飲酒状態検査装置
【課題】 飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる飲酒状態検査装置を提供する。
【解決手段】 被点呼側装置は、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、利用者による検査を監視する者と利用者との間で行われる不正な検査に関するやり取りを証拠として残すために周囲の状況を音および画像で取得する周囲状況取得手段と、周囲状況取得手段で取得された周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、検査の前の10分の周囲の状況および検査の後の10分の周囲の状況を検査毎に記録する(S141、S142)検査前後記録手段とを備えており、検査前後記録手段は、検査の前後の20分の周囲の状況の記録のうち、少なくとも検査の前の周囲の状況の記録を一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【解決手段】 被点呼側装置は、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、利用者による検査を監視する者と利用者との間で行われる不正な検査に関するやり取りを証拠として残すために周囲の状況を音および画像で取得する周囲状況取得手段と、周囲状況取得手段で取得された周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、検査の前の10分の周囲の状況および検査の後の10分の周囲の状況を検査毎に記録する(S141、S142)検査前後記録手段とを備えており、検査前後記録手段は、検査の前後の20分の周囲の状況の記録のうち、少なくとも検査の前の周囲の状況の記録を一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の飲酒状態の検査を実行することができる飲酒状態検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲酒状態検査装置としては、飲酒していない替え玉による呼気中のアルコール濃度の測定を防ぐために、呼気中のアルコール濃度の測定中の運転者の画像を撮影するデジタルカメラを備えているアルコール検知システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−157599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業務において車両を運転する運転者は、飲酒運転を防止するため、乗務前に呼気中のアルコール濃度の測定を行う。しかしながら、飲酒していない替え玉による測定など、様々な不正な測定が、飲酒している運転者によって行われている。酷い場合には、運転者による測定を監視すべき立場にある責任者が、運転者と共謀して不正な測定を行うこともある。このような共謀の際には、運転者と責任者との間で不正な測定に関するやり取りが行われることが多い。
【0005】
しかしながら、従来の飲酒状態検査装置は、呼気中のアルコール濃度の測定中の運転者の画像を撮影することができるものの、上述したようなやり取りを証拠として残すことができない。
【0006】
そこで、本発明は、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる飲酒状態検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飲酒状態検査装置は、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段とを備えており、前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の飲酒状態検査装置は、利用者の飲酒状態の検査の前後の所定の時間の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りが飲酒状態の検査の前後の所定の時間に行われていた場合には、そのやり取りを証拠として残すことができる。
【0009】
また、本発明の飲酒状態検査装置は、前記検査前後記録手段によって記録された前記周囲の状況を外部に送信する外部送信手段を備えていることが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の飲酒状態検査装置は、証拠を外部に送信するので、証拠を外部の装置に記憶させることができる。したがって、本発明の飲酒状態検査装置は、証拠を飲酒状態検査装置自身のみに記憶する場合と比較して、証拠が不正に消去され難くすることができる。
【0011】
本発明の飲酒状態検査プログラムは、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段としてコンピュータを機能させる飲酒状態検査プログラムであって、前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の飲酒状態検査プログラムを実行するコンピュータは、利用者の飲酒状態の検査の前後の所定の時間の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の飲酒状態検査装置は、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る点呼システムのブロック図である。
【図2】図1に示す点呼側装置のブロック図である。
【図3】図1に示す被点呼側装置のブロック図である。
【図4】図1に示す点呼側装置のモニタに表示される点呼画面の例を示す図である。
【図5】図1に示す被点呼側装置のモニタに表示されるリスト画面の例を示す図である。
【図6】点呼の要求が行われるときの図1に示す被点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図7】図1に示す被点呼側装置のモニタに表示される質問事項の例を示す図である。
【図8】点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである図1に示す点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図9】証拠の取得が行われるときの図1に示す被点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図10】点呼が実行されるときの図1に示す点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図11】コンピュータが携帯通信機器によって構成されている場合の図1に示す被点呼側装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
まず、本発明の一実施の形態に係る点呼システムの構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る点呼システム10のブロック図である。
【0018】
図1に示すように、点呼システム10は、点呼を行う点呼管理者によって使用される点呼側装置20と、点呼が行われる被点呼者によって使用されて被点呼者の様子を音および画像で点呼側装置20に送信する本発明の飲酒状態検査装置としての被点呼側装置40とを備えている。点呼側装置20および被点呼側装置40は、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能になっている。点呼システム10は、点呼側装置20を複数台備えている。また、図1には被点呼側装置40が1台のみ描かれているが、点呼システム10は、被点呼側装置40も複数台備えている。
【0019】
点呼システム10は、運送業者によって使用されるシステムであって、トラックの運転者の乗務前の点呼を支援するシステムである。点呼側装置20は、運送業者の本部に設置されている。被点呼側装置40は、全国に例えば数百か所など点在する運送業者の支部にそれぞれ設置されている。
【0020】
図2は、点呼側装置20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、点呼側装置20は、点呼側装置20全体を制御するコンピュータであるPC(Personal Computer)21と、音を入力するマイク22と、画像を入力するビデオカメラ23と、音を出力するスピーカ24と、画像を出力するモニタ25と、点呼管理者による操作を入力するキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作部26と、外部の装置と通信を行うための通信部27と、音によって警報を行う警報器28と、光によって点呼管理者を呼び出す呼出灯29と、時間を計測する時計30とを備えている。なお、点呼側装置20は、警報器28、呼出灯29をそれぞれスピーカ24、モニタ25によって代用する構成であっても良い。
【0022】
PC21は、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)となどによって構成されている。CPUは、ROMやHDDに記憶されているプログラムを実行することによってPC21を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0023】
複数の点呼側装置20は、1台の点呼側装置20がサーバーとなっており、残りの点呼側装置20がクライアントとなっている。サーバーである点呼側装置20のPC21のみが、点呼を待っている被点呼者のリストである点呼待ちリストを記憶し、管理している。クライアントである点呼側装置20のPC21は、点呼待ちリストを記憶しておらず、サーバーである点呼側装置20のPC21が記憶している点呼待ちリストを読み出し、編集するようになっている。つまり、点呼待ちリストは、サーバーである点呼側装置20も含めて全ての点呼側装置20が共同で使用することになる。この構成により、複数台の点呼側装置20によって同時に点呼が実行されるときに、同一の被点呼者の点呼が複数台の点呼側装置20によって実行されるという不具合の発生が防止されている。
【0024】
同様に、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼者毎に予め登録される顔画像と、被点呼者毎に予め登録される過去の履歴と、被点呼者1人の点呼に必要な時間として予め設定された標準点呼時間とを記憶している。また、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼側装置40から点呼の要求とともに送信されてくる各種の情報を記憶するようになっている。これらの情報も、全ての点呼側装置20が共同で使用することになる。
