説明

飲料水抽出製造機

【目的】 被抽出物が封入されたフィルターバッグ内部に供給水を効率的に浸透させて、被抽出物から成分を十分に抽出でき、所望濃度の抽出水を高効率に得ることができる飲料水抽出製造機を提供する。
【構成】 貯留容器3aと、被抽出物が封入されたフィルターバッグFを挿脱可能に密封する抽出容器4と、前記抽出容器4内に供給水を送り込むポンプ6とを備え、前記供給水を前記ポンプにより前記抽出容器4内に供給し、前記フィルターバッグFにより前記抽出容器4内の流路を閉鎖又は略閉鎖し、前記流路内における前記供給水の流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させることにより前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器3a内に貯留させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焙煎されたコーヒーの原料粉体等の被抽出物が封入されたフィルターバッグ内に温水を浸透させることにより成分を抽出して飲料水を製造する引用物製造機に関する。
【背景技術】
【0002】
図20は特開平2−274210(特許文献1)により開示された従来技術の給茶装置の展開正面図である。図20によって説明すると、この従来技術の給茶装置では、湯沸かしポット103内で沸かされたお湯が給湯ポンプ109によって給湯パイプ115を介して抽出皿105の上方へ送られ、抽出皿105の上方で放出される。抽出皿105上は茶葉を封入したティーバッグ160が載置され、流下するお湯をティーバッグ160に通して茶葉から茶成分を抽出し、茶成分がお湯に混入してお茶が生成される。抽出皿105において抽出されたお茶は抽出ポット107に受け入れられる。抽出ポット107内のお茶は循環ポンプ113により、循環パイプ117と給湯パイプ115を経て再び抽出皿105の上方に導かれて放出され、抽出皿105上のティーバッグ160に通されることにより濃度が高くなる。このように、所望の濃度を得るまでお茶を循環させる。
【0003】
ティーバッグ160は、予めティーバッグ収納箱125内に多数重ねて収納されたティーバッグ160の中から順番に抽出皿105上に供給される。このティーバッグ160の供給はバッグ供給レバー155によって行われる。抽出ポット107の底には、抽出ポット107内のお茶を排出するための給茶バルブ111が設けられている。抽出ポット107の下方にはコップ又は急須123を置くことができ、給茶バルブ111から排出されるお茶を急須123等で受けるようになっている。湯沸かしポット103の底部には湯沸かしポット内のお湯を温めるためのヒーター147が設けられている。また、湯沸かしポット103内には、循環パイプ117を通るお茶を湯沸かしポット103内のお湯によって温めるための熱交換器119が配設されている。
【特許文献1】特開平2−274210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
要約すれば、上記した従来の給茶装置は、湯沸かしポット103内のお湯をヒーター147で温めて抽出皿105の上方に導き、抽出皿105上に載置されたティーバッグ160に流下させて抽出ポット107内にお茶を抽出できる。更に、このお茶を抽出ポット107から湯沸かしポット103へ循環させ、再び抽出皿105の上方に導き、抽出皿105上ティーバッグ160を通して繰り返し抽出し、抽出ポット107内に濃いお茶を貯留できる。このようにして、所望の濃さのお茶を得ることができるものである。
【0005】
しかし、茶葉の入ったティーバック160は抽出皿105上に載置されているだけであり、上方からお湯又は循環されたお茶を放出して流下させるだけであるから、ティーバッグ160の上側から側方に向けてお湯又は循環されたお茶が流れてしまい、ティーバッグ160内を浸透し難く、抽出効率が悪いという問題があった。特に、ティーバッグ160内の茶葉が焙煎されたもの、例えば麦茶では、ティーバッグ160内に炭酸ガス等の焙煎ガスが充満しているから、ティーバッグ160が膨張し、ティーバッグ160内にお湯又はお茶が浸透しにくい。従って、お湯又はお茶がティーバッグ160の表面から周面側方に流れてしまうという問題があった。このように、ティーバッグ160上にお湯又はお茶を流下させる方式では、ティーバック160内の茶葉にお湯又はお茶が浸透せず、十分な成分抽出が行われないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、焙煎された被抽出物が封入されたフィルターバッグ内部に温水を確実に浸透させることができ、被抽出物から成分を十分に抽出させることができる飲料水抽出製造機を提供する。また、抽出温水を循環させて抽出温水の濃度を高めて所望の濃度の抽出温水を得ることができる飲料水抽出製造機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、貯留容器と、被抽出物が封入されたフィルターバッグを挿脱可能に密封する抽出容器と、前記抽出容器内に供給水を送り込むポンプとを備え、前記供給水を前記ポンプにより前記抽出容器内に供給し、前記フィルターバッグにより前記抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖し、前記流路内における前記供給水の流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させることにより前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器内に貯留させるようにした飲料水抽出製造機である。
【0008】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記供給水を前記抽出容器の上方へ又は下方へ流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させる飲料水抽出製造機である。
【0009】
本発明の第3の形態は、第1の形態において、前記供給水を水平又は傾斜方向に前記抽出容器内を流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させる飲料水抽出製造機である。
【0010】
本発明の第4の形態は、第1〜第3のいずれかの形態において、前記供給水の供給源が前記貯留容器に貯留された水及び/又は抽出水からなり、前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器内に循環させ、前記循環動作を継続させることにより前記抽出水の濃度を高める飲料水抽出製造機である。
【0011】
本発明の第5の形態は、第1〜第4のいずれかの形態において、前記貯留容器及び/又は供給水が加熱される飲料水抽出製造機である。
【0012】
本発明の第6の形態は、湯沸容器と、この湯沸容器内の水を加熱する加熱手段と、前記湯沸容器に連通され、焙煎された被抽出物が封入されたフィルターバッグを挿脱可能に密封する抽出容器と、前記湯沸容器内の温水を前記抽出容器内に送り込むポンプとを備え、前記湯沸容器内の温水を前記ポンプにより前記抽出容器内に供給し、前記フィルターバッグにより前記抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖し、前記温水の上昇により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させることにより前記被抽出物から成分を抽出した抽出温水を前記湯沸容器内に循環させ、前記循環動作を継続させることにより前記抽出温水の濃度を高めて前記湯沸容器内に前記抽出温水を貯留させるようにした飲料水抽出製造機である。
【0013】
本発明の第7の形態は、第6の形態において、前記温水を前記抽出容器の上方へ又は下方へ流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させる飲料水抽出製造機である。
