説明

香料組成物

悪臭に対抗し、又は中和する等の従来技術では、悪臭に強力な快適な匂いを重ねあわせる、化学反応により悪臭を取り除く、又は多孔性構造で悪臭を吸収する、又は抗菌剤などで悪臭の形成を抑えることが行われている。また、ヒトの身体から発する臭いに対して有用な香料組成物を用いて消臭効果を発揮させるものもあるが、これらはタバコの臭いなどの細菌性でない臭いに対して効果を発揮する様に設計されていない。また他の化合物を用いるものは悪臭に含まれるあらゆるタイプの官能基を中和できるものでなく、悪臭の低減に対しその選択肢は限定されている。
本願発明の香料組成物は、悪臭に「マスクをする」ことと「効果を弱める」ことの双方の効果を発揮することができ、悪臭の低減に新たな、且つ改善された効果を発揮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は香料組成物に関する。本発明の目的との関係において、香料組成物は香料成分の混合物として定義され、もし望むならば、適当な一つ以上の溶媒と混合又は、溶媒に溶解させ、及び/又は固体基質と混合させたものである。香料成分は当業者に良く知られており、例えば、S. Arctanderの Perfume and Flavor Chemicals (Montclair, N.J. 1969), Perfume and Flavor Materials of Natural Origin (Elizabeth, N.J. 1960) 及びFlavor and Fragrance Materials - 1991, Allured Publishing Co. Wheaton, Ill. USAに記載の香料成分を含む。
【0002】
香料成分は抽出物、精油、純油、レジノイド(resinoid)、樹脂(resin)、コンクリート(concrete)等の様な天然の製品、及び炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、ケタール、ニトリル等の様な合成される基本物質を含み、及び飽和及び不飽和化合物、脂肪族、炭素環式、及び複素環式化合物を含む。本発明は特に、通常、不快又は望ましくないと考えられる悪臭を減らし、又は防ぐ能力を持つ香料組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
悪臭は空気中、及び繊維、固い物体の表面、皮膚、及び毛髪のような多くの基質上で接触する。その発生源は、例えば、汗、尿、及び糞の様な人間に関わるものがあり、又はガソリン、料理及びタバコの煙の様に環境に関するものが発生源であるであることもある。
【0004】
典型的な悪臭の材料の例には、トイレ及び動物臭に含まれるインドール、スカトール及びメタンチオール;尿に含まれるピペリジン、及びアンモニア;台所及び生ごみ臭に含まれるピリジン及びトリメチルアミン;及びタバコの煙の臭いに含まれる硫化水素、ニコチン、及び種々のピロール;及び腋窩臭に含まれる短鎖脂肪酸を含む。
【0005】
悪臭に対抗し、又は中和する為の従来技術での方法は、悪臭に対して強力な快適な匂いを重ね合わせる(例えば、匂いマスクをする)、悪臭嗅覚レセプターをブロックすることによる交差適用(cross-adaptation)、ラウールの法則(Raoult's law)を負の偏差(negative deviation)を起こす(そうすることにより空気中の部分圧を減少させる)成分と混合することにより悪臭を抑える、化学反応により悪臭を取り除く、多孔性又はケージ様の構造によって悪臭を吸収する、及び抗菌性及び酵素阻害薬の様な方法により悪臭の形成を阻害することを含む。
【0006】
ヒトの身体から発する臭いの発生、及び感知を減少させるのに特に効果のある香りを作りだすことも出来る。EP0545556, 米国特許4304679, 米国特許4906454, EP0003172及びEP0005618は全て、化粧品として受け入れられる媒体を用いて直接ヒトの皮膚に用いるか、又は洗濯用洗剤、又は繊維処理製品に用いて、消臭効果を発揮、又は増進するのに有用な香料組成物を開示している。しかし、これらの従来技術による組成物は、タバコの煙や料理の際に発生する臭いの様な細菌に由来するものでない悪臭には強力な効果を発揮する様にはデザインされていない。
【0007】
悪臭に対抗することの出来る特性を持つことが示されている材料の例には、Nogami 他によるWO 98/56337 (琥珀及びジャコウ、amber and musk)、 及びSchleppnik 他による米国特許4,622,221 (シクロヘキシル アルコール 及びエステル誘導体、cyclohexyl alcohols and ester derivatives), 米国特許4,187,251 (アルキル シクロヘキシル アルキル ケトン、alkyl cyclohexyl alkyl ketones), 米国特許4,310,512 (酢酸、及びプロピオン酸の誘導体、derivatives of acetic and propionic acids) 、及び米国特許4,009,253 (4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、4-cyclohexyl-4-methyl-2-pentanone); 及び Kulkaによる米国特許3,074,891 (α、β−不飽和 モノカルボン酸エステル、esters of alpha-, beta-unsaturated monocarboxylic acids)及び米国特許3,077,457 (フマル酸エステル、fumaric acid esters)に開示されているものを含む。しかしこれらの材料は,悪臭の分子に含まれているあらゆるタイプの官能基を中和することの出来るものではない。
【0008】
上記の全ての文献は、本明細書に記載されているものと同様にその全てが、参照により本明細書に組み入れられる。
【0009】
悪臭に「マスクをする」(masking)と「効果を弱める」(counteracting)とは、通常その意味は異なって用いられる。「マスクをする」は、通常快適な匂いを持つ香料が用いられる事を指す。マスクをする香料から発する強力な匂いが不快な臭いを覆い隠し、又は修飾し、又はその匂いが非常に強烈である為不快な臭いが感知できなくする。「効果を弱める」は、効果を弱める物質の存在により、感知される不快な臭いの強度が低下する、又は感知できなくなることを指す。この違いは、効果を弱める物質は、不快な悪臭を感知することを減少させ、又は感じさせない様にするが、悪臭を感ずる感覚を圧倒しない濃度で用いることもでき、そのため事実臭い防止に殆ど効果のないこともある。本発明の組成物は、与えられる適用条件においても「マスクをする」と「効果を弱める」効果の双方の効果を提供することが出来る。
【0010】
悪臭を減少させるための従来のアプローチでは、悪臭の低減に限定された選択枝しかない為、不十分である。そこで、悪臭を低減させる新たな、且つ改善された組成物に対する需要が存在する。
【発明の開示】
【0011】
本発明の一つの特徴として、本発明の香料組成物は、以下のグループA又はグループBから選択される、重量で少なくとも1.0%の一以上の果実ノートを持つ材料、重量で少なくとも0.5%の少なくとも一つの琥珀ノートを持つ材料を含む。この場合、もしグループBの琥珀材料が存在しない場合は、組成物中の琥珀ノートの材料と果実ノートの材料の合計が重量で少なくとも約3%あり、もしグループAの琥珀材料が存在しない場合は、重量で少なくとも約25%あり、及びグループA及びBの両方のグループの材料が0.1%w/wより多く存在する場合には,琥珀と果実材料の合計最小値は3%であり、グループAの材料の全重量%、WA, は0.5%以上、又は3+22*(0.5-WA)%であり、この場合WAは、0.5%未満であり;グループAは琥珀ノートを持つ材料を含み、この琥珀ノートの材料は1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン (1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8- octahydronaphthalen-2-yl)ethanone) より低い臭い閾値を持ち、グループBは琥珀ノートを持つ材料を持ち、この琥珀ノートの材料は1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydro- naphthalene-2-yl) ethanone)と同等又はそれより高い臭い閾値を持つ;
又、組成物中の琥珀ノートを持つ材料の果実ノートを持つ材料に対する重量比率が、約1:30から約30:1であることが条件となる。
【0012】
本明細書においては、特に断らない限り、%は全て全組成物の重量に対するものであり、全ての比率は、特に断らない限り重量比である。
【0013】
本発明の香料組成物は、悪臭、又は悪臭を感知する度合を減少させ、又は防止する能力を持ち得る。組成物は効果を弱め、及び/又はマスクをする機能する持つ。
【0014】
したがって本発明は、又本発明の香料組成物を含む悪臭低減組成物を提供する。
【0015】
本明細書で用いる「悪臭低減組成物」(malodour reducing composition)は基質の表面の、又は閉じられた空間での空気中の悪臭が、「悪臭低減組成物」を適用した後に、その適用以前に比べ悪臭が低減していることを感知する知覚評価者に、ある特異なインパクトを与える組成物を指す。
