説明

香水を調合するための複数のインタラクティブ型端末を備えるシステム内で香水を調製する方法および複数の端末とデータをやり取りするように構成されているサーバー

本発明は、香水を調合するための複数のインタラクティブ型端末を備えるシステム内で香水を調製する方法および複数の端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーに関し、この方法において、第1の端末は調合をサーバーに伝送し、第1の端末によって伝送される調合に対応する定義済みの量の香水が、サーバーからの命令に基づいて製造されパッケージされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香組成物(fragrant compositions)、特に香水用組成物(perfumed compositions)の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
混合すべきものとして選んださまざまなエッセンシャルオイルを混合することを可能にする装置を使用して、香水を作るための「専門家」ソリューションが存在する。したがって、これらの装置は、調合に組み込みたい材料の計量および混合をもはや手作業で行う必要がないため、専門家の作業を軽減するものである。
【0003】
香水に詳しくないユーザーでもこれらの装置を取り扱えるとは思われるが、その結果は満足の行くものとはいえない。ユーザーは、たちまち忘れてしまい、自分の好きな香水を作ることに成功しない。さらに、これらの装置の、高度なものであることで正当化される大きさと価格により、個人の使用が非常に難しく、したがってそれを使うことは専門家に制限される。
【0004】
これらの装置を簡略化したうえでそのようなソリューションを一般大衆に移転することが考えられたかどうかについて質問を受けたことがある。実際、そのようにしても、エクササイズが簡単になるわけではなく、ただ単に手段を制限するだけであるため問題はさらに困難になる。
【0005】
ユーザーが自分独自の混合を行うソリューションが探し求められてきた。実際、ユーザーが、材料の重さを量り、材料を混合する際に助けとなるヒントを求めて装置を適宜使用しつつ、さまざまなエッセンシャルオイルを混合することを妨げるものは何もない。ユーザーが探し求めている嗅覚ノートを簡単に得ることにユーザーが成功しないため、これらのソリューションは満足なものではないことが知られている。ユーザーは、自分が心地よいと感じるノートを得ることができるが、それをどのように改善したらよいのか知らないことがときどきある。
【0006】
ユーザーは、このエクササイズに集中したいのであれば、多くの組合せを試し、トライアルの回数で自分の無経験を補うことができる。この場合、ユーザーは、エッセンシャルオイルおよび材料を無駄にしないために、毎回わずかな量を使用して試験混合を実行する。混合の結果、ユーザーが好みに合っていると考えるソリューションを得るのに成功した場合、ユーザーが実行したさまざまな混合操作を思い起こすこと、したがってそれを再現することはユーザーにとって困難なことである。したがって、ユーザーは、自分が好むが、すぐに使い果たしてしまう混合物を、一般的には少量だけ調製している。ユーザーは、完全に使い果たしたときに、混合物を大量に再現することに成功しなくていらいらすることになる。熱心な人々はこのアプローチを好む場合があるが、一般に、ユーザーには時間がなく、またエクササイズは退屈で、物になりそうにないので、たちまち諦めてしまう。
【0007】
例えば、米国特許第7.152.758号B2において、混合物を生産するのに役立ついくつかの装置が説明されている。これらの装置は、エッセンシャルオイルの重さを量り、混合するためのオーダーを受け取り、それらを実行することを目的とするものである。これは、このような作業が厄介な仕事である場合があるため1つの進歩である。しかし、そのソリューションは、ユーザーが自分の混合物を作成し、改善する方法を知らないため、適切でないことが判明している。多数のトライアルを実行することによって、ユーザーは、自分の好む混合物を得ることができると考えてよい。残念なことに、嗅覚器官の飽和効果によって、多数のトライアルを実行するというアイデアはほとんど考えられない。このアプローチでは、注目すべきものとして保持されている、特に大量の、混合物の再現の問題は解決しない。
【0008】
中間のソリューションを試みた。例えば、個人が、専門家に個人の香水を作ることをお願いする。そこで、個人は、自分の望む香水を表現するように求められ、専門家は、その個人の願いを理解しようと試みる。しかし残念なことに、一般にこのアプローチではうまくいかない、専門家による解釈の余地が残る。さらに、専門家が費やす時間があるため費用が非常に高くつく。ユーザーは、専門家の創作を受け取り、一般に、それがユーザーの望みに対応していないことを認識する。
【0009】
一変更形態において、個人は、1つまたは複数の質問に答えることによって専門家に助言しなければならない。これには、質問を受けた個人による解釈の余地が残るが、それは、質問を常に正確に理解しているわけではないからである。ここでもまた、このようなアプローチは成功していない。
【0010】
面と向かったコンタクト(例えば、ワークショップで)であろうと、電話もしくはインターネット経由のコンタクトであろうと、ユーザーの願望の表現を解釈するという大きな課題は変わらない。
【0011】
フランス特許出願第2 854 253号では、ディフューザを制御するアプリケーションがディフューザに物質が不足している場合にユーザーに警告し、適切であれば、必要な物質をディフューザに配設するか、またはオーダーするようユーザーに勧めることを可能にするフレグランスディフューザをオーダーするための設備を開示している。
【0012】
米国特許出願第2004/0235430号、米国特許出願第2006/0062408号、および米国特許出願第7 310 539号では、端末のユーザーの連絡先にすでに関連付けられているフレグランスを、この連絡先からの呼び出しがあったときに散布するように構成されている携帯電話を開示している。
【0013】
米国特許第2004/0204043号では、別の端末とフレグランスメッセージを交換し、その後、SMSと同様にして、受信されたメッセージを伝達するように構成された端末を開示している。この端末は、インターネットサイトから調合をダウンロードし、それを端末に伝達するようにさらに構成されうる。
【0014】
国際公開第2004/043502号では、マイクロコントローラ、リザーバー内に収容されている物質を識別する情報を符号化して持つリザーバー、およびこの情報を読み取るためのユニットを備える香水散布端末を開示している。
【0015】
ドイツ特許出願第199 38 405号では、ユーザーが香水を調合して製造することを可能にするユーザーインターフェイスおよび小容積のリザーバーと大容積のリザーバーとをいくつか備える端末を開示している。ユーザーは、小容量のリザーバーを使用することによって香水を少量だけ製造し、次いで、その香水が気にいった場合に、その同じ端末の助けを借りて、より大容量のリザーバーの助けを借りて香水を大量に製造することができる。
【0016】
要約すると、出願人の知る限りにおいて、1つまたは複数の種類の香水を、効果的に、迅速に、かつ実用的に生産するか、または作るか、または香調を変えることを可能にするソリューションは知られていない。
【0017】
したがって、個人が自分の好む香水を得るソリューションは、以前と同様、その個人がショップで提供される選択で済ませることのみである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許第7.152.758号B2明細書
【特許文献2】フランス特許出願第2 854 253号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2004/0235430号明細書
【特許文献4】米国特許出願第2006/0062408号明細書
【特許文献5】米国特許出願第7 310 539号明細書
【特許文献6】米国特許第2004/0204043号明細書
【特許文献7】国際公開第2004/043502号明細書
【特許文献8】ドイツ特許出願第199 38 405号明細書
【特許文献9】フランス特許出願第2 905 568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、従来技術の短所の全部または一部を改善することを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の例示的な実施形態は、香水を調合するための複数のインタラクティブ型端末と、前記複数の端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーとを備えるシステム内で香水を調製する方法を実現し、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にするいくつかの芳香物質と、
端末からこれらの芳香物質のうちの選択された1つの物質を分注するための分注手段と、
端末のユーザーが香水の調合を端末から考案し、選択し、および/または修正することを可能にする、この調合が組み合わされる芳香物質のリストからなる、ユーザーインターフェイスと、
ネットワークインターフェイスであって、端末が
サーバーと通信して後者に調合を伝送し、および/または
サーバーから、端末上で利用可能な芳香物質に基づいて、または端末上に適宜配設されうる芳香物質に基づいて端末上で再現可能な調合を記述するデータを受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
その方法において、
第1の端末は、調合をサーバーに伝送し、
第1の端末によって伝送された調合に対応する定義済みの量の香水が、サーバーからの命令に基づいて製造され、パッケージされる。
【0021】
「パッケージされる」という表現は、例えばガラス製、プラスチック製、または金属製の漏れ防止された容器内に収容されることを意味すると理解されるべきであり、これにより、製造された香水を少なくとも2週間、より好ましくは1ヶ月、より好ましくは2ヶ月間保存することができる。容器は、例えば、1mLから2000mLまでの範囲の容積、または典型的には、20mLから250mLまでの容積を有する。
【0022】
本発明は、化粧品、洗剤などの他の流体、さらには衣類、用紙、または包装材料などの固体物品において製造される香水のパッケージングにも応用される。
【0023】
本発明により、ユーザーが、たとえ香水についての知識を持たなくても、自分の1つまたは複数の種類の香水を得、改善することが可能になるという意味で、1つまたは複数の種類の香水を、実用的な方法で、効果的に、どこででも、生産するか、または作るか、または香調をととのえることが可能になる。
【0024】
さらに、本発明には、他の利点、例えば、保持している調合を再現することを可能にする、他の人々から調合を受け取る、他の人々と香水をやり取りする、香水について独学する、香水を作ることまたは嗅覚ノートの認識および表現に適合させるという利点を示しうる。
【0025】
芳香物質、分注手段、ユーザーインターフェイス、およびネットワークインターフェイスを1つの同じ端末内にグループ化することができ、この端末は複数の相互に離れた場所にある装置と異なっており、また有線もしくは非有線リンクを介して通信する。
【0026】
本発明により、例えば、端末のユーザーの観点から、ユーザーによって伝送される調合に単純に基づいて離れた場所で香水を製造することが可能になる。
【0027】
「調合を再現する」という表現は、その伝達またはパッケージングを目的として調合に対応する香水を製造することを意味すると理解されるべきである。
【0028】
製造され、パッケージされた香水は、例えば、サーバーからの命令に基づいて定義済みの住所に発送される。定義済みの住所は、例えば、第1の端末のユーザーの郵便の宛先である。
【0029】
一変更形態として、定義済みの住所は、第1の端末のユーザー以外の個人の住所であり、本発明を使用することで、香水を配送もしくは提供することができる。
【0030】
第1の端末によってサーバーに伝送される調合は、例えば、第1の端末上で考案されたものであり、これにより、同一の端末の助けを借りて、調合を考案し、サーバーと通信して香水を製造させパッケージさせることが可能になる。
【0031】
第1の端末によってサーバーに伝送される調合は、例えば、適切であれば、修正された後に、これら複数の端末のうちの第1の端末とは別の端末によって第1の端末に伝送される1つまたは複数の調合、特にこの他方の端末に付随するメモリ内に記録されている1つまたは複数の調合のうちから選択される。
【0032】
「端末に付随するメモリ」という表現は、端末内に内蔵されているメモリまたは端末の外部に配置されているメモリであって端末からアクセス可能であり、および/またはサーバーによってアクセス可能なメモリを意味すると理解されるべきである。これは、例えば、サーバーの大容量メモリであってもよい。
【0033】
本発明によれば、第1の端末もしくはサーバーによって伝送される調合は、例えば、より希釈した、またはより濃縮した形態でパッケージされるように適合されうる。この目的のために、サーバーは、溶媒、特にエタノールまたは水の量を調節し、芳香物質が例えば同じ相対的割合で残るようにする。同一の調合物質を、香水瓶、オードパフューム瓶、またはエアロゾル瓶の形態でパッケージすることができる。
【0034】
第1の端末またはサーバーによって伝送される調合は、シャンプー、またはボディークリームなどの化粧品組成物の香料などの特定の用途のために高濃縮度形態で送信することもできる。
【0035】
第1の端末によってサーバーに伝送される調合は、例えば、ムードを出すための香料、洗剤および洗浄剤の香料、洗濯物、シーツ、衣類、家具、自動車の香料の調合である。
【0036】
一変更形態として、第1の端末によってサーバーに伝送される調合は、適切であれば、修正された後に、サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合のうちから選択された調合である。
【0037】
ユーザー選好は、例えば、第1の端末に付随するメモリ、および/またはサーバーに付随するデータベースに記録され、サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合は、例えば、ユーザー選好に応じて決定される。
【0038】
「サーバーに付随するデータベース」という表現は、サーバー内に内蔵されているデータベースまたはサーバーの外部に配置されているデータベースであってサーバーからアクセス可能なデータベースを意味すると理解されるべきである。
【0039】
本発明を用いると、香水の製造前に、端末に対して、ユーザー選好に応じて決定された1つまたは複数の調合を伝送することを可能にすることによって、ユーザーが自分の味覚に適合する調合を活用することができる。
【0040】
サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合は、例えば、ユーザーによって第1の端末上で考案された調合に応じて決定される最適化された調合である。
【0041】
「最適化された調合」という表現は、定義済みの合否基準、例えば、嗅覚ノートおよび/または芳香物質を使用する割合および/または芳香物質同士の親和性の結合法則に従う条件を満たす考案された調合に基づいてサーバーによって決定される調合を示す。
【0042】
次いで、本発明を用いることで、端末の使用者がサーバーおよび適切であれば、これ以降「エキスパート」と称される、香水のエキスパートであり、サーバーをインタラクティブに操作する人の香水に関する知識および経験を活用することができるようにすることが可能になると思われる。
【0043】
サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合は、例えば、第1の端末によってサーバーにアドレス指定された要求内に存在する少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて決定され、これにより、ユーザーは芳香物質に関する具体的な知識がなくても香水の調合を作成することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、定義済みの量の香水が、サーバーから命令を受け取った、複数のインタラクティブな端末のうちの第2の端末によって製造され、パッケージされる。この第2の端末は、例えば、上述の他方の端末であるか、または複数の端末のうちの任意の端末であるか、または実際に第1の端末ですらある。
【0045】
第2の端末は、例えば、第1の端末によってサーバーに伝送される要求において識別される。
【0046】
一変更形態として、サーバーは自らが主体となって第2の端末を選択する。
【0047】
サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合は、第2の端末上で利用可能な芳香物質および/または第2の端末上に配設されうる芳香物質に応じて決定することができ、これにより、第1の端末のユーザーに第2の端末では再現できない調合を選択し、および/または修正することを促すことを回避することが可能になる。
【0048】
サーバーによって第1の端末にすでに伝送されている1つまたは複数の調合は、例えば、上述の要因のうちのいくつかに応じて、またはさらには実際に上述のすべての要因に応じて決定される。
【0049】
一変更形態として、サーバーは、第2の端末上に第2の端末上では利用可能でない、第1の端末によってサーバーに伝送された、製造されパッケージされる調合にリストされている1つまたは複数の物質を配設するよう第2の端末のユーザーを誘う要求を第2の端末に伝送する。
【0050】
本発明の他の実施形態によれば、定義済みの量の香水が、サーバーから命令を受け取った香水製造設備によって製造され、パッケージされる。
【0051】
本発明の他の例示的な実施形態では、香水を調合するためのインタラクティブな端末を実現し、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にする複数の芳香物質と、
これらの芳香物質のうちの選択した物質を分注することを可能にする分注手段と、
この調合に対応する定義済みの量の香水の製造およびパッケージングを目的として香水の調合を選択し、および/または修正することを可能にする、調合が組み合わせる物質のリストを含む、ユーザーインターフェイスと、
サーバーから製造されパッケージされる調合を受信し、および/または前記サーバーに製造されパッケージされる調合を伝送することを可能にするネットワークインターフェイスとを備える。
【0052】
端末は、例えば1つまたは複数の瓶を受け取るための出力パッドまたはスペースを含む、香水をパッケージするための手段を備えることができる。
【0053】
分注手段、ユーザーインターフェイス、およびネットワークインターフェイスは、例えば同じハウジング内に配置されている、単一の端末内に組み込むことができる。
【0054】
芳香物質は、互いに無関係に端末内に配置されうるリザーバー内に収容することができる。
【0055】
本発明の他の例示的な実施形態では、香水を調合するために複数のインタラクティブな端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーを実現し、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にするいくつかの芳香物質と、
端末からこれらの芳香物質のうちの選択された1つの物質を分注するための分注手段と、
端末のユーザーが香水の調合を端末から考案し、選択し、および/または修正することを可能にする、この調合が組み合わされる芳香物質のリストからなる、ユーザーインターフェイスと、
端末がサーバーと通信し、後者に調合を伝送し、および/またはサーバーから、端末上で利用可能な芳香物質に基づいて、または端末上に適宜配設されうる芳香物質に基づいて端末上で再現可能な調合を記述するデータを受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
サーバーは、
第1の端末に、
第1の端末のユーザーに関連するユーザー選好に応じて、および/または
第1の端末上で考案された調合に応じて、および/または
第1の端末によってサーバーに伝送された要求に含まれる少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて、および/または
この第1の端末上で、もしくは第1の端末によって識別された第2の端末上で利用可能な、または第1の端末もしくは第2の端末上に配設されうる芳香物質に応じて
決定された1つまたは複数の調合を伝送する段階、および
特にサーバーによって第1の端末に伝送された1つまたは複数の調合に基づいて、第1の端末によって考案されるか、選択されるか、または修正された少なくとも1つの調合に対応する香水の製造およびパッケージングをオーダーする段階のうちの少なくとも一方を実行するように構成されている。
【0056】
サーバーは、例えば、第1の端末によってサーバーに伝送された要求に含まれる少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて調合を生成または選択するように構成される。
【0057】
サーバーは、例えば、嗅覚記述子と芳香物質または芳香物質の結合との間の変換を行うためのチャートにアクセスする。
【0058】
端末
端末は、単一の装置の形態に埋め込むことができるが、端末が同一のスポット内に配設されている複数の装置の助けを借りて具現化されるのであれば本発明の枠組みから逸脱することにならない。
【0059】
端末は、例えば、縮小サイズのもの、例えば、携帯型装置であり、特にユーザーによって取り扱われることを意図されており、適切であれば、ハンドバッグ内に入れることができるものである。端末は、携帯型もしくは固定されたコンピュータ、携帯型もしくは携帯型でないゲーム機と、内部拡張機能、例えばカード、一体型外部拡張機能、または非一体型外部拡張機能との結合であるものとして考えることができる。
【0060】
端末は、例えば、電池もしくはアキュムレータセルなどの一体化された自立型電源を備える。
【0061】
端末は、例えば、複数のリザーバー、例えば2つよりも多い、3つ、5つ、または10個のリザーバーを備え、香水を調製するための物質を受け取る。リザーバーは、例えば、端末を使用している間、および/または端末の使用後に交換できるように端末内に取り外し可能な形に取り付けられる。リザーバーは、有利には、その中に収納される物質が交換されるか、置き換えられるか、または補充されうるように配列される。
【0062】
リザーバーは、0.25から50mLまでの範囲の容量を有するものとしてよい。リザーバーは、その容量が1から50mLまでの範囲であるメインリザーバーおよび/または容量が0.25から10mLまでの範囲であるトーニングリザーバーを含むものとしてよい。リザーバーは、例えば、同一の担体によって担持されるマイクロカプセル以外のものである。
【0063】
「物質」という用語は、純物質、または希釈物質、または希釈もしくは希釈されていない化合物の混合物を指す。
【0064】
物質は、1から50種類、特に10から20種類の化合物を含むものとしてよい。物質は、そのようなものとして持ち運びできるものとして選択され、および/または香水の製造に慣例的に使用される物質とすることができる。
【0065】
端末は、例えば、ユーザーインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを備える。ユーザーインターフェイスは、例えば、キーボード、ジョイスティック、タッチパッド、適宜タッチセンサー式の、スクリーン、および音声認識システムのうちから少なくとも1つを備える。
【0066】
端末は、後述のように、選択された割合でリザーバー内に収納されている物質を分注するための手段も備える。
【0067】
メモリは、例えば、端末に付随するものであり、このメモリは場合によっては端末に内蔵されるか、または端末に外付けの、端末からアクセス可能なメモリである。
【0068】
メモリは、ハードディスク、例えばフラッシュメモリタイプの電子回路、またはとりわけ、光ディスク読み取り装置/書き込み装置を含むものとしてよい。
【0069】
端末に付随するメモリは、サーバーによって端末にすでに送信されている、または少なくとも1つの第2の端末によって前記端末にすでに送信されている香水の調合および/または端末によってサーバーもしくは第2の端末に送信された香水の調合を格納することができる。
【0070】
端末に付随するメモリは、例えば端末のユーザーによって定義されたユーザー選好も格納することができるが、これについては後で説明する。
【0071】
端末は、以下で説明されるように、他のモジュールをさらに備えることができる。
【0072】
端末は、例えば、香水の調製に関する用途以外の用途にも対応できるように構成されうる。
【0073】
端末は、化粧品用香料に特有の分注手段も備えることができる。
【0074】
複数の端末のうちのそれぞれの端末は、例えば上で説明されているようなものである。
【0075】
サーバー
「サーバー」という用語は、例えば非常に多くの端末とのデータ交換を管理することが可能な、1つまたは複数のプログラムされたコンピュータを指す。
【0076】
データベースは、例えば、サーバーに付随するものであり、このデータベースは例えばサーバーに内蔵されるか、またはサーバーに外付けの、サーバーからアクセス可能なデータベースである。
【0077】
データベースは、定義済みの調合の例をカタログ化し、および/またはさまざまな調合に含まれる物質の結合の可能性および/または関連性に関する助言をもたらす結合規則を含むものとすることができる。
【0078】
データベースは、端末のユーザーに関わるユーザー選好も含みうる。
【0079】
サーバーは、例えば、完全に自動化されている、つまり、端末から発せられる要求の分析は、もっぱら人の介入なしで実行される。
【0080】
一変更形態として、サーバーでは、香料組成物の考案を専門とするエキスパートの介入を許す。
【0081】
サーバーは、例えば、
第1の端末の側で、第1の端末のユーザーが再現を望んでいる調合を記述する要求を受け取り、
その要求を分析して、調合に対応する香水の製造およびパッケージングをスケジューリングするように構成される。
【0082】
要求に記述されている調合は、例えば、前のステップの過程でサーバーによって決定された1つまたは複数の調合に基づいて選択されるか、または修正され、次いで第1の端末に伝送される。
【0083】
サーバーは、例えば、前のステップにおいて、例えば第1の端末に付随するメモリ、および/またはサーバーに付随するデータベースに記録されているユーザー選好に応じて1つまたは複数の調合を決定するように構成される。
【0084】
サーバーは、例えば、前のステップにおいて、第1の端末上で考案された調合に応じて最適化された1つまたは複数の調合を決定するように構成される。サーバーは、例えば、嗅覚ノートおよび/または芳香物質を使用するための割合および/または芳香物質同士の親和性の1つまたは複数の結合法則への適合性に例えば対応する合否基準が満たされているかどうかを評価する。
【0085】
合否基準が満たされていないことが判明した場合、サーバーは、例えば要求を分析するときに前記合否基準を満たす最適化された調合を得るために第1の端末上で考案された調合に対し場合によっては行うことができる1つまたは複数の修正を決定する。
【0086】
最適化された調合は、例えば、
考案された調合に関する少なくとも1つの芳香物質の追加および/または削除、および/または、
考案された調合に関する少なくとも1つの芳香物質の割合の修正
によって考案された調合と異なる。
【0087】
サーバーは、前のステップにおいて、第1の端末によってサーバーに対しアドレス指定された要求内に存在する少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて1つまたは複数の調合を決定するようにさらに構成されうる。
【0088】
サーバーは、前のステップにおいて、第2の端末上で利用可能な芳香物質および/または場合によってはこの第2の端末上に配設されうる物質に応じて1つまたは複数の調合を決定するようにも構成されうる。以下でわかるように、サーバーは、例えば、芳香物質同士の対応関係のルックアップテーブルにアクセスするように構成される。
【0089】
第2の端末は、例えば、第1の端末によってサーバーに伝送された要求において識別される。
【0090】
一変更形態として、サーバーは、複数の端末のうちから第2の端末を選択し、命令を第2の端末に伝送し、香水の製造およびパッケージングを行わせる。第2の端末の選択は、例えば、端末上で利用可能な芳香物質に応じて、さもなければサーバーといくつかの端末との間の合意に応じて実行される。
【0091】
サーバーは、例えば、サーバーによって決定された調合にリストされている1つまたは複数の物質が要求において第1の端末によって識別された第2の端末上で利用可能でない場合に第1の端末宛に警告メッセージを送るように構成される。
【0092】
サーバーは、第2の端末上に第2の端末上で利用可能でなく調合にリストされている1つまたは複数の芳香物質を配設するようこの第2の端末のユーザーを誘うメッセージを第2の端末宛に送るようにも構成されうる。
【0093】
第2の端末が自立型電源を備えている場合、サーバーは、要求を分析するときに、自立型電源の消耗状態に関して第2の端末に問い合わせることもできる。
【0094】
サーバーは、例えば、前のステップにおいて、第1の端末によってサーバーに伝送された要求に含まれる少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて1つまたは複数の調合を決定するように構成される。サーバーは、例えば嗅覚記述子と芳香物質または芳香物質の結合との間の変換のためにサーバーがアクセスできるチャートの助けを借りて、第1の端末によってサーバーに伝送された要求に含まれる嗅覚記述子に応じて調合を生成または選択することができる。
【0095】
本発明による第1の例示的なサーバーによれば、サーバーは、芳香物質を受け取るリザーバーにも、それらの芳香物質を分注するための手段にも関連付けられない。
【0096】
本発明による他の例示的なサーバーによれば、サーバーは、芳香物質を受け取るリザーバーおよびそれらの芳香物質を分注するための手段に関連付けられる。このような場合、サーバーは、第1の端末によって伝送された要求を分析した後に、その調合を製造し、パッケージングすることができる。
【0097】
本発明は、単一サーバーに限定されない。
【0098】
一変更形態において、本発明は、異なる用途に専用の、互いに通信する複数のサーバーを実装する。例えば、一方のサーバーは香水の調製専用であり、他方のサーバーは化粧品の、または香水として考案されるか、または最適化されている調合を含むことができるケア用組成物の調製専用である。
【0099】
これらのさまざまなサーバーは、上述の用途のうちのいくつかに対応することができる端末、またはこれらの用途のうちの1つに対し専用となる端末とやり取りすることができる。
【0100】
一変更形態として、同一のサーバーが、上述の用途のうちのいくつかに対し専用となり、端末は、特定の用途に専用となる。
【0101】
また、一変更形態として、いくつかのサーバーが、同一の用途、例えば、香水の調製に専用のものである。
