説明

飲料製備装置

【課題】飲料の濃度を変更し、操作が便利かつ迅速なだけではなく、飲料の最良の品質および口当りを維持できる飲料製備装置を提供し、副次的には、その注水流が熱水及び/又は冷水を含み、飲料の温度及び/又は濃度を変更できる飲料製備装置を提供する。
【解決手段】過熱の熱水と設定流量の冷水を、適温となるように混合し、且つ液体配送器20へ輸送する。濯ぎ煮電磁弁30が開放する時に、液体配送器からの混合水流を予置された飲料成分の製備容器21内へ配送し、飲料成分を飲料となるように製備し、濯ぎ煮電磁弁を閉鎖する時に、液体配送器から適温混合水流を熱水注水管31内へ配送し、熱水注水電磁弁60が開放する時に、適温混合水流を飲料内へ直接に加注する。濯ぎ煮電磁弁と熱水注水電磁弁が何れも閉鎖される時に、熱交換器11の熱水の熱揮発が予熱循環管路33を経由し、液体配送器ペアを通った後に、熱交換器へ還流し、予熱循環を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料製備装置に関するもので、特に多種類の異なる温度、濃度の飲料を調製できる飲料製備装置を、指す。
【背景技術】
【0002】
飲料製備装置は、コーヒー,お茶飲み又は他の飲料の濯ぎ煮に運用される。例えば図17に示す慣用の飲料製備装置は、主として給水ポンプ80,主ボイラー81,熱交換器82と液体配送器83を含んでなる。該給水ポンプ80を利用して外部の水源を該主ボイラー81内へ供給し、且つ水位検出器84により該給水ポンプ80とボイラー進水電磁弁95の開放/閉鎖を制御し、主ボイラー81内の水位を設定範囲内に保持し、蒸気圧力検出器85を利用して加熱器86の開放/閉鎖を制御し、これにより、該主ボイラー81内の貯水に対して加熱を行い、設定の蒸気圧力範囲(即ち設定温度範囲)の内に保持する。
【0003】
飲料製備手順を行う時に、該給水ポンプ80と濯ぎ煮電磁弁87を操作して起動し、外部の水源が冷水供給管88を経由して圧洩れ逆止弁89と流量計90を順番に経由し、主ボイラー81を貫通する該熱交換器82の内へ送入し、該主ボイラー81内の熱水と蒸気を利用し、熱交換器82内の外部水源を加熱して熱水となり、該熱水流が再び熱水供給管91を経由して該液体配送器83に入り込み、且つ開放された濯ぎ煮電磁弁87を通り、濯ぎ煮を待つ飲料成分を予置する製備容器92の内へ下向きに流れ込んで濯ぎ煮を行い、濯ぎ煮後に生成した飲料が飲料盛杯94の内へ流れ出し、該流量計90により設定の流量まで計量する時に、該濯ぎ煮電磁弁87と給水ポンプ80を即時に閉鎖し、設定流量の飲料濯ぎ煮手順を完成する。
【0004】
該慣用の飲料製備装置は、飲料濯ぎ煮手順を行わない待機段階にある時に、該熱交換器82内における熱水が、熱揮発にて生成された蒸気により、該熱水供給管91を経由して該液体配送器83内に流れ込み、待機段階時に該濯ぎ煮電磁弁87が閉鎖状態を呈し、従って該蒸気水流と液体配送器83が熱交換を行い、該液体配送器83を動作温度まで予熱した後に、蒸気が液体配送器83との熱交換により凝結水となり、凝結水が還流管93から該熱交換器82内に還流し、予熱循環を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の慣用の飲料製備装置は、単一温度の熱水のみを液体配送器へ供給して飲料を濯ぎ煮することが出来、その製成された飲料の温度および濃度が何れも予定の固定値となり、異なる取引先の個別の需要に対応して異なる温度と濃度の飲料を調製できず、多元化の飲料市場の実際な需要に合致できない。
【0006】
目前に坊間のフレッシュリメイド飲料業者は通常、濯ぎ煮を完成した飲料中に、人工方式により熱水,冷水及び/又は氷塊を余計に添加し、これにより、飲料の温度および濃度を変更する。このような人工添加方式は、操作に時間を費やすだけではなく、且つ飲料の最良の品質および口当りを維持できず、取引先の待ち時間の過長および飲料品質に対する不満などの問題を招く可能性がある。
【0007】
その他に、異なる種類の飲料(例えばコーヒー,緑茶,紅茶など)の最良の濯ぎ煮温度が不同である。慣用の飲料製備装置は、2セットまたはそれ以上の液体配送器と製備容器を設置できるが、然しながらその熱水供給システムは、単一温度の熱水のみを各液体配送器と製備容器の内へ供給して飲料濯ぎ煮手順を行うことが出来るが、従って予め同一種類の濯ぎ煮のみに設定できた飲料が、「単品飲料製備装置」と称してもよく、異なる種類の飲料市場の需要を有する業者にとって、異なる設定の複数台の「単品飲料製備装置」を買増す必要があり、異なる種類の飲料を濯ぎ煮するために用いられ、業者の設備購買コストを増加するだけではなく、且つ操作の比較的不便さ及び設備の稼働率の比較的低さの欠点を有する。
