で含むという前述の利点のために、使用可能であるが、必ずしも使用される必要はない。本発明に従う圧力制御装置の実施形態は、図2〜図11に基づいて、さらに詳細に述べられ、それぞれが、たとえば、第1室16と圧力制御手段17とを有する本体15を備え、圧力制御手段は、詳述されるように、ガスを第1室16から制御された方法で分配する駆動手段の機能を果たす。図1において、本体15は、懸架手段18を用いて分配手段7に懸架されている。好ましくは、分配手段7は、圧力制御装置8と共に開口6を通して導入されることができ、それによって開口6は分配手段7によって密封される、あるいは、分配手段は、容器が閉じられる前に、たとえば底部11に配置される。
【0018】
図2において、本発明に従う装置1の別の実施形態が図式的に示される。本実施形態において、装置1は、たとえばスチール製またはプラスティック製の容器2としてもう一度設計され、分配手段7は、たとえば国際公開第9931010号明細書、国際公開第0007927号明細書、または国際公開第2006/000437号明細書から周知のタップ21、もしくは、重力の影響下において飲料を分配するためのビール缶において実際に使用されているようなタップ21を含む。本発明の範囲内で多くの変形が可能であり、タップ21は、任意の所望の位置に設けることができる。図2の破線で示されるように、使用前には、タップ21は、実質的に完全に容器2の内部空間4内に含まれることができる。リップ2を引くことによって、タップ21の内部部分23が筐体24から引き出され、分配口25が解放される。さらに、ディップチューブ10が分配口25と開放連通に入り、ディップチューブを介して飲料は、分配されることができる。
【0019】
図2に示される実施形態において、圧力制御装置8は、開口6が複雑に密封されるように、容器2の上面5の開口6に懸架される。図1および図2における参照符は、以上において言及および詳述されていない場合、図3〜図10に基づいて詳述される。図示されるものは、圧力装置8が、本体15を含み、本体15内に、第1室に加えて第1筐体26と第2筐体27とが含まれる実施形態である。第2筐体27は、第1筐体26を少なくとも部分的に包囲し、本体15に取り付けられる。第2筐体27は、本体15から離れた側面に隣接して隆起部28を備える。開口6は、内部空間4に達する縁部29を含み、前記隆起部は、開口6が密封されるように、嵌合されて受けられ、好ましくは、締め付けられて受けられ、より好ましくは、封止されて受けられる。随意的に、第2筐体と縁部29との間に気密接続を得るために、たとえばプラスティックリングまたはラバーリングのようなガスケット30、接着接合のような密封、または他の閉鎖を設けることができる。第2筐体27において、2つの開口31が、ガスケットより下方に設けられるが、その目的はさらに説明されるであろう。第1筐体26は、以下においてさらに詳細に説明するように、容器2の外部から圧力制御装置を動作させるために、たとえば手または道具によってアクセス可能である。
【0020】
なお、図2〜図10に示される圧力制御装置8のそれぞれ、およびそれらの変形は、図1、図1A、図2、および図11に例示される本発明に従う装置において使用され得る。圧力制御装置の一部の側断面図が、図3〜図10のそれぞれに概略的に示され、最初の使用前の状態(A)、制御装置の動作直後の状態または動作後の休止状態(B)、ガスが第1室から供給されているときの状態(C)がそれぞれに示され、順に、非動作状態、動作閉鎖状態、動作開放状態とする。図示されたそれぞれの実施形態では、第1室16は、少なくとも使用開始時には、加圧ガス、特にCO2が、好ましくは相対的に高圧で、すなわち、5バール以上、さらに特に10〜20バール、または、たとえば30バール以上に圧縮され、液体状態の場合には、たとえば温度20℃においてほぼ50バールに圧縮される。活性炭、ゼオライト、または同様のガス吸着剤および/または吸着物質が前記圧力容器において使用される場合には、上述の圧力が下げられてもよく、または、より多量のガスが導入されてもよい。本明細書においては、特に断らない限り、このことが出発点となる。本明細書でバルブが記載される箇所では、駆動装置によって開放位置と閉鎖位置の間で動作され得る任意の種類のバルブも利用できることを理解すべきである。閉鎖状態において、バルブは、付勢されていることが望ましい。
【0021】
図3A〜図3Cは、第1室16を有する本体15を備える圧力制御装置8の一部を示す。分配口32が本体15内に設けられ、本体15内には分配口32を密封するバルブ33が設けられる。図示された実施形態においては、バルブ33はオス型バルブとして設計されており、それは、ステム34がバルブ33から本体15を越える位置に達することを意味する。第1流路部分35は、開いた第1端からステム34を通って延び、吸気口38がステム34の側面に設けられるように、反対側の第2端37において屈曲される。ステム34の周囲を囲んで、第1室に、閉鎖部39が設けられ、図3Aに図示される閉鎖位置にあるバルブ33と協働して吸気口を閉鎖する。ばね手段(図示せず)は、前記バルブを、この閉鎖位置に付勢させる。そのようなバルブ33自体は、充分に知られており、たとえばエアゾール容器において一般に使用されている。ステム34を前記付勢に抗して、第1室16方向の動作方向Fに、移動させることによって、吸気口38が閉鎖部39の下方に解放され、第1室との間の開放連通が得られる。この開放状態は、図3Bおよび図3Cに示される。ステム34の外側には、第1端36に隣接して、ガスケット40、たとえばOリングが設けられる。
【0022】
