骨固定アセンブリ
【課題】動的に安定させるための骨固定アセンブリが提供される。
【解決手段】骨固定アセンブリは、頭部(4)およびシャンク(3)を有し骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素(2)と、ロッド(8)を収容するための受け部(5)とを備える。ロッド(8)は、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有する。受け部(5)は、2つの自由な脚部(52,53)を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネル(58)を備える。さらに、ロック要素(7)が設けられる。ロック要素(7)は、脚部(52,53)と直接協働してロッド(8)を第1のチャネル(58)に固定する。第1のピン状突起(73)がロック要素(7)に設けられる。第1のピン状突起(73)は、ロック要素(7)を締めたときに、この締められた状態においてロッド(8)の一体構造が阻害されないように、ロッド(8)のうち可撓性のある部分と接触する。
【解決手段】骨固定アセンブリは、頭部(4)およびシャンク(3)を有し骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素(2)と、ロッド(8)を収容するための受け部(5)とを備える。ロッド(8)は、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有する。受け部(5)は、2つの自由な脚部(52,53)を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネル(58)を備える。さらに、ロック要素(7)が設けられる。ロック要素(7)は、脚部(52,53)と直接協働してロッド(8)を第1のチャネル(58)に固定する。第1のピン状突起(73)がロック要素(7)に設けられる。第1のピン状突起(73)は、ロック要素(7)を締めたときに、この締められた状態においてロッド(8)の一体構造が阻害されないように、ロッド(8)のうち可撓性のある部分と接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部およびシャンクを有し骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素と、少なくとも部分的にポリマー材料でできている可撓性のある部分を有するロッドを収容するための受け部とを含む、動的に安定させるための骨固定アセンブリに関する。受け部は、2つの自由な脚部を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネルを備える。さらに、脚部と直接協働してロッドを第1のチャネルに固定するロック要素が設けられる。第1のピン状突起がロック要素に設けられる。この第1のピン状突起は、ロック要素を締めたときにロッドの可撓性のある部分と接触し、この締められた状態においてロッドの一体構造が阻害されないようにする。
【背景技術】
【0002】
エラストマー材料でできた可撓性のあるロッドを備えた骨固定アセンブリは、たとえばEP1759646A1から公知である。ロッドは、クロージャキャップと充填部品とによって受け部に保持される。充填部品は、クロージャキャップが受け部にねじ込まれるとロッドを押圧する。充填部品の表面および受け部の底は円錐形のピンを備える。これら円錐形のピンは、ロッドを押圧し、間接的に形がぴったりと合った接続をもたらすことにより、摩擦接続に寄与してロッドを適所に保持するようにする。間接的なぴったりと合った接続は、ロッドの材料の局所的な弾性変形または塑性変形によって実現される。骨固定要素は、単軸ねじのタイプであり、すなわち受け部およびシャンクが回動可能には接続されていない。
【0003】
可撓性のあるロッドを備えた骨固定アセンブリはさらに、多軸骨固定要素を開示するEP1795134A1から公知である。受け部およびシャンクは回動可能に接続され、圧力要素は、受け部に対するシャンクの角度位置をロックするよう設けられる。ロッドに接触する充填部品の表面および圧力要素の表面にはリブ状突起が備わっており、これらリブ状突起は、可撓性のあるロッドを押圧し、形状をぴったりと合わせることにより、ロッドを受け部に固定することに寄与する。
【0004】
EP1900334A1から、上述のタイプの骨固定アセンブリは公知である。この骨固定アセンブリは、充填部品を備えたクロージャ要素の代わりに1部品からなるクロージャ要素を備える。この1部品からなるクロージャ要素は、受け部の脚部間にねじ込まれる内ねじであり、その下方側に有する環状突起で可撓性のあるロッドを押圧する。受け部のチャネルの底に、リブ状の突起が設けられる。
【0005】
可撓性のあるロッドを用いる上述の骨固定アセンブリは、ロッドをクランプするための係合構造を備える。この係合構造は、鋭い端縁を有し、および/または、安全に固定させるためにロッドのちょうど両側に歯またはリブが配置されている。
【0006】
このような係合構造の場合、ロッド直径が小さければ、ロッドを脆弱にしてしまう危険がある。したがって、公知のアセンブリは、主として、比較的大きな直径、たとえば約9mm以上の直径、を有するロッドと共に用いられる。しかしながら、特に、インプラントが、筋肉、靭帯または他の軟組織によって十分に覆われておらず露出された箇所に配置される場合、サイズの小さい可撓性のあるロッドを用いるタイプの骨固定アセンブリを用いる必要がある。
【0007】
EP2135574A1は、シャンクを備え骨または堆骨に固定される骨固定要素と、ロッドを収容するための受け部とを備えた、動的に安定させるための骨固定アセンブリを開示する。ロッドは少なくとも部分的に可撓性があり、この可撓性のある部分はポリマー材料でできている。ロッドは、少なくとも2つの骨固定要素を接続する。骨固定要素は、2段階でのロッドのクランプを可能にするための、2部品からなるロック装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP1759646A1