【0008】
本発明の目的は、飲料製備装置を提供するものであるが、飲料濯ぎ煮手順を完成した後に、ユーザーの設定に基づき、容積を設定した注水流を、飲料内へ自動的に添加するように選択し、これにより、飲料の濃度を変更し、操作が便利かつ迅速なだけではなく、飲料の最良の品質および口当りを維持できる。
【0009】
本発明の副次的な目的は、飲料製備装置を提供するものであるが、その注水流が熱水及び/又は冷水を含み、飲料の温度及び/又は濃度を変更できる。
【0010】
本発明の更なる目的は、飲料製備装置を提供するものであるが、濯ぎ煮の温度よりも高い熱水および設定流量の冷水を、最良の濯ぎ煮温度の適温水流となるように混合した後に、液体配送器から製備容器内へ配送して飲料を濯ぎ煮する。このように混合水流により濯ぎ煮を行う方式は、ボイラーの仕事能率を向上できるだけでなく、且つ該飲料製備装置に2セットまたはそれ以上の液体配送器と製備容器を設置する時に、冷水流量の調整を経由して異なる温度の混合水流を、異なる液体配送器へ輸送でき、異なる種類の飲料の濯ぎ煮に供することが出来る。従って本発明の提供する飲料製備装置は、2セットまたはそれ以上の液体配送器と製備容器を配置でき、2セットまたはそれ以上の異なる種類の飲料の濯ぎ煮に供し、飲料の業者にとって、その設備購買コストを低減でき、更に操作の便利さおよび設備の高稼働率などの利点を有する。
【0011】
本発明の更に他の目的は、飲料製備装置を提供するものであるが、予熱循環流路を提供し、該液体配送器の予熱効果を確保できる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の発明目的を達成できる飲料製備装置は、内部の貯水を設定温度の範囲に加熱するボイラーと、外部の水源に接続して該ボイラーの内に設置された熱交換器を通り且つ該熱水管を通った水流を過熱温度値に加熱する熱水管と、外部の水源に接続して冷水スロットルバルブを通って流量を調整した後に該熱水管に接続して冷水と熱水とを適温混合水流となるように混合する冷水管と、該冷水管の上に設けられて該熱水管内の水流を該冷水管内へ逆方向に還流できないチェックバルブと、該熱水管に接続し且つその水流を受け取る液体配送器と、該液体配送器と互いに組み合わせ且つ内部に飲料成分を予置する製備容器と、該液体配送器を介して該熱水管に接続する熱水注水管と、該熱水注水管の開放/閉鎖を制御するために用いられる熱水注水電磁弁と、該液体配送器の上に設置される濯ぎ煮電磁弁とを、含み、濯ぎ煮電磁弁が制御されて開放する時に、該液体配送器が該適温混合水流を該製備容器内へ配送し、該飲料成分を飲料となるように製備し、該濯ぎ煮電磁弁が閉鎖され且つ該熱水注水電磁弁が開放される時に、該液体配送器が該適温混合水流を該熱水注水管内へ配送し、且つ該飲料の内に注入する。
【0013】
より好ましい実施例の中において、該飲料製備装置は、予熱循環管路を更に含み、その一端が該熱水管に接続し、他端が該液体配送器を直接に貫通した後に該熱交換器に接続し、該濯ぎ煮電磁弁と該熱水注水電磁弁が何れも閉鎖される時に、該熱交換器の熱水が熱揮発し、且つ該予熱循環管路を経由し、該液体配送器を予熱した後に、該熱交換器へ還流する。
【0014】
より好ましい実施例の中において、該飲料製備装置は、外部の水源に接続する冷水注水管と該冷水注水管の開放/閉鎖を制御するために用いられる冷水注水電磁弁とを更に含み、該冷水注水電磁弁が開放される時に、該外部の冷水が該冷水注水管を経由して該飲料の内へ注入する。
【0015】
より好ましい実施例の中において、該冷水管は、該熱水管が該液体配送器へ入り込む前に、該熱水管に接続する。
【0016】
より好ましい実施例の中において、該冷水管は、該液体配送器を通って該熱水管に接続する。
【0017】
より好ましい実施例の中において、該飲料製備装置は、制御パネルを更に含み、その上に少なくとも三つのマニュアル・コントロール・キーと少なくとも四つのオートマチック・コントロール・キーを設け、各マニュアル・コントロール・キーがマニュアル方式により該濯ぎ煮電磁弁,冷水注水電磁弁と熱水注水電磁弁をそれぞれ制御するように供し、各オートマチック・コントロール・キーが予め設定でき、且つオートマチック方式により、それぞれ該濯ぎ煮電磁弁,冷水注水電磁弁,熱水注水電磁弁およびその組合せを制御する。