【0014】
本発明の第8の形態は、第6の形態において、前記温水を水平又は傾斜方向に前記抽出容器内を流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させる飲料水抽出製造機である。
【0015】
本発明の第9の形態は、第6〜第8のいずれかの形態において、前記抽出容器の任意位置に止部が形成され、前記止部で前記フィルターバッグの移動が阻止され、このフィルターバッグで前記流路が閉鎖又は略閉鎖されてフィルターバッグ内に前記温水が浸透して抽出するようにした飲料水抽出製造機である。
【0016】
本発明の第10の形態は、第6〜第9のいずれかの形態において、前記抽出温水の循環数を前記ポンプの駆動時間によって設定し、前記抽出温水を適度な濃度に調節する飲料水抽出製造機である。
【0017】
本発明の第11の形態は、第6〜第10のいずれかの形態において、前記フィルターバッグには、多数の皺状のプリーツが形成されており、前記抽出容器内の前記温水の流動方向に対して前記プリーツが略直交するように前記フィルターバックが前記抽出容器に挿入される飲料水抽出製造機である。
【0018】
本発明の第12の形態は、第6〜第11のいずれかの形態において、前記湯沸容器内に貯留された抽出温水を必要に応じて外部に吐出する吐出機構を設けた飲料水抽出製造機である。
【0019】
本発明の第13の形態は、第12の形態において、前記湯沸容器と前記抽出容器とがポット本体内に配置され、前記吐出機構は前記ポット本体内に内装されている飲料水抽出製造機である。
【0020】
本発明の第14の形態は、第13の形態において、前記湯沸容器と前記抽出容器の流入口とが循環パイプで連通されると共に、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが吐出パイプで連通され、前記湯沸容器から温水を循環させるポンプをポンプ用パイプに配置し、前記ポンプ用パイプと前記循環パイプと前記吐出パイプとの結合位置に三方弁が配設され、この三方弁の切り換えにより前記温水を前記循環パイプに供給して抽出動作を行い又は前記湯沸容器から前記吐出パイプを介して前記抽出温水を前記吐出口に送出するようにした飲料水抽出製造機である。
【0021】
本発明の第15の形態は、第13の形態において、前記湯沸容器と前記抽出容器とが循環ポンプを介して循環パイプで連通され、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが吐出ポンプを介して吐出パイプで連通され、前記被抽出物の成分の抽出時には前記温水が前記湯沸容器から前記抽出容器に循環され、前記抽出温水の吐出時には前記抽出温水が前記湯沸容器から前記ポット本体の吐出口に向けて送出されるようにした飲料水抽出製造機である。
【0022】
本発明の第16の形態は、第14又は第15の形態において、前記抽出容器はポット本体内に着脱可能に配置され、前記ポット本体における前記抽出容器の配置場所近傍に前記抽出容器をポット本体内に着脱するための開口部が設けられている飲料水抽出製造機である。
【0023】
本発明の第17の形態は、第6〜第12のいずれかの形態において、前記湯沸容器がポット本体内に配置され、前記抽出容器が前記ポット本体の外側に配置されており、前記湯沸容器と前記抽出容器とが前記循環ポンプを介して循環パイプで連通され、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが前記吐出ポンプを介して吐出パイプで連通されている飲料水抽出製造機である。
【0024】
本発明の第18の形態は、第6〜第17のいずれかの形態において、前記被抽出物が焙煎された被抽出物である飲料水抽出製造機である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1の形態によれば、抽出容器内に密封されたフィルターバッグは抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖しているから、ポンプで圧送された供給水はフィルターバッグ内部を浸透し、被抽出物から成分を効率的に抽出することができる。フィルターバッグで流路を完全に閉鎖している場合には、供給水はフィルターバッグ内部に完全に浸透し、被抽出物と大面積で接触し、この接触過程で成分が高効率に抽出され、抽出飲料水の短時間製造が実現できる。流路が略閉鎖される場合でも、フィルターバッグの周面を迂回する供給水(無浸透供給水)は少量であり、換言すれば大量の供給水がフィルターバッグ内部に浸透し、抽出効率は格段に向上させることができる。更に、前記供給水の供給源としては、貯水された種々の容器を用いることができ、また前記貯留容器に貯留されている水や抽出水などを用いることができる。更に、前記供給水として、水道水、浄化器付きの水道から供給される浄化水又は冷水器から供給される冷水等を用いることができる。
更に、前記フィルターバックと略同一の形状及び大きさを有する抽出容器を用いることにより、より確実に前記流路を閉鎖又は略閉鎖することができ、前記無浸透供給水の量を格段に減少させることができる。また、前記抽出容器の構造は、フィルターバッグにより流路を閉鎖又は略閉鎖する種々に構造を用いることができる。第1に、流出口を有する抽出容器の容積を小さく設定し、その空間部にフィルターバッグを密封充填すると、フィルターバッグは空間内を移動できず、流出口がフィルターバッグにより閉鎖される。従って、前記供給水を確実にフィルターバッグ内部に浸透させることができる。第2に、筒状の抽出容器の適当位置にメッシュ等の止部を形成することにより、流圧又は浮力により上昇するフィルターバッグが止部で停止され、抽出容器の断面を遮蔽することができる。前記止部はメッシュ以外に環状突起や任意の構造が採用される。第3に、抽出容器の上端に小断面の流出口を形成し、前記上端の肩部を止部として使用しても良い。フィルターバッグの上昇が前記肩部で阻止され、フィルターバッグが前記流出口を閉鎖すると、圧送される供給水はフィルターバッグ内部に確実に浸透し、前記供給水が高効率にフィルターバッグを貫通する。このように、流路の閉鎖又は略閉鎖は種々の手段により実現できる。
【0026】
本発明の第2の形態によれば、前記供給水を前記抽出容器の上方へ又は下方へ流動させるから、前記抽出容器の流入する供給水の浮力と水位の上昇を利用し、前記フィルターバッグを抽出容器上端に押し上げ、前記抽出容器の流路を確実に閉鎖又は略閉鎖することができる。また、前記供給水を上方へ流動させる場合、前記抽出容器の下面に前記供給水の流入口を設け、前記抽出容器の上面又は側面上部の所望の位置に流出口を設けることができる。即ち、前記流入口の位置から上方への鉛直線上に前記流出口を設ける必要は無く、前記供給水を抽出容器下面から流入させた場合に、前記供給水が前記抽出容器内を上方に流動可能であれば良い。従って、前記下面端部近傍に前記流入口を設け、この流入口から略対抗線上に設けられた上面又は側面の流出口から前記抽出水を流出させることができる。一方、前記供給水を下方へ流動させる場合、前記抽出容器の上面に前記供給水の流入口を設け、前記抽出容器の下面又は側面下部の所望の位置に流出口を設けることができる。即ち、前記上面端部近傍に前記流入口を設け、この流入口から略対抗線上に設けられた下面又は側面の流出口から前記抽出水を流出させることができる。
更に、前記ポンプにより前記供給水が上方へ圧送される場合、流圧と浮力により前記フィルターバッグを抽出容器上端に密着させるから、前記抽出容器内の流路を前記フィルターバッグにより確実に閉鎖又は略閉鎖することができる。従って、無浸透供給水の量を大幅に抑制することができる。更に、前記供給水が前記抽出容器の下方へ流動する場合、ポンプにより付与される圧力と重力により、前記供給水は下方への好適な流圧を有している。従って、下方に流動する供給水は、より確実に前記フィルターバック内部に浸透し、フィルターバックを貫通して流出するから、高効率に前記被抽出物の成分を抽出することができる。
