説明

駐車場情報サーバ装置、駐車場情報収集装置、および駐車場関連情報提示装置

【課題】駐車場を探索するドライバに対して短時間で駐車することが可能な駐車場に関する情報提供を行う。
【解決手段】車両(1a、1b)に搭載される駐車場情報収集装置(100)は、車両走行時には現在位置と走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得しておく。そして、車両が駐車した場合には、この車両走行履歴情報に基づいて、駐車した駐車場における駐車完了時間を算出し、駐車場識別情報とともにデータセンタ(2)のサーバ装置(300)へ送信する。また、サーバ装置では、駐車場識別情報と駐車完了時間とを受信して記録しておく。そして、車両に備えられている装置(200)から駐車場関連情報の検索条件を受信した場合には、この検索条件に合致する駐車場関連情報を検索して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドライバに対して駐車場に関する駐車場情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のシステムは、目的地に付随する駐車場がない場合には、車両のドライバに対して駐車場に関する情報を提供する駐車場関連情報提供システムである。
具体的には、特許文献1に記載の駐車場関連情報提供システムでは、ドライバが駐車場を利用した場合、車両に搭載されている車載機が目的地と利用した駐車場との関係を示す駐車履歴情報をサーバ装置へと送信する。そして、このドライバが別の機会に、もしくは別のドライバがこの目的地付近の駐車場を探す際、サーバ装置は、車両から送信される目的地情報に基づいて過去に送信された駐車履歴情報から駐車場を検索する。これにより、目的地付近にある駐車場の位置情報を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−176500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の駐車場関連情報提供システムでは、単に駐車場の位置に関する情報を提供しているに過ぎないため、ドライバがその駐車場に行ってみると駐車場が混雑していて予想以上に駐車に時間がかかってしまう場合がある。よって、駐車に時間をかけたくないドライバは、駐車場の有無だけではなく、その駐車場に駐車するのに要する時間に関する情報も知りたいという要求がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駐車場を探索するドライバに対して駐車場についてより有益な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、データセンタ等の遠隔地に備えられるサーバ装置において、駐車場を識別する駐車場識別情報と、駐車場において駐車が完了するまでの時間を示す駐車完了時間とを含む駐車場情報を受信し、受信した駐車場情報を記録して蓄積する。また、蓄積された駐車場情報に含まれる駐車完了時間から、駐車場における平均駐車完了時間を算出する。そして、駐車予定位置と、駐車予定時刻とを含む要求信号を受信すると、平均駐車完了時間から駐車予定位置における駐車完了予定時刻を推定する。推定した駐車完了予定時刻を、駐車場に関連する情報である駐車場関連情報として要求信号の送信元に出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、駐車場に駐車が完了する駐車完了予定時刻を推定して出力することにより、短時間で駐車を完了することのできる駐車場を探索したいドライバに対して有益な情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提供システム全体の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100における処理の一例を示すフロー図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200における処理の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300における処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
(駐車場関連情報提供システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る駐車場関連情報提供システム全体の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る駐車場関連情報提供システムは、駐車場情報収集装置100と、駐車場関連情報提示装置200と、サーバ装置300とを含んで構成される。
【0009】
駐車場情報収集装置100は、各車両1a、1bにそれぞれ備えられる装置である。駐車場情報収集装置100は、各車両1a、1bが駐車場に駐車した際に、その駐車場で駐車するのに要した駐車完了時間をサーバ装置300に送信する。
駐車場関連情報提示装置200は、各車両1a、1bにそれぞれ備えられる装置である。駐車場関連情報提示装置200は、車両1a、1bのドライバが駐車場を探索する際に、タッチパネル等から駐車予定位置や駐車予定時刻等の情報を入力すると、これらの情報を検索条件としてサーバ装置300に送信する。そして、これに対する返信としてサーバ装置300から駐車場に関する情報を受け取り、ディスプレイ等に表示する。
【0010】
なお、図1では駐車場情報収集装置100と駐車場関連情報提示装置200は同じ車両に備えられているが、これらの装置は別々の車両にそれぞれ搭載されていてもよい。
サーバ装置300は、各車両1a、1bが駐車場に駐車した際に駐車場情報収集装置100から送信される駐車完了時間を含む駐車場情報を保持して蓄積する。また、図1には図示されない他の車両に備えられている駐車場情報収集装置100からも、その車両が駐車場に駐車した際には、その駐車場の駐車完了時間を含む駐車場情報がサーバ装置300に送信される。そして、サーバ装置300は、駐車場関連情報提示装置200から検索条件を受信すると、検索条件に合致する駐車場に関する駐車場関連情報を駐車場関連情報提示装置200に送信する。
【0011】
以下、各装置の構成について説明する。
(駐車場情報収集装置100の構成)
図2は、駐車場情報収集装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100は、GPS(Global Positioning System)ユニット110、シフトポジションセンサ120、車両走行履歴データベース130、制御装置140、車載機通信装置150を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
【0012】