【0018】
より好ましい実施例の中において、該飲料製備装置は、少なくとも2セットの冷水管,冷水スロットルバルブ,熱水管と液体配送器を設置し、該少なくとも2セットの冷水スロットルバルブを調整することにより、該少なくとも2セットの冷水管が異なる冷水の流量を有し、且つ該少なくとも2セットの熱水管内における熱水と混合して異なる温度の適温混合水流となり、それぞれ該少なくとも2セットの液体配送器へ輸送する。
【0019】
より好ましい実施例の中において、該熱水注水電磁弁は、該熱水注水管の上に設置される。
【0020】
より好ましい実施例の中において、該熱水注水電磁弁は、該液体配送器の上に設置され、該濯ぎ煮電磁弁が開放されて熱水注水電磁弁が閉鎖される時に、該適温混合水流が該液体配送器の給水通路内へ入り込み、開放された濯ぎ煮電磁弁を経由して出水通路内へ入り込み、且つ該製備容器内に流れ込んで飲料濯ぎ煮手順を行い、該濯ぎ煮電磁弁が閉鎖されて熱水注水電磁弁が開放される時に、該適温混合水流が該給水通路を経由して給水バイパスの内へ入り込み、開放された熱水注水電磁弁を経由して注水通路内へ入り込み、且つ該熱水注水管内へ流れ込む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の提供する飲料製備装置は、少なくとも一つの予定の設定値に基づいて濯ぎ煮後の飲料の温度および濃度を自動的に調整でき、これにより、例えば濃いコーヒー(お茶),薄いコーヒー(お茶),ホットコーヒー(お茶),温かいコーヒー(お茶),アイスコーヒー(お茶)等の多種類の異なる温度および異なる濃度の飲料を調製し、多元化の飲料市場の実際な需要に合致する。同時に同一の飲料製備装置により異なる種類の飲料を濯ぎ煮する目的を、実現できる。従って、業者は、その設備購買コストを低減でき、更に操作の便利さおよび設備の高稼働率などの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の飲料製備装置の第1の実施例の斜視構成図である。
【図2】図1に示す飲料製備装置の第1の実施例の平面図である。
【図3】本発明の飲料製備装置の第2の実施例の斜視構成図である。
【図4】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例の平面図である。
【図5】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例中における制御パネルの模式図である。
【図6】該飲料製備装置中における冷水(熱水)注水スロットル・ジョイントの斜視図である。
【図7】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例が飲料濯ぎ煮手順を行う時の水流方向の模式図である。
【図8】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例が熱水加注手順を行う時の水流方向の模式図である。
【図9】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例が冷水加注手順を行う時の水流方向の模式図である。
【図10】図3に示す飲料製備装置の第2の実施例が予熱循環を行う時の水流方向の模式図である。
【図11】本発明の飲料製備装置の第3の実施例の平面図である。
【図12】本発明の飲料製備装置の第4の実施例の斜視構成図である。
【図13】図11に示す飲料製備装置の第4の実施例の平面図である。
【図14】本発明の飲料製備装置の第5の実施例の斜視構成図である。
【図15】図14に示す飲料製備装置の第5の実施例中における液体配送器の部分断面拡大図である。
【図16】図16が図15に近似して但しその断面方向が異なる。
【図17】従来の飲料製備装置の斜視構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1と図2を同時に参照するが、本発明の提供する飲料製備装置の第1の実施例は、主として熱水管31内の過熱の熱水流と冷水管35内の設定流量の冷水を互いに混合して適温混合水流となり、且つ濯ぎ煮電磁弁30を設ける液体配送器20を利用し、該適温混合水流を、飲料成分を予置する製備容器21の内へ配送するように選択し、該飲料成分を飲料となるように製備し、且つ該飲料を飲料カップ22の内へ流れ込み、或いは該適温混合水流を熱水注水管61の内へ配送するように選択し、該飲料カップ22の内に直接に注入し、これにより、カップ内の飲料濃度を変更する。