【0027】
本発明の第3の形態によれば、前記供給水を水平方向に前記抽出容器内を流動させる場合、前記抽出容器内において前記供給水の重力による加速又は減速を考慮する必要がないから、前記ポンプにより前記供給水の流量を容易に制御することができる。従って、前記フィルターバックに浸透させる供給水の流量を調整して、前記抽出水の量や濃度を所望の値に設定することができる。特に、前記ポンプを前記抽出容器と同一の高さに設置し、水平又は略水平のパイプにより前記抽出容器と接続することにより、高精度な流量の調節が可能になる。
また、前記供給水を傾斜方向に前記抽出容器内を流動させる場合、前記抽出容器の側面に前記供給水の流入口を設け、前記抽出容器の側面上方、側面下方、上面又は下面における所望の位置に流出口を設けることができる。従って、前記供給水を抽出容器側面に設けられた流入口から流入させ、前記抽出容器の側面上方、側面下方、上面又は下面に設けられた流出口に向けて前記供給水を流動させることがでる。換言すれば、本発明に係る飲料水抽出製造機内の配置や前記抽出水を外部に供給する吐出口の位置に応じて、所望の位置に流出口を設けることができる。
【0028】
本発明の第4の形態によれば、前記供給源が前記貯留容器に貯留された水及び/又は抽出水からなり、前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器内に循環させるから、所望濃度の抽出水を貯留することができる。前記貯留容器内に貯留された抽出水が再び抽出容器内に供給されるから、循環を反復することにより所望濃度の抽出水を短時間に効率良く製造することができる。
【0029】
本発明の第5の形態によれば、前記貯留容器及び/又は供給水が加熱されるから、本発明に係る飲料水抽出製造機によりホットドリンクを供給することができる。更に、前記抽出容器に焙煎被抽出物を充填したフィルターバッグを装填した場合には、フィルターバッグが温水によって加熱されると、フィルターバッグ内の被抽出物から炭酸ガス等の焙煎ガスが放出されてフィルターバッグ内に充満し、前記抽出容器内の流路を好適に閉鎖又は略閉鎖することができる。また、前記抽出容器が上下方向に供給水が流動するように配設されている場合、前記焙煎ガスによってフィルターバッグが温水の水位の上昇によって浮上するから、フィルターバッグの浮上によって、抽出容器の流出口を閉鎖し、その結果、温水はフィルターバッグ内部に浸透する以外になく、フィルターバッグ内への温水の強制浸透により被抽出物から成分を効率的に抽出することが可能となる。
【0030】
本発明の第6の形態によれば、湯沸容器内の温水をポンプにより抽出容器内に供給し、抽出容器内で温水の水位を下側から上側に向けて上昇させる。抽出容器内に密封されたフィルターバッグは抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖しているから、ポンプで圧送された温水はフィルターバッグ内部を浸透し、被抽出物から成分を効率的に抽出し、抽出温水が抽出容器の流出口から放出され、再び湯沸容器内に帰還する。この循環を反復しながら所望濃度の抽出温水が短時間に製造できる。フィルターバッグで流路を完全に閉鎖している場合には、温水はフィルターバッグ内部に完全に浸透し、被抽出物と大面積で接触し、この接触過程で成分が高効率に抽出され、抽出飲料水の短時間製造が実現できる。流路が略閉鎖される場合でも、フィルターバッグの周面を迂回する温水(無浸透温水)は少量であり、換言すれば大量の温水がフィルターバッグを内部浸透するから、抽出効率は格段に高い。
【0031】
フィルターバッグが抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖する構造は種々に設計できる。第1に、上端に流出口を有する抽出容器の容積を小さく設定し、その空間部にフィルターバッグを密封充填すると、フィルターバッグは空間内を移動できず、流出口がフィルターバッグにより閉鎖されるようにしておけば、温水は内部浸透する以外にない。第2に、縦長筒状の抽出容器の適当位置にメッシュ等の止部を形成しておくと、浮力により上昇するフィルターバッグが止部で停止し、抽出容器の断面を遮蔽するように設計すればよい。前記止部はメッシュ以外に環状突起や任意の構造が採用される。第3に、抽出容器の上端に小断面の流出口を形成し、前記上端の肩部を止部として使用しても良い。フィルターバッグの上昇が前記肩部で阻止され、フィルターバッグが前記流出口を閉鎖すると、圧送される温水はフィルターバッグ内部を浸透する以外にない。このように、流路の閉鎖又は略閉鎖は種々の手段により実現できる。
【0032】
特に、中間に止部を有しない縦長筒状の抽出容器に焙煎被抽出物を充填したフィルターバッグを装填した場合には、フィルターバッグが温水によって加熱されると、フィルターバッグ内の被抽出物から炭酸ガス等の焙煎ガスが放出されてフィルターバッグ内に充満し、このガスによってフィルターバッグが温水の水位の上昇によって浮上する。フィルターバッグの浮上によって、抽出容器の流出口を閉鎖し、その結果、温水はフィルターバッグ内部に浸透する以外になく、フィルターバッグ内への温水の強制浸透により被抽出物から成分を効率的に抽出することが可能となる。この構成では、フィルターバッグを抽出容器の上端まで浮上させてフィルターバッグ内部に温水を浸透させるから、温水がフィルターバッグ内部の被抽出物まで浸透する。このように、成分の高効率抽出により、短時間の循環で被抽出物を抽出完了し、業務用・家庭用に好適な飲料水抽出製造機を提供できる。
【0033】
上記構成によれば、フィルターバッグ内部の被抽出物からその成分を十分に抽出することができる。これは、従来のようにフィルターバッグに上側から温水を放出して流下されるものに比べて、被抽出物の成分を格段に高効率に抽出できる効果が発揮される。また、湯沸容器内に抽出された抽出温水を湯沸容器から抽出容器に向けて継続的に循環させることにより、抽出温水の濃度を高めて短時間且つ高効率に所望濃度の抽出温水を得ることができる。この抽出温水が本装置により生成される飲料水である。被抽出物としては、焙煎したものでも焙煎しないものでもよい。焙煎した場合には、温水との接触により焙煎ガスが放出され、フィルターバッグに浮力が作用し、抽出容器内を上昇しようとする。被抽出物には、例えば、コーヒー豆を焙煎したコーヒー原料粉体や麦茶の茶葉、紅茶の茶葉、緑茶の茶葉、ゴーヤ茶の茶葉等がある。
【0034】
本発明の第7の形態によれば、前記ポンプにより前記抽出容器上部から前記湯沸容器内の温水を前記抽出容器内に供給し、前記抽出容器上部から供給される温水の降下により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させるから、前記抽出容器の流入する温水の浮力と水位の上昇を利用し、前記フィルターバッグを抽出容器上端に押し上げ、前記抽出容器の流路を確実に閉鎖又は略閉鎖することができる。更に、前記ポンプにより付与される圧力と重力により、前記温水は下方への好適な流速及び/又は流量が付与され、下方に流動する供給水は、より確実に前記フィルターバック内部に浸透することができ、前記温水はフィルターバックを貫通して流出するから、高効率に前記被抽出物の成分を抽出することができる。また、湯沸容器内に抽出された抽出温水を湯沸容器から抽出容器に向けて継続的に循環させることにより、抽出温水の濃度を高めて短時間且つ高効率に所望濃度の抽出温水を得ることができる。
【0035】
更に、前記温水を上方へ流動させる場合、前記抽出容器の下面に前記温水の流入口を設け、前記抽出容器の上面又は側面上部の所望の位置に流出口を設けることができる。従って、前記下面端部近傍に前記流入口を設け、この流入口から略対抗線上に設けられた上面又は側面の流出口から前記抽出温水を流出させることができる。一方、前記温水を下方へ流動させる場合、前記抽出容器の上面に前記温水の流入口を設け、前記抽出容器の下面又は側面下部の所望の位置に流出口を設けることができる。従って、前記上面端部近傍に前記流入口を設け、この流入口から略対抗線上に設けられた下面又は側面の流出口から前記抽出温水を流出させることができる。
