説明

飼料タンク

【課題】タンク内の空気を効率的に換気することにより飼料タンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減ができ、かつ、簡便な構造を有する飼料タンクの提供。
【解決手段】内部に飼料を収容し、飼料投入口11と飼料排出口12とを有するタンク本体1と、タンク設置面Pに立設されてタンク本体1を支持する支柱2と、を備える飼料タンクAであって、中空管状とされた支柱2をタンク本体1に穿設した給排気口13に接続し、タンク本体1内部と支柱2内部とを連通させるとともに、支柱2に内部の空気を換気するための換気口21を設けたことを特徴とする飼料タンクAを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料タンクに関する。より詳しくは、タンク内の空気を、タンク本体を支持する支柱を介して換気する飼料タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
家畜の飼料は、粗飼料、濃厚飼料、及び特殊飼料の3種類に大別される。このうち、粗飼料は相対的に粗繊維含量が多く、容積が多い割には可消化栄養分が少ない飼料を指す。粗飼料には、生草や乾草、青刈飼料作物(青刈トウモロコシ等)、わら類などが用いられている。また、濃厚飼料は比較的養分含量が高く、水分や粗繊維含量の低い飼料を指す。濃厚飼料には、穀類や穀物副産物(糠類)、油粕類などが用いられている。
【0003】
これらの飼料は、通常、サイロと呼ばれる施設型又は可搬型の気密性の高い容器内に貯蔵される。特に、濃厚飼料の貯蔵には、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic; FRP)により形成され、簡便な設置が可能ないわゆる飼料タンクが用いられている。
【0004】
図3には、一般的に使用されている飼料タンクの側方図を示す。この飼料タンクは、内部に飼料を収納する中空状のタンク本体101と、タンク設置面に立設されてタンク本体101を支持する鉄パイプ等からなる支柱102とを備えている。タンク本体101の上部には、バルク車からの飼料をタンク内へ投入するための飼料投入口103が設けられている。また、タンク本体101の下部には、タンク内の飼料を外部に排出するための飼料排出口104が設けられている。
【0005】
飼料タンクは屋外に設置されることが多いため、タンク内への雨水の浸入が問題となる。雨水の浸入は、内部飼料の変敗や腐敗を生じさせ、飼料養分の低下や、微生物やカビに起因した有害物質の発生を引き起こす。養分低下や有害物質の発生は、飼料効率の低下や疾病の原因ともなり、生産効率上大きな問題となる。
【0006】
このため、飼料投入口103は、飼料の投入作業時を除いては、雨水の浸入を防止するため常時閉蓋された状態とされており、従来の飼料タンクは気密性が高い設計とされている。
【0007】
さらに、飼料タンクに関する問題として、太陽光や外気温によるタンク内部の温度変化がある。特に、夏場においては、タンク内部の温度は60〜65℃程度まで上昇することがある。タンク内の飼料が高温に曝されると、栄養成分の熱分解や酸化が生じる。また、季節の変り目には、タンク内外の温度差が大きくなり、タンク内に結露を生じることがある。結露は、雨水の浸入と同様に、養分低下や有害物質の発生の要因となる。
【0008】
従って、飼料を良好な品質を維持して貯蔵するためには、タンク内への雨水の浸入を防ぎつつ、内部の空気を効果的に換気して内部温度の上昇や結露の発生を防止することが重要となる。
【0009】
特許文献1には、飼料タンク内外の温度差を低減する換気装置と、この装置を取り付けた飼料タンクが開示されている。この換気装置は、飼料投入口の蓋部として構成され、飼料タンク内で温度が上昇した空気を換気するための換気口と、この換気口からの雨水の浸入を防止する雨水浸入防止筒を有するものである。また、換気口からの虫の侵入を防止するための防虫網や、強制換気のための換気扇や、換気扇に動力を供給するための風車等を備えている。
【0010】
【特許文献1】特開2007−252307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に開示される換気装置及びこの装置を取り付けた飼料タンクは、飼料タンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減することにより、飼料の品質の劣化を抑制し得るものである。