【0025】
図3は、被点呼側装置40のブロック図である。
【0026】
図3に示すように、被点呼側装置40は、被点呼側装置40全体を制御するコンピュータであるPC41と、音を入力するマイク42と、画像を入力するビデオカメラ43と、音を出力するスピーカ44と、画像を出力するモニタ45と、被点呼者による操作を入力するキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作部46と、外部の装置と通信を行うための通信部47と、音によって警報を行う警報器48と、光によって被点呼管理者を呼び出す呼出灯49と、被点呼者の免許証から情報を読み取る免許証リーダー50と、被点呼者によって携帯されるICタグから情報を読み取るICタグリーダー51と、被点呼者の指紋を読み取って認証を行う指紋認証装置52と、被点呼者の血圧を計測する血圧計53と、被点呼者の加速度脈波を計測する加速度脈波計54と、被点呼者の体温を計測する体温計55と、被点呼者の呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール測定器56とを備えている。ICタグは、例えばキーホルダーに埋め込まれてキーホルダーによってトラックのキーに取り付けられていても良い。なお、被点呼側装置40は、警報器48、呼出灯49をそれぞれスピーカ44、モニタ45によって代用する構成であっても良い。また、認証方法は、本実施の形態においては指紋による認証が採用されているが、静脈、虹彩、顔など、指紋以外の認証が採用されても良い。
【0027】
PC41は、CPUと、本発明の飲酒状態検査プログラムを含むプログラムや各種のデータを予め記憶しているROMやHDDと、CPUの作業領域として用いられるRAMとなどによって構成されている。CPUは、ROMやHDDに記憶されているプログラムを実行することによってPC41を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0028】
なお、PC41は、利用者である被点呼者の飲酒状態の検査(アルコール濃度の測定)をアルコール測定器56によって実行する飲酒状態検査手段41aと、周囲の状況をマイク42およびビデオカメラ43によって音および画像で取得する周囲状況取得手段41bと、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段41cと、検査の前の10分および検査の後の10分の周囲の状況を検査毎に不揮発性メモリに証拠として記録する検査前後記録手段41dと、検査前後記録手段41dによって記録された周囲の状況を外部の装置である点呼側装置20に通信部47によって送信する外部送信手段41eとして機能するようになっている。10分というのは、例であり、これに限られるものではない。また、検査の前と後とで記録時間が異なっていても良い。
【0029】
ここで、周囲状況取得手段41bは、PC41の起動中、周囲の状況をマイク42およびビデオカメラ43によって常に取得するようになっている。
【0030】
また、一時記録継続手段41cは、PC41の起動中、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況を30分のリングバッファに常に継続して上書き記憶するようになっている。なお、30分というのは、例であり、これに限られるものではない。
【0031】
図4は、点呼側装置20のモニタ25に表示される点呼画面の例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、点呼画面には、現在点呼中の被点呼者の情報を表示する「現在の被点呼者」領域81と、点呼管理者の画像を表示する「点呼管理者」領域82と、現在点呼中の被点呼者の画像を表示する「被点呼者」領域83と、現在点呼中の被点呼者の運転免許証の画像を表示する「運転免許証」領域84と、現在点呼中の被点呼者の予め登録されていた顔画像を表示する「登録顔画像」領域85と、現在点呼中の被点呼者の予め登録されていた過去の履歴を表示する「過去履歴」領域86と、点呼待ちリストを表示する「点呼待ちリスト」領域87とが含まれている。
【0033】
「現在の被点呼者」領域81には、現在点呼中の被点呼者の点呼を要求してきた被点呼側装置40の識別情報を表示する「支部」領域81aと、現在点呼中の被点呼者の社員番号を表示する「社員番号」領域81bと、現在点呼中の被点呼者の氏名を表示する「氏名」領域81cと、現在点呼中の被点呼者が乗車する車両の番号を表示する「車両番号」領域81dとが含まれている。車両の番号とは、自動車の登録番号や、会社が所有する車両に独自に割り振った番号などである。なお、「支部」領域81a、「社員番号」領域81b、「氏名」領域81cおよび「車両番号」領域81dに表示される情報は、被点呼者の識別情報であり、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる情報である。
【0034】
「点呼管理者」領域82に表示される画像は、ビデオカメラ23によって撮影されている画像である。
【0035】
「被点呼者」領域83に表示される画像は、被点呼側装置40のビデオカメラ43によって撮影されて被点呼側装置40から点呼側装置20に送信されてくる画像である。
【0036】
「運転免許証」領域84に表示される画像は、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる画像である。「運転免許証」領域84に表示される画像のうち被点呼者の顔画像は、「被点呼者」領域83に表示される画像中の人物が本当に被点呼者自身であるかを点呼管理者に判断させるために利用される。
【0037】
「登録顔画像」領域85に表示される顔画像は、サーバーである点呼側装置20のPC21に被点呼者毎に予め登録されている。「登録顔画像」領域85に表示される被点呼者の顔画像は、「被点呼者」領域83に表示される画像中の人物が本当に被点呼者自身であるかを点呼管理者に判断させるために利用される。
【0038】
「過去履歴」領域86に表示される過去の履歴は、サーバーである点呼側装置20のPC21に被点呼者毎に予め登録されている。過去の履歴としては、例えば、被点呼者の過去の交通違反、被点呼者の持病、被点呼者の過去の勤務履歴などがある。
【0039】
「点呼待ちリスト」領域87に表示されている点呼待ちリストの各行は、点呼を待っている被点呼者のそれぞれの情報になっており、上の行から順番に点呼が実行されるようになっている。点呼待ちリストの各列は、被点呼者の点呼を要求してきた被点呼側装置40の識別情報を表示する「支部」領域87a、被点呼者の社員番号を表示する「社員番号」領域87b、被点呼者の氏名を表示する「氏名」領域87c、被点呼者が乗車する車両の番号を表示する「車両番号」領域87d、被点呼者の点呼が実行される予定時刻を表示する「予定時刻」領域87e、被点呼者が点呼待ちリストに登録されてから現在までの経過時間を表示する「経過時間」領域87f、被点呼者が点呼待ちリストに登録された時刻を表示する「登録時刻」領域87gである。「支部」領域87a、「社員番号」領域87b、「氏名」領域87cおよび「車両番号」領域87dに表示される情報は、被点呼者の識別情報であり、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる情報である。
【0040】
「予定時刻」領域87eに表示される予定時刻は、被点呼者1人の点呼に必要な時間として予め設定された標準点呼時間と、点呼側装置20の台数と、点呼待ちリストにおける被点呼者の順番とに基づいてPC21によって算出されることができる情報であって、リアルタイムに更新される情報である。標準点呼時間と、点呼側装置20の台数とに基づいて、点呼システム10全体における被点呼者1人分の予定の待ち時間として標準待ち時間が定まる。例えば、図4に示す例においては、標準待ち時間が8分であり、現在点呼中の被点呼者である田中一郎さんの点呼が21時16分に開始されており、点呼待ちリストの1番目の山田二郎さんの点呼の予定時刻が8分後の21時24分であり、点呼待ちリストの2番目の佐藤一郎さんの点呼の予定時刻が更に8分後の21時32分であり、点呼待ちリストの3番目の鈴木三郎さんの点呼の予定時刻が更に8分後の21時40分である。
【0041】
なお、標準待ち時間は、同時に処理することができる点呼の数に反比例する。そして、同時に処理することができる点呼の数は、点呼を行う点呼管理者の人数、すなわち、点呼側装置20の台数と等しい。したがって、標準待ち時間は、点呼側装置20の台数に反比例する。つまり、標準待ち時間は、点呼側装置20が2台であるときに点呼側装置20が1台であるときの1/2倍になり、点呼側装置20が3台であるときに点呼側装置20が1台であるときの1/3倍になる。
【0042】
点呼システム10を導入している運送業者は、点呼待ちリストに被点呼者が多数登録されていて点呼が滞るようであれば、点呼側装置20と、その点呼側装置20を使用する点呼管理者とを補充することによって点呼の滞りを解消することができる。
【0043】
「経過時間」領域87fに表示される経過時間は、「登録時刻」領域87gに表示される登録時刻と、時計30から取得することができる現在時刻とに基づいて算出されることができる情報であって、リアルタイムに更新される情報である。例えば、図4に示す例においては、現在時刻が21時23分であり、点呼待ちリストの1番目の山田二郎さんの経過時間が21時13分の登録時刻から10分であり、点呼待ちリストの2番目の佐藤一郎さんの経過時間が21時16分の登録時刻から7分であり、点呼待ちリストの3番目の鈴木三郎さんの経過時間が21時18分の登録時刻から5分である。
【0044】
「登録時刻」領域87gに表示される登録時刻は、被点呼者が点呼待ちリストに登録されたときの時計30の現在時刻である。
【0045】
図5は、被点呼側装置40のモニタ45に表示されるリスト画面の例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、リスト画面には、点呼画面とは異なり、「現在の被点呼者」領域81、「点呼管理者」領域82、「被点呼者」領域83、「運転免許証」領域84、「登録顔画像」領域85および「過去履歴」領域86が表示されていない。リスト画面は、点呼を待っている被点呼側装置40のモニタ45に表示される画面である。
【0047】
次に、点呼システム10の動作について説明する。
【0048】
なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、点呼待ちリストを更新する度にクライアントである点呼側装置20と、全ての被点呼側装置40とに点呼待ちリストを配信する。したがって、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、常に同一の点呼待ちリストが表示される。
