説明

飲食流動体供給装置

【課題】装置の配管内の任意の位置で自由に飲食流動体の遮断ができ、洗浄時にスポンジ玉の流通の妨げにならず、バルブを外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができる飲食流動体装置を提供する。
【解決手段】飲食流動供給装置は、飲食流動体を貯蔵するための飲食流動体貯蔵容器1と、飲食流動体貯蔵容器1の飲食流動体出口部6に接続されたディスペンスヘッド2と、ディスペンスヘッド2のガス供給口7にガスを供給するガス供給装置3と、飲食流動体を冷却するための冷却器4と、冷却された飲食流動体を外部に供給するための供給部5とを具備する。飲食流動体貯蔵容器1とディスペンスヘッド2の間を接続する配管、ディスペンスヘッド2と冷却器4の間を接続する配管、または冷却器4内の配管の少なくとも1箇所にピンチバルブ11が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品産業分野における飲食流動体供給装置に関するものであり、さらに詳しくは、装置の配管内の任意の位置で自由に飲食流動体の遮断ができ、洗浄時にスポンジ玉の流通の妨げにならず、バルブを外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができる飲食流動体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飲食流動体を供給する装置として、従来、図7に示すような飲料供給装置があった(例えば、特許文献1参照)。この飲料供給装置では、飲料容器201にディスペンスヘッド202が接続され、ディスペンスヘッド202を介して外部から加圧した炭酸ガス圧により飲料容器201から抽出した飲料が飲料バルブ203、飲料ノズル204を通じて装置本体のベンドステージ205に待機するカップに供給される。また、ベンドステージ205には、飲料ノズル204から滴下した垂れ液等を回収するための排水トレイ206が設けられている。さらに、図7に示されている飲料供給装置は、排水トレイ206の満杯水位検知手段207と、満杯水位検知手段207の検知信号を基にディスペンスヘッド202の弁機構を閉じて飲料容器201からの飲料抽出を停止させる制御手段208を備え、制御手段208に、満杯水位検知手段207からの出力信号が所定時間継続した条件でディスペンスヘッド202に閉止指令を出力する遅延機能を付与されている。このような構成により、飲料供給装置の稼働中に万一飲料バルブ203の故障で飲料が漏れ出たとしても、飲料ノズル204から流れ落ちる飲料を回収する排水トレイ206が満杯状態になると、満杯水位検知手段207がこの異常状態を検知し、その検知信号を基に制御手段208がディスペンスヘッド202を不動作状態に切換えて飲料容器201からの飲料抽出を緊急停止させ、多量な飲料が不用意に漏出したり、ベンドステージ205から溢れた飲料で周囲を汚すといった不具合を回避できるようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−270597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の飲料供給装置ではディスペンスヘッド202の弁機構の構成は特に示されていないが、一般的にはダイヤフラムバルブやボールバルブなどが用いられると考えられる。しかしながら、自動で開閉を行う弁機構として用いるには、ダイヤフラムバルブの場合、バルブの構成上流路の開閉を行う部分が大きくなり、ボールバルブの場合、バルブの構成上比較的開閉トルクが大きいために駆動部が大きくなって、各々の弁機構が大きくなり、装置の持ち運びや設置作業の妨げになるという問題がある。また、飲料が流れる配管内を効果的に洗浄する方法としてスポンジ玉を流通させる洗浄方式がある。しかしながら、ダイヤフラムバルブの場合、バルブの構成上洗浄用のスポンジ玉の流通を妨げ、スポンジ玉が使えないという問題があり、ボールバルブの場合、バルブの構成上デットスペースを生じさせ、デッドスペースがコンタミやバクテリアなどが発生する原因となるという問題がある。そのため、装置の洗浄を行うにはバルブの取り外しや、バルブ内部を洗浄するために分解する必要があるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、装置の配管内の任意の位置で自由に飲食流動体の遮断ができ、洗浄時にスポンジ玉の流通の妨げにならず、バルブを外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができる飲食流動体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的に鑑み、飲食流動体を貯蔵するための飲食流動体貯蔵容器1と、該飲食流動体貯蔵容器1の飲食流動体出口部6に接続されたディスペンスヘッド2と、該ディスペンスヘッド2のガス供給口7にガスを供給するためのガス供給装置3と、飲食流動体を冷却するための冷却器4と、冷却された飲食流動体を外部に供給するための供給部5とを具備した飲食流動体供給装置において、前記飲食流動体貯蔵容器1と前記ディスペンスヘッド2の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド2と前記冷却器4の間を接続する配管、または前記冷却器4内の配管の少なくとも1箇所にピンチバルブ11が設けられている飲食流動体供給装置を提供する。
【0007】
また、前記ガス供給装置3がガス貯蔵容器であることが好ましい。このようにガス供給装置がガス貯蔵容器であれば、飲食流動体供給装置の設置、分解および持ち運びが容易となる。
【0008】
また、前記冷却器4内に前記飲食流動体貯蔵容器1が配置されてなることが好ましい。このように飲食流動体貯蔵容器が冷却器内に配置されることで装置がコンパクトになる。さらに、飲食流動体貯蔵容器が直接冷却されて十分に冷却を行えるので、飲食流動体を供給する際に常に十分に冷却された飲食流動体を供給することができると共に、外気温の高い場所に飲食流動体貯蔵容器を保管することによる飲食流動体貯蔵容器内の飲食流動体の劣化を防ぐことできる。
【0009】
また、前記飲食流動体供給装置の前記飲食流動体貯蔵容器1と前記ディスペンスヘッド2の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド2と前記冷却器4の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド2と前記ガス供給装置3の間を接続する配管、または前記冷却器4内の配管の少なくともいずれか1箇所に圧力センサ13および流量センサの一方又は両方が設けられていることが好ましい。圧力センサや流量センサを設けることにより、配管内の圧力、飲食流動体の流量などを常に監視でき、例えば圧力異常や、ガス供給装置内のガスや飲食流動体貯蔵容器内の飲食流動体がなくなったことを検知できるようになる。
【0010】
また、前記飲食流動体供給装置の前記飲食流動体貯蔵容器1、前記ディスペンスヘッド2、前記冷却器4、前記貯蔵容器1と前記ディスペンスヘッド2の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド2と前記冷却器4の間を接続する配管、または前記供給部5のうちのいずれかに温度センサ14が設けられていることが好ましい。このように温度センサを設けることにより、飲食流動体供給装置の飲食流動体が流れる流路およびその周囲の温度を常に監視でき、例えば該流路およびその周囲の温度が適温から外れたときを検知することができるようになる。
【0011】