【0012】
しかし、この換気装置では、タンク上に雪が積もった場合に十分な換気効果が得られなくなる可能性がある。すなわち、この換気装置は飼料投入口の蓋部として構成され、タンク本体の最上端に設置されるものであるため、積雪によって装置そのものが埋没してしまうと、十分な換気機能を発揮できないおそれがある。
【0013】
また、この換気装置は雨水浸入防止筒や換気扇、風車等を備え、大型で複雑な構成となっている。このような大型で複雑な装置を飼料投入口の蓋部に設置すると、バルク車からの飼料投入作業時に作業の妨げとなったり、装置の思わぬ破損を引き起こすおそれがある。
【0014】
そこで、本発明は、タンク内の空気を効率的に換気することにより飼料タンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減ができ、かつ、簡便な構造を有する飼料タンクを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題解決のため、本発明は、内部に飼料を収容し、飼料投入口と飼料排出口とを有するタンク本体と、タンク設置面に立設されてタンク本体を支持する支柱と、を備える飼料タンクであって、中空管状とされた支柱をタンク本体に穿設した給排気口に接続し、タンク本体内部と支柱内部とを連通させるとともに、支柱に内部の空気を換気するための換気口を設けたことを特徴とする飼料タンクを提供する。
この飼料タンクにおいては、換気口を高さが異なる位置に複数設けることができ、併せて、換気口を閉蓋するための蓋を設けてもよい。
換気口は飼料排出口よりも上方に設けることが望ましく、支柱から分岐する管状の開口部として形成するとともに、支柱からの分岐方向を水平方向よりもタンク設置面側に偏向させて設けることが望ましい。
また、給排気口は、前記飼料投入口よりも下方に設けることが好適となる。
この飼料タンクは、前記支柱の径を任意に設計することにより、前記タンク本体内部の換気量を調整可能することができるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、タンク内の空気を効率的に換気することで飼料タンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減ができ、かつ、簡便な構造を有する飼料タンクが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0018】
図1は、本発明の第一実施形態に係る飼料タンクAの構造を説明する断面図である。
【0019】
図中、符号1は、内部に飼料を収容するタンク本体、符号2はタンク設置面Pに立設されてタンク本体1を支持する支柱を示す。タンク本体1の上部には飼料をタンク内へ投入するための飼料投入口11が、下部には飼料をタンク外へ排出するための飼料排出口12が設けられている。
【0020】
タンク本体1には、金属や樹脂等によって形成された中空容器であって、好適には繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastic; FRP)製の容器が用いられる。タンク本体1の材質は特に限定されないが、FRP製とすることで、軽量化を図ることができ、またタンク本体1内壁面を滑りやすくして飼料を円滑に排出させることができる。さらに、金属に比べて熱伝導率が低いFRP製とすることで、タンク本体1内への外気熱の伝導を抑え、結露の発生を防止することができる。
【0021】
通常、タンク本体1は、図に示すように、下部側を飼料排出口12に向かって徐々に収束する錐形状として形成される。これにより、飼料排出口12からの飼料の排出を円滑にし、タンク内部への飼料の残存をなくすことができる。また、タンク下部に位置する貯蔵期間の長い飼料を優先的に排出させることができる。本発明においても、このような形状を好適に採用し得る。ただし、タンク本体1の形状は、これに限定されず、例えば、上部側については図に示したような錐形状としない場合もある。また、飼料投入口11及び飼料排出口12を、図に示したタンク本体1の最上端及び最下端ではなく、それぞれ他の部位に設ける場合も考えられる。
【0022】