GPSユニット110は、図示しない複数の衛星通信から送信される電波を検出して、車両1a、1b(以下、総称して「車両1」という)の位置情報を取得する。GPSユニット110により取得された車両の位置情報は、制御装置140に送信される。
シフトポジションセンサ120は、車両1のシフトポジションを検出する。シフトポジションセンサ120により検出された車両のシフトポジション情報は、制御装置140に送信される。
【0013】
車両走行履歴データベース130には、車両1の走行履歴に関するデータである車両走行履歴情報が格納されている。本実施形態においては、制御装置140によって、GPSユニット110、シフトポジションセンサ120のそれぞれから取得された車両の位置、シフトポジションに関する情報が車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース130に記録される。また、車両走行履歴データベース130に格納された車両走行履歴情報は、制御装置140によって随時読み出されて利用される。
なお、車両走行履歴データベース130は、駐車場情報収集装置100の内部もしくは外部に備えられている図示しないRAMやROM等の記憶領域に記憶されるデータベースである。
【0014】
制御装置140は、本実施形態に係る駐車場情報収集処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)141と、このROM141に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)142と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)143とから構成される。なお、動作回路としては、CPU142に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0015】
車載機通信装置150は、車両外部に設置されたデータセンタ2のサーバ装置300と通信し、サーバ装置300と情報の授受を行う。
また、図3は、駐車場情報収集装置100の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2の制御装置140がROM141に格納されたプログラムをCPU142により実行することにより、図3に示す各構成における処理が実現される。
【0016】
以下、図3に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図2に示す構成を用いながら説明する。
図3に示されるように、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100は、処理開始判定部101、駐車完了判定部102、車両走行履歴情報取得部103、駐車完了時間算出部104、および駐車場情報送信部105を有する。
処理開始判定部101は、駐車場情報の収集処理を開始するかどうかを判定する。具体的には、前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されており、かつ、前回処理時の車両1の車両位置と現在の車両位置との間にあらかじめ設定された距離以上(例えば10m以上)の差異が無い場合は、駐車場情報収集処理を開始しないと判定し、それ以外の場合は、駐車場情報収集処理を開始すると判定する。
【0017】
なお、「前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されている」ことを判断するには、例えば駐車完了フラグを設け、駐車完了判定部102において駐車完了と判定した場合にはこの駐車完了フラグを“1”とし、処理開始判定部101において処理を開始すると判断した場合には、この駐車完了フラグを“0”とするようになっていればよい。
【0018】
このような仕組みにより、車両1の駐車が完了した際に一度だけ駐車場情報を生成して、データセンタ2のサーバ装置300に送信することができる。また、駐車場情報収集装置100においても無駄な処理を行うことがなく、処理量を抑えることができる。
駐車完了判定部102は、車両1の駐車が完了したかどうかを判定する。具体的には、シフトポジションセンサ120によって取得されるシフトポジション情報に基づいて判定を行う。例えば、シフトポジションが駐車シフトになっている場合に、駐車が完了したと判定することができる。
【0019】
なお、処理開始判定部101によって駐車場情報の収集処理を開始すると判定された後、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断されるまでは、後述する車両走行履歴情報取得部103にて車両走行履歴情報の収集処理が繰り返し実行される。また、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断された場合には、後述する駐車完了時間算出部104において駐車完了時間の算出処理が実行される。
【0020】
車両走行履歴情報取得部103は、車両1の位置情報と、走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得する。本実施形態においては、車両1の位置情報はGPSユニット110で取得される。取得された車両1の位置情報、走行時間情報は、車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース130に記録されて保持される。
また、本実施形態においては、車両走行履歴情報取得部103は、車両走行履歴情報として車両1のシフトポジションをさらに取得する。なお、シフトポジションは、シフトポジションセンサ120から取得され、位置情報および走行時間情報とともに車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース130に記録される。
【0021】
なお、車両走行履歴情報の取得処理は、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断されるまで繰り返し実行される。
駐車完了時間算出部104は、駐車完了判定部102によって車両1の駐車が完了したと判断された場合に、車両走行履歴データベース130より取得した駐車完了前の車両走行履歴情報に基づいて、駐車完了までに要した時間である駐車完了時間を算出する。
【0022】
具体的には、駐車完了時間算出部104は、以下のようにして駐車完了時間を算出する。すなわち、駐車完了時間算出部104は、車両走行履歴情報の車両1の位置情報を駐車完了判定時から過去へ遡って辿っていく。そして、例えば、車両1が駐車完了時の駐車位置からあらかじめ設定された距離(例えば100m)離れた場所に位置していた時の時間を駐車開始時刻とし、駐車完了判定時の時間を駐車終了時刻とする。そして、駐車開始時刻から駐車終了時刻までの時間を駐車完了時間として算出する。
【0023】