また、前記飲食流動体供給装置が、前記圧力センサ13、前記流量センサまたは前記温度センサ14から入力される電気信号を用いて圧力、流量または温度の計測値を演算し、該計測値が予め定められた圧力、流量または温度の設定値の範囲内に入った場合または該設定値の範囲から外れた場合のいずれかにおいて、前記ピンチバルブ11を閉止するための指令信号を該ピンチバルブ11を操作する機器へ出力する制御部15をさらに具備することが好ましい。このように制御部が圧力、流量または温度を監視することにより、例えば冷却器4の故障による温度異常、レギュレーター9の故障による圧力異常、またはガス供給装置3内のガスや飲食流動体貯蔵容器1内の飲食流動体がなくなったときなどにピンチバルブ11を自動で閉止することができるので、装置の異常時の緊急遮断や、好ましくない状態の飲食流動体を供給することを防止することができるようになる。
【0012】
また、前記飲食流動体供給装置が、前記飲食流動体供給装置の外部から視認できる位置に配置される発光手段42または前記飲食流動体供給装置の周囲で認識可能な音を発生させる音発生手段43を含み、操作者に異常を知らせるための警告手段と、前記圧力センサ38、前記流量センサまたは前記温度センサ39から入力される電気信号を用いて圧力、流量または温度の計測値を演算し、該計測値が予め定められた圧力、流量または温度の設定値の範囲内に入った場合または該設定値の範囲から外れた場合のいずれかにおいて、前記警告手段を作動させるための指令信号を出力する制御部36とをさらに具備することが好ましい。このように警告手段を備えていれば、制御部が圧力、流量または温度を監視することで、例えば冷却器4の故障による温度異常、レギュレーター9の故障による圧力異常、またはガス供給装置3内のガスや飲食流動体貯蔵容器1内の飲食流動体がなくなったときなどに、これを検出し、発光手段42の点灯、音発生手段43からの音の発生を行って、周囲の作業者または監視システムなどへ異常発生をすぐに知らせることができるようになる。
【0013】
前記飲食流動体供給装置が、前記供給部5の下部または前記冷却器4内の底部に配置された受け皿と、該受け皿に設けられた漏れ検知器とをさらに具備し、該漏れ検知器で漏れを感知したことを制御部15に電気的に入力させ、前記ピンチバルブ11を閉止し、前記警告手段を作動させることが好ましい。このような構成により、配管、供給部および冷却器から流体や冷媒の漏れが発生した際に周囲へ流れ出すのを防止することができ、また異常を感知することができる。なお、漏れ検知器はフロート式、赤外線式、電極式などが挙げられ、特に限定されるものではない。
【0014】
また、前記ピンチバルブ11が、弾性体からなる管体101と、内部にシリンダ部108を有し上部にシリンダカバー109が接合されたシリンダ本体102と、シリンダ部108の内周面に上下動可能に密封状態で摺接され且つシリンダ本体102の下面中央に設けられた貫通孔110を密封状態で貫通するように中央から垂下した連結部116を有するピストン103と、ピストン103の連結部116の下端部に固定されシリンダ本体102の底面に流路軸線と直交して設けられた長円状スリット111内に収納される挟圧子104と、シリンダ本体102の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体101を受容する溝118と溝118の両端部にさらに連結体受け106を受容する溝119が溝118よりも深く設けられた本体105と、一端に本体105の溝119と嵌合する嵌合部121を有し他端の内部に連結体受口123を有しさらに管体101を受容する貫通孔126を有する一対の連結体受け106と、シリンダ本体102の周側面に設けられ、シリンダ部108の底面および内周面とピストン103の下端面とで囲まれて形成された第一の空間部112と、シリンダ部108の天井面および内周面とピストン103上面とで囲まれた第二の空間部113とにそれぞれ連通されるエアー口114、115とを具備することが好ましい。
【0015】
また、前記ピンチバルブ37が、上部に鍔部147が設けられ、下部に鍔部147より縮径して嵌合凸部148が連続して設けられ、上部の内周に貫通孔150が形成され且つ下部の内周面に雌ネジ部151が設けられた略円筒状のハンドル141と、ハンドル141の嵌合凸部148が上下移動することなく回動可能に嵌合固定された凹部153が上部に形成され、該凹部153から縮径して延びる貫通孔155とその直径方向に延出し且つ流路軸線と直交して延びる一対の切り欠き溝とが下部に形成された略円筒状のボンネット142と、ハンドル141から突出し、ハンドル141の貫通孔150を上下動する円柱部156の上部に、バルブが閉状態の時にハンドル141の上端面149と接触するストッパーリング157が脱着自在に固定され、円柱部156の下部にハンドル141の雌ネジ部151に螺合される雄ネジ部159およびボンネット142の一対の切り欠き溝と係合し管体144を圧接し又は管体144から離間する長円状の挟圧子161とが連続して設けられた挟圧子本体143と、弾性体からなる管体144と、ボンネット142の下端面162に接合固定され流路軸線上に管体144を受容する溝163を有する本体145と、本体145の両側に設けられ管体144と他チューブを接続する接続部146とを具備することが好ましい。
【0016】
また、前記飲食流動体供給装置において、前記ガス供給装置3を除く各部材が冷却装置56内に配置されてなることが好ましい。
【0017】
さらに、前記飲食流動体が清涼飲料水、炭酸飲料水、アルコール飲料水であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果が得られる。
(1)飲食流動体供給装置の配管途中にピンチバルブを設けることにより、配管内の任意の位置で自由に飲食流動体の遮断ができ、流路にデッドスペースがなく、配管内の流路と同じ流路面積を保持できるので配管途中の任意の位置に設置しても流体抵抗が変化することがない。
(2)飲食流動体供給装置の配管途中にピンチバルブを設けることにより、流路に妨げるものがないため、飲食流動体供給装置を洗浄する場合にスポンジ玉の流通の妨げにならず、ピンチバルブを外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができ、洗浄作業の手間を大幅に省くことができ、内面に飲食流動体が付着しにくく、滞留部がないために洗浄がし易くバクテリアなどの汚れの発生が抑えられる。
(3)冷却器内に飲食流動体貯蔵容器を配置するまたは冷却装置内に飲食流動体貯蔵容器と冷却器を配置することにより、これらが一つの部材としてコンパクトにまとまり、飲食流動体貯蔵容器が直接冷却されて飲食流動体の冷却が十分行えるため、飲食流動体を供給する際に常に充分冷却された飲食流動体を供給できると共に、外気温の高い場所に飲食流動体貯蔵容器を保管することによる飲食流動体貯蔵容器内の飲食流動体の劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面に示す実施例を参照して説明する。しかしながら、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明の飲食流動体供給装置の第一の実施例を模式的に示す構成図、図2は本発明の空動式のピンチバルブを示す縦断面図、図3は本発明の飲食流動体供給装置の第二の実施例を模式的に示す構成図、図4は本発明の飲食流動体供給装置の第三の実施例を模式的に示す構成図、図5は本発明の手動式のピンチバルブを示す縦断面図、図6は本発明の飲食流動体供給装置の第四の実施例を模式的に示す構成図である。
【実施例1】
【0020】
以下、図1、図2に基づいて本発明の第一の実施例の飲食流動体供給装置について説明する。
第一の実施例の飲食流動体供給装置は、飲食流動体貯蔵容器1と、ディスペンスヘッド2と、ガス供給装置3と、冷却器4と、供給部5と、制御部15とを備える。
【0021】
