駐輪用ブロック
【課題】歩道面の有効利用スペースを比較的広くすることができるとともに、自転車の前輪のスポークの損傷を防止できる駐輪用ブロックを提供する。
【解決手段】自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックにおいて、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成する。前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成する。
【解決手段】自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックにおいて、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成する。前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばセメントコンクリートによってブロック状に構成され、駐輪区域の地面に設置されて自転車を起立状態に保持する駐輪用ブロックに関する。
【0002】
駅前や学校、住居、商業地域等に設置される駐輪場では、強風等により自転車が倒れてしまわないように、前方車輪を差し込む二股状の支持金具を地面に設置し、自転車を起立状態に支持している。
しかしながら、この支持金具は駐輪区域のコンクリートの地面等にアンカーボルト等で固着されるものであるため、簡単に設置することができず、比較的コスト高なものである。
【0003】
どこにでも簡単に設置することができ、特有の形態と自重によって安定した自立性を有するものとして、前後両側に傾斜面を有した側面ほぼ台形状の外郭体の内部にスラリーコンクリートを充填固化させることによってブロック本体を構成し、自転車の前輪が差し込まれる受溝を、前記ブロック本体に前後方向に延び且つその受溝の前後両端部が前記傾斜面にて開口するように設けた駐輪用ブロックが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この駐輪用ブロックでは、前記ブロック本体は中央部が最も高くなるように側面視台形状に形成されており、前記受溝の前方端部が形成された前記ブロック本体の前方端部分は、縦断面が略三角形状になっている。そのため、この駐輪用ブロックの前方端縁を歩道と車道の境界線に合わせて駐輪用ブロックを歩道面に設置したとき、当該駐輪ブロックの左右各側に並べて設置される本来の歩車道境界ブロックとの間で、形状的な断絶を生じることになる。
【0005】
したがって、この駐輪用ブロックを歩車道境界ブルックの代替物として利用することはできない。また、この駐輪用ブロックを歩道に設置するときには、本来の歩車道境界ブロックより後退させた位置に置かなければならないため、その分だけ歩道の有効利用スペースが減少することになる。
【0006】
この駐輪用ブロックでは、自転車の前輪を差し込むための前記受溝は、前記ブロック本体の最も高い中央部を横方向に貫通して形成されているため、前記受溝に自転車の前輪を差し込むとき、あるいは差し込んだ後、前輪のスポークの部分が直接に前記受溝の左右側壁部分に当たって、前記スポーク部分が傷つけられることがある。
【0007】
【特許文献1】特開平10−76980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、前方端部分を歩車道境界ブロックの代替物として利用できるため、歩道面の有効利用スペースを比較的広くすることができる駐輪用ブロックを提供することである。また、本発明の別の課題は、受溝の側壁部の形状を特定することによって、自転車の前輪のスポークの損傷を防止することができる駐輪用ブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の主たる特徴は、自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックにおいて、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成したことである。
【0010】
請求項2の発明の主たる特徴は、請求項1の発明の前記構成に加えて、前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成したことである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明の駐輪用ブロックでは、自転車の前輪が差し込まれる受溝をブロック本体の前後長手方向に形成してあり、前記受溝の前方端部が入り込んでいる前記ブロック本体の道路側端部の縦断面を歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成してあるため、この駐輪用ブロックの前方端縁を歩道と車道の境界線に合わせて歩道面に設置したとき、当該駐輪ブロックの左右各側に並べて設置される本来の歩車道境界ブロックとの間で形状的な断絶を生じることがない。
このように駐輪用ブロックの前方端部分を正規の歩車道境界ブルックの代替物として有効利用することができるため、本来の歩車道境界ブロックの設置個数を削減することができる。
【0012】