また、駐車完了時間算出部104は、位置情報が示す車両1の位置が駐車場内となった時点を駐車開始時点として駐車完了時間を算出するようになっていてもよい。具体的には、例えば、車両走行履歴データベース130に蓄積されている車両走行履歴情報に含まれる車両1の位置情報を駐車完了判定時から過去へ遡っていく。そして、車両1の位置情報と、車両1に備えられた地図情報データベース(図示しない)とを照合しながら、車両1の位置が「道路外」(すなわち駐車場敷地内)の判定から「道路上」の判定に変わる時刻を駐車開始時点であると判断する。
【0024】
駐車場情報送信部105は、車両1が駐車場に駐車したと判断された場合には、車両1を識別する車両ID、駐車時刻(もしくは現在時刻)、駐車場位置情報、および駐車完了時間算出部104が算出した駐車完了時間を関連づけてサーバ装置300に送信する。
また、駐車場情報等の送信は、具体的には、車載機通信装置150を介してサーバ装置300に送信される。この時、車両ID、駐車完了時間、駐車場位置情報、および駐車時刻(もしくは現在時刻)の各情報は共通の識別子を付与する等によって関連付けられていればよく、必ずしも同時にサーバ装置300に送信されなくともよい。
【0025】
(駐車場情報収集装置100の処理フロー)
以下、図4に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100における処理について説明する。なお、駐車場情報収集装置100の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、処理開始判定部101は、駐車場情報収集処理を開始するかどうかを判定する(ステップS101)。具体的には、前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されており、かつ、前回処理時の車両1の車両位置と現在の車両位置との間にあらかじめ設定された距離以上(例えば10m以上)の差異が無い場合は、駐車場情報収集処理を開始しないと判定し(ステップS101=No)、処理を終了する(END)。それ以外の場合は、駐車場情報収集処理を開始すると判定し(ステップS101=Yes)、ステップS102の処理へ進む。
【0026】
ステップS102では、駐車完了判定部102は、車両1の駐車が完了したかを判定する。具体的には、シフトポジションセンサ120が取得するシフトポジション情報が駐車シフトになっている場合には、駐車が完了したと判定し(ステップS102=YES)、ステップS104の処理へ進む。それ以外は、駐車が完了していないと判定し(ステップS102=NO)、車両走行履歴情報取得部103が、車両1の位置情報と、走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得して車両走行履歴データベース130に記録して(ステップS103)、終了する(END)。
【0027】
一方、ステップS104では、駐車完了時間算出部104が、車両走行履歴データベース130から取得した駐車完了前の車両走行履歴情報に基づいて、駐車完了時間を算出する。具体的には、駐車完了時間算出部104は、駐車開始時刻から駐車終了時刻までの駐車完了時間を算出する。例えば、車両1が駐車完了時の駐車位置からあらかじめ設定された距離(例えば100m)離れた場所に位置していた時の時間を駐車開始時刻とし、駐車完了判定時の時間を駐車終了時刻とする。そして、駐車開始時刻から駐車終了時刻までの差分を駐車完了時間として算出する。
最後に、駐車場情報送信部105は、車両ID、駐車時刻(もしくは現在時刻)、GPSユニット110より得られる駐車場位置情報、およびステップS104で駐車完了時間算出部104が算出した駐車完了時間を、車載機通信装置150を介してサーバ装置300に送信する(ステップS105)。
【0028】
(駐車場関連情報提示装置200の構成)
図5は、駐車場関連情報提示装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示されるように、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200は、駐車場検索条件取得装置210、制御装置220、車載機通信装置230、駐車場関連情報表示装置240を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
【0029】
駐車場検索条件取得装置210は、ドライバの入力またはシステムの自動入力を受け付けることによって、入力されたドライバ(車両1)の出発予定時刻、出発位置、駐車予定時刻、駐車予定位置、情報提示種別、等の駐車場情報の検索条件を取得する。ここで、情報提示種別とは、駐車場関連情報提示装置200において提示される情報(駐車場関連情報)の種類を示す。本実施形態においては、情報提示種別として、駐車完了予定時刻提示モード、推奨到着時刻提示モード、推奨代替駐車場提示モードの3種類がある。
【0030】
「駐車完了予定時刻提示モード」は、ドライバの指定した出発予定時刻、出発位置、および駐車予定位置から、駐車が完了する予定時刻である駐車完了予定時刻を提示するモードである。「推奨到着時刻提示モード」は、駐車予定時刻および駐車予定位置から、あらかじめ定められた時間以内(例えば10分以内)に駐車完了が出来ない場合には、あらかじめ定められた時間以内に駐車を完了させるために推奨される出発時刻と到着時刻(推奨出発時刻、推奨到着時刻)を提示するモードである。「推奨代替駐車場提示モード」は、駐車予定時刻および駐車予定位置からあらかじめ定められた時間以内に駐車完了出来ない場合には、代替駐車場を提示するモードである。
【0031】
そして、これらの検索条件の入力は、例えば、車両1に備えられている駐車場関連情報提示装置200のタッチパネル等の入力インタフェースを介して行われるが、この場合、タッチパネルが駐車場検索条件取得装置210に該当する。なお、駐車場検索条件取得装置210において取得された検索条件は、一旦、RAM223に書き込まれた後、車載機通信装置230を介してサーバ装置300に送信される。
【0032】
制御装置220は、本実施形態に係る駐車場関連情報提示処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)221と、このROM221に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)222と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)223とから構成される。なお、動作回路としては、CPU222に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0033】
車載機通信装置230は、車両外部に設置されたデータセンタ2のサーバ装置300と通信し、サーバ装置300と情報の授受を行う。
