説明

駆動システム及び液圧駆動装置を監視する方法

本発明は、液圧駆動装置(1)を監視するための駆動システム及び液圧駆動装置を監視する方法に関する。少なくとも1つの液圧ピストン・エンジン(2)を備え、前記液圧ピストン・エンジン(2,2’)を制御する制御ユニット(6,6’)が前記液圧ピストン・エンジン(2,2’)に配置された駆動システムであって、前記制御ユニット(6,6’)は、前記駆動システム(1)を制御する中央制御装置(13)に第1のインタフェース(14)を介して接続され、前記第1のインタフェース(14)を介して前記駆動システム(1)を制御する制御信号を送ることができる。前記中央制御装置(13)は、更に、第2のインタフェース(26)を介して前記制御ユニット(6)に接続され、また前記第2のインタフェース(26)を介して、遮断信号を、前記制御ユニット(6,6’)から前記中央制御装置(13)に送り且つ/又は前記中央制御装置(13)から前記制御ユニット(6,6’)に送ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動システム及び液圧駆動装置を監視する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液圧駆動装置の設計では、駆動装置を制御するために電子回路が使用されることが次第に増えてきている。特許文献1に示されたように、液圧機械上に配置された電子構成要素と中央電子回路を組み合わせることができる。これにより、中央電子回路によって液圧駆動装置を制御することでき、特定の液圧機械を調整する各調整装置は、この液圧機械上に局所的に配置された電子回路によって制御される。中央電子回路と分散式制御ユニットは、各場合にインタフェースを介して互いに接続される。このインタフェースを介して、中央電子回路が生成する制御信号が個々の液圧機械の制御ユニットに渡される。中央電子回路は、必要に応じて、更に他の弁も制御する。
【0003】
特許文献1で提案されたシステムの場合、相互監視機能が設けられていないという欠点がある。従って、故障が起きた場合に駆動装置全体が遮断される。詳細には、制御機能が液圧機械の中央電子回路と局所制御ユニットに分散された分散式電子システムは、故障が起きた場合に相互監視と遮断によってリスクの可能性を最小にすることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開明細書第4327651号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、駆動システム及び液圧駆動装置を監視する方法を作成する目的に基づき、液圧駆動装置は、制御不能になった場合に遮断されるか又は安全状態にされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明の請求項1又は15による駆動システム並びに本発明の請求項10又は16による液圧駆動装置を監視する方法によって達成される。
【0007】
本発明による駆動システムの場合、少なくとも1つの液圧ピストン・エンジンにより、制御ユニットは、制御するために液圧ピストン・エンジンに接続される。中央制御装置は、第1のインタフェースを介してこの制御ユニットに接続される。中央制御装置は、第1のインタフェースを介して液圧駆動装置を制御する制御信号を送る。本発明によれば、中央制御装置と制御ユニットは、少なくとも1つの第2のインタフェースを介して互いに接続され、遮断信号は、第2のインタフェースを介して、制御ユニットから中央制御装置に送られ且つ/又は中央制御装置から制御ユニットに送られてもよい。従って、制御ユニットによって障害が検出された場合、遮断される中央制御機能を実行する中央制御装置によって液圧システム全体を遮断することができ、中央制御装置は、個別の遮断経路によって制御ユニットを遮断することができる。
【0008】
代替として、本発明による駆動システムは、少なくとも2つの液圧ピストン・エンジンを備え、各液圧ピストン・エンジン上にピストン・エンジンを制御する制御ユニットが配置され、制御ユニットは、第1のインタフェースを介して互いに接続される。更に、制御ユニットは、第2のインタフェースを介して互いに接続され、その第2のインタフェースを介して、遮断信号が、制御ユニットの1つから他の制御ユニットのうちの少なくとも1つに送られてもよい。
【0009】