第2筐体27は、実質的に円筒形であって、軸線方向に第1長さL1を有し、下端41によって本体15の上に、たとえば丸められた縁部42の下方に保持され、本体15はバルブ33を前記筐体に通常の方法で保持する。結果として、前記筐体は、本体15に対して移動不可能となる。前記下端の反対側に位置する長手方向の縁部43に隣接して、2つの開口31が、たとえば前記筐体の直径方向に向かい合うように設けられる。また、第1筐体26も実質的に円筒形であって、軸線方向に第2長さL2を有するが、向かい合う2つの端部45、46において閉鎖されている。第1筐体の長手方向の壁47において、多くの好ましくは相対的に小さい開口48が、図3Aでは、たとえば、開口31の高さに設けられる。壁部49は、第1筐体の内部空間を、軸線方向に交差して実質的に分離された2つの空間に分割する。壁部49の本体15から離れた側には圧力制御室が設けられ、反対側には、開口48が終端する接続空間51が設けられる。本実施形態においては、前記壁部49は、たとえばプラスティックまたは金属から製造された膜として、かつ変形可能であるように設計される。壁部49と本体から離れた側の端壁45の間には、圧縮ばねの形状でばね要素が設けられ、該ばね要素は、壁部をバルブ33の方向に付勢する。
【0023】
バルブ33に近接する、第1筐体26の前記端部46は、介在要素53によって形成され、介在要素は、第1筐体26と一体に製造されてもよく、または、蓋として設けられることができる。バルブ33に近接する側に、介在要素53に接して、要素55が実質的に円筒形のブッシュの形態で設けられ、気密接続を得るためにステム34と前記閉鎖部41を嵌合する。反対側の面に、介在要素53に接して、第2ステム56が設けられる。これは、好ましくは、前述のステム34と同軸方向に延びる。第2流路部分57は、第2ステム56を通って、バルブ33に隣接する端部58から反対側の端部59へ向かう方向に延び、排気口60が第2ステム56の側面に、隣接する端部59のわずかに下方に設けられるように、端部59において流路57に屈曲が設けられる。第2ステム56の外側の周囲に、2つのガスケット61Aおよび61B、たとえばOリングが、排気口のそれぞれの側に設けられる。第1流路部分35および第2流路部分57は、動作状態において(図3Bおよび図3C)連続する流路62を形成するように直線状に延びる。
【0024】
壁部49のバルブ33に近接する側に、動作手段69の動作要素68が実質的に円筒形のブッシュ63の形態で設けられ、該ブッシュは、第2ステム56、ならびに2つのガスケット61Aおよび62Bを、動作の軸線方向または操作方向Fに摺動することによって、覆って嵌合する。ブッシュ63の壁部64には開口65が動作開放状態(図3C)および、随意的に非動作状態(図3A)において、排気口60の場所にあるような位置に設けられ、このことは、上記の状態においては、流路62と接続空間51との間に遮断されることがない連続経路が存在し、一方、動作閉鎖状態(図3B)においては、開口65は、バルブ33から最も離れた2つのガスケット61Aおよび61Bのうちの一方よりも、バルブ33からさらに遠く離れるように位置づけられることを意味していると解さなければならない。壁部49と第2ステム56の端部59との間の、ブッシュ63内の空間は、好ましくは、圧力の均一化が起こる間は接続空間51と開放連通状態にある。
【0025】
第1筐体26は、その外側に突起66を備え、該突起66は、非動作状態(図3A)においては、第2筐体の長手方向上縁部に、またはその上方に位置するが、動作状態においては、前記突起66は開口31に含まれて係合し、第1筐体の第2筐体に対する更なる軸線方向への移動を防止する。第1筐体外面と第2筐体内面との間には、介在部に隣接してまたは周囲に、摺動閉鎖部67が、第2筐体27と本体15との間の空間70が開口31に対して密封されるように設けられる。類似のガスケットは、第2筐体の開口31よりも上部の外周部分に設けられることができる。これは、特に、図2に従う実施形態では重要である。なぜならガスが周囲に流出することが防止されるからである。
【0026】
図3に従う圧力制御装置8は、以下のように使用することができる。
圧力制御室50内においては、環境の制御圧力P0が行き渡り、圧力P0は、ばね52のばね圧力と協働して、圧力Pcontrolをバルブ33の方向、すなわち動作方向Fに壁部49に及ぼす。第1室16内においては、使用開始時に、内部の純粋CO2などのある量の圧縮ガスの結果として、たとえば12〜16バールの最大圧力P2が行き渡る。接続空間51においては、圧力P1が行き渡り、P1は、たとえば圧力制御室内50内の圧力P0と等しい。第1筐体26は、図3Aに示される非動作状態にあり、介在部53と特にブッシュ55とは、第1ステム34から離れており、したがって、バルブ33は閉鎖されている。
【0027】
その後、第1筐体は、図3Aに示される非動作状態から、たとえばスナップフィンガとして設計される突起が開口31内に係合し第1筐体の逆行を防止する位置まで、バルブ33に向かう軸線方向の動作方向Fに押圧される。ここで、ブッシュ形状の要素55は第1ステム34およびガスケット40を覆って摺動し、したがって、流路62を形成する。この移動の結果として、バルブは開かれ、第1筐体が軸線方向において第2筐体内に閉じ込められていることによってバルブ33は開放状態に留まる。
【0028】
図1に示される実施形態において、第1筐体を非動作位置(図3A)から動作位置(図3Bおよび図3C)に移動させることは、第1筐体が第2筐体内部に押圧され、フィンガ66が開口33に係合する程度まで、容器2の内部空間4内の圧力を増加させることによって行われることができる。これは、開口6を通して少量のCO2を内部空間に注入することによって行われてもよい。図2に示される実施形態においては、これは、第1筐体を、たとえば指または道具を用いてフィンガ66が開口31に係合するまで押し下げることによって行われることができる。随意的に、たとえば第1筐体外側と第2筐体内側に協働するねじ山を設けるなど、第1筐体を動作位置に移動させるために他の手段が設けられることができる。
【0029】