【0036】
本発明の第8の形態によれば、前記湯沸容器内の温水を前記ポンプにより前記抽出容器内に供給し、前記抽出容器内で前記温水を水平又は略水平方向に流動させるから、前記抽出容器内において前記温水の重力による加速又は減速を考慮する必要がなく、前記ポンプにより前記供給水の流量を容易に制御することができる。従って、前記フィルターバックに浸透させる供給水の流量を調整して、前記抽出水の量や濃度を所望の値に設定することができる。特に、前記ポンプを前記抽出容器と同一の高さに設置し、水平又は略水平のパイプにより前記抽出容器と接続することにより、高精度な流量の調節が可能になる。また、前記温水の流量を精度良く制御して前記抽出温水を循環させることにより、前記抽出温水を高精度に所望濃度に設定することができる。また、前記供給水を傾斜方向に前記抽出容器内を流動させる場合、前記抽出容器の側面に前記温水の流入口を設け、前記抽出容器の側面上方、側面下方、上面又は下面における所望の位置に流出口を設けることができる。従って、本発明に係る飲料水抽出製造機内の配置や前記抽出温水を外部に供給する吐出口の位置に応じて、所望の位置に流出口を設けることができる。
【0037】
本発明の第9の形態によれば、抽出容器の任意位置に止部が形成されているから、フィルターバッグはこの止部の位置で静止し、この位置で温水がフィルターバッグを内部浸透して被抽出物を効率的に抽出する。従って、止部の位置により、フィルターバッグは上昇しても前記止部の位置で上昇を阻止され停止することになる。止部が最下方にあればフィルターバッグは上昇することなくその位置にて抽出過程が行われる。止部が抽出容器の上端の肩部であれば、フィルターバッグは最上端まで上昇し、この止部の位置で停止して被抽出物の成分を抽出することができる。抽出容器の内部容積が小さい場合には、フィルターバッグは上昇することが不能であり、この場合にも止部は抽出容器の上端の肩部になる。中間の止部としては、メッシュや環状突起などがあり、最上端の止部(即ち肩部)としては、先細り状の傾斜壁や、抽出容器の上端が内向きに直角に屈曲した形状の壁や、抽出容器内に内向きに突出した突出部等がある。フィルターバッグが止部で上昇を阻止されるから、温水又は抽出温水がフィルターバッグの内部まで確実に浸透し、この被抽出物からその成分を十分に抽出することができる。更に、前記抽出容器内の端部と止部又は2つの止部間の距離をフィルターバックの大きさに設定することができ、前記フィルターバッグは移動することなくその位置にて抽出過程を行うことができる。前記止部が抽出容器の流出口側の端部である場合、フィルターバッグは前記流出口側の端部まで移動し、その位置で停止して被抽出物の成分が抽出される。
【0038】
本発明の第10の形態によれば、抽出温水の循環数をポンプの駆動時間によって設定するから、時間を調節することによって、薄い、中程度、濃いのそれぞれ目的とする濃度の抽出温水(飲料水)を得ることができる。従って、時間を調節することにより、抽出温水の循環数を調節して適度な濃度の抽出温水を簡単に得ることができる。
【0039】
本発明の第11の形態によれば、焙煎ガスが封入されたフィルターバッグに皺状のプリーツが形成されていることから、抽出容器内で温水又は抽出温水の水位が上昇する際に、内部の焙煎ガスの膨出によりフィルターバックが膨らむ。従って、温水又は抽出温水がフィルターバッグの内部に浸透したときに、被抽出物の表面のほぼ全面積に温水又は抽出温水を浸透させることができる。このことによって、フィルターバッグ内の被抽出物の成分を余すことなく抽出することができる。また、抽出容器内の温水の流動方向に対してプリーツが略直交するようにフィルターバッグが抽出容器内に挿入されているから、フィルターバッグは内部の焙煎ガスの膨張により上下に膨らむ。従って、プリーツが形成されていることにより、フィルターバッグが内部の焙煎ガスの膨張によって支障なくスムーズに膨らみ、内部の被抽出物の表面の全面積に渡り温水又は抽出温水が浸透し、その成分を十分に抽出することができる。
【0040】
本発明の第12の形態によれば、吐出機構によって、湯沸容器内の抽出温水を必要に応じて外部に吐出できるから、吐出口の下側にカップ等を置き、抽出温水をこの吐出口から注いでカップ等に溜めることができる。この吐出機構としては、例えば、湯沸容器の下端にパイプを連通させ、このパイプの途中にポンプを設け、更に吐出口に向けてパイプを延設することによって構成される。カップ等に溜まった抽出温水即ちコーヒー等の飲料水を飲むことによって喉を潤すことができる。
【0041】
本発明の第13の形態によれば、湯沸容器と抽出容器とがポット本体内に配置されているので、普通のポットと同様に使用することができ、吐出機構によって、カップ等に抽出温水を注ぐことができる。このポット内には湯沸容器から温水又は抽出温水を循環させるためのポンプと、湯沸容器と抽出容器を連通するパイプを設ける。また、吐出機構として湯沸容器からポット本体の吐出口に向けてパイプを配設し、このパイプの途中にポンプを設けるとよい。このように、ポットとして使用できるから、事業所用だけでなく、一般家庭用としても使用することができる。
【0042】
本発明の第14の形態によれば、ポンプ用パイプと循環パイプと吐出パイプとの結合位置に三方弁が配設されているから、三方弁を切り替えるだけで、温水を循環パイプに供給したり抽出温水を吐出パイプに吐出することができる。従って、三方弁を切り替えるだけの簡単な操作で温水又は抽出温水を湯沸容器から抽出容器に循環パイプを介して循環させることができ、また、抽出温水を吐出パイプを介して吐出口に送出することができる。三方弁が配設されていることにより、ポンプはポンプ用パイプに一箇所設けるだけでよいので構造を簡単化することができる。
【0043】
本発明の第15の形態によれば、循環ポンプと吐出ポンプを別々に設けたから、三方弁を必要とせずに、温水又は抽出温水を循環させたり、抽出温水を吐出口に送出することができる。従って、循環ポンプを駆動することにより、温水又は抽出温水を湯沸容器から抽出容器に向けて循環パイプを介して循環させることができる。また、吐出ポンプを駆動することにより、抽出温水を湯沸容器から吐出口に向けて吐出パイプを介して送出することができる。
【0044】
本発明の第16の形態によれば、抽出容器がポット本体内に着脱可能に配置されているので、フィルターバッグを交換するときに、抽出容器をポット本体内から取り出して簡単にこの交換を行うことができる。また、ポット本体に設けられた開口部から抽出容器を容易に取り出すことができ、抽出容器内のフィルターバッグの交換をポット本体の外部で行うことができてこの交換が行い易い。
【0045】
本発明の第17の形態によれば、抽出容器がポット本体の外側に配置されていることにより、抽出容器内のフィルターバッグの交換をポット本体の外側で容易に行うことができる。また、ポット本体内には湯沸容器だけが配置されているから、この湯沸容器を容量の大きなものにすることができ、多量の抽出温水をこの湯沸容器内に貯留することができる。
【0046】
本発明の第18の形態によれば、被抽出物が焙煎された被抽出物であるから、抽出時に焙煎ガスが放出されて、フィルターバッグに浮力が作用し、抽出容器の閉鎖が確実に実現できる。焙煎被抽出物の典型例としてコーヒー原料粉体や麦茶がある。例えば、コーヒーは、一般に市販されているキリマンジャロ、モカ、モンブラン等の好みのものを選んで抽出温水として得ることができる。この場合には、本抽出製造機はコーヒーメーカーとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明に係る飲料水抽出製造機の実施の形態を、添付する図1〜図8に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態では、飲用物として焙煎されたコーヒーについて説明するが、コーヒーに限らず焙煎されたお茶等も適用することができる。
