説明

駐車場システム

【課題】 大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができるとともに、ユニットの故障を適正に検出することのできる駐車場システムを提供する。
【解決手段】 駐車場1の精算機5を構成する複数のユニット8,9,10,11,12,13,14を制御する精算機制御装置7と、精算機制御装置7によりON、OFF制御され各ユニット8,9,10,11,12,13,14に電力を供給するための電源制御スイッチ17と、を備え、精算機制御装置7は、起動モードに応じて前記各ユニット8,9,10,11,12,13,14の起動順序を制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場システムに係り、特に、精算機などを大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なく動作させることができるとともに、ユニットの故障を適正に検出することを可能とした駐車場システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、時間貸しの駐車場においては、例えば、駐車場利用者に対して駐車券を発行し、所定時間駐車した後に、精算機により精算を行うようになっている。このような駐車場の精算機などにおいては、精算機は常に待機状態となっているため、電力消費が大きいという問題があった。
【0003】
そのため、従来から、例えば、各機能を行うモジュールユニットを個別に儲け、操作部の操作状態に基づいて動作すべきユニットに順次電力を供給するとともに、動作の終了したユニットの電力を遮断制御するようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−045580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の発明によれば、操作状態に基づいて各ユニットに電力を供給するものであるが、ユニットによっては、起動時においてピーク電力が大きくなるユニットがあり、このようなユニットを同時に起動してしまうと、起動時におけるピーク電力が著しく大きくなってしまうため、ピーク電力を確保するために容量の大きな電源を用意する必要があり、電源設備を高価なものにする必要があるという問題を有している。また、ユニットが故障した場合などには、各ユニットに電力を供給しても、ユニットが適正に動作できず、従来の装置では、ユニットの故障などを検出することができず、ユニットの動作不良を招くおそれがあるという問題を有している。
【0006】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができるとともに、ユニットの故障を適正に検出することのできる駐車場システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために請求項1の発明に係る駐車場システムは、駐車場の精算機を構成する複数のユニットを制御する精算機制御装置と、前記精算機制御装置によりON、OFF制御され前記各ユニットに電力を供給するための電源制御スイッチと、を備え、
前記精算機制御装置は、起動モードに応じて前記各ユニットの起動順序を制御するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記駐車場の発券機を構成する複数のユニットを制御する発券機制御装置をさらに備え、前記発券機制御装置は、起動モードに応じて前記各ユニットの起動順序を制御するものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記精算機または前記発券機は、前記電源制御スイッチがONとされたときに、前記各ユニットへの電源の供給状態を検出する出力検出器を備え、前記精算機制御装置または前記発券機制御装置は、前記出力検出器による検出結果に基づいて、前記各ユニットが正常に動作しているか否かを判断するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記起動モードは、利用者が利用する順序に従って、必要とされる前記各ユニットの電源を順次ONにするように制御する順次起動モードであることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項において、前記起動モードは、あらかじめ処理に必要とされる前記各ユニットの電源をONにするように制御する準備起動モードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、精算機制御装置により、起動モードに応じて各ユニットの起動順序を制御するようにしているので、最大電力を少なくして各ユニットを起動させることができ、大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、発券機制御装置により、起動モードに応じて各ユニットの起動順序を制御するようにしているので、最大電力を少なくして各ユニットを起動させることができ、大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、精算機制御装置または発券機制御装置により、出力検出器による検出結果に基づいて、各ユニットが正常に動作しているか否かを判断するようにしているので、各ユニットの故障を適正に検出することができ、動作不良の発生を未然に防止することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、起動モードを、利用者が利用する順序に従って、必要とされる各ユニットの電源を順次ONにするように制御する順次起動モードとしているので、比較的、省電力効果を高くして制御することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、起動モードを、あらかじめ処理に必要とされる各ユニットの電源をONにするように制御する準備起動モードとしているので、比較的、待ち時間を少なくして制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における精算機の詳細を示す概略構成図である。