図3Bおよび図3Cに示される動作位置において、流路62は、開口38と排気口60の間に延び、開口38は、常に開かれ、高ガス圧P2と開放連通しており、開口60は、図3Bでは閉鎖位置にあって、ブッシュ63の壁64と2つのガスケット61A、61Bによって密封されている。接続空間51内の圧力P1は、どちらの位置においても、容器2の内部空間4内の圧力に等しい。平衡位置において、この圧力P1は、所望の制御圧力にほぼ等しいであろう、制御圧力は、ラガータイプのビールに対しては、たとえば、ほぼ温度6℃において1.7〜2.1バールであり、これは、飲料内のCO2に対する平衡圧力を制御するために好ましい。その結果、圧力制御室50から壁部49に及ぼされる圧力Pcontrolは、接続空間51から壁部49に及ぼされる圧力(接続空間内に行き渡る圧力P1)と平衡し、それによって、壁部は、排気口60が前述の方法において密封されるように、図3Bに示される中間位置に至らされる。飲料3が容器の内部空間4から注がれるとき、該飲料は閉鎖部12またはタップ21が開放されている場合には圧力P1によって付勢されるが、移動可能な壁部48が動作方向Fのバルブの方向に付勢されるように、内部空間内の圧力P1が降下し、それによって、図3Cに示すように、高圧力P2のガスが接続空間51へ流出し、そこから内部空間4に流出するように、排気口60が開口65の位置において解放されるまで、ブッシュ63が第2ステムを覆って摺動する。結果として、内部空間4内および接続空間51内の圧力は、再び上昇し、それによって、高圧力下でのガス供給が停止されるように、前記壁部49は図3Bに示される平衡位置に戻るように付勢される。このようにして、内部空間4内の圧力は、ほぼ制御圧力に自動的に維持される。
【0030】
前記高ガス圧P2および/またはバルブ33の閉鎖圧力は、壁部49の移動またはバルブ33の開放に対して、仮にあったとしても、ほとんど影響することはない。図示された実施形態では、これは、少なくとも、排気口からのガス流出Gが動作方向Fならびに/または第1および第2筐体の長手方向、および/または軸線方向とαの角をなすことによって達成される。その結果、高い圧力が使用されることができ、たとえば飲料分配中における有効なガス量の減少による、第1筐体内の圧力P2の変化は、注出挙動または随意的な飲料の炭酸成分に影響しない。
【0031】
図4A〜図4Cでは、図3に従う圧力制御装置に類似の圧力制御装置の実施形態が示されている。基本的に、両者の差異のみが詳述される。オス型バルブの換わりにメス型バルブ33が使用される。メス型バルブによって、前記(第1)ステム34は、バルブ33には接続されず、介在要素53のような動作装置に接続される。バルブ33は、開口32の下方にトレイ型部分71を含み、該トレイ型部分は、たとえばばね(図示せず)および/またはガス圧P2によって、長手方向の縁が閉鎖部39に付くように押圧され、その位置から前記ステム34によって、ステム34内の流路62と第1室が開放連通するように押圧されることができる。このようなメス型バルブは、一般的に知られている。本実施形態では、第1ステム34は、介在要素53のバルブ33に近接する側から第2ステム56に沿って延び、前述のように、連続する流路62が吸気口38および排気口60と共に得られ、流路内の第1ステム吸気口側の屈曲は省略される。本実施形態において、第1ステム34は、開口32を通り、前記部分71内に押圧され、閉鎖部39のこの部分を閉じた状態で押圧し、閉じた状態で保持する。その後、前述の方法によって、内部空間内の圧力が制御される。
【0032】
図5A〜図5Cおよび図6A〜図6Cにおいて、オス型およびメス型バルブを有する圧力制御装置8がそれぞれ示されており、これは、特に膜として設計された壁部49が、ここではピストンの形状を有し、一方、介在要素53は、これもまた固定部分、たとえば溶接または接着された蓋であってもよいが、第1筐体の下側に別個の部分として設けられる、という点において、図3および図4に示されている実施形態とはそれぞれ異なっている。ピストン72は、底壁73および周壁74を有し、該周壁は、バルブ33から離間する方向に延び、その外側に第1筐体26内部を密封する閉鎖部76が設けられる。ピストン72と第1筐体26の間に、再び、圧力制御装置8が閉じ込められている。ピストン72のストロークは、好ましくは、バルブから離れる方向には、筐体56の上縁45によって制限され、下方では、介在部分53および/または第2ステム63によって制限される。
【0033】
図7A〜図7C、および図8A〜図8Cにおいては、本発明に従う圧力制御装置のさらなる変形が図示されており、再び、オス型およびメス型を有する形態がそれぞれ示されている。本実施形態では、第2筐体27は、壁74を備え、該壁は、前記筐体27の軸線方向に略垂直な方向に延び、バルブ33に隣接し、オス型バルブ33のステム34とガスケット41とを覆って嵌合するブッシュ55(図7)、または、下方に延び開口32を通過し部分71内部に達する第1ステム34を備える。したがって、本実施形態では、バルブ33は、第2筐体によって開放されかつ開放状態が維持される。第2ステム56は、第1ステムとは反対方向に、第2筐体の軸線方向の長さL1および第1筐体の軸線方向の長さL2と比較して相対的に大きな長さにわたって延び、流路62を含む。流路62は、それぞれ、図3および図5、または図4および図6に従う流路とほぼ同一形状を有する。第2ステム56の周囲に、自由端59に隣接して、再びガスケット61A,62Bが、開口60の両側に設けられる。
【0034】
本実施形態において、第1筐体は、移動可能な壁部を形成する横壁49を有する周壁47を備える。横壁49は、その中心に実質的に円筒形であり、両端が開いており、第1ステムと同軸方向に延びるブッシュ63を有する。ブッシュは、バルブ33から離れた一端63Aに隣接して、その内部に拡張部分75を備え、ガスケット61のうちの1つ、特に、バルブ33から最も遠くに位置するガスケット61が拡張部分に位置する場合を除いて摺動閉鎖が得られるように、第2ステム56とガスケット61を覆って嵌合する。第1筐体は、ガスケット76と協働して第2筐体27内部に対して摺動するように密封し、実際には、ピストンを形成する。
【0035】
