説明

駆動スピンドル

回転式噴霧器の一部として使用される回転式噴霧器駆動スピンドルであって、駆動スピンドルは、タービン(107)を支持するシャフト(102)と、本体であって、本体に対してシャフトを回転駆動するためにタービンにガスを供給するための少なくとも1つの供給路(1061,1051,1052,1053)を有する本体とを備えている。タービンは、リング形状の回転子体部(1071)と、回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出している複数のブレード(1072)とを備えている。タービン(107)を通るほぼ半径方向のガス通路は、隣り合うブレード(1072)の対によって形成されている。少なくとも1つの供給路は、使用時に、ガスがスピンドルの本体からタービンへ向かって流れるノズル部(1053)を備えている。各ノズル(1053)は、出口を備え、ノズル部を通るガス通路の断面積は、ノズルの入口から出口へと単調減小している。2つのタービン(107)が設けられてもよいし、排気が冷却に用いられてもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、駆動スピンドルに関し、具体的には、回転式噴霧器駆動スピンドル、さらに、このような駆動スピンドルを含む回転式噴霧器に関する。本出願は、さらに、このような駆動スピンドルに使用されるタービン回転子に関する。
【0002】
回転式噴霧器は、物質を微粒子状にして対象物に吹き付けるのに使用される。様々な回転式噴霧器に共通する用途の1つとして、塗料の吹き付けがある。
回転式噴霧器は、一般的に、物質を供給源から噴霧ベルへと供給する供給路を備えている。噴霧ベルは、供給源からの物質を分散もしくは霧化し、分散もしくは霧化した物質を対象物に向けて噴射するように機能するものである。噴霧ベルは回転駆動されるため、噴霧ベルには駆動力が供給されなければならない。近年、より高性能な回転式噴霧器の需要が増加してきている。具体的には、塗料吹き付け産業において使用される回転式噴霧器として、より迅速に塗料を吹き付けることが可能な回転式噴霧器、すなわち、1分間あたりにより多くの塗料を吹き付けられるように、より大きな塗料のスループットをもたらす噴霧器の需要が増加してきている。これら回転式噴霧器もしくは塗料噴霧器の多くは、静電装置であり、装置と対象物との間に高電圧が印加され、霧化された塗料などの物質を対象物に引き寄せるものである。
【0003】
本発明の目的は、回転式噴霧器駆動スピンドル、さらに回転式噴霧器、そして回転式噴霧器に良好な性能をもたらす部品を提供することである。
本発明の一局面によって提供されるのは、回転式噴霧器の一部として使用される回転式噴霧器駆動スピンドルであって、駆動スピンドルは、タービンを支持するシャフトと、本体であって、本体に対してシャフトを回転駆動するためにタービンにガスを供給する少なくとも1つの供給路を有する本体とを備えている。
【0004】
いくつかの実施形態では、タービンは、ディスク形状もしくはリング形状の回転子体部と、複数のブレードであって、回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出し、隣り合うブレードの対によって、タービンを通るほぼ半径方向のガス通路を形成する複数のブレードと、使用時にガスがスピンドル本体からタービンに向かって流れるノズル部を有する少なくとも1つの供給路とを備え、ノズルは、出口を備え、ノズル部を通るガス通路の断面積は、ノズルの入口から出口へ単調減小する。
【0005】
タービンは、反動タービンであってもよい。本明細書において、反動タービンという表現は、タービンの入口から出口へ向かってガスの圧力を次第に減小させることで少なくとも特定のトルク、すなわち駆動力を発生するタービンを指すのに使用される。反動タービンを使用することで、回転式噴霧器を通過する物質のスループットに関して、回転式噴霧器の効率は、一般的に、衝動タービンを使用する場合に比べて向上し得る。尚、衝動タービンは、ガスの噴流をタービンのブレードに直接当てることで駆動力を発生するタービンである。
【0006】
タービンは、複数のブレードを備え、隣り合うブレードの対によって、タービンを通るガス通路が形成されていてもよい。少なくとも1つのガス通路が、第1の端部から第2の端部へと断面積が減小する第1の部分を備え、第1の端部が、第2の端部よりもタービンの入口に近くなるようにタービンは構成されてもよい。
【0007】
タービンの部分を通るガス通路の断面積が減小することで、タービンを反動タービンとして機能させることができる。
前記少なくとも1つのガス通路が、第1の端部から第2の端部へと断面積が増大する第2の部分を備え、第1の端部が、第2の端部よりもタービンの入口に近くなるようにタービンは構成されてもよい。第2の部分は、第1の部分よりもタービンの入口から離れていてもよい。
【0008】
タービンは、回転子体部と、回転子体部に設けられた複数のブレードとを備えてもよい。回転子体部は、ほぼディスク形状、もしくは、ほぼリング形状であってもよい。
好ましくは、ブレードは、互いに同一の形状及び寸法を有しているとよい。好ましくは、ガス通路は、互いに同一の形状及び寸法を有しているとよい。
【0009】
好ましくは、隣り合うブレードにそれぞれ対面するブレードの面は、一方向上においては湾曲し、他の一方向上においては実質的に平らであるとよい。この湾曲によって、所望のブレード形状と所望のガス通路断面とを得ることができ、湾曲を一方向上に限定することで機械加工が容易となる。
【0010】
いくつかの実施形態では、ブレードは、ほぼディスク形状、もしくは、ほぼリング形状の回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出していてもよい。このような場合、対面するブレードの面は、ほぼ半径方向上においては湾曲し、ほぼ軸方向上においては実質的に平らであってもよい。
【0011】
タービンブレードは、翼形状を有していてもよい。ガスがブレードの周囲及びブレードの間を流れると、翼効果、すなわち“揚力”によって駆動力が発生し得る。
タービンブレードは、広い範囲の異なる作動条件下において層流を維持するように寸法と形状とが設定されているとよい。
【0012】
タービンは、損失の減小を促進する少なくとも1つの表面特徴を備えているとよい。表面特徴は、損失の減小を促進する凹部、開口、溝のいずれか1つ、もしくは、これらの任意の組み合わせを備えてもよい。一般的に、表面特徴は、タービンにおける非機能面に設けられる。非機能面という表現は、駆動力の発生においてガスが通過する必要がない、もしくはガスが通過すべきでない表面を指すのに用いられている。1つの例においては、各ブレードは、ほぼ軸方向の開口、もしくは、ほぼ軸方向に延在する止まり凹部を設けられてもよい。別の例においては、周方向に延びる溝が、タービンの外側曲面に設けられていてもよい。タービンの部材を除去することによって表面特徴を得た場合には、重量及び/もしくは極慣性モーメントが低減するというさらなる利点を得ることができる。
【0013】
タービンは、半径方向の動力供給を受けるタービンであってもよい。
少なくとも1つの供給路は、使用時に、ガスがスピンドルの本体からタービンに向かって流れるノズル部を備えていてもよい。ノズル部は、スロートを備えていてもよい。本明細書では、スロートという表現は、ノズルの比較的広い入口端部と比較的広い出口端部との間におけるノズル通路の比較的狭い部分を指すのに用いられている。
【0014】
ノズル部を通るガス通路の断面積は、スロートに向かって単調減小してもよい。好ましくは、ノズル部を通るガス通路の断面積は、ノズルの入口からスロートへと単調減小するとよい。ノズルの幅は、断面積に所望の減小をもたらすように単調減小してもよい。
【0015】
ノズルを通る通路は、一部が吸引面で形成され、一部が圧力面で形成されてもよい。吸引面は、ノズルを通過するガスの圧力が最も低くなり得る面であり、圧力面は、ノズルを通過するガスの圧力が最も高くなり得る面である。吸引面は、連続的に湾曲していてもよい。
【0016】
好ましくは、ノズル通路の一方の寸法を減小させつつ、この通路の他方の寸法を実質的に一定に保ったままで、ノズル断面の減小が達成されるとよい。このようにノズル断面の減小を達成することで、機械加工が容易となる。
【0017】
ノズルは、スピンドルの基軸に対して垂直な一平面上における弧状路に沿って延びていてもよい。
好ましくは、ノズルの出口は、タービンを通る複数のガス通路にガスを同時に供給するように形成されているとよい。
【0018】
好ましくは、タービンにガスを供給し、それによってタービンを駆動する複数のノズルがあるとよい。
スピンドル本体は、1つのノズルもしくは複数の各ノズルにガスを供給するように形成されたガス供給室を備えるとよい。
【0019】
ガス供給室の体積は、十分なガスの供給を確実にノズルにもたらすように選定されればよい。装置の目標作動温度は、ガス供給室の寸法の選定に影響を及ぼし得る1つの要因である。
【0020】