また、この駐輪用ブロックは本来の歩車道境界ブロックの敷設ラインに割り込んで設置され、歩車道境界ブロックの代替物となる前方端部分の長さ相当分だけ車道側に移動させた位置に設置することができるため、その分だけ歩道の有効利用スペースを広げることができる。
【0013】
請求項2の発明の駐輪用ブロックでは、前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成してあるため、前記受溝に自転車の前輪を差し込む際あるいは差し込んだ後、前輪のスポークの部分が直接に前記受溝の左右側壁部分に当たって、前記スポーク部分が傷つけられる事態は可及的に防止される。
【実施例】
【0014】
図示した実施例では、ブロック本体1はセメントコンクリートによって成形されている。ブロック体1の立体形状と重量は、ブロック本体1に自立性を与え、かつ、自転車を係留させたとき、自転車に当たる風圧の作用によって倒れないように選択される。ブロック本体1は、駅前歩道や商業施設の敷地、一般歩道など設定された駐輪区域の所定地点に置くだけで安定に設置され、メンテナンス不要のものである。
【0015】
図1から図8は受溝2が1条形成された一台用の駐輪用ブロックAを示しており、受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。図9は受溝2が平行に2条形成された2台用の駐輪用ブロックBを示しており、2条の各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。
【0016】
図10と図13は受溝2が平行に4条形成された4台用の駐輪用ブロックCを示しており、4条に各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。図14と図15は受溝2が平行に4条形成された別の4台用の駐輪用ブロックDを示しており、4条の各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して斜めに形成されている。
なお、受溝2の形成個数と形成方向は図示のものには限定されず、ブロック本体1の横幅寸法を変更して適宜増減することができる。
【0017】
これらの1台用の駐輪ブロックA、2台用の駐輪ブロックBおよび4台用の駐輪ブロックC,Dは、形成する受溝2の個数と形成方向においては相違があるが、受溝2の形成位置と受溝2の左右側壁部4,5の形状においては共通している。これらの駐輪用ブロックA,B,C,Dは単独で、または組み合わせて設置される。
【0018】
図1は、1台用の駐輪用ブロックAと2台用の駐輪用ブロックBおよび4台用の駐輪用ブロックCを相接続して設置した状態を示しており、各駐輪用ブロックの前方端縁は歩道6と車道7の境界線8に合わせられている。
図2は、1台用の駐輪用ブロックAと2台用の駐輪用ブロックBを歩車道境界ブロック9の間に挿入した状態を示しており、駐輪用ブロックCの前方端縁は歩道6と車道7の境界線8に合わせられている。
【0019】
図6に示すようにブロック本体1の前方端部分3の縦断面は略台形状に形成されている。
ブロック本体1の後方端部分10はブロック本体1の前方端部分3よりも上面位置を低く形成されており、当該後方端部分10に入り込んでいる前記受溝2の部分は、ブロック本体1の後方端縁に向かって下り傾斜の誘導用溝部分11を構成している。この誘導用溝部分11の存在によって、自転車12の前輪13の乗り入れがし易くなっている。
【0020】
図6に示すようにブロック本体1の中間部分14においては、前記受溝2は底面側が開放されている。この底面側開放部15が調整作用を発揮するため、この駐輪用ブロックは、図11に示したように前輪13の直径が比較的大きい自転車12と、図12に示したように前輪13の直径が比較的小さい自転車12のいずれの係留にも使用することができる。
前輪13の直径が大きい場合と小さい場合とでは、前輪13のタイヤの踏み面が受溝2の底面に接する長さに相違がでるが、いずれの場合においても、自転車は後輪16側に装備されているスタンド17を使用しなくても安定し、風圧等による転倒の恐れがない。
【0021】
ブロック本体1の上面に前後方向に形成される受溝2は、差し込んだ前輪12がその直径の大小にかかわらず車道側に突出しないように形成位置が選択されている。
図3に示したように受溝2は、上方に向かう程開口幅が広くなったテーパ状断面に形成されており、自転車12の前輪13の差し込み作業が容易になされるようになっている。受溝2の上縁部は、前輪13傷付かないように角がとられている。
【0022】
受溝2の左右側壁部4,5は、において下向き円弧をなすように凹み形成されている。この円弧状凹み部分18が存在していても、駐輪ブロックの自転車支持機能は維持されている。ブロック本体1の中間部分14にある底面側開放部15は、受溝2への土砂やゴミを設置面に排出することによって、受溝底部への土砂やゴミの堆積による受溝2の機能不全を未然に防止する。
【0023】