駐車場関連情報表示装置240は、駐車場検索条件取得装置210において取得された検索条件に対する返信である駐車場関連情報がサーバ装置300から送信されてくるが、この駐車場関連情報を表示する。例えば、駐車場関連情報提示装置200のディスプレイ等が駐車場関連情報表示装置240に該当する。
【0034】
また、図6は、駐車場関連情報提示装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。図5の制御装置220がROM221に格納されたプログラムをCPU222により実行することにより、図6に示す各構成における処理が実現される。
以下、図6に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図5に示す構成を用いながら説明する。
【0035】
図6に示されるように、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200は、検索条件送信部201、駐車場関連情報取得部202、駐車場関連情報表示部203、および推奨出発時刻算出部204を有する。
検索条件送信部201は、駐車場検索条件取得装置210が取得した駐車場情報に関する検索条件を、車載機通信装置230を介してサーバ装置300に送信する。検索条件は、本実施形態においては、出発予定時刻、出発位置、駐車予定時刻、駐車予定位置、および情報提示種別である。
【0036】
駐車場関連情報取得部202は、サーバ装置300から返信される駐車場関連情報を、車載機通信装置230を介して受信する。駐車場関連情報とは、駐車場に関連する情報である。また、駐車場関連情報取得部202がサーバ装置300から取得する駐車場関連情報は、ドライバが駐車場検索条件取得装置210で入力し、検索条件として設定された情報提示種別によって異なる。情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は駐車場関連情報として、駐車完了時刻を受信する。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は駐車場関連情報として、推奨到着時刻を受信する。また、情報提示種別が「推奨代替駐車場提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は駐車場関連情報として、推奨代替駐車場を受信する。これらの各情報については、後に詳述する。
【0037】
推奨出発時刻算出部204は、ドライバが駐車場検索条件取得装置210で入力した情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合に、ドライバが駐車場検索条件取得装置210で入力した駐車予定位置と、駐車場関連情報取得部202がサーバ装置300から取得した推奨到着時刻とを用いて、推奨出発時刻を算出する。推奨出発時刻は、駐車予定位置においてあらかじめ定められた時間内に駐車を完了するために、ドライバに対して推奨される出発時刻である。具体的には、推奨出発時刻算出部204は、例えば以下のようにして推奨到着時刻を算出する。
【0038】
すなわち、まず、推奨出発時刻算出部204は、例えばGPSユニット110から車両1の現在位置を取得する。そして、現在位置から駐車予定位置までの距離を算出する。また、例えば車両1に備えられている車速センサ(図示しない)から通常走行時の車速を車両走行履歴データベース130等に記録しておく。この通常走行時の車速から平均車速を算出し、駐車予定位置までの距離を平均車速で除算することで、現在位置から駐車予定位置までの所要時間が算出できる。そして、サーバ装置300から取得した推奨到着時刻から、推奨出発時刻算出部204が算出した所要時間を遡った時刻を推奨出発時刻とする。
【0039】
また、近年においては、車両1にナビゲーションシステムが備えられていることも多く、道路の渋滞情報や空いている道路の情報等も取得可能である。よって、これらの情報を利用して、より正確な推奨出発時刻を算出するようになっていてもよい。さらに、走行する道路ごとに推奨出発時刻を算出する等となっていてもよい。
【0040】
駐車場関連情報表示部203は、駐車場関連情報取得部202で受信された駐車場関連情報を駐車場関連情報表示装置240によって表示する。駐車場関連情報表示部203が表示する情報は、情報提示種別によって異なる。情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」であった場合には、駐車場関連情報表示部203は駐車場関連情報取得部202が受信した駐車完了時刻を表示する。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合には、推奨出発時刻算出部204が算出した推奨出発時刻を表示する。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合には、ステップS204で駐車場関連情報取得部202が受信した推奨代替駐車場を表示する。
【0041】
(駐車場関連情報提示装置200の処理フロー)
以下、図7に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200における処理について説明する。なお、駐車場関連情報提示装置200の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、駐車場情報の検索要求が行われたか判断する(ステップS201)。検索要求が行われた場合には(ステップS201=YES)、ステップS202の処理に進む。具体的には、駐車場検索条件取得装置210が駐車場情報の検索条件(出発予定時刻、出発位置、駐車予定時刻、駐車予定位置、情報提示種別)を取得した場合(すなわち、ドライバが検索条件を入力した場合)には、ステップS202へ進む。駐車場情報の検索要求が行われなかった場合(例えば、検索条件が取得されなかった場合)には、処理を終了する(END)。
【0042】
ステップS202では、検索条件送信部201が、ステップS201で駐車場検索条件取得装置210が取得した検索条件を、車載機通信装置230を介してサーバ装置300へと送信する。そして、これに対する返信として、駐車場関連情報取得部202が、車載機通信装置230を介してサーバ装置300から駐車場関連情報を受信する(ステップS203)。
【0043】
なお、本ステップにおいて、駐車場関連情報取得部202がサーバ装置300から受信する駐車場関連情報は、ドライバが駐車場検索条件取得装置210で入力した情報提示種別によって異なる。情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は駐車完了予定時刻を受信する。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は推奨到着時刻を受信する。また、情報提示種別が「推奨代替駐車場提示モード」であった場合には、駐車場関連情報取得部202は推奨代替駐車場を受信する。