【0048】
図1は、本発明に係る水平流動型の抽出容器4が配設された飲料水抽出製造機1の縦断面図である。この飲料水抽出製造機1は貯留容器3a、抽出容器4及びポンプ6を備え、供給水が供給源(タンク22、水道23、貯留容器3aなど)に接続された供給パイプ5aを流通し、前記ポンプ6により、パイプ5bを介して前記供給水が前記抽出容器4に供給される。前記抽出容器4から貯留容器3aに向けて抽出パイプ7aが配設され、ポンプ6は制御回路8によってその出力を制御される。また、抽出容器4は、その下側に螺合部4aが設けられ、この螺合部4aを分割することにより、外側から内部にフィルターバッグFが挿入されるようになっている。
【0049】
更に、抽出容器4の形状及び大きさは、前記フィルターバックFの形状及び大きさに略一致するように設定されており、前記螺合部4aを螺合することにより、前記抽出容器4内の流路が前記フィルターバックFにより閉鎖されている。また、前記抽出容器4が前記フィルターバックFより流動方向(図中矢印)に大きい場合においても、流圧により前記フィルターバックFが止部4bに密着し、前記抽出容器4内の流路を閉鎖される。このような状態で、ポンプ6を駆動すると、前記供給水が抽出容器4内のフィルターバッグFに浸透し、フィルターバッグF内の原料粉体の成分が抽出され、前記抽出水となって抽出パイプ7aを流れて貯留容器3a内に貯留される。
【0050】
前記供給パイプ5aは、被抽出水に応じて供給水が貯水されたタンク22又は水道23などの供給源に接続され、前記ポンプ及びパイプ5bを介して供給水を前記抽出容器に供給することができる。更に、前記供給源が貯留容器3aに貯留される水及び/又は抽出水からなる場合、前記供給パイプは循環パイプ5として機能し、前記抽出水を再度、前記抽出容器4へ循環させることができる。
【0051】
図2は、本発明に係る湯沸容器3が配設された飲料水抽出製造機1の縦断面図である。湯沸容器3は、図1に示した貯水容器4の下面側にヒーター2が設置され、構成されている。前記ヒーター2により前記抽出容器4から抽出された抽出水を加熱して、抽出温水を製造することができる。また、前記抽出温水を循環パイプ5から再度、抽出容器に循環させると、前記被抽出物として前記フィルターバックに充填された焙煎したコーヒー原料粉体や麦茶の茶葉、紅茶の茶葉、緑茶の茶葉、ゴーヤ茶の茶葉等から温水との接触により焙煎ガスが放出され、フィルターバッグが膨張し、前記抽出容器4の流路が好適に閉鎖又は略閉鎖される。従って、複数回に亘り前記抽出温水を循環させることにより好適な濃度及び温度を有する抽出温水を飲料水として供給することができる。
【0052】
図3は、本発明に係る止部4bが設置された抽出容器4の縦断面図である。(3A)では、前記抽出容器4内にメッシュ状の止部4bが配設され、前記フィルターバックFが前記止部4b上に設置され、前記抽出容器4を閉鎖又は略閉鎖する。従って、上方からの供給水は確実に前記フィルターバックFの内部に浸透し、前記被抽出物の成分を高効率に抽出することができる。(3B)は、小さなフィルターバックFが前記抽出容器4内に設置されている。この場合、前記メッシュ状の止部4bの位置を調整することにより、前記フィルターバックFが抽出容器4の流路を占有し、その流路を閉鎖又は略閉鎖状態にしている。従って、上方から流入する供給水は確実に前記フィルターバックFに浸透するから、前記被抽出物の成分が高効率に抽出される。
【0053】
図4は、本発明に係る抽出容器4の縦断面図である。前記抽出容器4の端部はその径が次第に狭くなる止部4bが形成されている。前記フィルターバッグFは流圧により前記止部4bの表面に密着し、前記抽出容器4内の流路が確実に閉鎖される。更に、前記フィルターバックFの大きさに合わせて、前記抽出容器4の容積を設定することにより、前記フィルターバックFが流入口側の端面に密着し、より確実に前記流路が閉鎖される。また、図中には、前記供給水が水平方向に流動する抽出容器4を示したが、図4の抽出容器4を前記供給水が上方へ又は下方へ流動するように設置して用いることもできる。
【0054】
図5は、本発明に係る抽出容器4が配設された飲料水抽出製造機1の縦断面図である。前記飲料水抽出製造機1は貯留容器3a、抽出容器4及びポンプ6を備え、供給水が供給源(タンク22、水道23、貯留容器3aなど)に接続された供給パイプ5aを流通し、前記ポンプ6により、パイプ5bを介して前記供給水が前記抽出容器4に供給される。図1の抽出容器4がその流路を前記供給水が上方へ流動するように配設されている。更に、図1と同様に、前記供給パイプ5aは、被抽出水に応じて供給水が貯水されたタンク22又は水道23などの供給源に接続され、前記ポンプ及びパイプ5bを介して供給水を前記抽出容器に供給することができる。更に、前記供給源が貯留容器3aに貯留される水及び/又は抽出水からなる場合、前記供給パイプは循環パイプ5として機能し、前記抽出水を再度、前記抽出容器4へ循環させることができる。
【0055】
図6は、図5の飲料水抽出製造機に循環パイプ5が付設された循環型の飲料水抽出製造機1の縦断面図である。前記貯留容器3aにはヒーター2が付設され、湯沸容器3を構成し、この湯沸容器3には供給水として加熱された温水が貯留されている。循環パイプ5は一端が抽出容器4の下端に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の上端に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。また、上記構成により、ポンプ6を駆動すると、ヒーター2で過熱された湯沸容器3内の温水が循環パイプ5を流れて抽出容器4の下側から抽出容器4内に流入される。前記温水によってフィルターバッグF内のコーヒー原料粉体や麦茶の茶葉、紅茶の茶葉、緑茶の茶葉、ゴーヤ茶の茶葉等の成分が抽出され、抽出温水となって帰還パイプ7を流れて再び湯沸容器3内に帰還される。
【0056】
図7は、本発明に係る抽出容器4の下方に温水を流動させた飲料水抽出製造機1の縦断面図である。図7では、前記ポンプ6が帰還パイプ7に設置され、図6の抽出容器とは逆方向に温水が供給される。循環パイプ5の一端が抽出容器4の上端に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の下端に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。上記構成により、ポンプ6を駆動すると、ヒーター2で過熱された湯沸容器3内の温水が循環パイプ5を流れて抽出容器4の上側から抽出容器4内に流入され、前記温水によってフィルターバッグF内の被抽出物の成分を抽出する。
【0057】
図8は、本発明に係る水平流動型の抽出容器4が配設された飲料水抽出製造機1の縦断面図である。図8には、図7の抽出容器4が横向きに配設され、抽出容器4内を温水が水平方向に流動する。循環パイプ5は一端が抽出容器4の流入口側に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の流出口側に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。従って、ポンプ6を駆動すると、ヒーター2で過熱された湯沸容器3内の温水が循環パイプ5から抽出容器4に供給され、この抽出容器4を前記温水が水平方向に流動する。この温水によってフィルターバッグF内の被抽出物の成分が抽出され、抽出温水となって帰還パイプ7を流れて再び湯沸容器3内に帰還される。
【0058】
図9は、本発明に係る抽出容器4内を温水が図8と逆方向に流動する飲料水抽出製造機1の縦断面図である。図9では、ポンプ6が帰還パイプ7に設置され、図6の抽出容器とは逆方向に温水が供給される。循環パイプ5の一端が抽出容器4の流入口側に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の流出口側に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。ポンプ6を駆動すると、ヒーター2で過熱された湯沸容器3内の温水が循環パイプ5から抽出容器4に供給され、この抽出容器4を前記温水が図8とは逆方向に流動する。