【図3】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における電源制御スイッチ部分の詳細を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における順次起動モードの電源制御を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における準備起動モードの電源制御を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における駐車場の出庫状態を示すグラフである。
【図7】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における起動モードの判断動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における順次起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における準備起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における保守点検動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る駐車場システムの第1実施形態における電源供給の異常を判断する動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態を示す概略構成図である。
【図14】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における発券機の詳細を示す概略構成図である。
【図15】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における駐車場の入庫状態を示すグラフである。
【図16】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における発券機の順次起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における発券機の準備起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における精算機の順次起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明に係る駐車場システムの第2実施形態における精算機の準備起動モードによる動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明に係る駐車場システムの第1実施形態を示す概略構成図であり、図1に示すように、本実施形態においては、駐車場1は、車両2を駐車させるための複数の車室3を備えており、これら各車室3には、駐車中の車両2のロックを行うためのロック装置4が設置されている。また、駐車場1には、精算機5が設けられており、この精算機5には、精算機5により精算しようとする利用者の有無を検出するためのマンセンサ6が設置されている。
【0020】
また、図2に示すように、精算機5には、各種制御を統括して行う精算機制御装置7が設けられており、精算機制御装置7には、精算機5の案内表示を行うための案内表示ユニット8と、車室番号の入力などのキー入力を行うためのキー入力ユニット9と、精算時に硬貨の計数や釣り銭の処理などを行うための硬貨処理ユニット10と、精算時に紙幣の計数や釣り銭の処理などを行うための紙幣処理ユニット11と、例えば、クレジットカードやプリペイドカードなどのカードの処理を行うためのカード処理ユニット12と、領収書を発行するために印字を行うプリンタユニット13と、例えば、中央装置などと通信を行うための通信ユニット14と、精算機5の扉の開閉状態を検出する扉開検出器15が、それぞれ接続されている。精算機制御装置7には、電源ユニット16が接続されており、精算機制御装置7には、案内表示ユニット8、キー入力ユニット9、硬貨処理ユニット10、紙幣処理ユニット11、カード処理ユニット12、プリンタユニット13および通信ユニット14に対して、電源ユニット16からの電源の供給を制御する電源制御スイッチ17がそれぞれ設けられている。また、各電源制御スイッチ17部分には、電圧値、電流値を検出することにより、各ユニット8,9,10,11,12,13,14に対して電源が供給されているか否かを検出するための出力検出器18がそれぞれ設けられている。
【0021】
さらに詳細には、図3に示すように、精算機制御装置7には、電源制御スイッチ17のON、OFF制御を行うI/O19、各ユニット8,9,10,11,12,13,14との信号の入出力を行うインタフェース20および出力検出器18の検出信号をアナログ信号に変換するA/D変換器21がそれぞれ設けられている。そして、精算機制御装置7は、I/O19により電源制御スイッチ17をONにした場合に、出力検出器18からの電源出力を確認し、各ユニット8,9,10,11,12,13,14に適正に電力が供給されているか否かを確認するように構成されている。また、精算機制御装置7は、電力が供給されていない場合に、ユニット8,9,10,11,12,13,14が故障であると判断し、電力が供給されている場合には、さらに、インタフェース20を介して各ユニット8,9,10,11,12,13,14と通信を行って各ユニット8,9,10,11,12,13,14からのステータスを確認するように構成されている。さらに、精算機制御装置7は、複数回ステータスを確認することができない場合に、ユニット8,9,10,11,12,13,14が故障であると判断し、I/O19により電源制御スイッチ17をOFFにするように制御するものである。