【0024】
該飲料製備装置は、内部の貯水を設定温度の範囲に加熱するボイラー10と、外部の水源に接続して該ボイラー10内に設置された熱交換器11を通り且つ該熱水管31を通った水流を過熱温度値に加熱する熱水管31と、外部の水源に接続して冷水スロットルバルブ36を通って流量を調整した後に該熱水管31に接続して冷水と熱水とを適温混合水流となるように混合する冷水管35と、該冷水管35の上に設けられて該熱水管31内の水流を該冷水管35内へ逆方向に還流できないチェックバルブ37と、該熱水管31に接続し且つその水流を受け取る液体配送器20と、該液体配送器20と互いに組み合わせ且つ内部に飲料成分を予置する製備容器21と、該液体配送器20を介して該熱水管31に接続する熱水注水管61と、該熱水注水管61の上に設けられてその開放/閉鎖を制御する熱水注水電磁弁60と、該液体配送器20の上に設置される濯ぎ煮電磁弁30とを、含んでなり、濯ぎ煮電磁弁30が制御されて開放する時に、該液体配送器20が該適温混合水流を該製備容器21内へ配送し、該飲料成分を飲料となるように製備し、該濯ぎ煮電磁弁30が制御されて閉鎖する時に、該液体配送器20が該適温混合水流を該熱水注水管61内へ配送し、且つ該熱水注水電磁弁60が制御されて開放する時に、該適温混合水流を該飲料の内に注入する。
【0025】
本実施例の中において、該冷水管35は、該熱水管31が該液体配送器20に入り込む前に、該熱水管31に接続する。
【0026】
本発明は、給水ポンプ12を利用して外部の水源を該ボイラー10の内へ供給し、且つ水位検出器13により該給水ポンプ12と進水電磁弁14の開放/閉鎖を制御し、ボイラー10内の水位が設定範囲内に保持し、蒸気圧力検出器15を利用して加熱器16の開放/閉鎖を制御し、これにより、該ボイラー10内の貯水に対して加熱を行い、設定の蒸気圧力範囲(即ち設定温度範囲)の内に保持する。
【0027】
該給水ポンプ12は、入水管17を更に接続し、該給水ポンプ12が起動される時に、ポンプにより外部の水源を該入水管17内へ伝送する。入水管17の上に圧洩れ逆止弁18と流量計19を順番に設置し、その末端がそれぞれ該熱水管31と該冷水管35に接続し、これにより、外部の水源を該熱水管31と該冷水管35へ供給する。
【0028】
該熱交換器11は、図に示す双子鍋式の熱交換器であってもよく、更に単子鍋または他の型式の熱交換器を選用してもよい。
【0029】
前述の濯ぎ煮電磁弁30は、該液体配送器20の上に設置され、3口2位置式電磁弁であってもよい。
【0030】
該飲料製備装置は、該液体配送器20の予熱に供する予熱循環管路33を更に含み、その一端が該熱水管31に接続し、且つ如何なる電磁弁の制御を受けない下では、該液体配送器20を直接に貫通した後に、その他端が該熱交換器11に接続する。該予熱循環管路33と該液体配送器20との接続箇所に、スロットル・ジョイント38を設け、該スロットル・ジョイント38がスロットルバルブにより交替してもよい。
【0031】
同時に図3と図4を参照するが、本発明の提供する飲料製備装置の第2の実施例は、その主要な構造が図1と図2に示す第1の実施例と同じで、更に両者の同じ部分の説明を省略する。該飲料製備装置の第2の実施例は、外部の水源に接続する冷水注水管51と、該冷水注水管51の上に設けられ且つその開放/閉鎖を制御する冷水注水電磁弁50とを更に含み、該冷水注水電磁弁50が制御されて開放する時に、該外部の冷水を該飲料カップ22内へ直接に注入し、これにより、カップ内における飲料の温度と濃度を変更する。
【0032】
図5を参照するが、本発明の提供する飲料製備装置は、キャビネットの上に制御パネル65を更に設置し、その上に少なくとも三つのマニュアル・コントロール・キーE1,E2,E3と少なくとも四つのオートマチック・コントロール・キーA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2を設ける。それぞれのマニュアル・コントロール・キーE1,E2,E3は、ユーザーがマニュアル方式により該濯ぎ煮電磁弁30,冷水注水電磁弁50と熱水注水電磁弁60の中の何れかの開放/閉鎖にをそれぞれ制御するように供する。それぞれのオートマチック・コントロール・キーA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2が予め設定でき、且つオートマチック方式により、それぞれ該濯ぎ煮電磁弁30,冷水注水電磁弁50,熱水注水電磁弁60およびその任意の組合せの開放/閉鎖を制御するが、各オートマチック・コントロール・キーA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の予定設定方式は、出荷前に製造業者により予め設定でき、或いは出荷後にユーザーが自分で設定し又は設定を変更でき、その出荷後の設定方法が電気回路設計の従来の技術に属するので、説明を省略する。