制御ユニットの相互監視のために、各制御ユニットの制御信号が、各場合に、第1のインタフェースを介して少なくとも1つの更に他の第1の制御ユニットに送られる。障害が検出された場合、遮断信号は、第2のインタフェースを介して、監視制御ユニットから被監視制御ユニットに送られる。監視は、1つの他の制御ユニットだけによって行われてもよく、幾つか又は全ての他の制御ユニットによって行われてもよい。
【0010】
本発明によれば、制御ユニットは、中央制御装置の制御信号を読み出し、その確からしさ(plausibility)を確認する。制御ユニットが誤り(即ち、確からしくない制御信号(implausible control signal)を検出した場合、制御ユニットは遮断信号を出力する。制御ユニットは、遮断信号を中央制御装置に送り、それにより液圧駆動装置全体が停止される。
【0011】
駆動システム及び液圧駆動装置を監視する方法は、中央制御装置の電子回路を重複して備える必要がないという利点を有する。その代わりに、中央制御装置は、液圧機械上に提供された既存の制御ユニットによって監視される。そのようないわゆる搭載電子ユニットは、特に、ケーブル配線コストをできるだけ低く維持するために提供される。これにより、液圧機械上の1つ又は複数のそのような制御ユニットによって分散式に監視を行うことができる。
【0012】
従属クレームでは、本発明による駆動システム並びに液圧システムを監視する方法の有利な更に他の開発が説明される。
【0013】
詳細には、制御ユニットが第1の監視部を有し、中央制御装置が第2の監視部を有すると有利である。従って、制御信号のどの出力を内部的に遮断できるかに基づいて、中央制御装置内で内部故障監視を実行することができる。一方、配置された第1の監視部によって、制御ユニット内で中央制御装置の冗長監視が行われる。従って、中央制御装置の機能の冗長監視は、中央制御装置自体と制御ユニットで外部から行われる。
【0014】
中央制御装置は、第1のインタフェースを介してその制御信号を出力する。そのような制御信号は、第1のインタフェースを介して出力され、制御ユニットによって確認される。特に好ましくは、第2の監視部は、中央制御装置の制御機能をシミュレートする演算装置を含むことができ、特に、中央制御装置にも送られる同じ入力パラメータを考慮するシミュレーションが行われることが好ましい。そのような入力パラメータは、例えば第1のインタフェースを介して、制御ユニットにも送られる。中央制御装置の機能をシミュレートするそのような演算装置を使用することによって、中央制御装置によって出力される制御信号を個別に予測することができる。中央制御装置が実際に出力する制御信号とシミュレーションに基づいて得られた値とのずれが検出された場合は、障害が含まれると判定され、従って制御ユニットが遮断信号を出力する。
【0015】
別の好ましい実施形態によれば、期待値が、制御ユニットの第1の監視部に記憶される。中央制御装置の全ての機能をシミュレーションする代わりに、中央制御装置が出力する制御信号だけが期待値と合致するかが確認される。この確認は、わずかな計算能力しか必要としない。
【0016】
中央制御装置を遮断するために、中央制御装置の電力回路を直接遮断できるように遮断信号が中央制御装置に出力されることが好ましい。中央制御装置内で計算ルーチンを実行する中央制御装置が故障した場合でも、液圧駆動装置の構成要素への制御信号の出力が遮断される。制御信号が遮断された場合、液圧駆動装置は、常に安全動作状態になるように設計される。
【0017】
別の好ましい実施形態によれば、中央制御装置が第1のインタフェースを介して遮断信号を出力することもでき、この更に他の遮断信号は、制御ユニットによるピストン・エンジン制御信号の出力を遮断するために使用される。従って、逆に、故障が起き、中央制御装置の内部故障監視によって検出された場合は、例えば制御ユニットから液圧ピストン・エンジンの調整装置への制御信号の出力を抑制することができる。
【0018】
この方法を実行するための本発明による駆動システムの好ましい実施形態は、図面に示され、以下の説明により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による駆動システムの概略図