【0022】
ここで、案内表示ユニット8、キー入力ユニット9および通信ユニット14については、電源をONにしたときに大きな起動電流が流れることはないが、硬貨処理ユニット10、紙幣処理ユニット11、カード処理ユニット12およびプリンタユニット13については、駆動モータなどの動作機構が内蔵されていることから、電源をONにしたときに大きな起動電流が流れる性質を有しており、しかも、正常に起動するまでに一定の時間が必要である。そのため、本実施形態においては、各ユニット8,9,10,11,12,13,14の電源をONにするタイミングを制御することにより、ピーク電力の低減を図るように構成されている。
【0023】
本実施形態においては、順次起動モードおよび準備起動モードの2種類に起動モードで制御されるようになっている。順次起動モードは、利用者が利用する順序に従って、必要とされる各ユニット8,9,10,11,12,13,14の電源を順次ONにするように制御されるものである。具体的には、図4に示すように、精算機5の電源をONして精算機制御装置7が起動されると、マンセンサ6により精算機5に利用者が近づいたことを検出した場合に、通信ユニット14およびキー入力ユニット9の電源をONにし、利用者によりキー入力があった場合に、案内表示ユニット8の電源をONにするように制御するものである。そして、利用者が精算を開始する場合は、カード処理ユニット12の電源をONにし、現金精算がある場合に、紙幣処理ユニット11および硬貨処理ユニット10の電源をONにし、精算が完了したら、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をOFFにするように制御するものである。その後、利用者が領収書の発行を希望する場合には、プリンタユニット13の電源をONにするように制御するものである。
【0024】
また、準備起動モードは、図5に示すように、あらかじめ処理に必要とされるユニットの電源をONにして起動させるように制御するものである。具体的には、精算機5の電源をONして精算機制御装置7が起動されると、マンセンサ6により精算機5に利用者が近づいたことを検出した場合に、通信ユニット14、キー入力ユニット9および案内表示ユニット8の電源をONにするとともに、カード処理ユニット12をONにし、その後、大きな起動電流が流れる時間だけ遅らせて、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をそれぞれONにするように制御するものである。
【0025】
前述の順次起動モードは、必要なときに必要なユニットの電源をONにするものであるため、省電力の効果が高いものの、起動に時間がかかり待ち時間が発生する場合がある。一方、準備起動モードは、あらかじめ処理に必要とされるユニットの電源をONにして待機するものであるため、待ち時間は発生しないが、処理が必要でないユニットの電源がONになっているので、省電力効果は少ない。そのため、本実施形態においては、順次起動モードおよび準備起動モードを必要に応じて切り換えて制御することにより、使い勝手がよく、省電力を図ることができるようにしている。例えば、各車室3に車両検出センサを設置し、駐車場1の駐車台数を管理し、駐車台数があらかじめ設定された台数以下の場合には、精算処理が一定時間行われないものと判断して、順次起動モードで制御し、あらかじめ設定された台数を超えた場合には、頻繁に精算処理が行われるものと判断して、準備起動モードで制御するようにすればよい。
【0026】
その他、例えば、駅前に駐車場1を設置した場合を想定し、図6に示すように、1日における各時間ごとに出庫台数を計数して記憶しておき、設定された台数をしきい値として、このしきい値以下の場合には、順次起動モードで制御するとともに、しきい値を超えた場合には、準備起動モードで制御するようにしてもよい。このように制御することにより、駐車場1の利用状況に応じた適正な制御を行うことが可能となる。
【0027】
次に、本実施形態の動作について、図7から図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0028】
本実施形態においては、図7に示すように、精算機5の電源をONにすると、精算機制御装置7が起動され(ST1)、その後、扉開検出器15により保守点検のために精算機5の扉が開いたか否かを判断する(ST2)。扉が開いていない場合は、マンセンサ6により精算機5に利用者が近づいたか否かを判断し(ST3)、精算機5の扉が開いた場合には、保守点検モードに移行する(ST7)。そして、精算機5に利用者が近づいたことを検出した場合には、順次起動モードで制御するか、準備起動モードで制御するかを判断する(ST4)。そして、順次起動モードによる制御を行う場合は、順次起動モードによる制御に移行し(ST5)、準備起動モードによる制御を行う場合は、準備起動モードによる制御に移行する(ST6)。
【0029】
この起動モードの判断は、図8に示すように、まず、精算機制御装置7により、現在の時刻を取得するとともに(ST10)、出庫台数を計数した情報を取得し(ST11)、出庫台数が現在の時刻におけるしきい値と比較して(ST12)、出庫台数がしきい値以下の場合は、順次起動モードに移行する(ST13)。一方、出庫台数がしきい値を超えている場合には、準備起動モードに移行する(ST14)。
