説明

骨モデル

【課題】骨モデル本体との接着性に優れた表面層を有する骨モデル、および骨モデル本体との接着性に優れた表面層を形成する骨モデル表面用材料、ならびにそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有することを特徴とする骨モデル表面用材料およびその製造方法、ならびに骨モデル本体およびその表面上に形成される表面層を有する骨モデルであって、前記表面層が、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有する骨モデル表面用材料で形成されていることを特徴とする骨モデルおよびその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨モデルに関する。さらに詳しくは、骨モデル本体とその表面層との接着性に優れた骨モデルおよび当該骨モデルに好適に使用することができる骨モデル表面用材料、ならびにそれらの製造方法に関する。本発明の骨モデルは、例えば、人体などの粘膜面を有する骨部の窄孔、粘膜面の切開や切削縫合などの手術のための手技練習などの際に好適に使用することができる。
【0002】
なお、骨モデルとしては、例えば、口腔骨モデル、鼻腔骨モデル、耳腔骨モデル、眼部骨モデル、頭部骨モデル、胸部骨モデル、腹部骨モデル、手部骨モデル、足部骨モデル、指部骨モデルなどが挙げられる。
【背景技術】
【0003】
整形外科、胸部外科、脳神経外科、口腔外科などの外科分野では、骨の窄孔、切除、切断、移植、接合などの手術が行われているが、近年、外科手術の高度化に伴ってその手技が複雑化するとともに、手技に高精度が要求され、外科手術の手技の上達を図るために手技練習が重要視されている。
【0004】
従来、手術の手技練習の際には、例えば、ウシ、ブタなどの動物の骨、外国から輸入された人骨が用いられている。しかし、動物の骨は、その性状が人骨とは顕著に相違し、外国から輸入された人骨は、当該人骨を外国から輸入することが国際的な問題となっていることから、いずれも手術の手技練習用の骨として好ましいものであるとはいえない。
【0005】
そこで、手術の手技練習に適した骨モデル(骨模型)として、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂と無機物粉体とを含む実習用骨モデル(例えば、特許文献1参照)、アクリル系樹脂とおがくずとを含む骨モデル(例えば、特許文献2)が提案されている。
【0006】
これらの骨モデルの表面に適用することができる生体軟組織の模型として、2種類のポリビニルアルコールを溶解させた溶液を生体軟組織の鋳型に注入した後、冷却することによって得られる水性ゲル組成物からなる生体軟組織の模型が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
しかし、前記生体軟組織の模型は、骨モデル本体との接着性が十分でなく、手技練習をしているときに骨モデル本体と粘膜層とが剥離することがあるため、人体などの粘膜面を有する骨部の窄孔、粘膜面の切開や切削縫合などの手術のための手技練習に適しているとはいえない。
【0008】
したがって、骨モデル本体との接着性に優れた表面層が形成された骨モデルの開発が待ち望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−230717号公報
【特許文献2】特開2008−250004号公報
【特許文献3】特開2007−316434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、骨モデル本体との接着性に優れた表面層を有する骨モデルを提供することを課題とする。本発明は、また、骨モデル本体との接着性に優れた表面層を形成する骨モデル表面用材料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
(1)平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有することを特徴とする骨モデル表面用材料、
(2)平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を−10℃以下の温度に冷却した後、解凍することを特徴とする骨モデル表面用材料の製造方法、
(3)骨モデル本体およびその表面上に形成される表面層を有する骨モデルであって、前記表面層が、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有する骨モデル表面用材料で形成されていることを特徴とする骨モデル、ならびに
(4)平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を骨モデル本体と接触させた後、−10℃以下の温度に冷却し、次いで解凍することを特徴とする骨モデルの製造方法