飲食流動体貯蔵容器1は、その内部に飲食流動体を貯蔵するためのものである。飲食流動体貯蔵容器1の上部には、飲食流動体出口部6が設けられている。飲食流動体貯蔵容器1内に貯蔵される飲食流動体は、流動して配管内を流れることのできる飲料または食品であれば良く、ビール、ウイスキー、ワインなどのアルコール飲料、ジュース、お茶、コーヒー、牛乳、水などの飲料、醤油、ソース、酢、油、マヨネーズなどの流動する調味料、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルトなど各種食品原料流動体などとすることができる。このうち、飲食流動体が清涼飲料水、炭酸飲料水、アルコール飲料水であれば、酒場や飲食店などにおける需要が多く、飲食流動体の供給が容易に行えるため好適である。以下では、飲食流動体はビールであるとして説明するが、これに限定されないことはもちろんである。
【0022】
ディスペンスヘッド2は、飲食流動体貯蔵容器1の飲食流動体出口部6に接続されている。また、ディスペンスヘッド2には、後述するガス供給装置3からガスの供給を受けるガス供給口7と、ガス圧により飲食流動体貯蔵容器1から飲食流動体を抽出するための抽出口8とが設けられている。
【0023】
ガス供給装置3は、ガスをディスペンスヘッド2のガス供給口7へ供給するものである。ガス供給装置3のガス出口にはガス圧を調整するためのレギュレータ9が設けられており、配管を介してディスペンスヘッド2のガス供給口7に接続されている。ガス供給装置3は、ガスをディスペンスヘッド2のガス供給口7へ供給するものであれば、特に限定されないが、ガス貯蔵容器であることが好ましい。ガス貯蔵容器としてはガスタンク、ガスボンベなどが挙げられる。これは、ガス貯蔵容器であれば飲食流動体供給装置の設置、分解および持ち運びが容易であるため好適である。以下では、ガス供給装置3がガスボンベによって構成されているものとして説明するが、これに限定されないことはいうまでもない。
【0024】
冷却器4はビールを冷却するために使用される。冷却器4内には、冷媒が収容された冷媒容器10が設けられており、冷媒容器10内には螺旋状に巻いた配管19が配設されている。螺旋状に巻いた配管19内には、熱電対からなる温度センサ14が設けられている。また、螺旋状に巻いた配管19の一端は、ディスペンスヘッド2の抽出口8と連通する配管に接続されている。この配管の途中にはピンチバルブ11と電子式の圧力センサ13が設けられている。一方、螺旋状に巻いた配管19の他端は、冷却器4の出口側に設けられた供給部5に連通する配管に接続されている。
【0025】
温度センサ14は、白金測温抵抗体、サーミスタ、熱電対、IC化温度センサ、水晶温度計、放射温度計などとすることができ、温度を計測できるものであれば特に限定されないが、計測値を電気的に出力できるものが好ましい。また、圧力センサ13は、圧電式圧力計、電子式圧力計(抵抗式、静電容量式、半導体式)、機械式圧力計(ブルドン管、ダイヤフラム式、ベローズ式)などとすることができ、圧力を計測できるものであれば特に限定されないが、計測値を電気的に出力できるものが好ましい。
【0026】
なお、本実施例では、ピンチバルブ11が設置される位置は、螺旋状に巻いた配管19とディスペンスヘッド2の抽出口8と連通する配管の途中として説明されているが、ディスペンスヘッド2と冷却器4の間を接続する配管、飲食流動体貯蔵容器1とディスペンスヘッド2の間を接続する配管、または冷却器4内の配管の途中であれば特に限定されず、設置されるピンチバルブ11の個数も特に限定されない。また、圧力センサ13が設置される位置も、螺旋状に巻いた配管19とディスペンスヘッド2の抽出口8と連通する配管の途中として説明されているが、ディスペンスヘッド2と冷却器4の間を接続する配管、飲食流動体貯蔵容器1とディスペンスヘッド2の間を接続する配管、ディスペンスヘッド2とガス供給装置3の間を接続する配管、または冷却器4内の配管の途中であれば特に限定されず、設置される圧力センサ13の個数も特に限定されない。
【0027】
さらに、温度センサが設置される位置も冷却器4内の螺旋状に巻いた配管19内として説明されているが、飲食流動体貯蔵容器1、ディスペンスヘッド2、冷却器4、飲食流動体貯蔵容器1とディスペンスヘッド2の間を接続する配管、飲食流動体貯蔵容器1と冷却器4の間を接続する配管、または供給部5の内外の任意の場所であれば特に限定されず、設置される温度センサ14の個数も特に限定されない。なお、該飲食流動体供給装置の外に温度センサ14を設けるのは、例えばガス供給装置3は周囲の温度に影響して圧力が変動するため、温度センサ14を設けることにより、飲食流動体を供給させるのに必要な圧力で最も味の良い状態で供給できる条件の範囲から外れたときに感知できるためである。
【0028】
供給部5はレバー12によって開閉するバルブにより形成されており、冷却された飲食流動体を外部に供給するために使用される。
【0029】
制御部15は、圧力センサ13および温度センサ14から各々入力された電気信号から圧力および温度を各々演算する演算部16と、演算された圧力および温度に応じて制御を行なうコントロール部17を含んでいる。演算部16には、圧力センサ13および温度センサ14の電気信号を受信する受信回路と、圧力および温度を各々演算する演算回路とを備えている。コントロール部17は、演算部16から出力された圧力および温度の計測値と設定された圧力および温度の範囲とを比較するための比較回路と、電空変換器18の動作を制御するための制御回路とを有している。
【0030】
電空変換器18は操作圧を比例的に調整するために電気的に駆動される電磁弁から構成され、制御部15からの制御信号に応じてピンチバルブ11の操作圧を調整する。なお、電空変換器18は、制御部15内に配置せずに別体で配置してもかまわない。
【0031】
ここで、ピンチバルブ11の構造について詳述する。
ピンチバルブ11は、空気で駆動する空動タイプのものであり、管体101と、シリンダ本体102と、ピストン103と、挟圧子104と、本体105と、連結体受け106と、連結体107とにより構成されている。
【0032】
管体101は、その内部を飲食流動体が流れるようになっている。管体101は、フッ素ゴムとシリコンゴムの複合体から作製されており、例えばシリコンゴムが含浸されたPTFEシートを何層も積層することにより目的とする肉厚に形成されている。しかしながら、管体101は、EPDM、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの複合体などの弾性体から作製しても良く、その材料は特に限定されるものではない。
【0033】
シリンダ本体102はポリビニリデンフルオロライド(PVDF)から作製されている。シリンダ本体102の内部には、円筒状空間であるシリンダ部108が形成されており、該シリンダ本体の上端部にはOリングを介して円盤状のシリンダカバー109が螺合されている。さらに、シリンダ本体102の下端部中央には、ピストン103の連結部116が貫通する貫通孔110と、挟圧子104を収納する長円状スリット111が連続して設けられている。シリンダ部108内の空間は、ピストン103によって、シリンダ部108の内周面および底面とピストン103の下端面とで規定される第一の空間部112と、シリンダ部108の内周面とシリンダカバー109の下端面と後記ピストン103の上端面とで規定される第二の空間部113とに分割されており、シリンダ本体102の周側面には、第一の空間部112と第二の空間部113とにそれぞれ圧縮された空気を導入するためのエアー口114、115が設けられている。
【0034】
ピストン103はPVDFから作製される。ピストン103は円盤形状であり、その周側面にはOリングが装着され、シリンダ部108の内周面に上下動可能に密封状態で嵌合されるようになっている。また、ピストン103の中央には、そこから垂下する連結部116が設けられている。この連結部116は前記シリンダ本体102の下端部中央に設けられた貫通孔110を密封状態で貫通しており、その先端部に挟圧子104が固定されている。本実施例では、ピストン103および連結部116を貫通して延びる固定ボルト117の先端部に螺着によって挟圧子104が固定されている。しかしながら、他の方法によって、連結部116に挟圧子104を固定することも可能である。