【0044】
そして、情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」である場合には(ステップS204=YES)、推奨出発時刻算出部204は、ステップS201で駐車場検索条件取得装置210が取得した(ドライバが入力した)駐車予定位置と、ステップS203で受信された推奨到着時刻とを元に、推奨出発時刻を算出する(ステップS205)。
最後に、駐車場関連情報表示部203は、情報提示種別に応じて、ステップS203でサーバ装置300から得られた駐車完了予定時刻もしくは推奨代替駐車場、または、ステップS205で算出された推奨出発時刻を駐車場関連情報として表示する(ステップS206)。
【0045】
(サーバ装置300の構成)
図8は、サーバ装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図8に示されるように、本実施形態に係るサーバ装置300は、駐車場情報データベース310、駐車場区画データベース320、制御装置330、データセンタ通信装置340を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
【0046】
駐車場情報データベース310は、車両1やその他の図示しない車両から駐車完了時に送信される駐車場情報が格納される。なお、これらの駐車場情報はデータセンタ通信装置340を介して受信されるものである。具体的には、駐車場情報データベース310には、駐車場情報として、車両ID、駐車時刻(もしくは現在時刻)、駐車ID検索部302で検索される駐車場ID、駐車完了時間等が記録される。また、格納された駐車場情報は、制御装置330によって必要に応じて読み出される。
【0047】
駐車場区画データベース320には、駐車場IDに対応する駐車場の区画を表す位置座標が格納されている。
なお、駐車場情報データベース310および駐車場区画データベース320は、サーバ装置300の内部もしくは外部に備えられている図示しないRAMやROM等の記憶領域に記憶されるデータベースである。
【0048】
制御装置330は、本実施形態に係る駐車場情報検索処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)331と、このROM331に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)332と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)333とから構成される。なお、動作回路としては、CPU332に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0049】
データセンタ通信装置340は、車両1やその他の図示しない車両から送信される駐車場情報を受信する。また、車両1から送信される情報提示種別に応じて、ドライバが所望する駐車場に関連する情報である駐車場関連情報を車両1へ返信する。
また、図9は、サーバ装置300の構成の一例を示す機能ブロック図である。図8の制御装置330がROM331に格納されたプログラムをCPU332により実行することにより、図9に示す各構成における処理が実現される。
【0050】
以下、図9に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図8に示す構成を用いながら説明する。
図9に示されるように、本実施形態に係るサーバ装置300は、車載機情報受信判定部301、駐車場ID検索部302、駐車場情報記録部303、駐車場情報検索部304、平均駐車完了時間算出部305、駐車完了予定時刻推定部306、推奨到着時刻算出部307、周辺駐車場検索部308、推奨代替駐車場検索部309、および駐車場関連情報出力部311を有する。
【0051】
車載機情報受信判定部301は、駐車場情報収集装置100の駐車場情報送信部105から送信される駐車場情報、もしくは駐車場関連情報提示装置200の検索条件送信部201から送信される駐車場情報の検索条件を受信する。また、車両1は、駐車場情報もしくは検索条件をサーバ装置300に送信する前に、これから送信するデータがいずれのデータであるのかを示す情報をあらかじめサーバ装置300に送信するが、車載機情報受信判定部301は、この情報を受信し、その内容に基づいて、その後に送信されてくるデータが駐車場情報であるのか、もしくは駐車場情報の検索条件(駐車場関連情報の取得リクエスト情報)であるのかを判定する。
【0052】
また、駐車場情報収集装置100から送信される駐車場情報、もしくは駐車場関連情報提示装置200から送信される検索条件のヘッダ部分等に、そのデータが駐車場情報であるか検索条件であるかを表す情報が格納されるようになっていてもよい。そして、車載機情報受信判定部301は、受信したデータのヘッダ部分等を解析することによって、送信されてきたデータが駐車場情報であるのか、もしくは検索条件であるのかを判定するようになっていてもよい。
【0053】
この車載機情報受信判定部301での判定によって、受信したデータに対してどのような処理を行うかが決定される。送信された情報が駐車場情報である場合には、後述する駐車場情報記録部303において駐車場情報の記録が実行される。一方、送信された情報が駐車場情報の検索条件である場合には、後述する駐車場情報検索部304において駐車場情報の検索が実行される。
駐車場ID検索部302は、後述する駐車場情報記録部303において駐車場情報を記録する際、もしくは駐車場情報検索部304において駐車場情報を検索する際に、緯度・経度等で表されている位置情報に対応する駐車場IDを、駐車場区画データベース320を検索して取得する。
【0054】
ただし、駐車場情報に含まれる駐車場位置情報や、検索条件に含まれる駐車予定位置については、あらかじめ駐車場情報収集装置100や駐車場関連情報提示装置200においてこれらを駐車場IDに変換してからサーバ装置300に出力するようになっていてもよい。この場合、駐車場ID検索部302における処理は省略される。これにより、サーバ装置300での処理負荷が軽減される。
駐車場情報記録部303は、車両1から送信された駐車場情報を駐車場情報データベース310に記録する。駐車場情報としては、車両ID、駐車時刻、駐車完了時間、駐車場位置情報、および駐車場位置情報から駐車場ID検索部302が検索した駐車場ID等の情報が含まれる。
【0055】
駐車場情報検索部304は、駐車場情報データベース310に蓄積されている駐車場情報を検索する機能を有する。具体的には、車載機情報受信判定部301が受信した検索条件に合致する駐車場情報を、駐車場情報データベース310を検索して抽出する。さらに、例えば、任意の検索条件に合致する駐車場情報を駐車場情報データベース310から抽出する。駐車場情報検索部304での検索の際は、駐車場情報収集装置100が送信する検索条件に含まれる駐車予定位置を元に駐車場ID検索部302が出力した駐車場ID、駐車予定時刻等が検索条件として指定される。