【0049】
<被点呼側装置40における点呼の要求>
点呼の要求が行われるときの被点呼側装置40の動作について説明する。
【0050】
図6は、点呼の要求が行われるときの被点呼側装置40の動作のフローチャートである。
【0051】
被点呼者が被点呼側装置40の免許証リーダー50に免許証を挿入すると、被点呼側装置40のPC41は、図6に示す動作を実行する。なお、PC41は、図6に示す動作の実行中に、被点呼者がすべき行動を順にモニタ45に案内表示する。したがって、被点呼者は、モニタ45の表示に従って、行動すれば良い。
【0052】
図6に示すように、PC41は、免許証リーダー50によって免許証から情報を読み取り(S101)、S101において読み取った情報のうち免許証の有効期限に基づいて免許証が有効期限内であるか否かを判断する(S102)。
【0053】
PC41は、免許証が有効期限内ではないとS102において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、免許証が有効期限内であるとS102において判断すると、被点呼者が携帯しているICタグからICタグリーダー51によって情報を読み取る(S104)。
【0054】
次いで、PC41は、被点呼者の血圧を血圧計53によって計測し(S105)、被点呼者の加速度脈波を加速度脈波計54によって計測する(S106)。なお、血圧計53によって計測された値および加速度脈波計54によって計測された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0055】
次いで、PC41は、被点呼者の指紋を指紋認証装置52によって読み取り(S107)、S107において読み取った指紋に基づいて指紋認証装置52による認証が成功したか否かを判断する(S108)。
【0056】
PC41は、指紋認証装置52による認証が失敗したとS108において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、指紋認証装置52による認証が成功したとS108において判断すると、被点呼者の体温を体温計55によって計測し(S109)、S109において計測した体温が正常であるか否かを判断する(S110)。ここで、PC41は、正常であると判断する体温の範囲が予め設定されており、S109において計測した体温が予め設定されている範囲内にあるときに正常であると判断する。なお、体温計55によって計測された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0057】
PC41は、計測した体温が異常であるとS110において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、計測した体温が正常であるとS110において判断すると、質問事項に対する被点呼者による回答を受け付ける(S111)。
【0058】
図7は、モニタ45に表示される質問事項の例を示す図である。
【0059】
S111における質問事項とは、健康状態に対する質問事項など、点呼に役立つ質問事項であり、例えば図7に示すようなものである。質問事項には、図7に示す質問事項以外にも、被点呼者が感じているストレスの度合いや、麻薬や覚醒剤などを使用していないかなど、様々な質問事項が有り得る。
【0060】
質問事項は、モニタ45に表示されて、マウスや、モニタ45上に配置されたタッチパネルなど、操作部46を介して被点呼者によって回答される。
【0061】
図6に示すように、PC41の機能の1つである飲酒状態検査手段41aは、S111の後、アルコール測定器56によって被点呼者の呼気中のアルコール濃度を測定する(S112)。次いで、PC41は、S112において測定したアルコール濃度に基づいて被点呼者が飲酒状態であるか否かを判断する(S113)。ここで、PC41は、飲酒状態であると判断する閾値が予め設定されており、S112において測定したアルコール濃度が予め設定されている閾値以上であるときに飲酒状態であると判断する。なお、アルコール測定器56によって測定された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0062】
PC41は、被点呼者が飲酒状態であるとS113において判断すると、S101やS104において免許証やICタグから読み取った氏名などの被点呼者のID情報と、飲酒状態であったこととを通信部47を介してサーバーである点呼側装置20に通知し(S114)、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。
【0063】
なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、飲酒状態であったことを被点呼側装置40から受信すると、PC41によって飲酒状態であったと判断された被点呼者のID情報とともに、被点呼者が飲酒状態であったことを、図示していない所定の装置に緊急通知として送信する。この所定の装置は、運送業者の経営者や管理職の携帯通信端末やPCなどであり、サーバーである点呼側装置20から電話や電子メールなどで緊急通知を受信する。なお、この緊急通知は、サーバーである点呼側装置20を介さずに、被点呼側装置40から直接送信するようになっていても良い。
【0064】
PC41は、被点呼者が飲酒状態ではないとS113において判断すると、点呼の要求を通信部47を介してサーバーである点呼側装置20に送信し(S115)、図6に示す処理を終了する。ここで、PC41は、点呼の要求を送信するとき、S101において読み取った免許証の画像、被点呼側装置40自身の識別情報、S101において免許証から読み取った氏名、S104においてICタグから読み取ったトラックの車両番号、S105において計測した血圧、S106において計測した加速度脈波、S109において計測した体温、S111において受け付けた回答、S112において測定したアルコール濃度などの各種の情報を、点呼の要求とともにサーバーである点呼側装置20に通知する。
【0065】
<サーバーである点呼側装置20における点呼待ちリストへの登録>
点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである点呼側装置20の動作について説明する。
【0066】
サーバーである点呼側装置20は、図4に示す点呼画面をモニタ25に表示している。
【0067】
図8は、点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである点呼側装置20の動作のフローチャートである。
【0068】
サーバーである点呼側装置20のPC21は、点呼の要求を被点呼側装置40から受信すると、図8に示す処理を開始する。
【0069】
図8に示すように、PC21は、警報器28および呼出灯29を駆動する(S131)。つまり、PC21は、警報器28による音の出力と、呼出灯29による発光とによって、点呼の要求の受信を点呼管理者に知らせる。
【0070】
次いで、PC21は、受信した点呼の要求を行った被点呼者を点呼待ちリストの最後に追加して(S132)、図8に示す処理を終了する。
【0071】
S132の処理の結果、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、被点呼者が更新された同一の点呼待ちリストが表示される。
【0072】
<被点呼側装置40における証拠の取得>
証拠の取得が行われるときの被点呼側装置40の動作について説明する。
【0073】
図9は、証拠の取得が行われるときの被点呼側装置40の動作のフローチャートである。
【0074】
被点呼側装置40のPC41は、図6に示すS112においてアルコール濃度を測定すると、図9に示す処理を開始する。
【0075】
図9に示すように、PC41の機能の1つである検査前後記録手段41dは、一時記録継続手段41cによってリングバッファに既に記録されているデータのうち、S112におけるアルコール濃度の測定の前の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録し(S141)、続いて、一時記録継続手段41cによってリングバッファにこれから記録されるデータのうち、S112におけるアルコール濃度の測定の後の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録する(S142)。ここで、検査前後記録手段41dは、証拠を記録するとき、アルコール濃度の測定結果と、証拠とを関連付けて記録する。このように記録された証拠は、後日、PC41から読み出されて再生されることによって活用されることができる。なお、検査前後記録手段41dは、アルコール濃度の測定の後の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録する場合には、一時記録継続手段41cによってリングバッファに記録されるデータではなく、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況を直接記録するようになっていても良い。
【0076】
次いで、PC41の機能の1つである外部送信手段41eは、S141およびS142において不揮発性メモリに記録した証拠をサーバーである点呼側装置20に送信して(S143)、図9に示す処理を終了する。ここで、外部送信手段41eは、サーバーである点呼側装置20に証拠を送信するとき、アルコール濃度の測定結果と、証拠とを関連付けて送信する。なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼側装置40から送信されてきた証拠などの情報を記録する。このように記録された証拠は、後日、PC21から読み出されて再生されることによって活用されることができる。
【0077】
<点呼側装置20における点呼の実行>
点呼が実行されるときの点呼側装置20の動作について説明する。
【0078】
点呼が開始されていないとき、点呼側装置20のモニタ25上の点呼画面(図4参照。)には、「現在の被点呼者」領域81、「被点呼者」領域83、「運転免許証」領域84、「登録顔画像」領域85および「過去履歴」領域86に何も表示されていない。
【0079】
図10は、点呼が実行されるときの点呼側装置20の動作のフローチャートである。
【0080】
点呼管理者が点呼側装置20の操作部26から例えば点呼開始釦を押下するなどして点呼の開始を点呼側装置20に指示すると、点呼側装置20のPC21は、図10に示す処理を開始する。
【0081】