【0059】
図10は、本発明に係る飲料水抽出製造機において抽出容器内のフィルターバッグが低い位置にあるときの状態を示す縦断面図である。図10に示すように、この飲料水抽出製造機1は下面側にヒーター2が配設された湯沸容器3と、この湯沸容器3に連通された抽出容器4とを備えている。湯沸容器3と抽出容器4とを連通する循環パイプ5がポンプ6を介して配設されている。また、抽出容器4から湯沸容器3に向けて帰還パイプ7が配設されている。ポンプ6は制御回路8によってその出力を制御されるようになっている。また、抽出容器4は、その下側に螺合部4aが設けられ、この螺合部4aを分割することにより、外側から内部にフィルターバッグFが挿入されるようになっている。
【0060】
更に、抽出容器4の上端はその径が次第に狭くなる止部4bに形成されている。循環パイプ5は一端が抽出容器4の下端に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の上端に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。また、湯沸容器3内にはヒーター2で加熱された温水が貯留されている。
【0061】
上記構成により、ポンプ6を駆動すると、ヒーター2で過熱された湯沸容器3内の温水が循環パイプ5を流れて抽出容器4の下側から抽出容器4内に流入される。抽出容器4内の温水の水位が上がると、抽出容器4内に挿入されているフィルターバッグFが下側から上側に向けて上昇する。この温水によってフィルターバッグF内のコーヒー原料粉体の成分が抽出され、抽出温水となって帰還パイプ7を流れて再び湯沸容器3内に帰還される。
【0062】
図11は、図10のフィルターバッグが抽出容器4内の最上部の止部4bまで上昇した状態を示す飲料水抽出製造機1の縦断面図である。図11に示すように、抽出容器4内の温水の水位が上がると、フィルターバッグFは抽出容器4の上端の止部4bによってその上昇を阻止される。この状態では、温水がフィルターバッグF内に浸透し、フィルターバッグF内のコーヒー原料粉体からコーヒーの成分が抽出される。抽出された抽出温水は帰還パイプ7を流れて湯沸容器3内に帰還される。更に、湯沸容器3内の抽出温水はポンプ6が作動されている間、循環パイプ5と抽出容器4と帰還パイプ7を流れて継続して循環される。従って、湯沸容器3内には次第の濃度の濃い抽出温水が貯留される。この抽出温水の循環数は、ポンプ6の駆動時間によって設定し、抽出温水を適度な濃度に調整することが好ましい。
【0063】
図12は、本発明に係る抽出容器4内を温水が下方へ流動する飲料水抽出製造機1の縦断面図である。図12では、前記ポンプ6が帰還パイプ7に設置され、図10の抽出容器とは逆方向に温水が供給される。循環パイプ5の一端が抽出容器4の上端に接合され、他端が湯沸容器3の底部の近傍位置まで配設されている。帰還パイプ7は一端が抽出容器4の下端に接合され、他端が湯沸容器3の上部側に位置されている。前記出容器4の上端は、図10と同様に、その径が次第に狭くなる止部4bに形成されている。ポンプ6を駆動すると、前記湯沸容器3内の温水が循環パイプ5を流れて抽出容器4の上側から抽出容器4内に流入し、抽出容器4内の温水の水位が上がると、抽出容器4内に挿入されているフィルターバッグFが下側から上側に向けて上昇する。従って、フィルターバッグFは抽出容器4の上端の止部4bによってその上昇を阻止され、温水は上方からフィルターバッグF内に浸透し、フィルターバッグF内のコーヒー原料粉体からコーヒーの成分が抽出される。
【0064】
図13は、本発明に係る抽出容器内における温水の水位の上昇とこれに伴うフィルターバッグの位置状態を示し、(13A)はフィルターバッグが抽出容器内の下側に位置している状態の縦断面図、(13B)はフィルターバッグが抽出容器内の上端に位置している状態の縦断面図である。(13A)に示すように、フィルターバッグFには焙煎ガスが封入されていると共に多数の皺状のプリーツpが形成されており、抽出温水の流動方向にプリーツpが略直交するように抽出容器4内に挿入されている。
【0065】
(13B)に示すように、フィルターバッグFは温水の水位の上昇により、次第に上下方向に膨らんで止部4bによって上昇を阻止される。この状態で温水はフィルターバッグF内に浸透しており、フィルターバッグFが膨らむことにより、フィルターバッグ内のコーヒー原料粉体の表面の全面積に浸透する。従って、フィルターバックF内に浸透した温水によってコーヒー原料粉体の成分を十分抽出することができる。
【0066】
図14は、本発明に係る飲料水抽出製造機を示し、抽出温水が循環している状態を示す縦断面図である。図14に示すように、湯沸容器3と抽出容器4とがポット本体9内に配置されている。湯沸容器3の下面にはヒーター2が配設され、その中央部分から下向きにポンプ用パイプ10が配置され、このポンプ用パイプ10にはポンプ6が配設されている。ポンプ用パイプ10は、抽出容器4の下端に接合される循環パイプ11に連通されると共に、ポット本体9の吐出口12に通じる吐出パイプ13に連通されている。また、ポンプ用パイプ10と循環パイプ11と吐出パイプ13の結合位置に三方弁14が配設されている。尚、図中符号15はポンプ6と三方弁14を制御する制御部であり、符号16は後述するコーヒー豆選択ボタン、符号17は後述する濃度選択ボタンである。
【0067】
三方弁14が循環方向に切り替えられると、ポンプ6が駆動され、湯沸容器3内から温水がポンプ用パイプ10から循環パイプ11に流れ、抽出容器4内に下側から流入する。抽出容器4内の温水の水位が上がるとフィルターバッグFが上端の止部4bまで上昇する。この上昇時にフィルターバッグFは内部の炭酸ガス等のガスにより上下に膨らみながら上昇する。フィルターバッグF内には温水が浸透し、内部のコーヒー原料粉体から成分が抽出される。この抽出温水は、帰還パイプ7によって再び湯沸容器3内に帰還され、更にポンプ6の作動中は湯沸容器3からポンプ用パイプ10、循環パイプ11を経て抽出容器4内に流入し、帰還パイプ7から湯沸容器3内に帰還されて継続して循環される。このようにして、適度な濃度の抽出温水が湯沸容器3内に貯留される。
【0068】
図15は、本発明に係る飲料水抽出製造機であって、湯沸容器から抽出温水が吐出される状態を示す縦断面図である。図15に示すように、三方弁14を吐出方向に切り替え、吐出口12の下側にカップ等を置き、注入ボタン(図示略)を押してポンプ6を駆動する。このポンプ6の駆動によって湯沸容器3からポンプ用パイプ10と三方弁14を経て吐出パイプ13に抽出温水が吐出され、吐出口12から抽出温水(コーヒー)がカップ等に注入される。また、ポット本体9における抽出容器4の近傍には、開口部9aが設けられており、抽出容器4内のフィルターバッグFを取り替えるときに、この開口部9aから抽出容器4をポット本体9の外部に取り出す。このようにして抽出容器4を取り出した後に、抽出容器4内のフィルターバッグFを取り替えて、抽出容器4を再び開口部9aからポット本体9内に挿入してセットする。
【0069】
図16は、本発明に係る水平流動型の抽出容器4が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。尚、図14及び図15と同一部材については、一部説明を省略する。水平流動型の抽出容器4と湯沸容器3とがポット本体9内に配置され、ポンプ用パイプ10が抽出容器4の流入口側に接合される循環パイプ11に連通されると共に、前記ポット本体9の吐出口12に通じる吐出パイプ13に連通されている。図16では、三方弁14が循環方向に切り換えられて、ポンプ6が駆動すると、湯沸容器3内から温水がポンプ用パイプ10から循環パイプ11に流れて抽出容器4に供給され、前記温水が抽出容器4内を水平方向に流動する。フィルターバッグF内には温水が浸透し、内部のコーヒー原料粉体から成分が抽出される。この抽出温水は、帰還パイプ7によって再び湯沸容器3内に帰還される。