に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の骨モデルは、骨モデル本体との接着性に優れた表面層を有する。本発明の骨モデル表面用材料は、骨モデル本体との接着性に優れた表面層を形成するので、骨モデルの表面層に好適に使用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者らは、従来の骨模型の表面層が抱えている、骨モデル本体との接着性が十分でないという技術的課題に着目して鋭意研究を重ねたところ、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含む骨モデル表面用材料を当該表面層に用いた場合には、骨モデル本体との接着性に優れた表面層を有する骨モデルが得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
【0014】
本発明の骨モデル表面用材料は、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有する。
【0015】
本発明の骨モデル表面用材料は、例えば、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を−10℃以下の温度に冷却した後、解凍することによって容易に作製することができる。
【0016】
ポリビニルアルコールの粘度法で求められる平均重合度は、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度を高める観点から、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上であり、ヒトの皮膚に近似した適度な弾性を付与する観点から、好ましくは3500以下、より好ましくは3000以下、さらに好ましくは2500以下である。
【0017】
また、ポリビニルアルコールのケン化度は、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度および弾性率を高める観点から、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコールのケン化度の上限値には限定がなく、高ければ高いほど好ましく、完全ケン化のポリビニルアルコールがさらに好ましい。
【0018】
ポリビニルアルコールは、通常、水溶液として用いることができる。ポリビニルアルコールを水に溶解させるとき、ポリビニルアルコールの溶解性を高める観点から、ポリビニルアルコールまたは水を加温しておくことが好ましい。ポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコールの濃度は、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度を高める観点から、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、ポリビニルアルコールを水に十分に溶解させるとともに成形性を向上させる観点から、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。
【0019】
本発明の骨モデル表面用材料は、シリカ粒子を含有する。本発明の骨モデル表面用材料は、このようにシリカ粒子を含有することから、従来のように人体に有害なジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を使用したり、ポリビニルアルコール水溶液の冷解凍を何度も繰り返したりしなくても、骨モデル本体との接着性に優れるとともに、人体のような親水性を有し、切開をしたときに切開部が生体の口腔粘膜などの粘膜のように広がり、しかも粘膜と同様の切削感や感触を有する。
【0020】
シリカ粒子の粒子径は、ポリビニルアルコールにおける分散安定性および本発明の骨モデルの表面層の平滑性を高める観点から、3〜100nm程度であることが好ましい。
【0021】
シリカ粒子の量は、ポリビニルアルコール100重量部あたり、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度および弾性を高め、水濡れ性を向上させる観点から、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上、さらに好ましくは0.1重量部以上であり、本発明の骨モデル表面用材料から形成される表面層が硬くなるのを防止する観点から、好ましくは50重量部以下、より好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは20重量部以下である。シリカ粒子は、通常、ポリビニルアルコールまたはその水溶液と混合することができる。
【0022】
シリカ粒子は、例えば、コロイダルシリカとして用いることが好ましい。コロイダルシリカにおけるシリカ粒子の含有量は、ポリビニルアルコールにおける分散安定性および本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度を高める観点から、3〜40重量%程度であることが好ましい。コロイダルシリカは、例えば、日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックス(登録商標)などとして商業的に容易に入手することができる。