図10に示すように、PC21は、点呼待ちリストにおける最初の被点呼者を対象にする(S161)。このとき、PC21は、点呼待ちリストにおける最初の被点呼者を点呼待ちリストから削除するとともに、その被点呼者をモニタ25上の点呼画面において「点呼待ちリスト」領域87から「現在の被点呼者」領域81に移動させる。つまり、「点呼待ちリスト」領域87に表示されている点呼待ちリストの各行は、最初の被点呼者が「現在の被点呼者」領域81に移動した分、1行ずつ繰り上がる。また、モニタ25上の「運転免許証」領域84には、被点呼側装置40からサーバーである点呼側装置20に対象の被点呼者の点呼の要求とともに送信されてきた画像が表示される。また、「登録顔画像」領域85、「過去履歴」領域86には、対象の被点呼者についてサーバーである点呼側装置20のPC21に予め登録されている顔画像、過去の履歴がそれぞれ表示される。
【0082】
S161の処理の結果、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、被点呼者が更新された同一の点呼待ちリストが表示される。
【0083】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40の警報器48および呼出灯49の駆動を開始させる(S162)。ここで、対象の被点呼側装置40とは、点呼側装置20と通信可能な全ての被点呼側装置40のうち、S161において対象にした被点呼者の被点呼側装置40のことである。対象の被点呼側装置40のPC41は、点呼側装置20からの指示に応じて、警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光とを開始する。更に、PC21は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上に表示されている画像の点滅を開始させても良い。
【0084】
次いで、PC21は、モニタ25上の点呼画面において「現在の被点呼者」領域81に表示されている被点呼者の情報の点滅表示を開始する(S163)。
【0085】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40のモニタ45に点呼画面を表示させる(S164)。つまり、点呼側装置20のモニタ25と、対象の被点呼側装置40のモニタ45とは、同期しながら同一の画像を表示することになる。
【0086】
次いで、PC21は、対象の被点呼側装置40から応答があるまで、対象の被点呼側装置40から応答があったか否かを判断する(S165)。対象の被点呼者は、被点呼側装置40の警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光と、モニタ45の表示とによって自身が点呼の対象となっていることを知ることができ、点呼を受ける準備が整い次第、対象の被点呼側装置40の操作部46から点呼側装置20に応答を送信することができる。
【0087】
PC21は、対象の被点呼側装置40から応答があったとS165において判断すると、モニタ25上の点呼画面において「現在の被点呼者」領域81に表示されている被点呼者の情報の点滅表示を終了する(S166)。
【0088】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40の警報器48および呼出灯49の駆動を終了させる(S167)。対象の被点呼側装置40のPC41は、点呼側装置20からの指示に応じて、警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光とを終了する。なお、PC21は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上に表示されている画像の点滅をS162において開始させている場合には、その点滅も終了させる。
【0089】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40と通信を行うことによって点呼管理者による被点呼者の点呼を可能にする(S168)。具体的には、対象の被点呼側装置40のマイク42から入力された音は、ネットワーク11を介して点呼側装置20のスピーカ24から出力される。また、点呼側装置20のマイク22から入力された音は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40のスピーカ44から出力される。また、対象の被点呼側装置40のビデオカメラ43によって撮影された画像は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上の「被点呼者」領域83に表示されるとともに、ネットワーク11を介して点呼側装置20のモニタ25上の「被点呼者」領域83にも表示される。また、点呼側装置20のビデオカメラ23によって撮影された画像は、点呼側装置20のモニタ25上の「点呼管理者」領域82に表示されるとともに、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40のモニタ45上の「点呼管理者」領域82にも表示される。このように、点呼管理者は、被点呼者の様子を確認し被点呼者と対話しながら点呼を進めることができるので、被点呼者の話し方、声、顔色、目付きなどから被点呼者の体調などを感じつつ点呼を進めることができる。
【0090】
次いで、PC21は、点呼が完了したと判断するまで、点呼が完了したか否かを判断する(S169)。点呼管理者は、点呼側装置20の操作部26から例えば点呼完了釦を押下するなどして点呼の完了を点呼側装置20に指示することができる。
【0091】
PC21は、点呼が完了したとS169において判断すると、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40のモニタ45にリスト画面を表示させる(S170)。
【0092】
次いで、PC21は、点呼待ちリストに未だ被点呼者の登録があるか否かを判断する(S171)。
【0093】
PC21は、点呼待ちリストに未だ被点呼者の登録があるとS171において判断すると、再びS161の処理に戻る。つまり、PC21は、点呼待ちリストにおける被点呼者の順番に従って被点呼側装置40を介した点呼を可能にする。
【0094】
PC21は、点呼待ちリストに被点呼者の登録がないとS171において判断すると、図10に示す処理を終了する。
【0095】
なお、以上においては、点呼側装置20および被点呼側装置40のコンピュータがPCによって構成されている例について説明したが、点呼側装置20および被点呼側装置40の少なくとも一方のコンピュータがPC以外のコンピュータによって構成されていても良い。例えば、点呼側装置20および被点呼側装置40は、コンピュータが携帯電話機などの携帯通信機器によって構成されていても良い。
【0096】
図11は、コンピュータが携帯通信機器によって構成されている場合の被点呼側装置40のブロック図である。
【0097】
図11に示すように、被点呼側装置40は、被点呼側装置40全体を制御するコンピュータである携帯通信機器57と、現在位置を取得するGPS(Global Positioning System)ユニット58とを備えている。また、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示す例と同様に、免許証リーダー50、ICタグリーダー51、指紋認証装置52、血圧計53、加速度脈波計54、体温計55およびアルコール測定器56を備えている。
【0098】
なお、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示すマイク42、ビデオカメラ43、スピーカ44、モニタ45、操作部46および通信部47に相当する構成を、携帯通信機器57のマイク、ビデオカメラ、スピーカ、モニタ、操作部および通信部によってそれぞれ代用している。また、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示す警報器48、呼出灯49に相当する構成を、それぞれ携帯通信機器57のスピーカ、モニタによって代用している。
【0099】
被点呼側装置40は、図11に示すように携帯通信機器57によって構成されている場合、トラックに容易に搭載されることができる。被点呼側装置40が搭載されたトラックは、運送業者の移動可能な支部となる。被点呼側装置40は、図11に示すように携帯通信機器57によって構成されている場合、点呼側装置20に点呼の要求を送信するとき、GPSユニット58で取得した現在位置も点呼の要求とともに点呼側装置20に通知する。
【0100】
以上に説明したように、被点呼側装置40は、利用者である被点呼者の飲酒状態の検査の前の10分および後の10分の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りが飲酒状態の検査の前の10分および後の10分に行われていた場合には、そのやり取りを証拠として残すことができる。
【0101】
また、被点呼側装置40は、サーバーである点呼側装置20に証拠を送信するので、サーバーである点呼側装置20に証拠を記憶させることができる。したがって、被点呼側装置40は、被点呼側装置40自身のみに証拠を記憶する場合と比較して、証拠が不正に消去され難くすることができる。
【0102】
なお、点呼システム10は、本実施の形態において全ての点呼側装置20が点呼管理者によって直接使用されているが、サーバーである点呼側装置20が点呼待ちリストの管理のみを担当し、クライアントである点呼側装置20のみが点呼管理者によって直接使用されるようになっていても良い。その場合、標準待ち時間は、クライアントである点呼側装置20の台数に反比例することになる。
【0103】
また、点呼システム10は、本実施の形態において点呼側装置20を複数台備えているが、点呼側装置20を1台しか備えていなくても良い。
【0104】
また、点呼システム10は、本実施の形態において運送業者によって導入されているが、導入者を運送業者に限るものではない。
【符号の説明】
【0105】
40 被点呼側装置(飲酒状態検査装置)
41a 飲酒状態検査手段
41b 周囲状況取得手段
41c 一時記録継続手段
41d 検査前後記録手段
41e 外部送信手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の飲酒状態の検査を実行することができる飲酒状態検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲酒状態検査装置としては、飲酒していない替え玉による呼気中のアルコール濃度の測定を防ぐために、呼気中のアルコール濃度の測定中の運転者の画像を撮影するデジタルカメラを備えているアルコール検知システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−157599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