サーバーは、例えば、端末の構造と異なる構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るシステムの概要を示す図である。
【図4】本発明に係る端末1の例を示す図である。
【図5】本発明に係る端末によって調合を再現する例を示す流れ図である。
【図6】スレーブモードで調合を再現する端末についての本発明の第1の例を示す図である。
【図7】スレーブモードで調合を再現する端末についての本発明の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る端末の概要を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る端末においてリザーバーF1からF8を混合室に接続するフレキシブルパイプの状態を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る端末のフレキシブルパイプについての一変更形態を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る香水の製造およびパッケージングについての処理手順を示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る香水の製造およびパッケージングについての処理手順の一変更形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0103】
調合に対する通信標準
図1に概略が表されている本発明の例示的な一実装によれば、第1の端末1は、サーバー2に再現される調合を記述する要求を伝送する。
【0104】
次いで、サーバー2は、この調合がこの第2の端末3上で再現可能であることを確認した後に、その調合を第2の端末3に伝送する。
【0105】
図2に表されている他の例によれば、第1の端末1は、別の端末4から1つまたは複数の調合を受け取る。これらの調合は、例えば、他の端末4に付随するメモリ内に記録され、他の端末4および第1の端末1は、例えば、その地理的な近さのため通信状態に入る。他の端末4では、例えば、第1の端末1がそのユーザー選好にアクセスし、その一部をダウンロードすることを許可する。
【0106】
次いで、第1の端末は、他の端末4から受け取った調合のうちの1つを選択または修正し、それをサーバー2に伝送し、次いでサーバー2はそれを、図2の例では他の端末4とは異なる第2の端末3に伝送する。
【0107】
図に表されていない一例によれば、他の端末および第2の端末は同一の端末である。
【0108】
図3に表されている例において、サーバー2は、すでに第1の端末1に、第1の端末の選択対象となる1つまたは複数の調合を伝送している。選択された調合は、その後、第2の端末3で製造し、パッケージングするようにサーバー2によって第2の端末3に伝送される。
【0109】
図に表されていない他の例では、製造され、パッケージングされる香水の調合は、サーバーによって香水製造設備に伝送される。
【0110】
図1から3に示されているように、本発明は、第1の端末1、サーバー2、第2の端末3、および適切であれば、他の端末4の間の通信の実装を伴う。サーバー2および端末は、例えば、通信標準に従って通信するように構成される。
【0111】
以下でわかるように、サーバーおよびそれぞれの端末は、接続されているか、または接続可能であり、この接続は有線もしくは非有線の接続である。
【0112】
通信標準は、例えば、物質を識別することを可能にし、および/または調合において使用されるそれぞれの物質の含有量を記述する情報を伝送するためのプロトコルを含む。
【0113】
物質を識別することを可能にする情報は、例えば、物質の特性を記述するデータを含まず、例えば符号のみを含む。サーバーおよび/またはそれぞれの端末は、例えば、その符号を物質に関する情報に変換するように構成される。
【0114】
第1の例示的な標準によれば、物質を識別することを可能にする情報は、それぞれの端末において物質を収納するリザーバーの配置に関する情報項目のみを含む。
【0115】
この第1の例によれば、物質を収納するリザーバーは、例えば、それぞれの端末内に所定の形に配設される。
【0116】
第2の例示的な標準によれば、物質を識別することを可能にする情報は、物質のグループ、例えば、物質のパレットを識別することを可能にする情報、および物質のこのグループ内の物質の配置を識別することを可能にする情報を含む。
【0117】
他の例示的な標準によれば、その情報は、それぞれの物質を、端末上でその物質を収納するリザーバーの位置に無関係に、識別することを可能にする。
【0118】
調合における物質の含有量に関係する情報は、好ましくは調合におけるそれらの物質の総量である。
【0119】
これらの量は、体積もしくは重量で、メートル法もしくは他の標準、または独自標準によって表すことができる。
【0120】
一変更形態として、調合におけるそれぞれの物質の含有量に関する情報は、
物質を収納するリザーバーから分注手段への物質の移動もしくは流れの持続時間、
物質を収納するリザーバーに印加される力および/もしくは圧力、ならびに/または
リザーバーから物質を分注することを可能にする電気式アクチュエータに印加される電圧のうちの少なくとも1つを含む。
【0121】
標準は、調合の物質のうちの少なくとも1つについて、特に調合のそれぞれの物質について、必要な加熱温度、例えば粘度もしくは色などの物質の物理的状態、他の物質との交雑不和合性に関する情報、物質の使用もしくは製造日もしくは有効期限、追跡性の要件に関係するバッチ番号、または、もしあれば、アレルギーの危険性などの、物質に関連する危険性のうちから選ばれた情報項目のうちの少なくとも1つを含むこともできる。
【0122】
標準は、例えば、通信時に伝送されるデータに体系的に含まれるこのようなすべての情報がなくても、上述のすべての情報を符号化することを可能にするものとしてよい。
【0123】
伝送される情報は、例えば、特定の物質と無関係に得られる香水に関係する情報、例えば、加熱もしくは他の刺激の温度、香水の攪拌速度もしくは状態または静止時間、調合の再現時の物質の添加順序、例えば粘度、色、もしくは安定性などの香水の物理的状態に関する情報、香水の使用もしくは製造日もしくは有効期限、アレルギーの危険性などの危険性のうちから選ばれた情報項目のうちの少なくとも1つを含む。
【0124】
通信プロトコルに従って伝送される情報は、例えば、香水を溶媒中に、または化粧品、食品、燃料、クリーニング、洗濯、フロア、食事用食器セット用の溶液などの製品に入れなければならない場合に、例えば、調合による香水の宛先に関係する情報をさらに含むことができる。このような情報は、香水が塗布されるべき身体部分、特に首、頭、脇、足または衣類、靴、家具、もしくは自動車などのいくつかの物の指定にさらに関係しうる。
【0125】
伝送される情報は、その調合による香水がディスペンサーまたは受動的もしくは能動的ディフューザ、例えば、電気、熱、またはスプレーによるもので分注すべきかどうかを知ることを可能にする情報も含みうる。
【0126】
この情報により、再現される調合が、男性、女性、または子供を対象とするのかどうか、またはその調合による香水が、特定の年齢層を対象とするのかどうかを指定することができる。
【0127】
伝送標準では、その調合による香水が消費者製品、美術品、俳優、歌手、もしくはパーソナリティへの共通の親近感によって定められるようなグループを対象とするのか、またはその調合による香水が、所定の人、所定の人々のグループ、家族を対象とするのかどうかを指定する情報項目を規定することができる。
【0128】
伝送標準は、第1の端末のリザーバーに収納されているすべての物質、さらにはリザーバー内に残っている量を識別する情報をさらに含むことができる。
【0129】
伝送される情報は、第2の端末のリザーバー内に存在する物質を識別することもできる。適切であれば、この情報は、第2の端末のリザーバー内の物質の残留量も含む。
【0130】
伝送される情報は、端末のユーザーが置かれている状況、例えば、周囲温度、周囲湿度、周囲フレグランス、適切であれば、時間移動を考慮して、時間などに関係しうる。
【0131】
伝送される情報は、端末の動作にも関係しうる。そのような情報は、例えば、端末をオンにした後、または定期的に、体系的に実行される、自動運転のテストによって得られる。この情報は、例えば、端末内の流体流量、端末のいくつかのモジュールの動作および/または動作不良に関係する情報である。
【0132】
通信標準でも、通信の進捗状況に関係する、ヘッダ内に1つにまとめられた、または複数の部分に分けられた、情報を規定することができる。この情報は、例えば、第1の端末および/または第1の端末のユーザーの識別、サーバーの識別、第2の端末および他の端末の識別、日付および/または通信の識別、作業セッション、第1の端末、もしくはサーバー上の識別、情報の守秘義務を確実にする暗号化システムに関係する情報を含む。
【0133】
すでに述べたように、物質およびその残留量の識別は、明確に区別されるパラメータによって表すことができる。ヘッダは、物質を識別し、および/またはその調合における1つまたは複数の物質を定量化するために採用される1つまたは複数のパラメータがどれであるかを指定する情報を含み、そのような情報によりそれぞれの端末および/またはサーバーが通信時に伝送されるデータを解説することができる。
【0134】
以下でわかるように、それぞれの端末およびサーバーは、例えば、なかんずく製造される香水の量だけ異なるいくつかの再現モードに従って動作するように構成され、伝送される情報は、例えば、再現モード、したがって製造される香水の量を識別することを可能にする情報を含む。
【0135】
適切であれば、いくつかの通信標準が事前定義され、それぞれの端末および/またはサーバーは、一方の標準から他の標準へ変換するためのモジュールを備えることができる。
【0136】
物質
すでに述べたように、それぞれの端末は、有利には、香水の調製のため物質を受け入れる複数のリザーバーを備える。それぞれの端末は、例えば数十個のリザーバーを備える。それぞれのリザーバーは、異なる物質を収納することができる。一変更形態として、同一の物質が同一の装置のさまざまなリザーバー内に、適切であれば異なる濃度で、存在しうる。
【0137】
サーバーは、複数のリザーバーに関連付けられうる。
【0138】
物質は、すべてのリザーバー内で、流動状態、例えば液体として存在しうる。
【0139】
一変更形態として、リザーバーの少なくとも一部は、1つまたは複数の物質が吸収される基材を備える。
【0140】
収納されているすべての物質は、芳香物質とすることができる。
【0141】
芳香物質としては、天然もしくは合成由来の化合物もしくは香料およびその混合物を使用することが可能である。
【0142】
天然由来の化合物もしくは香料として、例えば、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イランイランノキ)、茎および葉(パチョリ、ゼラニウム、プチグレン)、果物(コリアンダー、アニス、クミン、ジュニパー)、果物の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、アイリス、ショウブ)、木(松材、白檀材、グアヤク、ピンクシーダー)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、フランキンセンス、オポパナクス)の抽出物が挙げられる。
【0143】
合成由来の化合物として、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、芳香族アルコール、および炭化水素タイプ、およびこれらの混合物の化合物が挙げられる。
【0144】
エステルとして、特に、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸シトロネリル、ギ酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アルキルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、およびサリチル酸ベンジルが挙げられる。
【0145】
エーテルとしては、ベンジルエチルエーテルが挙げられる。
【0146】
アルデヒドとして、例えば、8から18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル、およびボージュナールが挙げられる。
【0147】
ケトンとして、例えば、アルファイソメチルイオノン、およびメチルセドリルケトンなどのイオノンが挙げられる。
【0148】
芳香族および特にテルペン系アルコールとして、アネトール、シトロネロール、ユージノール、イソユージノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールが挙げられる。
【0149】
炭化水素として、特に、テルペンが挙げられる。
【0150】
さらに、エッセンシャルオイル、香料の成分、例えば、セージ、カモミール、クローブ、メリッサ、ミント、シナモンの葉、シナノキ、ジュニパー、ベチベルソウ、フランキンセンス、ガルバナム、ラボラナム、およびラバンディンの花のエッセンスなどを使用することも可能である。
【0151】
例えば香水として、単独で、または混合物として、使用されるのは、ベルガモットエッセンス、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、アンブロキサン、インドール、ヘディオン、サンデリス、レモン、マンダリン、およびオレンジのエッセンス、グリコール酸アリルアミン、シクロベルタール、ラバンディンエッセンス、セージエッセンス、ベータダマスコン、ゼラニウムエッセンス、サリチル酸シクロヘキシル、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシドである。
【0152】
一変更形態として、収納される物質の一部は、非芳香物質であり、1つのリザーバーに例えば非芳香物質を入れる。
【0153】
他の一変更形態として、1つまたは複数のリザーバーが、物理的変形後に芳香物質となることを意図された物質を収納することができる。
【0154】
リザーバーのいくつかは、例えば染料、保存料、またはレオロジー剤などのアジュバントである物質を収納することができる。
【0155】
本発明による例示的な端末1は、図4に表されている。
【0156】
これからわかるように、端末1は、2種類のリザーバー、つまり少なくとも1つのメインリザーバー11および複数のトーニングリザーバー12iを備えることができる。
【0157】
説明されている例において、端末1は、ただ1つのメインリザーバー11および19個のトーニングリザーバー121〜1219を備える。
【0158】
「メインリザーバー」という表現は、芳香物質の洗練された組合せ、例えば5種類より多い、10種類、または15種類の芳香物質を収納するリザーバーを指す。このような組合せは、香水、または香水の単純な組成物とみなせる。メインリザーバーの容積は、例えば、1から50mLまで、例えば、10mLに等しい容積である。
【0159】
「トーニングリザーバー」という表現は、型付き芳香物質を収納するリザーバーを指す。「型付き芳香物質」という用語は、添加するとメインリザーバーのフレグランスが目立つように修正されうる物質を指す。トーニングリザーバーは、香水製造において使用される香調、つまり、マリーン、ヘスペリデス、フローラル、フルーティ、シプレー、グルメ、レザー、木の香調のうちから選択することができる。特に、これらの香調は、少量添加してもトーニングリザーバーのフレグランスが際立って修正されるように十分に濃縮されうる。トーニングリザーバーの容量は、例えば、0.25から10mLまでである。
【0160】
トーニングリザーバーは、
ジャスミンまたはリリアルのアブソリュートなどのフローラルドミナントの物質、
パチュロールなどのオリエンタルドミナントの物質、