前記横壁49とピストンとして機能する前記第1筐体26との間に、圧力制御室50が含まれる。圧力制御室の内において、使用中には、平衡状態において、制御圧力P3が行き渡るが、非動作位置(図7A,8A)においては、圧力制御室に行き渡る圧力は、ほぼ大気圧であるか、または少なくとも制御圧力よりは小さい。圧力制御装置を動作位置に移動させるときに、制御圧力をもたらすように、圧力制御室50内に存在するガスは圧縮される。図7Bおよび図8Bから明らかなように、動作閉鎖位置において、拡張部分75は、2つのガスケット61A,62Bの間の、排気口60の高さに位置し、そのため、ガスは、排気口から周囲に流出できず、特に、容器2の内部空間には流出できない。
【0036】
第2筐体は、長手方向上縁部45に隣接して、以前の図における開口31に類似した機能を果たす空洞31Aを備えるが、さらに詳述するように、空洞31Aは、わずかな軸線方向の摺動を許容する。さらに、前記上縁部45と前記空洞31Aの間に、開口31Bが設けられ、圧力制御装置が図7Aおよび図8Aに示される非動作状態にあるときは、開口31B内に第1筐体26のフィンガ突起66のような凸部が係合できる。図7Bおよび図8Bに図示されるような、動作閉鎖位置において、少なくとも所望の制御圧力(たとえば、ラガービールの場合には概ね1.4〜2.3バール)にほぼ等しい、容器2内に行き渡る圧力P1は、少なくとも圧力制御室50内の圧力に等しい圧力を壁部49に及ぼす。結果として、第1筐体26は、バルブ方向に最大限に押圧され、その状態においては、排気口60は前述のように周囲に対して密封される。飲料が内部空間4から排出されるときには、または、その圧力が他の理由によって、たとえば冷却時に下降するときには、バルブから離れた側から壁部49にかかる圧力は降下し、第1筐体26は、バルブから離れる方向に、図7Cに示されるように、前記突起66が開口の長手方向の縁、少なくとも空洞31Aの縁に衝突するまで押圧される。結果として、第1室から容器の内部空間に至る流路62を通る経路Xが、拡張部とブッシュ端部を介して解放される。
【0037】
バルブ33の替わりに、異なる種類の閉鎖部、たとえば第1筐体内に圧入され、ガス圧のために制御装置が動作位置に至るまで閉鎖状態を維持する、一度に限り開放されるべき栓、あるいは、シールのように貫通可能な閉鎖部、栓、または膜が使用できることが明らかであろう。第1室を有する本体として、ホイップクリーム缶、炭酸水のような、市販のCO2カートリッジも使用でき、該カートリッジは、第2筐体に、たとえばステム34に対する底面から簡単にねじ込むことができ、そして、前述の方法で貫通されることができる。
【0038】
図7および図8に示される制御では、第1筐体は、たとえばバルブ、貫通部のようなものを圧入することによって、ビール工場において既に開放しておくこともできるが、制御室は、制御室とピストンの位置の結果として、使用の際にのみ圧力がかけられる。
【0039】
図9A〜図9Cは、図5A〜図5Cに図示される圧力制御装置と幾分類似しているが介在要素53が省略された、本発明に従う圧力制御装置8のさらなる詳細を示す。本実施形態において、使用に先立ち、第1ステム34内部の流路62は、第2端36が、たとえば貫通可能シールによって密封される。流路は、第1室内部に達している。ピストンの一部としてもう一度設計された壁部49に設けられるブッシュ63の内部に、針78または類似の鋭利な要素が設けられ、駆動装置が非動作位置(図9A)にあるときには、前記シール77から離れて位置する。第1筐体が前述のように動作位置に至るとき(図9Bおよび図9C)、針78はシール77を貫通して押圧される。動作閉鎖位置(図9B)において、針78は、動作開放位置(図9C)と比較して幾分後退しており、そのため、閉鎖位置においては、ガスが、高圧力P2の下で第1筐体16から流路62を経由しブッシュ63によって密閉された空間79に流入する。その結果、圧力の均一化が起こり、ガスは、ステム34の両端をほぼ等しい強さで押圧する。これは、接続空間51(容器2の内部空間4)内の圧力P1が圧力制御室50内の駆動圧力P3以下に降下したとき、移動可能な壁部49は、ステム34が下方にすなわち第1筐体の方向に押圧される方向である動作方向Fの方向に移動されることを意味する。本実施形態において、前記ステム34は、その外側に収縮部80を有し、該収縮部は、動作閉鎖位置においては閉鎖39より上部に位置し、開口32は閉鎖される。ステム34が押し下げられたとき、収縮部80は、少なくとも部分的に前記閉鎖部の位置に到達し、そのため、ガスは、高圧力P2の下で、ステムを通過し、接続空間51に抜け、開口48を経由し、容器2の内部空間3に抜ける。前記ステムの両端に実質的に同じ圧力が行き渡ると、この圧力はガスの流出経路を開放するために必要とされる力には実質的に影響しない。ステム34が、たとえばばね(図示せず)によって、閉鎖位置に付勢されている場合、ステム34の端部表面の適切な選択によって、前記付勢は相殺され、ばね力もまたガスの流出経路を開放するために必要とされる力には実質的に影響しない。使用中、前記ステム34の両端に加えられる逆向きの力は、ほぼ相殺され、容器内または第1室内に行き渡る圧力には関係しない。
【0040】
図10A〜図10Cは、本発明に従う圧力制御装置8のさらに異なる実施形態を示し、圧力制御装置は、実質的に図3に示される構成と類似の構成を有する。ここで、第2筐体27は、第1筐体に近接する第1端41に隣接して開口81を有し、第1筐体が本体15に直接取り付けられ、少なくとも軸線方向Fにおいて、本体15に保持されるように、第2筐体は開口81を通り第1筐体の一部に達する。第1筐体は、膜として設計された移動可能な壁39のおおよその位置に、ショルダ82を備え、ショルダ82の上部には多くの空洞31Aが設けられる。第2筐体27は、開口81の直ぐ上に、空洞31Aに係合できるスナップフィンガ66を備える。非動作位置(図10A)において、前記スナップフィンガ66は、空洞の幾分上部に位置する。第1筐体のショルダ82より上部の部分の周囲に、ガスケット67が設けられ、第2筐体内部に対して摺動閉鎖を形成し、第2筐体の上側は端壁83によって閉鎖されている。結果として、第1筐体26と第2筐体27の間に、容積が可変である閉鎖された圧力制御室50が得られ、非動作位置(図10A)においては、たとえば、大気圧である、相対的に低い圧力P0が行き渡る。第1ステム34に、加圧要素84、たとえば皿状要素、が取り付けられ、加圧要素84の軸線方向の摺動がステム34の軸線方向変位、すなわち、バルブ33の開放または閉鎖をもたらす。加圧要素84は、少なくともその長手方向縁部85の一部が、第2筐体の第1端41の下方にある。壁部49に取り付けられるブッシュ63は、もう一度、ステム34とガスケット61A、61Bを覆って摺動し、第1室から流路62と排気口60を経由し、開口65を通過し、接続空間51と容器2の内部空間3までのガス流出経路を密封または開放するための開口65を備える。ブッシュ63と壁部49の間に、経路86が設けられ、経路86は、前記空間79と接続空間51の間に毎回圧力の均一化が起こり得るように、ブッシュ内部の空間79に達する。