【0016】
ここで用いる「知覚評価者」(sensory evaluator)は、身体的な香り/臭いの評価の専門家としての技術を持っている人を指し、臭い知覚テストにより選別され、知覚評価者として6ヶ月以上訓練された人である。
【0017】
芳香は、芳香組成物中の種々の構成要素(材料)に由来する。通常は、芳香は、匂いのする精油、木からの抽出物、ガム、花、及び他の植物、樹脂、動物の分泌物、及び合成芳香材料を含む材料(成分)をブレンドすることにより作られる。これらの材料は、いわゆる良く知られている「トップノート」(top note)、「ミドルノート」(middle note)及び「ボトムノート」(bottom note)組成物を作り出すためにブレンドされる。「トップノート」は使用されると直ちに感知される爽快な感覚を与えるものである。「ボトムノート」はその香りを身につけた人に長く残る香りのエッセンスである。「ミドルノート」は「トップノート」と「ボトムノート」を繋ぐ知覚上の特質である。
【0018】
芳香の材料そのものは、発生する香り(臭い)に応じてそれぞれ分類され、グリーンノート(green note), 琥珀ノート(amber note), 花ノート(floral note),アルデヒドノート (aldehydic note), 果物ノート(fruity note), ビャクダンノート(chypre note), オリエンタルノート(oriental note)、皮革ノート (leather note),タバコノート(tobacco note), フジェールノート(fougere note)等に分けられる。本明細書にリストされた香料材料の大半の臭いに関する記述は、香料産業界で知られている標準テキスト、特にBauer, Garbe及びSurburg, VCH Publ., 3版(2001)による「Common Fragrance and Flavor Materials」、Steffen Arctander (Montclair, N. J., 1969)の「Perfume and Flavour Materials」(2分冊で出版)、S.Arctander (Elizabeth, N.J.,1960)の「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin」に記載されている。
【0019】
本発明の好ましい組成物は、琥珀材料の果実材料に対する重量比率が1:30から10:1の範囲、より好ましくは1:10から3:1の範囲であるのが良い。特に好ましい組成物においては、グループBの琥珀材料が存在しない場合は、琥珀ノートを持つ材料及び果実ノートを持つ材料の合計が、重量で少なくとも約10%、より望ましくは重量で少なくとも30%あるのが良く、もしグループAの琥珀材料が存在しない場合は、少なくとも約30%、より望ましくは50%あるのが良い。グループA及びグループBの両方のグループの材料を重量で少なくとも0.1%含む組成物では、特に好ましい組成物においては琥珀ノートを持つ材料及び果実ノートを持つ材料の合計が重量で少なくとも約20%、より望ましくは重量で少なくとも約30%あるのが良い。
【0020】
琥珀材料
本発明で用いることのできる琥珀ノートを持つ材料は、琥珀油脂から揮発性材料として分離された天然芳香性化学物質、天然芳香性化学物質の芳香に性質が類似している芳香を持つ合成芳香化学物質、これらの誘導体、及びそれらの混合物からなる群れから選択される材料を含む。
【0021】
これらの琥珀材料の例には、これに限定されるものではないが、以下のものがある:ここで括弧は次の意味を持つ。[A]=グループA琥珀材料;[B]=グループB琥珀材料;(Q)=Quest International、(FI)=Firmenich、(G)=Givaudan SA、(H)=Henkel、(IFF)=Interantional Flavors and Fragrances Inc.、(K)=Kao。
【0022】
特に好ましい材料には星印を付した。
【0023】
1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン
(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-2-yl)ethanone)
[B]*、
例えば、lso Ambois (Q), lso E Super (IFF) の様な種々の商標名で入手可能。
【0024】
2-メトオキシエトオキシシクロドデカン
(2-Methoxyethoxycyclododecane)[B]
2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-en-1-yl)-5-メチル-5- (1-メチルプロピル)-1 ,3-ジオキサン
(2-(2,4-dimethylcyclohex-3-en-1-yl)-5-methyl-5-(1-methylpropyl)-1 ,3-dioxane) [A],
例えば、 Karanal (Q) の商標名で入手可能。
【0025】
3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-{b}]フラン
(3a,6,6,9a-tetramethyldodecahydronaphtho[2,1-{b}]furan)[A]*、
例えば、Amberlyn Super (Q), Cetalox (FI), Ambroxan (H), Ambrox (FI) の商標名で入手可能。
【0026】
1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol
(1-[2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyloxy]butan-2-ol )[B]*
5,5,8,13-テトラメチル-14,16-ジオキサテトラシクロ[11.2.1.01,10.04,9]ヘキサデカン
(5,5,8,13-tetramethyl-14,16-dioxatetracyclo[11.2.1. 01,10.04,9]hexadecane )[A]*, Jeger ケタールの俗称を持つ。
【0027】
3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-{b}]フラン
(3a-Ethyl-6,6,9a-trimethyldodecahydronaphtho[2,1-{b}]furan) [A]
Grisalva (IFF) の商標名で入手可能。
【0028】
2-シクロドデシル-プロパン-1-ol
(2-(cyclododecyl)-propan-1-ol )[B]
メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9 シクロドデカトリン-1-yl ケトン
(Methyl 2,6,10-trimethyl-2,5,9 cyclododecatriene-1-yl ketone) [A] *,
Cyclisone (Q)の商標名で入手可能。
【0029】
1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3ヘキサノール
(1-(2,2,6-trimethylcyclohexyl)-3 hexanol) [B]
2,6,6,8-テトラメチル-8-(メチルオキシ)トリシクロ[5.3.1.01,5]アンデカン
2,6,6,8-tetramethyl-8-(methyloxy)tricyclo[5.3.1.01,5]undecane [B],
メチル セドリル エーテルの俗称で呼ばれ、Cedramber (IFF) の商標名で入手可能。
【0030】
1,5,7-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン
(1,5,7-trimethyl-13-oxabicyclo[10.1.0]trideca-4,8-diene) [A]、
Cedroxyde (IFF) の商標名で入手可能。
【0031】
{[(エチロオキシ)メチル]オキシ}シクロドデカン
({[(ethyloxy)methyl]oxy}cyclododecane) [B],
Boisambrene (H) の商標名で入手可能。
【0032】
2,4-ジメチル-2-(1,1,4,4-テトラメチルテロラリン-6-yl)-1 ,3-ジオキソラン
(2,4-dimethyl-2-(1,1,4,4- tetramethyltetralin-6-yl)-1 ,3-dioxolane) [A],
Okoumal (G)の商標名で入手可能。
【0033】
これらの材料は、以下の実施例2に記載の臭い閾値比較試験(odor threshold comparison test (OTCT) )を用いてグループA又はグループBに分類されうる。
【0034】
果実材料
果実ノートを持つ材料は種々の果実ニュアンスを持つ芳香を発する。
【0035】
果実ノートを持つ材料の例には、これに限定されるものではないが、以下のものがあり、括弧は上に記載の意味と同様の意味を持ち、好ましい材料には星印を付した。
【0036】
ジイソブチル カルビニル酢酸
(Di-isobutyl carbinyl acetate)、 Alicate (Q) の商標名で入手可能。
【0037】
