説明

飲料成分を容れるためのカプセル

【課題】従来の問題を解決または緩和できる、特に封止効果の向上したカプセルを効率的、経済的な仕方で提供する。
【解決手段】飲料成分を容れるためのカプセルであって、該カプセルは飲料製造器具に挿入されるようにデザインされており、該飲料製造器具の中では、圧力下の液体が該カプセルに入って、該カプセルから飲料を流し出す。該カプセルは、外周第一壁と、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁と、および該第二壁と反対の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁とを備え、該第一、第二および第三壁は、飲料成分を備える内部空間を取り囲み、該カプセルは、該カプセルと飲料製造器具との間の封止効果を達成するために封止部材を備え、封止部材の少なくとも外表面は、封止効果を達成するために、繊維質及び/又は紙様の材料を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料成分を容れるためのカプセルに関しており、該カプセルは、飲料製造器具に挿入されるようにデザインされており、該飲料製造器具の中では、圧力下の液体が該カプセルに入って、該カプセルから飲料を流し出す。ここで、カプセルは、外周第一壁と、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁と、および該第二壁と反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁とを備え、該第一、第二および第三壁は、飲料成分を備える内部空間を取り囲み、該カプセルは、該カプセルと飲料製造器具との間の封止効果を達成するために封止部材を備える。
【背景技術】
【0002】
欧州特許1700548号(以下、「欧州特許‘548号」と称す)は、カップ様の基体および封かん箔部材を備えるカプセルを開示している。この公知のカプセルは、飲料製造器具への挿入のためにデザインされており、該飲料製造器具の中では、圧力下の液体が、カプセル内の成分と相互作用するために且つ該カプセルから飲料を排出するために該カプセルに入る。
【0003】
欧州特許‘548号に従うと、操作中に、水の流れはカプセルの内部を通して実際に生じているのみであって、水は決して水注入器から環状の囲い部材とカプセル外部との間の間隙へそして該飲料製造器具の排出口へと流れることはできないことが保障されねばならない。欧州特許‘548号に従うと、公知のシステムにおいては、外部からカプセルへのいかなる水の流れも封止的係合によって阻止される。封止的係合は、環状部材(すなわちカプセルの側壁のフランジ様の縁)とカプセルホールダとの間の圧迫係合によって実現されている。
【0004】
また、欧州特許‘548号に従うと、改善は、封止的係合が環状部材の内壁をゴム弾性材料で裏張りすることによって一層改善されることによると考えられうる。換言すれば、上記のアプローチによれば、封止的係合は、該飲料製造器具に固定または取り付けられた構造によって保証されている。
【0005】
欧州特許‘548号は、そのような該飲料製造システムの液体入口と飲料排出側との間に置かれた封止的係合の改善を目的とする。この目的のために、欧州特許1700548号は、封止的係合の弾力的部分を飲料製造器具からカプセルへ移すことを提案している。この利点は、封止の適切な機能が保障されうるように且つ如何なる衛生的問題も封止部材に生じえないように、いかなる弾力的封止部材もただ1回だけ(例えば、付属カプセルでのみ)使われることである。欧州特許1700548号に従うと、カプセルは、飲料製造器具の囲い部材と(該飲料製造器具の)カプセルホールダとの間に封止効果を達成するために、カプセルの外表面上に専用の中空封止部材を備えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、カプセルの改善を目的とする。特に本発明は、上述した問題を解決または緩和できるカプセルを提供することを目的とし、カプセルは効率的、経済的な仕方で生産されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1局面に従えば、これは請求項1の発明特定事項によって達成される。
【0008】
有利には、封止部材の少なくとも外表面は、封止効果を達成するために、繊維質及び/又は紙様の材料を備えている。
【0009】
このような仕方においては、カプセルは、比較的少ない数の処理工程を使って、そして好ましくは(封止部材として公知のものと比べて)比較的安価で容易に加工可能な材料を用いて、効率的に製作されうる。封止効果を達成するための繊維質及び/又は紙様の材料は、様々に有利な仕方で構成されうる。それらの幾つかは以下で図面を参照して記載されよう。好ましくは、該材料は紙である。代替的には、該材料は、繊維品または布、例えば織物または不織布でありうる。
【0010】
本発明の局面はまた、本発明に従う少なくとも1つのカプセルを使用するところのシステムおよび方法に関する。
【0011】
有利には、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムであって、該システムは、
交換可能なカプセル、および
ある量の流体、例えば水を該交換可能なカプセルへ供給するための流体供給器具および該交換可能なカプセルを保持するための収容器を備えている装置
を備え、
該交換可能なカプセルは、外周第一壁と、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁と、および該第二壁の反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁とを備えており、該第一、第二および第三壁は、飲料成分を備えている内部空間を取り囲んでおり、該カプセルは、該カプセルと該飲料製造器具との間に封止効果を達成するための封止部材を備えており、該封止部材は、繊維質及び/又は紙様の材料で作られていることを特徴とする、上記システムを提供する。
【0012】
また、有利には、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するための方法であって、以下の工程:
交換可能なカプセルを用意すること、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器を備えている装置を用意すること、