【0033】
以下に、例を挙げて各マニュアル・コントロール・キーE1,E2,E3とオートマチック・コントロール・キーA1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2の動作の流れを説明する。
【0034】
E1キー:ユーザーは、マニュアル方式により該濯ぎ煮電磁弁30を制御し、これにより、濯ぎ煮用の熱水の出水量を制御する。
【0035】
E2キー:ユーザーは、マニュアル方式により該冷水注水電磁弁50を制御し、これにより、加注冷水の出水量を制御する。
【0036】
E3キー:ユーザーは、マニュアル方式により該熱水注水電磁弁60を制御し、これにより、加注熱水の出水量を制御する。
【0037】
A1キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放することにより、例えば50ccの1カップの濃い飲料を濯ぎ煮する。
【0038】
A2キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が他の予定流量を開放することにより、例えば100ccの2カップの濃い飲料を濯ぎ煮する。
【0039】
B1キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放した後に、再び該熱水注水電磁弁60を自動的に制御して予定の流量を開放することにより、例えば360ccの等温の薄い飲料(例えば濯ぎ煮された飲料80cc+加注された等温の熱水280cc)を調製する。
【0040】
B2キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放した後に、再び該熱水注水電磁弁60を自動的に制御して予定の流量を開放することにより、例えば360ccの薄いアイス飲料(例えば飲料カップ22内に220ccの氷塊+80ccの濯ぎ煮の飲料+加注された等温熱水60cc溶解部分の氷塊を予置する)を調製する。
【0041】
C1キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放した後に、再び該冷水注水電磁弁50を自動的に制御して予定の流量を開放することにより、例えば360ccの低温の薄い飲料(例えば濯ぎ煮された飲料80cc+加注された冷水280cc)を調製する。
【0042】
C2キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放した後に、再び該冷水注水電磁弁50を自動的に制御して予定の流量を開放することにより、例えば500ccの低温の薄い飲料(例えば濯ぎ煮された飲料120cc+加注された冷水380cc)を調製する。
【0043】
D1キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放し、再び該熱水注水電磁弁60を自動的に制御して予定の流量を開放し、最後に該冷水注水電磁弁50を自動的に制御してしばらくの時間に開放することにより、例えば360ccの温熱の薄い飲料(例えば濯ぎ煮された飲料80cc+加注された等温の熱水200cc+加注された冷水80cc)を調製する。
【0044】
D2キー:予めオートマチック・コントロールに設定して該濯ぎ煮電磁弁30が予定の流量を開放し、再び該熱水注水電磁弁60を自動的に制御して予定の流量を開放し、最後に該冷水注水電磁弁50を自動的に制御してしばらくの時間に開放することにより、例えば500ccの温熱の薄い飲料(例えば濯ぎ煮された飲料120cc+加注された等温の熱水260cc+加注された冷水120cc)を調製する。
【0045】
図6を参照するが、ひいては前述の冷水注水管51の上に、適当な口径の冷水注水スロットル・ジョイント52を設け、該冷水注水管51の注水流量を調整かつ設定するために用いられる。該冷水注水スロットル・ジョイント52は、図6に示すように、該冷水注水電磁弁50と一体に構成できる。従って同義に該熱水注水管61の上にも、熱水注水スロットル・ジョイント62(例えば図1と図2に示すように)を設置する。該二つのスロットル・ジョイント52も、スロットルバルブにより交替してもよい。