図15に示したように受溝2がブロック本体1の前方端部分3に対して斜めに形成されている駐輪用ブロックDによれば、駐輪区域の奥行きを減少させて、歩道の有効利用スペースをその分だけ広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る1台用の駐輪用ブロックと2台用の駐輪用ブロックおよび4台用の駐輪用ブロックを相接続して設置した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る1台用の駐輪用ブロックと2台用の駐輪用ブロックを本来の歩車道境界ブロックに間に挿入した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示した1台用の駐輪用ブロックの正面図である。
【図4】図3の1台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図5】図3の1台用の駐輪用ブロックの左側面図である。
【図6】図3のA−A線断面図である。
【図7】図3の1台用の駐輪用ブロックの左上方からの斜視図である。
【図8】図3の1台用の駐輪用ブロックの右上方からの斜視図である。
【図9】図1に示した2台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図10】図1に示した4台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図11】前輪の直径が比較的大きい自転車を係留したときの概略断面図である。
【図12】前輪の直径が比較的小さい自転車を係留したときの概略断面図である。
【図13】図10示した4台用の駐輪用ブロックの使用状態の平面図である。
【図14】本発明の別の実施例に係る4台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図15】図14に示した4台用の駐輪用ブロックの使用状態の平面図である。
【符号の説明】
【0025】
A 1台用の駐輪用ブロック
B 2台用の駐輪用ブロック
C 4台用の駐輪用ブロック
D 別の4台目用の駐輪用ブロック
1 ブロック本体
2 受溝
3 ブロック本体の前方端部分
4 受溝の左側壁部
5 受溝の右側壁部
6 歩道
7 車道
8 歩車道境界線
9 歩車道境界ブロック
10 ブロック本体の後方端部分
11 誘導用溝部分
12 自転車
13 自転車の前輪
14 ブロック本体の中間部分
15 ブロック本体の底面側開放部
16 自転車の後輪
17 自転車のスタンド
18 ブロック本体の下向き円弧状凹み部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばセメントコンクリートによってブロック状に構成され、駐輪区域の地面に設置されて自転車を起立状態に保持する駐輪用ブロックに関する。
【0002】
駅前や学校、住居、商業地域等に設置される駐輪場では、強風等により自転車が倒れてしまわないように、前方車輪を差し込む二股状の支持金具を地面に設置し、自転車を起立状態に支持している。
しかしながら、この支持金具は駐輪区域のコンクリートの地面等にアンカーボルト等で固着されるものであるため、簡単に設置することができず、比較的コスト高なものである。
【0003】
どこにでも簡単に設置することができ、特有の形態と自重によって安定した自立性を有するものとして、前後両側に傾斜面を有した側面ほぼ台形状の外郭体の内部にスラリーコンクリートを充填固化させることによってブロック本体を構成し、自転車の前輪が差し込まれる受溝を、前記ブロック本体に前後方向に延び且つその受溝の前後両端部が前記傾斜面にて開口するように設けた駐輪用ブロックが提案されている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、この駐輪用ブロックでは、前記ブロック本体は中央部が最も高くなるように側面視台形状に形成されており、前記受溝の前方端部が形成された前記ブロック本体の前方端部分は、縦断面が略三角形状になっている。そのため、この駐輪用ブロックの前方端縁を歩道と車道の境界線に合わせて駐輪用ブロックを歩道面に設置したとき、当該駐輪ブロックの左右各側に並べて設置される本来の歩車道境界ブロックとの間で、形状的な断絶を生じることになる。
【0005】
したがって、この駐輪用ブロックを歩車道境界ブルックの代替物として利用することはできない。また、この駐輪用ブロックを歩道に設置するときには、本来の歩車道境界ブロックより後退させた位置に置かなければならないため、その分だけ歩道の有効利用スペースが減少することになる。
【0006】
この駐輪用ブロックでは、自転車の前輪を差し込むための前記受溝は、前記ブロック本体の最も高い中央部を横方向に貫通して形成されているため、前記受溝に自転車の前輪を差し込むとき、あるいは差し込んだ後、前輪のスポークの部分が直接に前記受溝の左右側壁部分に当たって、前記スポーク部分が傷つけられることがある。
【0007】
【特許文献1】特開平10−76980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、前方端部分を歩車道境界ブロックの代替物として利用できるため、歩道面の有効利用スペースを比較的広くすることができる駐輪用ブロックを提供することである。また、本発明の別の課題は、受溝の側壁部の形状を特定することによって、自転車の前輪のスポークの損傷を防止することができる駐輪用ブロックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明の主たる特徴は、自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックにおいて、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成したことである。