【0023】
また、ポリビニルアルコール水溶液には、表面層の乾燥を防止する観点から、多糖類を添加することが好ましい。
【0024】
多糖類としては、例えば、キチン、脱アセチル化キチン、キトサン、キトサンアセテート、キトサンマレエート、キトサングリコネート、キトサンソルベート、キトサンホルメート、キトサンサリチレート、キトサンプロピオネート、キトサンラクテート、キトサンイタコネート、キトサンナイアシネート、キトサンガラート、キトサングルタメート、カルボキシメチルキトサン、アルキルセルロース、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、コラーゲン、アルギネート、ヒアルロン酸、ヘパリンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのなかでは、本発明の骨モデル表面用材料の乾燥を防止する観点から、キトサンおよびその誘導体が好ましく、キトサンがより好ましい。
【0025】
キトサンは、例えば、エビ、カニ、イカなどの甲殻類に由来のキチンを脱アセチル化させたものなどが挙げられる。キトサンは、市場において容易に入手することができる。キトサンは、通常、粉末の形態で使用することができる。キトサンの分子量は、特に限定されないが、通常、好ましくは10000〜200000、より好ましくは10000〜40000である。
【0026】
多糖類の量は、その種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、ポリビニルアルコール100重量部あたり、本発明の骨モデル表面用材料の乾燥を防止する観点から、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上であり、本発明の骨モデル表面用材料が適度な弾性を有するようにする観点から、好ましくは300重量部以下、より好ましくは250重量部以下、さらに好ましくは200重量部以下である。
【0027】
多糖類は、分散性を高める観点から、通常、水溶液として用いることが好ましい。多糖類水溶液は、例えば、酢酸、塩酸、乳酸などの酸の水溶液に濃度が0.5〜10重量%程度となるように溶解させることによって得ることができる。なお、この水溶液は、必要により、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性物質で中性〜塩基性に調整してもよい。
【0028】
なお、ポリビニルアルコール水溶液には、本発明の目的を阻害しない範囲内で、例えば、顔料、染料などの着色剤、香料、酸化防止剤、防黴剤、抗菌剤などの添加剤を適量で添加してもよい。これらの添加剤は、通常、ポリビニルアルコールの水溶液に添加することができる。本発明の骨モデルを、例えば、窄孔、切開や切削縫合などの手術における手技練習用の骨モデルとして用いる場合、その表面層と近似させるために、ポリビニルアルコール水溶液は、所望の色に着色剤で着色されていることが好ましい。
【0029】
次に、ポリビニルアルコール水溶液を所望の形状を有する容器に注入した後、−10℃以下の温度に冷却する。容器は、樹脂製容器、金属製容器などのいずれであってもよい。
【0030】
本発明の骨モデル表面用材料の中には、機械的強度を高める観点から樹脂シートを介在させてもよい。樹脂シートが介在した骨モデル表面用材料は、例えば、ポリビニルアルコール水溶液上に樹脂シートを載せ、さらにその上にポリビニルアルコール水溶液を載せ、得られたポリビニルアルコール水溶液と樹脂シートとが積層されたシートを−10℃以下の温度に冷却することによって製造することができる。
【0031】
樹脂シートとして、形成される水性ゲルとの密着性に優れているものを用いることが好ましい。好適な樹脂シートとしては、例えば、ポリビニルアルコールフイルム、塩化ビニル樹脂シート、ポリ塩化ビニリデンフイルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂からなる樹脂シート、ポリエステルフイルム、ポリウレタンフイルム、ナイロンフイルムなどのポリアミドフイルムなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの樹脂シートのなかでは、ポリビニルアルコールフイルムは、形成される水性ゲルとの密着性に優れていることから好ましい。商業的に容易に入手しうるポリビニルアルコールフイルムとしては、例えば、日本合成化学工業(株)製、商品名:ボブロン(登録商標)などの二軸延伸ポリビニルアルコールフイルムなどが挙げられる。
【0032】
なお、前記樹脂シートは、孔が多数設けられているネット状の樹脂シートや連続気泡を有するスパンボンド不織布などであってもよい。ネット状の樹脂シートとしては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロンなどの樹脂からなるネット状の樹脂シートが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。ネット状の樹脂シートの目開きは、特に限定されないが、通常、0.1〜3mm程度であればよい。