アリル シクロヘキシル プロピオン酸
(AllyI Cyclohexyl Propionate)
フェニルエチリル イソアミル エーテル
(Phenylethyl isoamyl ether)、Anther (Q) の商標名で入手可能。
【0038】
(2E)-1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-3-en-1-yl)but-2-en-1-one
((2E)-1-(2,2,6-trimethylcyclohex-3-en-1-yl)but-2-en-1-one)*, δ- Damascone の俗称を持つ。
【0039】
ジメチル ベンジル カルビニル酢酸
(Dimethyl benzyl carbinyl acetate)
エチル 2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1,3-ジエン-1-カルボキシレート
(Ethyl2,6,6-trimethylcyclohexa-1,3-diene-1-carboxylate)*,Ethyl Safranate (Q) の商標名で入手可能。
【0040】
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-ylプロピオン酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl propanoate)*,
Florocyclene (Q) の商標名で入手可能。
【0041】
δ-デカラクトン
(δ-Decalactone)
γ-デカラクトン
(γ-Decalactone)
2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシル 酢酸
2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyl acetate)、Ortholate (Q) の商標名で入手可能。
【0042】
γ-ドデカラクトン
(γ−Dodecalactone)
δ-ドデカラクトン
(δ-Dodecalactone)
γ-アンデカラクトン
(γ-Undecalactone)*
δ-アンデカラクトン
(δ −Undecalactone)
エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-カルボン酸
(Ethyl tricyclo[5.2.1.02,6]decane-2-carboxylate), Fruitate (K) の商標名で入手可能。
【0043】
2-メチルデカンニトリル
(2-Methyldecanenitrile)*, Frutonile (Q) の商標名で入手可能。
【0044】
トリリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl イソ酪酸エステル
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl isobutyrate)*, Gardocyclene (Q) の商標名で入手可能。
【0045】
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl 酢酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl acetate)*, Jasmacyclene (Q) の商標名で入手可能。
【0046】
2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニール)ブタンアミド
(2-Ethyl-N-methyl-N-(3-methylphenyl)butanamide)*
2-ヘキシルシクロペンタノン
(2-Hexylcyclopentanone)、Jasmatone (Q) の商標名で入手可能。
【0047】
2,4,4,7-トリメチル-6,8-ノナジエノン オキシム
(2,4,4,7-Trimethyl-6,8-nonadienone oxime), Labienone Oxime (G) の商標名で入手可能。
【0048】
2-[2-(4-メチルシクロヘキサ-3-en-1-yl) プロピル]シクロペンタン
(2-[2-(4-methylcyclohex-3-en-1-yl)propyl]cyclopentan)、
Nectaryl (G). の商標名で入手可能。
【0049】
2,7-ジメチル-10-(1 −メチルエチル)-1-オキサスピロ [4.5]デカ-3,6-ジエン*
(2,7-dimethyl-10-(1 -methylethyl)-1 -oxaspiro[4.5]deca-3,6-diene)*
トリシクロ[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-ジメチルプロピオン酸、
tricyclo[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-dimethylpropanoate*,
Pivacyclene (Q)の商標名で入手可能。
【0050】
具体的な成分については、琥珀ノート及び果実ノートを提示する上の記載で示されているが、本発明はこれらの特定の成分に限定されるものではない。琥珀ノート及び果実ノートを提供する他の強烈且つ強力な成分が、これに変わり又は追加的に用いることができる。
【0051】
本発明の基本の組成物は琥珀ノート及び果実ノートを提供する材料を含むが、本発明の組成物は、さらに他のノートを提供する他の材料を含む。
【0052】
本発明の組成物は又、(これに限定されるものではないが) 水;C1-C4一価アルコール:C2-C6多価アルコール;プロピレン炭酸塩;液体ポリアルキレン グリコール;クエン酸トリエチル;ミリスチン酸イソプロピル;安息香酸ベンジル、ジエチルフタレート、ジプロピレングリコール等の様な希釈液、及び/又は溶媒を含むこともある。これらの材料は、例えば、本発明の組成物の中の幾つかの固体又は粘性のある成分を溶解し又は希釈して、例えば、その蒸気圧を下げることにより、揮発性成分の取扱い及び/又は成形又は安定度を向上させるために用いられる。
【0053】
好ましい香料組成物は、果実ノートを持つ少なくとも二つの材料を含む。特に好ましい組成物は、重量で少なくとも琥珀材料を8%、より具体的には、果実ノートを持つ少なくとも二つの材料を少なくとも10%を持つと共に、一以上のグループBの琥珀材料を持つ。以下の果実材料は、その様な組成物において有利に用いることができる:ジャスマシクレン(Jasmacyclene), エチル サフラネート(ethyl safranate), アリケート(Alicate)、ジャスマトーン (Jasmatone), 2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニル)ブタンアミド)(2-ethyl-N-methyl-N- (3-methylphenyl)butanamide), フロロシクリン(Florocyclene) 及びアリル シクロヘキシル プロピオン酸 (allyl cyclohexyl propionate)。
【0054】
以下のグループB琥珀材料は又、特に有用である:イソ アンボワ (lso Ambois)、2-メトオキシエトオキシシクロドデカン (2- methoxyethoxycyclododecane), 及び (1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol). (1-[2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyloxy]butan-2-ol)。
【0055】
本発明の香料組成物は、腋窩臭(すなわち、脇の下の臭)を減少させ、又は予防するのに特に効果的であることが見出され、したがって、繊維用洗剤、繊維洗濯の仕上剤、及び繊維脱臭剤の様な繊維ケア製品、及び消臭剤、発汗抑制剤、石鹸等のスキンケア製品の様な消費材への使用に特に適している。この組成物は又他の悪臭に対しても有用であり、他の消費材にも用いることができる。
【0056】
また本発明の組成物を含む消費材は本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、本発明の更なる特徴として、琥珀ノートを持つ少なくとも一つの材料、及び果実ノートを持つ少なくとも一つの材料を含む消費材に関し、製品中の琥珀ノートを持つ材料と果実ノートを持つ材料の合計は、重量で約0.001%から約5%である。
【0058】
本発明を適用することのできる消費材の例として、これに限定されるものではないが:繊維用脱臭組成物; 繊維用洗剤、及び繊維仕上剤、家庭用クリーニング組成物; 毛髪手入れ用組成物; 発汗抑制剤; 消臭剤; 及び空気清浄剤を含み、これ等の消費材は悪臭を減少させるのに効果的な量の組成物を含んでいる。
【0059】
本発明の消費材中に琥珀ノートを含む材料を少なくとも一つ、及び果実ノートを含む材料を少なくとも一つ含む組成物の量は、重量で約0.001%から約5%、好ましくは約0.005%から約2%、より好ましくは約0.01%から約1.0%であるのが良い。
【0060】