【0030】
そして、順次起動モードで制御する場合は、図9に示すように、まず、通信ユニット14およびキー入力ユニット9の電源をONにし(ST20)、キー入力があった場合には(ST21)、案内表示ユニット8の電源をONにする(ST22)。そして、精算を開始する場合は(ST23)、カード処理ユニット12の電源をONにし(ST24)、現金精算がある場合は(ST25)、紙幣処理ユニット11の電源をONにする(ST26)。ここで、紙幣処理ユニット11の起動が完了するまで、一定時間の時間待ちを行った後(ST27)、硬貨処理ユニット10の電源をONにする(ST28)。そして、現金の受付および払い出し処理を行い(ST29)、精算が完了したら(ST30)、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をOFFにする(ST31)。
【0031】
次に、領収書の発行を希望する場合には(ST32)、プリンタユニット13の電源をONにして(ST33)、領収書を印字し(ST34)、プリンタユニット13の電源をOFFにする(ST35)。その後、一定時間が経過したら(ST36)、案内表示ユニット8の電源をOFFにするとともに(ST37)、通信ユニット14、キー入力ユニット9の電源をOFFにする(ST38)。
【0032】
次に、準備起動モードで制御する場合は、図10に示すように、まず、通信ユニット14、キー入力ユニット9および案内表示ユニット8の電源をONにし(ST40)、続いて、カード処理ユニット12の電源をONにする(ST41)。そして、一定時間の時間待ちを行った後(ST42)、紙幣処理ユニット11の電源をONにし(ST43)、さらに、紙幣処理ユニット11の起動が完了するまで、一定時間の時間待ちを行った後(ST44)、硬貨処理ユニット10の電源をONにする(ST45)。そして、キー入力があり(ST46)、精算を開始し(ST47)、現金精算がある場合は(ST48)、現金の受付および払い出し処理を行い(ST49)、精算が完了したら(ST50)、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をOFFにする(ST51)。
【0033】
次に、領収書の発行を希望する場合には(ST52)、プリンタユニット13の電源をONにして(ST53)、領収書を印字し(ST54)、プリンタユニット13の電源をOFFにする(ST55)。その後、一定時間が経過したら(ST56)、案内表示ユニット8の電源をOFFにするとともに(ST57)、通信ユニット14、キー入力ユニット9の電源をOFFにする(ST58)。
【0034】
また、精算機5の保守点検を行う場合は、図11に示すように、通信ユニット14、キー入力ユニット9および案内表示ユニット8の電源をONにし(ST60)、続いて、カード処理ユニット12の電源をONにする(ST61)。そして、一定時間の時間待ちを行った後(ST62)、紙幣処理ユニット11の電源をONにし(ST63)、さらに、時間待ちを行った後(ST64)、硬貨処理ユニット10の電源をONにする(ST65)。その後、時間待ちを行った後(ST66)、プリンタユニット13の電源をONにして(ST67)、所定の保守作業を行うものである(ST68)。そして、保守作業が完了したら、通信ユニット14、キー入力ユニット9、案内表示ユニット8、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10およびプリンタユニット13の電源をOFFにする(ST69)。
【0035】
次に、精算機制御装置7による各ユニットの異常検出動作について図12に示すフローチャートを参照して説明する。
【0036】
まず、精算機制御装置7の電源がONにされたら(ST70)、精算機制御装置7のI/O19により、電源制御スイッチ17をONにする(ST71)。そして、精算機制御装置7により、出力検出器18からの電源出力を確認し、各ユニットに適正に電力が供給されているか否かを確認し(ST72)、電力が供給されていない場合に、ユニットが故障であると判断する(ST73)。また、電力が供給されている場合には、さらに、I/Fを介して各ユニットと通信を行い(ST74)、各ユニットからのステータスを確認する(ST75)。ステータスを確認することができた場合には、ユニットが正常に起動されたと判断し(ST76)、ステータスを確認することができない場合には、さらに複数回ステータスの確認を行い(ST77)、それでもステータスを確認することができない場合には(ST78)、ユニットが故障であると判断し、I/O19により電源制御スイッチ17をOFFにするように制御する(ST79)。
【0037】
以上述べたように、本実施形態においては、精算機5を必要に応じて順次起動モードあるいは準備起動モードで起動させるようにしているので、最大電力を少なくして各ユニット8,9,10,11,12,13,14を起動させることができ、大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができる。また、精算機制御装置7により電源制御スイッチ17をONにした際に、各ユニット8,9,10,11,12,13,14が正常に動作しているか否かを判断するようにしているので、ユニット8,9,10,11,12,13,14の故障を適正に検出することができ、動作不良の発生を未然に防止することができる。
【0038】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0039】
本実施形態においては、発券機22および精算機5を備えた駐車場1に適用した場合の例を示している。
