説明

飲料用容器洗浄水の処理方法

【課題】食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理を効果的に行うことができる飲料用容器洗浄水の処理方法を提供する。
【解決手段】容器洗浄水に対し、酸化剤の存在下で、波長が253.7nmの紫外線および184.9nmの紫外線を含む紫外線を照射し、前記洗浄水中の細菌を死滅させる。酸化剤としては、塩素(特に残留遊離塩素)、次亜塩素酸ナトリウムなどが利用できる。酸化剤の含有量は1ppm以上、紫外線の照射量は40mJ/cm2以上とすることが望ましい。波長が253.7nmの紫外線は殺菌効果が大きく、波長が184.9nmの紫外線は酸化剤に作用してラジカル(遊離基)を生成させ、洗浄用水の滅菌効果を飛躍的に高め、洗浄用水中の有機物、特に細菌類を完全に除去、死滅させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料水などを入れる瓶や、各種の缶詰に用いる缶など、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品工場等において、飲料水その他の飲み物を入れるペットボトル、瓶や、魚、肉類、果菜類等の加工品の充填用容器(トレー等)など、食品用容器類の洗浄には、通常、次亜塩素酸ナトリウムにより殺菌処理された水道水が使用されている。清浄な地下水や河川水が得られる地域では、それら地下水や河川水に殺菌剤としての次亜塩素酸ナトリウムを加えた水が洗浄用水として使用される場合もある。
【0003】
また、食品加工工場内に、瓶などの容器類の洗浄ラインを設け、次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌に加え、逆浸透膜やマイクロフィルター等を用いた膜分離処理を施して細菌類の死骸など、微細成分を除去した水を洗浄用水として使用に供することも行われている。この場合、使用済みの洗浄用水は回収され、再度処理を施された後、循環使用される。
【0004】
一方、紫外線のもつ酸化作用、殺菌作用を利用して用水や排水中に含まれる有機物を除去する水の浄化方法が知られており、従来から多くの研究、開発がなされてきた。例えば、特許文献1には、アンモニア性窒素並びに鉄イオン、マンガンイオンを含む、例えば地下水の浄水処理において、アンモニア性窒素を紫外線照射により光酸化する方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、半導体素子製造の際に、半導体基板の洗浄等を行うために使用する用水の処理において、微細な有機物を処理するために所定の波長を有する紫外線を用水に照射する方法が記載されている。
【0006】
しかし、従来、食品工場等において、食品や飲料水などを入れる各種の充填用容器の洗浄に使用する洗浄用水の処理に紫外線を照射する方法を適用した例は見られない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−43898号公報
【特許文献2】特開平11−188357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ペットボトル、瓶、缶など、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水を処理するに際し、紫外線のもつ酸化作用、殺菌作用を最大限に利用して、前記洗浄用水の処理を効果的に行うことができる飲料用容器洗浄水の処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述のように、食品や飲料水などを入れるペットボトル、瓶、缶など食品や飲料用容器類の洗浄に、次亜塩素酸ナトリウムにより殺菌処理された水道水が使用され、また、地域によっては、地下水や河川水に殺菌剤としての次亜塩素酸ナトリウムを加えた水が洗浄用水として使用されている。さらに、食品加工工場内に洗浄ラインを設け、洗浄用水を循環使用して瓶などの容器類の洗浄を行う場合にも、循環経路内での細菌(バチルス菌)の繁殖を防止するために、次亜塩素酸ナトリウムを1ppm程度加えている。
【0010】
このような実態を踏まえ、本発明者らは、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理に紫外線を照射する方法の適用に思い至った。
【0011】
洗浄用水に加えられた次亜塩素酸ナトリウムは、一部は洗浄用水中の微量の有機物等と反応して化合物を形成しているが、遊離塩素も含まれており、この遊離塩素と水が特定の波長の紫外線を照射することによりラジカル(遊離基)を生じ(すなわち、ラジカル化して)、遊離塩素のみが含まれる場合に比べて酸化力が著しく増大する。このように、洗浄用水中に存在(または残留)する遊離塩素と紫外線照射との相乗作用により、洗浄用水の酸化力、殺菌力を高め、洗浄用水中の有機物、特に細菌(バクテリヤ)類を完全に除去し、死滅させることが可能となる。
【0012】
このような着想の下に検討を重ねた結果、後述する実施例に示すように、洗浄用水の殺菌力が飛躍的に増大することを確認した。この場合、殺菌力が強く、従来から一般的に使用されている波長が253.7nmの紫外線と、これより波長が短い184.9nmの波長の紫外線を洗浄用水に照射するが、波長が184.9nmの紫外線は波長が253.7nmの紫外線よりもエネルギーがはるかに大きく、遊離塩素をラジカル化して、細菌類を死滅させる(滅菌する)ことができる。