【0035】
挟圧子104もまたPVDFから作製され、管体101を押圧する部分の断面がかまぼこ状に形成されている。挟圧子104は、管体101の長手方向に延びる流路軸線と直交するようにピストン103の連結部116に固定されており、開弁時にはシリンダ本体102の長円状スリット111内に収納されている。
【0036】
本体105はPVDFから作製され、シリンダ本体102の下端部にボルト・ナットなど(図示せず)で接合固定されている。本体105には、流路軸線に沿って管体101を受容する断面矩形状の溝118が設けられている。この溝118の両端部には、溝118より深い溝119が設けられており、この溝119に連結体受け106の嵌合部121が受容されるようになっている。さらに、溝119の内部には、連結体受け106の嵌合部121の先端に設けられた抜け防止用凸部122を受容するための凹溝120が設けられている。
【0037】
連結体受け106はPVDFから作製され、本体105の両端に設置されている。連結体受け106の一端部には、本体105の流路軸線方向両端部に設けられた溝119に嵌合する断面矩形状の嵌合部121が形成されており、さらに嵌合部121の先端底部には本体105の溝119に設けられた凹溝120に嵌合される抜け防止用凸部122が設けられている。一方、連結体受け106の他端部には、連結体107の六角形の鍔部130を受容するように対応する断面形状の受口123が形成されていると共に、その外周面には雄ネジ部124が設けられている。雄ネジ部124と嵌合部121との間に位置する外周面には嵌合部121の対角線長と略同一の直径を有する環状の鍔部125が設けられている。鍔部125はシリンダ本体102および本体105の外周面と接触し、連結体受け106がシリンダ本体102および本体105の内部へ移動することを防止している。連結体受け106の嵌合部121の内部には、管体101の外径と略同径を有する貫通孔126が形成されている。また、貫通孔126に連続して、連結体107の挿入部129に嵌合して拡径されたときの管体101の外径と略同じ内径を有し且つ受口123まで延びる貫通孔127が形成されている。したがって、連結体受け106の内周面には段差部128が形成されている。この段差部128によって管体101が連結体受け106内に挟持固定される。
【0038】
連結体107はPTFEから作製されている。連結体107の一端部には、外径が管体101の内径よりも大きい挿入部129が設けられており、管体101を挿入部129に嵌合させたときに管体101が拡径されるようになっている。また、連結体107の外周中央部には、両端部よりも拡大されており且つ断面が六角形状の鍔部130が設けられている。連結体107は、鍔部130を連結体受け106の受口123に嵌合させ、鍔部130と係合させたキャップナット131を連結体受け106の外周に設けられた雄ネジ部124に螺合させることにより、回動しないように連結体受け106に嵌合固定される。なお、本体105の両端部に設置された一方の連結体107の内部には入口流路132が形成され、他方の連結体107の内部には出口流路133が形成されている。
【0039】
ピンチバルブ11の各部品の材質は上記に限定されるものではないが、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂製がよい。特に、腐食性による劣化の心配がなく使用できることから、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオロライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂などのフッ素樹脂であることが好ましい。
【0040】
本実施例では、ピンチバルブ11は、空気によって駆動されるタイプのものとして説明されているが、チューブを押圧して流路の閉止を行うことのできる構成であれば特に限定されず、磁気や電気などで駆動される他の自動式のものであってもよい。
【0041】
さらに、図2に示される空動式のピンチバルブ11は、第二の空間部113に、シリンダカバー109の天井面とピストン103の上端面に接触させた状態でバネ(図示せず)を装着させた構成にして、第一の空間部112に圧縮された空気が供給されない場合、ピンチバルブ11がバネの弾性により閉状態となる逆作動タイプのピンチバルブ11として使用しても良い。また、ピストン103の上部に、ピストン103の上下動に伴って上下動する表示部(図示せず)を設け、シリンダカバー109の上部に設けられた貫通孔から表示部の上部が露出された構成にしても良い。後者の場合、ピストン103の上下動に伴ってシリンダカバー109の上部に露出した表示部の上部が上下動することにより、ピンチバルブ11の開閉状態を目視により確認することができる利点を有する。
【0042】
本発明の飲食流動体供給装置では、バルブとして、ピンチバルブ11を用いているので、配管内の流路にデッドスペースがなく、配管内の流路と同じ流路面積を保持できるので配管途中の任意の位置に設置しても流体抵抗が変化することがない。さらに、ピンチバルブ11を用いる場合、配管洗浄用のスポンジ玉が流通を妨げられることなくピンチバルブ11内を通過できるため、ピンチバルブ11を外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができ、洗浄作業の手間を大幅に省くことができる。また、ピンチバルブ11内の流路が直線的であるので、流路の内面にビールが付着しにくく、滞留部がないために洗浄がし易くバクテリアなどの汚れの発生が抑えられる。
【0043】
次に、本発明の第一の実施例の飲食流動体供給装置の動作について説明する。
まず、飲食流動体供給装置を用いて、飲食流動体であるビールをカップに供給する動作について説明する。ガスボンベ3からレギュレータ9で一定圧に調整されたガスをディスペンスヘッド2のガス供給口7に供給すると、飲食流動体貯蔵容器1にガス圧が作用する。ガス圧に押された飲食流動体貯蔵容器1内のビールは、飲食流動体出口部6を通ってディスペンスヘッド2の抽出口8から押し出され、配管内を圧送されて冷却器4内に流入する。冷却器4内に流入した飲食流動体は螺旋状に巻いた配管19を通ることで冷媒の入った冷媒容器10内で冷却され、冷却されたビールが供給部5まで圧力が作用した状態で供給される。ここで供給部5にビールを注ぐカップを置き、供給部5のレバー12を操作して供給部5を開けることで、ビールがカップに供給される。
【0044】
次に、ガスボンベ3内のガスがなくなったときの動作について説明する。
ガスがなくなった場合、ガスボンベ3から供給されるガスの圧力が低下し、飲食流動体貯蔵容器1から圧送されるビールの圧力も低下して、低下した圧力が圧力センサ13によって計測される。圧力センサ13から出力された電気信号は、演算部16に入力され、演算部16によって圧力の計測値が演算される。圧力の計測値はコントロール部17に出力され、計測値が予め定められた圧力設定値の範囲内にあるか否かを判断し、計測値が圧力設定値の範囲より低下していることを認識すると、コントロール部17はピンチバルブ11を閉止させる指令信号を電空変換器18に送信し、電空変換機18によってピンチバルブ11の操作圧を制御してピンチバルブ11を閉止させる。
【0045】
次に、冷却器4が故障して冷却器4内で冷却できなくなったときの動作について説明する。
冷却器4が故障すると、冷却器4内の温度が次第に上昇する。温度センサ14から出力された電気信号は、演算部16に入力され、演算部16によって温度の計測値が演算される。温度の計測値はコントロール部17に出力され、計測値が予め定められた温度設定値の範囲内にあるかを判断し、計測値が温度設定値の範囲より上昇していることを認識すると、コントロール部17はピンチバルブ11を閉止させる指令信号を電空変換器18に送信し、電空変換機18によってピンチバルブ11の操作圧を制御してピンチバルブ11を閉止させる。