すなわち、図13に示すように、駐車場1の入口側には、ゲートバー23を備えた入場ゲート機24が設置されており、この入場ゲート機24は、ゲートバー23を車両2が通行できない閉状態と、車両2が通行できる開状態とを切り換えることができるように構成されている。入場ゲート機23の手前には、発券機22が設置されており、この発券機22に対応する位置には、その上に位置する車両2を検出して車両検出信号を発生するループコイルなどからなる入場口車両感知器25が配設されている。
【0040】
また、駐車場1の出口側には、ゲートバー26を備えた出場ゲート機27が設置されており、出場ゲート機27の手前には、精算機5が設置されており、精算機5に対応する位置および精算機5に対して所定距離手前には、その上に位置する車両2を検出して車両検出信号を発生するループコイルなどからなる2つの出場口車両感知器28,28がそれぞれ配設されている。
【0041】
また、駐車場1の各車室3には、車両2の駐車している車両2の有無を検出する車両検出装置29が設置されており、駐車場1内の出場口車両感知器28には、この出場口車両感知器28を通過する車両2の計数を行う通過カウンタ30が接続されている。そして、車両検出装置29および通過カウンタ30は、それぞれ駐車場1の駐車状態を管理する駐車管制装置31に接続されている。
【0042】
また、図14に示すように、発券機22には、各種制御を統括して行う発券機制御装置32が設けられており、発券機制御装置32には、発券機22の案内表示を行うための案内表示ユニット33と、キー入力を行うためのキー入力ユニット34と、カードの処理を行うためのカード処理ユニット35と、中央装置などと通信を行うための通信ユニット36とが、それぞれ接続されている。発券機制御装置32には、電源ユニット37が接続されており、発券機制御装置32には、案内表示ユニット33、キー入力ユニット34、カード処理ユニット35および通信ユニット36に対して、電源ユニット37からの電源の供給を制御する電源制御スイッチ38がそれぞれ設けられている。また、各電源制御スイッチ38部分には、電流値を検出することにより、各ユニット33,34,35,36に対して電源が供給されているか否かを検出するための出力検出器39がそれぞれ設けられている。
【0043】
また、本実施形態において発券機22を順次起動モードで制御する場合は、発券機22の電源をONして発券機制御装置32が起動されると、通信ユニット36およびキー入力ユニット34の電源をONにし、入場口車両感知器25により車両2を検出したら、カード処理ユニット35の電源をONにするように制御するものである。そして、一定時間の時間待ちを行った後、案内表示ユニット33の電源をONにし、駐車券を発行した後、通信ユニット36、キー入力ユニット34、カード処理ユニット35および案内表示ユニット33の電源をOFFにするように制御するものである。
【0044】
また、発券機22を準備駆動モードで制御する場合は、通信ユニット36およびキー入力ユニット34の電源をONにし、カード処理ユニット35の電源をONにした後、一定時間の時間待ちを行った後、案内表示ユニット33の電源をONにするように制御するものである。そして、入場口車両感知器25により車両2を検出したら、駐車券を発行し、その後、通信ユニット36、キー入力ユニット34、カード処理ユニット35および案内表示ユニット33の電源をOFFにするように制御するものである。
【0045】
また、本実施形態の発券機22においても、順次起動モードおよび準備起動モードを必要に応じて切り換えて制御するものであり、この切り換え制御は、第1実施形態における精算機5の場合と同様に、例えば、駅前に駐車場1を設置した場合を想定し、図15に示すように、1日における各時間ごとに入庫台数を計数して記憶しておき、設定された台数をしきい値として、このしきい値以下の場合には、順次起動モードで制御するとともに、しきい値を超えた場合には、準備起動モードで制御するものである。
【0046】
なお、精算機5の構成については、前記第1実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。
【0047】
次に、本実施形態の動作について、図16から図19に示すフローチャートを参照して説明する。
【0048】
まず、発券機22による動作について説明する。本実施形態においては、発券機22による制御について、順次起動モードで制御するか、準備起動モードで制御するかの判断は、前記第1実施形態における精算機5による制御と同様であるので、各起動モードによる制御について説明する。
【0049】
本実施形態においては、順次起動モードで制御する場合は、図16に示すように、まず、通信ユニット36およびキー入力ユニット34の電源をONにし(ST80)、入場口車両感知器25により車両2を感知した場合には(ST81)、カード処理ユニット35の電源をONにする(ST82)。その後、一定時間の時間持ちを行った後(ST83)、案内表示ユニット33の電源をONにして(ST84)、駐車券を発行する(ST85)。その後、通信ユニット36、キー入力ユニット34、カード処理ユニット35および案内表示ユニット33の電源をOFFにする(ST86)。
【0050】
次に、準備起動モードで制御する場合は、図17に示すように、まず、通信ユニット36、キー入力ユニット34の電源をONにした後(ST90)、カード処理ユニット35の電源をONにし(ST91)、一定の時間待ちを行った後(ST92)、案内表示ユニット33の電源をONにする(ST93)。そして、入場口車両感知器25により車両2を感知した場合には(ST94)、駐車券を発行し(ST95)、その後、通信ユニット36、キー入力ユニット34、カード処理ユニット35および案内表示ユニット33の電源をOFFにする(ST96)。