【0013】
本発明は、このような着想ならびにそれに基づく検討の結果なされたもので、下記の飲料用容器洗浄水の処理方法を要旨とする。
【0014】
すなわち、食品用容器洗浄水の処理方法であって、前記の容器洗浄水に対し、酸化剤の存在下で、波長が253.7nmの紫外線および184.9nmの紫外線を含む紫外線を照射し、前記洗浄水中の細菌を死滅させることを特徴とする方法である。
【0015】
本発明で洗浄対象とする容器は、清涼飲料、アルコール飲料、乳製品、健康飲料、薬用飲料およびその他の飲料、並びにプリン、ゼリーおよびその他の食品の充填に用いられる容器とする。
【0016】
本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法において、前記酸化剤が、塩素系酸化剤のうちのいずれか1種以上であれば、従来、洗浄用水として使用されている水道水中の遊離塩素や、洗浄用水として使用される地下水、河川水等に殺菌剤として加えた塩素系酸化剤を酸化剤として活用できるので望ましい。
【0017】
本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法において、前記酸化剤の含有量を1ppm以上とすることが望ましい。
【0018】
また、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法において、紫外線の照射量を40mJ/cm2以上とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0019】
瓶や、缶など、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理に、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法を適用すれば、洗浄用水の酸化力、殺菌力および滅菌力を飛躍的に高め、洗浄用水中の有機物、特に細菌類を完全に除去し、死滅させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法を適用した場合における殺菌および滅菌の原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、食品用容器洗浄水の処理方法であって、前記の容器洗浄水に対し、酸化剤の存在下で、波長が253.7nm(以下、「254nm」と記す)の紫外線および184.9nm(以下、「185nm」と記す)の紫外線を含む紫外線を照射し、前記洗浄水中の細菌を死滅させることを特徴とする飲料用容器洗浄水の処理方法である。
【0022】
上記のとおり、本発明は、食品用容器、すなわち飲料水その他の飲み物を入れるペットボトル、瓶や、魚、肉類、果菜類等の加工品の充填に用いる容器(トレー等)など、食品工場等において食品用および飲料用の容器類の洗浄に使用する洗浄用水を対象とする処理方法である。
【0023】
この洗浄用水に対して、波長が254nmの紫外線および185nmの紫外線を含む紫外線を照射するのは、前記両波長の紫外線のもつ殺菌力、酸化力を利用して洗浄用水中に含まれる有機物、特に、細菌類を除去し、死滅させるためである。
【0024】
紫外線の照射には、排水処理等の分野で通常使用されている紫外線ランプ等を使用すればよい。254nmの波長域の紫外線を照射できるものと、185nmの波長域の紫外線を照射できるものを併せて用いてもよいし、これら両波長域の紫外線を含むスペクトルの紫外線を照射できるものを用いてもよい。この二種類の波長域の紫外線を照射するのは、後に詳述するが、洗浄用水の殺菌力および滅菌力を飛躍的に高めるためである。
【0025】
また、洗浄用水中に酸化剤を存在させるのは、その酸化力によって有機物を分解除去するためであるが、この酸化剤に波長が185nmの紫外線を照射することによりラジカル(遊離基)を生成させ、酸化剤の酸化力、滅菌力を著しく高めることができるからである。
【0026】
酸化剤としては、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸塩(例えば、次亜塩素酸ナトリウムなど)等の塩素系酸化剤、過酸化水素、オゾン等が利用可能である。
【0027】
しかし、本発明の方法で処理した洗浄用水による洗浄の対象が食品用容器であることを考慮すると、洗浄用水中に存在する酸化剤としては、水道水の殺菌に広く使用されている次亜塩素酸ナトリウムが望ましい。従来、食品用および飲料用の容器類の洗浄用水としては水道水が使用されており、しかも、水道水中の残留塩素や、洗浄用水として使用される地下水、河川水等に殺菌剤として加えた次亜塩素酸ナトリウムをそのまま利用できるので、この点からも次亜塩素酸ナトリウムは望ましい酸化剤である。また、その他の次亜塩素酸塩も、取り扱いが比較的容易であり、望ましい。これらの酸化剤は、1種または2種以上を同時に用いてもよい。
【0028】
食品用容器の洗浄用水に対して、酸化剤の存在下で、波長が254nmの紫外線および185nmの紫外線を照射することにより洗浄用水の殺菌力および滅菌力が著しく高められる理由を以下に説明する。
【0029】
図1は、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法を適用した場合における殺菌および滅菌の原理を説明する図である。図1に示すように、細菌(例えば、レジオネラ属菌)1は、模式的に示すと、DNA(デオキシリボ核酸)2と、その周囲を取り囲む細胞膜3およびその外側の細胞壁4とを主要構成要素として有している。