該交換可能なカプセルを該収容器の支持表面と当接するように配置すること、ここで、該カプセルの繊維質及び/又は紙様の材料の部分が、該カプセルと該飲料製造器具との間の流体不通封止を達成するように封止部材として働く、および
飲料を用意するために圧力下で流体を該抽出可能な製品へ供給すること、
を含む、上記方法を提供する。
【0013】
本発明は、図面を参照しつつ限定的でない実施例によってさらに説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】飲料を用意するためのシステムの実施態様の概略図である。
【図2】飲料を用意するためのシステムの代替的な実施態様の概略図である。
【図3】図3a〜3dは、カプセルの実施態様の概略図である。
【図4】本発明の第1の実施態様に従うカプセルの実施例の概略図である。
【図5】図4のQ部分の詳細図である。
【図6A】代替の実施態様の、図5と同様の詳細図である。
【図6B】図6Aの実施態様の代替案の詳細図である。
【図7】さらに別の実施態様の、図5と同様の詳細図である。
【図8】別の実施例の、図5と同様の詳細図である。
【0015】
本願においては、同一または対応する特徴は、同一または対応する参照符号で指示される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステム(101)を示す。本システム(101)は、交換可能な第1のカプセル(102)および装置(104)を備えている。本実施例においては、該装置(104)は、該交換可能なカプセル(102)を保持するための収容器(106)を備えている。図1においては、該カプセル(102)と該収容器(106)との間に、明瞭のため隙間が描かれている。使用中に、該カプセル(102)は、該収容器(106)に当接して置かれうることが理解されるであろう。一般に、該収容器(106)は該カプセル(102)の形状に相補的な形状を有している。さらに該装置(104)は、ある量の流体、例えば水を、例えば6バール、例えば9バールまでの圧力下でまたは圧力を作りながら、該交換可能なカプセル(102)へ供給するための流体供給器具(108)を備えている。
【0017】
本図面から分かるように、交換可能なカプセル(102)は、外周壁(110)、第1の端部(114)で該外周壁(110)を閉じている底(112)、および該底(112)の反対側の第2の端部(118)で該外周壁(110)を閉じている蓋(116)を備えている。外周壁(110)、底(112)および蓋(116)は、抽出可能な製品を備えている内部空間(120)を取り囲んでいる。
【0018】
図1のシステム(101)は、カプセル(102)を刺し貫くことを意図した底貫通手段(122)を備えている。図1は、引き込まれた位置での底貫通手段(122)を示している。底貫通手段(122)が引き延ばされた位置にあるとき(図示されない)、入口開口部を通して流体を抽出可能な製品へ供給するために、カプセルの底(112)に入口開口部を作り出しうる。例えば、該貫通手段(122)は、それを通じて液体がカプセルへ供給されうる穴(126)を備えうる。図1のシステム(101)は、さらに蓋貫通手段(128)を備えており、該蓋貫通手段は、カプセル(102)の蓋(116)を刺し貫くことを意図して、突起物として具体化されている。例えば、蓋貫通手段(128)は、カプセルホールダ(190)の部分でありうる(図1、2を参照)。
【0019】
図1に示されたシステム(101)は、1杯のコーヒーを用意するために、以下のように操作されうる。ここで、抽出可能な製品は、焙煎され且つ挽かれたコーヒーである(また欧州特許1700548号の内容を参照)。操作中は、カプセル(102)は収容器(106)内に置かれる(図1参照)。収容器(106)とカプセルホールダ(190)は、それらの間にカプセル(102)を保持しうる。特に、収容器(106)とカプセルホールダ(190)は、カプセル保持状態になり、それらの間にカプセルを保持するために、相互に近づく方へ移動され、そして使用済みのカプセルを解放し、そして新しいカプセルを受け取るために、相互に離れるように移動されうる。
【0020】
操作中に、カプセルが収容器(106)とカプセルホールダ(190)との間に保持されとき、底貫通手段は入口開口部を作るために、カプセル(102)の底(112)を刺し貫くように駆動される。流体(ここでは圧力下の湯)は、この入口開口部を通して、内部空間(120)内の抽出可能な製品に供給される。この湯は、コーヒー飲料を作るために、挽かれたコーヒーを濡らし且つ所望の物質を抽出するであろう。例えば、圧力下の湯を内部空間(120)へ供給する間に、カプセル(102)内部の圧力は上昇するであろう。この圧力の上昇は、蓋(116)を変形し、そして蓋貫通手段(128)に対して押し付けるであろう。圧力がある水準に達すると、蓋(116)の引裂強度を上回り、そして蓋は蓋貫通手段(128)によって破裂し、出口開口部を作るであろう。用意されたコーヒーは、この出口開口部(130)と収容器(106)の出口(132)を通ってカプセル(102)から流れ出、そして、入れ物、例えばカップ(図示されない)に供給されうる。
【0021】
操作中に、特に、収容器(106)およびカプセルホールダ(190)が、互に近づく方向へ動かされ、これらの間にカプセル(102)を保持するときに、好ましくは、水流はカプセル(102)の内部を通じて実際に生じているのみであることが保障される。既知のシステムにおいては、カプセルの外側の水流は封止的係合によって止められ、該封止的係合は、収容器の環状部材とカプセルの側壁のフランジ様の縁とカプセルホールダの間の締め付ける係合とによって達成される。代替システムにおいては、カプセルは、飲料製造器具の囲い部材と該生産器具のカプセルホールダとの間の封止効果を達成するために、カプセルの外表面上に専用の中空封止部材を備える。
【0022】
図2は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステム(1)の代替の実施態様を示している。本システム(1)は、交換可能なカプセル(2)および装置(104)を備えている。該装置(104)は、交換可能なカプセル(2)を保持するための収容器(106)を備えている。本実施例においては、該収容器(106)は、カプセル(2)の形状に相補的な形状を有している。図2においては、カプセル(2)と収容器(106)との間に、明瞭のために間隙が描かれている。使用中は、カプセル(2)は収容器(106)と接触するように置かれうることが理解されよう。装置(104)はさらに、圧力下である量の流体、例えば水を交換可能なカプセル(2)へ供給するための流体供給器具(108)を備えている。