スピンドルの軸方向におけるガス供給室の奥行きは、スピンドルの軸方向における、1つのノズルもしくは複数の各ノズルの奥行きに対して異なっていてもよい。
ノズルの断面積は、タービンへの入力を調節するように選定されてもよい。ノズルの幅及び奥行きは、個別に選定されてもよい。
【0021】
ノズルの数及びブレードの数は、所望の力と所望の他の特性とがもたらされるように選定されてもよい。複数のノズルがある場合には、これら複数のノズルの角距離は、実用上の問題に適合するように選定されてもよい。
【0022】
タービンの後部は、速度検出システムに使用される表示器を支持するのに使用されてもよい。この速度検出システムは、例えば、光学式であってもよいし、磁気式であってもよい。
【0023】
タービンは、スピンドル本体に対してどちらか一方の方向を向いて配置されてもよい。つまり、ブレードは、軸受の方向に向いていてもよいし、軸受の反対方向に向いていてもよい。
【0024】
スピンドル本体は、タービンの出口からガスを排出するための少なくとも1つの排気路を含む排気系を備えてもよい。この排気系は、タービンの出口と排気系の出口との間に排気収集室を備えてもよい。この排気収集室は、排気ガスを減速させ、スピンドルからのガス通路の圧力を緩和するのに貢献し得る。好ましくは、排気系は、タービンの出口から排気収集室に排気を供給するための少なくとも1つの排気収集路と、排気ガスを排気収集室から外部へ流出させるための複数の排気出口路とを備えるとよい。
【0025】
排気収集室は、排気ガスの流出方向が変化しなければならない位置に設けられていてもよい。例えば、収集室は、ほぼ軸方向に流れる排気ガスを一方向から受け入れ、ほぼ軸方向に流れる排気ガスを反対方向から排出するように形成されてもよい。排気収集室は、スピンドル本体の部材を機械加工して設けられてもよい。
【0026】
排気系は、乱流及び/もしくは背圧の発生を抑制もしくは防止して、タービン通過前後における圧力低下を最大にするように設計されてもよい。
少なくとも1つの排気路は、ガス供給室の近傍にありながら、ガス供給室から半径方向に変位した箇所において、スピンドルの本体を通り抜けてもよい。前記少なくとも1つの排気路は、ガス供給室の半径方向の内側にてガス供給室を通ってもよい。少なくとも1つの排気路をガス供給室の半径方向の内側にてガス供給室に通すことで、小型設計が可能となる。上述のように、ガス供給室の軸方向の奥行きがノズルの軸方向の奥行きよりも大きくなるようにガス供給室の軸方向の奥行きを変化させることで、ガス供給室に適切な体積を確保することができる。
【0027】
駆動スピンドルは、空気軸受スピンドルであってもよい。本体は、内部でシャフトを回転可能に軸支した空気軸受を備えてもよい。
1つのノズルの形状、もしくは各ノズルの形状は、表1に示された座標値によって実質的に決められてもよい。
【0028】
1つのノズルの形状、もしくは各ノズルの形状は、表1に示された座標値に対して0.01差以内にある各座標値によって決められてもよい。
1つのブレードの形状、もしくは各ブレードの形状は、表2に示された座標値によって実質的に決められてもよい。
【0029】
1つのブレード、もしくは各ブレードの形状は、表2に示された座標値に対して0.01差以内にある各座標値によって決められてもよい。
スピンドル本体は、本体部と、スペーサリングと、タービン駆動リングと、後部カバーとを備えていてもよい。ノズルの一部は、タービン駆動リングによって形成されてもよい。ガス供給室の一部は、タービン駆動リングによって形成されてもよい。スペーサリングは、ノズルの境界及び/もしくはガス供給室の境界を塞ぐように機能してもよい。排気収集室は、本体部に設けられた凹部によって形成されてもよい。排気収集室の別の面は、スペーサリングによって形成されてもよい。排気路及びガス供給路は、本体部、スペーサリング、タービン駆動リング、後部カバーのうちの1つもしくは複数に設けられた適切な開口によって形成されてもよい。
【0030】
先端隙間は、タービンブレードとスペーサリングとの間に形成されてもよい。この先端隙間によって、漏れによる損失の低減を最小限にすることが可能である。
いくつかの実施形態では、複数のタービンが設けられてもよい。これら複数のタービンは、各タービンの後部同士を向かい合わせて設けられてもよいし、一方のタービンの後部と他方のタービンの前部とを向かい合わせて設けられてもよい。
【0031】
好ましくは、回転式噴霧器は、塗料噴霧器として使用するのに適しているとよい。
本発明の別の局面によって提供されるのは、回転式噴霧器であって、上記で定義した駆動スピンドルと、基軸の周りを回転可能であり、対象物にほぼ向かって流動する小粒子の円錐カーテンを噴射するように形成された釣鐘形状部材と、小粒子を生成し得る物質を貯蔵源から釣鐘形状部材へと供給するための供給路とを備えている。
【0032】
本発明のさらに別の局面によって提供されるのは、回転式塗料噴霧器駆動スピンドルであって、タービンを支持するシャフトと、本体であって、ガスをタービンに供給し、本体に対してシャフトを回転駆動するための少なくとも1つの供給路を有する本体とを備えている。
【0033】
本発明のさらなる局面によって提供されるのは、回転式塗料噴霧器の空気軸受駆動スピンドルであって、タービンを支持するシャフトと、本体であって、ガスをタービンに供給し、本体に対してシャフトを回転駆動するための少なくとも1つの供給路を有する本体とを備えている。
【0034】
本発明のさらなる局面によって提供されるのは、回転式噴霧器駆動スピンドルのタービン回転子であって、タービン回転子は、複数のブレードを備え、隣り合うブレードの対によって形成された、タービンを通るガス通路は、少なくとも1つのガス通路が、第1の端部から第2の端部へと断面積が減小する第1の部分を備えるように形成され、第1の端部は、第2の端部よりもタービンの入口に近くなっている。
【0035】
本発明の別の局面によって提供されるのは、回転式噴霧器駆動スピンドルのタービン回転子であって、タービン回転子は、反動タービンとして機能するように形成されている。
回転式噴霧器(例えば塗料噴霧)駆動スピンドルは、ときにはロボットアームに組み付けられる。駆動スピンドルの向きが変化し、その上、シャフトが高速で回転していると、シャフトは、ジャイロ力を受ける。このジャイロ力は、スピンドルの本体へのシャフトの取り付け剛性と非常に関連性が高くなり得る。特に空気軸受が使用されている場合には、ジャイロ作用に起因してシャフトに作用する偶力(回転モーメント)は、軸受が耐え得る偶力を超過し得る。シャフトに作用する偶力が、空気軸受が耐え得る偶力を超過し得ることにより、シャフトが軸受内で、軸受の部材、及び/もしくはスピンドルの本体の別の部分に接触する程度に傾いてしまうと、スピンドルの故障が生じ得る。この要因は、所望の噴霧動作を行うのに、どれだけ速く(このような駆動スピンドルを含む)噴霧ヘッドの回転角度を変化させることができるかということに関して、実際上、限定要因となり得る。同様に、この要因は、決められた回転速度で噴霧ヘッドを再度回転させる必要がある場合に、シャフトが回転できる速度を制限し得る。
【0036】
本発明の開発過程において、スピンドルの構造は、この問題を軽減するように設定されている。
少なくともいくつかの場合には、これらスピンドルの構造によって、スピンドルの動力が改善され、シャフトをより高い速度で駆動できるようになり得る。シャフトをより高い速度で駆動できるようになることで、スピンドルに生じる熱が高くなることに起因したさらなる問題が生じるようになり得る。本発明の別の開発過程において、スピンドルの構造は、この問題を軽減するように設定されている。
【0037】
スピンドルの本体は、互いに離間された2つのラジアル軸受を備えてもよい。ラジアル軸受はそれぞれ、空気軸受を備えてもよい。
タービンは、離間されたラジアル軸受の間に配設されてもよい。シャフトは、離間されたラジアル軸受の間に配設された2つのタービンを支持してもよい。タービンは、一方の軸受上のブレードが他方の軸受上のブレードの反対方向を向くように、タービンの後部同士が対面する配置に設定されてもよい。
【0038】
タービンはそれぞれ、2つのノズルによって駆動ガスを供給されてもよい。第1のタービンにガスを供給する2つのノズルと、第2のタービンにガスを供給する2つのノズルからなる4つのノズルを設けてもよい。スピンドルの本体は、第1のタービンにガスを供給するように配置された第1のノズルに駆動ガスを供給するための第1のガス供給路と、第2のタービンにガスを供給するように配置された第1のノズルとを備えてもよい。スピンドルの本体は、第1のタービンにガスを供給するように配置された第2のノズルに駆動ガスを供給するための第2のガス供給路と、第2のタービンにガスを供給するように配置された第2のノズルとを備えてもよい。第1のガス供給路、及び/もしくは第2のガス供給路は、スピンドルの外部から各ノズルに連続して通じていてもよい。ガスをガス供給路から直接ノズルに供給してもよい代わりに、ガスをノズルに供給するように設定されたガス供給室がない配置でもよい。
【0039】