【図2】本発明による駆動システムを監視する方法を説明するブロック図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明による駆動システムの構造と、液圧駆動装置を監視する手順とを詳細に説明する前に、まず、本発明をより良く理解するために、基本的な構成要素を備えた液圧駆動装置について説明する。例えば、図1に示した液圧駆動装置1は、装軌車両を駆動するために設計されている。従って、示した実施形態では、液圧駆動装置1は、詳細には同様に実現された2つの液圧回路を備える。説明での無駄な繰り返しを回避するために、以下では、2つの液圧回路の一方だけを詳しく説明する。他方の液圧回路を参照する対応参照記号にはダッシュが付けられている。
【0021】
駆動装置1の液圧回路は、液圧ポンプ・ユニット2を備える。液圧ポンプ・ユニット2は、液圧ポンプ3を備える。液圧ポンプ3は、駆動軸4によって駆動される。
【0022】
液圧ポンプ3は、双方向に輸送するように設計され、その輸送量は調整可能である。液圧ポンプ3の輸送方向と輸送量を調整するために、調整装置5が提供される。調整装置5は、液圧ポンプ3の調整機構と共に動作する。調整装置5を活動化するために、制御ユニット6がポンプ・ユニット2に組み込まれる。
【0023】
調整装置5の設定により、液圧ポンプ3は、圧力媒体を第1の作動管7か第2の作動管8に注入する。
【0024】
作動管7と8は、液圧モータ9に接続される。液圧モータ9は、例えば、装軌車両のチェーンドライブに(図示していない方式で)接続された駆動軸10を駆動する。駆動軸10の回転速度は、回転速度センサ11によって取得され、それに対応する値が、第1のセンサライン12を介して制御ユニット6に報告される。本発明による液圧駆動装置用の制御システムの場合、制御ユニット6は、調整装置5をピストン・エンジン制御信号によって制御する。このために、制御ユニット6は、ピストン・エンジン制御信号を調整装置5の対応する構成要素に渡す。これらの構成要素は、詳細には、液圧ポンプ・ユニット2内の制御圧力と調整圧力を設定するための釣り合った磁石でよい。
【0025】
各場合に必要とされる設定値は、制御ユニット6のみによって決定されるだけでなく、例えば中央制御装置13による液圧駆動装置1の他の液圧ピストン・エンジンの更に他の制御ユニットに従って決定され、次に、実施のために制御ユニット6に送られる。
【0026】
中央制御装置13は、共通インタフェースを介して制御ユニット6と通信し、この共通インタフェースは、示した例ではバス・システムである。車両で使用される好ましいバス・システムとして、CANバス14が使用される。中央制御装置13と制御ユニット6間のデータ伝送は、示した実施形態では両方向矢印によって示したように双方向である。
【0027】
中央制御装置13では、調整又は制御アルゴリズムが記憶され、このアルゴリズムは、例えば、操作レバー15の設定に基づいて液圧駆動装置の必要な設定パラメータを計算する。中央制御装置13は、計算された設定パラメータに応じて、CANバス14を介して制御ユニット6に送られる制御信号を出力する。制御ユニット6は、CANバス14を介して、自分が関与する制御信号にアクセスするだけでなく、液圧駆動装置1の更に他の構成要素を制御する制御信号にもアクセスする。そのような更に他の構成要素は、例えば、ポンプ・ユニット2に組み込まれない電磁弁でもよい。
【0028】
中央制御装置13が出力する制御信号は、少なくとも1つの制御ユニット6によって監視され、故障が起きた場合、制御ユニット6は遮断信号を出力し、それにより中央制御装置13が制御信号を更に出力するのを防ぐ。制御信号の更なる出力の防止は、安全状態への復帰を含むように理解される(即ち、ヌル制御信号の出力)。そのような遮断信号は、単一の制御ユニット6によって出力されてもよく、中央制御装置13は、液圧駆動装置に含まれる全ての制御ユニット6、6’によって監視されてもよい。図1に示したように、この場合、中央制御装置13の障害制御信号又は別の故障の適切な認識によって、各制御ユニット6、6’は遮断信号を出力する。
【0029】
図2では、中央制御装置3と制御ユニット6、6’の構造を概略的に示す。中央制御装置13は、中央演算装置17を備える。中央演算装置17は、中央制御装置13が出力する制御信号を計算するために使用される。このために必要な情報は、両方向矢印18で示したように、CANバス14を介して読み出される情報に基づいて決定される。このために、中央制御装置13の中央演算装置17に制御アルゴリズムが記憶される。制御アルゴリズムは、読み出したシステム・パラメータ(例えば、操作レバー15又は加速ペダル16の位置)に基づいて液圧ピストン・エンジンの設定値を決定するプログラムである。例えば2つの液圧ポンプ・ユニット2、2’を左/右に割り当てた場合、液圧ポンプ2と液圧ポンプ2’の異なる旋回角を設定することによって、コーナリングが可能である。