【0023】
図2に示されたシステム(1)においては、交換可能なカプセル(2)は、外周壁(10)、第1の端部(14)で該外周壁(10)を閉じている底(12)、該底(12)の反対側の第2の端部(18)で該外周壁(10)を閉じている蓋(16)を備えている。該外周壁(10)と底(12)と蓋(16)とは、抽出可能な製品を備えている内部空間(20)を囲む。本実施例においては、交換可能なカプセル(2)は、飲料の一回分、好ましくは1杯の飲料(例えば30〜200mlの用意された飲料)を用意するのに適する抽出可能な製品の量を備えている。交換可能なカプセルは、したがって一回分のパックである。
【0024】
図2のシステム(1)は、図1で示されたようなカプセル(102)を刺し貫くことを意図された底貫通手段(122)を備えうる。図2は、第1のカプセル(102)の底(112)に入口開口部(124)を作り出すことを意図された、引き延ばされた位置での底貫通手段を示している。1実施態様に従えば、カプセル(2)は、入口フィルタ(34)(図3a〜3d参照)を備えることができ、該入口フィルタ(34)は、底貫通手段が引き延ばされた位置にあるときに、カプセル(2)が底貫通手段(122)によって刺し貫かれないで底(12)が傷を受けないままであるように、底貫通手段(122)からある距離に配置されている。
【0025】
図2においては、該貫通手段(122)は、それを通して流体が収容器(106)の内部空間へ供給されるところの穴(126)を備えている。流体、ここでは、例えば6バールを超える圧力下の湯が、抽出可能な製品から所望の物質を抽出するために、入口フィルタ(34)を通してカプセル(2)の内部空間(20)へ流れ込むであろう。上記抽出可能な製品は、本実施例においては、1杯分の飲料、ここではコーヒーを用意するために、本実施例においては、約4.5〜8グラム、例えば5〜6グラム(または例えば7グラム)の焙煎された且つ挽かれたコーヒーである。
【0026】
このようにして、より一般に、図2の実施例においては、底(12)は、入口フィルタ(34)によって形成された入口領域を備え、そしてシステム(1)は、飲料を用意するための抽出可能な製品へ流体を供給するために、流体供給器具(108)が該入口領域と流体連絡状態にあるように配置される。
【0027】
図2の実施例においては、外周壁(10)は、実質的に硬い。該外周壁(10)は、例えばプラスチック材料から成り、例えば射出成形、真空成形または熱成形などによって形成されうる。図2の実施例においては、底(12)は外周壁と一体化されている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は、複数の入口開口部(24)によって、底(12)に形成されている。本実施例においては、複数の入口開口部(24)は、実質的に底(12)全体にわたって分布せられている。このようにして、流体は、複数の入口開口部(24)を介して抽出可能な製品へ供給され、該流体は該抽出可能な製品をカプセル(2)の実質的に全断面にわたって濡らす。それ故に、抽出可能な製品への流体の非常に均一な供給が得られる。かくして、それを介して流体が抽出可能な製品を通して流れるところの優先的通路の生起の危険性は、非常に減少させられる。
【0028】
別の実施態様に従えば、それを通して飲料がカプセル(102)から排出されるところの少なくとも1つの出口開口部(130)を作りだすために、カプセル(102)内の流体及び/又は飲料の圧力の影響下で、蓋(116)が蓋貫通手段(128)を十分に圧迫するとき、第1のカプセル(102)の蓋(116)を刺し貫くことを意図された蓋貫通手段(128)を、図2のシステム(1)は備えうる。1実施態様に従えば、カプセル(2)は、それを通して飲料がカプセル(2)から排出されうるところの出口フィルタ(36)を備えうる。この場合には、出口フィルタ(36)は、好ましくは、カプセル(2)内の圧力の影響下で蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれないように十分に高い引き裂き強度を有するように配置されている。代替的または付加的には、出口フィルタ(36)は、カプセル(2)から出て行く飲料に対する十分に低い流れ抵抗を形成しうる。すなわち、出口フィルタ(36)は、蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれるための十分な力では蓋貫通手段(128)に対して押し付けられず、そして該蓋は傷つかないままである。それ故に、使用中にカプセル(2)が蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれず、すなわち蓋(16)は傷付かないままであるように、出口フィルタ(36)は蓋貫通手段(128)に適合させられる。より一般的には、カプセル(2)が使用中に蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれずそして蓋(16)は傷付かないままでいるように、出口フィルタ(36)および蓋貫通手段(128)は、相互に適合させられることが当てはまる。
【0029】
図2の実施例においては、出口フィルタ(36)(カプセル(2)の出口領域を形成し、それを通して飲料、ここではコーヒーがカプセルから排出されうる)は、多孔質のシート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、蓋(16)全体が、出口フィルタ(36)として形成されている。図2の実施例においては、カプセル(2)は、第2の端部(18)で外向きに延在している縁(38)を備えており、該第2の端部において、蓋(16)は、例えば、接着または溶接などによって、外向きに延在している縁(38)へ取り付けられている。それ故に、本実施例においては、出口フィルタ(36)、例えば、多孔質シートは、外向きに延在している縁(38)へ取り付けられている。
【0030】