排気系は、流出する排気ガスでスピンドルを冷却するように配置されてもよい。2つの離間されたラジアル軸受がある場合には、排気系は、流出する排気ガスで双方のラジアル軸受を冷却するように配置されていてもよい。
【0040】
少なくとも1つの排気路における少なくとも1つの各部は、各ラジアル軸受付近を通ってもよい。
排気系は、2つの排気収集室を備えてもよい。第1の収集室は、第1のラジアル軸受付近に設けられてもよい。第2の収集室は、第2のラジアル軸受付近に設けられてもよい。収集室はそれぞれ、各ラジアル軸受の1つの端部に向かう領域に設けられてもよい。
【0041】
排気系は、第1のタービンの出口から第1の収集室に排気を供給するための第1の排気収集路を備えてもよい。
排気系は、第2のタービンの出口から第2の収集室へ排気を供給するための第2の排気収集路を備えてもよい。
【0042】
排気が双方の収集室から流出できるように配置された複数の共通な排気出口路を設けてもよい。
2つのタービンは、一方のタービンから流出する排気が他方のタービンから流出する排気のほぼ反対の方向に移動するように配置されてもよい。
【0043】
2つの軸受は、スピンドルの本体の残りの部分に強固に取り付けられてもよい。軸受を強固に取り付けることは、軸受をスピンドルの本体の例えば軟性Oリングに取り付けて、弾性マウントをもたらすのと対照的である。
【0044】
スピンドル本体は、第1の本体部と、第1のスペーサリングと、少なくとも1つのタービン駆動リングと、第2のスペーサリングと、第2の本体部と、カバー部とを全て備えてもよいし、これらの小結合を備えてもよい。
【0045】
タービン駆動リングは、第1のタービンと第2のタービンとにガスを供給するように配置されたノズルの少なくとも一部を形成してもよい。各スペーサリングは、ノズルの境界を塞ぐように機能してもよい。第1の排気収集室は、第1の本体部に設けられた凹部によって形成されてもよい。第2の排気収集室は、第2の本体部に設けられた凹部によって形成されてもよい。収集室の別の面は、各スペーサリングによって形成されてもよい。排気路及び空気供給路は、第1の本体部、第2の本体部、第1のスペーサリング、第2のスペーサリング、タービン駆動リング、カバー部のうちの1つ、もしくは複数に設けられた適切な開口によって形成されてもよい。
【0046】
スピンドルは、少なくとも一部がアルミニウム及び有鉛のガンメタルであってもよい。スピンドルの少なくとも一部がアルミニウム及び有鉛のガンメタルであることで、軸受表面から収集室の境界へ良好な熱伝導性を確保することができる。
【0047】
本発明の別の局面によって提供されるのは、タービンを支持するシャフトと、本体であって、本体に対してシャフトを回転駆動するためにガスをタービンに供給するための少なくとも1つの供給路を有する本体とを備えた回転式噴霧器駆動スピンドルであって、本体は、2つの軸受であって、シャフトが内部で軸支され、2つの軸受が互いに離間され、2つの軸受の間にタービンが配設された2つの軸受を備え、さらに、2つの排気収集室を有する排気系を備え、2つの排気収集室はそれぞれ、各軸受付近に配置されている。
【0048】
ここで、付随する図面を参照しつつ、本発明の実施形態をほんの一例として説明する。
図1は、塗料噴霧器の形態の回転式噴霧器を図示しており、回転式噴霧器は、塗料噴霧ベル2を回転駆動するための駆動スピンドル1を備えている。また、図1に示す塗料噴霧器は、物質、つまり塗料を貯蔵室4からベル2へ供給するための供給路3を備えており、この塗料をベル部材によって霧化し、塗料でコーティングする表面へ塗料を噴射できるようになっている。このような塗料噴霧器では一般的であるが、塗料は、スピンドル1と塗装される表面との間に印加される高電圧によって生成される静電気力によって、塗装される表面へ向けて噴射される。
【0049】
この段階における塗料噴霧器の構造及び動作は、従来どおりであり、このような塗料噴霧器は、該当分野で広く利用され、よく理解されている。そこで、塗料噴霧ベル及び供給路3は、種々の形態が明らかであろうし、当業者にとって周知であろうから、説明を簡略化するために、塗料噴霧ベル及び供給路3のさらなる説明は省略し、本発明に関連する駆動スピンドル1を取り上げる。
【0050】
図2〜10を参照して、駆動スピンドル1の詳細を説明する。
図2は、駆動スピンドル1の主要部品を示す駆動スピンドル1の断面である。最も全体的なレベルにおいて、駆動スピンドル1は、通常使用時には静止しているスピンドル本体101と、スピンドル本体101内部に回転可能に軸支されたシャフト102とを備えている。
【0051】
スピンドル本体101自体は、複数の部品を備えている。まず、シャフト102を内部に軸支した空気軸受103aを収容する本体部103がある。本体部103に組み付けられているのは、スペーサリング104、タービン駆動リング105、後部カバー106である。
【0052】
図3A,3B,3Cは、本体部103を分離して詳細を示している。図4は、スペーサリング104の詳細を示し、図5は、タービン駆動リング105の詳細を示し、図6は、後部カバー106の詳細を示している。シャフト102は、図7に分離して示されている。
【0053】
図2に示すように、シャフト102は、駆動スピンドルに組み付けられると、タービン107を支持する。また、タービン107は、タービン駆動リング105に対して図5に示す組み付け関係となっている。
【0054】
ごく一般的に言えば、駆動スピンドル1は、タービン107に供給される空気によって作動する。つまり、タービン107は、回転式噴霧器、より具体的には塗料噴霧ベル2を駆動できるようにシャフト102を回転駆動する働きをする。回転駆動源としてタービンを使用すること自体は、当然ながら新規性がない。しかし、本出願の駆動スピンドル1は、種々の特徴を含んでおり、種々の特徴は、現時点で新規性があると思われ、有利な効果も発揮する。
【0055】
タービン107は、半径流タービンである。そして、タービン107は、ほぼリング形状の回転子体1071を備え、回転子体1071上には、ほぼ翼形状の複数のブレード1072が設けられている。これらブレード1072は、リング形状の回転子体1071の非曲面の1つから突出している。タービン107を通るガス通路1073は、隣り合うブレードの各対によって形成されている。タービンは、衝動タービンではなく、反動タービンとして形成されている。つまり、少なくともいくらかの駆動力は、単に、ブレード面に当たる空気の噴流の衝撃によるというのではなく、ガス通路1073を通るガス流から逐次エネルギーを抽出することによって得られる。ガス流から逐次エネルギーを抽出するという効果を得るために、ブレードは丁寧に成形されている。
【0056】
駆動スピンドルは、タービン駆動リング105からタービン107の外周に空気を供給し、リング形状タービンのタービン107の内周から空気を排出するように構成されている。図5に見られるように、各ガス通路1073の幅は、タービンの入口側(つまり、外周側)がタービンを通るガス通路の中間点よりも大きくなっている。さらに、タービンの出口側におけるガス通路1073の幅もまた、ガス通路1073の中間点における幅よりも大きくなっているものの、ガス通路1073の入口側における幅ほど大きくはない。
【0057】
図5に示すように、ページの外側方向におけるブレード1072の壁は、実質的に直線になっている。つまり、ブレードは、駆動スピンドル1の軸方向に一様な断面を有している。ブレードが駆動スピンドル1の軸方向に一様な断面を有していることにより、ブレード1072の機械加工がより容易になるとともに、タービン107を通るガス通路1073の断面積のあらゆる変化は、駆動スピンドル1の軸にほぼ垂直な平面におけるブレードの形状によって達成されることになる。上述したように、ブレード1072はそれぞれ、翼型形状を有している。また、注目すべきは、翼形状が非対称であるということである。翼形状が非対称であることで、所望の駆動効果と、所望のガス通路1073の形状とを達成できる。
【0058】
後部カバー106の開口部1061と、タービン駆動リング105の開口部1051とによって形成される空気供給路を介して、タービン107に空気が供給される。この空気供給路は、ガス供給室1052に入り、続いて、ガス供給室1052は、2つの駆動ノズル1053と流体接続している。ノズル1053はそれぞれ、スピンドルの軸にほぼ垂直な平面内で通路に続くように形成されている。ノズル1053はそれぞれ、スピンドルの軸に対して横方向になっている。ノズル1053が続く通路は、弧状になっている。ノズル1053は、スピンドルの軸方向に向かって螺旋状であると見なすことができる。また、駆動ノズル1053は、丁寧に成形され、所望の駆動特性をもたらすようにタービン107へ空気を供給する寸法になっている。本実施形態では、また、ノズル1053が形成されているのは、駆動スピンドル1の軸にほぼ垂直な平面内であり、ノズル1053の側壁は、駆動スピンドル1の軸に平行な方向にほぼ真っ直ぐになっている。したがって、軸方向におけるノズル1053の断面積は一様になっている。ノズル1053は、ノズル1053がガス供給室1052に達する入口と、ノズル1053がタービン駆動リング105の内側壁に達し、タービン107にガスを供給する出口とを備えている。入口と出口との間はスロートになっており、スロートはノズル1053が最も狭くなる部分である。このスロートは、出口の一方側に位置し、スロートを過ぎると、ノズル1053の一側壁が終わり、ノズル1053がタービンを囲繞する空間と一体になっている。ノズル1053はそれぞれ、入口とスロートとの間にてノズル1053の幅(つまり、断面積)が単調減小するように成形されている。ノズル1053がタービンを囲繞する空間と一体になっているため、ノズル1053を通るガス通路は、実際上、出口に達するまで断面積が単調減小し続ける。各ノズル1053の出口は、複数のブレード1072/ガス通路1073に同時にガスを供給するように形成されている。この場合、ガスは、各ノズルによって常に各4組もしくは各5組のブレードに供給されながら、これらブレード1072のうちの2つに最も有用に供給される。