【0046】
ここで、電空変換器18から供給される操作圧に対するピンチバルブ11の動作について詳しく説明する。エアー口115から第二の空間部113に圧縮空気を供給すると、第一の空間部112内の空気はエアー口114から排出され、第二の空間部113に供給された圧縮空気の圧力により、ピストン103と共に、ピストン103から垂下する連結部116に固定された挟圧子104も下降する。エアー口114から第一の空間部112に圧縮空気を供給すると、第二の空間部113内の空気はエアー口115から排出され、第一の空間部112に供給された圧縮空気の圧力により、ピストン103と共に、ピストン103から垂下する連結部116に固定された挟圧子104も上昇する。ピストン103の上下動に伴って挟圧子104が上下動されることにより、挟圧子104が管体101の開口面積を変化させ、ピンチバルブ11を流れる飲食流動体(ここでは、ビール)の流量を調整することができる。また、ピストン103の下端面がシリンダ部108の底面に到達してピストン103および挟圧子104の下降が止まるまでエアー口115から第二の空間部113へ圧縮空気を供給することにより、管体101を閉止し、飲食流動体を遮断させることができる。
【0047】
このように、本実施例の飲食流動体供給装置によれば、圧力センサ13および温度センサ14が設けられているので、例えば冷却器4の故障による温度異常や、レギュレータ9の故障による圧力異常や、ガスボンベ3内のガスや飲食流動体貯蔵容器1内のビールがなくなったときに、これを検知して、ピンチバルブ11が自動的に閉止されるので、装置の異常時の緊急遮断や、好ましくない状態のビールを供給することを防止することができる。
【実施例2】
【0048】
以下、図3に基づいて本発明の第二の実施例の飲食流動体供給装置について説明する。
第二の実施例の飲食流動体供給装置は、飲食流動体貯蔵容器21と、ディスペンスヘッド22と、ガス供給装置23と、冷却器24と、供給部25と、制御部26とを備える。
【0049】
第二の実施例は、飲食流動体貯蔵容器21が冷却器24内に配置され、受け皿29と漏れ検知器30が設けられている点において第一の実施例と相違している。したがって、第二の実施例の飲食流動体貯蔵容器21、ディスペンスヘッド22、ガス供給装置23、冷却器24、供給部25、制御部26は、基本的に、第一の実施例の飲食流動体貯蔵容器1、ディスペンスヘッド2、ガス供給装置3、冷却器4、供給部5、制御部6と同様の構成を有しており、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0050】
ここで、受け皿29と漏れ検知器30の構成と動作について説明する。
受け皿29は供給部25の下部に配置され、冷却器24に固定接続されている。受け皿29内には漏れ検知器30が設置され、飲食流動体が受け皿29に一定量貯まると漏れ検知器が漏れを感知したことを制御部26に電気的に入力させ、ピンチバルブを閉止させる。
なお、本実施例では、受け皿29は供給部25の下部に設けられているが、冷却器24の底部に配置しても良く、漏れを感知したら警告手段を作動させても良い。
【0051】
次に、本発明の第二の実施例の飲食流動体供給装置の動作について説明する。
飲食流動体貯蔵容器21は、冷却器24内に配置されているため、常に冷却器24によって冷却され、飲食流動体貯蔵容器21内に貯蔵されたビールも冷却される。冷却されたビールは、螺旋状に巻いた配管28を通ることで冷媒の入った冷媒容器27内で予め定められた温度に調整され、供給部25から外部へ供給される。本実施例のその他の動作は第一の実施例と同様なので説明を省略する。
【0052】
第二の実施例では、このように、ビールが常に冷たい状態で保持され、冷媒容器27内で予め定められた温度に調整されるので、供給部25から供給されるビールは十分冷却されていないビールが供給されることなく常に安定した温度で供給することができる。また、冷却器24内と冷媒容器27内ではほとんど温度差がないので、予め定められた温度に調整する時間が短くてすみ、効率が良い。また、飲食流動体貯蔵容器21を常温で保管する場合と比較して、ビールの劣化が防止される。
【実施例3】
【0053】
第一の実施例では、自動式のピンチバルブ11が使用されているが、ピンチバルブは、チューブを押圧して流路の閉止を行うことのできる構成であれば特に限定されず、手動式のものであってもよい。そこで、第三の実施例として、図4を参照して、手動式のピンチバルブを使用した飲食流動体供給装置を説明する。
【0054】
第三の実施例の飲食流動体供給装置は、飲食流動体貯蔵容器31と、ディスペンスヘッド32と、ガス供給装置33と、冷却器34と、供給部35と、制御部36とを備える。第三の実施例の飲食流動体貯蔵容器31、ディスペンスヘッド32、ガス供給装置33、冷却器34、供給部35は、第一の実施例の飲食流動体貯蔵容器1、ディスペンスヘッド2、ガス供給装置3、冷却器4、供給部5と同様のものであり、ここでは詳しい説明を省略する。また、ディスペンスヘッド32の抽出口と冷却器34内の螺旋状に巻いた配管と接続する配管とを接続する配管の途中には、ピンチバルブ37と電子式の圧力センサ38が設けられており、冷却器34内の螺旋状に巻いた配管内には、熱電対からなる温度センサ39が設けられている。
【0055】
ピンチバルブ37は、第一の実施例のピンチバルブ11と異なり、手動式のものである。ピンチバルブ37は、ハンドル141と、ボンネット142と、挟圧子本体143と、管体144と、本体145と、接続部146とにより構成されている。
【0056】
ハンドル141はPVDFから作製され、略円筒形状を有している。ハンドル141の上部には鍔部147が設けられ、ハンドル141の下部には鍔部147より直径の小さい嵌合凸部148が鍔部147に連続して設けられている。また、ハンドル141の内部には、全閉位置決め用のストッパーリング157よりも小さい直径の貫通孔150が設けられており、貫通孔150の少なくとも一部には雌ネジ部151が形成されている。
【0057】
ボンネット142はPVDFから作製され、略円筒形状を有している。ボンネット142の上側部分の内部には、ハンドル141の嵌合凸部148を収容する凹部153が形成されており、凹部153内には、ハンドル141の嵌合凸部148が、ハンドル141の嵌合凸部148の外周と凹部153の内周とにPVDF製のC字型止め輪152を係合させることによって、上下移動を防止し且つ回動を許容するように嵌合固定されている。ボンネット142の下部には、凹部153より直径の小さい貫通孔155が形成されており、貫通孔155の下部には、さらに、流路軸線と直交して水平方向に延びる一対の切り欠き溝(図示せず)が形成されている。
【0058】
挟圧子本体143はPVDFから作製されている。挟圧子本体143は、ハンドル141から上方に突出しており、ハンドル141の貫通孔150を上下動する円柱部156と、円柱部156の下部に設けられ且つハンドル141の雌ネジ部151に螺合される雄ネジ部159と、円柱部156の上部に形成された環状溝部158に脱着自在に嵌合固定されたPVDF製のC字型ストッパーリング157とを含む。雄ネジ部159の下端部には、ボンネット142に設けられた一対の切り欠き溝(図示せず)内に収容される長円形状の挟圧子161が設けられており、この挟圧子161は挟圧子本体143の上下動に伴って管体144を圧接したり管体144から離間したりするようになっている。なお、ストッパーリング157は、バルブを全閉状態にしたときにハンドル141の上端面149と接触する位置に設けられている。一方、挟圧子161はバルブを全開にしたときにその下端面が少なくともボンネット142の下端面と面一になるようになっている。また、ストッパーリング157はバルブの開度表示の役目も果たしている。すなわち、バルブが完全に閉鎖したときにストッパーリング157がハンドル141の上端面149に接触し、またバルブを開状態にしたときにストッパーリング157の下端面がハンドル141の上端面149から離間して、バルブの全開あるいは中間開度の状態が一目で確認できるようになっている。