【0033】
樹脂シートの厚さは、その樹脂シートを構成している樹脂の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、0.03〜2mm程度である。
【0034】
ポリビニルアルコール水溶液を冷却するときの温度は、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度を高める観点から、−10℃以下、より好ましくは−15℃以下、さらに好ましくは−20℃以下であり、本発明の骨モデル表面用材料の製造効率を高める観点から、好ましくは−35℃以上、より好ましくは−30℃以上である。
【0035】
ポリビニルアルコール水溶液を前記温度で冷却する時間は、本発明の骨モデル表面用材料の機械的強度を高める観点およびその製造効率を高める観点から、好ましくは1〜10時間程度、より好ましくは3〜8時間程度である。
【0036】
ポリビニルアルコール水溶液を所望の温度で所望の時間冷却することによってポリビニルアルコール水溶液が凍結するが、そのときにポリビニルアルコール水溶液がゲル化し、水性ゲルが形成する。
【0037】
次に、このようにして得られた水性ゲルを解凍する。凍結した水性ゲルは、例えば、室温中に放置することによって自然解凍させてもよく、あるいは加熱することによって解凍させてもよいが、エネルギー効率を高める観点から、自然解凍が好ましい。凍結した水性ゲルを解凍させるときの温度は、特に限定されず、通常、室温〜40℃程度であればよい。
【0038】
水性ゲルは、解凍後、必要により、加熱することができる。水性ゲルを加熱することにより、水性ゲル組織の均一化を図ることができる。水性ゲルの加熱は、例えば、乾燥室内で行なうことができる。水性ゲルの温度は、水性ゲル組織の均一化を図る観点から、35℃以上、好ましくは40℃以上に調整することが望ましく、ゲル弾性の低下を抑制する観点から、80℃以下、好ましくは75℃以下、より好ましくは70℃以下に調整することが望ましい。水性ゲルの温度を前記温度に調整する時間は、その温度によって異なるので一概には決定することができないが、通常、水性ゲル組織の均一化を図る観点から、0.5〜3時間程度であることが好ましい。水性ゲルの温度調整を行なった後は、水性ゲルを室温まで放冷すればよい。
【0039】
以上の操作により、水性ゲルおよびシリカ粒子を含有する本発明の骨モデル表面用材料が得られる。本発明の骨モデル表面用材料は、そのままの状態で骨モデルの表面層として使用することができるが、必要により、所定の大きさとなるように裁断してもよい。
【0040】
本発明では、原料として、シリカ粒子とポリビニルアルコールとが併用されているので、従来のようにポリビニルアルコール水溶液の冷解凍の操作を複数回繰り返さなくても、ポリビニルアルコール水溶液の冷解凍を1回行なうだけで効率よく良好な機械的強度を有する骨モデル表面用材料を得ることができる。なお、前記冷解凍の操作は、必要により、複数回繰り返してもよい。
【0041】
本発明の骨モデル表面用材料の形状は、骨モデルの表面に形成される表面層の形状に応じた形状とすることが好ましい。本発明の骨モデル表面用材料の形状は、例えば、骨モデルの表面に形成される表面層の形状に対応した形状を有する成形型を用いて成形することが好ましい。
【0042】
本発明の骨モデルは、骨モデル本体およびその表面上に形成される表面層を有する。骨モデル本体は、人骨に対応し、表面層は、人骨の表面に存在している粘膜や皮膚などに対応する。表面層は、前記骨モデル表面用材料のみで構成されていてもよく、前記骨モデル表面用材料中に添加剤などが添加されたものであってもよく、あるいは前記骨モデル表面用材料と樹脂シートとの積層シートであってもよい。
【0043】
骨モデル本体は、所望の人骨の形状を有する成形型内に樹脂を充填することによって成形することができる。骨モデルを構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのなかでは、人骨の切削感と近似していることから、アクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂としては、例えば、アクリル酸エステルポリマー、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステルポリマーとメタクリル酸エステルポリマーとの混合物などが挙げられ、これらの各樹脂は、それぞれ単独で用いられていてもよく、併用されていてもよい。好適なアクリル樹脂の一例として、ポリメチルメタクリレートなどが挙げられる。
【0044】
なお、骨モデル本体には、人骨に近似した硬度および切削感を付与する観点から、木質粉、無機粉体などの粉体を含有させてもよい。前記粉体は、例えば、骨モデル本体を構成する樹脂と加熱溶融混練することにより、骨モデル本体に均一に分散させることができる。
【0045】