【0059】
ノズルに吸引面と圧力面とを備えることを考慮することができる。吸引面は、使用時にノズルにおけるガスの圧力が最も低くなる面であり、圧力面は、ガスの圧力が最も高くなるノズル内の面である。本実施形態にて図示されたノズル形状では、吸引面は、ノズル1053の半径方向の最も外側にある面である。本ノズル設計の別の特徴は、この半径方向の外面が、いかなる直線部分を有することなく、連続した湾曲を有していることである。
【0060】
幅(断面積)の単調減小、連続した湾曲といった特徴は、最も効率的なタービンの動作を達成するのに重要である。
図2を考慮すれば、ブレード1072が後部カバー106の反対方向を向くようにリング形状のタービン107が配置されていることがわかる。図2に、ブレード1072の部分の正面を見ることができる。正面から見ることができる部分は、リング形状のタービン回転子107の内周上の部分である。
【0061】
上述したように、作動時には、ガス、つまり、一般的に空気は、ほぼ半径内側方向にタービン107を通過するため、排気は、タービン107の中心領域から排出されなければならない。排気をタービン107の中心領域から排出するための排気路が、スペーサリング104、タービン駆動リング105、後部カバー106における排気開口部1041,1054,1062の各々によって形成されている。また、排気収集室1031は、駆動スピンドル1の本体部103に機械加工された凹部によって形成されている。排気収集室1031の範囲は、図3Bにて最も明確に認識できよう。ここで、本体部103における利用可能な端面のほぼ全体を覆っている領域が、外側に圧延され、排気収集室1031を形成していることがわかるであろう。このように排気収集室1031が形成されることに対する唯一の例外は、排気収集室の基部から上方に突出する一連の柱1032であり、さらに、固定部材と、空気軸受103aへの空気供給路を含むランド1033とを得ることである。
【0062】
排気収集室1031を設けることで、タービンから排出される空気は、方向を変えて、後部カバー106を介して駆動スピンドル1から流出する前に減速することができる。さらに、この大きな排気収集室によって、形成された排気出口を最大限に利用することができる。タービンからの全ての排気は(実用の範囲で)、この排気収集室1031に導かれ、さらに、全ての排気出口路は、この共通の排気収集室1031に連結されている。
【0063】
ここで、図5に戻ると、各排気出口路の部分を形成している2つの開口部1054が、ガス供給室1052の半径方向内側に設けられていることに注目できる。2つの開口部1054をこの位置に設けることは、スピンドルから出る排気路を最大限に利用することに貢献するものの、ガス供給室1052が占め得る空間を制限してしまう。この対策のために、本実施形態では、ガス供給室1052の軸方向の奥行きは、軸方向におけるノズル1053の奥行きよりも大きくなっている。ガス供給室1052の軸方向の奥行きが、軸方向におけるノズル1053の奥行きよりも大きくなっていることにより、ガス供給室1052は、ノズル1053を介してガスをタービンに供給するために必要な体積を確保できる。異なる用途で必要とされるガス供給室1052の正確な体積は、作動温度を含む多くの要因に基づいて変化するであろうし、この事実は、軸方向におけるガス供給室1052の奥行きを変化させることで考慮され得る。軸方向におけるガス供給室1052の奥行きを変化させることは、タービン駆動リング105の形状を変化させるのに特に効率的な方法をもたらす。
【0064】
タービン駆動リング105にさらなるガス供給ノズル1055が設けられていることに注目するとよい。この供給ノズル1055は、2つの駆動ノズル1053のガス供給方向に対して反対の周方向にガスを供給し、タービン、さらにはシャフトにブレーキをかける、つまり、タービン、さらにはシャフトの回転速度を低下させるのに用いられる。
【0065】
上述したように、タービン107は、ブレード1072が後部カバー106の反対方向を向くように方向が設定されている。つまり、タービン回転子体1071の後部は、後部カバー105と対面し、タービン回転子体1071の後部は、速度検出システムの使用に有用な面となり得る。具体的には、光学式表示器、磁気式表示器、その他の表示器をタービン回転子体1071の後部に取り付けることができ、これら表示器は、シャフトの回転速度を測定する適切なセンサ(図示せず)によって監視され得る。このような機能が不要である場合、もしくはこのような機能が異なる方法で得られる場合には、タービン107を逆向き、つまり、ブレード1072を後部カバー106に対面させてタービン107を組み付けることが可能である。タービン107を逆向きに組み付けると、排気路を簡素化することができる。
【0066】
別の代案では、シャフト102を駆動するために複数のタービン107が設けられてもよい。複数のタービン107が設けられている場合には、これらタービン107は、ブレード1072を互いに反対方向を向けた状態で後部同士を向かい合わせて配設されてもよいし、一方のタービンのブレード1072を他方のタービンの後部に向けた状態で一方のタービンの前部と他方のタービンの後部とを向かい合わせて配設されてもよい。
【0067】
ここで、タービン107及びタービン駆動リング105の形状の詳細を図8〜10を参照しながら説明する。
図8は、タービン107における1つのタービンブレード1072、タービン駆動リング105の周囲の構造、さらに、スペーサリング104を図示している。また、図8に示されているのは、スピンドル1におけるタービン107の設定を説明するのに役立つ種々のパラメータである。R1は、シャフト102の回転中心からノズル1053の最外点までの半径である。R2は、ノズル1053の内側半径である。R3は、ブレード1072の外側半径である。R4は、ブレード1072の内側半径である。いずれの場合においても、これら半径は、シャフト102の回転中心を基準にしている。hは、ノズルの高さ、つまり、スピンドル1の軸方向におけるノズル1053の奥行きであり、tcは、ブレード1072の自由平面とスペーサリング104の対面との間の空間である先端隙間である。
【0068】
本出願人によって製造されたスピンドルの見本では、R1=36mm、R2=27.69mm、R3=27.5mmもしくはわずかに27.5mmに満たない大きさ、R4=22mm、h=2mm、tc=0.2mmである。
【0069】
これらの寸法は全て、タービンの特性に影響を及ぼし得るものであり、ブレードを迂回する単なる漏出路が別にある場合に良好な効率を達成するには、先端隙間が特に重要である。
【0070】
図9Aは、本出願人によって製造された見本装置における、ノズル1053の半径方向の外面(つまり、吸引面ss)、及びノズル1053の半径方向の内面(つまり、圧力面ps)の座標点を示す。さらに、下記の表1は、図9Aに示すグラフにプロットされたps及びssの座標点の値を示している。シャフト102の回転軸は、常に、この座標系の原点(0,0)となっている。
【0071】
【表1】

【0072】
本出願人によって製造された見本スピンドルの場合、装置のサイズは、1座標点が1ミリメートルに相当するようになっている。但し、当然のことながら、装置の実サイズは、変更されることがあり、形状は、座標を拡大縮小することによって維持される。図9Bは、圧力面psに対する代わりの端部を示している。
【0073】
図10は、本出願人によって製造された見本のタービンにおけるブレード1072の1つの形状をもたらす座標のグラフを示している。この場合も、シャフト102の回転軸は、原点(0,0)に位置している。さらに、下記の表2は、図10にてプロットされた、ブレードの圧力面(ps)及び吸引面(ss)の座標点を示している。また、本出願人によって製造された装置でも、1座標点は、1ミリメートルを表すものの、この場合も、1座標点が表す大きさを要望どおりに拡大及び縮小可能である。
【0074】
【表2】

【0075】
表1,2に示された座標によって決められた大きさ及び形状を有するノズル1053及びブレード1072は、特に良好な結果をもたらすものの、当然のことながら、これら座標のいくつか、もしくは全てが微小に変化していても、類似の効果を有する装置を製造可能である。