【0010】
請求項2の発明の主たる特徴は、請求項1の発明の前記構成に加えて、前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成したことである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明の駐輪用ブロックでは、自転車の前輪が差し込まれる受溝をブロック本体の前後長手方向に形成してあり、前記受溝の前方端部が入り込んでいる前記ブロック本体の道路側端部の縦断面を歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成してあるため、この駐輪用ブロックの前方端縁を歩道と車道の境界線に合わせて歩道面に設置したとき、当該駐輪ブロックの左右各側に並べて設置される本来の歩車道境界ブロックとの間で形状的な断絶を生じることがない。
このように駐輪用ブロックの前方端部分を正規の歩車道境界ブルックの代替物として有効利用することができるため、本来の歩車道境界ブロックの設置個数を削減することができる。
【0012】
また、この駐輪用ブロックは本来の歩車道境界ブロックの敷設ラインに割り込んで設置され、歩車道境界ブロックの代替物となる前方端部分の長さ相当分だけ車道側に移動させた位置に設置することができるため、その分だけ歩道の有効利用スペースを広げることができる。
【0013】
請求項2の発明の駐輪用ブロックでは、前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成してあるため、前記受溝に自転車の前輪を差し込む際あるいは差し込んだ後、前輪のスポークの部分が直接に前記受溝の左右側壁部分に当たって、前記スポーク部分が傷つけられる事態は可及的に防止される。
【実施例】
【0014】
図示した実施例では、ブロック本体1はセメントコンクリートによって成形されている。ブロック体1の立体形状と重量は、ブロック本体1に自立性を与え、かつ、自転車を係留させたとき、自転車に当たる風圧の作用によって倒れないように選択される。ブロック本体1は、駅前歩道や商業施設の敷地、一般歩道など設定された駐輪区域の所定地点に置くだけで安定に設置され、メンテナンス不要のものである。
【0015】
図1から図8は受溝2が1条形成された一台用の駐輪用ブロックAを示しており、受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。図9は受溝2が平行に2条形成された2台用の駐輪用ブロックBを示しており、2条の各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。
【0016】
図10と図13は受溝2が平行に4条形成された4台用の駐輪用ブロックCを示しており、4条に各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して直角に形成されている。図14と図15は受溝2が平行に4条形成された別の4台用の駐輪用ブロックDを示しており、4条の各受溝2はブロック本体1の前方端部分3に対して斜めに形成されている。
なお、受溝2の形成個数と形成方向は図示のものには限定されず、ブロック本体1の横幅寸法を変更して適宜増減することができる。
【0017】
これらの1台用の駐輪ブロックA、2台用の駐輪ブロックBおよび4台用の駐輪ブロックC,Dは、形成する受溝2の個数と形成方向においては相違があるが、受溝2の形成位置と受溝2の左右側壁部4,5の形状においては共通している。これらの駐輪用ブロックA,B,C,Dは単独で、または組み合わせて設置される。
【0018】
図1は、1台用の駐輪用ブロックAと2台用の駐輪用ブロックBおよび4台用の駐輪用ブロックCを相接続して設置した状態を示しており、各駐輪用ブロックの前方端縁は歩道6と車道7の境界線8に合わせられている。
図2は、1台用の駐輪用ブロックAと2台用の駐輪用ブロックBを歩車道境界ブロック9の間に挿入した状態を示しており、駐輪用ブロックCの前方端縁は歩道6と車道7の境界線8に合わせられている。
【0019】
図6に示すようにブロック本体1の前方端部分3の縦断面は略台形状に形成されている。
ブロック本体1の後方端部分10はブロック本体1の前方端部分3よりも上面位置を低く形成されており、当該後方端部分10に入り込んでいる前記受溝2の部分は、ブロック本体1の後方端縁に向かって下り傾斜の誘導用溝部分11を構成している。この誘導用溝部分11の存在によって、自転車12の前輪13の乗り入れがし易くなっている。
【0020】
図6に示すようにブロック本体1の中間部分14においては、前記受溝2は底面側が開放されている。この底面側開放部15が調整作用を発揮するため、この駐輪用ブロックは、図11に示したように前輪13の直径が比較的大きい自転車12と、図12に示したように前輪13の直径が比較的小さい自転車12のいずれの係留にも使用することができる。