前記木質粉としては、例えば、大鋸屑、籾殻粉などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。大鋸屑は、木材を鋸など切るときに発生する木材屑を意味する。また、籾殻は、イネの籾のもっとも外側に存在している皮の部分を意味し、籾柄粉は、籾殻を粉砕することによって得られる粉体を意味する。木質粉の粒子の大きさは、分散性および表面層の平滑性の観点から、10μm〜0.5mmであることが好ましい。
【0046】
前記無機粉体としては、例えば、ヒドロキシアパタイト粉、シリカ粉、ガラス粉、炭酸カルシウム粉、アルミナ粉、タルク、カオリン、マイカ粉などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、人骨における主要な無機成分であることから、ヒドロキシアパタイト粉が好ましい。無機粉体の粒子の大きさは、分散性および表面層の平滑性の観点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは15〜300μm以下、さらに好ましくは20〜100μmである。
【0047】
前記粉体のなかでは、人骨に近い硬さおよび切削感を付与する観点から、木質粉が好ましく、籾殻粉がより好ましい。
【0048】
骨モデル本体における粉体の含有量は、人骨に近似した硬さおよび切削感を付与する観点から、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜45重量%、さらに好ましくは20〜40重量%である。
【0049】
また、骨モデル本体には、表面層との接着性を高める観点から、ポリビニルアルコール粉末、セルロース粉末などの粉末状バインダーを含有させてもよい。これらのなかでは、表面層との接着性の観点から、ポリビニルアルコール粉末が好ましい。粉末状バインダーの粒子径は、分散性および表面層の平滑性の観点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは15〜300μm以下、さらに好ましくは20〜100μmである。
【0050】
粉末状バインダーは、例えば、骨モデル本体を構成する樹脂と加熱溶融混練することにより、骨モデル本体内に均一に分散させることができる。骨モデル本体における粉末状バインダーの含有量は、表面層との接着性を高める観点から、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、人骨に近似した硬さおよび切削感を付与する観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
【0051】
なお、骨モデル本体は、前記粉体や粉末状バインダーの含有量などを調整することにより、硬さが異なる骨モデル本体を構成する材料を製造し、それらの材料を複合化させることによって製造されていてもよい。このように複数の材料を使用した場合には、例えば、ヒトの下顎骨のモデルと海綿骨モデルとを複合化させた下顎骨モデルを製造することができる。
【0052】
本発明の骨モデルは、前記骨モデル表面用材料を骨モデル本体の表面に付着させることによって製造することができる。より具体的には、例えば、あらかじめ人骨に対応する形状を有する骨モデル本体を作製しておき、骨モデル本体の表面に存在する表面層を形成させるために当該表面層の形状に対応する形状を内面に有する成形型内に、骨モデル表面用材料を充填した後、その成形型内に骨モデル本体を挿入し、骨モデル本体と骨モデル表面用材料とを一体化させることによって製造することができる。この場合、前記成形型内に、ポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を入れ、この成形型内に骨モデル本体を挿入し、ポリビニルアルコール水溶液を骨モデル本体と接触させた後、−10℃以下の温度に冷却し、次いで解凍することにより、骨モデル表面用材料からなる表面層を有する骨モデルを製造することかできる。
【0053】
本発明の骨モデルは、その表面層が骨モデル表面用材料で形成されているので、骨モデル本体とその表面層との接着性に優れている。さらに、本発明の骨モデルは、その表面層が前記骨モデル表面用材料で形成されているので、粘膜と同様の弾性を有し、切開をしたときに切開部が粘膜のように広がり、水濡れ性および切り心地が粘膜に近似するという優れた性質を有する。したがって、本発明の骨モデルは、手術練習用骨モデルなどとして好適に使用することができる。
【実施例】
【0054】
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0055】
製造例1
エポキシ樹脂セット〔(有)ドッコー工業製、商品名:ディチック50注型タイプ〕を用い、このエポキシ樹脂50gおよび歯科用粉末シリカ〔(株)キャスティングオカモト製、シリカ〕15gをラバーボールの中に入れ、ステンレス鋼製のスパチュラを用いて20秒間攪拌した後、下顎骨モデル成形用型内に充填して成形することにより、下顎骨モデル本体を製造した。
【0056】
製造例2
エポキシ樹脂セット〔(有)ドッコー工業製、商品名:ディチック100注型タイプ〕を用い、このエポキシ樹脂50gと歯科用加熱重合レジン粉15gとを混合し、得られた混合物65gおよび歯科用粉末シリカ〔(株)キャスティングオカモト製、シリカ〕15gをラバーボールの中に入れ、ステンレス鋼製のスパチュラを用いて20秒間攪拌した後、下顎骨モデル成形用型内に充填して成形することにより、下顎骨モデル本体を製造した。