本実施例においては、出口フィルタ(36)は、カプセル(2)の第2の開放の端部(18)の実質的に全体に及ぶ実質的に連続した流体透過性シートを形成する。したがって、流体はカプセル(2)から広い領域にわたって流れ出ることが出来る。それ故に、抽出可能な製品からの飲料の非常に均一な排出が得られる。このようにして、それを介して流体が抽出可能な製品を流れ通るところの優先的な通路の生起の危険性は、非常に減少させられる。
【0031】
一般には、システム(1)のカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、例えば、刺し貫かれ又は裂かれないように十分に高い引裂強度を有する及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように、選択されうる。蓋及び/又は出口フィルタは、破裂または裂かれることはないであろうが、蓋貫通手段に抗して変形しうることは理解されよう。出口フィルタ(36)が、例えば、フィルタ紙で作られているとき、フィルタ紙の複数のパラメータ、例えば、密度、厚さ、及び/又はPE(ポリエチレン)含有量は、十分に高い引裂強度を有し及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成している出口フィルタを提供するために、容易に選択されることができる。代替的には、出口フィルタ(36)は、例えば、複数の出口開口部を備えた高分子フィルムによって形成されるとき、高分子体箔のパラメータ、例えば、密度、厚さ、出口開口部の数、出口開口部のサイズ及び/又は形状は、十分に高い引裂強度を有し及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成している第3の壁を提供するために容易に選択されることができる。
【0032】
図2の実施例においては、蓋貫通手段(128)は、蓋を刺し貫くことを意図された鋭い歯型の点を有しているように示されている。代替的には、蓋貫通手段(128)は、例えば図2で点線で示されたように、尖っていない貫通面を有しうることが理解されよう。このような実施態様においては、カプセル(102)は、それにもかかわらず、例えば、蓋(116)がアルミニウム箔のシートで構成されているときに、尖っていない貫通手段(128)によって、刺し貫かれうる。システムのカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように選択されうる。蓋貫通手段が鈍いときは、出口フィルタのパラメータは、これらの尖っていない貫通手段に適合するように選ばれうることが理解されよう。貫通手段が鈍いときには、出口フィルタは貫通されまたは引き裂かれないように十分に高い引裂強度を有すること及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成することを保障しながら、出口フィルタは、例えば蓋貫通手段が鋭利であるときよりも薄くてよい。
【0033】
蓋貫通手段は、使用中に蓋がそれに対して当接するところの複数のリッジを備えることが可能である。そのような複数のリッジは、図2の点線で示されたような鈍い貫通手段(128)によって形成されうる。該リッジは、収容器(106)の表面部分(使用中は第2の開放の端部(18)を覆っている蓋(16)の表面領域の部分と一致する)の、例えば少なくとも10%、たぶん少なくとも25%を占めることが可能である。したがって、使用中に蓋(16)は第2の開放の端部(18)を覆っている蓋(16)の表面領域の部分の、例えば少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%にわたるリッジによって支持されうる。既に示されたように、カプセル(102)の蓋(116)はそのようなリッジによって貫かれうるが、一方、システム(1)のカプセル(2)の出口フィルタ(36)の複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように容易に選択されうる。蓋貫通手段がリッジを備えているとき、出口フィルタの複数のパラメータはそのような蓋貫通手段に適合するように選択されうることが理解されよう。
【0034】
図2の実施例においては、リッジは鋭くないエッジを備えている。エッジの曲率半径は、例えば、100、200、500μmも考えられるけれども、本実施例においては、エッジの曲率半径は約50μmである。それにも関わらず、カプセル(102)は、例えば蓋(116)がアルミニウム箔のシートで構成されているときは、鈍い貫通手段(128)によって貫かれうる。蓋貫通手段が鋭利でないエッジを備えているとき、出口フィルタの複数のパラメータは、そのような蓋貫通手段に適合するように選択されうることが理解されよう。システムのカプセル(2)の出口フィルタの複数のパラメータは、該出口フィルタが貫通されまたは引き裂かれないように、十分に高い引裂強度を有するように及び/又は十分に低い流れ抵抗を形成するように選択されうる。
【0035】
蓋貫通手段(128)のリッジは、蓋(16)が当接する凸状の頂点を有することも可能である。したがって、蓋が使用中にリッジに対して押し付けられるとき、蓋がリッジによって支えられている表面領域は増加し、したがってリッジによって蓋にかけられた局部的な圧力は減少する。このようにして、蓋が使用中に裂けずに及び/又は破裂せずに且つ傷付かないままでいることを、容易な仕方で提供することが可能である。
【0036】
図3a〜3dは、カプセル(2)の限定的でない別の実施形態を示す。
【0037】
図3aにおいては、底(12)は、図2におけるように外周壁(10)と一体化されている。入口フィルタ(34)は底(12)の複数の入口開口部(24)によって形成される。出口フィルタ(36)は、箔(40)、例えば可撓性高分子箔によって形成され、複数の出口開口部(30)を備えている。
【0038】
図3bにおいては、出口フィルタ(36)は、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。図3bにおいては、入口フィルタ(34)はまた、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、入口フィルタは内向きに延在している縁(42)へ取り付けられている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は該内向きに延在している縁(42)の内側へ取り付けられている。このことは、該縁の厚さがカプセル(2)の内部空間(20)内に存在しないので、カプセル(2)の内容積を最大化する。