【0030】
このような細菌類が含まれた洗浄用水に対し、酸化剤として例えば塩素系酸化剤が存在する条件下で波長が254nmの紫外線(図1では、「紫外線254nm」と表示)および波長が185nmの紫外線(同じく、「紫外線185nm」と表示)を照射すると、紫外線254nmは、細胞壁4および細胞膜3を通過してDNA(符号2)に直接作用し、DNAの結合を破壊してDNAを不活性化(つまり、増殖不可能な状態に)させる。いわゆる「殺菌」作用である。この作用を、図1では符号(i)を付して示している。
【0031】
一方、紫外線185nmは、波長が254nmの紫外線よりもエネルギーがはるかに大きく、洗浄用水中で遊離塩素として存在している塩素系酸化剤に作用してラジカル(遊離基)を生成させる。このようにして生じたラジカルは極めて強い酸化力を有しており、細胞壁4および細胞膜3を損傷し、細菌1そのものを死滅させる(同じく、符号(ii)と表示)。すなわち、このラジカルには、細菌類を死滅させる強い「滅菌」作用がある。塩素系酸化剤自体にも滅菌効果はあるが(同じく、符号(iii)と表示)、波長が185nmの紫外線照射により生成した前記ラジカルの滅菌効果は塩素系酸化剤が単独で存在する場合の滅菌効果よりもはるかに大きい。
【0032】
すなわち、食品用容器の洗浄用水を塩素系酸化剤で殺菌する場合は、図1の符号(iii)の効果のみであるが、さらに、波長が254nmの紫外線および波長が185nmの紫外線を照射することにより、符号(i)の効果および符号(ii)の効果が加わり、殺菌、滅菌効果が飛躍的に増大する。
【0033】
本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法において、酸化剤(例えば、塩素系酸化剤)の含有量は特に規定しない。遊離塩素が僅かでも残留していれば、紫外線の照射により残留する遊離塩素量に見合うだけのラジカルが生成し、滅菌効果を発揮するからである。しかし、後述する実施例に示すように、遊離塩素の含有量を1ppm以上とすれば、滅菌効果が極めて大きく、望ましい。
【0034】
また、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法においては、紫外線の照射量についても限定はない。照射量が僅少であっても、その照射に応じた効果が得られるからである。しかし、後述する実施例から推察すると、紫外線の照射量が40mJ/cm2以上であれば、顕著な効果が期待できるので、望ましい。
【0035】
この場合、波長が254nmの紫外線および185nmの紫外線の照射量の比率についても何ら規定はない。前述のように、波長が254nmの紫外線はDNAを不活性化させる殺菌効果があり、波長が185nmの紫外線は酸化剤のラジカル(遊離基)を生成させることにより酸化剤の滅菌作用を飛躍的に高める滅菌効果を有しており、前記いずれの波長の紫外線も、それが含まれておりさえすれば、それに応じた効果が認められるからである。
【0036】
以上述べた本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法によれば、瓶や、缶など、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の酸化力、殺菌力および滅菌力を飛躍的に高め、洗浄用水中の有機物、特に細菌類を完全に除去し、死滅させることができる。
【実施例】
【0037】
細菌類が含まれる水に対して本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法を適用し、殺菌、滅菌効果を調査した。
【0038】
試験菌としては、バチルス(Bacillus)属(芽胞):環境分離株 を使用した。なお、試験には調整済み芽胞液を用いた。
【0039】
試験においては、円筒形の反応槽と、前記反応槽内の軸心に沿って配置された紫外線ランプ(石英ジャケットにより保護されている)と、前記反応槽内に供給する試験水を溜めるタンクを有するテスト装置(ヒカリ・エンジニアリング社製)を使用した。主要部の諸元は次のとおりである。
【0040】
反応槽 :内径100mm
石英ジャケット :外径32mm
高出力紫外線ランプ:低圧水銀ランプを使用
波長域 185nm、254nm
発光長 110cm
出力 110W
【0041】
〔遊離塩素濃度および菌数の測定方法〕
1)遊離塩素濃度
ADVANTEC社製の残留塩素比色測定器を用い、DPD試薬にて測定を行った。
【0042】
2)試験菌の菌数測定
試験水に菌液を投入し、3分間ポンプ稼働により混合した後にサンプリングを行い、適宜希釈してスパイラルプレーターにて塗抹(サンプル1mL)、30℃で48±3時間培養した後、形成したコロニー数より算出した。
【0043】
3)処理水の菌数測定
装置内でサンプル液を調整し、ポンプを停止して紫外線ランプ(UV灯)を予備点灯(3分間)した後、ポンプを稼働して50秒または30秒後に処理液を採取した。採取した液の菌数は、スパイラルプレーター法または表面塗抹法(サンプル1mL)により、培地に塗抹し、30℃で1週間培養した後、形成したコロニー数より算出した。
【0044】
〔試験手順〕
1)タンクに20リットル(L)の水道水を溜める。