【0056】
例えば、“駐車場ID=10101、駐車予定時刻=13時00分”、といった検索条件が与えられたとする。この場合、駐車場情報検索部304は、駐車場情報データベース310から、駐車場IDおよび駐車予定時刻が同一であり、かつ、検索条件の駐車予定時刻との差分があらかじめ設定された時間以内(例えば30分以内である12時30分〜13時30分)である駐車時刻の駐車場情報を抽出する。
【0057】
平均駐車完了時間算出部305は、駐車場情報検索部304において抽出された駐車場情報に含まれる駐車完了時間の平均値を算出する。具体的には、駐車場情報検索部304が抽出した駐車場情報の駐車完了時間を、抽出された駐車場情報の数で除算することで各駐車場における駐車完了時間の平均値を算出する。
駐車完了予定時刻推定部306は、車載機情報受信判定部301が受信した情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」である場合には、車載機情報受信判定部301が受信した検索条件に含まれる駐車予定時刻と、平均駐車完了時間算出部305が算出した平均駐車完了時間とを加算した時刻を、駐車完了予定時刻として推定する。
【0058】
推奨到着時刻算出部307は、車載機情報受信判定部301が受信した情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」である場合には、駐車予定位置の駐車場にあらかじめ定められた時間以内で駐車を完了させるために、駐車予定位置に到着するべき時刻として推奨される推奨到着時刻を算出する。すなわち、ドライバは推奨到着時刻にその駐車場に到着するようにすれば、あらかじめ定められた時間以内で駐車を完了させることができると推測されるということである。
【0059】
推奨到着時刻の算出は、具体的には、以下のようにして行う。例えば、駐車場情報検索部304に対して、到着予定時刻(すなわち駐車予定時刻)をあらかじめ定められた時間単位(例えば30分単位)で遅い時間にずらしながら、順次、検索条件として入力していく。その結果、平均駐車完了時間算出部305で算出される平均駐車完了時間が、あらかじめ定められた時間以内(例えば10分以内)となったときの到着予定時刻を推奨到着時刻として出力する。
【0060】
また、推奨到着時刻算出部307は、平均駐車完了時間算出部305が算出した平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合に、推奨到着時刻を算出するようになっていてもよい。これにより、ドライバは時間をかけずに駐車することが可能な到着時刻を知ることが可能となる。
周辺駐車場検索部308は、特定の駐車場IDの駐車場と、この駐車場とあらかじめ定められた距離内にある駐車場である周辺駐車場とを、駐車場情報データベース310から抽出する。また、特定のIDの駐車場の位置と、周辺駐車場の位置との間の距離を算出する。
【0061】
推奨代替駐車場検索部309は、車載機情報受信判定部301が受信した情報提示種別が「推奨代替駐車場提示モード」である場合には、あらかじめ定められた時間内で駐車が完了することが可能な駐車場である推奨代替駐車場を検索する。
推奨代替駐車場の検索は、具体的には、以下のようにして行う。例えば、まず、推奨代替駐車場検索部309は、周辺駐車場検索部308に、駐車場関連情報提示装置200が送信した検索条件に含まれている駐車予定位置に対応する駐車場IDを入力する。そして、この駐車場IDに合致する駐車場と所定距離以内(例えば半径100m以内)にある周辺駐車場を検索する。そして、抽出された周辺駐車場の駐車場IDを、駐車予定位置から距離が近い順に、駐車場情報検索部304に検索条件として入力していく。また、この検索結果に対して平均駐車完了時間算出部305は平均駐車完了時間を算出していく。これを繰り返し、推奨代替駐車場検索部309は、算出された平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以内となったときの駐車場を推奨代替駐車場として出力する。
【0062】
また、推奨代替駐車場検索部309は、平均駐車完了時間算出部305が算出した平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合に、推奨代替駐車場を検索するようになっていてもよい。これにより、ドライバは駐車予定位置に近く、時間をかけずに駐車することが可能な駐車場を知ることが可能となる。
駐車場関連情報出力部311は、車載機情報受信判定部301で受信された検索条件に含まれる情報提示種別によって、異なる情報を出力する。情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」であった場合には、駐車完了予定時刻推定部306が推定した駐車完了予定時刻を出力する。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」であった場合には、推奨到着時刻算出部307が算出した推奨到着時刻を出力する。また、情報提示種別が「推奨代替駐車場提示モード」であった場合には、推奨代替駐車場検索部309が抽出した推奨代替駐車場を出力する。
なお、これらの情報はデータセンタ通信装置340を介して出力する。
【0063】
(サーバ装置300の処理フロー)
以下、図10に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るサーバ装置300における処理について説明する。なお、係るサーバ装置300の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、ステップS301では、車載機情報受信判定部301は、車両1から送信された情報に基づいて、その後に、駐車場情報が送信されてくるのか、駐車場情報の検索のための検索条件が送信されてくるのかを判定する。駐車場情報が送信されてくると判定した場合にはステップS302の処理へと進み(ステップS301=NO)、駐車場情報の検索条件が送信されてくると判定した場合にはステップS303の処理へと進む(ステップS301=YES)。また、この判定の後に、車載機情報受信判定部301は、駐車場情報または検索条件を受信する処理を行う。
【0064】
駐車場情報を受信した場合、ステップS302では、駐車場情報記録部303が、車両1から送信された駐車場情報を駐車場情報データベース310に記録する。
一方、検索条件を受信した場合、駐車場情報検索部304は、駐車場情報データベース310に蓄積されている駐車場情報を検索する(ステップS303)。そして、平均駐車完了時間算出部305は、ステップS303において抽出された駐車場情報に含まれる駐車完了時間の平均値を算出する(ステップS304)。