業務において車両を運転する運転者は、飲酒運転を防止するため、乗務前に呼気中のアルコール濃度の測定を行う。しかしながら、飲酒していない替え玉による測定など、様々な不正な測定が、飲酒している運転者によって行われている。酷い場合には、運転者による測定を監視すべき立場にある責任者が、運転者と共謀して不正な測定を行うこともある。このような共謀の際には、運転者と責任者との間で不正な測定に関するやり取りが行われることが多い。
【0005】
しかしながら、従来の飲酒状態検査装置は、呼気中のアルコール濃度の測定中の運転者の画像を撮影することができるものの、上述したようなやり取りを証拠として残すことができない。
【0006】
そこで、本発明は、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる飲酒状態検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の飲酒状態検査装置は、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段とを備えており、前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【0008】
この構成により、本発明の飲酒状態検査装置は、利用者の飲酒状態の検査の前後の所定の時間の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りが飲酒状態の検査の前後の所定の時間に行われていた場合には、そのやり取りを証拠として残すことができる。
【0009】
また、本発明の飲酒状態検査装置は、前記検査前後記録手段によって記録された前記周囲の状況を外部に送信する外部送信手段を備えていることが好ましい。
【0010】
この構成により、本発明の飲酒状態検査装置は、証拠を外部に送信するので、証拠を外部の装置に記憶させることができる。したがって、本発明の飲酒状態検査装置は、証拠を飲酒状態検査装置自身のみに記憶する場合と比較して、証拠が不正に消去され難くすることができる。
【0011】
本発明の飲酒状態検査プログラムは、利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段としてコンピュータを機能させる飲酒状態検査プログラムであって、前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする。
【0012】
この構成により、本発明の飲酒状態検査プログラムを実行するコンピュータは、利用者の飲酒状態の検査の前後の所定の時間の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の飲酒状態検査装置は、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りを証拠として残すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態に係る点呼システムのブロック図である。
【図2】図1に示す点呼側装置のブロック図である。
【図3】図1に示す被点呼側装置のブロック図である。
【図4】図1に示す点呼側装置のモニタに表示される点呼画面の例を示す図である。
【図5】図1に示す被点呼側装置のモニタに表示されるリスト画面の例を示す図である。
【図6】点呼の要求が行われるときの図1に示す被点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図7】図1に示す被点呼側装置のモニタに表示される質問事項の例を示す図である。
【図8】点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである図1に示す点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図9】証拠の取得が行われるときの図1に示す被点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図10】点呼が実行されるときの図1に示す点呼側装置の動作のフローチャートである。
【図11】コンピュータが携帯通信機器によって構成されている場合の図1に示す被点呼側装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
まず、本発明の一実施の形態に係る点呼システムの構成について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態に係る点呼システム10のブロック図である。
【0018】
図1に示すように、点呼システム10は、点呼を行う点呼管理者によって使用される点呼側装置20と、点呼が行われる被点呼者によって使用されて被点呼者の様子を音および画像で点呼側装置20に送信する本発明の飲酒状態検査装置としての被点呼側装置40とを備えている。点呼側装置20および被点呼側装置40は、インターネットなどのネットワーク11を介して互いに通信可能になっている。点呼システム10は、点呼側装置20を複数台備えている。また、図1には被点呼側装置40が1台のみ描かれているが、点呼システム10は、被点呼側装置40も複数台備えている。
【0019】
点呼システム10は、運送業者によって使用されるシステムであって、トラックの運転者の乗務前の点呼を支援するシステムである。点呼側装置20は、運送業者の本部に設置されている。被点呼側装置40は、全国に例えば数百か所など点在する運送業者の支部にそれぞれ設置されている。
【0020】
図2は、点呼側装置20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、点呼側装置20は、点呼側装置20全体を制御するコンピュータであるPC(Personal Computer)21と、音を入力するマイク22と、画像を入力するビデオカメラ23と、音を出力するスピーカ24と、画像を出力するモニタ25と、点呼管理者による操作を入力するキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作部26と、外部の装置と通信を行うための通信部27と、音によって警報を行う警報器28と、光によって点呼管理者を呼び出す呼出灯29と、時間を計測する時計30とを備えている。なお、点呼側装置20は、警報器28、呼出灯29をそれぞれスピーカ24、モニタ25によって代用する構成であっても良い。
【0022】
PC21は、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムや各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)となどによって構成されている。CPUは、ROMやHDDに記憶されているプログラムを実行することによってPC21を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0023】
複数の点呼側装置20は、1台の点呼側装置20がサーバーとなっており、残りの点呼側装置20がクライアントとなっている。サーバーである点呼側装置20のPC21のみが、点呼を待っている被点呼者のリストである点呼待ちリストを記憶し、管理している。クライアントである点呼側装置20のPC21は、点呼待ちリストを記憶しておらず、サーバーである点呼側装置20のPC21が記憶している点呼待ちリストを読み出し、編集するようになっている。つまり、点呼待ちリストは、サーバーである点呼側装置20も含めて全ての点呼側装置20が共同で使用することになる。この構成により、複数台の点呼側装置20によって同時に点呼が実行されるときに、同一の被点呼者の点呼が複数台の点呼側装置20によって実行されるという不具合の発生が防止されている。
【0024】
同様に、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼者毎に予め登録される顔画像と、被点呼者毎に予め登録される過去の履歴と、被点呼者1人の点呼に必要な時間として予め設定された標準点呼時間とを記憶している。また、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼側装置40から点呼の要求とともに送信されてくる各種の情報を記憶するようになっている。これらの情報も、全ての点呼側装置20が共同で使用することになる。
【0025】
図3は、被点呼側装置40のブロック図である。
【0026】
図3に示すように、被点呼側装置40は、被点呼側装置40全体を制御するコンピュータであるPC41と、音を入力するマイク42と、画像を入力するビデオカメラ43と、音を出力するスピーカ44と、画像を出力するモニタ45と、被点呼者による操作を入力するキーボード、マウス、タッチパネルなどの操作部46と、外部の装置と通信を行うための通信部47と、音によって警報を行う警報器48と、光によって被点呼管理者を呼び出す呼出灯49と、被点呼者の免許証から情報を読み取る免許証リーダー50と、被点呼者によって携帯されるICタグから情報を読み取るICタグリーダー51と、被点呼者の指紋を読み取って認証を行う指紋認証装置52と、被点呼者の血圧を計測する血圧計53と、被点呼者の加速度脈波を計測する加速度脈波計54と、被点呼者の体温を計測する体温計55と、被点呼者の呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール測定器56とを備えている。ICタグは、例えばキーホルダーに埋め込まれてキーホルダーによってトラックのキーに取り付けられていても良い。なお、被点呼側装置40は、警報器48、呼出灯49をそれぞれスピーカ44、モニタ45によって代用する構成であっても良い。また、認証方法は、本実施の形態においては指紋による認証が採用されているが、静脈、虹彩、顔など、指紋以外の認証が採用されても良い。
【0027】
PC41は、CPUと、本発明の飲酒状態検査プログラムを含むプログラムや各種のデータを予め記憶しているROMやHDDと、CPUの作業領域として用いられるRAMとなどによって構成されている。CPUは、ROMやHDDに記憶されているプログラムを実行することによってPC41を動作させる演算処理装置である。RAMは、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶するようになっている。
【0028】