【0030】
中央演算装置17が決定する制御信号は、CANバス14を介して制御ユニット6及び/又は制御ユニット6’に送られる。液圧駆動装置1の更に他の構成要素を制御するために、中央制御装置13は、十分な電力で、例えば釣り合った磁石を直接制御するための制御信号を出力することができる電力回路28を含む。電力回路は、エネルギー供給装置19に接続される。エネルギー供給装置19は、矢印20に示したように、中央演算装置17によって遮断されてもよく、例えばエネルギー供給装置19へのエネルギー供給を中断する非常スイッチ21によって遮断されてもよい。
【0031】
中央制御装置13が出力する制御信号は、CANバス14を介して制御ユニット6及び/又は制御ユニット6’に送られる。制御ユニット6、6’(この場合も制御ユニット6だけを詳しく述べるが)はそれぞれ制御ユニット22を有し、制御ユニット22は、受信制御信号を処理して、ピストン・エンジン制御信号によって液圧ピストン・エンジンの関連調整装置5を制御できるようにする。このために、制御ユニット22は、制御ユニット電力回路23に接続され、制御ユニット電力回路23は、例えば釣り合った磁石を制御するのに十分な電力のピストン・エンジン制御信号を出力する準備をする。
【0032】
制御ユニット電力回路23は、制御ユニットエネルギー供給機構24に接続される。制御ユニットエネルギー供給機構24は、入力側で、制御ユニット6の第1の監視部25に接続される。制御ユニット6の第1の監視部25は、中央制御装置13が出力する制御信号をCANバスを介して読み出し、CANバスは、中央制御装置13と制御ユニット6間に第1のインタフェースを構成し、確からしさ分析(plausibility analysis)を実行する。制御信号の確からしさを確認するために、例えば、制御信号の期待値が、制御ユニット6に記憶される。このために、制御ユニット6は、期待値が記憶されるメモリを備える。
【0033】
中央制御装置13が出力する制御信号が、第1の監視部25によって読み出された場合は、期待値との比較によって読み出し信号の確からしさが確認される。メモリ内に対応する期待値が見つからなかった場合は、制御信号に障害があり、これにより液圧駆動装置1を遮断しなければならないことが分かる。液圧駆動装置1を遮断するために、制御ユニット6は、第2のインタフェース26を介して中央制御装置13に遮断信号を送る。第2のインタフェース26は、第1のインタフェースとは別であり、示した実施形態ではCANバス14である。第2のインタフェース26が第1のインタフェースと別なので、データ伝送中にCANバス14に障害が生じた場合でも、液圧システムの遮断が保証される。
【0034】
図示した実施形態では、第1の監視部25による遮断又は遮断信号の出力のために、制御ユニットエネルギー供給装置24は、対応する遮断信号が制御ユニットエネルギー供給装置24によって出力されるように制御される。図示した実施形態では、遮断信号は、中央制御装置13のエネルギー供給装置19に直接出力される。中央制御装置13内のエネルギー供給装置19が遮断信号を受け取ると、中央制御装置13の電力回路28のエネルギー供給が直接遮断される。その結果、出力信号は全てリセットされ、液圧駆動装置1は安全動作状態になる。
【0035】
中央制御装置13には、制御ユニット6と6’のどちらが遮断信号を出力するかは関係ない。制御ユニット6又は6’の遮断信号のために中央制御装置13を遮断する他に、逆に、中央制御装置13によって制御ユニット6,6’がピストン・エンジン制御信号を出力するのを防ぐこともできる。中央制御装置13では、内部故障監視が行われる第2の監視部17’が、中央演算装置17に組み込まれることが好ましい。内部故障監視で、例えば、液圧駆動装置1が出力制御信号に反応できるようにするセンサ信号に基づいて、液圧駆動装置1に障害があることを検出した場合は、更に他の遮断信号が、CANバス14(即ち、第1のインタフェース)を介して制御ユニット6及び/又は制御ユニット6’に出力され送られる。遮断信号は、CANバス14に接続された全ての制御ユニット6、6’に印加されてもよく、制御ユニット6又は6’の一方だけに選択的に印加されてもよい。
【0036】