前輪13の直径が大きい場合と小さい場合とでは、前輪13のタイヤの踏み面が受溝2の底面に接する長さに相違がでるが、いずれの場合においても、自転車は後輪16側に装備されているスタンド17を使用しなくても安定し、風圧等による転倒の恐れがない。
【0021】
ブロック本体1の上面に前後方向に形成される受溝2は、差し込んだ前輪12がその直径の大小にかかわらず車道側に突出しないように形成位置が選択されている。
図3に示したように受溝2は、上方に向かう程開口幅が広くなったテーパ状断面に形成されており、自転車12の前輪13の差し込み作業が容易になされるようになっている。受溝2の上縁部は、前輪13傷付かないように角がとられている。
【0022】
受溝2の左右側壁部4,5は、において下向き円弧をなすように凹み形成されている。この円弧状凹み部分18が存在していても、駐輪ブロックの自転車支持機能は維持されている。ブロック本体1の中間部分14にある底面側開放部15は、受溝2への土砂やゴミを設置面に排出することによって、受溝底部への土砂やゴミの堆積による受溝2の機能不全を未然に防止する。
【0023】
図15に示したように受溝2がブロック本体1の前方端部分3に対して斜めに形成されている駐輪用ブロックDによれば、駐輪区域の奥行きを減少させて、歩道の有効利用スペースをその分だけ広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例に係る1台用の駐輪用ブロックと2台用の駐輪用ブロックおよび4台用の駐輪用ブロックを相接続して設置した状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る1台用の駐輪用ブロックと2台用の駐輪用ブロックを本来の歩車道境界ブロックに間に挿入した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示した1台用の駐輪用ブロックの正面図である。
【図4】図3の1台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図5】図3の1台用の駐輪用ブロックの左側面図である。
【図6】図3のA−A線断面図である。
【図7】図3の1台用の駐輪用ブロックの左上方からの斜視図である。
【図8】図3の1台用の駐輪用ブロックの右上方からの斜視図である。
【図9】図1に示した2台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図10】図1に示した4台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図11】前輪の直径が比較的大きい自転車を係留したときの概略断面図である。
【図12】前輪の直径が比較的小さい自転車を係留したときの概略断面図である。
【図13】図10示した4台用の駐輪用ブロックの使用状態の平面図である。
【図14】本発明の別の実施例に係る4台用の駐輪用ブロックの平面図である。
【図15】図14に示した4台用の駐輪用ブロックの使用状態の平面図である。
【符号の説明】
【0025】
A 1台用の駐輪用ブロック
B 2台用の駐輪用ブロック
C 4台用の駐輪用ブロック
D 別の4台目用の駐輪用ブロック
1 ブロック本体
2 受溝
3 ブロック本体の前方端部分
4 受溝の左側壁部
5 受溝の右側壁部
6 歩道
7 車道
8 歩車道境界線
9 歩車道境界ブロック
10 ブロック本体の後方端部分
11 誘導用溝部分
12 自転車
13 自転車の前輪
14 ブロック本体の中間部分
15 ブロック本体の底面側開放部
16 自転車の後輪
17 自転車のスタンド
18 ブロック本体の下向き円弧状凹み部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックであって、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成したことを特徴とする駐輪用ブロック。
【請求項2】
前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成したことを特徴とする請求項1に記載の駐輪用ブロック。
【請求項1】
自転車の前輪を受溝に収容して自転車を起立保持する駐輪ブロックであって、前記受溝をブロック本体の前後長手方向に形成し、前記受溝の前方端部が形成されている前記ブロック本体の前方端部分の縦断面を、歩車道境界ブロックの縦断面と同じに形成したことを特徴とする駐輪用ブロック。
【請求項2】
前記受溝を画定する前記ブロック本体の左右側壁部の上面部を下向き円弧状に凹み形成したことを特徴とする請求項1に記載の駐輪用ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−314140(P2007−314140A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148886(P2006−148886)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(591047327)大和クレス株式会社 (17)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(591047327)大和クレス株式会社 (17)
[ Back to top ]