本発明の組成物は、少しの量で、多くの異なる媒体に用いられた場合、効果的に悪臭を低減させることができる。例えば、噴霧剤(スプレー等)、液体(芯を使うタイプ)、固体(におい玉、プラスチック等の様なワックスベース)、粉末(におい袋、乾燥スプレー)及びゲル(固体ゲル棒)の形で室内清浄剤、又は室内消臭剤として用いられるのが特に好ましい。
【0061】
その他の具体的な使用としては、例えば、洗剤、粉末、液体、漂白剤、又は繊維軟化剤の様な洗濯機での使用、又はクローゼット区画、クローゼット噴霧スプレー、又は衣類保存箇所での使用による衣類の消臭用、又は衣類の残留溶媒ノートに対処するためのドライクリーニングでの使用;紙タオル、浴室ティッシュ、衛生ナプキン、小タオル、使い捨て洗浄クロス、使い捨てオムツ、オムツ用バケツ消臭剤の様な浴室・トイレ用アクセサリーとして;消毒剤、及び洗面所流し台クリーナーの様なクレンザーとして;発汗抑制剤及び脇の下用消臭剤、粉末、噴霧、液体、又は固体の形式の一般的な身体用消臭剤の様な化粧品、又はヘアースプレー、コンディショナー、リンス、ヘアーカラー及び染色、パーマネントウエーブ、除毛剤、巻き毛防止剤、ポマード、クリーム、ローション等の整髪剤、S硫化セレン(S-Selenium-sulfide)、コールタール、サリチル酸等、又はシャンプーを含む医薬用ヘアケア製品、又は足用パウダー、液体又はコロンの様なフットケア製品、アフターシェイブ、及びボディーロション、又は棒状、液体、泡状又は粉末状の石鹸及び合成洗剤;例えば、繊維の仕上げ工程、及び印刷産業(インク及び紙)等の製造プロセスでの悪臭の制御;パルプ工業、原料貯蔵場所及び肉加工、下水処理、又は生ごみ処理の様な排水制御において、又は繊維最終製品、ゴムの最終製品、自動車用清浄剤等の様な製品臭の制御;犬及び鶏小屋の排水の様な農業及びペットの世話用の製品、消臭剤、シャンプ−、又は清浄剤、動物寝床用の材料等の家畜及びペット世話用の製品;大講堂、地下鉄及び輸送システムの様な大規模な閉鎖空調ーシステムでの使用がある。
【0062】
以下の具体的な消費者用の製品について、更に本発明の範囲内における好ましい実施例について記載する。
【0063】
(i)繊維清浄組成物(Fabric Freshening Compositions)
本発明の繊維清浄組成物は、好ましくは次のものを含むのが良い:約0.001%から約 1%の本発明の香料組成物;任意選択的に、臭い錯化塩(odour-complexing salt)又はシクロデキストリン(cyclodextrin)の様な悪臭低減剤を約0.01%から約 5%、残りの部分は担体(carrier)を含む。
【0064】
(ii) 家庭用清浄組成物(Household Cleaning Composition)
本発明の家庭用清浄組成物には、洗濯用及び表面清浄剤の両方を含み、一般的に次のものを含む:約0.001%から約 2%の本発明の香料組成物;約0.01%から約 60%の界面活性剤;次のグループより選択される一以上の補助成分、すなわち、研磨剤(abrasive)、 研磨添加剤(builder)、 漂白剤(bleach)、 漂白促進剤(bleach booster)、漂白活性剤 (bleach activator)、粘土 (clay), 増粘剤(thickener)、分散剤 (dispersant)、 酵素(enzyme)、染料(dye)、冷却剤(colorant)、充填塩 (filler salt)、ヒドロトロープ (hydrotrope)、保存料 (preservative)、抗酸化剤(anti-oxidant)、キーラント (chelant)、 安定剤(stabilizer)、殺菌剤(germicide)、 防カビ剤(fungicide)、溶媒 (solvent)、 ひかり殺菌剤(photodisinfectant)及びこれらの混合物;及び残りの部分は担体を含む。
【0065】
(iii) 毛髪トリートメント組成物(Hair Treating Composition)
本発明の毛髪トリートメント組成物は、通常以下のものを含む:約0.001%から約 2%の本発明の香料組成物;約0.01%から約 10%の定着剤ポリマー;及び残りの部分は水を含む。本発明の毛髪トリートメント組成物の好ましい実施例には、これに限定されるものではないが泡状整髪剤(mousse)、ヘアースプレー、ヘアーミスト、ゲル、及びヘアートニックを含む。
【0066】
(iv) 発汗抑制剤及び/又は消臭剤組成物(Antiperspirant and/or Deodorant Composition)
本発明の発汗抑制剤及び/又は消臭剤組成物には通常以下のものを含む:
担体溶液(carrier fluid)、軟化剤(emollient)、消臭活性剤(deodorant active)、選択的補助剤(optional adjunct)に加え、約0.001%から約 2%の本発明の香料組成物、及び発汗抑制剤の場合は0.5%から約 40%の発汗抑制剤。適当な製剤内容についてはAntiperspirants and Deodorants, K Laden (編者), Dekker (1999)にその全体が開示されている。
【0067】
(v) 空気清浄用の組成物(Air Freshening Composition)
本発明の空気清浄用の組成物には通常以下のものを含む:
約0.01%から約 5%の本発明の香料組成物;染料、安定剤等の任意選択的補助剤に加え、約0.01%から約 95%の一以上の揮発性溶媒。
【0068】
本発明の消費者用製品は、通常の方法で使用することにより、以下の様なその製品にふさわしい望ましい効果を発揮させることができる:繊維の清浄、空気の清浄、毛髪の清浄及びスタイルの調整、毛髪の清浄及び形の維持、家庭用製品の清浄及びクリーニング等。その使用方法は、使用される組成物のタイプによるが、通常効果的な量を、繊維、家庭用品、毛髪、皮膚に適用し、それが繊維/家庭用品の表面に(繊維の清浄用組成物/家庭用品のクリーニング組成物の場合);毛髪に(スプレー、泡状整髪剤、又はゲル製品の場合);又は皮膚に(発汗抑制剤/消臭剤の場合)残留しても良いとされる量を適用することである。「効果的な量」とは望ましい効果を発揮するに十分な量を言う。
【0069】
本明細書に記載の本発明の特徴として、及びその実施の形態において多くの驚くべき利益が得られることが示されており、例えば、タバコの煙の臭い、料理から出る臭いの様な環境による臭いで汚染され、及び/又は、浴室及び台所の様な閉じた空間で、汗、空気が付着した皮膚、タイル、繊維、及び毛髪等、表面に悪臭の痕跡を残す組成物、及び固有に悪臭のする材料を含む消費材に、悪臭低減組成物を提供し、組成物を処理した後には、実質的にまったく、又は殆ど臭いの痕跡を残さない様に組成物の悪臭を低減させることを含む。
【0070】
本発明の消費者用の製品は、これまでの消費者用の製品に用いられているプロセスと同じプロセスにより生産することができ、本発明の香料組成物がこれまでの従来の香り組成物に取って代るものである。一般的に香料組成物は、特に消費者用製品を成形するために熱が使用される場合に、構成分が揮発することを防ぐために、その製品製造の最終段階に近い段階で加えられるのが好ましい(例えば、棒状消臭剤を作る場合には媒体の固体成分を溶解する段階)。本発明の組成物は、上記した従来の香り技術と共に用いることにより有利に使用することができる。
【0071】
本発明は又、本発明の香料組成物又は消費者用製品を基質又は空間に適用することを含み、悪臭を低減させ又は予防する方法をも含む。
【0072】
本発明は又、悪臭を低減し又は予防するために、本発明の香料組成物又は消費者用の製品の使用をも含む。
【0073】
本発明は、更に清浄システムで洗濯した後の繊維の悪臭の低減効果についての組成物の試験方法について提供する。その試験には、試験される組成物を含む洗浄システムで試験対象の繊維を洗濯し、悪臭の低減を評価し、及び試験用の組成物を用いない場合のコントロール清浄システムで洗濯した場合に得られた結果と比較することを含む。ここで洗濯は、追加的な汚れ(soil)を付し、及び清浄システムで推奨される使用量より少ない量を用いて実施される。
【0074】
本発明の試験方法は、従来の方法の場合より更に厳しい条件で実施され、そのため試験される組成物間での違いがより大きく出ることとなる、より感度が大きい試験であることが判る。その結果、厳しい条件下で有用な組成物を同定することができる。
【0075】
追加的な汚れには、好都合なことに標準的汚れ、例えば、WFK Testgewebe GmbHのwfk SBLシートを含むものである。
【0076】
本清浄システムでは推奨量の半分、例えば、110gに代えて55gを使用するのが望ましい。
【0077】
清浄システムは洗濯粉、又は洗濯液を含み、好ましくは香料を含まないのが良い(試験用の組成物を除く)。
【0078】
悪臭の低減は、好ましくは訓練された知覚評価者(sensory evaluator)によりアセスされるのが良い。
【0079】
繊維は望ましくは、例えば、適切に選定された参加者が着衣した試験生地の腋窩臭の様な標準の悪臭が付着しているのが良い。
【0080】
本発明は更に、説明のため以下の実施例において具体的に示される。
【0081】
実施例
実施例1 洗濯による悪臭低減試験(Laundry Malodour Reduction Test (LMRT))
この試験では、提供されたシャツの腋窩部分に挿入され、参加者(panellist)により着衣された試験繊維サンプルが清浄システムで洗濯された後に、訓練された知覚評価者により感知される悪臭の低減度合いが評価される。
【0082】