【0041】
本実施形態では、前記スナップフィンガが空洞31Aに係合するように、第2筐体27が軸線動作方向Fに変位されるとき、前記装置は、非動作位置(図10A)から動作位置(図10BおよびC)に至る。そして、圧力制御室内の圧力は、少なくとも動作、閉鎖位置(図10B)においては、所望の制御圧力Pcontrolまで増加し、加圧要素84は、軸線方向に移動され、したがって、バルブ33は開放され開放状態が維持される。この動作閉鎖位置において、ブッシュ63は、高圧力P2下のガスの流出経路を遮断するように、ステム34に相対する位置にある。内部空間3、および、したがって、接続空間51の圧力が降下すると、壁部49は、ブッシュによって軸線方向Fに、本体15に向かって移動され、内部空間3の前記圧力P1が所望の値に復帰するように、流出経路が開放される。
【0042】
図3〜図10に示される実施形態においては、それぞれ、2つの動作位置に加えて、非動作位置が示されている。しかしながら、そのような非動作位置をとらないように、圧力制御装置8、特に駆動装置または制御装置を圧力制御装置へ設計することもできる。これは、たとえば、組立直後または組立中でさえ、圧力制御装置が、多量のガスが漏れることなく所望のガス圧が行き渡るまたは設定可能である環境中にある場合である。これは、たとえば、圧力制御装置が、飲料充填装置と調和して組み立てられ、少なくとも配置され、容器に導入される場合である。そのような実施形態において、第1および第2筐体は、固定位置において直接結合されることができ、または一体化させることさえできる。ここで、駆動制御装置または圧力制御装置90を本体15に配置するということは、バルブが開放されること、および/または制御装置が動作状態におかれるという結果をもたらす。しかしながら、非動作位置は、圧力制御装置を、たとえば大気圧下において長期間にわたり保管することができ、したがって、製造された制御装置を充填装置のラインを外れた容器に取り付けることができるという利点を有することができる。
【0043】
図示された実施形態では、圧力制御装置が、少なくともその一部分に容器2の外部からアクセス可能であるように、図2に示されるような位置に取り付けられるとき、圧力制御装置は機械的に、たとえばユーザの手動によって(非動作位置から)動作させることができる。圧力制御装置が完全にまたは部分的に容器の内部空間に含まれている場合、圧力制御装置の動作は、一時的に容器内の圧力を相対的に高いレベルまで、少なくとも制御圧力以上まで上昇させることによって行うこともでき、この圧力の結果として、圧力制御装置は、直接に動作位置に位置することを強制される。そのような過剰圧力は、たとえば、飲料が充填された容器の上部空間にある量の追加のCO2を導入することによって得ることができる。これは、所望の圧力上昇をもたらし、その後、たとえば飲料に吸収されおよび/または注出手段7の最初の開放と共に排出されるであろう。上部空間は、飲料の量と比較して相対的に小さいために、必要とされるガスは少量である。
【0044】
図11は、本発明に従う装置1の別の実施形態を示す、容器上側表面に上環90が取り付けられ、該上環90は前記上側表面5の幾分上部に達する。本実施形態において、タッピング装置91は、たとえば、国際公開第02/42197号明細書に記載されているように使用され、レバー形状を有する動作ノブ14が設けられ、それによって分配管13がバルブ12を開放するために下げられる。さらなる詳述のために、国際公開第02/42197号明細書と、そこに引用され組み込まれていると理解される文献とが参照される。前記上側表面5には、圧力制御装置8が取り付けられる。本実施形態において、第2筐体27は上面5の開口に、たとえば、継ぎ接続、接着、クランプ、または別の適切な技術の使用によって保持される。結果として、開口は、気密に密封されるが、開口31は内部空間4内にある。第1筐体16は、非動作位置におかれ、第1室16を有する本体は、実施形態においては、たとえば既知のガスカートリッジとして示されているが、別個に容器に供給される、または第1筐体に既に取り付けられていてもよい。本実施形態においては、非動作位置において、図11Aの左図に示すように、第1筐体は、前記第1端に近接した開口31の側に位置する。前記スナップフィンガ66は、先の実施形態と比較すると、反対方向を向いている。圧力制御装置を動作位置に至らせるために、第1筐体を有する本体15は、ビール工場または瓶詰め工場において取り付けられない場合は、たとえばねじ、クランプ、バイオネット、または異なる方法で、ブッシュの内部に配置される。その後、本体15は、第1筐体26と共に、第2筐体の少なくとも部分的に閉じられた第2端の方向に押圧され、前記スナップフィンガ66は、開口31に係合し、第1筐体の上端45は、第2筐体の内部に接する。ここで、第1筐体の第2端45は、幾分球面状であって、非動作位置においては可撓性を有することが望ましい(図11A左図)。これは、動作位置に向かう移動の結果として、第2端の湾曲が部分的にまたは完全につぶされ、第1筐体内の圧力制御室の体積が減少し、制御圧力Pcontrolが設定される。
【0045】