なお、PC41は、利用者である被点呼者の飲酒状態の検査(アルコール濃度の測定)をアルコール測定器56によって実行する飲酒状態検査手段41aと、周囲の状況をマイク42およびビデオカメラ43によって音および画像で取得する周囲状況取得手段41bと、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段41cと、検査の前の10分および検査の後の10分の周囲の状況を検査毎に不揮発性メモリに証拠として記録する検査前後記録手段41dと、検査前後記録手段41dによって記録された周囲の状況を外部の装置である点呼側装置20に通信部47によって送信する外部送信手段41eとして機能するようになっている。10分というのは、例であり、これに限られるものではない。また、検査の前と後とで記録時間が異なっていても良い。
【0029】
ここで、周囲状況取得手段41bは、PC41の起動中、周囲の状況をマイク42およびビデオカメラ43によって常に取得するようになっている。
【0030】
また、一時記録継続手段41cは、PC41の起動中、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況を30分のリングバッファに常に継続して上書き記憶するようになっている。なお、30分というのは、例であり、これに限られるものではない。
【0031】
図4は、点呼側装置20のモニタ25に表示される点呼画面の例を示す図である。
【0032】
図4に示すように、点呼画面には、現在点呼中の被点呼者の情報を表示する「現在の被点呼者」領域81と、点呼管理者の画像を表示する「点呼管理者」領域82と、現在点呼中の被点呼者の画像を表示する「被点呼者」領域83と、現在点呼中の被点呼者の運転免許証の画像を表示する「運転免許証」領域84と、現在点呼中の被点呼者の予め登録されていた顔画像を表示する「登録顔画像」領域85と、現在点呼中の被点呼者の予め登録されていた過去の履歴を表示する「過去履歴」領域86と、点呼待ちリストを表示する「点呼待ちリスト」領域87とが含まれている。
【0033】
「現在の被点呼者」領域81には、現在点呼中の被点呼者の点呼を要求してきた被点呼側装置40の識別情報を表示する「支部」領域81aと、現在点呼中の被点呼者の社員番号を表示する「社員番号」領域81bと、現在点呼中の被点呼者の氏名を表示する「氏名」領域81cと、現在点呼中の被点呼者が乗車する車両の番号を表示する「車両番号」領域81dとが含まれている。車両の番号とは、自動車の登録番号や、会社が所有する車両に独自に割り振った番号などである。なお、「支部」領域81a、「社員番号」領域81b、「氏名」領域81cおよび「車両番号」領域81dに表示される情報は、被点呼者の識別情報であり、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる情報である。
【0034】
「点呼管理者」領域82に表示される画像は、ビデオカメラ23によって撮影されている画像である。
【0035】
「被点呼者」領域83に表示される画像は、被点呼側装置40のビデオカメラ43によって撮影されて被点呼側装置40から点呼側装置20に送信されてくる画像である。
【0036】
「運転免許証」領域84に表示される画像は、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる画像である。「運転免許証」領域84に表示される画像のうち被点呼者の顔画像は、「被点呼者」領域83に表示される画像中の人物が本当に被点呼者自身であるかを点呼管理者に判断させるために利用される。
【0037】
「登録顔画像」領域85に表示される顔画像は、サーバーである点呼側装置20のPC21に被点呼者毎に予め登録されている。「登録顔画像」領域85に表示される被点呼者の顔画像は、「被点呼者」領域83に表示される画像中の人物が本当に被点呼者自身であるかを点呼管理者に判断させるために利用される。
【0038】
「過去履歴」領域86に表示される過去の履歴は、サーバーである点呼側装置20のPC21に被点呼者毎に予め登録されている。過去の履歴としては、例えば、被点呼者の過去の交通違反、被点呼者の持病、被点呼者の過去の勤務履歴などがある。
【0039】
「点呼待ちリスト」領域87に表示されている点呼待ちリストの各行は、点呼を待っている被点呼者のそれぞれの情報になっており、上の行から順番に点呼が実行されるようになっている。点呼待ちリストの各列は、被点呼者の点呼を要求してきた被点呼側装置40の識別情報を表示する「支部」領域87a、被点呼者の社員番号を表示する「社員番号」領域87b、被点呼者の氏名を表示する「氏名」領域87c、被点呼者が乗車する車両の番号を表示する「車両番号」領域87d、被点呼者の点呼が実行される予定時刻を表示する「予定時刻」領域87e、被点呼者が点呼待ちリストに登録されてから現在までの経過時間を表示する「経過時間」領域87f、被点呼者が点呼待ちリストに登録された時刻を表示する「登録時刻」領域87gである。「支部」領域87a、「社員番号」領域87b、「氏名」領域87cおよび「車両番号」領域87dに表示される情報は、被点呼者の識別情報であり、サーバーである点呼側装置20のPC21が被点呼側装置40から点呼の要求を受信したときに、点呼の要求とともに被点呼側装置40から送信されてくる情報である。
【0040】
「予定時刻」領域87eに表示される予定時刻は、被点呼者1人の点呼に必要な時間として予め設定された標準点呼時間と、点呼側装置20の台数と、点呼待ちリストにおける被点呼者の順番とに基づいてPC21によって算出されることができる情報であって、リアルタイムに更新される情報である。標準点呼時間と、点呼側装置20の台数とに基づいて、点呼システム10全体における被点呼者1人分の予定の待ち時間として標準待ち時間が定まる。例えば、図4に示す例においては、標準待ち時間が8分であり、現在点呼中の被点呼者である田中一郎さんの点呼が21時16分に開始されており、点呼待ちリストの1番目の山田二郎さんの点呼の予定時刻が8分後の21時24分であり、点呼待ちリストの2番目の佐藤一郎さんの点呼の予定時刻が更に8分後の21時32分であり、点呼待ちリストの3番目の鈴木三郎さんの点呼の予定時刻が更に8分後の21時40分である。
【0041】
なお、標準待ち時間は、同時に処理することができる点呼の数に反比例する。そして、同時に処理することができる点呼の数は、点呼を行う点呼管理者の人数、すなわち、点呼側装置20の台数と等しい。したがって、標準待ち時間は、点呼側装置20の台数に反比例する。つまり、標準待ち時間は、点呼側装置20が2台であるときに点呼側装置20が1台であるときの1/2倍になり、点呼側装置20が3台であるときに点呼側装置20が1台であるときの1/3倍になる。
【0042】
点呼システム10を導入している運送業者は、点呼待ちリストに被点呼者が多数登録されていて点呼が滞るようであれば、点呼側装置20と、その点呼側装置20を使用する点呼管理者とを補充することによって点呼の滞りを解消することができる。
【0043】
「経過時間」領域87fに表示される経過時間は、「登録時刻」領域87gに表示される登録時刻と、時計30から取得することができる現在時刻とに基づいて算出されることができる情報であって、リアルタイムに更新される情報である。例えば、図4に示す例においては、現在時刻が21時23分であり、点呼待ちリストの1番目の山田二郎さんの経過時間が21時13分の登録時刻から10分であり、点呼待ちリストの2番目の佐藤一郎さんの経過時間が21時16分の登録時刻から7分であり、点呼待ちリストの3番目の鈴木三郎さんの経過時間が21時18分の登録時刻から5分である。
【0044】
「登録時刻」領域87gに表示される登録時刻は、被点呼者が点呼待ちリストに登録されたときの時計30の現在時刻である。
【0045】
図5は、被点呼側装置40のモニタ45に表示されるリスト画面の例を示す図である。
【0046】
図5に示すように、リスト画面には、点呼画面とは異なり、「現在の被点呼者」領域81、「点呼管理者」領域82、「被点呼者」領域83、「運転免許証」領域84、「登録顔画像」領域85および「過去履歴」領域86が表示されていない。リスト画面は、点呼を待っている被点呼側装置40のモニタ45に表示される画面である。
【0047】
次に、点呼システム10の動作について説明する。
【0048】
なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、点呼待ちリストを更新する度にクライアントである点呼側装置20と、全ての被点呼側装置40とに点呼待ちリストを配信する。したがって、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、常に同一の点呼待ちリストが表示される。
【0049】
<被点呼側装置40における点呼の要求>
点呼の要求が行われるときの被点呼側装置40の動作について説明する。
【0050】
図6は、点呼の要求が行われるときの被点呼側装置40の動作のフローチャートである。
【0051】
被点呼者が被点呼側装置40の免許証リーダー50に免許証を挿入すると、被点呼側装置40のPC41は、図6に示す動作を実行する。なお、PC41は、図6に示す動作の実行中に、被点呼者がすべき行動を順にモニタ45に案内表示する。したがって、被点呼者は、モニタ45の表示に従って、行動すれば良い。
【0052】
図6に示すように、PC41は、免許証リーダー50によって免許証から情報を読み取り(S101)、S101において読み取った情報のうち免許証の有効期限に基づいて免許証が有効期限内であるか否かを判断する(S102)。
【0053】
PC41は、免許証が有効期限内ではないとS102において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、免許証が有効期限内であるとS102において判断すると、被点呼者が携帯しているICタグからICタグリーダー51によって情報を読み取る(S104)。
【0054】
次いで、PC41は、被点呼者の血圧を血圧計53によって計測し(S105)、被点呼者の加速度脈波を加速度脈波計54によって計測する(S106)。なお、血圧計53によって計測された値および加速度脈波計54によって計測された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0055】
次いで、PC41は、被点呼者の指紋を指紋認証装置52によって読み取り(S107)、S107において読み取った指紋に基づいて指紋認証装置52による認証が成功したか否かを判断する(S108)。
【0056】