【0039】
図3cにおいては、出口フィルタ(36)は、図2および図3bと同様に、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。図3cにおいては、入口フィルタ(34)はまた、可撓性多孔質シート、例えばフィルタ紙によって形成されている。本実施例においては、入口フィルタ(34)は、該内向きに延在している縁(42)の外側へ取り付けられている。したがって、圧力下の流体が入口フィルタ(34)を内向きに延在している縁(42)から引剥がす危険は低減される。入口フィルタ(34)は底の外周端の上に覆いかぶさることが可能である。したがって、より広い表面領域が、入口フィルタ(34)を底(12)と外周壁(10)とに取り付けために利用可能であり、より強い接着をもたらす。
【0040】
図3dにおいては、出口フィルタ(36)は、箔(40)、例えば可撓性のある高分子箔によって形成され、図3aのように複数の出口開口部(30)を備えている。図3dにおいては、入口フィルタ(34)はまた、箔(44)によって形成され、複数の入口開口部(24)を備えている。
【0041】
図3a〜3dの全ての実施態様において、出口フィルタは可撓性のシート状材料によって形成されている。より具体的には、図3a〜3dの全ての実施態様において、蓋は可撓性のシート状材料によって専ら形成されている。一般に、出口箔を引裂き及び/又は破裂から防ぐために、いかなる支持構造、例えば実質的に硬い格子(例えば出口箔の下流の)も、出口箔を支持するために必要とされないことが分かっている。
【0042】
図3b〜3dの全ての実施態様において、入口フィルタは可撓性のあるシート状の材料によって形成されている。より具体的には、図3b〜3dの全ての実施態様において、入口領域は可撓性のあるシート状の材料によって専ら形成されている。一般的に、入口箔を引裂き及び/又は破裂から防ぐために、いかなる支持構造、例えば実質的に硬い格子(例えば入口箔の下流の)も、入口箔を支持するために必要とされないことが分かっている。
【0043】
図3a〜3dの全ての実施態様において、出口フィルタは、その軸方向におけるカプセルの最外部の境界を形成する。
【0044】
カプセル(2)は、示された実施態様のいずれか1つに従う任意の出口フィルタと組合されている、示された実施態様のいずれか1つに従う任意の入口フィルタを備えうることが理解されよう。図示されていないけれども、蓋は、出口開口部(30)を備えた実質的に硬い壁を備えていることが可能である。
【0045】
一般には、出口開口部(30)または多孔質のシートの細孔は、該開口部(30)または細孔の寸法がカプセル(2)内に抽出可能な製品、例えば挽かれたコーヒーを保持するために十分に小さいように寸法付けられている。また、一般には入口開口部(24)または多孔質シートの細孔は、該開口部(24)または細孔の寸法がカプセル(2)内に抽出可能な製品、例えば挽かれたコーヒーを保持するために十分に小さいように寸法付けられている。
【0046】
一般には、入口開口部(24)は、好ましくは底または箔(44)の実質的に全表面にわたって、少なくとも該内向きに延在する縁(42)によって規定された開口の実質的に全表面にわたって、分布せられる。任意的には、入口開口部(24)はまた、該外周壁(10)に、例えば第1の端部(14)の近くの該外周壁(10)の一部分に置かれる。このことは、カプセル(2)内の抽出可能な製品への流体の均一な供給を可能にする。
【0047】
一般には、出口開口部(30)は、好ましくは、蓋または箔(40)の実質的に全表面にわたって、少なくとも該外向きに延在する縁(38)によって規定された開口の実質的に全表面にわたって分布せられる。このことは、カプセル(2)内の抽出可能な製品からの飲料の均一な排出を可能にする。
【0048】
図2と図3a〜3dの実施例においては、入口開口部(24)および出口開口部(30)は円形断面を有している。円形断面をもつ該開口部(24、30)は容易に製造される。任意的には、入口開口部(24)の断面は、内部空間(20)の方向へ次第に細く(狭く)なる。このことは、該入口開口部が、流体の噴流を内部空間(20)へ入れるノズルとして働くという利点をもたらす。
【0049】
入口開口部(24)及び/又は出口開口部(30)はまた、代替形状を有しうることが理解されよう。開口部(24、30)は、例えば、細長いスリットの形状を有しうる。好ましくは、該スリットの小さな寸法は、カプセル(2)内に抽出可能な製品を保持するように十分に小さい。
【0050】
特別の実施態様においては、該スリットは、底の平面における舌の輪郭を規定するところの形状を有しうる。そして該スリットは、実質的にU字形、例えば半円形、馬蹄形、矩形またはV字形でありうる。このことは、舌によって輪郭を規定された該開口部を通る流体の流れの効果で、舌が、底の平面から離れるように曲げられうるという利点を有する。それ故に、流体のより大きい体積の流れが達成されうる。もし底が弾力性材料で作られているならば、流体の流れが止まると、該舌は底の平面へ戻り、したがって、飲料を用意(する前および)した後に抽出可能な製品がこぼれるのを防止するであろう。舌の輪郭を規定するスリットは必要に応じて変更して、蓋に適用されうることが理解されよう。
【0051】
上記の実施態様に従うと、カプセル(2、102)は、好ましくは、外周第一壁(10、110)、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁(12、112)および該第二壁の反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁(16、116)を備え、該第一、第二および第三壁は飲料成分を備える内部空間を取り囲んでいる。
【0052】
別の実施態様(この別の実施態様は上述した実施態様、例えば図1、2、3a、3b、3c、3dの任意の実施態様の別の精密化でありうる)に従うと、カプセル(2、102)は、該カプセル(2、102)と飲料製造用具(104)との間の封止効果を達成するために封止部材を備えている。この目的のために、有利には、該封止部材の少なくとも外表面は、封止効果を達成するために、繊維質及び/又は紙様の材料を備えている。この仕方で、非常に効率的な、信頼度の高い、経済的かつ環境にやさしい封止部材が提供されうる。