選択される洗濯システムに応じ、試験は二つの異なったモードにより行われることもある。従来の「クリーン システム」(Clean System)モードでは、洗うプロセス(wash process)は以下の手順で詳細に述べる様に、市場で入手可能な香料未使用の洗濯粉を使って洗濯処理(laundry treatment)される前に、参加者が一作業日に着衣した試験用繊維サンプルを標準的に洗う(wash)こと含む。本出願で用いられる「汚れシステム」(Soiled System) モードでは、洗う(wash)ことには、市場で入手可能な汚れ片(以下に述べるwfk SBL)により提供される標準的汚れを含み、より低濃度の洗濯粉(機械1台当たり110g に代えて55gを使用)を用いることを含む。これらの違いを除いては「汚れシステム」の手順は「クリーン システム」での洗う(wash)場合と同じである。双方のケースで、香料を含まないコントロールと比べた悪臭低減に対する効果を決定するために、洗濯粉は試験に用いる香料組成物を含むこともある。
【0083】
パネルの選択(Panel Selection)
パネルは、専門的な臭い評価者により選択された、臭いが異常に弱く、又は両方の腋窩部間で不均衡でない基準腋窩臭を持つ約50人の被験者よりなる。被験者は、彼らの腋窩臭の生成を標準化するために多くの制限事項を遵守することが求められる;カレー及びニンニク等の香辛料の入った、香りの強い食品を取ることは禁ぜられ、試験中は水泳をしない様に求められる。また、参加者(panellist)は試験に参加する場合にはアフターシェイブを含めて、香料又は香料を含む化粧品を使用しない様求められる。
【0084】
参加者は、常時自分の使用している腋窩臭用製品の使用を禁止される。すべての参加者は、各週の試験開始時に発汗抑制剤を使っていなかったか定期的にチェックされ、スクリーンされる。参加者は試験中腋窩部分を洗うことは許されない。参加者は家庭での使用に非消臭性棒石鹸が与えられ、試験と試験の間、週末及び休日用として、偽アルコール性消臭エアロゾル及びアフターシェイブが与えられる。新しく参加者になった人にはガイダンスメモが配布される。新しい参加者は、彼らの基準の腋窩臭レベルをスクリーンするために少なくとも2週間偽治療が施される。皮膚疾患を患い、皮膚過敏症の症状を示し、又は薬物療法をうけている被験者はパネルから除かれる。
【0085】
参加者の清浄(Washing of the Panellist)
参加者が支給されたシャツを着用する前に,評価者は腋窩部を香料を使用していない石鹸で洗う。湿ったフランネルに通常10秒間石鹸を湿し、腋窩部を通常15秒間フランネルで清浄し、その後水濯ぎをしたフランネルで拭き、紙タオルで拭き取る標準的な洗浄技術を用いる。各参加者の各腋窩部を別々のフランネルで拭く。フランネルは一掴みの粉末を使用して95℃で洗浄され、完全に乾燥させる。
【0086】
試験の手順−繊維の準備、洗濯工程等(Test Procedure −Fabric Preparation Laundering Operations, etc.)
試験の間、参加者は繊維製品の防臭試験の必須の部分として、シャツを支給される。参加者は香料の入っていない通常の欧州製洗濯粉で洗濯されたポリコットンのシャツを着衣する様指示される。この洗濯粉は約10%の陰イオン界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、20−30%の炭酸ナトリウム、及び5−10%の過酸化物(例えば、過炭酸ナトリウム)プラス、任意選択的に少量の非イオン性界面活性剤、キレート剤、過酸化物活性剤、酵素及び染料の様な補助剤を含む。
【0087】
シャツは各洗濯機1台当たりシャツ10枚、乾燥機1台当たり5枚の割で、欧州製の洗濯機を使い、ある規定の量の、香料を含まない洗濯粉用い40℃で洗濯して準備される。試験用繊維サンプルは100%綿のシート繊維であり、各々のサイズは約35cm x 25cm, 及び重量12.5gであり、バランスの取れた不完全ランダムデザインの試験用布として選択される。すべての繊維片は洗濯粉で事前に洗濯され、乾燥され、及び予定される試験用に処理されたことを示すラベルが貼られる。試験用繊維サンプルはシャツの腋窩部分に挟み込まれ(両面テープを使用)、次の作業日に参加者が着衣する様準備される。
【0088】
シャツは、挟み込まれた試験繊維サンプルを含み、一作業日に参加者が着用する。繊維サンプルはその後、取り外されて、上に述べた「汚れシステム」(Soiled System)、すなわち、汚れを追加し、試験用の洗濯粉の量を減らした(55g)条件で洗濯処理される。試験用の洗濯粉は、上で検討した試験される香料組成物を含め、香料を含まない洗濯粉を通常重量で0.3%の濃度で含み、通常の方法で混合される。参加者の人数にも依るが、各洗濯粉は異なる香料組成物を含むものであるが、通常最大5つの異なる洗濯粉が同時に試験される。
【0089】
試験実施員は、欧州製の洗濯機を用いて試験繊維サンプルの洗濯作業を40℃で行い、続いて試験繊維サンプルを約2時間自然乾燥させる。各洗濯作業では、少なくとも20の試験繊維サンプルよりなり、綿繊維を追加する場合洗濯負荷を1回当たり1kgまでに増やすことができる。「汚れシステム」(Soiled System)試験では、以下に述べる様に、一つの汚れた布(soiled cloth)も、各製品の試験の洗濯負荷に含まれる。汚れた布は'wfk SBL’シートであり、8gの汚れを含む綿汚れバラスト繊維であり、WFK Testgewebe GmbHにより製造される。汚れた布は使用されるまで冷蔵保存される。
【0090】
wfk SBL繊維の汚れバラストの内訳は以下の通りである:
20% タンパク質(卵白粉末)
15% 澱粉(コーン澱粉)
15% カオリン
15% 塩(NaCl)
10% 植物油(Olio Extra Vergine di Oliva)
6% Emulgator (Uniperol 分散剤, BASF)
5% Pigment Carpet Soil 'wfk 09W (カオリン55%、石英43%、すす1.5%、
黒酸化鉄(Eisenoxid Schwarz)0.5%)
5% 鉱物油
5% 尿素(合成)
4% 塩化カルシウム
評価 (Evaluation)
使用された試験繊維サンプルが洗濯され、乾燥された後に、折り畳まれ、コードを付したバッグに40分入れられる。サンプルは熟練した知覚評価者により評価される。各熟練した評価者(最低3名、望ましくは5名以上)は臭いの強さによりゼロから2までの点数を割り振る。評価者は使用された製品、又は他の評価者の評価結果については知らされないで作業をする。評価者は点数を記録するが、パームVの様な手持ち型コンピュータに記録するのが便利である。
【0091】
統計分析(Statistical Analysis)
参加者のデータは多変量解析,例えば、SAS Instituteのソフトウエアセットを用いて解析される。処理した結果の差は保護t-testを用いて評価される。データは当初LMRT悪臭得点として提示され、そして、これは香料を含まない粉末の得点と対比した悪臭の低減%に「換算」され得る。
【0092】
香料組成物の更に拡大した試験は上記の手順を用いて実施され、LMRT悪臭得点が「汚れシステム」を用いて決定された。試験の結果は驚くほどの調剤効果を示すパターンとなった。これらの結果を以下に示す。これらの試験では、香料未使用のコントロールはLMRT悪臭得点が約1.8から2.0であり、従来技術の香料はLMRT悪臭得点が約0.8から1.4を示す結果となった。本発明での典型的な香料組成物ではLMRT悪臭得点が0.8未満である。
【0093】
「クリーンシステム」モードで実施された同等の試験では、試験された香料組成物間の差はより低いレベルのものであり、更に厳しい状況下で有用な組成物を同定する能力は低いものとなった。
【0094】
実施例2:臭い閾値比較試験(Odor Threshold Comparison Test (OTCT))
本試験の目的は試験材料の臭い閾値が、標準琥珀材料1-(2, 3, 8, 8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン(1-(2, 3, 8, 8-tetramethyl-1 ,2,3,4,5,6,7,8- octahydronaphthalen-2-yl)ethanone)のものより高いか、低いか又は同じであるか否かを決定することである。各化合物のある範囲の、一連の希釈液が、標準の琥珀が検知されない低濃度から始まり、並行して準備される。希釈液は、化学的に適合性があり、試験用に安全であり、又臭いがないか、臭いが非常に低い適当な希釈剤を用いて作ることが必要である。フタル酸ジエチル(diethyl phthalate (DEP))の様な材料が適当である。
【0095】
典型的な例として、9つの濃度を持った各化合物2セットがジャーに準備された。これらのシリーズは濃度の上昇順に2列に配置された。参加者は、上部空間の臭いを嗅ぐことにより、ある一つの材料を検知することができた点を明確にする。もしパネルの評価者の50%を超える人により検知された最初の材料である場合は、その琥珀材料は、グループA材料であるとして分類され、そうでなければ、グループBに属するものと分類される。もし検知される臭いがない場合は、試験は更に高い濃度から繰り返される。
【0096】
実施例3以降