【0070】
図17は、本発明に係る飲料水抽出製造機における各種選択ボタンを示す部分平面図である。図6に示すように、ボタン表示板18にはコーヒー豆選択ボタン16と濃度選択ボタン17が設けられている。コーヒー豆選択ボタン16には、コーヒー豆の種類であるキリマンジャロ、モカ、モンブラン、コロンビア、ブルーマウンテン等の選択ボタンがある。濃度選択ボタン17には、抽出温水(コーヒー)の濃度の濃さが表示されている。これは、濃度が濃い場合の選択ボタン、濃度が中くらいの場合の選択ボタン、濃度が薄い場合の選択ボタンの3種類の選択ボタンがある。これらの選択ボタンを飲む人の好みによって予め押すことによって、所望の抽出温水(コーヒー)をカップ等に注いで飲むことができる。
【0071】
図18は、本発明に係る飲料水抽出製造機による抽出温水(コーヒー)の製造から抽出までの過程を示すフローチャートである。図18のフローチャートに基づいて、抽出温水(コーヒー)の製造から抽出までの過程を更に詳細に説明する。先ず、コーヒー容器(湯沸容器3)に水を注入し、ヒーター2でこの水を加熱して温水とする(S1、S2)。次に湯沸容器3内の温水が所定温度になったか否かを湯沸容器3に設けられた温度計で測る(S3)。まだ、所定温度になっていない場合は引き続きヒーターで加熱する。所定温度になったときに、三方弁14を抽出側に切り替え、ポンプ6を作動させて循環抽出を所定時間継続して行う(S4、S5、S6)。
【0072】
次に、抽出時間が満了したか否かを見て、まだ抽出時間が満了していないときには、循環抽出を引き続き行い、抽出時間が満了したときにポンプ6を停止して保温にする(S7、S8、S9)。次に、コーヒー(抽出温水)をカップ等に注入するか否かを決めて、注入しない場合は保温を引き続き行い、注入する場合には、三方弁14を注入側に切り替える(S10、S11)。その後ポンプ6を作動し、コーヒー(抽出温水)をカップ等に注入し、この注入が終了したときにポンプ6を停止する(S12、S13、S14)。コーヒー(抽出温水)の注入を何回か行った後、湯沸容器3内のコーヒー(抽出温水)はあるか否かを確かめる(S15)。コーヒー(抽出温水)がある場合にはS10に戻ってコーヒー(抽出温水)を注入するか否かの上記過程を繰り返す。コーヒー(抽出温水)が無くなると保温を停止し、コーヒーフィルター(フィルターバッグF)を取り替える(S16、S17)。取り替えた後に引き続き上記した全ての過程を繰り返す。
【0073】
図19は、本発明に係る飲料水抽出製造機を示す縦断面図である。尚、上記した同一部材、同一箇所には同一符号を付して、その説明を省略する。図19に示すように、ポット本体9内における湯沸容器3と抽出容器4とが循環ポンプ18を介して循環パイプ19で連通されている。また、湯沸容器3とポット本体9の吐出口12とが吐出ポンプ20を介して吐出パイプ21で連通されている。抽出容器3内に挿入されたフィルターバッグF内のコーヒーの原料粉体から成分を抽出する場合には、ヒーター2で加熱された湯沸容器3内の温水を循環ポンプ18を駆動させて循環させる。即ち、湯沸容器3内の温水が湯沸容器3から循環パイプ19を介して抽出容器4内に循環される。また、抽出温水の吐出ときには、吐出ポンプ20を駆動させて、湯沸容器3から抽出温水(コーヒー)をポット本体9の吐出口12に向けて送出させる。この第3実施形態の飲料水抽出製造機では、三方弁を設けることなく、抽出温水の循環と吐出とを行うことができる。
【0074】
また、図示しないが、湯沸容器3をポット本体9内に配置し、抽出容器4をポット本体9の外側に配置することも可能である。この場合、湯沸容器3と抽出容器4とが循環ポンプ18を介して循環パイプ19で連通され、湯沸容器3とポット本体9の吐出口とが吐出ポンプ20を介して吐出パイプ21で連通されることになる。従って、抽出容器4がポット本体9の外側に配置されていることにより、抽出容器4内のフィルターバッグFの交換が行い易い利点がある。
【0075】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0076】
この発明に係る飲料水抽出製造機は、ポット本体内に湯沸容器と抽出容器とを配置することによって、事業所だけでなく、一般の家庭用としても使用することができる。また、抽出容器内に挿入されるフィルターバッグだけをユーザーに販売することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る水平流動型の抽出容器が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図2】本発明に係る湯沸容器が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図3】本発明に係る止部が設置された抽出容器の縦断面図である。
【図4】本発明に係る抽出容器の縦断面図である。
【図5】本発明に係る抽出容器が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図6】図5の飲料水抽出製造機に循環パイプが付設された循環型の飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図7】本発明に係る抽出容器の下方に温水を流動させた飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図8】本発明に係る水平流動型の抽出容器が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図9】本発明に係る抽出容器内を温水が図8と逆方向に流動する飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図10】本発明に係る飲料水抽出製造機において抽出容器内のフィルターバッグが低い位置にあるときの状態を示す縦断面図である。
【図11】図10のフィルターバッグが抽出容器内の最上部の止部まで上昇した状態を示す飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図12】本発明に係る抽出容器内を温水が下方へ流動する飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図13】本発明に係る抽出容器内における温水の水位の上昇とこれに伴うフィルターバッグの位置状態を示し、(13A)はフィルターバッグが抽出容器内の下側に位置している状態の縦断面図、(13B)はフィルターバッグが抽出容器内の上端に位置している状態の縦断面図である。
【図14】本発明に係る飲料水抽出製造機を示し、抽出温水が循環している状態を示す縦断面図である。
【図15】本発明に係る飲料水抽出製造機であって、湯沸容器から抽出温水が吐出される状態を示す縦断面図である。
【図16】本発明に係る水平流動型の抽出容器が配設された飲料水抽出製造機の縦断面図である。
【図17】本発明に係る飲料水抽出製造機における各種選択ボタンを示す部分平面図である。
【図18】本発明に係る飲料水抽出製造機による抽出温水(コーヒー)の製造から抽出までの過程を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る飲料水抽出製造機を示す縦断面図である。
【図20】従来の給茶装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0078】
F フィルターバッグ
p 皺状のプリーツ
1 飲料水抽出製造機
2 ヒーター
3 湯沸容器
4 抽出容器
4a 螺合部
4b 止部
5 循環パイプ
5a 供給パイプ
5b パイプ
6 ポンプ
7 帰還パイプ
7a 供給パイプ
8 制御回路
9 ポット本体
10 ポンプ用パイプ
11 循環パイプ
12 吐出口
13 吐出パイプ
14 三方弁
15 制御部