【0057】
製造例3
アクリル樹脂として、歯科用常温重合レジンセット〔(株)ニッシン製、商品名:マイキーレッド〕を用い、このアクリル樹脂50gと歯科用粉末シリカ〔(株)キャスティングオカモト製、シリカ〕15gをラバーボールの中に入れ、ステンレス鋼製のスパチュラを用いて20秒間攪拌した後、下顎骨モデル成形用型内に充填して成形することにより、下顎骨モデル本体を製造した。
【0058】
製造例4
エポキシ樹脂〔ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:EPIKOTE(登録商標)834、分子量:470、比重:1.18〕100g、硬化剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール10gおよび発泡剤〔(株)ビンホール製、商品名:ビンホールAC#3C−K2、メジアン径:5μm、熱分解温度:208℃〕1gを混合し、得られた混合物をラバーボールの中に入れ、ステンレス鋼製のスパチュラを用いて20秒間攪拌した後、下顎骨モデル成形用型内に充填して成形した。
【0059】
得られた成形体を90℃で260秒間予備硬化させ、次いで230℃で5分間加熱した後、放冷することにより、下顎骨モデル本体を製造した。
【0060】
製造例5
アクリル樹脂として、歯科用常温重合レジンセット〔(株)ニッシン製、商品名:マイキーレッド〕を用い、このアクリル樹脂50gと歯科用粉末シリカ〔(株)キャスティングオカモト製、シリカ〕15gをラバーボールの中に入れ、さらにその中に食品用重曹粉末10gとクエン酸粉末10gを入れ、ステンレス鋼製のスパチュラを用いて20秒間攪拌した後、下顎骨モデル成形用型内に充填し、発泡成形することにより、下顎骨モデル本体を製造した。
【0061】
実施例1
粘度平均重合度が1700であり、ケン化度が約98〜99モル%であるポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:クラレポバールPVA−117〕30g、水270gおよびコロイダルシリカ〔日産化学工業(株)製、商品名:スノーテックスXP、シリカの粒子径:約5nm、シリカの含有量:5重量%〕5mLを1L容のビーカーに入れ、90℃まで加熱し、同温度で攪拌しながら20分間加温した後、常温まで放冷した後、このビーカー内に歯肉の色に近い色のアクリル系ポスターカラー〔デルタ社製、商品名:マローン〕5gを添加し、均一な組成となるように攪拌し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。
【0062】
このポリビニルアルコール水溶液を、粘膜面が確保されたシリコーン樹脂製の下顎モデル成形用型内にその粘膜面の位置まで注入した後、各製造例で得られた下顎骨モデル本体を挿入し、ポリビニルアルコール水溶液と下顎骨模モデル本体とを十分に接触させた。
【0063】
次に、この下顎モデル成形用型を冷凍室(室温:−20℃)内に入れ、4時間冷却した後、冷凍室から取り出し、室温となるまで室温中で放置することにより、成形型内で骨モデル表面用材料からなり、ヒトの顎部形状を有する表面層を有する骨モデルを製造し、得られた骨モデルをこの成形用型から取り出した。
【0064】
次に、乾燥器内に入れ、60℃となるまで加熱し、同温度で10分間保持した後、乾燥器から取り出した。
【0065】
実施例2
実施例1において、ポリビニルアルコールとして、平均重合度が1000であり、ケン化度が約98〜99モル%であるポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:クラレポバールPVA−110〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にして骨モデルを作製した。
【0066】
実施例3
実施例1において、ポリビニルアルコールとして、平均重合度が2000であり、ケン化度が約98〜99モル%であるポリビニルアルコール〔(株)クラレ製、商品名:クラレポバールPVA−120〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にして骨モデルを作製した。
【0067】
実施例4
実施例1において、コロイダルシリカの量を1mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして骨モデルを作製した。
【0068】
実施例5
実施例1において、コロイダルシリカの量を80mLに変更したこと以外は、実施例1と同様にして骨モデルを作製した。
【0069】
比較例1
実施例1において、コロイダルシリカを使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして骨モデル表面用材料を作製した。
【0070】
比較例2