以下の悪臭低減組成物の実施例においては、更に本発明の範囲に属する実施の形態を示す。これらの実施例は説明のためにのみ記載されるものであり、本発明を限定するものと解してはならない。
【0097】
量は重量%を示し、組成物の全重量に対するものである。各ケースで用いられる希釈剤はジプロピレン グリコールである。
【0098】
括弧の表示は以下を意味する:
(A)=グループA琥珀材料
(B)=グループB琥珀材料
(F)=果実材料
(Q)= Quest International
(FI)= Firmenich
(G)= Givaudan SA
(H)= Henkel
(IFF)= International Flavors and Fragrances Inc.
(K)=Kao
実施例4
BANGALOL(Q) 8.33
BOURGEONAL(Q) 8.33
ダマスコン デルタ
(DAMASCONE DELTA) 1.67 (F)
オイゲノール
(EUGENOL) 8.33
ISO AMBOIS(Q) 16.67 (B)
NECTARYL (G) 8.33 (F)
DILUENT(希釈液) 48.33
LMRT score = 0.33
実施例5
BOURGEONAL (Q) 8.33
CETALOX (FI) 1.67(A)
ゲラニル ニトリル
(GERANYL NITRILE) 8.33
インターレーベン アルデヒド
(INTERLEVEN ALDEHYDE) 1.67
リリー アルデヒド
(LILY ALDEHYDE) 16.67
2,7-ジメチル-10-(1-メチルエチル)-1-オキサスピロ[4.5]デカ-3,6-ジエン
(2,7-DIMETHYL-10-(1-METHYLETHYL)-1-OXASPIRO[4.5]DECA-3,6-DIENE) 1.67(F)
DILUENT (希釈液) 61.67

LMRT score = 0.15
実施例 6
メチル イオノン アルファ イソ
(METHYL IONONE, ALPHA ISO) 16.67
ALICATE(Q) 16.67(F)
1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol
1-[2-(1,1-DIMETHYLETHYL)CYCLOHEXYLOXY]BUTAN-2-OL 16.67(B)
CETALOX(FI) 1.67(A)
フルイテート
(FRUITATE) 1.67(F)
カラナル
(KARANAL) 1.67 (A)
DILUENT (希釈液) 45
LMRT score = 0.30
実施例 7
ETHYL SAFRANATE(Q) 1.67(F)
GYRANE(Q) 8.33
ISO AMBOIS(Q) 16.67(B)
JASMACYCLENE(Q) 16.67(F)
LILIAL(G) 16.67
MUSK R1(Q) 1.67
DILUENT (希釈液) 38.33
LMRT score = 0.25
実施例 8
メチル イオノン アルファ イソ
METHYL IONONE, ALPHA ISO 16.67
アルデヒド MNA
(ALDEHYDE MNA) 1.67
CYCLISONE(Q) 16.67(A)
ISO AMBOIS(Q) 16.67(B)
LABIENONE OXIME(G) 1.67(F)
シルバノン M
(SILVANONE M)16.67
DILUENT (希釈液) 30

LMRT score = 0.57
実施例 9
2-メトオキシエトオキシシクロドデカン
(2-METHOXYETHOXYCYCLODODECANE) 8.33 (B)
シクロペンタデカノリド
(CYCLOPENTADECANOLIDE) 8.33
ダマスコン デルタ
(DAMASCONE DELTA) 1.67(F)
FLOROCYCLENE(Q) 16.67(F)
リューバフラン
(RHUBAFURAN) 1.67
トリデセンニトリル
(TRIDECENENITRILE) 1.67
DILUENT(希釈液) 1.67
LMRT score = 0.42
実施例10
CETALOX Fl) 1.67 (A)
オイゲノール
(EUGENOL) 8.33
FRUTONILE(Q) 8.33 (F)
JASMACYCLENE(Q) 16.67 (F)
LABIENONE OXIME(G) 1.67 (F)
メチル ジヒドロジャスモネート
(METHYL DIHYDROJASMONATE) 16.67
DILUENT (希釈液) 46.67
LMRT score = 0.48
実施例11
BANGALOL(Q) 8.33
CYCLISONE(Q) 16.67(A)
DYNASCONE(FI) 1.67
インターレーベン アルデヒド
(INTRELEVEN ALDEHYDE) 1.67
JASMATONE(Q) 8.33(F)
メチル ジヒドロジャスモネート
(METHYL DIHYDROJASMONATE) 16.67
DILUENT (希釈液) 46.67
LMRT score = 0.45
実施例12
メチル イオノン アルファ イソ
METHYL IONONE, ALPHA ISO 16.67
アリル シクロヘキシル プロピオン酸
(ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE) 16.67(F)
サリチル酸ベンジル
(BENZYL SALICYLATE) 16.67
CETALOX (FI) 1.67(A)
エチレン ブラシレート
(ETHYLENE BRASSYLATE) 8.33
オイゲノール
(EUGENOL) 8.33
DILUENT(希釈液) 31.67
LMRT score = 0.66
実施例13
ANTHER (Q) 8.33 (F)
5,5,8,13-テトラメチル-14,16-ジオキサテトラシクロ[11.2.1.01,10.04,9]ヘキサデカン
(5,5,8,13-TETRAMETHYL-14,16-DIOXATETRACYCLO
[11.2.1. 01,10.04,9] HEXADECANE) 1.67 (A)
CETALOX(FI) 1.67 (A)
ダマスコン デルタ
(DAMASCONE DELTA) 1.67 (F)
フェニルエチル フェニル酢酸
(PHENYLETHYL PHENYLACETATE) 16.67
シルバノン M
(SILVANONE M) 16.67
DILUENT (希釈液) 53.33
LMRT score = 0.53
実施例14
アリル シクロヘキシル プロピオン酸
(ALLYL CYCLOHEXYL PROPIONATE) 16.67(F)
BOURGEONAL(Q) 8.33
CYCLISONE(Q) 16.67(A)
イオノン ベータ
(IONONE BETA) 8.33
JASMACYCLENE(Q) 16.67(F)
ヤラ
(YARA) 8.33
DILUENT(希釈液) 25
LMRT score = 0.45
実施例 15
CETALOX (Fl) 1.67 (A)
ELINTAAL(Q) 8.33
FLOROCYCLENE(Q) 16.67(F)
ISO AMBOIS(Q) 16.67(B)
JADENOL(Q) 8.33
JASMATONE(Q) 8.33(F)
DILUENT (希釈液) 40
LMRT score = 0.36
実施例16
1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol
(1-[2-(1, 1-DIMETHYLETHYL)CYCLOHEXYLOXY]BUTAN-2-OL) 16.67 (B)
2-メトオキシエトオキシシクロドデカン
(2-METHOXYETHOXYCYCLODODECANE) 8.33(B)
サリチル酸ベンジル
(BENZYL SALICYLATE) 16.67
ISO AMBOIS 16.67 (B)
2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニール)ブタンアミド
(2-ETHYL-N-METHYL-N-(3-METHYLPHENYL)BUTANAMIDE) 8.33 (F)
SILVANONE M 16.67
DILUENT (希釈液) 16.67
LMRT score = 0.63
実施例17
BOURGEONAL(Q) 8.33
クマリン
(COUMARIN) 8.33
CYPRISATE(Q) 8.33
ダマスコン デルタ
(DAMASCONE DELTA) 1.67(F)
ISO AMBOIS(Q) 16.67(B)
KARANAL(Q) 1.67(A)
DILUENT (希釈液) 55
LMRT score = 0.55
実施例18
5,5,8,13-テトラメチル-14,16-ジオキサテトラシクロ[11.2.1.01,10.04,9]ヘキサデカン
(5,5,8,13-TETRAMETHYL-14,16-DIOXATETRACYCLO[11.2.1.01,10.04,9] HEXADECANE) 1.67 (A)
ETHYL SAFRANATE (Q) 1.67 (F)
オイゲノール
(EUGENOL) 8.33
ムスカ MC4
(MUSK MC4) 16.67
NECTARYL(G) 8.33 (F)
ヤラ
(YARA) 8.33
DILUENT(希釈液) 55
LMRT score =0.79
実施例19
サリチル酸アミル
(AMYL SALICYLATE) 16.67
CETALOX(FI) 1.67(A)
CYPRISATE(Q) 8.33