制御及び/又は調整不良を正確に取得できる好ましい実施形態よれば、制御ユニット6の第1の監視部25にシミュレーション・アルゴリズムが組み込まれる。このシミュレーション・アルゴリズムは、中央演算装置17内で実行される制御アルゴリズムに対応する。本出願と関連して、用語「制御」は、任意の制御又は調整を意味するように理解される。
【0037】
従って、第1の監視部25の演算装置は、中央演算装置17の機能をシミュレートする。中央制御装置13の中央演算装置17と第1の監視部25の演算装置で同一の算術演算が実行されるので、中央制御装置13が出力する制御信号を、第1の監視部25内部でシミュレートされた制御信号と比較することは簡単にできる。ここでずれが検出された場合、制御ユニット6は遮断信号を出力する。
【0038】
本発明は、示した実施形態に制限されない。好ましい実施形態の個々の特徴を互いに組み合わせることもできる。
【0039】
詳細には、2つの制御ユニット6、6’が互いに監視するように規定されてもよい。これにより、中央制御装置13なしにシステムの安全性をかなり高めることができる。制御ユニット6、6’の機能は、例えば他の制御ユニットによってシミュレートされる。制御ユニット6、6’の機能を監視するために、制御ユニット6,6’が生成する信号が、第1のインタフェースを介してシステムの他の制御ユニット6、6’に送られる。このために、中央制御装置13と共に詳しく説明される例のように、制御ユニット6、6’は、CANバス14を介して接続される。故障した場合、制御ユニット6、6’は、各場合に存在する第2のインタフェース26によって再び遮断される。
【0040】
液圧ピストン・エンジンの制御ユニット6、6’の相互監視の場合も、中央制御装置13による実施に関して説明された駆動システムの特徴とそれに対応する方法を同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 駆動装置
2 液圧ポンプ・ユニット
3 液圧ポンプ
4、10 駆動軸
5 調整装置
6 制御ユニット
7、8 作動管
9 液圧モータ
11 回転速度センサ
12 第1のセンサライン
13 中央制御装置
14 CANバス
15 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの液圧ピストン・エンジン(2)を備え、前記液圧ピストン・エンジン(2,2’)を制御する制御ユニット(6,6’)が前記液圧ピストン・エンジン(2,2’)に配置された駆動システムであって、前記制御ユニット(6,6’)は、前記駆動システム(1)を制御する中央制御装置(13)に第1のインタフェース(14)を介して接続され、前記第1のインタフェース(14)を介して前記駆動システム(1)を制御する制御信号を送ることができ、
前記中央制御装置(13)は、更に、第2のインタフェース(26)を介して前記制御ユニット(6)に接続され、また前記第2のインタフェース(26)を介して、遮断信号を、前記制御ユニット(6,6’)から前記中央制御装置(13)に送り且つ/又は前記中央制御装置(13)から前記制御ユニット(6,6’)に送ることができることを特徴とする駆動システム。
【請求項2】
前記制御ユニット(6,6’)は、第1の監視部(25,25’)を備え、前記中央制御装置(13)は、第2の監視部(17’)を有することを特徴とする請求項1に記載の駆動システム。
【請求項3】
前記中央制御装置(13)が出力する前記制御信号は、前記制御ユニット(6,6’)の前記第1の監視部(25,25’)によって確認することができることを特徴とする、請求項2に記載の駆動システム。
【請求項4】
前記制御ユニット(6,6’)の前記第1の監視部(25,25’)は、前記中央制御装置(13)の制御機能をシミュレートするための演算装置を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の駆動システム。
【請求項5】
前記第1の監視部(25,25’)は、期待値を記憶するメモリを備え、前記第1の監視部(25,25’)は、前記中央制御装置(13)が出力する制御信号を期待値と比較することができることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項6】
前記中央制御装置(13)の前記電力回路(28)を前記遮断信号によって遮断することができることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項7】