この後、ステップS301で受信した検索条件に含まれる情報提示種別で指定されているモードの判定が行われる。この判定されるモードに応じて、以降、処理が分岐する。
【0065】
まず、情報提示種別が「駐車完了予定時刻提示モード」である場合には(ステップS305=YES)、駐車完了予定時刻推定部306が駐車完了予定時刻を算出する(ステップS306)。情報提示種別が「推奨到着時刻提示モード」である場合には(ステップS307=YES)、推奨到着時刻算出部307が推奨到着時刻を算出する(ステップS308)。情報提示種別が「推奨代替駐車場提示モード」である場合には(ステップS307=NO)、推奨代替駐車場検索部309が推奨代替駐車場を検索して出力する(ステップS309)。
最後に、駐車場関連情報出力部311は、データセンタ通信装置340を介して、ステップS306、S308、S309のいずれかで処理された情報を、駐車場関連情報として車両1へ送信する(ステップS305)。
【0066】
(作用)
上記説明した駐車場関連情報提供システムは、車両(1a、1b)に搭載される駐車場情報収集装置(100)は、車両走行時には現在位置と走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得しておく。そして、車両が駐車した場合には、この車両走行履歴情報に基づいて、駐車した駐車場における駐車完了時間を算出し、駐車場識別情報とともにデータセンタ(2)のサーバ装置(300)へ送信する。また、サーバ装置では、駐車場識別情報と駐車完了時間とを受信して記録しておく。そして、車両に備えられている装置(200)から駐車場関連情報の検索条件を受信した場合には、この検索条件に合致する駐車場関連情報を検索して出力する。
これにより、短時間で駐車を完了することが可能な駐車場を探索したいドライバに対して有益な情報提供を行うことができる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、駐車場情報収集装置100と駐車場関連情報提示装置200は別々の装置として説明したが、一体となっていてもよい。
【0067】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)サーバ装置300は、駐車場を識別する駐車場識別情報と、駐車場において駐車が完了するまでの時間を示す駐車完了時間とを含む駐車場情報を受信し、受信した駐車場情報を記録する。また、記録しておいた駐車完了時間から駐車場における平均駐車完了時間を算出する。そして、駐車予定位置及び駐車予定時刻を含む要求信号を駐車場関連情報提示装置200から受信すると、算出した平均駐車完了時間から、駐車予定位置における駐車完了予定時刻を推定する。推定した駐車完了予定時刻を、駐車場に関連する情報である駐車場関連情報として、要求信号の送信元である駐車場関連情報提示装置200に出力する。
これにより、短時間で駐車を完了することが可能な駐車場を探索したいドライバに対して有益な情報提供を行うことができる。
【0068】
(2)サーバ装置300は、駐車予定位置においてあらかじめ定められた時間以内で駐車を完了させるために駐車予定位置に到着すべき時刻である推奨到着時刻を算出し、算出した推奨到着時刻を駐車場関連情報として出力する。
これにより、短時間で駐車を完了するために駐車場を利用すべき時刻についての情報をドライバに提供することができる。
(3)サーバ装置300は、算出した平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合には、推奨到着時刻を算出する。
これにより、ドライバが駐車予定としている時刻では駐車場が混雑していると判断される場合には、短時間で駐車を完了するために駐車場を利用すべき時刻についての情報をドライバに提供することができる。
【0069】
(4)サーバ装置300は、あらかじめ定められた時間内で駐車が完了することが可能な駐車場である推奨代替駐車場を、駐車場情報データベース310を検索して抽出し、この推奨代替駐車場を駐車場関連情報として出力する。
これにより、駐車予定位置の近隣にあって、短時間で駐車を完了することが可能な他の駐車場についての情報をドライバに提供することができる。
(5)サーバ装置300は、算出した平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合には、推奨代替駐車場を抽出する。
これにより、ドライバが駐車予定としている時刻では駐車場が混雑していると判断される場合には、駐車予定位置の近隣にあって、短時間で駐車を完了することが可能な他の駐車場についての情報をドライバに提供することができる。
【0070】
(6)要求信号は、駐車場関連情報の種類を指定する情報提示種別を含み、サーバ装置300は、情報提示種別に応じた駐車場関連情報を出力する。
これにより、ドライバの要求に応じた駐車場関連情報を提供することができる。
(7)駐車場情報収集装置100は、車両の位置情報と、走行時間情報と、を含む車両走行履歴情報を取得し、この車両走行履歴情報に基づいて、駐車場において駐車が完了するまでの時間を示す駐車完了時間を算出する。また、車両が駐車場に駐車したと判断された場合には、駐車場を識別する駐車場識別情報と、その駐車場の駐車完了時間とを関連づけてサーバ装置300に送信する。
これにより、短時間で駐車を完了することが可能な駐車場を探索したいドライバに対して有益な情報提供を行うことができる。
【0071】
(8)駐車場情報収集装置100は、位置情報が示す車両の位置が駐車場からあらかじめ定められた距離以内となった時点を駐車開始時点として、この駐車開始時点から駐車完了時点までの時間を駐車完了時間として算出する。
これにより、駐車場周辺に到着してから駐車完了まで時間を把握して駐車完了時間を算出することができる。実際に車両を駐車場に駐車する場合には、駐車場への到達のしやすさなどの周辺の状況も含めて駐車完了時間を把握したい場合がある。このような場合に、より正確に駐車完了時間を算出することができる。
【0072】
(9)駐車場情報収集装置100は、位置情報が示す車両の位置が駐車場内となった時点を駐車開始時点として、この駐車開始時点から駐車完了時点までの時間を駐車完了時間として算出する。
これにより、駐車場情報収集装置100は、駐車場内に入ってからの駐車完了までにかかった時間をより正確に算出して駐車完了時間を算出することができる。
【0073】
(10)駐車場関連情報提示装置200は、車両の駐車予定位置を含む駐車場情報の検索条件を取得し、検索条件をサーバ装置300に送信する。また、送信した検索条件に対する返信である駐車場関連情報をサーバ装置300から受信し、受信した駐車場関連情報を表示する。
これにより、短時間で駐車を完了することが可能な駐車場を探索したいドライバに対して有益な情報提供を行うことができる。
(11)検索条件は、駐車場関連情報の種類を指定する情報提示種別を含み、駐車場関連情報提示装置200は、情報提示種別に応じた駐車場関連情報を受信する。