【0059】
管体144は、その内部を飲食流動体が流れるようになっている。管体144は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とシリコンゴムの複合体から作製されており、例えばシリコンゴムが含浸されたPTFEシートを何層も接着積層することにより目的とする肉厚に形成されている。しかしながら、管体144は、EPDM、シリコンゴム、フッ素ゴムおよびこれらの複合体などの弾性体から作製してもよく、その材料は特に限定されるものではない。
【0060】
本体145はPVDFから作製され、ボンネット142の下端部162にボルト・ナットなど(図示せず)で接合固定されている。本体145には、流路軸線に沿って管体144を受容する断面矩形状の溝163が設けられている。この溝163の両端部には、溝163よりも深い溝164が設けられており、この溝164に連結体受け166の嵌合部167が受容されるようになっている。さらに、溝164の内部には、連結体受け166の嵌合部167の先端に設けられた抜け防止用凸部168を受容するための凹溝165が設けられている。
【0061】
接続部146は、連結体受け166と、連結体175とによって構成されている。
連結体受け166はPVDFから作製され、本体145の両端に設定されている。連結体受け166の一端部には、本体145の流路軸線方向両端部に設けられた溝164に嵌合する断面矩形状の嵌合部167が形成されており、さらに嵌合部167の先端底部には本体145の溝164に設けられた凹溝165に嵌合される抜け防止用凸部168が設けられている。一方、連結体受け166の他端部には、連結体175の六角形の鍔部179を受容するように対応する断面形状の受口169が形成されていると共に、その外周面には雄ネジ部170が設けられている。雄ネジ部170と嵌合部167との間に位置する外周面には嵌合部167の対角線長と略同一の直径を有する環状の鍔部171が設けられている。鍔部171はボンネット142および本体145と接触し、連結体受け166がボンネット142および本体145の内部へ移動することを防止している。連結体受け166の嵌合部167の内部には、管体144の外径と略同径を有する貫通孔172が形成されている。また、貫通孔172に連続して、連結体175の挿入部177に嵌合して拡径されたときの管体144の外径と略同じ内径を有し且つ受口169まで延びる貫通孔173が形成されている。したがって、連結体受け166の内周面には図で明らかな如く段差部174が形成されている。この段差部174によって管体144が連結体受け166内に挟持固定される。なお、本実施例では、貫通孔172およびそれより直径が大きい貫通孔173が設けられているが、貫通孔172を全体に設けても良い。
【0062】
連結体175は、PTFEから作製されており、その内部に流路176が形成されている。連結体175の一端部には、外径が管体144の内径よりも大きい挿入部177が設けられており、管体144を挿入部177に嵌合させたときに管体144が拡径されるようになっている。また、連結体175の他端部には他の管体が接続される配管接続部178が設けられている。連結体175の外周中央部には、両端部よりも拡大されており且つ断面が六角形状の鍔部179が設けられている。連結体175は、鍔部179を連結体受け166の受口169に嵌合させ、鍔部179と係合させたキャップナット180を連結体受け166の外周に設けられた雄ネジ部170に螺合させることにより、回動しないように連結体受け166に嵌合固定される。
【0063】
制御部36は、圧力センサ38および温度センサ39から各々入力された電気信号から圧力および温度を各々演算する演算部40と、演算された圧力および温度に応じて制御を行なうコントロール部41と、ランプ42と、ブザー43とを含んでいる。演算部40には、圧力センサ38および温度センサ39の電気信号を受信する受信回路と、圧力および温度を各々演算する演算回路とを備えている。コントロール部41は、演算部40から出力された圧力および温度の計測値と設定された圧力および温度の範囲とを比較するための比較回路と、ランプ42およびブザー43を作動するための制御回路を有している。ランプ42は、制御部36が設置された制御ボックスの上部に配置されている発光手段であり、赤く発光するようになっている。また、ブザー43は、制御部36が設置された制御ボックスの側面に配置された音発生手段である。ブザー43は、コントロール部41からの指令信号によりブザー音を発信する発信回路と、音を周囲に伝達するスピーカーとを含んでいる。本実施例の他の構成は第一の実施例と同様なので説明を省略する。
【0064】
第三の実施例では、発光手段としてランプ42を使用しているが、発光手段は点灯して周囲に知らせることができるものであれば特に限定されるものではなく、パトライト(登録商標)、発光ダイオードなどとすることもできる。また、音発生手段としてブザー43を使用しているが、音発生手段は音を発生して周囲に知らせることができるものであれば特に限定されるものではなく、サイレン、音楽、音声などとすることもできる。また、圧力センサ13、温度センサ14などを任意に組み合わせて複数設け、各々のセンサ13、14に対応した発光手段を一つのパネルに配置させても良い。この場合、パネルを見ることで異常発生した箇所と何の異常かが一目でわかるようになる利点がある。また、発光手段および/または音発生手段は、飲食流動体供給装置から離れて集中管理室などに配置させても良い。
【0065】
次に、本発明の第三の実施例の飲食流動体供給装置の動作について説明する。
ガス供給装置であるガスボンベ33内のガスがなくなったときの作動について説明する。
ガスがなくなった場合、ガスボンベ33から供給されるガスの圧力が低下し、飲食流動体貯蔵容器31から圧送されるビールの圧力も低下して、低下した圧力が圧力センサ38で計測される。圧力センサ38から出力された電気信号は、演算部40に入力され、演算部40によって圧力の計測値が演算される。圧力の計測値はコントロール部41に出力され、計測値が予め定められた圧力設定値の範囲内にあるか否かを判断し、計測値が圧力設定値の範囲より低下していることを認識すると、コントロール部41はランプ42とブザー43を作動せる指令信号を送信し、ランプ42を点灯させると共に、ブザー43からブザー音を発生させる。
【0066】
次に、冷却器34が故障して冷却器34内で冷却できなくなったときの動作について説明する。
冷却器34が故障すると、冷却器34内の温度が次第に上昇する。温度センサ39から出力された電気信号は、演算部40に入力され、演算部40によって温度の計測値が演算される。温度の計測値はコントロール部41に出力され、計測値が予め定められた温度設定値の範囲内にあるかを判断し、計測値が温度設定値の範囲より上昇していることを認識すると、コントロール部41はランプ42とブザー43を作動させる指令信号を送信し、ランプ42を点灯させると共に、ブザー43からブザー音を発生させる。
【0067】
ランプ42の点灯やブザー43の警告音で飲食流動体供給装置の異常を知った作業者は、ピンチバルブ37を操作して流路を閉止したり、流路を絞って流量を調整するなどの操作を行えばよい。
【0068】