支柱2は、例えば鉄パイプ等の中空管状の金属や樹脂等により形成される。支柱2の材質は強度の観点から金属が好適であるが、飼料が充填されたタンク本体1を支持し得る強度を発揮し、中空管状に形成し得るものであれば特に限定されない。タンク本体1を支持するために用いられる支柱2の数も任意に設定でき、三脚や四脚、五脚以上とすることができる。なお、図1は四脚とした場合を示している。
【0023】
支柱2はタンク本体1に穿設された給排気口13に接続されており、支柱2内部とタンク本体1内部とが連通した状態とされている。これにより、給排気口13を介して、タンク本体1内部の空気を、支柱2内部の空気と交換することができる(図中矢印F1参照)。
【0024】
また、支柱2には、図中符号21で示す換気口が設けられており、支柱2内部の空気を外気と交換(図中矢印F2参照)できるよう構成されている。これにより、飼料タンクAにおいては、タンク本体1内の空気を、給排気口13、支柱2内部及び換気口21を介して外気と交換(換気)することが可能とされている。
【0025】
また、この際、支柱2の径を必要に応じて設計することにより、支柱2内部とタンク本体1内部の空気の交換量、及び支柱2内部の空気と外気との交換量を調節すれば、タンク本体1内の空気の換気量を任意に調整することが可能である。
【0026】
支柱2は、タンク設置面Pに固定される下方部材2aと、図2中符号22で示す接続部によってこれに接続される上方部材2bとから構成してもよい。
【0027】
飼料タンクの敷設時、タンク本体は運搬効率上の問題により分割されたパーツとして搬入される場合が多い。典型的には、タンク本体は水平方向(図1中点線R参照)に横分割されたパーツをフレーム枠で固定することで組み立てられる。タンク上部のパーツは、飼料の投入作業時の不慮破損や落下物による損壊によって、タンク敷設後に交換される場合もある。
【0028】
従って、支柱2を予め下方部材2aと上方部材2bとに分割して構成しておくことで、タンクの敷設作業や上部パーツの交換作業を簡単に行うことが可能になる。なお、必要に応じて支柱2は3以上の部材に分割してもよく、その分割数に応じて接続部22は適宜設けることができる。
【0029】
また、通常の飼料タンクは、パーツを固定するフレーム枠のみを支柱で支持しているが(図3も参照)、飼料タンクAではこのフレーム枠に加えて、給排気口13の部分でもタンク本体1を支持する構成とされている。このように、飼料タンクAでは、従来の飼料タンクに比べて多数の箇所でタンク本体1を支持することで、横方向(タンク設置面Pに水平方向)の揺れに対する強度を向上させることができる。
【0030】
換気口21は、例えば支柱2と同材質により形成した中空管状の金属(鉄パイプ等)を、支柱2に穿設した開口箇所に溶接することにより、図に示すように、支柱2から分岐する管状の開口部として形成されている。さらに、換気口21の支柱2からの分岐方向は、水平方向よりも設置面P側に偏向した斜め下方向きとされている。
【0031】
換気口21を管状の開口部とし、斜め下方向きに設けることで、雨水が換気口21から支柱2内部へ浸入するのを防止することができる。雨水が支柱2内へ浸入すると、その後蒸発する水蒸気がタンク本体1内へ入り、タンク内の湿度上昇の原因となる。
【0032】
また、この換気口21の形状によれば、ネズミが支柱2を登って支柱2内部に侵入するのを防止することもできる。ネズミがタンク本体1内へ侵入すると糞による飼料の汚染が生じ、飼料の腐敗や疾病の原因となる。さらに、換気口21の開口部に、虫や鳥の侵入を防止し得る網を設けることもできる。
【0033】
支柱2を下方部材2aと上方部材2bとに分割して構成する場合には、換気口21は下方部材2aに設けることが望ましい。換気口21を上方部材2bに設けた場合には、上部パーツの交換作業時に作業の妨げとなるおそれがあるためである。また、タンク上部には雨や雪が強く吹きつけることがあるため、換気口21からの雨水の浸入を防止するためにも、換気口21は下方部材2aに設け、望ましくはタンク本体1の下半分に相応する位置に設けることが好適となる(なお、この点、支柱2を分割して構成しない場合にも同様である)。
【0034】
給排気口13は、タンク本体1の上部に設けることが好適である。太陽光や外気温によってタンク内で暖められた空気は、自然対流によってタンク上部に滞留する。給排気口13をタンク本体1の上部に設けることで、暖められた空気を効果的に換気することができる。
【0035】