【0076】
図11A,11Bは、タービン回転子の別形態を示している。この場合も、翼形状のブレード172が、リング形状の回転子体171に設けられている。しかしながら、このタービン107において、孔1074が、ブレード1072の各々にほぼ軸方向に貫通され、幅広溝1075が、回転子体1071の外周面に機械加工されている。いずれの場合でも、タービンを通る所望の通路から空気を流出させる場合に、空気が流出しなければならない追加の端部を形成するために、孔1074の貫通及び幅広溝1075の機械加工がなされる。このように空気がブレード1072の自由平面上を流出する場合には、空気は、各孔1074の端部を通過しなければならない。そして、空気がブレード間を通過することなく、タービンの外周面を通って流出する場合には、空気は、溝1075を通過しなければならない。
【0077】
一般的に、タービンの非活用面に孔1074及び幅広溝1075といった表面特徴を設けることは、損失の低減に貢献する。それは、縁もしくは境界の導入によって気流に対する抵抗が増大するため、これらの特徴が空気の流出に干渉するようになることによる。
【0078】
本別形態では、これら2つの特徴は、タービン107の重量、及びタービン107の極慣性モーメントを低減する効果がある。これら2つの要因は、ジャイロ反作用などの好ましくない力学作用を低減し、タービン107を期待通りの速度で回転させるときに加速時間を低減するのに貢献し得る。
【0079】
別の表面特徴は、類似する効果を追加し得る。例えば、タービン107全体を貫通する軸孔を設ける代わりに、ブレード1072の平らな自由面に止まり穴を掘削してもよい。
本実施形態において、駆動スピンドルには、2つの駆動ノズルが具備されているものの、所望の出力もしくは所望の他の特性を得るために、異なる数の駆動ノズルが用いられてもよい。さらに、タービンには、異なる数のブレードが設けられてもよいし、ほぼ軸方向におけるブレードの高さは、異なる出力を得るために変更されてもよい。さらに、ほぼ軸方向におけるノズル1053の奥行き、及びノズル1053の幅は、出力を制御するために変更されてもよい。
【0080】
上述の仕様に従って製造された実用的な装置は、気流の駆動に30%の低減をもたらすとともに、上述のノズル、タービン形状、寸法を有していなかった別の装置と同じ速度でタービンを駆動するのに必要な空気圧にも同様の低減をもたらしていることがわかっている。
【0081】
図12〜18を参照して以下に説明するのは、上述の駆動スピンドルの代わりに、図1に示された形式の回転式噴霧器に用いられ得る別の回転式噴霧器駆動スピンドル1である。
【0082】
図12〜18に示す別の駆動スピンドルにおける多くの部品は、上述した駆動スピンドルにおける部品と同一もしくは類似の部品である。そこで、明瞭化のため、図12〜18に示す別の駆動スピンドルにて一致する部品を表すのに同一の参照番号を用い、簡略化のため、図12〜18に示す駆動スピンドルにおけるいくつかの部品の詳細な説明は省略する。
【0083】
おそらく大部分が図15で容易に見られることであるが、別の駆動スピンドルでは、この場合、2つのタービン107が設けられたシャフト102が組み付けられている。一方のタービンのブレード1072が他方のブレード1072の反対方向を向くように、タービン107が後部同士を向かい合わせた配置で組み付けられている。
【0084】
後部同士を向かい合わせてシャフト102に組み付けられた2つのタービン107があるという事実は別として、各タービン107は、図1〜10に関して上述したタービン107とほぼ同じ、あるいは、図11A,11Bに示す変形例とほぼ同じである。したがって、本駆動スピンドルにおけるタービン107の構造、形状、寸法の詳細な説明は省略する。
【0085】
本駆動スピンドルは、さらに、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルの本体部103と極めて直接対応する前方本体部103を備えている。しかしながら、本駆動スピンドルは、また、少なくともある意味で、前方本体部103と類似する後方本体部103’を備えている。
【0086】
本駆動スピンドルは、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルのタービン駆動リングと類似するタービン駆動リング105を備えている。しかしながら、本駆動スピンドルには2つのタービン107が存在するため、本駆動スピンドルにおけるタービン駆動リング105は、双方のタービン107に空気を供給するように形成されている。本駆動スピンドルには、タービン駆動リング105のそれぞれの側に配置された2つのスペーサリング104がある。これら2つのスペーサリング104は、互いに類似しているとともに、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルのスペーサリング104に類似している。
【0087】
本駆動スピンドルは、また、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルの後部カバーに類似する後部カバー106を備えている。この特定の実施形態では、シャフト速度監視システムに用いられる速度リング108もまたスピンドルに設けられている。
【0088】
図13,14に示すように、組み立て状態のスピンドルでは、シャフトは、2つのラジアル空気軸受である(前方本体部103における)103a,(後方本体部103’における)103’a内に軸支されている。これらの空気軸受103a,103’aは、互いに離間されている。双設タービン107が、離間された空気軸受103a,103’aの間に配置されている。さらに、離間された空気軸受103a,103’aは、スピンドルの全体寸法内で実用的な距離だけ互いに離間されている。空気軸受103a,103’aが、スピンドルの全体寸法内で実用的な距離だけ互いに離間されていることは、シャフト102が当該シャフト102に作用する比較的大きな回転モーメントに対抗できる“強固な”スピンドルをもたらすことに貢献する。
【0089】
組み立て状態において、双設タービン107は、タービン駆動リング105と一致するようにスペーサリング104によって所定位置に位置決めされている。スペーサリング104の1つの一方側に、前方本体部103があり、他方のスペーサリング104の反対側に、後方本体部103’がある。後方本体部103’における、各スペーサリング104と対面する側の反対側には、後部カバー部106がある。
【0090】
本駆動スピンドルには、スピンドル4の本体に設けられ、タービン107にガスを供給するための2つのタービンガス供給路Fがある。これらガス供給路Fの一方は、図13にて参照でき、これら双方のガス供給路Fへの入口は、図12にて参照できる。供給路Fは、後部カバー106、後方本体部103’、タービン駆動リング105にそれぞれ設けられた適切な開口部1061,1034’,1051によって形成されている。
【0091】
同様に、複数のタービンガス排気路E、この場合は4つのタービンガス排気路E、がスピンドルの本体に設けられている。これら排気路Eの1つは、図14にて参照でき、4つの排気路Eの出口は、図12にて参照できる。
【0092】
再び、これら排気路Eは、後部カバー106、後方本体部103’、スペーサリング104、タービン駆動リング105にそれぞれ設けられた適切な開口部1062,1035’,1041,1054によって形成されている。
【0093】
図16に端的に示すように、前方本体部103は、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルにおける本体部103の排気収集室に類似する排気収集室1031を備えている。しかしながら、本駆動スピンドルでは、図17に示すように、後方本体部103’も排気収集室1031’を備えている。前方本体部103における排気収集室1031の場合と同様に、後方本体部103’における排気収集室1031’は、後方本体部103’内の大部分の部材を圧延して形成されている。
【0094】
これら排気収集室1031,1031’の双方は、排気ガス(一般的に空気)が各タービン107から流出するときに排気ガスを受け入れる機能と同様の機能を果たす。実際には、前方本体部103における排気収集室1031が、前方本体部103近傍のタービン107からの排気ガスを受け入れ、同様に、後方本体部103’における排気収集室1031’が後方本体部103’近傍のタービン107からの排気を受け入れる。しかしながら、後方本体部103’の排気収集室1031’では、双方のタービン107からの排気もまた、排気路Eのいずれか1つを介して流出する前に混ざる、もしくは混合することができる。
【0095】