【0046】
以下に図7ないし図10に対応し、本発明の濯ぎ煮,加注熱水,加注冷水,加注温水と予熱循環などの手順を説明する。
【0047】
一、飲料の濯ぎ煮:図7を参照するが、マニュアル・コントロール・キーE1又はオートマチック・コントロール・キーA1,A2(例えば図5に示すように)により、該給水ポンプ12と濯ぎ煮電磁弁30を起動し、そして冷水注水電磁弁50と熱水注水電磁弁60が閉鎖を保持し、この時に給水ポンプ12から伝送された外部の水源が、図7に示す矢号方向に基づき、水管17を経由してそれぞれ熱水管31と冷水管35に流れ込む。熱水管31に流れ込む水流が、熱交換器11を経由して過熱の熱水に加熱し、冷水管35に流れ込む水流が冷水スロットルバルブ36を経由して流量を調整した後に、該熱水管31に流れ込み、且つ該熱水管31内における過熱の熱水と混合して最良の濯ぎ煮温度の適温混合水流となり、該適温混合水流が該液体配送器20に流れ込む時に、開放された濯ぎ煮電磁弁30を通り、そして飲料成分を予置する製備容器21の内に配送して流れ込んで濯ぎ煮を行い、最後に製備された飲料を該飲料カップ22内へ流れ込む。
【0048】
二、熱水の加注:図8を参照するが、飲料濯ぎ煮手順を完成した後に、飲料内に熱水を直接に加注するように選択すれば、マニュアル・コントロール・キーE3により、或いは濯ぎ煮時にオートマチック・コントロール・キーB1,B2(例えば図5に示すように)を選択し、該給水ポンプ12と熱水注水電磁弁60を起動し、そして濯ぎ煮電磁弁30と冷水注水電磁弁50が閉鎖され、この時に給水ポンプ12から伝送された外部の水源が、図8に示す矢号方向に基づき、水管17を経由してそれぞれ熱水管31と冷水管35に流れ込む。熱水管31に流れ込む水流が、熱交換器11を経由して過熱の熱水に加熱し、冷水管35に流れ込む水流が冷水スロットルバルブ36を経由して流量を調整した後に、該熱水管31に流れ込み、且つ該熱水管31内における過熱の熱水と混合して最良の濯ぎ煮温度の適温混合水流となり、該適温混合水流が該液体配送器20に流れ込む時に、該濯ぎ煮電磁弁30を閉鎖し、そして該熱水注水管61内へ配送し、開放された熱水注水電磁弁60を通り、該飲料カップ22内へ直接に注入し、これにより飲料の濃度を低減し、但し飲料の濃度を変更しない。
【0049】
三、冷水の加注:図9を参照するが、飲料濯ぎ煮手順を完成した後に、飲料内に冷水を直接に加注するように選択すれば、マニュアル・コントロール・キーE2により、或いは濯ぎ煮時にオートマチック・コントロール・キーC1,C2(例えば図5に示すように)を選択し、該給水ポンプ12と冷水注水電磁弁50を起動し、そして濯ぎ煮電磁弁30と熱水注水電磁弁60が閉鎖され、この時に給水ポンプ12から伝送された外部の水源が、図9に示す矢号方向に基づき、水管17を経由して冷水注水管51内に流れ込み、開放された冷水注水電磁弁50を通り、該飲料カップ22内へ直接に注入し、これにより同時に飲料の濃度と温度を低減する。その他に説明する必要があるのは、加注冷水過程中に、濯ぎ煮電磁弁30と熱水注水電磁弁60が何れも閉鎖されるので、熱水管31と冷水管35の内に実際に水流が流れない。
【0050】
四、温水の加注:前述の熱水加注と冷水加注手順に基づき、それぞれ熱水と冷水を該飲料カップ22内へ直接に注入し、これにより、飲料の濃度と温度を同時に低減する。
【0051】
五、予熱循環:図10を参照するが、該飲料製備装置が待機状態にある時に、該給水ポンプ12,濯ぎ煮電磁弁30,冷水注水電磁弁50と熱水注水電磁弁60が何れも閉鎖され、該熱交換器11内における熱水が、熱揮発にて生成された蒸気により、図10に示すように、該熱水管31を経由して該予熱循環管路33内に流れ込み、且つ該液体配送器20を通る時に熱交換し、該スロットル・ジョイント38にて該予熱蒸気流量を設定することにより、該液体配送器20を適当な動作温度まで予熱し、熱交換後の凝結水が該予熱循環管路33から該熱交換器11内に還流し、予熱循環を形成する。
【0052】