16 コーヒー豆選択ボタン
17 濃度選択ボタン
18 循環ポンプ
19 循環パイプ
20 吐出ポンプ
21 吐出パイプ
22 タンク
23 水道
103 ポット
105 抽出皿
107 抽出ポット
109 給湯ポンプ
111 給茶バルブ
113 循環ポンプ
115 給湯パイプ
117 循環パイプ
119 熱交換器
125 ティーバッグ収納箱
147 ヒーター
160 ティーバッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留容器と、被抽出物が封入されたフィルターバッグを挿脱可能に密封する抽出容器と、前記抽出容器内に供給水を送り込むポンプとを備え、前記供給水を前記ポンプにより前記抽出容器内に供給し、前記フィルターバッグにより前記抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖し、前記流路内における前記供給水の流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させることにより前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器内に貯留させるようにしたことを特徴とする飲料水抽出製造機。
【請求項2】
前記供給水を前記抽出容器の上方へ又は下方へ流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させる請求項1に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項3】
前記供給水を水平又は傾斜方向に前記抽出容器内を流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記供給水を浸透させる請求項1に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項4】
前記供給水の供給源が前記貯留容器に貯留された水及び/又は抽出水からなり、前記被抽出物から成分を抽出した抽出水を前記貯留容器内に循環させ、前記循環動作を継続させることにより前記抽出水の濃度を高める請求項1〜3のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項5】
前記貯留容器及び/又は供給水が加熱される請求項1〜4に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項6】
湯沸容器と、この湯沸容器内の水を加熱する加熱手段と、前記湯沸容器に連通され、被抽出物が封入されたフィルターバッグを挿脱可能に密封する抽出容器と、前記湯沸容器内の温水を前記抽出容器内に送り込むポンプとを備え、前記湯沸容器内の温水を前記ポンプにより前記抽出容器内に供給し、前記フィルターバッグにより前記抽出容器内の流路を閉鎖又は略閉鎖し、前記温水の上昇により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させることにより前記被抽出物から成分を抽出した抽出温水を前記湯沸容器内に循環させ、前記循環動作を継続させることにより前記抽出温水の濃度を高めて前記湯沸容器内に前記抽出温水を貯留させるようにしたことを特徴とする飲料水抽出製造機。
【請求項7】
前記温水を前記抽出容器の上方へ又は下方へ流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させる請求項6に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項8】
前記温水を水平又は傾斜方向に前記抽出容器内を流動させ、この流動により前記フィルターバッグ内部に前記温水を浸透させる請求項6に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項9】
前記抽出容器の任意位置に止部が形成され、前記止部で前記フィルターバッグの移動が阻止され、このフィルターバッグで前記流路が閉鎖又は略閉鎖されてフィルターバッグ内に前記温水が浸透して抽出するようにした請求項6〜8のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項10】
前記抽出温水の循環数を前記ポンプの駆動時間によって設定し、前記抽出温水を適度な濃度に調節する請求項6〜9のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項11】
前記フィルターバッグには、多数の皺状のプリーツが形成されており、前記抽出容器内の前記温水の流動方向に対して前記プリーツが略直交するように前記フィルターバックが前記抽出容器に挿入される請求項6〜10のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項12】
前記湯沸容器内に貯留された抽出温水を必要に応じて外部に吐出する吐出機構を設けた請求項6〜11のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項13】
前記湯沸容器と前記抽出容器とがポット本体内に配置され、前記吐出機構は前記ポット本体内に内装されている請求項12に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項14】
前記湯沸容器と前記抽出容器の流入口とが循環パイプで連通されると共に、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが吐出パイプで連通され、前記湯沸容器から温水を循環させるポンプをポンプ用パイプに配置し、前記ポンプ用パイプと前記循環パイプと前記吐出パイプとの結合位置に三方弁が配設され、この三方弁の切り換えにより前記温水を前記循環パイプに供給して抽出動作を行い又は前記湯沸容器から前記吐出パイプを介して前記抽出温水を前記吐出口に送出するようにした請求項13に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項15】
前記湯沸容器と前記抽出容器とが循環ポンプを介して循環パイプで連通され、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが吐出ポンプを介して吐出パイプで連通され、前記被抽出物の成分の抽出時には前記温水が前記湯沸容器から前記抽出容器に循環され、前記抽出温水の吐出時には前記抽出温水が前記湯沸容器から前記ポット本体の吐出口に向けて送出されるようにした請求項13に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項16】
前記抽出容器はポット本体内に着脱可能に配置され、前記ポット本体における前記抽出容器の配置場所近傍に前記抽出容器をポット本体内に着脱するための開口部が設けられている請求項14又は15に記載の飲料水抽出製造機。
【請求項17】
前記湯沸容器がポット本体内に配置され、前記抽出容器が前記ポット本体の外側に配置されており、前記湯沸容器と前記抽出容器とが前記循環ポンプを介して循環パイプで連通され、前記湯沸容器と前記ポット本体の吐出口とが前記吐出ポンプを介して吐出パイプで連通されている請求項6〜12のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。
【請求項18】
前記被抽出物が焙煎された被抽出物である請求項6〜17のいずれかに記載の飲料水抽出製造機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−346372(P2006−346372A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−180762(P2005−180762)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【出願人】(000133445)株式会社ダスキン (119)