これら排気収集室1031,1031’を設けたことは、(タービン107のあらゆる絞り(スロットル)効果を最小限にすることで)スピンドル全体の効率を向上させるのに貢献するだけでなく、空気軸受103a,103a’の部材に冷却効果をもたらすのに貢献する。例えば、図14,16,17に示すように、軸受103a,103a’は、各排気収集室1031,1031’付近にある。冷却機能は、軸受を加熱させるほどの高い回転速度で回転するシャフトで動作するように形成されたスピンドルには特に重要である。さらに、本駆動スピンドルに用いられるタービンの高効率特性のため、タービン駆動ガスは、タービン107から流出するときに著しく膨張し、これによって急激に冷却する。いくつかの実施形態では、室温で供給されるタービン駆動ガスを摂氏零度付近まで冷却することができる。したがって、この排気ガスを空気軸受103a,103a’付近に循環させることで、著しい冷却効果を得ることができる。
【0096】
この冷却効果を高めるために、スピンドル、もしくはスピンドルにおける少なくとも排気収集室1031,1031’付近の部分は、アルミニウム及び有鉛ガンメタルを材料とし、軸受面から排気収集室1031,1031’内部全体に良好の熱伝導性を確保できる。
【0097】
注目すべきは、空気軸受103a,103a’がスピンドルの残りの部分、つまり、前方本体部103と後方本体部103a’に強固に組み付けられていることである。つまり、この組み付けは、例えば、空気軸受を内部に組み付けるOリングを設けて、弾性的な組み付けをもたらすものではない。
【0098】
タービン107の方向及びタービン107の周囲の構造により、一方のタービン107から流出する排気ガスは、排気ガスが他方のタービン107から流出する方向とほぼ反対方向に流れることが注目されるであろう。したがって、前方本体部103に最も近いタービン107から流出するガスは、前方本体部103における収集室1031付近で方向を変えざるを得ない。他方、後方本体部103’に最も近いタービン107から流出するガスは、このように方向を変えることなくスピンドルから流出することができる。
【0099】
図18は、本駆動スピンドルにおけるタービン駆動リング105の詳細を示している。駆動リング105は、4つの駆動ノズル1053を形成し、4つの駆動ノズル1053の各々は、図1〜11Bに関して上述した駆動スピンドルの駆動リング105における駆動ノズル1053のいずれかと同様の設計になっている。これら駆動ノズル1053のうちの2つは、一方のタービン107に駆動ガスを供給するように形成され、残りの2つの駆動ノズル1053は、他方のタービン107に駆動ガスを供給するように形成されている。したがって、駆動ノズル1053は、各タービンの正反対の部分に駆動ガスを供給するために、対になって形成されているものと見なすことができる。一方のタービン107にガスを供給するノズルは、タービン駆動リング105の一方の面に機械加工され、他方のタービン107にガスを供給するノズル1053は、タービン駆動リング105の反対面に機械加工されている。
【0100】
本実施形態では、タービン供給路Fは、駆動ガスをノズル1053に直接供給するために形成されており、したがって、この駆動スピンドルには、図1〜11Bに関して上述したスピンドルに設けられた形態のガス供給室がない。このようなガス供給室1052を設けることは、タービンを円滑に駆動するとともに、例えば、供給されるガスの圧力を変動させるのに重要であると考えられていた。しかしながら、驚くべきことに、このようなガス供給室を省いても、円滑な駆動を達成できることがわかった。ガス供給室を省いても円滑な駆動を達成できるのは、おそらく、必要な冷却効果をもたらすのに十分な体積のガスがタービン供給路F自体に存在しているということであろう。(少なくともいくつかの実施形態においては、)ガス供給室が必要なくなるということで、排気出口を設けるためにより大きな空間をスピンドル本体に確保できるという利点が得られる。したがって、図1〜11Bに関して上述したスピンドルには、2つの排気出口が設けられていたのに対し、本駆動スピンドルには、4つの排気出口が設けられている。
【0101】
注目すべきは、一方のタービン供給路Fが、円状に配列されたノズル1053のうちの2つに駆動ガスを供給する一方で、他方のタービン供給路Fが、円状に配列されたノズル1053の残りの1対にガスを供給することである。したがって、各タービン供給路Fは、ガスを供給して、双方のタービン107を駆動する。
【0102】
回転式噴霧器(具体的には塗料噴霧器)に用いるために、このような駆動スピンドルを組み付けるときには、2つの別体の空気供給源が、フレキシブル供給チューブを用いて供給路Fの入口に連結される。
【0103】
本明細書への導入にて上述したように、シャフト102がスピンドルの残りの部分に対して比較的強固に組み付けられたスピンドルを提供することは、例えば、スピンドルを含む噴霧ヘッドの高速回転が、シャフトに大きな回転モーメントを作用させる大きなジャイロ力を発生することができるという利点がある。シャフト102が軸受の部材に接触する程度にシャフト102が軸受に対して傾くことに対抗する十分な強固さをスピンドル、つまり、軸受構造が有していなければ、このように大きなジャイロ力は、故障を招き得る。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】塗料噴霧器の形態からなる回転式噴霧器を図示している。
【図2】図1に示された回転式噴霧器の駆動スピンドルを通る断面を示している。
【図3A】図2に示された駆動スピンドルにおける本体部の斜視図である。
【図3B】図3Aに示された本体部の平面図である。
【図3C】図3Bに示された本体部における線IIIC−IIICの断面図である。
【図4】図2に示された駆動スピンドルにおけるスペーサリングの断面図である。
【図5】図2に示された駆動スピンドルにおけるタービン駆動リング及びタービンの平面図である。
【図6】図2に示された駆動スピンドルにおける後部カバーの斜視図である。
【図7】図2に示された駆動スピンドルにおけるシャフトの断面図である。
【図8】図5に示されたタービン及びタービン駆動リングにおける種々の寸法測定を決定するのに有用な概略図である。
【図9A−9B】図5に示されたタービン駆動リングにおけるガス供給ノズルの形状をより正確に図示している。
【図10】図5に示されたタービンにおけるブレードの形状をより正確に図示している。
【図11A−11B】各々は、別のタービン回転子の平面図及び斜視図である。
【図12】図1に示された形式の回転式噴霧器に使用可能な別の回転式噴霧器駆動スピンドルの端面図を示している。
【図13】図12に示された駆動スピンドルにおける線XIII―XIIIの断面図を示し、この断面図は、駆動スピンドルにおけるタービン駆動空気供給路を示している。
【図14】図12に示された駆動スピンドルにおける線XIV―XIVの断面図を示し、この断面図は、駆動スピンドルにおける排気系の部分を示している。
【図15】図12に示された駆動スピンドルの主要部品の分解図を示している。
【図16】図12に示された駆動スピンドルにおける前方本体部の下面の立体図である。
【図17】図12に示された駆動スピンドルにおける後方本体部の下面図である。
【図18】図12に示された駆動スピンドルにおけるタービン駆動リングを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式噴霧器の部品として用いられる回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
該駆動スピンドルは、
タービンを支持するシャフトと、
本体であって、該本体に対して前記シャフトを回転駆動するために前記タービンにガスを供給するための少なくとも1つの供給路を備える本体と
を備えることを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、
ディスク形状もしくはリング形状の回転子体部と、
隣り合うブレードの対によって形成された、前記タービンを通るほぼ半径方向のガス通路を有し、前記回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出している複数のブレードと
を備え、
前記少なくとも1つの供給路は、使用時に、ガスが前記スピンドルの前記本体から前記タービンに向かって流れるノズル部を備え、
該ノズルは、出口を備え、
前記ノズル部を通る前記ガス通路の断面積は、前記ノズルの入口から出口へ単調減小している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項3】
請求項1に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記少なくとも1つの供給路は、使用時に、ガスが前記スピンドルの前記本体から前記タービンに向かって流れるノズル部を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項4】
請求項3に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズル部は、スロートを備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項5】