PC41は、指紋認証装置52による認証が失敗したとS108において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、指紋認証装置52による認証が成功したとS108において判断すると、被点呼者の体温を体温計55によって計測し(S109)、S109において計測した体温が正常であるか否かを判断する(S110)。ここで、PC41は、正常であると判断する体温の範囲が予め設定されており、S109において計測した体温が予め設定されている範囲内にあるときに正常であると判断する。なお、体温計55によって計測された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0057】
PC41は、計測した体温が異常であるとS110において判断すると、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。一方、PC41は、計測した体温が正常であるとS110において判断すると、質問事項に対する被点呼者による回答を受け付ける(S111)。
【0058】
図7は、モニタ45に表示される質問事項の例を示す図である。
【0059】
S111における質問事項とは、健康状態に対する質問事項など、点呼に役立つ質問事項であり、例えば図7に示すようなものである。質問事項には、図7に示す質問事項以外にも、被点呼者が感じているストレスの度合いや、麻薬や覚醒剤などを使用していないかなど、様々な質問事項が有り得る。
【0060】
質問事項は、モニタ45に表示されて、マウスや、モニタ45上に配置されたタッチパネルなど、操作部46を介して被点呼者によって回答される。
【0061】
図6に示すように、PC41の機能の1つである飲酒状態検査手段41aは、S111の後、アルコール測定器56によって被点呼者の呼気中のアルコール濃度を測定する(S112)。次いで、PC41は、S112において測定したアルコール濃度に基づいて被点呼者が飲酒状態であるか否かを判断する(S113)。ここで、PC41は、飲酒状態であると判断する閾値が予め設定されており、S112において測定したアルコール濃度が予め設定されている閾値以上であるときに飲酒状態であると判断する。なお、アルコール測定器56によって測定された値は、PC41によってモニタ45に表示される。
【0062】
PC41は、被点呼者が飲酒状態であるとS113において判断すると、S101やS104において免許証やICタグから読み取った氏名などの被点呼者のID情報と、飲酒状態であったこととを通信部47を介してサーバーである点呼側装置20に通知し(S114)、点呼が失敗した旨のエラー表示をモニタ45に行って(S103)、図6に示す処理を終了する。
【0063】
なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、飲酒状態であったことを被点呼側装置40から受信すると、PC41によって飲酒状態であったと判断された被点呼者のID情報とともに、被点呼者が飲酒状態であったことを、図示していない所定の装置に緊急通知として送信する。この所定の装置は、運送業者の経営者や管理職の携帯通信端末やPCなどであり、サーバーである点呼側装置20から電話や電子メールなどで緊急通知を受信する。なお、この緊急通知は、サーバーである点呼側装置20を介さずに、被点呼側装置40から直接送信するようになっていても良い。
【0064】
PC41は、被点呼者が飲酒状態ではないとS113において判断すると、点呼の要求を通信部47を介してサーバーである点呼側装置20に送信し(S115)、図6に示す処理を終了する。ここで、PC41は、点呼の要求を送信するとき、S101において読み取った免許証の画像、被点呼側装置40自身の識別情報、S101において免許証から読み取った氏名、S104においてICタグから読み取ったトラックの車両番号、S105において計測した血圧、S106において計測した加速度脈波、S109において計測した体温、S111において受け付けた回答、S112において測定したアルコール濃度などの各種の情報を、点呼の要求とともにサーバーである点呼側装置20に通知する。
【0065】
<サーバーである点呼側装置20における点呼待ちリストへの登録>
点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである点呼側装置20の動作について説明する。
【0066】
サーバーである点呼側装置20は、図4に示す点呼画面をモニタ25に表示している。
【0067】
図8は、点呼待ちリストに被点呼者が登録されるときのサーバーである点呼側装置20の動作のフローチャートである。
【0068】
サーバーである点呼側装置20のPC21は、点呼の要求を被点呼側装置40から受信すると、図8に示す処理を開始する。
【0069】
図8に示すように、PC21は、警報器28および呼出灯29を駆動する(S131)。つまり、PC21は、警報器28による音の出力と、呼出灯29による発光とによって、点呼の要求の受信を点呼管理者に知らせる。
【0070】
次いで、PC21は、受信した点呼の要求を行った被点呼者を点呼待ちリストの最後に追加して(S132)、図8に示す処理を終了する。
【0071】
S132の処理の結果、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、被点呼者が更新された同一の点呼待ちリストが表示される。
【0072】
<被点呼側装置40における証拠の取得>
証拠の取得が行われるときの被点呼側装置40の動作について説明する。
【0073】
図9は、証拠の取得が行われるときの被点呼側装置40の動作のフローチャートである。
【0074】
被点呼側装置40のPC41は、図6に示すS112においてアルコール濃度を測定すると、図9に示す処理を開始する。
【0075】
図9に示すように、PC41の機能の1つである検査前後記録手段41dは、一時記録継続手段41cによってリングバッファに既に記録されているデータのうち、S112におけるアルコール濃度の測定の前の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録し(S141)、続いて、一時記録継続手段41cによってリングバッファにこれから記録されるデータのうち、S112におけるアルコール濃度の測定の後の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録する(S142)。ここで、検査前後記録手段41dは、証拠を記録するとき、アルコール濃度の測定結果と、証拠とを関連付けて記録する。このように記録された証拠は、後日、PC41から読み出されて再生されることによって活用されることができる。なお、検査前後記録手段41dは、アルコール濃度の測定の後の10分のデータを不揮発性メモリに証拠として記録する場合には、一時記録継続手段41cによってリングバッファに記録されるデータではなく、周囲状況取得手段41bで取得された周囲の状況を直接記録するようになっていても良い。
【0076】
次いで、PC41の機能の1つである外部送信手段41eは、S141およびS142において不揮発性メモリに記録した証拠をサーバーである点呼側装置20に送信して(S143)、図9に示す処理を終了する。ここで、外部送信手段41eは、サーバーである点呼側装置20に証拠を送信するとき、アルコール濃度の測定結果と、証拠とを関連付けて送信する。なお、サーバーである点呼側装置20のPC21は、被点呼側装置40から送信されてきた証拠などの情報を記録する。このように記録された証拠は、後日、PC21から読み出されて再生されることによって活用されることができる。
【0077】
<点呼側装置20における点呼の実行>
点呼が実行されるときの点呼側装置20の動作について説明する。
【0078】
点呼が開始されていないとき、点呼側装置20のモニタ25上の点呼画面(図4参照。)には、「現在の被点呼者」領域81、「被点呼者」領域83、「運転免許証」領域84、「登録顔画像」領域85および「過去履歴」領域86に何も表示されていない。
【0079】
図10は、点呼が実行されるときの点呼側装置20の動作のフローチャートである。
【0080】
点呼管理者が点呼側装置20の操作部26から例えば点呼開始釦を押下するなどして点呼の開始を点呼側装置20に指示すると、点呼側装置20のPC21は、図10に示す処理を開始する。
【0081】
図10に示すように、PC21は、点呼待ちリストにおける最初の被点呼者を対象にする(S161)。このとき、PC21は、点呼待ちリストにおける最初の被点呼者を点呼待ちリストから削除するとともに、その被点呼者をモニタ25上の点呼画面において「点呼待ちリスト」領域87から「現在の被点呼者」領域81に移動させる。つまり、「点呼待ちリスト」領域87に表示されている点呼待ちリストの各行は、最初の被点呼者が「現在の被点呼者」領域81に移動した分、1行ずつ繰り上がる。また、モニタ25上の「運転免許証」領域84には、被点呼側装置40からサーバーである点呼側装置20に対象の被点呼者の点呼の要求とともに送信されてきた画像が表示される。また、「登録顔画像」領域85、「過去履歴」領域86には、対象の被点呼者についてサーバーである点呼側装置20のPC21に予め登録されている顔画像、過去の履歴がそれぞれ表示される。
【0082】
S161の処理の結果、全ての点呼側装置20のモニタ25と、全ての被点呼側装置40のモニタ45とには、被点呼者が更新された同一の点呼待ちリストが表示される。
【0083】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40の警報器48および呼出灯49の駆動を開始させる(S162)。ここで、対象の被点呼側装置40とは、点呼側装置20と通信可能な全ての被点呼側装置40のうち、S161において対象にした被点呼者の被点呼側装置40のことである。対象の被点呼側装置40のPC41は、点呼側装置20からの指示に応じて、警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光とを開始する。更に、PC21は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上に表示されている画像の点滅を開始させても良い。
【0084】
次いで、PC21は、モニタ25上の点呼画面において「現在の被点呼者」領域81に表示されている被点呼者の情報の点滅表示を開始する(S163)。
【0085】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40のモニタ45に点呼画面を表示させる(S164)。つまり、点呼側装置20のモニタ25と、対象の被点呼側装置40のモニタ45とは、同期しながら同一の画像を表示することになる。
【0086】