ここで、ピンチバルブ37の動作について詳しく説明する。ピンチバルブが全閉の状態でハンドル141を開方向に回動させると、ハンドル141は、上下移動せずに回動し、ハンドル141の雌ネジ部151に螺合された挟圧子本体143を回動させずに上昇させる。同時に挟圧子本体143の挟圧子161は管体144から離間し、管体144は管体自身の弾性力により偏平状態から円筒状態に復元しようとする。すなわち、ピンチバルブが全閉状態から開状態へ移行していく。ハンドル141を開方向にさらに回動し続けると、挟圧子本体143は上昇を続け、ピンチバルブ37は全開状態となる。
【0069】
次に、ピンチバルブ全開の状態でハンドル141を閉方向に回動させると、ハンドル141は、上下移動せずに回動し、ハンドル141の雌ネジ部151に螺合された挟圧子本体143を回動させずに下降させる。同時に、挟圧子本体143の挟圧子161の下端面が管体144を押圧する。ハンドル141を閉方向にさらに回動し続けると、挟圧子本体143は下降を続け、管体144は偏平にされ、ついには管体144の内周面が完全に密着される。このとき、挟圧子本体143に嵌合されているストッパーリング157も挟圧子本体143と一緒に下降し、ストッパーリング157の下端面はハンドル141の上端面149に接触し、ピンチバルブ37は全閉状態となる。この状態でハンドル141をさらに回動させようとしても、ストッパーリング157の下端面がハンドル141の上端面149に圧接されているため、過締めが防止されてハンドル141を閉方向へさらに回動させることはできず、従って挟圧子本体143はそれ以上に下降することはできない。すなわち、これ以上過度の力が本体145および管体144に加わることが防止される。
【0070】
このように、例えば冷却器34の故障による温度異常や、レギュレータの故障による圧力異常や、ガスボンベ33内のガスや飲食流動体貯蔵容器31内のビールがなくなったときに、ランプ42の点灯やブザー43の警告音が鳴るので、周囲の作業者に異常を知らせることができる。また、本実施例のピンチバルブ37は手動式であり、ハンドルの開度毎の固定ができるため、作業者のバルブの誤操作を未然に防ぎ、振動等によってハンドルが回動することがなく、設定した流量値を維持することができる。また、配管内の流路にデッドスペースがなく、配管内の流路と同じ流路面積を保持できるので配管途中の任意の位置に設置しても流体抵抗が変化することがないのに加え、配管洗浄用のスポンジ玉の流通を妨げることなく通過できるため、ピンチバルブ37を外したり分解したりしなくても配管内を洗浄することができ、洗浄作業の手間を大幅に省くことができる。また、流路が直線状であるため流路の内面にビールが付着しにくく、滞留部がないために洗浄がし易くバクテリアなどの汚れの発生が抑えられる。
【実施例4】
【0071】
以下、図6に基づいて本発明の第四の実施例の飲食流動体供給装置について説明する。
第四の実施例の飲食流動体供給装置は、飲食流動体貯蔵容器51と、ディスペンスヘッド52と、ガス供給装置53と、冷却器54と、供給部55と、内部を冷却する冷却装置56と、制御部57とを備える。
【0072】
第四の実施例は、冷却装置56を備えており、飲食流動体貯蔵容器51、ディスペンスヘッド52、冷却器54、供給部55、制御部57が冷却装置56内に配置されている点において第一の実施例と相違している。したがって、第四の実施例の飲食流動体貯蔵容器51、ディスペンスヘッド52、ガス供給装置53、冷却器54、供給部55、制御部57は、基本的に、第一の実施例の飲食流動体貯蔵容器1、ディスペンスヘッド2、ガス供給装置3、冷却器4、供給部5、制御部6と同様の構成を有しており、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0073】
次に、本発明の第四の実施例の飲食流動体供給装置の動作について説明する。
飲食流動体貯蔵容器51は、冷却装置56内に配置されているため、常に冷却装置56によって冷却され、飲食流動体貯蔵容器51内に貯蔵されたビールも冷却される。冷却されたビールは、冷却器54内で予め定められた温度に調整され、供給部25から冷却装置56の外部へ供給される。本実施例のその他の動作は第一の実施例と同様なので説明を省略する。
【0074】
第四の実施例では、このように、ビールは冷却装置56内で常に冷たい状態で保持され、冷却器54内で予め定められた温度に調整されるので、供給部25から冷却装置56の外部へ供給されるビールは十分冷却されていないビールが供給されることなく常に安定した温度で供給することができ、特にビールの製造装置や輸送装置として好適に使用される。また、冷却装置56内と冷却器54内ではほとんど温度差がないので、予め定められた温度に調整する時間が短くてすみ、効率が良い。また、飲食流動体貯蔵容器51を常温で保管される場合と比較して、ビールの劣化が防止される。
【0075】
以上、図示された実施例に基づいて、本発明を説明したが、本発明は、図示された実施例に限定されるものではない。例えば、実施例1から実施例4では、ガス供給装置内のガスや飲食流動体貯蔵容器内の飲食流動体がなくなったことを検知するために、圧力センサを使用しているが、圧力センサに代えて又はそれに加えて、流量センサを用いることも可能である。流量センサは、例えば、超音波流量計、カルマン渦流量計、羽根車式流量計、電磁流量計、差圧式流量計、容積式流量計、熱線式流量計または質量流量計などでよく、流量を計測できるものであれば特に限定されないが、計測値を電気的に出力できるものが好ましい。
【0076】
また、第一の実施例において、制御部15に実施例3のような発光手段(ランプ)や音発生手段(ブザー)を設け、制御部15が、ピンチバルブ11を閉止するための駆動の制御と、発光手段および/または音発生手段の作動の制御を同時に行える構成にしても良い。この場合、ピンチバルブ11により流路の閉止を行うと同時に発光手段および/または音発生手段によってすぐに周囲に知らせることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の飲食流動体供給装置の第一の実施例を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明の空動式のピンチバルブを示す縦断面図である。
【図3】本発明の飲食流動体供給装置の第二の実施例を模式的に示す構成図である。
【図4】本発明の飲食流動体供給装置の第三の実施例を模式的に示す構成図である。
【図5】本発明の手動式のピンチバルブを示す縦断面図である。
【図6】本発明の飲食流動体供給装置の第四の実施例を模式的に示す構成図である。
【図7】従来の飲料供給装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0078】
1 飲食流動体貯蔵容器
2 ディスペンスヘッド
3 ガス供給装置(ガスボンベ)
4 冷却器
5 供給部
6 飲食流動体出口部
7 ガス供給口
8 抽出口
9 レギュレータ
10 冷媒容器
11 ピンチバルブ
12 レバー
13 圧力センサ
14 温度センサ
15 制御部
16 演算部
17 コントロール部
18 電空変換器
21 飲食流動体貯蔵容器
22 ディスペンスヘッド
23 ガス供給装置
24 冷却器
25 供給部
26 制御部
27 冷媒容器
31 飲食流動体貯蔵容器
32 ディスペンスヘッド
33 ガス供給装置(ガスボンベ)
34 冷却器
35 供給部
36 制御部
37 ピンチバルブ
38 圧力センサ
39 温度センサ
40 演算部
41 コントロール部
42 発光手段(ランプ)
43 音発生手段(ブザー)
51 飲食流動体貯蔵容器
52 ディスペンスヘッド
53 ガス供給装置
54 冷却器
55 供給部
56 冷却装置
57 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食流動体を貯蔵するための飲食流動体貯蔵容器(1)と、
該飲食流動体貯蔵容器(1)の飲食流動体出口部(6)に接続されたディスペンスヘッド(2)と、
該ディスペンスヘッド(2)のガス供給口(7)にガスを供給するためのガス供給装置(3)と、