請求項4に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズル部を通るガス通路の断面積は、前記スロートに向かって単調減小している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項6】
請求項5に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズル部を通る前記ガス通路の前記断面積は、前記ノズルの入口から前記スロートへと単調減小している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項7】
請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズルを通る前記ガス通路は、一部が吸引面で形成され、一部が圧力面で形成され、
前記吸引面は、連続的な湾曲を有している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
ノズル断面の減小は、ノズル通路の1つの寸法を減小させつつ、該通路の残りの寸法を実質的に一定に留めることで達成している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項9】
請求項2乃至請求項8のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズルは、前記スピンドルの基軸に対して垂直な平面内で弧状通路に続いている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項10】
請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ノズルの出口は、前記タービンを通る複数のガス通路に同時にガスを送り込むように形成されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、反動タービンである
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、隣り合う前記ブレードの対によって形成された、前記タービンを通るガス通路を有する複数のブレードを備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項13】
請求項12に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
少なくとも1つのガス通路が、第1の端部から第2の端部へと断面積が減小する第1の部分を備えるように前記タービンは形成され、
前記第1の端部は、前記第2の端部よりも前記タービンの入口に近い
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記少なくとも1つのガス通路が、第1の端部から第2の端部へと断面積が増大する第2の部分を備えるように前記タービンは形成され、
前記第1の端部は、前記第2の端部よりも前記タービンの入口に近い
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項15】
請求項13に従属したときの請求項14に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記第2の部分は、前記第1の部分よりも前記タービンの入口から遠い
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項16】
請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
隣り合うブレードの各々に対面する前記ブレードの面は、一方向上では湾曲し、他の一方向上では実質的に平らである
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項17】
請求項16に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記ブレードは、ほぼディスク形状、もしくはほぼリング形状の回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出し、前記ブレード間の対向面は、ほぼ半径方向上においては湾曲するとともに、ほぼ軸方向上においては実質的に平らである
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項18】
請求項12乃至請求項17のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンブレードは、翼形状を有している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項19】
請求項12乃至請求項18のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンブレードは、非対称の形状を有している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項20】
請求項12乃至請求項19のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンブレードは、広範囲にわたる異なる作動条件下で層流を維持するように寸法及び形状が設定されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項21】
請求項1乃至請求項20のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、損失の低減に貢献する、凹部、もしくは開口部、もしくは溝などの少なくとも1つの表面特徴を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項22】
請求項21に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記表面特徴は、前記タービンの非機能面に設けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項23】
請求項21もしくは請求項22に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
各ブレードには、ほぼ軸方向の開口部、もしくはほぼ軸方向に延在する止まり穴が設けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項24】
請求項21または請求項22または請求項23に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
円周方向に延びる溝が、前記タービンの外側曲面に設けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項25】
請求項1乃至請求項24のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記スピンドル本体は、前記タービンの出口からガスを排出するための少なくとも1つの排気路を含む排気系を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項26】
請求項25に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、前記タービンの出口と前記排気系の出口との間に排気収集室を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項27】
請求項26に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、
前記タービンの出口から前記排気収集室へ排気を供給するための少なくとも1つの排気収集路と、
前記収集室から外部へ排気ガスを流出させるための複数の排気出口路と
を備えていることを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項28】
請求項26または請求項27に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気収集室は、前記排気ガスの流出方向が変化しなければならない位置に設けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項29】
請求項25乃至請求項28のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、乱流及び/もしくは背圧の発生を抑制もしくは防止することで前記タービン通過前後における圧力低下を最大にするように設計されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項30】