次いで、PC21は、対象の被点呼側装置40から応答があるまで、対象の被点呼側装置40から応答があったか否かを判断する(S165)。対象の被点呼者は、被点呼側装置40の警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光と、モニタ45の表示とによって自身が点呼の対象となっていることを知ることができ、点呼を受ける準備が整い次第、対象の被点呼側装置40の操作部46から点呼側装置20に応答を送信することができる。
【0087】
PC21は、対象の被点呼側装置40から応答があったとS165において判断すると、モニタ25上の点呼画面において「現在の被点呼者」領域81に表示されている被点呼者の情報の点滅表示を終了する(S166)。
【0088】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40の警報器48および呼出灯49の駆動を終了させる(S167)。対象の被点呼側装置40のPC41は、点呼側装置20からの指示に応じて、警報器48による音の出力と、呼出灯49による発光とを終了する。なお、PC21は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上に表示されている画像の点滅をS162において開始させている場合には、その点滅も終了させる。
【0089】
次いで、PC21は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40と通信を行うことによって点呼管理者による被点呼者の点呼を可能にする(S168)。具体的には、対象の被点呼側装置40のマイク42から入力された音は、ネットワーク11を介して点呼側装置20のスピーカ24から出力される。また、点呼側装置20のマイク22から入力された音は、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40のスピーカ44から出力される。また、対象の被点呼側装置40のビデオカメラ43によって撮影された画像は、対象の被点呼側装置40のモニタ45上の「被点呼者」領域83に表示されるとともに、ネットワーク11を介して点呼側装置20のモニタ25上の「被点呼者」領域83にも表示される。また、点呼側装置20のビデオカメラ23によって撮影された画像は、点呼側装置20のモニタ25上の「点呼管理者」領域82に表示されるとともに、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40のモニタ45上の「点呼管理者」領域82にも表示される。このように、点呼管理者は、被点呼者の様子を確認し被点呼者と対話しながら点呼を進めることができるので、被点呼者の話し方、声、顔色、目付きなどから被点呼者の体調などを感じつつ点呼を進めることができる。
【0090】
次いで、PC21は、点呼が完了したと判断するまで、点呼が完了したか否かを判断する(S169)。点呼管理者は、点呼側装置20の操作部26から例えば点呼完了釦を押下するなどして点呼の完了を点呼側装置20に指示することができる。
【0091】
PC21は、点呼が完了したとS169において判断すると、ネットワーク11を介して対象の被点呼側装置40に指示を送信することによって、対象の被点呼側装置40のモニタ45にリスト画面を表示させる(S170)。
【0092】
次いで、PC21は、点呼待ちリストに未だ被点呼者の登録があるか否かを判断する(S171)。
【0093】
PC21は、点呼待ちリストに未だ被点呼者の登録があるとS171において判断すると、再びS161の処理に戻る。つまり、PC21は、点呼待ちリストにおける被点呼者の順番に従って被点呼側装置40を介した点呼を可能にする。
【0094】
PC21は、点呼待ちリストに被点呼者の登録がないとS171において判断すると、図10に示す処理を終了する。
【0095】
なお、以上においては、点呼側装置20および被点呼側装置40のコンピュータがPCによって構成されている例について説明したが、点呼側装置20および被点呼側装置40の少なくとも一方のコンピュータがPC以外のコンピュータによって構成されていても良い。例えば、点呼側装置20および被点呼側装置40は、コンピュータが携帯電話機などの携帯通信機器によって構成されていても良い。
【0096】
図11は、コンピュータが携帯通信機器によって構成されている場合の被点呼側装置40のブロック図である。
【0097】
図11に示すように、被点呼側装置40は、被点呼側装置40全体を制御するコンピュータである携帯通信機器57と、現在位置を取得するGPS(Global Positioning System)ユニット58とを備えている。また、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示す例と同様に、免許証リーダー50、ICタグリーダー51、指紋認証装置52、血圧計53、加速度脈波計54、体温計55およびアルコール測定器56を備えている。
【0098】
なお、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示すマイク42、ビデオカメラ43、スピーカ44、モニタ45、操作部46および通信部47に相当する構成を、携帯通信機器57のマイク、ビデオカメラ、スピーカ、モニタ、操作部および通信部によってそれぞれ代用している。また、図11に示す被点呼側装置40は、図3に示す警報器48、呼出灯49に相当する構成を、それぞれ携帯通信機器57のスピーカ、モニタによって代用している。
【0099】
被点呼側装置40は、図11に示すように携帯通信機器57によって構成されている場合、トラックに容易に搭載されることができる。被点呼側装置40が搭載されたトラックは、運送業者の移動可能な支部となる。被点呼側装置40は、図11に示すように携帯通信機器57によって構成されている場合、点呼側装置20に点呼の要求を送信するとき、GPSユニット58で取得した現在位置も点呼の要求とともに点呼側装置20に通知する。
【0100】
以上に説明したように、被点呼側装置40は、利用者である被点呼者の飲酒状態の検査の前の10分および後の10分の周囲の状況を検査毎に記録するので、飲酒状態の検査の不正に関するやり取りが飲酒状態の検査の前の10分および後の10分に行われていた場合には、そのやり取りを証拠として残すことができる。
【0101】
また、被点呼側装置40は、サーバーである点呼側装置20に証拠を送信するので、サーバーである点呼側装置20に証拠を記憶させることができる。したがって、被点呼側装置40は、被点呼側装置40自身のみに証拠を記憶する場合と比較して、証拠が不正に消去され難くすることができる。
【0102】
なお、点呼システム10は、本実施の形態において全ての点呼側装置20が点呼管理者によって直接使用されているが、サーバーである点呼側装置20が点呼待ちリストの管理のみを担当し、クライアントである点呼側装置20のみが点呼管理者によって直接使用されるようになっていても良い。その場合、標準待ち時間は、クライアントである点呼側装置20の台数に反比例することになる。
【0103】
また、点呼システム10は、本実施の形態において点呼側装置20を複数台備えているが、点呼側装置20を1台しか備えていなくても良い。
【0104】
また、点呼システム10は、本実施の形態において運送業者によって導入されているが、導入者を運送業者に限るものではない。
【符号の説明】
【0105】
40 被点呼側装置(飲酒状態検査装置)
41a 飲酒状態検査手段
41b 周囲状況取得手段
41c 一時記録継続手段
41d 検査前後記録手段
41e 外部送信手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段とを備えており、
前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする飲酒状態検査装置。
【請求項2】
前記検査前後記録手段によって記録された前記周囲の状況を外部に送信する外部送信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の飲酒状態検査装置。
【請求項3】
利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段としてコンピュータを機能させる飲酒状態検査プログラムであって、
前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする飲酒状態検査プログラム。
【請求項1】
利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段とを備えており、
前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする飲酒状態検査装置。
【請求項2】
前記検査前後記録手段によって記録された前記周囲の状況を外部に送信する外部送信手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の飲酒状態検査装置。
【請求項3】
利用者の飲酒状態の検査を実行する飲酒状態検査手段と、周囲の状況を音および画像の少なくとも一方で取得する周囲状況取得手段と、前記周囲状況取得手段で取得された前記周囲の状況の一時的な記録を継続する一時記録継続手段と、前記検査の前後の所定の時間の前記周囲の状況を前記検査毎に記録する検査前後記録手段としてコンピュータを機能させる飲酒状態検査プログラムであって、
前記検査前後記録手段は、前記検査の前の前記周囲の状況の記録を前記一時記録継続手段による記録から取得することを特徴とする飲酒状態検査プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−234930(P2011−234930A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109469(P2010−109469)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【特許番号】特許第4644304号(P4644304)
【特許公報発行日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(302031454)東海電子株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【特許番号】特許第4644304号(P4644304)
【特許公報発行日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(302031454)東海電子株式会社 (34)
【Fターム(参考)】
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