本発明の飲料製備装置は、過熱温度の熱水と、冷水スロットルバルブ26により流量を調整した後の冷水とを、最良の濯ぎ煮温度の適温混合水流となるように混合した後に、液体配送器20へ供給し、且つ製備容器21内へ配送して入り込み、飲料を濯ぎ煮する。このように過熱の熱水により冷水を混合して適温混合水流となって濯ぎ煮を行う方式は、ボイラーの仕事能率を向上できるだけでなく、同時に冷水の予定の設定流量を変更することにより適温混合水流の温度を変更できる。図11を参照するが、例えば該飲料製備装置内に2セットの濯ぎ煮ユニットを設置する時に、それぞれ独立に動作する流量計19a,19b;熱交換器11a,11b;熱水管31a,31b;冷水管35a,35b;冷水スロットルバルブ36a,36b;チェックバルブ37a,37b;液体配送器20a,20b;濯ぎ煮電磁弁30a,30b及び製備容器21a,21b等を含み、該二つの冷水スロットルバルブ36a,36bのみを利用して異なる冷水流量を予め設定する必要があり、それぞれ二つの液体配送器20a,20bに入り込む、濯ぎ煮用の適温水流は、異なる濯ぎ煮の温度を有してもよく、これにより、同一の飲料製備装置が異なる種類の飲料を濯ぎ煮する目的を、実現する。
【0053】
同時に図12と図13を参照するが、本発明の提供する飲料製備装置の第4の実施例は、その主要な構造が図3と図4に示す第2の実施例と同じで、更に両者の同じ部分の説明を省略する。該飲料製備装置の第4の実施例は、主として冷水管35cが該液体配送器20cを通って熱水管31cに接続し、従って該熱水管31cから輸送された過熱水および該冷水管35cから輸送された定量の冷水が、該液体配送器20cの内に混合して飲料の濯ぎ煮に適する適温水流となる。該熱水注水管61cは、該液体配送器20cと冷水スロットルバルブ36cとの間に介在する冷水管35cの上に接続するように選択でき、これにより、該濯ぎ煮電磁弁30cが閉鎖され且つ該熱水注水電磁弁60cが開放される時に、該適温混合水流を該飲料カップ22内へ直接に注入し、これにより、飲料の濃度を低減し、但し飲料の濃度を変更しない。
【0054】
同時に図14ないし図16を参照するが、本発明の提供する飲料製備装置の第5の実施例は、その主要な構造が図3と図4に示す第2の実施例と同じで、更に両者の同じ部分の説明を省略する。該飲料製備装置の第5の実施例は、主として第1ないし第4の実施例の中において、元来該熱水注水管61dの上に設置された熱水注水電磁弁60dを、該液体配送器20dの上に設置するように変更するが、この時に液体配送器20dの構造が図15と図16に示すように、ひいては部分の変更を行う。該液体配送器20dが導流ホルダー23を一つ有し、熱水管31dから供給された過熱の熱水と冷水管35dから供給された定量の冷水とを混合してなる適温混合水流を受け入れるために用いられる。該濯ぎ煮電磁弁30dが開放されて熱水注水電磁弁60dが閉鎖される時に、該導流ホルダー23内における適温混合水流が給水通路24内に入り込み、更に開放された濯ぎ煮電磁弁30dを経由して出水通路25内に入り込み、且つ該製備容器21内へ流れ込んで飲料濯ぎ煮手順を行う。該濯ぎ煮電磁弁30dが閉鎖されて熱水注水電磁弁60dが開放される時に、該導流ホルダー23内における適温混合水流が該給水通路24と給水バイパス26の内に入り込み、更に開放された熱水注水電磁弁60dを経由して注水通路27内に入り込み、且つ該熱水注水管61d内へ流れ込んで前述の加注熱水手順を行う。該濯ぎ煮電磁弁30dと熱水注水電磁弁60dが何れも閉鎖される時に、該導流ホルダー23の内に、実際に水流が流れない。待機状況下では、熱水揮発蒸気が該予熱循環管路33dから、該液体配送器20dを通り、前述の予熱循環を行う。
【0055】
以上の詳細な説明は、本発明に対する実行可能な実施例の具体の説明で、ただ該等実施例が本発明の特許請求の範囲を限定するために用いられるわけではなく、如何なる本発明の技術精神をまだ脱逸しない等価な実施または変更が何れも本発明の特許請求の範囲中に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0056】
10 ボイラー
11 熱交換器
12 給水ポンプ
13 水位検出器
14 進水電磁弁
15 蒸気圧力検出器
16 加熱器
17 入水管
18 圧洩れ逆止弁
19 流量計
20 液体配送器
21 製備容器
22 飲料カップ
23 導流ホルダー
24 給水通路
25 出水通路
26 給水バイパス
27 注水通路
30 濯ぎ煮電磁弁
31 熱水管
33 予熱循環管路
35 冷水管
36 冷水スロットルバルブ
37 チェックバルブ
38 スロットル・ジョイント
50 冷水注水電磁弁
51 冷水注水管
52 冷水注水スロットル・ジョイント
60 熱水注水電磁弁
61 熱水注水管