【0053】
例えば、繊維質及び/又は紙様の材料を備えている該外表面は、該装置(104)の対向する表面、例えば収容器(106)の内表面(図1〜2参照)に操作中に押し付けられる表面でありうる。
【0054】
別の実施態様においては、封止効果は、操作中に(該装置が飲料を用意するために、カプセル内の抽出可能な製品へ圧力下で流体を供給するとき)、水流はカプセルの内部を通じて実際に生じているのみであることを保障しうる。例えば、封止効果は、欧州特許1700548号のように、環状部材とカプセルホールダとの間で達成されうる。
【0055】
カプセルの別の実施例が、図4〜5(図5は図4のQの詳細を示す)に示されている。カプセル(202)は、図1〜3のいずれかに示されたカプセルと類似でありえて、さらに、繊維質及び/又は紙様の材料から成る封止部材(216B)を備えている。別の実施例としては、封止部材(216B)は、紙、例えばフィルタ紙またはボール紙(例えば板紙材料)から成りうる。代替的には、封止部材(216B)は、例えば天然及び/又はプラスチック織物繊維を含む繊維物、例えば織物または不織布で作られうる。1実施形態においては、封止部材(216B)は、非多孔質材料で作られうる。代替的には、封止部材(216B)は、多孔質でありうる。例えば、繊維質及び/又は紙様の封止部材(216B)は、操作中に水を吸収するように構成されうる。特に、繊維質及び/又は紙様の封止部材(216B)は、水を吸収するために、開放的な構造を有しうる。
【0056】
さらに、封止部材(216B)の封止材料は、撥水性物質、例えばポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))または別の撥水性物質を備えうる。1実施例としては、封止部材(216B)の部分(例えばリング状部分)は、封止部材(216B)を通る(封止部材に吸収された水の)半径方向の水漏洩を抑えるために、撥水性物質の障壁を包含しうる。撥水性物質のリング状の障壁は、例えば封止部材(216B)の半径方向の周辺にまたは近くに配されうる。
【0057】
また、別の実施態様に従えば、封止部材(216B)は、操作中に圧縮可能でありうる。例えば、圧縮可能な封止部材の圧縮は、カプセル(202)が該装置に保持されるとき、および収容器(106)とカプセルホールダ(190)とが互いの方向へ移動させられてそれらの間にカプセルを保持するときに、達成されうる。
【0058】
本実施態様においては、繊維質及び/又は紙様の封止部分(216B)は、それ自体、円形のリング状であり、かつカプセルの半径方向エッジ(つまり外向きに延在する縁、半径方向フランジ)(238)の外表面を全面的に被覆している。特に、上記半径方向エッジ(238)は、(好ましくは剛性の)外周カプセル壁(210)と一体として作られている。
【0059】
この好ましい実施態様においては、特に、封止部材は、シート(216)の部分によって提供され、また該シート(216)は、カプセルの出口フィルタ(216A)を提供する。それ故に、出口フィルタ(つまり第二壁)および封止部材は一体として作られている。
【0060】
特に、繊維質及び/又は紙様のシート材料(216)は、カプセル(202)の半径方向エッジ(238)を取り囲んでいる。本実施例においては、中間シート部分(216C)は、フィルタ部分(216A)および封止部材部分(216B)を相互接続している。その上、任意的には、封止シート(216)は、カプセル(202)の外周壁(210)の少なくとも一部分を被覆するところの別のシート部分(216D)を含んでいる。
【0061】
したがって、本実施態様においては、蓋部(216)および外周壁部(210)は共に封止材料シートを備える。
【0062】
別の実施態様は、カプセルの製作に関しており、かつ以下の工程:一体の(一片の)縁または半径方向エッジ(238)を有する外周カプセル壁(210)を用意すること、および該エッジ(238)の周りに封止シート(216)を重ねること(該封止シートは該エッジ(238)を実質的に取り囲む)を含んでいる。図5から分かるように、好ましくは、(カプセルのエッジ部分(238)上に重ねられた)該封止シートの部分はまた、出口フィルタ部(216A)を提供する。
【0063】
繊維質及び/又は紙様の材料(216)は、接着剤物質を使って個々のカプセル壁部(例えば縁部(218B)及び/又はそれ以外の壁部、例えば外周壁(216D))に取り付けられうる。該接着剤物質は、封止部材(216)上に、個々のカプセル壁部(218)上に、または両方に、それらが結合される前に施与されうる。好ましくは、カプセルの製作は、例えば上述した接着剤物質の硬化の間、封止部材(216)と個々のカプセル部を互いに押し付けることを含んでいる。
【0064】
別の実施態様に従うと、接着剤物質は、それ自体でカプセルの操作中に少なくとも部分的な封止効果を提供するように構成されうる。例えば、(カプセルの縁部分(238)上に配された)該リング状封止部材(216B)は、硬化後に向上された封止効果を提供しうる接着剤物質(の同心状の円周またはリング状片それ自体は図示されていない)を備えうる。この場合、好ましくは、接着剤物質は、封止部材(216B)に少なくとも部分的には吸収される。接着剤物質の施与は、浸し塗り、吹き付け、ブラッシング、コーティングまたはそれ以外の工程の1つまたはそれ以上を含みうる。
【0065】
さらに別の実施態様に従うと、リング状封止部材(216B)は、(製造硬化後の)接着剤物質を均質的かつ一様に含んでいる。代替的には、接着剤物質は、パターン、例えば点状パターン、線状パターンまたはそれ以外のパターンで施与されうる。
【0066】
任意的には、底壁部(214)はまた、封止部材の一部分によって被覆されうる。さらに別の実施態様においては、カプセルは、カプセル(202)の実質的に全外表面(例えば、少なくとも80%および好ましくは少なくとも90%)を決定する(提供する)繊維質及び/又は紙様のシート材料(216)を備えうる。そのようなカプセルは、例えば、外周壁(210)(該壁(210)は好ましくは一体化された底壁(214)を備えられる)を用意し、そして次に該外周壁(210)を封止部材(216)のシート(該シートは出口フィルタ(216A)を提供する)で取り囲むこと、によって製作されうる。
【0067】