飲食流動体を冷却するための冷却器(4)と、
冷却された飲食流動体を外部に供給するための供給部(5)と、
を具備した飲食流動体供給装置において、
前記飲食流動体貯蔵容器(1)と前記ディスペンスヘッド(2)の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド(2)と前記冷却器(4)の間を接続する配管、または前記冷却器(4)内の配管の少なくとも1箇所にピンチバルブ(11)が設けられていることを特徴とする飲食流動体供給装置。
【請求項2】
前記ガス供給装置(3)がガス貯蔵容器である、請求項1に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項3】
前記冷却器(4)内に前記飲食流動体貯蔵容器(1)が配置されている、請求項1又は請求項2に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項4】
前記飲食流動体供給装置の前記飲食流動体貯蔵容器(1)と前記ディスペンスヘッド(2)の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド(2)と前記冷却器(4)の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド(2)と前記ガス供給装置(3)の間を接続する配管、または前記冷却器(4)内の配管の少なくともいずれか1箇所に圧力センサ(13)および流量センサの一方又は両方が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項5】
前記飲食流動体供給装置の前記飲食流動体貯蔵容器(1)、前記ディスペンスヘッド(2)、前記冷却器(4)、前記貯蔵容器(1)と前記ディスペンスヘッド(2)の間を接続する配管、前記ディスペンスヘッド(2)と前記冷却器(4)の間を接続する配管、または前記供給部(5)のうちの何れかに温度センサ(14)が設けられている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項6】
前記圧力センサ(13)、前記流量センサまたは前記温度センサ(14)から入力される電気信号を用いて圧力、流量または温度の計測値を演算し、該計測値が予め定められた圧力、流量または温度の設定値の範囲内に入った場合または該設定値の範囲から外れた場合のいずれかにおいて、前記ピンチバルブ(11)を閉止するための指令信号を該ピンチバルブ(11)を操作する機器へ出力する制御部(15)をさらに具備する、請求項4または請求項5に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項7】
前記飲食流動体供給装置の外部から視認できる位置に配置される発光手段(42)または前記飲食流動体供給装置の周囲で認識可能な音を発生させる音発生手段(43)を含み、操作者に異常を知らせるための警告手段と、
前記圧力センサ(38)、前記流量センサまたは前記温度センサ(39)から入力される電気信号を用いて圧力、流量または温度の計測値を演算し、該計測値が予め定められた圧力、流量または温度の設定値の範囲内に入った場合または該設定値の範囲から外れた場合のいずれかにおいて、前記警告手段を作動させるための指令信号を出力する制御部(36)と、
をさらに具備する、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項8】
前記供給部(5)の下部または前記冷却器(4)内の底部に配置された受け皿と、該受け皿に設けられた漏れ検知器とをさらに具備し、該漏れ検知器で漏れを感知したことを制御部15に電気的に入力させ、前記ピンチバルブ(11)を閉止し、前記警告手段(42;43)を作動させる、請求項6または請求項7に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項9】
前記ピンチバルブが、
弾性体からなる管体(101)と、内部にシリンダ部(108)を有し上部にシリンダカバー(109)が接合されたシリンダ本体(102)と、シリンダ部(108)の内周面に上下動可能に密封状態で摺接され且つシリンダ本体(102)の下面中央に設けられた貫通孔(110)を密封状態で貫通するように中央から垂下した連結部(116)を有するピストン(103)と、ピストン(103)の連結部(116)の下端部に固定されシリンダ本体(102)の底面に流路軸線と直交して設けられた長円状スリット(111)内に収納される挟圧子(104)と、シリンダ本体(102)の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体(101)を受容する溝(118)と溝(118)の両端部にさらに連結体受け(106)を受容する溝(119)が溝(118)よりも深く設けられた本体(105)と、一端に本体(105)の溝(119)と嵌合する嵌合部(121)を有し他端の内部に連結体受口(123)を有しさらに管体(101)を受容する貫通孔(126)を有する一対の連結体受け(106)と、シリンダ本体(102)の周側面に設けられ、シリンダ部(108)の底面および内周面とピストン(103)の下端面とで囲まれて形成された第一の空間部(112)と、シリンダ部(108)の天井面および内周面とピストン(103)の上端面とで囲まれた第二の空間部(113)とにそれぞれ連通されるエアー口(114、115)とを具備する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項10】
前記ピンチバルブが、
上部に鍔部(147)が設けられ、下部に鍔部(147)より縮径して嵌合凸部(148)が該鍔部(147)に連続して設けられ、上部の内周に貫通孔(150)が形成され且つ下部の内周面に雌ネジ部(151)が設けられた略円筒状のハンドル(141)と、ハンドル(141)の嵌合凸部(148)が上下移動することなく回動可能に嵌合固定された凹部(153)が上部に形成され、該凹部(153)から縮径して延びる貫通孔(155)とその直径方向に延出し且つ流路軸線と直交して延びる一対の切り欠き溝とが下部に形成された略円筒状のボンネット(142)と、ハンドル(141)から突出し、ハンドル(141)の貫通孔(150)を上下動する円柱部(156)の上部に、バルブが閉状態の時にハンドル(141)の上端面(149)と接触するストッパーリング(157)が脱着自在に固定され、円柱部(156)の下部にハンドル(141)の雌ネジ部(151)に螺合される雄ネジ部(159)およびボンネット(142)の一対の切り欠き溝と係合し管体(144)を圧接し又は管体(144)から離間する長円状の挟圧子(161)とが連続して設けられた挟圧子本体(143)と、弾性体からなる管体(144)と、ボンネット(142)の下端面(162)に接合固定され流路軸線上に管体(144)を受容する溝(163)を有する本体(145)と、本体(145)の両側に設けられ管体(144)と他チューブを接続する接続部(146)とを具備する、請求項1から請求項5または請求項7のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項11】
前記飲食流動体供給装置において、前記ガス供給装置(3)を除く各部材が冷却装置(56)内に配置されている、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。
【請求項12】
前記飲食流動体が清涼飲料水、炭酸飲料水、アルコール飲料水である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の飲食流動体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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