ただし、この場合にも、給排気口13の位置は、飼料投入口11よりも下方とすることが望ましい。図1では、飼料投入口11をタンク本体1の最上端に設けた場合を示したが、飼料投入口11を他の部位に設ける場合にも、給排気口13は飼料投入口11よりも下方に設けるようにするとよい。
【0036】
通常、タンク内への飼料の投入は、バルク車のブームを飼料タンク上空まで伸長させ、ブーム先端から飼料排出筒を垂下させ、飼料投入口11に導入することにより行っている。この際、飼料投入口11より上方に何らかの構造体が存在すると、ブームの伸長や排出筒の導入作業の妨げとなったり、ブームや排出筒との接触による構造体の破損を引き起こすおそれがある。
【0037】
従って、給排気口13は飼料投入口11よりも下方に設け、給排気口13及びこれに接続される支柱2が飼料投入作業を妨げたり、ブームや排出筒と接触したりすることがないようにすることが望ましい。より具体的には、給排気口13は、図1中点線Qで示す支柱2の最上端が飼料投入口11よりも十分に下方となる位置に設けることで、ブームや排出筒が支柱2に接触するのを回避できる。
【0038】
ここで、給排気口13の位置がタンク本体1内における飼料の満量位置よりも低いと、タンク本体1から支柱2内へ飼料が溢れ出す可能性が生じる。従って、給排気口13は、さらに好適には飼料投入口11よりも低く、かつ、飼料の満量位置よりも高い位置に設けられることが望ましい。
【0039】
支柱2と接続する給排気口13の数は、1以上の任意数に設定することができる。例えば、1本の支柱2に対し、異なる部位に設けた2以上の給排気口13を接続することもできる。これにより、タンク本体1内部の空気と支柱2内部の空気の交換を促進することができる。また、支柱2の全てがタンク本体1内部と連通される必要はなく、少なくとも1本以上の支柱2が連通されていれば、タンク本体1内の空気を外気と換気することができる。
【0040】
以上のように、本発明に係る飼料タンクAでは、タンク本体1内で暖められた空気を、給排気口13、支柱2内部及び換気口21を介して効果的に換気することが可能である。また、このとき、飼料投入口11は常時閉蓋された状態とできるため、飼料投入口11からの雨水が浸入することがない。また、換気口21についても、斜め下方向きの管状開口部として形成したことで、雨水の浸入を防止できる。
【0041】
従って、飼料タンクAでは、タンク内への雨水の浸入を防ぎつつ、内部の空気を効果的に換気してタンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減し、内部温度の上昇や結露の発生を防止することが可能である。さらに、飼料タンクAによれば、タンクに新たな換気装置を付加することなく、飼料タンクに必須の構成である支柱2を利用して換気を行うことで、非常に簡便な構造を実現できる。
【0042】
図2は、本発明の第二実施形態に係る飼料タンクBの構造を説明する断面図である。
【0043】
飼料タンクBは、図1で説明した飼料タンクAと基本的に同一の構成であるが、支柱2に複数の換気口21が設けられている点で異なっている。
【0044】
飼料タンクBの各支柱2には、タンク設置面Pからの高さが異なる位置に3つの排気口211, 212, 213が設けられている。図中、排気口211, 212, 213のタンク設置面Pからの高さを、それぞれ符号H1, H2, H3で示す。なお、本図では、各支柱2に排気口を3つ設けた場合を示したが、排気口の数は2以上とすることができ、その数は特に限定されない。
【0045】
支柱2に換気口を複数設けることにより、支柱2内部の空気と外気の交換量を増すことができ、給排気口13、支柱2内部及び換気口21を介したタンク本体1内の換気を一層効率よく行うことができる。
【0046】
また、換気口211, 212, 213には、これらを必要に応じて閉塞することが可能な蓋を設けてもよい。蓋によって換気口211, 212, 213の中から1以上を選択的に閉塞することで、タンク本体1内の換気の程度を適宜調節することができる。
【0047】
また、高さの異なる位置に複数の換気口を設けたことで、積雪によって下方の換気口が埋没した場合にも、換気機能を保つことが可能となる。例えば、タンク設置面Pからの高さH1が最も低い排気口211が雪中に埋没したとしても、他の換気口212, 213によって換気が維持される。
【0048】