ETHYL SAFRANATE(Q) 1.67(F)
2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニール)ブタンアミド
(2-ETHYL-N-METHYL-N-(3-METHYLPHENYL)BUTANAMIDE) 8.33(F)
ROSSITOL(Q) 8.33
DILUENT(希釈液) 55
LMRT score = 0.39
実施例20
ALICATE(Q) 16.67(F)
AQUANAL(Q) 8.33
ビシクロノナラクトン
(BICYCLONONALACTONE) 1.67
ISO AMBOIS(Q) 16.67(B)
MOSS OAKMOSS SYNTHETIC 1.67
RHUBAFURAN(Q) 1.67
DILUENT (希釈液) 53.33
LMRT score = 0.53
実施例21
2-メトオキシエトオキシシクロドデカン
(2-METHOXYETHOXYCYCLODODECANE) 8.33 (B)
サリチル酸アミル
(AMYL SALICYLATE) 16.67
CETALOX(FI) 1.67(A)
クマリン
(COUMARIN) 8.33
HABANOLIDE(FI) 16.67
PIVACYCLENE(Q) 8.33(F)
DILUENT (希釈液) 40
LMRT score = 0.47

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実ノートを含む一以上の材料を重量で少なくとも1%、及び琥珀ノートを含む少なくとも一つの材料を重量で少なくとも0.5%含み、以下のグループA及び/又はグループBから選択される香料組成物であり、前記組成物中の琥珀ノートを含む材料と果実ノートを含む材料の合計は、もしグループBの琥珀材料が存在しない場合は、重量で少なくとも約3%であり、またはグループAの琥珀材料が存在しない場合は、重量で少なくとも約25%であり、及びグループAとグループBの各々の材料が少なくとも0.1%w/w量存在し、琥珀材料と果実材料の合計が重量で少なくとも3%であり、グループAの全重量%、WA
は0.5%以上あり、又はWAが0.5%未満の場合、琥珀及び果実材料の合計は重量で少なくとも3+22*(0.5−WA)%であり、;グループAは1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン
(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-2-yl)
ethanone)の臭い閾値よりも低い臭い閾値を持つ琥珀ノートを持つ材料を含み、グループBは1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン
(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1 ,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-2-yl)ethanone)の臭い閾値と等しい、又は高い閾値を持つ琥珀ノートを持つ材料を含み;及び、また組成物中の琥珀ノートを持つ材料と果実ノートを持つ材料の重量比率が約1:30から30:1である、
前記香料組成物。
【請求項2】
琥珀材料と果実材料の前記重量比率が1:30から10:1である請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
琥珀材料と果実材料の前記重量比率が1:10から3:1である請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
琥珀ノートを持つ材料と果実ノートを持つ材料の合計が重量で少なくとも10%、好ましくは重量で少なくとも20%、より好ましくは重量で少なくとも30%ある請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
琥珀ノートを持つ材料と果実ノートを持つ材料の合計が重量で少なくとも50%あり、及びグループAの琥珀材料が存在しない請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
琥珀ノートを持つ少なくとも一つの芳香材料が、以下の化合物よりなるグループから選択される請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物;
1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン
(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-2-yl)ethanone)
2-メトオキシエトオキシシクロドデカン
(2-Methoxyethoxycyclododecane)
2-(2,4-ジメチルシクロヘキサ-3-en-1-yl)-5-メチル-5- (1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン
(2-(2,4-dimethylcyclohex-3-en-1-yl)-5-methyl-5-(1-methylpropyl)-1,3-dioxane),
3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-{b}]フラン
(3a,6,6,9a-tetramethyldodecahydronaphtho[2,1-{b}]furan)、
1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol
(1-[2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyloxy]butan-2-ol )、
5,5,8,13-テトラメチル-14,16-ジオキサテトラシクロ[11.2.1.01,10.04,9]ヘキサデカン
(5,5,8,13-tetramethyl-14,16-dioxatetracyclo[11.2.1. 01,10.04,9]hexadecane
)、
3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-{b}]フラン
(3a-Ethyl-6,6,9a-trimethyldodecahydronaphtho[2,1-{b}]furan)、
2-シクロドデシル-プロパン-1-ol
(2-(cyclododecyl)-propan-1-ol )
メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9 シクロドデカトリン-1-yl ケトン
(Methyl 2,6,10-trimethyl-2,5,9 cyclododecatriene-1-yl ketone)
1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-3ヘキサノール
(1-(2,2,6-trimethylcyclohexyl)-3 hexanol)
2,6,6,8-テトラメチル-8-(メチルオキシ)トリシクロ[5.3.1.01,5]アンデカン
(2,6,6,8-tetramethyl-8-(methyloxy)tricyclo[5.3.1.01,5]undecane)、
1,5,7-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン
(1,5,7-trimethyl-13-oxabicyclo[10.1.0]trideca-4,8-diene)、
{[(エチロオキシ)メチル]オキシ}シクロドデカン
({[(ethyloxy)methyl]oxy}cyclododecane) 、及び
2,4-ジメチル-2-(1,1,4,4-テトラメチルテロラリン-6-yl)-1 ,3-ジオキソラン
(2,4-dimethyl-2-(1,1,4,4- tetramethyltetralin-6-yl)-1 ,3-dioxolane)。
【請求項7】
琥珀ノートを持つ少なくとも一つの芳香材料が、以下のものよりなるグループから選択される請求項6に記載の組成物;
1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-yl)エタノン
(1-(2,3,8,8-tetramethyl-1,2,3,4,5,6,7,8-octahydronaphthalen-2-yl)ethanone)
3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-{b}]フラン
(3a,6,6,9a-tetramethyldodecahydronaphtho[2,1-{b}]furan)、
1-[2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシルオキシ]ブタン-2-ol
(1-[2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyloxy]butan-2-ol )、
5,5,8,13-テトラメチル-14,16-ジオキサテトラシクロ[11.2.1.01,10.04,9]ヘキサデカン
(5,5,8,13-tetramethyl-14,16-dioxatetracyclo[11.2.1. 01,10.04,9]hexadecane)及び
メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9 シクロドデカトリン-1-yl ケトン
(Methyl 2,6,10-trimethyl-2,5,9 cyclododecatriene-1-yl ketone) 。
【請求項8】
果実ノートを持つ少なくとも一つの芳香材料が、以下のものよりなるグループから選択される請求項1乃至7のいずれか1項に記載の組成物;
ジイソブチル カルビニル酢酸
(Di-isobutyl carbinyl acetate)、
アリル シクロヘキシル プロピオン酸
(Allyl Cyclohexyl Propionate)
フェニルエチリル イソアミル エーテル
(Phenylethyl isoamyl ether)、
(2E)-1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-3-en-1-yl)but-2-en-1-one
((2E)-1-(2,2,6-trimethylcyclohex-3-en-1-yl)but-2-en-1-one)
ジメチル ベンジル カルビニル酢酸
(Dimethyl benzyl carbinyl acetate)
エチル 2,6,6-トリメチルシクロヘクサ-1,3-ジエン-1-カルボキシレート
(Ethyl 2,6,6-trimethylcyclohexa-1,3-diene-1-carboxylate)、
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-δ-ylプロピオン酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6]dec-4-en-δ-yl propanoate)
δ-デカラクトン
(δ-Decalactone)
γ-デカラクトン
(γ-Decalactone)
2-(1,1-ジメチルエチル)シクロヘキシル 酢酸
(2-(1,1-dimethylethyl)cyclohexyl acetate)、
γ-ドデカラクトン
(γ−Dodecalactone)
δ-ドデカラクトン
(δ-Dodecalactone)
γ-アンデカラクトン
(γ-Undecalactone)
δ-アンデカラクトン
(δ−Undecalactone)
エチル トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-2-カルボン酸
(Ethyl tricyclo[5.2.1.02,6]decane-2-carboxylate)、
2-メチルデカンニトリル
(2-Methyldecanenitrile)
トリリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl イソ酪酸エステル
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl isobutyrate)、
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl 酢酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl acetate)、
2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニール)ブタンアミド
(2-Ethyl-N-methyl-N-(3-methylphenyl)butanamide)、
2-ヘキシルシクロペンタノン
(2-Hexylcyclopentanone)、
2,4,4,7-トリメチル-6,8-ノナジエノン オキシム
(2,4,4,7-Trimethyl-6,8-nonadienone oxime),、
2-[2-(4-メチルシクロヘキサ-3-en-1-yl) プロピル]シクロペンタノン
(2-[2-(4-methylcyclohex-3-en-1-yl)propyl]cyclopentanone)、
2,7-ジメチル-10-(1−メチルエチル)-1−オキサスピロ [4.5]デカ-3,6-ジエン、
(2,7-dimethyl-10-(1 -methylethyl)-1 -oxaspiro[4.5]deca-3,6-diene)及び
トリシクロ[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-ジメチルプロピオン酸、
(tricyclo[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-dimethylpropanoate)。
【請求項9】
果実ノートを持つ少なくとも一つの芳香材料が、以下のものよりなるグループから選択される請求項8に記載の組成物。
(2E)-1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキサ-3-en-1-yl)but-2-en-1-one
((2E)-1-(2,2,6-trimethylcyclohex-3-en-1-yl)but-2-en-1-one
エチル 2,6,6-トリメチルシクロヘクサ -1,3-ジエン-1-カルボキシレート
(Ethyl 2,6,6-trimethylcyclohexa-1,3-diene-1-carboxylate
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-δ-ylプロピオン酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6]dec-4-en-δ-yl propanoate
γ-アンデカラクトン
(γ-Undecalactone)
2-メチルデカンニトリル
(2-Methyldecanenitrile)
トリリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl イソ酪酸エステル
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl isobutyrate)、
トリシクロ[5.2.1.02,6]dec-4-en-8-yl 酢酸
(Tricyclo[5.2.1.02,6] dec-4-en-8-yl acetate)
2-エチル-N-メチル-N-(3-メチルフェニール)ブタンアミド
(2-Ethyl-N-methyl-N-(3-methylphenyl)butanamide)、
2-[2-(4-メチルシクロヘキサ-3-en-1-yl) プロピル]シクロペンタノン
(2-[2-(4-methylcyclohex-3-en-1-yl)propyl]cyclopentanone)、
2,7-ジメチル-10-(1−メチルエチル)-1−オキサスピロ [4.5]デカ-3,6-ジエン
(2,7-dimethyl-10-(1 -methylethyl)-1 -oxaspiro[4.5]deca-3,6-diene)及び
トリシクロ[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-ジメチルプロピオン酸、
(tricyclo[5.2.1.02,6] dec-3-en-8-yl 2,2-dimethylpropanoate)。
【請求項10】
果実ノートを持つ少なくとも二つの材料を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
琥珀ノートを持つ一以上の材料を重量で少なくとも8%、果実ノートを持つ少なくとも二つの材料を重量で少なくとも10%含む請求項1乃至10いずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の組成物を含む消費者用製品。
【請求項13】
前記消費者用製品中の琥珀ノートと含む材料と、果実ノートを含む材料の合計が重量で0.001% から5%の範囲であり、好ましくは0.01%から1%の範囲である請求項12に記載の消費者用製品。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の組成物、又は製品を気質又は空間に適用すること含む悪臭を低減又は防ぐ方法。
【請求項15】
悪臭を低減又は防ぐための請求項1乃至14のいずれか1項に記載の組成物、又は用製品の使用方法。
【請求項16】
洗浄システムで洗濯した後繊維の悪臭を低減させる組成物の効果を試験する方法であって、試験用の組成物を含む清浄システムで試験用繊維を洗濯すること、悪臭の低減を評価すること、及びその結果を、試験用の組成物を使用しないコントロール清浄システムで洗濯することにより得られる結果と比較することを含み、前記の洗濯は追加の汚れの存在下で清浄システムでの推奨投与量より少ない投与量を用いて実施される前記試験方法。

【公表番号】特表2007−533815(P2007−533815A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508975(P2007−508975)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001560
【国際公開番号】WO2005/103214
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504078442)クエスト・インターナショナル・サービシーズ・ビー・ブイ (6)
【Fターム(参考)】