これにより、短時間で駐車を完了することが可能な駐車場を探索したいドライバに対して、ドライバが所望する情報提供を行うことができる。
【符号の説明】
【0074】
1a、1b 車両
2 データセンタ
100 駐車場情報収集装置
101 処理開始判定部
102 駐車完了判定部
103 車両走行履歴情報取得部
104 駐車完了時間算出部
105 駐車場情報送信部
110 GPSユニット
120 シフトポジションセンサ
130 車両走行履歴データベース
140 制御装置
141 ROM
142 CPU
143 RAM
150 車載機通信装置
200 駐車場関連情報提示装置
201 検索条件送信部
202 駐車場関連情報取得部
203 駐車場関連情報表示部
204 推奨出発時刻算出部
210 駐車場検索条件取得装置
220 制御装置
221 ROM
222 CPU
223 RAM
230 車載機通信装置
240 駐車場関連情報表示装置
300 サーバ装置
301 車載機情報受信判定部
302 検索部
303 駐車場情報記録部
304 駐車場情報検索部
305 平均駐車完了時間算出部
306 駐車完了予定時刻推定部
307 推奨到着時刻算出部
308 周辺駐車場検索部
309 推奨代替駐車場検索部
310 駐車場情報データベース
311 駐車場関連情報出力部
320 駐車場区画データベース
330 制御装置
331 ROM
332 CPU
333 RAM
340 データセンタ通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を識別する駐車場識別情報と、前記駐車場において駐車が完了するまでの時間を示す駐車完了時間と、を含む駐車場情報を受信する駐車場情報受信部と、
受信した前記駐車場情報を記録する駐車場情報記録部と、
前記駐車完了時間から前記駐車場における平均駐車完了時間を算出する平均駐車完了時間算出部と、
駐車予定位置及び駐車予定時刻を含む要求信号を受信すると、前記平均駐車完了時間から、前記駐車予定位置における駐車完了予定時刻を推定する駐車完了予定時刻推定部と、
推定した前記駐車完了予定時刻を、駐車場に関連する情報である駐車場関連情報として、前記要求信号の送信元に出力する駐車場関連情報出力部と、
を有する駐車場情報サーバ装置。
【請求項2】
前記駐車予定位置においてあらかじめ定められた時間以内で駐車を完了させるために前記駐車予定位置に到着すべき時刻である推奨到着時刻を算出する推奨到着時刻算出部をさらに有し、
前記駐車場関連情報出力部は、前記推奨到着時刻を前記駐車場関連情報として出力することを特徴とする請求項1に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項3】
前記推奨到着時刻算出部は、前記平均駐車完了時間算出部が算出した前記平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合には、前記推奨到着時刻を算出することを特徴とする請求項2に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項4】
あらかじめ定められた時間内で駐車が完了することが可能な駐車場である推奨代替駐車場を、前記駐車場情報記録部を検索して抽出する推奨代替駐車場検索部をさらに有し、
前記駐車場関連情報出力部は、前記推奨代替駐車場を前記駐車場関連情報として出力することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項5】
前記推奨代替駐車場検索部は、前記平均駐車完了時間算出部が算出した前記平均駐車完了時間があらかじめ定められた時間以上である場合には、前記推奨代替駐車場を抽出することを特徴とする請求項4に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項6】
前記要求信号は、前記駐車場関連情報の種類を指定する情報提示種別を含み、
前記駐車場関連情報出力部は、前記情報提示種別に応じた前記駐車場関連情報を出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項7】
車両に搭載されて、請求項1から6のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置と通信する駐車場情報収集装置であって、
前記車両の位置情報と、走行時間情報と、を含む車両走行履歴情報を取得する車両走行履歴情報取得部と、
前記車両走行履歴情報に基づいて、駐車場において駐車が完了するまでの時間を示す駐車完了時間を算出する駐車完了時間算出部と、
前記車両が駐車場に駐車したと判断された場合には、前記駐車場を識別する駐車場識別情報と、前記駐車場の前記駐車完了時間と、を関連づけて前記駐車場情報サーバ装置に送信する駐車場情報送信部と、
を有することを特徴とする駐車場情報収集装置。
【請求項8】
前記駐車完了時間算出部は、前記位置情報が示す前記車両の位置が前記駐車場からあらかじめ定められた距離以内となった時点を駐車開始時点として、この駐車開始時点から駐車完了時点までの時間を前記駐車完了時間として算出することを特徴とする請求項7に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項9】
前記駐車完了時間算出部は、前記位置情報が示す前記車両の位置が前記駐車場内となった時点を駐車開始時点として、この駐車開始時点から駐車完了時点までの時間を前記駐車完了時間として算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項10】
車両に搭載されて、請求項1から6のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置と通信する駐車場関連情報提示装置であって、
前記車両の駐車予定位置を含む駐車場情報の検索条件を取得し、前記検索条件を前記駐車場情報サーバ装置に送信する検索条件送信部と、
前記検索条件に対する返信である駐車場関連情報を前記駐車場情報サーバ装置から受信する駐車場関連情報取得部と、
受信された前記駐車場関連情報を表示する駐車場関連情報表示部と、
を有することを特徴とする駐車場関連情報提示装置。
【請求項11】
前記検索条件は、前記駐車場関連情報の種類を指定する情報提示種別を含み、
前記駐車場関連情報取得部は、前記情報提示種別に応じた前記駐車場関連情報を受信することを特徴とする請求項10に記載の駐車場関連情報提示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−8158(P2013−8158A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139744(P2011−139744)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】