【0051】
次に、精算機5による動作について説明する。
【0052】
まず、順次起動モードで制御する場合は、図18に示すように、通信ユニット14およびキー入力ユニット9の電源をONにし(ST100)、出場口車両感知器により車両2を感知した場合には(ST101)、案内表示ユニット8の電源をONにする(ST102)。そして、精算を開始する場合は(ST103)、カード処理ユニット12の電源をONにし(ST104)、現金精算がある場合は(ST105)、紙幣処理ユニット11の電源をONにする(ST106)。ここで、紙幣処理ユニット11の起動が完了するまで、一定時間の時間待ちを行った後(ST107)、硬貨処理ユニット10の電源をONにする(ST108)。そして、現金の受付および払い出し処理を行い(ST109)、精算が完了したら(ST110)、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をOFFにする(ST111)。
【0053】
次に、領収書の発行を希望する場合には(ST112)、プリンタユニット13の電源をONにして(ST113)、領収書を印字し(ST114)、プリンタユニット13の電源をOFFにする(ST115)。その後、一定時間が経過したら(ST116)、案内表示ユニット8の電源をOFFにするとともに(ST117)、通信ユニット14、キー入力ユニット9の電源をOFFにする(ST118)。
【0054】
次に、準備起動モードで制御する場合は、図19に示すように、まず、通信ユニット14、キー入力ユニット9および案内表示ユニット8の電源をONにし(ST120)、続いて、カード処理ユニット12の電源をONにする(ST121)。そして、一定時間の時間待ちを行った後(ST122)、紙幣処理ユニット11の電源をONにし(ST123)、さらに、紙幣処理ユニット11の起動が完了するまで、一定時間の時間待ちを行った後(ST124)、硬貨処理ユニット10の電源をONにする(ST125)。そして、出場口車両感知器により車両2を感知して(ST126)、精算を開始し(ST127)、現金精算がある場合は(ST128)、現金の受付および払い出し処理を行い(ST129)、精算が完了したら(ST130)、カード処理ユニット12、紙幣処理ユニット11、硬貨処理ユニット10の電源をOFFにする(ST131)。
【0055】
次に、領収書の発行を希望する場合には(ST132)、プリンタユニット13の電源をONにして(ST133)、領収書を印字し(ST134)、プリンタユニット13の電源をOFFにする(ST135)。その後、一定時間が経過したら(ST136)、案内表示ユニット8の電源をOFFにするとともに(ST137)、通信ユニット14、キー入力ユニット9の電源をOFFにする(ST138)。
【0056】
以上述べたように、本実施形態においては、精算機5および発券機22を必要に応じて順次起動モードあるいは準備起動モードで起動させるようにしているので、最大電力を少なくして各ユニットを起動させることができ、大容量の電源を用いることなく、消費電力を少なくすることができる。
【0057】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 駐車場
2 車両
3 車室
4 ロック装置
5 精算機
6 マンセンサ
7 精算機制御装置
8,33 案内表示ユニット
9,34 キー入力ユニット
10 硬貨処理ユニット
11 紙幣処理ユニット
12,35 カード処理ユニット
13 プリンタユニット
14,36 通信ユニット
15 扉開検出器
16,37 電源ユニット
17,38 電源制御スイッチ
18,39 出力検出器
19 I/O
20 インタフェース
21 A/D変換器
22 発券機
32 発券機制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の精算機を構成する複数のユニットを制御する精算機制御装置と、
前記精算機制御装置によりON、OFF制御され前記各ユニットに電力を供給するための電源制御スイッチと、を備え、
前記精算機制御装置は、起動モードに応じて前記各ユニットの起動順序を制御するものであることを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
前記駐車場の発券機を構成する複数のユニットを制御する発券機制御装置をさらに備え、
前記発券機制御装置は、起動モードに応じて前記各ユニットの起動順序を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記精算機または前記発券機は、前記電源制御スイッチがONとされたときに、前記各ユニットへの電源の供給状態を検出する出力検出器を備え、
前記精算機制御装置または前記発券機制御装置は、前記出力検出器による検出結果に基づいて、前記各ユニットが正常に動作しているか否かを判断するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記起動モードは、利用者が利用する順序に従って、必要とされる前記各ユニットの電源を順次ONにするように制御する順次起動モードであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記起動モードは、あらかじめ処理に必要とされる前記各ユニットの電源をONにするように制御する準備起動モードであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に駐車場システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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