本発明に従う装置では、原理的に、圧力制御装置のバルブ33を常に開放できる。ここで、このバルブ33のばねは、さらにより良好な制御挙動が得られるように、第1室16からガスを分配するために必要とされる力には影響しない。代替案として、バルブ33は、たとえば、膜または栓などの貫通可能シール、たとえば栓、バルブまたは当業者にとって直接に明らかな別の手段などの押しのけることができる閉鎖部などの、恒久的に開放され得る、または恒久的に開放され得ない別の閉鎖部に置換することができる。
【0046】
本発明は、明細書および図面で示された実施形態に限定されない。これらの実施形態は、説明するためのものであって、請求項に要約されるように、本発明の枠組みの範囲内で多様な変形が可能である、その中でも、特に、図示された実施形態の部分を組み合わせることも可能である。本発明に従う圧力制御装置は、完全に、または部分的に容器の内部空間に含まれることができるが、既知であるケッグのタッピングロッドまたは、図2に従う形態に類似し慣例から知られているような、グラビティ缶の充填口に接続することができる。これらの形態や類似した変形も本発明の範囲内とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧下で飲料を分配するための容器であって、該容器は分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室とを備え、前記第1室には、閉鎖部を有する分配口が設けられ、前記圧力制御室には前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、開放位置で前記第1室と開放連通状態となる流路が設けられ、前記圧力制御室は、前記第1室に対して動作方向に移動可能な壁部を備え、該壁部は動作要素を支持し、該動作要素は、前記流路内に、あるいは前記流路に接触して、または前記流路を覆って摺動可能であり、前記第1室と前記周囲との間のガス供給経路を、特に前記流路の排気口を解放または覆うことによって解放または密閉することができることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記圧力制御室は閉鎖部を開放状態に保持するための手段を備え、排気口は容器の内部空間の内部で直接的または間接的に終端することを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記圧力制御装置は介在要素を含み、該介在要素は、少なくとも前記流路の一部を含み、第1位置と第2位置との間を移動可能であり、前記第1位置において、前記第2位置におけるときと比較して前記第1室からより離れて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記介在要素はブッシュを含み、該ブッシュは閉鎖部のステムと連結可能であり、該ステム内に配置される前記流路の第1部分が、前記介在要素内に配置される前記流路の第2部分と連結することを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記介在要素はステムであって、該ステムを通して前記流路が達し、前記閉鎖部の一部に挿入可能であるステムを含むことを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項6】
前記流路の前記排気口が流出方向を規定し、該流出方向は動作方向と角度をなし、好ましくは30度と150度との間、さらに特に60度と120度との間、好ましくはほぼ90度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記圧力制御室が第1筐体に含まれ、該第1筐体は動作方向に摺動可能に少なくとも部分的に第2筐体に含まれ、該第2筐体は前記第1室に取り付けられ、前記第1筐体を前記第2筐体に保持するための保持手段が設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記圧力制御装置は第1筐体に含まれ、可撓性を有するまたは摺動可能な壁部を含み、該壁部は前記移動可能な壁部を少なくとも部分的に形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記介在要素が第1筐体に接触する、または第1筐体の一部を形成することを特徴とする請求項2、3、7および8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記圧力制御室内には、前記移動可能な壁部を閉鎖部の方向に付勢させるための少なくとも1つのばね要素が含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記内部空間内には第1の圧力が行き渡り、第1室内には第2の圧力が行き渡り、前記第2圧力が前記第1圧力よりも著しく高いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記圧力制御室内には、休止状態では、前記第1圧力にほぼ等しい制御圧力が行き渡ることを特徴とする請求項11記載の容器。
【請求項13】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前に、前記圧力制御室内の圧力変化が前記第1室の閉鎖部に対して影響を及ぼさないように前記圧力制御装置が設定されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前の前記第1室内の圧力が、10バール以上、さらに特に50バール以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記第1室の容積が内部空間の1/25より小さい、さらに特に1/50より小さい、好ましくは1/100より小さいことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記飲料は炭酸飲料、特にビールであり、前記圧力制御装置は前記内部空間内の圧力を平衡圧力に制御するように設定されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記閉鎖部は、流路を含むステムを含み、該流路の分配口は動作要素の圧力均一化空間において終端し、それによって密封可能であり、前記排気口が開いた状態では前記圧力均一化空間と前記第1室との間で圧力の均一化が起こり、前記排気口が閉じられた状態では、前記閉鎖部はそれぞれの移動可能な壁部によって開放位置と閉鎖位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項18】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前には、前記流路、特に前記排気口が膜によって密封され、前記動作手段が前記膜を貫通するための貫通手段を備えることを特徴とする請求項17記載の容器。