代替的には、例えば、第一、第二及び/又は第三壁は、操作中に封止効果を提供するように、繊維質及び/又は紙様の材料によって実質的に作られうる。
【0068】
カプセル(202)の操作は、抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するための方法であって、以下の工程:
交換可能なカプセル(202)を用意すること、
該交換可能なカプセル(202)を保持するための収容器(106)を備えている装置(104)を用意すること、
該交換可能なカプセル(202)を該収容器(106)の支持表面と当接するように配置すること(図1〜2に従って)、ここで、該カプセル(202)の繊維質及び/又は紙様の材料の部分(216B)が、該カプセル(202)と該飲料製造器具(104)との間の流体不通封止を達成するように封止部材として働く、および
飲料を用意するために圧力下で流体を該抽出可能な製品へ供給すること、
を含む、上記方法を包含しうる。
【0069】
したがって、所望の封止は、経済的な手段を使って、非常に効率的なかつ信頼性のある仕方で達成されうる。ここで、好ましくは、一体の封止かつフィルタ部(216)が用いられ、これは好ましくは操作中に(それが水圧下にあるときに)裂けない出口フィルタ部分(216A)ならびに(出口フィルタ(216A)から離れる方向を向いている縁部(238)の縁表面上に延在している)封止部分(216B)を備える。
【0070】
図6Aは、図4〜5の実施態様とは異なる、カプセル(302)の代替の実施例の部分を示しており、封止部材(319)は出口フィルタ(316)とは異なっている。図4の実施態様におけるように、繊維質及び/又は紙様のシート材料(319)は、カプセル(302)の半径方向エッジ(338)(該半径方向エッジ/フランジ(338)は該外周壁(310)と一体として作られている)を取り囲んでいる。例えば、出口フィルタ(316)および封止部材(319)は、夫々異なる材料で作られ得、または異なった構成を有し得、及び/又は夫々異なった厚さを有しうる。一例として、カプセル(302)が使用中に蓋貫通手段(128)によって刺し貫かれずそして蓋(316)は損傷を受けないままであるように、出口フィルタ(または蓋)(316)は前述した蓋貫通手段(128)に適応されうる。封止部分(319)それ自体は、蓋(316)よりも傷付きやすくてよい(例えば、柔らかく裂けやすい)。
【0071】
図6Aの実施例においては、蓋部(316)の外周エッジは封止部(319)の内側エッジ部の反対側に配置されている。別の実施態様においては、封止部(319)の部分は、出口フィルタ部(316)の部分に沿って延在している。図6Bは代替的なカプセル(302’)の別の実施例を示しており、出口フィルタ部(316)の一部分が、封止部材部(319A)の背後に配置されている(すなわち、被覆されている)。例として、後者の封止部材部(319A)は、各カプセル(302’)の最外側蓋を提供しうる。1例においては、この蓋(319A)は、カプセル(302’)の操作中に(水圧の影響下で)裂けるであろう。
【0072】
代替的には、封止部材蓋部(319A)(内側蓋部(316)を被覆している)は、操作中に裂けないように構成され得、かつ飲料が該封止部材蓋部(319A)を(例えば、フィルタ材料で作られた該部(319A)及び/又は出口開口部を既に含んでいる一部(319A)によって、)通過することを許すように構成されうる。また、その場合には、内側蓋部(316)は、外側蓋部(319A)を(例えば、操作中にカプセルから出ていく水の水圧を減少させることによって)破裂から守るように構成されうる。
【0073】
図7は、代替のカプセルの例(402)の部分を示しており、該カプセルの縁(419)は封止部材であり、該縁は繊維質及び/又は紙様の材料から成っている。本実施例においては、好ましくは剛性の外周壁(410)は、封止縁(419)とは異なる材料で作られている。例えば、カプセルの縁(419)は、紙(好ましくはしっかりしたボール紙)または類似の材料から成る比較的に厚いリング状部でありうる。該縁(419)は、外周壁(410)のエッジ部を受け取るためのリング状の開口を(紙縁(419)が該エッジ部分を取り囲むように)有している。出口フィルタ(416)は、該紙縁(419)に取り付けられている。すなわち、該出口フィルタ(416)は、様々な構成を有し得、かつ好ましくは操作中に無傷のままでいるように構成されうる。好ましくは、(カプセル(402)の中心軸に平行に測定された)紙縁部(419)の厚さは、1mmを超え、そして好ましくは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも3mmを超えている。
【0074】
図8は、別の代替的なカプセルの例(502)の部分を示しており、該封止部材は出口フィルタとは異なっており、該出口フィルタは封止部材の部分に取り付けられている。本実施態様においては、封止部材を提供する封止材料は、外周壁(510)の内側および外側の両表面に沿って少なくとも部分的に延在しており、かつ個々の一体化されたリング状のフランジ(538)を取り囲んでいる。
【0075】
図8の実施例の製作は、外周壁部(510)および一体化された縁部(538)を用意すること、並びにこれらの部を繊維質及び/又は紙様の物質で被覆することを包含しうる。ここで好ましくは、外周壁部(510)の内側および外側の両表面は、繊維質及び/又は紙様の物質で被覆される。例えば、外周壁部(510)の内側表面は、封止部材で全面的に被覆されうる。このようにして、例えば、飲料成分と外周壁部(510)との間の直接の接触は、避けられうる。また、この実施例においては、出口フィルタ要素(516)は、繊維質及び/又は紙様の封止部の外側表面に取り付けられている。
【0076】
上述した明細においては、本発明は、本発明の実施態様の特定の実施例を参照して記載されてきた。しかし、添付された請求項で述べられている本発明の広い精神と範囲から離れることなく、様々な別の実施態様や変更が作られうることは明らかであろう。
【0077】
請求項においては、括弧の間に入れられた如何なる参照符号も、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。用語「備える」は、請求項に列挙された以外の特徴または工程の存在を除外するものではない。さらに、用語「1つの」は「ただ1つ」に制限して解釈されるべきではなく、むしろ、「少なくとも1つ」の意味に使われ、かつ複数を除外していない。特定の手段が相互に異なる請求項の中で言及されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが利益をもたらすように使えないということを意味しない。