ポリビニルアルコール粉末(平均重合度:1700、ケン化度:99.0モル%)80gと、ポリビニルアルコール粉末(平均重合度:1800、ケン化度:86〜90モル%)20gとを混合し、ポリビニルアルコール混合物を得た。得られたポリビニルアルコール混合物をジメチルスルホキシドと水との混合溶媒〔ジメチルスルホキシド/水(重量比):80/20〕に120℃に加熱しながら溶解させ、含水率が80重量%のポリビニルアルコール溶液を調製した。
【0071】
得られたポリビニルアルコール溶液を容量が200mLのポリプロピレン製の樹脂容器内に注入した後、この樹脂容器を室温まで冷却した。
【0072】
この樹脂容器の内容物を室温下でエタノール200mL中に2時間浸漬することにより、ジメチルスルホキシドをエタノールに置換して除去し、樹脂容器内の内容物を水中に浸漬した後、その内容物を樹脂容器から取り出した。
【0073】
この内容物を観察したところ、十分にゲル化しておらず、弾力性がほとんどなく、流動性を有し、しかもその表面がべとつくため、この内容物を用いて骨モデル用の表面材料として使用することができないことが確認された。
【0074】
比較例3
実施例1において、ポリビニルアルコール水溶液の代わりに比較例2で得られたポリビニルアルコール溶液を用い、実施例1と同様にして骨モデルを作製し、この骨モデルを室温下でエタノール200mL中に2時間浸漬することにより、ジメチルスルホキシドをエタノールに置換して除去した後、水中に浸漬し、次いでこの骨モデルを樹脂容器から取り出した。その結果、比較例2と相違してゲルが得られたが、得られたゲルは、弾力性が小さく、その表面がべとつくことが確認された。
【0075】
比較例4
厚さが4mmの市販のシリコーンゴムシートをB5の大きさに裁断することにより、骨モデル表面用材料を作製した。
【0076】
前記で得られた骨モデル表面用材料を各製造例で得られた下顎骨モデル本体の表面に接着剤〔セメンダイン(株)製、商品名:セメンダインスーパーX No. 8008〕で接着することにより、骨モデルを作製した。
【0077】
実験例1
各実施例および各比較例で得られた骨モデルの物性として、接着性、外観、切り心地、切開性、べとつき感および弾性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0078】
(1)接着性
各実施例および各比較例で得られた骨モデルの表面層を手指で剥がし、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、D評価が合格基準を満たしていない。
〔評価基準〕
A:表面層が骨モデル本体に非常に強固に接着している。
B:表面層が骨モデル本体に強固に接着している。
C:表面層が骨モデル本体に問題がない程度に接着している。
D:表面層が骨モデル本体に十分に接着していない。
【0079】
(2)外観
大学の医学研究科の外科を専攻している学生および教官10名に骨モデルの外観を観察してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、Dの評価を下した者がひとりもいないことが合格基準となる。
〔評価基準〕
A:口腔内部の粘膜に非常に近似している。
B:口腔内部の粘膜と近似している。
C:口腔内部の粘膜に十分に近似している。
D:口腔内部の粘膜と近似していない。
【0080】
(3)切り心地
大学の医学研究科の外科を専攻している学生および教官10名に手術用メス〔フェザー安全剃刀(株)製、ステンレス鋼製の外科手術用替刃メスNo.10〕を用いて実際に骨モデルの表面層に執刀して切り心地を調べてもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、Dの評価を下した者がひとりもいないことが合格基準となる。
〔評価基準〕
A:口腔内部の粘膜と区別がつかない。
B:口腔内部の粘膜と非常に近似している。
C:口腔内部の粘膜に十分に近似している。
D:口腔内部の粘膜と近似していない。
【0081】
(4)切開性
大学の医学研究科の外科を専攻している学生および教官10名に手術用メス〔フェザー安全剃刀(株)製、ステンレス鋼製の外科手術用替刃メスNo.10〕を用いて実際に骨モデルの表面層に執刀して切開部の創傷が口腔内部の粘膜と同様に広がるかどうかを観察してもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、Dの評価を下した者がひとりもいないことが合格基準となる。
〔評価基準〕
A:口腔内部の粘膜と区別がつかない。
B:口腔内部の粘膜と非常に近似している。
C:口腔内部の粘膜に十分に近似している。
D:口腔内部の粘膜と近似していない。
【0082】
(5)べとつき感
大学の医学研究科の外科を専攻している学生および教官10名に骨モデルの表面層を指触してそのべとつき感を調べてもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、Dの評価を下した者がひとりもいないことが合格基準となる。
〔評価基準〕
A:口腔内部の粘膜と区別がつかない。
B:口腔内部の粘膜と非常に近似している。
C:口腔内部の粘膜に十分に近似している。
D:口腔内部の粘膜と近似していない。
【0083】
(6)弾性