【請求項19】
加圧下で飲料を分配するための容器であって、該容器は分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室を備え、前記第1室には、閉鎖部を有する分配口が設けられ、前記圧力制御室には、少なくとも一部が動作方向に変位することによって前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、前記閉鎖部と前記駆動手段とは、動作方向に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に略同一の圧力を設定するように構成されてなることを特徴する請求項1〜18のいずれか1項に記載の容器。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の容器のための圧力制御装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの移動可能な壁部が、少なくとも部分的に膜として、特に金属膜として設計されることを特徴とする請求項17記載の圧力制御装置。
【請求項22】
飲料分配のための容器内の圧力を制御する方法であって、圧力制御装置は高圧ガス室の閉鎖部と共に使用され、前記閉鎖部は動作方向に閉鎖位置と開放位置との間を移動し、使用中は、少なくとも閉鎖位置または開放位置にある前記閉鎖部によって、動作方向に相互に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に、圧力、特に、概ね前記高圧力が、前記2つの側面のうちの一方の側面を閉鎖部を閉鎖するために動作方向に関与させる力が、前記閉鎖部の前記側面のうちの他方の側面を前記閉鎖部を開放するために動作方向に関与させる力に略等しくなるように設定され、さらに、前記閉鎖部が、前記容器内に行き渡る圧力によって駆動される駆動手段によって開放されることを特徴とする方法。
【請求項1】
加圧下で飲料を分配するための容器であって、該容器は分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室とを備え、前記第1室には、閉鎖部を有する分配口が設けられ、前記圧力制御室には前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、開放位置で前記第1室と開放連通状態となる流路が設けられ、前記圧力制御室は、前記第1室に対して動作方向に移動可能な壁部を備え、該壁部は動作要素を支持し、該動作要素は、前記流路内に、あるいは前記流路に接触して、または前記流路を覆って摺動可能であり、前記第1室と前記周囲との間のガス供給経路を、特に前記流路の排気口を解放または覆うことによって解放または密閉することができることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記圧力制御室は閉鎖部を開放状態に保持するための手段を備え、排気口は容器の内部空間の内部で直接的または間接的に終端することを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
前記圧力制御装置は介在要素を含み、該介在要素は、少なくとも前記流路の一部を含み、第1位置と第2位置との間を移動可能であり、前記第1位置において、前記第2位置におけるときと比較して前記第1室からより離れて配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記介在要素はブッシュを含み、該ブッシュは閉鎖部のステムと連結可能であり、該ステム内に配置される前記流路の第1部分が、前記介在要素内に配置される前記流路の第2部分と連結することを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
前記介在要素はステムであって、該ステムを通して前記流路が達し、前記閉鎖部の一部に挿入可能であるステムを含むことを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項6】
前記流路の前記排気口が流出方向を規定し、該流出方向は動作方向と角度をなし、好ましくは30度と150度との間、さらに特に60度と120度との間、好ましくはほぼ90度であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
前記圧力制御室が第1筐体に含まれ、該第1筐体は動作方向に摺動可能に少なくとも部分的に第2筐体に含まれ、該第2筐体は前記第1室に取り付けられ、前記第1筐体を前記第2筐体に保持するための保持手段が設けられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記圧力制御装置は第1筐体に含まれ、可撓性を有するまたは摺動可能な壁部を含み、該壁部は前記移動可能な壁部を少なくとも部分的に形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
前記介在要素が第1筐体に接触する、または第1筐体の一部を形成することを特徴とする請求項2、3、7および8のいずれか1項に記載の容器。
【請求項10】
前記圧力制御室内には、前記移動可能な壁部を閉鎖部の方向に付勢させるための少なくとも1つのばね要素が含まれることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器。
