香味の安定した飲料の製造のためのオオムギ
【課題】LOX−1活性を全く有していないかまたは非常に少量しか有していないオオムギ植物を作製するための方法を提供すること。
【解決手段】本発明によって、ヌル−LOX−1オオムギおよびそれから製造された植物製品、例えば脂肪酸変換酵素リポキシゲナーゼ−1の合成に欠陥があるオオムギ穀粒を使用することによって製造される麦芽が提供される。上記酵素は、リノール酸の9−ヒドロペルオキシオクタデカジエン酸(リポキシゲナーゼ経路の代謝産物)への変換に関連した主活性の原因となる。この9−ヒドロペルオキシオクタデカジエン酸はさらなる酵素反応または自発的な反応によってトランス−2−ノネナールの出現をもたらし得る。本発明は、醸造家に飲料の長期保存後でも検出可能なトランス−2−ノネナール特異的異臭のないビールを製造することを可能にさせる。
【解決手段】本発明によって、ヌル−LOX−1オオムギおよびそれから製造された植物製品、例えば脂肪酸変換酵素リポキシゲナーゼ−1の合成に欠陥があるオオムギ穀粒を使用することによって製造される麦芽が提供される。上記酵素は、リノール酸の9−ヒドロペルオキシオクタデカジエン酸(リポキシゲナーゼ経路の代謝産物)への変換に関連した主活性の原因となる。この9−ヒドロペルオキシオクタデカジエン酸はさらなる酵素反応または自発的な反応によってトランス−2−ノネナールの出現をもたらし得る。本発明は、醸造家に飲料の長期保存後でも検出可能なトランス−2−ノネナール特異的異臭のないビールを製造することを可能にさせる。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
オオムギ植物もしくはその一部を使用するかまたは該オオムギ植物もしくはその一部またはこれらの混合物から調製された麦芽組成物を使用して調製される、麦芽汁組成物であって、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、麦芽汁組成物。
【請求項2】
前記植物の一部が穀粒である、請求項1に記載の麦芽汁組成物。
【請求項3】
前記組成物が酵素組成物または酵素混合組成物を使用して調製される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項4】
前記オオムギ植物がアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)寄託の受託番号PTA−5487を有するD112と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項5】
前記オオムギ植物がATCC寄託の受託番号PTA−5584を有するA618と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項6】
安定な感覚刺激品質を有する飲料であって、該飲料は、オオムギ植物もしくはその一部またはこれらの混合物を製造することによって得られ、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、飲料。
【請求項7】
前記飲料がビールである、請求項6に記載の飲料。
【請求項8】
前記飲料が前記オオムギ植物の穀粒から調製された麦芽を使用して調製される、請求項6〜7のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項9】
前記飲料が、前記オオムギ植物もしくはその一部から調製された麦芽汁組成物から調製されるか、または該オオムギ植物もしくはその一部から調製された麦芽組成物から調製される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項10】
前記飲料が麦芽化されていないオオムギ植物またはその一部から調製される、請求項6に記載の飲料。
【請求項11】
前記飲料が非発酵飲料である、請求項6および8〜10のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項12】
前記オオムギ植物がアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)寄託の受託番号PTA−5487を有するD112と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項13】
前記オオムギ植物がATCC寄託の受託番号PTA−5584を有するA618と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項14】
前記飲料は、安定な感覚刺激品質を有し、そして、該飲料内の9,10,13−トリヒドロキシオクタデセン酸に対する9,12,13−トリヒドロキシオクタデセン酸の比率が多くても1.8である、請求項6〜13のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項15】
前記飲料は、4〜6ppmの範囲内の亜硫酸塩の存在下で37℃にて4週間のインキュベーションの後に、多くても0.05ppbの遊離トランス−2−ノネナール(T2N)を含有する、請求項6〜14のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項16】
オオムギ植物もしくはまたはその一部から製造される、植物製品であって、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、植物製品。
【請求項17】
明細書中に記載の発明。
【請求項1】
オオムギ植物もしくはその一部を使用するかまたは該オオムギ植物もしくはその一部またはこれらの混合物から調製された麦芽組成物を使用して調製される、麦芽汁組成物であって、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、麦芽汁組成物。
【請求項2】
前記植物の一部が穀粒である、請求項1に記載の麦芽汁組成物。
【請求項3】
前記組成物が酵素組成物または酵素混合組成物を使用して調製される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項4】
前記オオムギ植物がアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)寄託の受託番号PTA−5487を有するD112と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項5】
前記オオムギ植物がATCC寄託の受託番号PTA−5584を有するA618と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の麦芽汁組成物。
【請求項6】
安定な感覚刺激品質を有する飲料であって、該飲料は、オオムギ植物もしくはその一部またはこれらの混合物を製造することによって得られ、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、飲料。
【請求項7】
前記飲料がビールである、請求項6に記載の飲料。
【請求項8】
前記飲料が前記オオムギ植物の穀粒から調製された麦芽を使用して調製される、請求項6〜7のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項9】
前記飲料が、前記オオムギ植物もしくはその一部から調製された麦芽汁組成物から調製されるか、または該オオムギ植物もしくはその一部から調製された麦芽組成物から調製される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項10】
前記飲料が麦芽化されていないオオムギ植物またはその一部から調製される、請求項6に記載の飲料。
【請求項11】
前記飲料が非発酵飲料である、請求項6および8〜10のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項12】
前記オオムギ植物がアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)寄託の受託番号PTA−5487を有するD112と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項13】
前記オオムギ植物がATCC寄託の受託番号PTA−5584を有するA618と命名された植物およびその後代植物からなる群より選択される、請求項6〜11のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項14】
前記飲料は、安定な感覚刺激品質を有し、そして、該飲料内の9,10,13−トリヒドロキシオクタデセン酸に対する9,12,13−トリヒドロキシオクタデセン酸の比率が多くても1.8である、請求項6〜13のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項15】
前記飲料は、4〜6ppmの範囲内の亜硫酸塩の存在下で37℃にて4週間のインキュベーションの後に、多くても0.05ppbの遊離トランス−2−ノネナール(T2N)を含有する、請求項6〜14のいずれか1項に記載の飲料。
【請求項16】
オオムギ植物もしくはまたはその一部から製造される、植物製品であって、該オオムギ植物は、完全機能喪失を生じるLOX−1遺伝子の変異を有し、該オオムギ植物のLOX−1をコードする遺伝子が、配列番号2の塩基番号3572−3574に対応するナンセンスコドン、または、配列番号6の塩基番号2311に対応するスプライス変異を含むが、但し、該オオムギ植物はイントロン5のスプライス供与部位にGの変異を保有しない、植物製品。
【請求項17】
明細書中に記載の発明。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−135900(P2011−135900A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−88647(P2011−88647)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−502192(P2007−502192)の分割
【原出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(506306547)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88647(P2011−88647)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−502192(P2007−502192)の分割
【原出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(506306547)
【Fターム(参考)】
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