レモン、ベルガモット、またはネロリのエッセンシャルオイルなどのヘスペリデスドミナントの物質、
ガンマデカラクトンなどのフルーティドミナントの物質、
エチルマルトールまたはエチルバニリンなどのグルメドミナントの物質、
例えば白檀材、シーダー材、またはベチベル材に由来する、ウッディードミナントの物質、
レモンのエッセンシャルオイル、ベルガモットのエッセンシャルオイル、またはネロリのエッセンシャルオイルなどのヘスペリデスドミナントの物質、
ホワイトムスク、ガラクソリドなどのムスクドミナントの物質、
カロンなどのマリーンドミナントの物質のうちの少なくとも1つを収容することができる。
【0161】
一般的な方法では、端末は、例えば、1から10個までのメインリザーバー、特に1から4個までのメインリザーバー、および10から40個までのトーニングリザーバーを備えることができる。
【0162】
これからわかるように、端末1は、すすぎ液を収納するリザーバー13をさらに備えることができ、これについては後で説明する。
【0163】
また、この図4には、端末1用の自立型電源も表されており、例では、2つの電池14を説明している。
【0164】
少なくとも1つのリザーバーは、いくつかの部分にさらに分割することができる。
【0165】
物質は、例えば、流体、特にあまり粘性のない液体である。少なくとも1つのリザーバーは、
5から50%の芳香物質、
0から5%の防腐補助物質、
0から20%のレオロジー補助物質、
0から2%の着色補助物質、および
23から95%の溶媒
を組成物として受け入れることができる。
【0166】
1つまたは複数の溶媒は、例えば、水、エタノール、アセトン、および他の極性有機溶媒のうちから選択される。
【0167】
これらの物質のうちの少なくとも1つは、呼吸器疾患、例えば、喘息、または皮膚疾患などの、伝染性または非伝染性の病変の治療のために推奨される物質のうちから選択することもできる。
【0168】
これらの物質のうちの少なくとも1つは、例えば、芳香性を有しているが、病変の治療に推奨されるか、または弛緩剤もしくは刺激剤として指示されている物質のうちから選択される。このような物質は、例えばタイム、香、またはユーカリの、例えば、天然エッセンスまたはエッセンシャルオイルに基づく天然物質とすることができる。
【0169】
ユーザーインターフェイス
それぞれの端末のユーザーインターフェイスは、例えば、ユーザーによって選択された調合が表示される画面を含む。
【0170】
端末は、プリンタを、さらにまたは一変更形態として備えることができる。
【0171】
ユーザーインターフェイスは、例えば、端末のユーザーが調合を考案するために使用できる1つまたは複数のキーを備えることができる。芳香物質は、例えば、画面上に表示され、ユーザーは、その調合において、キーの助けを借りて、またはタッチスクリーン上で操作することによって物質の量を加減したり、または調合に含まれる物質を追加もしくは除去したりすることができる。
【0172】
ユーザーインターフェイスは、例えば、
香水のトップノート、ハートノート、またはバックグラウンドノートを高めるか、または制限するアクション、
ヘスペリデス、ムスク、木、花の香調などの、香水師によって一般に使用されるパラメータを操作するアクション、
毎日の言葉で使用されるパラメータ、つまり、「生き生きした」、「官能的」、「軽い」という概念を操作するアクション、
「甘い」、「ぴりっとする」などの食物に関して使用されるパラメータを操作するアクション、
花、木、土などの性質から取り出されるフレグランスを操作するアクション、
例えば主要な香水基準のフレグランスまたは香料製品のフレグランスを操作するアクションのうちの少なくとも1つのアクションを提案することによってユーザーを促すように構成されている。
【0173】
ユーザーインターフェイスは、ユーザーがユーザー選好を入力できるようにさらに構成されうる。
【0174】
サーバーは、上で説明されているようなユーザーインターフェイスを備えることもできる。このユーザーインターフェイスを使用することで、例えば、そのサーバーに関わるエキスパートは考案した調合に基づいて最適化された調合を設計することができ、この最適化された調合は考案された調合に関する少なくとも1つの物質の追加または削除によって、および/または考案された調合に関する少なくとも1つの物質の量の修正によって考案された調合と異なるものである。
【0175】
一変更形態として、それぞれの端末の、また適切であれば、サーバーのコンピュータのユーザーインターフェイスは、ユーザーおよび/またはエキスパートが調製される香水に関連する1つまたは複数の嗅覚記述子を入力することができるように構成され、この記述子またはこれらの記述子は少なくとも1つの調合に至るように変換チャートの助けを借りて物質に変換されうる。
【0176】
変換チャートは、端末に付随するメモリ内に格納されうる。
【0177】
一変更形態として、変換チャートは、サーバーに付随するデータベースに格納される。
【0178】
変換チャートを使って、ユーザーおよび/またはエキスパートがユーザーインターフェイスを使って入力した嗅覚記述子を物質に翻訳することができる。
【0179】
変換チャートは、ユーザーおよび/またはエキスパートがプログラムすることもできる。その個人的な経験があるため、ユーザーおよび/またはエキスパートは、いくつかの香調を嗅覚記述子に関連付けることができ、これらの記述子を、すでに定義された後に、変換チャートに追加し、これにより、変換チャートをカスタマイズすることを可能にすることができる。
【0180】
カスタマイズされた変換チャートは、要求が送信されるときに、第1の端末によってサーバーに伝送されるものとしてよく、また考案され、および/または最適化された調合は、このカスタマイズされた変換チャートに応じて表現されうる。
【0181】
変換チャートは、第1の端末と第2の端末との間で交換することもできる。
【0182】
ユーザーインターフェイスは、例えば、最適化された調合を決定するために考案された調合に対しサーバーによって加えられる修正の大きさをユーザーが調整することができるようにも構成される。例えば、端末のユーザーは、考案された調合がサーバーによってほんのわずかのみ修正されることを望む場合がある。
【0183】
ユーザーインターフェイスにより、ユーザーは、調合の送信をメッセージに伴わせるか、または適切であれば、メッセージのみを送信することができる。このメッセージは、端末のユーザーによる最適化された調合の再現の拒絶の説明を含むものとしてよい。
【0184】
端末のユーザーインターフェイスは、例えば、端末がスレーブモードにおいて1回のクリックで受け取った調合を再現することができるように構成される。
【0185】
特定の事例では、最適化された調合は、少なくとも2つの定義済みの調合を混合することによって再現される。ユーザーインターフェイスを使用すると、例えばこのような事例において、最適化された調合に含まれる定義済み調合のそれぞれの割合を選択することが可能になる。
【0186】
それぞれの端末は、1つもしくは複数の調合を決定するのを、および/またはいくつかの調合もしくは調合の修正を禁止するか、もしくは行わないように助言するのを補助する人工知能モジュールを備えることができる。
【0187】
それぞれの端末は、ユーザーインターフェイスの画面上に
端末のメインリザーバーの数に対応する点の数、および
画面に表示されるそれぞれの点から開始する端末のトーニングリザーバーの数に対応するベクトルの数の表示を行わせるプログラムを実行するように構成されうる。
【0188】
このようなユーザーインターフェイスでは、端末上で利用可能な物質に基づいて調合の可能性の明確な表現が可能になるものとしてよい。
【0189】
端末のユーザーインターフェイスは、例えば、以下で説明されるように、少なくとも1つの再現モードをユーザーが選択できるように構成される。
【0190】
物質の保管および調合の格納
全体的に「メモリ」と指定される1つまたは複数のメモリは、端末および/またはサーバーに付随するものとすることができる。
【0191】
メモリは、任意の周知のタイプ、例えば、電子的、光学的、または電磁的なものとしてよい。
【0192】
メモリは、永続的または消去可能でもよく、アクセス保護されるものとすることができる。
【0193】
メモリは、端末上に永続的に固定されうる。一変更形態として、メモリは端末から脱着可能である。
【0194】
メモリは、端末のリザーバー内に存在する物質、および/またはリザーバー内のこれらの物質の残留量に関係する情報を含むことができる。
【0195】
さらに、第1の端末に付随するメモリ内に記録されている情報は、サーバーによって第1の端末にすでに送信されている、もしくは少なくとも1つの第2の端末によって第1の端末にすでに送信されている香水の調合および/または第1の端末によってサーバーもしくは第2の端末に送信された香水の調合を含むものとしてよい。
【0196】
端末のメモリ内に記録されている調合は、端末の製造時にメモリ内に格納され、符号の助けを借りてのみアクセス可能な隠し調合をさらに含むことができ、この符号は例えばサーバーによって端末に伝送される。
【0197】
記録された情報は、すでに受信されている調合の再現日またはすでに再現されている調合の使用日さらには例えば評価などのこれらの調合に関してサーバーから受信したコメントも含むことができる。
【0198】
第1の端末のメモリ内に記録されている情報は、例えば、少なくとも1つの第2の端末のリザーバー内で利用可能な物質のリストを含む。
【0199】
ユーザー選好も、メモリに記録することができる。
【0200】
これらのユーザー選好は、例えば、端末のユーザーの前の選択、香水の混合の論理、および適宜、このユーザーによって選択された、香水ファッショントレンドを含む。ユーザー選好は、端末のユーザーが置かれている状況、例えば、周囲温度、周囲湿度、周囲フレグランス、時間などに関係する情報をさらに含むことができる。
【0201】
ユーザー選好は、再現される調合による香水が、男性、女性、もしくは子供を対象とするのかどうか、またはその調合による香水が、特定の年齢層を対象とするのかどうかを指定する情報、さらにはその調合が、消費者製品、美術品、俳優、歌手、もしくはパーソナリティへの共通の親近感によって定められるようなグループを対象とするのか、またはその調合による香水が、所定の人、所定の人々のグループ、家族を対象とするのかどうかを指定する情報をさらに含むことができる。
【0202】
ユーザー選好は、製造されパッケージされた香水の定義済みの発送先住所を示す情報をさらに含むことができる。
【0203】
同一の端末を、さまざまなユーザーに関連付け、この端末に付随するメモリをいくつかの部分メモリに分割することができ、それぞれの部分メモリはユーザーに関連付けられ、このユーザーによって再現され、および/または考案された調合を格納する。
【0204】
同一のメモリが、複数の端末に付随してもよく、このメモリは、例えば、いくつかのユニットに分割され、それぞれにユニットは端末に付随し、上述の情報を格納する。
【0205】
適切であれば、そのメモリに関わっている複数の端末のうちの少なくとも1つの端末は、さまざまなユーザーによって使用され、注目するユニットは、前述の部分メモリの仕方で、複数の部分ユニットに分割される。
【0206】
端末に付随するメモリは、サーバーからアクセス可能であるか、または前記端末と明確に区別される端末からアクセス可能であるものとしてよく、第1の端末および/またはサーバーは例えば第2の端末に付随するメモリ内に記録された調合にアクセスすることができる。
【0207】
サーバーに付随するデータベースは、サーバーによって第1の端末にすでに送信されているか、もしくは少なくとも1つの第2の端末にすでに送信されている調合および/または第1の端末もしくは第2の端末によってサーバーに送信された調合を格納することができる。適切であれば、調合とともに第1の端末によって送信された評価も、データベースに格納することができる。
【0208】
サーバーが調合の再現のために物質を収納するリザーバーに関連し、またそのような物質を分注するための手段に関連している場合、データベースは、サーバーが自由に有している物質も格納することができる。データベースは、第1の端末上で、および適宜、1つまたは複数の第2の端末上で利用可能な物質を、その残量とともに格納することもできる。
【0209】
データベースは、端末のユーザーによって物質が購入された日付、それらの物質の有効期限、およびそれらの物質が端末上でそのユーザーによって処分される日付をさらに格納することができる。
【0210】
端末上で利用可能な物質に関係する情報は、ユーザーにより端末のユーザーインターフェイス上で入力された情報を受信した後、または物質を送るための中央設備から受け取った後、更新されうる。
【0211】
データベースは、以下で説明されるように、芳香物同士の対応関係の表をさらに含むことができる。
【0212】
端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベースは、少なくとも一部は商業的交換の対象を形成しうる。
【0213】
このような交換において、交換されるメモリおよび/またはデータベース部分は、復号キーなどのコンポーネントサードパーティ、ユーザーリーフレット、保護ケーシング、芳香物質サンプル、使用またはアクセサリの提案、調合を受け入れることを意図されているものなどのアクセサリ製品、例えば、分注システム、製品、衣類などを伴いうる。
【0214】
メモリおよび/またはデータベースは、例えば、アドレス指定可能である。
【0215】
メモリを使用することで、例えば、第1の端末のユーザーは、調合を考案している過程において自分の足取りを引き返すか、調合を設計する過程において特定の事前記録されている段階からリスタートするか、またはメモリ内の調合にアクセスすることができる。
【0216】
それぞれの端末は、上述のようなメモリに関連するものとしてよい。
【0217】
適切であれば、端末のユーザーおよびサーバーは、他のサーバーに付随するデータベースに記録されている情報にアクセスすることができる。
【0218】
利用可能な物質の識別
本発明の例示的な一実装によれば、それぞれの端末は、端末内のリザーバーの配置に関係する情報のみを有効利用する。リザーバーが正しく配設されていないと、最終的なフレグランスは、予想したものにならない。
【0219】
本発明の他の例示的な実装によれば、それぞれの端末は、利用可能なリザーバーを識別するためのシステムを備える。
【0220】
識別システムは、どのようなタイプでもよく、識別子デバイスおよび識別子を含む。
【0221】
識別子デバイスは、例えば、端末に固定される。識別子は、物質を収納するパッケージングデバイスに固定され、適宜リザーバー内に配置されうる。
【0222】
識別システムは、例えば、
電波、特にRFIDマイクロチップ、
バーコード、または色などの光学的識別、
電気または電子コネクタ、
レリーフを実装する。
【0223】
識別子は、例えば、物質を収納するリザーバーの上、または下、または横に配置される。
【0224】
それぞれの端末は、リザーバーと同数の識別子デバイスを備えることができる。一変更形態として、識別子デバイスの個数は、リザーバーの個数より少ない。
【0225】
他の変更形態において、それぞれの端末は、すべてのリザーバーに共通のただ1つの識別子デバイスを備える。
【0226】
識別システムがRFIDマイクロチップを実装する場合、識別子デバイスは、RFIDマイクロチップの形態をとる識別子を順次アドレス指定する単一放射アンテナだけを備えることができる。
【0227】
光学式識別システムの場合、識別子デバイスは、変位により、リザーバーのそれぞれに関連付けられている識別子を読み取ることができる携帯型読み取り装置だけを備えることができる。
【0228】