【請求項11】
前記内部空間内には第1の圧力が行き渡り、第1室内には第2の圧力が行き渡り、前記第2圧力が前記第1圧力よりも著しく高いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の容器。
【請求項12】
前記圧力制御室内には、休止状態では、前記第1圧力にほぼ等しい制御圧力が行き渡ることを特徴とする請求項11記載の容器。
【請求項13】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前に、前記圧力制御室内の圧力変化が前記第1室の閉鎖部に対して影響を及ぼさないように前記圧力制御装置が設定されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の容器。
【請求項14】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前の前記第1室内の圧力が、10バール以上、さらに特に50バール以上であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の容器。
【請求項15】
前記第1室の容積が内部空間の1/25より小さい、さらに特に1/50より小さい、好ましくは1/100より小さいことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の容器。
【請求項16】
前記飲料は炭酸飲料、特にビールであり、前記圧力制御装置は前記内部空間内の圧力を平衡圧力に制御するように設定されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の容器。
【請求項17】
前記閉鎖部は、流路を含むステムを含み、該流路の分配口は動作要素の圧力均一化空間において終端し、それによって密封可能であり、前記排気口が開いた状態では前記圧力均一化空間と前記第1室との間で圧力の均一化が起こり、前記排気口が閉じられた状態では、前記閉鎖部はそれぞれの移動可能な壁部によって開放位置と閉鎖位置との間を移動可能であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項18】
前記内部空間からの最初の飲料分配より前には、前記流路、特に前記排気口が膜によって密封され、前記動作手段が前記膜を貫通するための貫通手段を備えることを特徴とする請求項17記載の容器。
【請求項19】
加圧下で飲料を分配するための容器であって、該容器は分配されるべき飲料を受容するための内部空間を備え、圧力制御装置は第1室と、周囲に対して密閉された圧力制御室を備え、前記第1室には、閉鎖部を有する分配口が設けられ、前記圧力制御室には、少なくとも一部が動作方向に変位することによって前記閉鎖部を開放するための駆動手段が設けられ、前記閉鎖部と前記駆動手段とは、動作方向に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に略同一の圧力を設定するように構成されてなることを特徴する請求項1〜18のいずれか1項に記載の容器。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載の容器のための圧力制御装置。
【請求項21】
前記少なくとも1つの移動可能な壁部が、少なくとも部分的に膜として、特に金属膜として設計されることを特徴とする請求項17記載の圧力制御装置。
【請求項22】
飲料分配のための容器内の圧力を制御する方法であって、圧力制御装置は高圧ガス室の閉鎖部と共に使用され、前記閉鎖部は動作方向に閉鎖位置と開放位置との間を移動し、使用中は、少なくとも閉鎖位置または開放位置にある前記閉鎖部によって、動作方向に相互に対向して配置される閉鎖部の2つの側面に、圧力、特に、概ね前記高圧力が、前記2つの側面のうちの一方の側面を閉鎖部を閉鎖するために動作方向に関与させる力が、前記閉鎖部の前記側面のうちの他方の側面を前記閉鎖部を開放するために動作方向に関与させる力に略等しくなるように設定され、さらに、前記閉鎖部が、前記容器内に行き渡る圧力によって駆動される駆動手段によって開放されることを特徴とする方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図11A】
【図1A】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図11A】
【公表番号】特表2010−510138(P2010−510138A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537104(P2009−537104)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050573
【国際公開番号】WO2008/060157
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(507233198)
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】2e Weteringplantsoen 21 Amsterdam The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050573
【国際公開番号】WO2008/060157
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(507233198)
【氏名又は名称原語表記】Heineken Supply Chain B.V.
【住所又は居所原語表記】2e Weteringplantsoen 21 Amsterdam The Netherlands
【Fターム(参考)】
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