前記第1のインタフェースを介して、前記中央制御装置(13)は、更に他の遮断信号を前記制御ユニット(6,6’)を送り、前記更に他の遮断信号は、前記制御ユニット(6,6’)によってピストン・エンジン制御信号の出力を遮断することができることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項8】
前記制御ユニット(6,6’)は、前記液圧ピストン・エンジン(2,2’)を制御する電力回路(23)を備え、前記電力回路(2,2’)は、前記第2のインタフェース(26,26’)を介して送られる前記遮断信号によって遮断することができることを特徴とする請求項7に記載の駆動システム。
【請求項9】
前記第1のインタフェースを構成するバス・システム(14)が設けられたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動システム。
【請求項10】
中央制御装置(13)と、前記中央制御装置(13)に接続され液圧ピストン・エンジン(2,2’)を制御する少なくとも1つの制御ユニット(6,6’)とを備えた駆動システム(1)を監視する方法であって、
前記制御ユニット(6,6’)が、前記中央制御装置(13)が出力する制御信号を読み出すステップと、
前記制御ユニット(6,6’)が前記制御信号を確認するステップと、
確からしくない制御信号が存在する場合に、前記制御ユニット(6,6’)が、第2のインタフェース(26)を介して遮断信号を前記中央制御装置(13)に出力するステップとを含む方法。
【請求項11】
前記制御ユニット(6,6’)は、前記中央制御装置(13)の制御機能をシミュレートし、シミュレーション結果を前記読み出した制御信号と比較することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御ユニット(6,6’)によって、前記読み出した制御信号が、前記制御ユニット(6,6’)に記憶された期待値と比較されるステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記遮断信号は、前記中央制御装置(13)の電力回路(28)を遮断することを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記中央制御装置(13)において、内部故障監視が実行され、故障が検出された場合に、前記中央制御装置(13)は、更に他の遮断信号を出力して前記制御ユニット(6,6’)の電力回路(23)を遮断することを特徴とする請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つの液圧ピストン・エンジン(2,2’)を備え、各液圧ピストン・エンジン(2,2’)に前記ピストン・エンジン(2,2’)を制御する制御ユニット(6,6’)が配置された駆動システムであって、前記制御ユニット(6,6’)が、第1のインタフェース(14)を介して互いに接続され、更に、前記制御ユニット(6,6’)が、第2のインタフェース(26)を介して互いに接続され、第1と第2インタフェース(14,16)を介して、遮断信号を前記制御ユニット(6,6’)のうちの1つから前記他の制御ユニット(6,6’)の少なくとも1つに送ることができる駆動システム。
【請求項16】
液圧ピストン・エンジン(2,2’)をそれぞれ制御し且つそれに接続された少なくとも2つの制御ユニット(6,6’)を備えた駆動システム(1)を監視する方法であって、
前記制御ユニット(6,6’)が出力する前記制御信号を、前記少なくとも1つの他の制御ユニット(6,6’)の少なくとも1つによって読み出すステップと、
前記少なくとも1つの他の制御ユニット(6,6’)が前記制御信号を確認するステップと、
確からしくない制御信号が存在する場合に、前記少なくとも1つの他の制御ユニット(6,6’)が、第2のインタフェース(26)を介して前記他の制御ユニット(6,6’)の1つ又は複数に遮断信号を出力するステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−502918(P2010−502918A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527052(P2009−527052)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007747
【国際公開番号】WO2008/028648
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】