【符号の説明】
【0078】
1、101 システム
2、102 (交換可能な)カプセル
104 装置
106 収容器
108 流体供給器具
10、110 外周壁
12、112 底
114 第1の端部(外周壁の)
16、116 蓋
118 第2の端部(外周壁の)
20、120 内部空間
122 底貫通手段
128 蓋貫通手段
130 出口開口部
190 カプセルホールダ




【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料成分を容れるためのカプセルであって、該カプセルは、飲料製造器具に挿入されるようにデザインされており、該飲料製造器具の中では(該カプセル中の該成分と協働するために)圧力下の液体が該カプセルに入って、該カプセルから飲料を流し出す、
ここで、カプセルは、外周第一壁と、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁と、および該第二壁と反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁とを備え、該第一、第二および第三壁は、飲料成分を備える内部空間を取り囲み、該カプセルは、飲料製造器具と共に封止効果を達成するための封止部材を備え、
封止部材の少なくとも外表面は、封止効果を達成するために、繊維質及び/又は紙様の材料を備えていることを特徴とする、上記カプセル。
【請求項2】
該繊維質及び/又は紙様の材料は紙である、請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
該封止部材は該繊維質及び/又は紙様の材料で構成されている、請求項1または2のいずれかに記載のカプセル。
【請求項4】
該封止部材は、該繊維質及び/又は紙様の材料で作られている少なくとも1枚のシートを備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項5】
該第一、第二及び/又は第三壁は、該封止部材を備えている、請求項1〜4のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項6】
該第一、第二及び/又は第三壁は、操作中に封止効果を提供するように、該繊維質及び/又は紙様の材料で実質的に作られている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項7】
該繊維質及び/又は紙様の封止部材はリング状である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項8】
該繊維質及び/又は紙様の封止部材は、操作中に水を吸収するように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項9】
該封止部材は、撥水性物質を含んでいる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項10】
該繊維質及び/又は紙様の材料は、該カプセルの該壁の1つ、例えば該第三壁、の少なくとも部分を被覆している、請求項1〜9のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項11】
該封止部材は積層構造を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項12】
該繊維質及び/又は紙様の材料は、該カプセルの半径方向エッジを取り囲んでいる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項13】
飲料を排出するための出口フィルタを備え、該繊維質及び/又は紙様の材料および該出口フィルタは一体として作られている、請求項1〜12のいずれか1項に記載のカプセル。
【請求項14】
抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するためのシステムであって、該システムは、
交換可能なカプセル、および
ある量の流体、例えば水を加圧下に該交換可能なカプセルへ供給するための流体供給器具および該交換可能なカプセルを保持するための収容器を備えている装置
を備え、
ここで、該交換可能なカプセルは、外周第一壁と、第1の端部で該外周第一壁を閉じている第二壁と、および該第二壁の反対側の第2の開放の端部で該外周第一壁を閉じている第三壁とを備えており、該第一、第二および第三壁は、飲料成分を備えている内部空間を取り囲んでおり、該カプセルは、該カプセルと該飲料製造器具との間に封止効果を達成するための封止部材を備えており、
該封止部材は、繊維質及び/又は紙様の材料で作られていることを特徴とする、上記システム。
【請求項15】
抽出可能な製品を使用して摂取に適する所定量の飲料を用意するための方法であって、以下の工程:
交換可能なカプセルを用意すること、
該交換可能なカプセルを保持するための収容器を備えている装置を用意すること、
該交換可能なカプセルを該収容器の支持表面と当接するように配置すること、ここで、該カプセルの繊維質及び/又は紙様の材料の部分が、該カプセルと該飲料製造器具との間の流体不通封止を達成するように封止部材として働く、および
飲料を用意するために圧力下で流体を該抽出可能な製品へ供給すること、
を含む、上記方法。


【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−530529(P2012−530529A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516012(P2012−516012)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050825
【国際公開番号】WO2010/137956
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(512164779)コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. (28)
【Fターム(参考)】