他の変更形態では、識別子デバイスは、端末に関して固定され、それぞれの端末は、前記物質の識別子が選択されたリザーバー内に充填するために物質が配置される前に識別子デバイスによって読み取られるような方法で、リザーバーを移動するように構成される。一変更形態として、ユーザーは、識別子デバイスの前に物質を提示し、識別子デバイスがその物質を識別できるようにし、次いで、ユーザーは、リザーバーにその物質を充填する。したがって、それぞれの端末は、物質が配置されるリザーバーの配置に関して手動で、または自動的に助言を受けることができる。
【0229】
リザーバーを、識別子デバイスの前に次々に提示することができ、したがって、物質は、所定の順序でその中に入れられる。
【0230】
それぞれの端末は、例えば、リザーバーの充填を案内する光る指示を出すように構成されたシステムを備える。一変更形態として、リザーバーの充填は、回転式リザーバードアの助けを借りて実行される。
【0231】
それぞれの端末は、例えば、リザーバー内に置かれた物質を自動的に識別するように構成される。
【0232】
識別システムは、物質を受け入れるリザーバー内の少なくとも1つの物質の量を評価することを可能にするように構成することもできる。識別システムは、例えば、光学的測定、伝導性もしくは圧力の測定、または重量測定を実行するための手段を備える。
【0233】
一変更形態として、識別システムは、例えば物質の上に配設され、分析手順によって物質の存在を検証する、1つまたは複数の化学的レセプターを備える。
【0234】
識別システムは、例えば、特定のリザーバーが空であるか満杯であるかを端末のユーザーに対して示すように構成されうる。
【0235】
量の計算
それぞれの端末は、複数の再現モードに従って動作し、それぞれの再現モードは再現される調合の所定の量に関連する。
【0236】
調合を再現するために使用可能なリザーバーは、選択された再現モードと無関係に、同じであってよい。ドイツ特許出願第199 38 405号で説明されているデバイスと対照的に、再現モード毎に、容量の異なる特定のリザーバーを用意する必要はない。
【0237】
「トライアル」再現モードにより、例えば0.01mgから10mgまでの範囲のごくわずかの量の香水を、例えば、調製する。
【0238】
「香水付け」再現モードにより、例えば10mgから2gまでの範囲の量を調製する。
【0239】
最後に、「製造」再現モードにより、例えば2gから200gまでの範囲の量を調製する。
【0240】
「トライアル」再現モードは、例えば、設計段階の調合の再現または受け取った提案に対応する調合の再現に適している。
【0241】
「香水付け」再現モードは、例えば、端末のユーザーとサーバーに関わるエキスパートとの間のコラボレーションの結果得られる調合の再現に適している。
【0242】
最後に、「製造」再現モードでは、例えば、エキスパートとユーザーとが承認する、ユーザーが例えば数日間使用することを望んでいる、調合を調製することが可能になる。
【0243】
ユーザーインターフェイスにより、ユーザーは、自分が1つまたは複数の試行で調合を再現することを望んでいるかどうかを示すことができる。例えば、「香水付け」再現モードにより、ユーザーは、再現が4回の試行で実行されるように端末のユーザーインターフェイスを操作することができ、例えば、0.05gの香水を試行毎に調製し、身体の4カ所の異なる部位に塗布する。
【0244】
同様に、「トライアル」再現モードによる調合の再現は、数回の試行で実行することができ、1から10mgの香水が例えば毎回の試行で調製される。
【0245】
分注手段
物質を分注するための手段は、例えば、毎秒1mgから毎秒10gまで、特に毎秒10mgから毎秒1gまでの範囲の流量を示すように構成される。
【0246】
分注手段は、例えば、マイクロ流体力学および特に静電気マイクロ流体力学において使用されるものに、例えば、類似しており、例えば液滴もしくは液体の噴流の形態で香水を分注することを可能にすることができる。
【0247】
本発明による分注手段は、毎秒数マイクロリットル以下から毎秒数ミリリットルまでの範囲の流量で、少量分注するための制御可能なパイプおよび弁を備えることができる。
【0248】
本発明による分注手段は、少なくとも一部は、特に全体として、プラスチック、セラミック、または金属から作ることができる。これは、固着防止材料、例えば、フッ素化もしくはシリカコーティングなどの材料で少なくとも部分的に被覆することもできる。
【0249】
分注手段は、成形、エッチング、または組み立てによって形成されうる。
【0250】
弁は、圧力を印加することによって、またはケーブルの牽引を使用して、電気機械的に、磁気的に、熱に曝された材料の膨張特性を使用して熱的に、物質の通路を選択的に塞いで、機械的に制御されうる。
【0251】
本発明による分注手段は、一変更形態として、圧電タイプの材料に基づく弁または導電性ポリマーもしくは誘電エラストマーに基づくアクチュエータを備えることができる。
【0252】
弁の作動は、例えば、電気式に、例えば、低電圧、特に10V未満の電圧を使用して、実行される。
【0253】
本発明の特定の例示的な実装において、分注手段は弁を持たず、リザーバーに収納されている物質の運動のトリガーがユーザーアクションを用いる、例えば、リザーバーの壁を圧迫することによって調整される。
【0254】
弁が開いたときにリザーバーに収納されている物質の移動を行わせる力は、端末のすべてのリザーバーにかかる連続圧力、またはリザーバーが作動した瞬間にのみ印加される圧力に対応しうる。
【0255】
分注手段は、例えば、1つまたは複数のピストン、特に、電気的力によって変位するピストンを備える。
【0256】
一変更形態として、分注手段は、1つもしくは複数のポンプまたは羽根車、またはリザーバーに力を加えるための小サイズのネジを備え、これにより、物質を変位させることができる。
【0257】
さらに他の変更形態として、分注手段は、リザーバーを加熱するための手段を備え、これにより、リザーバーの壁、またはリザーバー内に存在する1つもしくは複数の物質もしくはガスを膨張させることを可能にすることができる。
【0258】
他の変更形態において、分注手段は、リザーバー内に収納されている物質の変位を行わせる力を空気圧効果によって発生させるように構成された手段を備える。リザーバーは、例えば空気または膨張する液化ガス用の取り入れ口を例えば備える。
【0259】
他の変更形態として、分注手段は、1つまたは複数の電気モーター、例えば、物質の変位を行わせる力を発生するか、または物質の運動を補助するためのステッパーモーターを備える。
【0260】
物質を変位させる力は、直接物質に印加されうるか、または間接的に、例えば、フレキシブルな壁に印加されうる。
【0261】
分注手段によって運動させられる1つまたは複数の流体を端末の出力へと分注することができ、前記出力において混合が行われる。一変更形態として、分注手段は、1つまたは複数の混合室を備え、1つまたは複数の物質が、このまたはこれらの混合室に送られる。
【0262】
分注手段は、1つまたは複数の混合室内で、加熱、冷却、加圧、減圧、ブレンド、またはサードパーティ物質の流動のうちの少なくとも1つの作用を発生させるための手段をさらに備えることができる。
【0263】
分注手段は、攪拌ユニット、例えば、ボール、シケイン、または運動で駆動される携帯型攪拌機をさらに備えることができる。
【0264】
分注手段は、パイプおよび/または1つもしくは複数の混合室をすすぐための手段をさらに備えることができる。これらの手段を使用することで、例えば、液体、液化された、もしくは加圧された気体、または例えば瓶洗浄ブラシを流すことができる。
【0265】
1つまたは複数の調合の再現を目的とする物質を収納するすでに説明されているリザーバーに加えて、端末は、図4に表されている、すすぎ液用の少なくとも1つのリザーバー13および加圧流体用の少なくとも1つのリザーバーをさらに備えることができる。
【0266】
調合の物質を受け入れるリザーバーに関してすでに説明されているのと同様に、端末は、すすぎ液の量または対応するリザーバー内の加圧流体の量を評価することを可能にするようにも構成されうる。
【0267】
分注手段は、少なくとも1つのスタンバイ室とスタンバイ室内に格納されている第1の調合の再現の結果得られる第1の中間香水を移動することを可能にする1つまたは複数の弁をさらに備えることができ、これにより、例えば、スタンバイ室に格納されている第1の香水と、第1の調合の再現の後に実行される、第2の調合の再現の結果得られる、第2の中間香水とを混合することによって香水を調製することが可能になる。
【0268】
ユーザーインターフェイスは、例えば、端末のユーザーが上述の分注手段のさまざまな要素を作動させることができるように構成される。このインターフェイスは、有利には、分注手段を実現するために選択された実施形態に適している。ユーザーインターフェイスは、例えば、電子回路であり、第1の端末の電力段に付随する自動チェックシステムを組み込んでいる。
【0269】
端末は、いくつかの明確に区別される分注手段、例えば、それぞれの再現モードに特有の分注手段を備えることができる。
【0270】
端末は、さまざまな部分、例えば、ユーザーインターフェイスおよびネットワークインターフェイスを備える本体部、ならびに分注手段の全部もしくは一部を含む1つまたは複数の補助部を備えることができ、1つまたは複数の補助部は例えば本体部から脱着可能である。
【0271】
本体部は、例えば、ユーザーが再現される調合の選択および/または調製される香水の量を確認することができるようにさらに構成される。
【0272】
端末は、1つまたは複数の香水出力を備えることができる。
【0273】
香水出力は、例えば、単一の分注手段に付随する。
【0274】
一変更形態として、少なくとも2つの分注手段が、同一の香水出力を共有する。
【0275】
本体部は、調合の再現に先立って、どの香水出力が使用される出力であるかをユーザーに示すことができる。
【0276】
香水出力は、分注ノズルおよび、適切であれば、フェルトまたは拭き取り紙などの塗布手段を備えることができ、塗布手段はクリーニングまたはパージ可能である。
【0277】
香水出力は、圧力または真空ベースの能動的放出システムも備えることができる。
【0278】
上述の分注手段は、端末内に組み込むか、またはサーバーに付随するものとしてよい。
【0279】
香水出力は、適切であれば、例えば圧電式の、霧化手段を備えることができる。
【0280】
分注手段は、蒸発によって作用しうる。
【0281】
調合の再現
本発明により、端末のユーザーは、調合を再現することができる。これらの調合は、適切であれば、サーバーによって再現されうる。
【0282】
一変更形態として、調合は、図5に表されている例のように、第2の端末によって再現されうる。
【0283】
ステップ100では、調合によるそれぞれの物質の量および再現モードにより調製される香水の量の調節は、サーバーによって伝送される調節命令を実行する第2の端末によって自動的に実行される。
【0284】
一変更形態として、このステップにおいて、第2の端末のユーザーは、それぞれの物質および/もしくは香水の体積または重量の調節を引き受ける。
【0285】
示されている例において、再現される調合にリストされているすべての物質は、第2の端末上で利用可能であると想定されている。
【0286】
ステップ101において、第2の端末の分注手段は、ステップ100で決定された量に応じて物質を分注するように作動される。この作動は、第2の端末のユーザーが主体となって、または自動的に実行されうる。
【0287】
最後に、ステップ102において、分注された物質が混合され、その調合による香水が端末の香水の出力で得る。
【0288】
任意選択の方法により、ステップ102の前に実行されうる、図示されていない、ステップにおいて、溶媒もしくはガスによる希釈の操作、または濃度の操作、例えば蒸発を香水、または1つもしくは複数の物質に対し実行する。
【0289】
例えば殺菌を目的とする、もしくは反応を活性化するための紫外線照射、または加熱などの他の操作を実行することができる。これらの操作は、物質、混合の結果、および/またはパイプ、混合室、弁、ゲートなどの第1の端末のさまざまな部分に対し実行されうる。
【0290】
以下でわかるように、第2の端末が調合の再現についてすべての物質を含んでいるわけではない場合に、第2の端末は欠損している物質を送ることを要求するか、またはサーバーが調合を再現するために他の第2の端末を選択することができる。
【0291】
適切であれば、サーバーは、物質を収納するリザーバーおよび考えられている調合に従って香水を再現することを可能にする分注手段に関連付けられ、この調合の再現は、サーバーによって実行される。
【0292】
香水の製造およびパッケージングとは無関係に、端末も、サーバーも、例えば、調合を決定することはなく、実行される調合のみが少なくとも1つの、もしくは実際にはそれぞれの端末に付随するメモリ、またはサーバーに付随するデータベースに事前記録される。隠し調合は、例えば、第1の端末に付随するメモリ内に記録され、例えばサーバーによって伝送される符号を第1の端末が受信した後にのみアクセス可能である。
【0293】
一変更形態として、調合の決定は、例えば、人間の介入なしで、もっぱら端末および/またはサーバーによって実行される。一変更形態として、少なくとも1つの調合の決定には、第1の端末のユーザーおよび/またはサーバーに関わるエキスパートが加わる。
【0294】
例えば、端末のみが調合を決定することができ、サーバーは事前記録された調合のみを実行することができる。
【0295】
一変更形態として、サーバー側で調合を決定することができるが、端末側では決定することができない。
【0296】
本発明の他の例示的な実装によれば、サーバーおよび端末は、調合を決定することができる。
【0297】
端末および/またはサーバーは、これらによって決定されている調合を再現することもできる。
【0298】
スレーブモードにおける動作
第1の端末から要求があったときに第2の端末がスレーブモードで調合の再現に本発明を適用する第1の例について、図6を参照しつつ説明する。
【0299】
第1の端末1は、サーバー2に、再現する調合、選択された再現モードを記述し、第2の端末3を識別する要求200を送信する。
【0300】
この再現する調合は、例えば、前の方で述べた、サーバー2と第1の端末1との間の図示されていない交換に対応する、要因のうちの1つに応じて、サーバー2によって決定された1つまたは複数の調合のうちから選択または修正される。
【0301】
サーバー2は、確認応答メッセージ201を第1の端末1に送信する。
【0302】
サーバー2は、要求200を分析し、要求202の送信によって再現される調合にリストされている芳香物質のこの端末上での利用可能性について要求200において識別されている第2の端末3に問い合わせを行う。
【0303】
第2の端末は、肯定応答メッセージ203を、次いで、第2の端末3上で利用可能な化合物を識別する要求204を送信する。
【0304】
再現される調合にリストされているすべての物質が、第2の端末3上で利用可能であると識別された場合、サーバー2は、その後、受信された調合および選択された再現モードを記述した要求205を第2の端末3に伝送し、第2の端末3は、肯定応答メッセージ206を送信する。第2の端末は、その後、図5を参照しつつ説明されているステップ100から102を実行することによって要求205の命令に従って調合を再現する。
【0305】
この再現は、第2の端末のユーザーの合意を条件とする場合しない場合がある。
【0306】
スレーブモードでの再現は、一変更形態として、第1の端末が主体となって、サーバーによって実行されうる。
【0307】
第1端末から要求があったときに別の端末がスレーブモードで調合の再現に本発明を適用する第2の例について、図7を参照しつつ説明する。
【0308】
第1の端末のユーザーは、例えば、別の端末のユーザーの近くに居て、自分の香水を嗅ぎ、それを再現することを決定する。