2)UV灯点灯状態でポンプを稼働させ、残留遊離塩素を飛ばす。なお、遊離塩素併用時はこの作業は省き、次亜塩素酸ナトリウムを添加してポンプのみ稼働し、目標の残留遊離塩素濃度に調整する。
3)UV灯を消灯し、DPD試薬で残留遊離塩素濃度を確認する。
4)菌液を添加し、3分間ポンプを稼働させて菌液が均一になるように混合する。
5)処理前の試験菌液としてサンプルを採取する。
6)ポンプを止め、UV灯を3分間点灯(UV照度が最高に達するまでの予備点灯)する。
7)ポンプを稼働させ、処理水をサンプリングする。サンプリングは、照射量を171.6mJ/cm2としたときには50秒後に、照射量を52.7mJ/cm2または43.4mJ/cm2としたときには30秒後に行う。
【0045】
殺菌効果の調査結果を表1に示す。表1において、「照射量」は、照射した紫外線がすべて波長254nmの紫外線であるとして求めた値である。また、照射量が43.4mJ/cm2の試験における試験データは、それぞれ試験回数2回の平均値である。
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示すように、照射量が171.6mJ/cm2の場合、残留遊離塩素濃度に関わらず、殺菌率は99.999%以上(ファイブナイン以上)となった。処理後の試験水菌数は、残留遊離塩素濃度が0.5mg/L以上であれば、0cfu/mLとなった。
【0048】
照射量が52.7mJ/cm2の場合は、残留遊離塩素濃度が0mg/L、0.5mg/Lで、殺菌率は99.99%以上(フォーナイン以上)、残留遊離塩素濃度が1mg/Lで、殺菌率は99.999%以上(ファイブナイン以上)であった。
【0049】
また、照射量が43.4mJ/cm2の場合は、残留遊離塩素濃度が0mg/Lで、殺菌率は99.9%以上(スリーナイン以上)、残留遊離塩素濃度が0.5mg/L、1mg/Lで、殺菌率は99.99%以上(フォーナイン以上)であった。
【0050】
この結果によれば、残留遊離塩素濃度が0mg/Lでも高い殺菌率が得られているが、食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理においては、処理後の試験水菌数が0cfu/mLであることが理想であり、この状態は、残留遊離塩素濃度が0mg/Lでは、照射量を高めても達成できない。
【0051】
表1の結果から判断すると、紫外線の照射量が40mJ/cm2以上であれば、残留遊離塩素濃度を0.5mg/L以上とすることにより、処理後の試験水菌数を数十cfu/mLのオーダーまで減少させることができ、望ましい。また、残留遊離塩素濃度(つまり、酸化剤の含有量)を1.0mg/L以上とすれば、照射量を増大させて処理後の試験水菌数を0cfu/mLとすることも可能であり、望ましい。
【0052】
上記の調査により、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法が食品用容器類の洗浄に使用する洗浄用水の処理方法として極めて有効であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法は、食品用容器の洗浄用水に対して、残留遊離塩素などの酸化剤の存在下で、波長が254nmおよび185nmの紫外線を照射する方法であり、洗浄用水の酸化力、殺菌力および滅菌力を飛躍的に高め、洗浄用水中の有機物、特に細菌類を完全に除去し、死滅させることができる。
【0054】
したがって、本発明の飲料用容器洗浄水の処理方法は、食品工業、その他食品用容器類の洗浄処理に関わる産業分野において、有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1:細菌、 2:DNA、 3:細胞膜、 4:細胞壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品用容器洗浄水の処理方法であって、前記の容器洗浄水に対し、酸化剤の存在下で、波長が253.7nmの紫外線および184.9nmの紫外線を含む紫外線を照射し、前記洗浄水中の細菌を死滅させることを特徴とする飲料用容器洗浄水の処理方法。
【請求項2】
前記酸化剤が、塩素、次亜塩素酸および次亜塩素酸塩のうちのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の飲料用容器洗浄水の処理方法。
【請求項3】
前記酸化剤の含有量が1ppm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の飲料用容器洗浄水の処理方法。
【請求項4】
前記紫外線の照射量が40mJ/cm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の飲料用容器洗浄水の処理方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−279909(P2010−279909A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135704(P2009−135704)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【出願人】(509159403)ヒカリ・エンジニアリング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】