大学の医学研究科の外科を専攻している学生および教官10名に骨モデルを指触してその弾性を調べてもらい、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、Dの評価を下した者がひとりもいないことが合格基準となる。
〔評価基準〕
A:口腔内部の粘膜と区別がつかない。
B:口腔内部の粘膜と非常に近似している。
C:口腔内部の粘膜に十分に近似している。
D:口腔内部の粘膜と近似していない。
【0084】
なお、比較例2では、ゲルを製造することができなかったため、骨モデルの物性の測定ができなかった。
【0085】
以下の表1中、「使用した下顎骨モデル本体」の欄に記載の製造例番号は、その製造例で得られた下顎骨モデル本体を使用したことを意味する。
【0086】
【表1】

【0087】
表1に示された結果から、各実施例で得られた骨モデルは、いずれも、ポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含有する骨モデル表面用材料からなる表面層を有するので、表面層と骨モデル本体との接着性に優れていることがわかる。また、各実施例で得られた骨モデルは、いずれも、その表面層が前記骨モデル表面用材料で形成されているので、粘膜と同様の弾性を有し、切開をしたときに切開部が粘膜のように広がり、切り心地が粘膜に近似するという優れた性質を有することがわかる。
【0088】
実験例2
実施例1で得られた骨モデル表面用材料および比較例3で得られた骨モデル表面用材料からなるシート(厚さ:2mm)を幅5mmのダンベル型に切り抜き、それぞれ3個のサンプルを作製し、引張験機〔(株)島津製作所製、商品名:オートグラフAGS−5kNG〕で1mm/minの速度で引っ張り、破断時における強度(破断強度)を測定し、それぞれ3個の平均値を求めた。
【0089】
その結果、実施例1で得られた表面層の破断強度は0.5N/mm2であるのに対し、比較例3で得られた表面層の破断強度は1.1N/mm2であった。このことから、比較例3で得られた骨モデル表面用材料は、非常に強度が高くて硬いのに対し、実施例1で得られた骨モデル表面用材料は、適度な強度を有するものであることがわかる。
【0090】
以上のことから、本発明の骨モデルは、例えば、人体などの切開や切削縫合などの手術のための手技練習用の骨モデルとして好適に使用することができることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有することを特徴とする骨モデル表面用材料。
【請求項2】
シリカ粒子の量がポリビニルアルコール100重量部あたり0.01〜50重量部である請求項1に記載の骨モデル表面用材料。
【請求項3】
平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を−10℃以下の温度に冷却した後、解凍することを特徴とする骨モデル表面用材料の製造方法。
【請求項4】
シリカ粒子の量がポリビニルアルコール100重量部あたり0.01〜50重量部である請求項3に記載の骨モデル表面用材料の製造方法。
【請求項5】
ポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール濃度が1〜40重量%である請求項3または4に記載の骨モデル表面用材料の製造方法。
【請求項6】
骨モデル本体およびその表面上に形成される表面層を有する骨モデルであって、前記表面層が、平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールからなる水性ゲルおよびシリカ粒子を含有する骨モデル表面用材料で形成されていることを特徴とする骨モデル。
【請求項7】
シリカ粒子の量がポリビニルアルコール100重量部あたり0.01〜50重量部である請求項6に記載の骨モデル。
【請求項8】
骨モデル本体がアクリル樹脂またはエポキシ樹脂で形成されてなる請求項6または7に記載の骨モデル。
【請求項9】
骨モデル本体がさらに籾殻粉を含有する請求項6〜8のいずれかに記載の骨モデル。
【請求項10】
平均重合度が300〜3500であり、ケン化度が90モル%以上であるポリビニルアルコールおよびシリカ粒子を含むポリビニルアルコール水溶液を骨モデル本体と接触させた後、−10℃以下の温度に冷却し、次いで解凍することを特徴とする骨モデルの製造方法。
【請求項11】
シリカ粒子の量がポリビニルアルコール100重量部あたり0.01〜50重量部である請求項10に記載の骨モデルの製造方法。
【請求項12】
ポリビニルアルコール水溶液におけるポリビニルアルコール濃度が1〜40重量%である請求項10または11に記載の骨モデルの製造方法。
【請求項13】
骨モデル本体がアクリル樹脂またはエポキシ樹脂で形成されてなる請求項10〜12のいずれかに記載の骨モデルの製造方法。

【公開番号】特開2010−262119(P2010−262119A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112385(P2009−112385)
【出願日】平成21年5月4日(2009.5.4)
【出願人】(508072659)
【Fターム(参考)】