【0309】
次いで、第1の端末のユーザーは、嗅いだ香水に対応する調合の伝送を要求する要求210を他の端末に送信する。
【0310】
他の端末4は、肯定応答メッセージ211を送信する。
【0311】
他の端末4は、その後、第1の端末1に、嗅いだ香水に対応する調合を記述した要求212を伝送する。
【0312】
次いで、第1の端末1は、肯定応答メッセージ213を他の端末に送信し、次いで、例えば、図5を参照しつつ説明されている要求200に類似し、一方で第1の端末1とサーバー2との間で、また他方でサーバー2と第2の端末3との間で同じ交換に至る、要求214をサーバー2に送信する。
【0313】
一変更形態において、調合に対応する香水は他の端末4によって再現される。
【0314】
調合と利用可能な物質との比較。欠損物質に対処するための対応関係の表
すでに述べたように、第2の端末によってサーバーに送信される要求は、第2の端末上で利用可能な物質を識別する情報を含むことができ、サーバーは、この情報の分析時に、サーバーが第2の端末に送信することを提案する定義済みの調合にリストされているか、または第1の端末で考案され、第1の端末によって送信される要求に含まれる調合に基づいて作られる最適化された調合にリストされている芳香物質を第2の端末上で利用可能なものとして識別されている芳香物質と比較するように構成されうる。
【0315】
サーバーの第1の例示的な構成によれば、サーバーは、第2の端末によって送信された要求内の第2の端末上で利用可能なものとして識別されている物質のみを考慮することによって1つまたは複数の調合を決定する。
【0316】
サーバーの第2の例示的な構成によれば、サーバーは、第2の端末によって送信された要求内の第2の端末上で利用可能なものとして識別されている物質および適切であれば、第2の端末上で利用可能なものとして識別されていない1つまたは複数の物質を考慮することによって1つまたは複数の調合を決定する。
【0317】
このような場合、サーバーは、分析を中断し、特定の物質が存在していないことを知らせる警告メッセージを第2の端末に送信することができる。
【0318】
一変更形態として、データベースは、これらの物質に共通の物理化学的性質に応じたさまざまな芳香物質同士の対応関係の表を含み、サーバーは、少なくとも1つの調合を決定するか、または第2の端末上で利用可能な物質および再現される調合の物質を比較することによって考案された調合を修正し、対応関係の表の助けを借りて、第2の端末上で利用可能なものとして識別されている物質で第2の端末上で利用可能でないと識別されている前記調合の1つまたは複数の物質を置き換える。
【0319】
この例によれば、本発明では、1つまたは複数の物質が利用不可能であるか、または少量しか利用可能でないにもかかわらず最終的な香調を近似することが可能になる。
【0320】
対応関係の表は、フレグランスの主要クラスによって働き、フレグランスの近似性に基づいて、必要ならば他の物質の量を修正することによって、他の物質を提案することができる。例えば、バニリンがない場合、対応関係の表は、エチルバニリンを代わりに使用できることを示す。対応関係の表では、エチルバニリンは、バニリンよりも強力なので、バニリンよりも少ない量で使用しなければならないことも指定できる。対応関係の表は、他の物質の量が再計算されなければならないことを示す情報も含みうる。
【0321】
対応関係の表にカタログ化されているそれぞれの芳香物質は、例えば、類似の物質のリストに関連付けられる。芳香物質間の近接度は、例えば、香水エキスパートによって定量化される。
【0322】
物質Aは、例えば、6つの芳香物質に関連付けられ、物質Bは物質Aと90%類似し、物質Cは物質Aと80%類似し、物質Dは物質Aと70%類似し、物質Eは物質Aと60%類似し、物質Fは物質Aと50%類似している。
【0323】
対応関係の表の助けを借りて、最適化された調合にリストされ、送信先端末上で利用可能でない芳香物質のうちの少なくとも1つが送信先端末上で利用可能である少なくとも1つの芳香物質で置き換えられると判定した場合、サーバーは、近接度を下げることによって、利用不可能な物質を端末上で利用可能なリストから選ばれた物質で置き換えることができる。
【0324】
端末上で利用可能な物質がどれも、調合にリストされているが端末上では利用可能でない物質に関連する物質のリスト内に載っていない場合、サーバーは、欠損芳香物質を端末に送るよう提案するか、または適切な物質を見つけるために、社内エキスパートに問い合わせることができる。
【0325】
一変更形態として、データベースには対応関係表がなく、第2の端末は、利用不可能な1つもしくは複数の物質がリザーバーに収納されている物質の混合物のうちで目立っているかどうか、または利用不可能な1つもしくは複数の物質が、異なる濃度でリザーバーに収納されているかどうかを調べるように構成されている。
【0326】
他の一変更形態として、サーバーが完全自動化されていない場合、第2の端末上で利用可能でない形成されるべき調合の1つまたは複数の物質は、自己の経験を利用するエキスパートによって置き換えられる。
【0327】
欠損している1つまたは複数の物質を第2の端末に追加することもできる。サーバーは、例えば、第2の端末上に、利用不可能な1つもしくは複数の物質、または一変更形態として、1つもしくは複数の近似物質を配設するようユーザーを促し、導入される1つまたは複数の物質を収容するためにリザーバーの中身を排出するように指定することができる。中身を排出されるリザーバーに対応する物質は、例えば、調合の組成物にリストされていないもののうちから、または最も使用の少ないもののうちから選択される。
【0328】
欠損している1つまたは複数の物質が即座に利用可能でない場合、サーバーは、利用不可能な1つまたは複数の物質のオーダーを中央の施設に送信し、物質を送ってもらうことができる。
【0329】
他の一変更形態として、サーバーは、別の第2の端末を、その第2の端末が再現される調合に従ってすべての物質を思い通りに備えられることを確認した後に選択する。
【0330】
本発明は、サーバーによって決定された調合の物質と第2の端末上で利用可能な物質とのサーバーによる比較に限定されない。
【0331】
そのような比較は、第2の端末が調合を再現しているときに第2の端末によって実行することもできる。このような場合、第2の端末に付随するメモリは、例えば、上述のような対応関係表を備える。
【0332】
サーバーが、芳香物質を収納しているリザーバーに関連している場合、第1の端末によって送信された要求において記述されている調合にリストされている芳香物質とサーバーの取り扱い範囲の芳香物質との間の上述の比較演算は、サーバーによって実行されうる。
【0333】
サーバーは、適切であれば、芳香物質同士の対応関係の表の助けを借りて、上述のように作業を進めることができる。
【0334】
香水の製造およびパッケージング
本発明では、第1の端末のユーザーは再現モードの1つに従って調合を再現する要求をサーバーに送信し、その要求の中で、そうして製造された香水が例えば郵便事業者によって送られる発送先住所を指定することができる。
【0335】
香水は、サーバーから命令を受け取った香水製造設備によって製造され、パッケージされうる。
【0336】
図11の例において、第1の端末1は、サーバー2に、再現する調合および例えば、パッケージされた香水の発送先住所を記述した要求220を送信する。
【0337】
サーバーは、肯定応答メッセージ221を第1の端末1に送信し、次いで、香水製造設備6に、製造されパッケージされる香水の調合に関係する命令および適切であれば、パッケージされた香水の発送先住所を含む要求222を伝送する。
【0338】
一変更形態として、サーバーは、リザーバーに、またすでに説明されているような分注手段に関連付けられており、製造およびパッケージングは、図12に表されているように、サーバーによって実行される。
【0339】
要求220を受信した後、サーバーは、命令223に従って香水を製造し、パッケージすることができる。
【0340】
香水は瓶詰めでパッケージすることができる。瓶は、漏れ止めストッパーおよび/分注手段、例えば、ポンプを備えることができる。ストッパー手段は、塗布器を備えることができる。香水の容量範囲は、例えば、1mlから2000mlまでである。パッケージングは、エキサイタ部材、特に圧電部材によって振動させることを意図した膜を備えることができる。
【0341】
香水は、瓶詰めにパッケージするか、またはオーディオおよび/もしくはビデオファイル、もしくはこのようなファイルをダウンロードすることを可能にするリンクを格納した電子メモリを搭載した別のパッケージングデバイスにパッケージすることもでき、これについては、フランス特許出願第2 905 568号で開示されている。メモリは、例えば、製造された香水および/または対応する調合にリストされている芳香物質を識別することを可能にする情報を格納する。
【0342】
香水は、サーバーから命令を受け取る第2の端末によって製造することもできる。
【0343】
この第2の端末の香水出力は、例えば、ユーザーが自由に調製した香水を保持することを可能にするように構成されたパッドを備える。パッドは、例えば、柔軟な非吸収材料のうちから選択された発泡体、例えば、ポリウレタンフォームである。
【0344】
第2の端末の香水出力は、装着パッドを備えることができる。
【0345】
調合の再現の完了後、香水を含むパッドが、例えば、パッケージされ、次いで、第1の端末のユーザーによって指示された住所に送られる。
【0346】
一変更形態として、第2の端末の香水出力は、瓶、または呼吸マスクなどの嗅覚に適したシステムを受け入れる装備をする。
【0347】
パッケージされた香水は、その後、定義済みの住所、例えば、第1の端末のユーザーまたはそのユーザーの知人の1人の郵便の宛先に配送することができる。
【0348】
フレグランスをよく理解し、嗅覚教育を行うために調合を調製するためのプログラム
本発明の例示的な一実装によれば、端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベースは、1つまたは複数の調合の再現を引き起こすことが意図されている1つまたは複数のプログラムを格納する。これらのプログラムは、端末および/またはサーバーの製造時に埋め込まれるか、またはその後ロードされる。
【0349】
これらのプログラムにより、調合の再現を引き起こすことが可能になり、調合は場合によってはいくつかの場合において非常に単純な混合物にまで簡素化されるか、さらには実際にそれらの物質だけにされ、第2の端末が、サーバーからの命令に基づいて香水を製造し、パッケージすることができる。
【0350】
香水の製造およびパッケージングとは無関係に、これらのプログラムに従って作られる調合により、端末の可能な候補を発見すること、物質もしくは物質のパレットの可能な候補を発見すること、または1人もしくは複数のユーザーに香水の世界を教育することを可能にすることができる。
【0351】
プログラムは、第1の端末のユーザーまたはサーバーに関わっているエキスパートの嗅覚面の嗜好を評価するためにすでに定義されている調合に基づいて調合を再現するか、または調合を生成することもさらに可能にすることができる。
【0352】
これらのプログラムを使用すれば、第1の端末のユーザーおよびサーバーに関っているエキスパート、または第1の端末および第2の端末にそれぞれ関っているユーザー、または第2の端末は、調合の再現によって得られる香水を評定するための共通言語について合意することもできる。同一の再現されるフレグランスに基づく記述子を定義することができ、この記述子は例えばそれぞれの端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベース内に記録される。
【0353】
これらのプログラムは、表現、例えば、調合にリストされている物質の説明およびその含有量を伴うものとしてよい。表現は、画像、テキスト、楽曲、映画、および/またはアンケートにさらに対応することができる。
【0354】
プログラムは、例えば、ゲームの形態をとる。
【0355】
このようなプログラムにより、娯楽の形で本発明を実装することも可能になり、したがって、端末のユーザーを本発明にさらに引きつけ、ユーザーの教育をさらに行いやすくすることができる。
【0356】
本発明の例示的な一実装によれば、第1の端末およびサーバーを使用することで、例えば嗅覚喪失、健忘症、または自閉症を例えば患っている成人もしくは子供の介護または再教育を行うことができる。
【0357】
調合を発見するためのプログラム
香水の製造およびパッケージングとは無関係に、他のプログラムを端末に付随するメモリおよび/またはサーバーに付随するデータベースに記録することができ、これらのプログラムは、実行されると、新しい製品、または調合を再現することによって既存の製品を提示することができる。
【0358】
プログラムは、例えば、製造中の製品を提示することができる。
【0359】
プログラムは、ある範囲のさまざまな要素を示すことによって製品を提示することもできる。
【0360】
これらは、製品のさまざまなノートの細目を分類することによって製品を提示することもできる。
【0361】
調合を改善するため共同作業。調合の比較
すでに説明されているように、第1の端末およびサーバー、または第1の端末および第2の端末、さらには実際に2つのサーバーも、調合を作るために情報を交換しうる。
【0362】
これまででわかったように、第1の端末は、例えば、サーバーに、符号化形式で香水の製造に関係する情報を含む要求を送信する。
【0363】
調合は、端末および/またはサーバーの一方によって再現されるか、または記述的な形式において作ることができる。第1の端末および/またはサーバーおよび/または適切であれば、第2の端末は、調合を改善するために、提案をさらに出すか、さらには実際に、決定された調合を送信することができる。
【0364】
第1の端末、サーバー、および適切であれば、第2の端末または別のサーバーは、コミュニティまたはブログの形で情報交換することもできる。このような一例によれば、交換される情報は、少なくとも一部は1つのグループに配布される。
【0365】
それぞれの端末および/またはサーバーは、例えば、調合を比較するためのプログラムを備え、このプログラムは、メモリまたはデータベースにすでに記録されている調合に関して、同一の調合および/またはそれを近似する調合を検出し、それらの調合は同等の芳香物質および/または同等の濃度を実現する。
【0366】
プログラム、調合、および物質の無効化ならびにアクティブ化を行うためのシステム
それぞれの端末および/またはサーバーは、上述のプログラムおよび適切であれば、適宜関連付けられている表現および質問を無効化するためのシステムを備えることができる。これらの無効化システムは、例えば、瞬間的にまたは他の何らかの形でプログラムの実行を禁じることを可能にすることができる。
【0367】
プログラムのアクティブ化は、例えば、端末による、それぞれサーバーによる、サーバーによって、それぞれ端末によって送信されたコマンドの受信後に、可能である。
【0368】
一変更形態として、無効化システムは、定義済みの日付までのみ、または所定の持続時間の間のみ、1つまたは複数のプログラムのアクティブ化を阻止するように構成される。この所定の持続時間は、例えば、端末の前の動作持続時間に対応する。
【0369】
他の一変更形態として、無効化システムは、端末および/もしくはサーバーのユーザーインターフェイス上に所定の符号を入力した後、または所定のコンピュータ化されたキーの端末および/もしくはサーバーへの接続の後に、非アクティブ化されるように構成される。
【0370】
本発明は、したがって、所定の日付のみの調合を発見することができるようにすることを可能にし、調合は前述のように符号を受信する前に端末に付随するメモリ内に隠されている。