62 熱水注水スロットル・ジョイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料製備装置は、内部の貯水を設定温度の範囲に加熱するボイラーと、外部の水源に接続して該ボイラーの内に設置された熱交換器を通り且つ該熱水管を通った水流を過熱温度値に加熱する熱水管と、外部の水源に接続して冷水スロットルバルブを通って流量を調整した後に該熱水管に接続して冷水と熱水とを適温混合水流となるように混合する冷水管と、該冷水管の上に設けられて該熱水管内の水流を該冷水管内へ逆方向に還流できないチェックバルブと、該熱水管に接続し且つその水流を受け取る液体配送器と、該液体配送器と互いに組み合わせ且つ内部に飲料成分を予置する製備容器と、該液体配送器を介して該熱水管に接続する熱水注水管と、該熱水注水管の開放/閉鎖を制御するために用いられる熱水注水電磁弁と、該液体配送器の上に設置される濯ぎ煮電磁弁とを、含み、濯ぎ煮電磁弁が制御されて開放する時に、該液体配送器が該適温混合水流を該製備容器内へ配送し、該飲料成分を飲料となるように製備し、該濯ぎ煮電磁弁が閉鎖され且つ該熱水注水電磁弁が開放される時に、該液体配送器が該適温混合水流を該熱水注水管内へ配送し、且つ該飲料の内に注入することを特徴とする、飲料製備装置。
【請求項2】
予熱循環管路を更に含み、その一端が該熱水管に接続し、他端が該液体配送器を直接に貫通した後に該熱交換器に接続し、該濯ぎ煮電磁弁と該熱水注水電磁弁が何れも閉鎖される時に、該熱交換器の熱水が熱揮発し、且つ該予熱循環管路を経由し、該液体配送器を予熱した後に、該熱交換器へ還流することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項3】
外部の水源に接続する冷水注水管と該冷水注水管の開放/閉鎖を制御するために用いられる冷水注水電磁弁とを更に含み、該冷水注水電磁弁が開放される時に、該外部の冷水が該冷水注水管を経由して該飲料の内へ注入することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項4】
該冷水管は、該熱水管が該液体配送器へ入り込む前に、該熱水管に接続することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項5】
該冷水管は、該液体配送器を通って該熱水管に接続することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項6】
制御パネルを更に含み、その上に少なくとも三つのマニュアル・コントロール・キーと少なくとも四つのオートマチック・コントロール・キーを設け、各マニュアル・コントロール・キーがマニュアル方式により該濯ぎ煮電磁弁,冷水注水電磁弁と熱水注水電磁弁をそれぞれ制御するように供し、各オートマチック・コントロール・キーが予め設定でき、且つオートマチック方式により、それぞれ該濯ぎ煮電磁弁,冷水注水電磁弁,熱水注水電磁弁およびその組合せを制御することを特徴とする、請求項3に記載の飲料製備装置。
【請求項7】
少なくとも2セットの冷水管,冷水スロットルバルブ,熱水管と液体配送器を設置し、該少なくとも2セットの冷水スロットルバルブを調整することにより、該少なくとも2セットの冷水管が異なる冷水の流量を有し、且つ該少なくとも2セットの熱水管内における熱水と混合して異なる温度の適温混合水流となり、それぞれ該少なくとも2セットの液体配送器へ輸送することを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項8】
該熱水注水電磁弁は、該熱水注水管の上に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。
【請求項9】
該熱水注水電磁弁は、該液体配送器の上に設置され、該濯ぎ煮電磁弁が開放されて熱水注水電磁弁が閉鎖される時に、該適温混合水流が該液体配送器の給水通路内へ入り込み、開放された濯ぎ煮電磁弁を経由して出水通路内へ入り込み、且つ該製備容器内に流れ込んで飲料濯ぎ煮手順を行い、該濯ぎ煮電磁弁が閉鎖されて熱水注水電磁弁が開放される時に、該適温混合水流が該給水通路を経由して給水バイパスの内へ入り込み、開放された熱水注水電磁弁を経由して注水通路内へ入り込み、且つ該熱水注水管内へ流れ込むことを特徴とする、請求項1に記載の飲料製備装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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