図1に示した飼料タンクAでは、換気口21が雪中に埋没すると換気機能を発揮することができないため、換気口21周辺の積雪を頻繁に取り除く作業が必要となる。これに対して、飼料タンクBでは、換気口を異なる高さに複数設けたことでこの除雪作業の負担を軽減することができる。
【0049】
また、この除雪作業に関連して、排気口211, 212, 213のタンク設置面Pからの高さH1, H2, H3は、飼料排出口12の高さhよりも高くしておくことが望ましい。
【0050】
積雪によって飼料排出口12が埋没するような場合、飼料の取出しが不能となるため、通常速やかに除雪作業が行われる。このため、タンク周辺に飼料排出口の高さhを上回る雪が積もることは少ない。従って、換気口を予め飼料排出口12よりも上方に設けておくことで、積雪による換気口の埋没を防止できる。なお、換気口を複数設ける場合には、少なくとも1つの換気口が飼料排出口12よりも上方に設けることが好ましく、より好適には、図2に示したように全ての換気口を飼料排出口12よりも上方に設けることができる。なお、この場合にも、強い風雨による換気口21からの雨水の浸入を防止するため、各換気口はタンク本体1の下半分に相応する位置に設けられることが望ましい。
【0051】
以上のように、本発明に係る飼料タンクBでは、支柱2に複数の換気口を設け、さらにこれらを高さが異なる位置に設けたことで、タンク本体1内の換気を一層効率よく行い、かつ、雪が積もった場合にも十分な換気を行うことが可能である。
【0052】
また、飼料タンクBでは、上述の特許文献1に開示される換気装置のように、タンク上部(当該文献では、特にタンク最上部に設けた飼料投入口)で換気を行う構成ではないため、タンク上に雪が積もったような場合にも十分な換気機能を得ることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る飼料タンクは、タンク内の空気を効率的に換気することにより飼料タンク内の温湿度の上昇や昼夜の温湿度差の影響を低減することで、飼料の品質の劣化を防止し、家畜生産の効率化に寄与する。
【0054】
また、本発明に係る飼料タンクは、特別な換気装置等の取り付けが不要で、支柱を介して換気を行う非常に簡易な構造とされているため、簡単な施工により低コストで設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る飼料タンクの第一実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る飼料タンクの第二実施形態を示す断面図である。
【図3】従来の飼料タンクを示す側方図である。
【符号の説明】
【0056】
A, B 飼料タンク
P タンク設置面
1 タンク本体
11 飼料投入口
12 飼料排出口
13 給排気口
2 支柱
21, 211, 212, 213 換気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に飼料を収容し、飼料投入口と飼料排出口とを有するタンク本体と、
タンク設置面に立設されて前記タンク本体を支持する支柱と、を備える飼料タンクであって、
中空管状とされた前記支柱を前記タンク本体に穿設した給排気口に接続し、前記タンク本体内部と前記支柱内部とを連通させるとともに、前記支柱に内部の空気を換気するための換気口を設けたことを特徴とする飼料タンク。
【請求項2】
前記換気口を高さが異なる位置に複数設けるとともに、該換気口を閉蓋するための蓋を設けたことを特徴とする請求項1記載の飼料タンク。
【請求項3】
前記換気口を前記飼料排出口よりも上方に設けたことを特徴とする請求項2記載の飼料タンク。
【請求項4】
前記換気口を前記支柱から分岐する管状の開口部として形成するとともに、
前記支柱からの分岐方向を水平方向よりも前記タンク設置面側に偏向させたことを特徴とする請求項3記載の飼料タンク。
【請求項5】
前記給排気口を前記飼料投入口よりも下方に設けたことを特徴とする請求項1記載の飼料タンク。
【請求項6】
前記支柱の径を任意に設計することにより、前記タンク本体内部の換気量を調整可能であることを特徴とする請求項1記載の飼料タンク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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