【0371】
無効化システムは、例えば、定義済みの条件の下で、または所定の回数でのみ、調合の再現を可能にする配置構成をとる。
【0372】
調合およびプログラムの伝送、調合の自動伝送
すでに説明されているように、第1の端末は、サーバーまたは第2の端末によって送信された調合を受信することができる。
【0373】
調合、およびより一般的には、サーバーと端末との間の情報の伝送は、有線もしくは非有線の接続を使って実行されうる。
【0374】
端末およびサーバーが離れた場所に置かれている場合、接続は、例えば、電話またはインターネット接続であり、端末およびサーバーはモデム、ルーターまたは同様のものなどの通例のインターフェイスモジュールを備える。このインターフェイスモジュールにより、WiFiまたはWiMAX接続を実行することが可能になる。
【0375】
端末およびサーバーが近い場所に置かれている場合、接続は、例えば、ケーブルを使った有線リンク、赤外線リンク、例えばBluetoothまたはZigBeeなどの無線リンクで行われる。
【0376】
他の変更形態では、互いに近接して配設されている端末とサーバーとの間の通信は、端末のユーザーもしくはサーバーに関っているエキスパートによって手動で情報の導入によって、または例えば、USBキーなどのメモリを使って電子的に、または例えば、携帯電話もしくはパーソナルデジタルアシスタントなどの中継装置による送信によって実行される。
【0377】
他の通信手段も可能であり、例えば、それぞれの端末のユーザー、それぞれサーバーに関っているエキスパートによる、音声による、または郵便、ファクス、もしくは電子メールによる、調合の受信、およびユーザーインターフェイスの助けを借りての前記端末の、それぞれのサーバーの、メモリ内への調合の導入などが挙げられる。
【0378】
他の一変更形態として、サーバーは、調合またはプログラムを複数の端末に伝送することができる。
【0379】
伝送は、暗号化キーを使って行うことができる。
【0380】
他の変更形態では、端末およびサーバーのうちの少なくとも一方と、端末に関わっていない、またはサーバーに関っているエキスパートでないユーザーとの間で通信を行うことができる。
【0381】
この変更形態によれば、1つまたは複数の調合は、例えば、インターネットもしくはUSB接続またはSMSによって端末およびサーバーのうちの少なくとも一方に送信され、このリストは制限的ではない。
【0382】
本発明の一実施形態によれば、それぞれの端末、それぞれサーバーは、すでに決定されている調合をサーバーに、それぞれ各端末に、自動的に伝送するように構成される。
【0383】
それぞれの端末は、考案された調合を連続的に、かつ自動的にサーバーにさらに送信することができる。
【0384】
混合のカスタマイズを支援するための情報の考察
選好を識別するためのプログラム
サーバーは、例えば、端末に調合を提案するためにユーザーの端末に付随するメモリ内に記録されているユーザー選好の中にカタログ化されている個人情報を考慮するように構成される。
【0385】
それぞれの端末および/またはサーバーは、端末のユーザーによって実行された好ましいおよび/または嫌いなフレグランスの選択が別の人、人々のグループ、または人々の象徴的なグループによって実行された選択に近似しているかどうかを評価するように構成された、比較システムを備えることもできる。
【0386】
端末および/またはサーバーは、調合の漸進的変化を分析し、ユーザーが行う優先的修正を抽出するようにも構成されうる。
【0387】
受信および送信される調合を管理するためのインターフェイス
それぞれの端末は、受信および送信される調合を管理するためのインターフェイスを備えることができる。
【0388】
受信および送信される調合を管理する端末のインターフェイスは、例えば、サーバーから調合を受信したことを示す可聴および/または視覚インジケータを備える。
【0389】
一変更形態として、受信および送信された調合を管理するためのインターフェイスは、コンピュータ化および/または電話ネットワークに接続され、端末が調合を受信したときにメッセージ、例えば、SMSまたは電子メールを端末のユーザーに送信する。
【0390】
受信および送信された調合を管理するためのインターフェイスは、例えば、端末に付随するメモリのディレクトリに受信した調合を記録し、物質の種類、調合の種類、または送信者別に分類するように構成される。
【0391】
(実施例)
次に、本発明の実装のいくつかの実施例について、説明する。
【0392】
一実施例では、通信標準は3つのセクションからなる。
【0393】
第1のセクションは、例えば4096行からなるチャートであり、それぞれの行は定義済みの物質に対応している。それぞれの行は、例えば、0から255までの範囲の番号が書き込まれる。
【0394】
第2のセクションは、一組のコメントとして、例えば4096個のASCII文字で構成される。
【0395】
第3のセクションは、端末のユーザーの識別子、調合の送信日時、調合を識別する番号、および端末上で利用可能な物質に対応する例えば8つの行のチャートに関する情報を含む。
【0396】
考察されている実施例では、通信標準は、物質の性質に関する情報項目および物質の説明を含まない。
【0397】
端末およびサーバーは、同一の対話チャートを共有し、これにより、それぞれの物質を嗅覚記述子に、その逆に嗅覚記述子をそれぞれの物質に翻訳することが可能になる。
【0398】
調合の設計、調製、やり取り、および経験のやり取りを伴う実施例
すでに説明されている「香水付け」再現モードに従って動作するように構成されている、本発明による端末1の第1の実施形態について説明する。
【0399】
この端末1の簡単な概要が図8に示されている。
【0400】
この実施例によれば、同一のケーシング20は、
ADVANTECH(登録商標)社によってPCM4170の名称で販売されているPCタイプの超小型PC 104、
PCフォーマットに適した32ビット入出力カード、
PCフォーマットに適した8リレーカード、
6つの流体取り入れ口と電気コネクタを備える、MICROLIQUID(登録商標)社によって3020PCBの名称で販売されている2つのマイクロ流体力学ユニット21および22、
複雑な芳香物質に対応する3つの10mLフレキシブルプラスチック製メインリザーバーF1、F2、およびF3、および
単純な芳香物質に対応する5つの2mLフレキシブルプラスチック製トーニングリザーバーF4からF8
を収納する。
【0401】
リザーバーおよびマイクロ流体力学ユニットは、図8に表されているようにフックアップされている。
【0402】
出口パイプ25は、膨張ポリウレタンフォームで作られた、図示されていない、円盤上に現れる。
【0403】
8つのリザーバーF1からF8は、3つの鋼ばねによって圧迫されるプレートシステムによる機械的圧力の下に置かれている。
【0404】
PCは、画面、キーボード、およびマウスを備える。
【0405】
次に、「香水付け」再現モードに従って、端末のPCの例示的なプログラムを説明するが、以下の説明は第1の端末1、第2の端末3、および別の端末4にも同様に適用される。
【0406】
PC 104は、以下のプログラムを備える。
端末のユーザーに、そのユーザーが物質の配置を修正したか、または物質を変更したかを尋ねる、「I-Boot」と称される起動インターフェイスプログラム。修正または変更している場合、ユーザーはアンケートに記入し、これにより、ユーザーは、リザーバーの8つの配置毎に、そこに配置される物質の、0から4095までの番号の形態でリファレンスを与える。このチャートは、「物質-配置」と称される。
メインリザーバーF1〜F3内の3つの複雑な芳香物質を記号化する3つの点、およびトーニングリザーバーF4からF8内の5つの単純な芳香物質の助けを借りて可能な5つの香調を記号化する、これら3つの点を始点とする5つのベクトルを画面に表示するインターフェイスプログラム「I-User」。
【0407】
このプログラムでは、例えば、端末およびサーバーに共通の変換チャートに基づいて物質のそれぞれの名称を画面に表示し、この変換チャートによりリファレンス0から4095および物質のそれぞれの説明が連動する。
【0408】
端末に付随するメモリが調合を格納している場合、それらが受け取った調合であろうと、構成された調合であろうと、記録された最後の調合が始点と、それに加えられるベクトルの形式で画面に表示され、これは可能な香調の追加に対応する。画面では、適切であれば、必要に応じて他の調合を表示することも可能である。
【0409】
ユーザーインターフェイスを使用することで、ユーザーは、香調ベクトルの追加または削除、および/または複合開始香水の選択を行うことができる。複合開始香水の選択は、例えば、それぞれ複合開始物質に関連付けられる、3つの部分メモリに、値0または値100のいずれかを入力することによって実行される。1つまたは複数の香調ベクトルも選択することができ、これは、香調ベクトル毎に5%の倍数とすることができる。これらのベクトルは、V1からV5と称される5つの部分メモリに関連付けられ、0から100までの範囲にある値を前記部分メモリのそれぞれに入力することが可能である。
【0410】
このインターフェイスにより、ユーザーは、4096個の英数字を使用した形式のコメントを導入することができる。
【0411】
PCは、さらに以下を備えることができる。
毎回、4096種類のありえる物質のそれぞれに対応する4096行からなるチャートを作成し、参照する、調合計算プログラム「Formulation Calculation」。このチャートは、例えば、「Formulation」と称される。このプログラムは、チャートの各行に、物質のリファレンスの代わりに、値D1、D2、D3、V1、V2、V3、V4、V5を導入し、その一方で、それぞれの値を、値(D1+D2+D3+V1+V2+V3+V4+V5)で割ることによって小さくするように構成される。
例えばPCの内蔵ADSLモデムを使って、端末が調合ファイル、コメントファイル、および「user」ファイルを送信する、「Formulation transmission」と称する調合伝送プログラム。このユーザーファイルは、例えば、サイズが約4096バイトであり、データとして、ユーザーのコード、送信日時、「substance-location」チャートを格納することができる。プログラム「Formulation-transmission」を使用することで、端末が調合ファイルを受信し、調合の受信日時を画面に表示することによってユーザーに対して警告を発し、さらには物質のリストによって調合を表すこともできる。このプログラムでは、ユーザーの同意の下で、上述のプログラム「I-Preparation」を実行することによって調合の再現を分析することも可能になる。
インターフェイスが調合の物質と端末上で利用可能な物質とのすりあわせが適切であることを確認し、物質が欠損している場合ユーザーにあらかじめ警告し、調製する香水の量さらには再現プログラムをアクティブ化する許可を要求する、再現の準備をするためのインターフェイスプログラム「I-Preparation」。
端末が調合を、それぞれの物質に対応する「substances activation」と称される8行ファイルを作成することによって、またすでに導入されている、調製される香水の量を掛けた「formulation」チャートの値を割り当てることによってアクティブ化される物質に変換する、「formulation reproduction」と称される調合を再現するためのプログラム。このプログラムは、それぞれの物質のそれぞれの弁について、割合の値を実数の量に変換させるために値0.01を掛けた「substances activation」チャートの値に対応する所定の時間の間、分注手段の弁も作動させる。調合を再現するためのプログラムは、調製される香水の量をさらに比較することができ、この量が2グラムを超える場合には、端末の助けを借りて調合を再現することはせず、端末は「香水付け」再現モードに従って動作するように構成される。次いで、端末は、サーバーに調合を再現する要求を送信することができる。
【0412】
本発明の例示的な使用において、2人のユーザーがそれぞれ、すでに説明されているようなそれぞれのユーザーが好む端末を有し、これは第1の端末および第2の端末と称される。
【0413】
端末のそれぞれのリザーバーF1からF8は、説明されている実施例では、活性材料25%とエタノール75%を含む、芳香物質を充填される。
F1は、伝統的な男性向けの複合香水物質、GIORGIO ARMANI(登録商標)によるAqua di Gio(登録商標)に対応する。
F2は、スポーツマン向けの複合香水物質、RALPH LAREN(登録商標)によるPolo Blue(登録商標)に対応する。
F3は、若い男性向けの複合香水物質、GIORGIO ARMANI(登録商標)によるArmani Code(登録商標)に対応する。
F4は、例えば白檀材、シーダー材、またはベチベル材に由来する、ウッディードミナントの単純な物質に対応する。
F5は、レモンのエッセンシャルオイル、ベルガモットのエッセンシャルオイル、またはネロリのエッセンシャルオイルなどのヘスペリデスドミナントの単純な物質に対応する。
F6は、ホワイトムスクまたはガラクソリドなどのムスクドミナントの単純な物質に対応する。
F7は、カロンなどのマリーンドミナントの単純な物質に対応する。
F8は、グルメドミナントの単純な物質、例えば、エチルマルトールまたはエチルバニリンに対応する。
【0414】
説明されている実施例では、サーバーは、専門家である、香水師が関わっている。サーバーは、上述のものと同じ物質を収納するリザーバーを備える。
【0415】
この実施例では、サーバーは、自由に、アルコール性の香水のフレグランスの分野における各種芳香のかなり広いコレクションを構成する200種類の物質のストックを有する。
【0416】
説明されている実施例では、サーバーおよび2つの端末は、2MB/sの伝送速度に対応できる電話ネットワーク接続を介してリンクされる。2人のユーザーが、最初に、「I-Boot」プログラムを実行する。
【0417】
次に、端末のいくつかの使用事例について、説明する。
【0418】
(使用例1:オーダー)
第1の端末1は、サーバー2に、考案された調合を記述した要求を送信し、オーダーする。サーバーは、第1の端末1に関連するアドレスに送信するために必要な量の調合を再現するか、または再現の手配をする。
【0419】
(使用例2:共有)
第1の端末は、別の端末から調合を受信し、この調合をメモリ内にすでに記録されているさまざまな調合と比較し、次いで、サーバー2に、その調合に従って香水を製造しパッケージする要求を送信することによってその調合を再現する決定を下す。
【0420】
(実施例3:「女性」向け製品)
香水に関する詳しい知識のない2人のユーザーに、前述のような端末を提供する。
【0421】
それぞれの端末は、活性材料25%とエタノール75%を含む、香水物質を充填した8つのリザーバーF1からF8を備える。F1からF3は、メインリザーバーであり、F4からF8は、トーニングリザーバーである。
【0422】
F1は、女性向けの複合香水物質、例えば、GIORGIO ARMANI(登録商標)によるEmporio White She(登録商標)に対応する。
【0423】
F2は、女性向けの複合香水物質、例えば、GIORGIO ARMANI(登録商標)によるArmani Code(登録商標)に対応する。
【0424】
F3は、女性向けの複合香水物質、例えば、LANCOMEによるHypnose(登録商標)に対応する。
【0425】
F4は、ジャスミンまたはリリアルのアブソリュートなどのフローラルドミナントの単純な物質に対応する。
【0426】
F5は、パチュロールなどのオリエンタルドミナントの単純な物質に対応する。
【0427】
F6は、レモン、ベルガモット、またはネロリのエッセンシャルオイルなどのヘスペリデスドミナントの単純な物質に対応する。