請求項25乃至請求項29のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、流出する排気ガスが前記スピンドルを冷却するように形成されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項31】
請求項1乃至請求項30のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記スピンドルの前記本体は、互いに離間された2つのラジアル軸受を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項32】
請求項29に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、前記離間されたラジアル軸受の間に配置されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項33】
請求項1乃至請求項32のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって
前記シャフトは、2つのタービンを支持している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項34】
請求項32に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記シャフトは、前記離間されたラジアル軸受の間に配置された2つのタービンを支持している
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項35】
請求項30に従属したときの請求項31,32,34のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、流出する排気ガスが、双方の前記ラジアル軸受を冷却するように形成されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項36】
請求項35に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
少なくとも1つの排気路における少なくとも1つの各部は、各ラジアル軸受の近傍を通る
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項37】
請求項35または請求項36に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記排気系は、2つの排気収集室を備えている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項38】
請求項37に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
第1の前記収集室は、第1の前記ラジアル軸受の付近に設けられ、
第2の前記収集室は、第2の前記ラジアル軸受の付近に設けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項39】
請求項37または請求項38に記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
2つのタービンを備え、
前記排気系は、
第1の前記タービンの出口から第1の前記収集室へ排気を供給するための第1の排気収集路と、
第2の前記タービンの出口から第2の前記収集室へ排気を供給するための第2の排気収集路と
を備えていることを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項40】
請求項31に従属したときの前記請求項のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記2つの軸受は、前記スピンドル本体の残りの部分に強固に組み付けられている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項41】
請求項2または請求項3に従属したときの前記請求項のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
1つの前記ノズルもしくは各ノズルの形状は、表1に示された座標値で実質的に決められている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項42】
請求項2または請求項3に従属したときの前記請求項のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
1つの前記ノズルもしくは各ノズルの形状は、表1に示された座標値に対して0.01差以内の各座標値で決められている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項43】
請求項2または請求項12に従属したときの前記請求項のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
1つの前記ブレードもしくは各ブレードの形状は、表2に示された座標値で実質的に決められている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項44】
請求項2または請求項12に従属したときの前記請求項のいずれかに記載の回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
1つの前記ブレードもしくは複数の各ブレードの形状は、表2に示された座標値に対して0.01差以内の各座標値で決められている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項45】
回転式噴霧器であって、
請求項1乃至請求項44のいずれかに記載の駆動スピンドルと、
基軸の周りを回転可能であり、ほぼ対象物に向かって流動する小粒子からなる円錐状の幕を噴射するように形成された釣鐘形状の部材と、
前記小粒子が生成され得る物質を貯留源から前記釣鐘形状の部材へ供給するための供給路と
を備えていることを特徴とする回転式噴霧器。
【請求項46】
回転式噴霧器駆動スピンドル用タービン回転子であって、
該タービン回転子は、
複数のブレードであって、隣り合う該ブレードの対によって形成され、前記タービンを通る複数のガス通路を有し、少なくとも1つのガス通路が第1の端部から第2の端部へと断面積が減小する第1の部分を有するように形成された複数のブレードを備え、
前記第1の端部は、前記第2の端部よりも前記タービンの入口に近い
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル用タービン回転子。
【請求項47】
タービンを支持するシャフトと、
本体であって、該本体に対して前記シャフトを回転駆動するために前記タービンにガスを供給するための少なくとも1つの供給路を備える本体と
を備える回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記本体は、
2つの軸受であって、前記シャフトを内部に軸支するとともに、互いに離間され、前記タービンが前記2つの軸受の間に配置された2つの軸受を備え、
さらに、
2つの排気収集室を有する排気系を備え、
該2つの排気収集室はそれぞれ、各軸受付近に配置されている
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。
【請求項48】
タービンを支持するシャフトと、
本体であって、該本体に対して前記シャフトを回転駆動するために前記タービンにガスを供給するための少なくとも1つの供給路を有する本体と
を備え、回転式噴霧器の部品に用いられる回転式噴霧器駆動スピンドルであって、
前記タービンは、
ディスク形状もしくはリング形状の回転子体部と、
隣り合う該ブレードの対によって形成された、前記タービンを通るほぼ半径方向のガス通路を有する、前記回転子体部のほぼ平らな面の1つから突出している複数のブレードと
を備え、
前記少なくとも1つの供給路は、使用時に、ガスが前記スピンドルの前記本体から前記タービンに向かって流れるノズル部を備え、
該ノズルは、出口を備え、
前記ノズル部を通る前記ガス通路の断面積は、前記ノズルの入口から前記出口へと単調減小する
ことを特徴とする回転式噴霧器駆動スピンドル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2008−511432(P2008−511432A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528997(P2007−528997)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003386
【国際公開番号】WO2006/024861
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507023500)ジーエスアイ グループ リミテッド (13)
【Fターム(参考)】