【0428】
F7は、ガンマデカラクトンなどのフルーティドミナントの単純な物質に対応する。
【0429】
F8は、エチルマルトールまたはエチルバニリンなどのグルメドミナントの単純な物質に対応する。
【0430】
それぞれのユーザーは、瓶F1からF8の混合を行うことによって香水を調製し、すでに説明されている標準に従って、再現された調合を他のユーザーに伝送する。
【0431】
それぞれのユーザーは、次いで、受信した調合を再現し、それに対する感想を述べることができ、これにより、自分で構成した調合を改善することが可能になる。それぞれのユーザーは、サーバーがその調合を再現するか、または再現の手配をするように調合再現要求をサーバーに伝送することができる。
【0432】
(他の実施例)
「香水付け」再現モードに従って動作するように構成された端末の第2の実施形態によれば、端末はマイクロ流体力学ユニットを備えていない。
【0433】
この実施例では、8つのリザーバーF1からF8は、フレキシブルパイプによって混合室に接続される。
【0434】
これらのパイプは、平行である。中程にそって、図9に表されているように、3つのアイドラー31および32によってもたらされる曲率に従う。
【0435】
これからわかるように、中間アイドラー31の軸は、レール上に取り付けられ、図示されていない、ステッパーモーターによって垂直に変位しうる。すすいでも、パイプ33はあまりへこまず、流体を流すことができる。
【0436】
この実施形態によれば、PCは、8チャネル制御カードの助けを借りて駆動される8個のステッパーモーターを備え、8個のモーターのそれぞれを動作させることによって1つまたは複数の他の流体の流れを作動させる。
【0437】
図10に表されている、この第2の実施形態の一変更形態によれば、中間アイドラー31は、歯車装置34で置き換えられる。
【0438】
この歯車装置のスピンドルは、回転し、ステッパーモーターによって駆動され、液体を循環させることができる。
【0439】
(「製造」再現モードに従って動作するように構成されたサーバーの実施例)
このようなサーバーは、第1のケーシング内に、PCタイプの超小型PC 104、例えば、ADVANTECH(登録商標)社がPCM4170の名称で販売しているPC、PCフォーマット104に適している32ビット入出力カード、およびPCフォーマット104に適している中継カード16を収納することによって実現されうる。
【0440】
第1のケーシングに接続されている、第2のケーシングには、C1からC16の番号が振られている16個のプラスチック製流体リザーバーを収納し、それぞれのリザーバーは少なくとも1つの物質を収容する。瓶は、直径0.8mmのパイプで、攪拌ユニットを備える混合室に連結されている。
【0441】
SIRAI(登録商標)社がPlug-in microsolenoid valves (M8)、V116B03-Z030Bという名称で販売しているマイクロバルブを一連のパイプの中程に取り付ける。これらのマイクロバルブは、アクティブ化されていない場合に「閉成」型である。
【0442】
混合室の口は、回収瓶内に見えている。
【0443】
サーバーは、ADSLモデムを使って端末と通信し、端末によって送信された香水製造およびパッケージング要求を受信することを可能にするプログラムも備える。このプログラムは、例えば、それぞれの製造およびパッケージングに、端末のユーザーのアドレス、例えば、ユーザーのインターネットアドレスおよび/またはユーザーの郵便の宛先を関連付けることによって、製造およびパッケージング要求を管理する。
【0444】
第1の端末から香水を製造しパッケージする要求を受信したサーバーのPCは、要求に記述されている調合を必要な量だけ再現する。
【0445】
オペレータは、製造された製品を回収し、製造品質を評価した後、例えば、製造されパッケージされた香水がユーザーに間もなく届くことをユーザーに知らせるメッセージをユーザーのインターネットアドレスに送信する命令をPCに送る。
【0446】
オペレータは、その後、パッケージされた香水をユーザーに、例えば、ユーザーの郵便の宛先に送ることができる。
【0447】
サーバーのPCは、メモリ内に、さまざまな要求を、香水の調合、および製造される香水の量とともに保持することができ、これは端末のユーザー毎に行う。
【0448】
(他の実施例)
サーバーは、例えば、第1のケーシングによって、すでに説明されている「香水付け」再現モードに従って動作するように構成された他のサーバーに、またADSLモデムを使って端末にリンクされる。
【0449】
「製造」再現モードに従って動作するように、また「香水付け」再現モードに従って動作するように構成されたサーバーのPCは、情報をやり取りし、「香水付け」再現モードによるPCは例えば「製造」モードによるPCに調合を再現するよう要求することができる。
【0450】
「製造」再現モードによるサーバーのプログラミングは、例えば、上述の弁に適しており、弁が開いたら直ちに攪拌システムを作動させることによって、5分間、混合動作を管理するという事実を除いて「香水付け」再現モードによる端末のプログラミングと同じである。
【0451】
一変更形態として、混合室の出口は、M5範囲からのいわゆる「ツーウェイマイクロソレノイド」弁、名称V165B03-Z030Lを備えることができる。
【0452】
(他の実施例)
次に、本発明の他の使用例について、説明する。
【0453】
この実施例によれば、ユーザーは、上で説明したような「香水付け」再現モードに従って動作するように構成された端末を提供される。
【0454】
この実施例には、
上で説明したような「製造」再現モードに従って動作するように構成されたサーバー、および
「香水付け」再現モードに従って動作するように構成されたサーバーの2つのサーバーが関わっており、
これら2つの装置はUSBポートによって接続される。
【0455】
端末のユーザーは、いくつかの調合を自分で再現し、得られた香水を使用した後、より大きな量の調合を受け取ることを決定する。端末は、その調合を記述した要求を、「香水付け」再現モードに従って動作するように構成されているサーバーに送信し、20gのかなり大きなサンプルを受け取ることを要求する。
【0456】
「製造」再現モードに従って動作するように構成されたサーバーは、「香水付け」再現モードに従って動作するように構成されたサーバーの命令に基づいてその調合を再現する。
【0457】
本発明は、ちょうど説明されたばかりのこれらの実施例に限定されない。
【0458】
「1つの...を含む(備える)」という表現は、「少なくとも1つの...を含む(備える)」と同義であると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0459】
1 第1の端末
2 サーバー
3 第2の端末
4 端末
11 メインリザーバー
12i トーニングリザーバー
121〜1219 トーニングリザーバー
13 リザーバー
14 電池
16 中継カード
20 ケーシング
21、22 マイクロ流体力学ユニット
25 出口パイプ
31、32 アイドラー
33 パイプ
34 歯車装置
104 PCタイプの超小型PC
200 要求
201 確認応答メッセージ
202 要求
203 肯定応答メッセージ
204 要求
205 要求
206 肯定応答メッセージ
210 要求
211 肯定応答メッセージ
212 要求
213 肯定応答メッセージ
214 要求
220 要求
221 肯定応答メッセージ
222 要求
223 命令

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香水を調合するための複数のインタラクティブ型端末と、前記複数の端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーとを備えるシステム内で、香水を調製する方法であって、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にするいくつかの芳香物質と、
前記端末からこれらの芳香物質のうちの選択された1つの物質を分注するための分注手段と、
前記端末のユーザーが香水の調合を端末から考案し、選択し、および/または修正することを可能にする、この調合が組み合わされる芳香物質のリストからなる、ユーザーインターフェイスと、
ネットワークインターフェイスであって、前記端末が
前記サーバーと通信して前記サーバーに調合を伝送し、および/または
前記サーバーから、前記端末上で利用可能な前記芳香物質に基づいて、または前記端末上に適宜配設されうる芳香物質に基づいて前記端末上で再現可能な調合を記述するデータを受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
第1の端末は、調合を前記サーバーに伝送し、
前記第1の端末によって伝送された前記調合に対応する定義済みの量の香水が、前記サーバーからの命令に基づいて製造され、パッケージされる方法。
【請求項2】
前記第1の端末によって前記サーバーに伝送される前記調合は、前記第1の端末上で考案された調合である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の端末によって前記サーバーに伝送される前記調合は、適切であれば、修正された後に、前記複数の端末のうちの別の端末によって第1の端末に伝送される1つまたは複数の調合、特にこの他の端末に付随するメモリ内に記録されている1つまたは複数の調合のうちから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の端末によって前記サーバーに伝送される前記調合は、前記サーバーによって前記第1の端末にすでに伝送されているいくつかの調合のうちから選択される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ユーザー選好は、前記第1の端末に付随するメモリ、および/または前記サーバーに付随するデータベースに記録され、前記サーバーによって前記第1の端末にすでに伝送されている前記1つまたは複数の調合は、前記ユーザー選好に応じて決定される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記サーバーによって前記第1の端末にすでに伝送されている前記1つまたは複数の調合は、前記第1の端末上で考案された調合に応じて決定された最適化された調合である請求項4または請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記サーバーによって前記端末にすでに伝送されている前記1つまたは複数の調合は、前記第1の端末によって前記サーバーを宛先とする要求内に存在する少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて決定される請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記定義済みの量の香水は、前記サーバーから命令を受け取った、前記複数のインタラクティブな端末のうちの第2の端末によって製造され、パッケージされる請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の端末は、前記第1の端末によって前記サーバーに伝送される要求において識別される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サーバーによって前記第1の端末にすでに伝送されている前記1つまたは複数の調合は、前記第2の端末上で利用可能な前記芳香物質および/または前記第2の端末上に配設されうる物質に応じて決定される請求項4ならびに請求項8および9の一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サーバーは、前記第2の端末上に前記第2の端末上では利用可能でない、製造されパッケージされる調合にリストされている1つまたは複数の物質を配設するよう前記第2の端末のユーザーを誘う要求を前記第2の端末に伝送する請求項8または請求項9に記載の方法。
【請求項12】
香水を調合するためのインタラクティブ型端末であって、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にする複数の芳香物質と、
これらの芳香物質のうちの選択した物質を分注することを可能にする分注手段と、
この調合に対応する定義済みの量の香水の製造およびパッケージングを目的として前記香水の調合を考案し、選択し、および/または修正することを可能にする、前記調合が組み合わされる物質のリストを含む、ユーザーインターフェイスと、
サーバーに、製造されパッケージされる調合を伝送することを可能にするネットワークインターフェイスとを備えるインタラクティブ型端末。
【請求項13】
前記分注手段、前記ユーザーインターフェイス、および前記ネットワークインターフェイスは、単一の端末に組み込まれる請求項12に記載の端末。
【請求項14】
前記芳香物質は、互いに無関係に前記端末内に配置することが可能なリザーバー内に収納される請求項12または13に記載の端末。
【請求項15】
複数の端末とデータをやり取りするように構成されているサーバーであって、それぞれの端末は、
さまざまな割合で組み合わせたときに複数の香水を作ることを可能にするいくつかの芳香物質と、
前記端末からこれらの芳香物質のうちの選択された1つの物質を分注するための分注手段と、
前記端末のユーザーが香水の調合を端末から考案し、選択し、および/または修正することを可能にする、この調合が組み合わされる芳香物質のリストからなる、ユーザーインターフェイスと、
前記端末が前記サーバーと通信して、前記サーバーに調合を伝送し、および/または前記サーバーから、前記端末上で利用可能な前記芳香物質に基づいて、または前記端末上に適宜配設されうる芳香物質に基づいて前記端末上で再現可能な調合を記述するデータを受信することを可能にするネットワークインターフェイスとを備え、
前記サーバーは、
第1の端末に、前記端末の前記ユーザーに関連するユーザー選好に応じて、および/または前記端末上で考案された調合に応じて、および/または前記端末によって前記サーバーに伝送される要求に含まれる少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて、および/またはこの第1の端末上で、または前記第1の端末によって識別された第2の端末上で利用可能な、または前記第1の端末上に、もしくは前記第2の端末上に配設されうる芳香物質に応じて決定された1つまたは複数の調合を伝送する段階と、
第1の端末によって考案されるか、選択されるか、または修正された少なくとも1つの調合に対応する前記香水の前記製造および前記パッケージングを、前記サーバーによって前記第1の端末に伝送された前記1つまたは複数の調合に適宜基づいて、オーダーする段階のうちの少なくとも一方を実行するように構成されるサーバー。
【請求項16】
前記第1の端末によって前記サーバーに伝送された要求に含まれる少なくとも1つの嗅覚記述子に応じて調合を生成または選択するように構成される請求項15に記載のサーバー。
【請求項17】
嗅覚記述子と芳香物質もしくは芳香物質の結合との間の変換を行うためのチャートにアクセスできる請求項16に記載のサーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−510104(P2012−510104A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537005(P2011−537005)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055310
【国際公開番号】WO2010/058381
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】