【特許文献2】EP1795134A1
【特許文献3】EP1900334A1
【特許文献4】EP2135574A1
【特許文献5】EP2160988
【特許文献6】US2005/0277920A1
【特許文献7】US2006/0122599A1
【特許文献8】EP2116205A1
【特許文献9】US2006/0083603A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、可撓性のあるロッドを用いて動的に安定させるための改善された骨固定アセンブリを提供することであって、この可撓性のあるロッドは、公知の骨固定アセンブリと比べてサイズがより小さく、なおかつ公知の骨固定アセンブリと同程度に安全なロッドの固定をもたらし、かつ、改善された操作性を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の骨固定アセンブリによって解決される。さらなる展開例が従属請求項に記載される。
【0011】
動的に安定させるための骨固定アセンブリであって、頭部およびシャンクを有し、骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素と、ロッドを収容するための受け部とを備え、ロッドは、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有し、受け部は、2つの自由な脚部を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネルを備え、ロック要素は、脚部と直接協働してロッドを第1のチャネルに固定し、第1のピン状突起がロック要素に設けられ、第1のピン状突起は、ロック要素を締めたときに、この締められた状態においてロッドの一体構造が阻害されないように、ロッドのうち可撓性のある部分と接触する。
【0012】
骨固定アセンブリは、たとえば、9mm未満の直径を有する可撓性のあるエラストマーロッドと共に用いることができるという利点を有する。直径の小さなロッドを用いると、特に、受け部も小型化することができる。したがって、周囲の本体材料が被る刺激が小さくなるという利点を有する薄型インプラントが提供される。1部品からなるロック要素により、骨固定アセンブリの有する部品はほんの数個となる。ロッドを1回の工程でクランプすることは容易であり、安全でありかつ有効である、この場合、単一のロック要素をねじ込むのに必要な工具は1つだけでよい。したがって、骨固定アセンブリを容易かつ快適に取扱うことが可能となる。
【0013】
外科医は、ロッドを介して3つ以上の骨固定装置を一列に接続することを所望する場合、これらの骨固定装置が身体のさまざまな高さ位置に装着されていたとしても、管状の延在部により、ロッドを内ねじを介して容易に押下げることができる。ロッドは、依然として、受け部または管状の延在部の脚部間に位置している。
【0014】
ロッドをクランプすることに寄与するピンは球形の先端を有する。このため、これらのピンが構造を引掻くことがないので、ロッドの表面の完全な無傷状態が損なわれることはない。
【0015】
機械的な止め部が設けられる。この機械的な止め部は、圧力を制限することによってロッドの表面にクランプピンが貫通するのを防ぐ。
【0016】
さらなる特徴および利点が、添付の図面により実施例の説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1a】骨固定アセンブリの分解斜視図である。
【図1b】第1の構成である、組立てられた状態の図1aに従った骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図1c】第3の構成である、組立てられた状態の骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図3a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図4a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
骨固定アセンブリは、1つ以上の(図示せず)骨固定装置1とロッド8とを含む。骨固定装置1はロッド8を介して相互に接続可能である。
【0019】
図1aから図4dに図示のとおり、骨固定装置1は、多軸骨ねじの形状である骨固定要素2を含む。骨固定要素2は、一方の端部に骨ねじおよび先端を備えたシャンク3と、反対側の端部に係合構造41を有する頭部4とを有する。骨固定装置1はさらに、受け部5と、圧力要素6と、ロック要素7と、受け部5と一体的に形成される管状の延在部9とを備える。
【0020】
受け部5は実質的に円筒形であり、第1の端部55と、第2の端部56と、第1の端部55から第2の端部56へと延びる同軸ボア57とを備える。この同軸ボア57は、図3aに図示のとおり、骨固定要素2の頭部4が、受け部5の第2の端部56において回動可能に保持されるように、第2の端部56付近の区域で先細になっている。さらに、受け部5は、第1の端部55から第2の端部56の方向に延在するU字型の凹部51を備える。U字型の凹部51により、内ねじ54を備えた2つの自由な脚部52および53が形成される。チャネル58が形成されている。
【0021】
圧力要素6は実質的に円筒形であり、受け部5のボア57内で移動できるような寸法である。圧力要素6は、この圧力要素6自体を通って延在する同軸ボア66を有する。この同軸ボア66は、骨固定要素2を骨にねじ込むためのねじ込み工具がこの同軸ボア66を通るよう誘導することを可能にする。圧力要素6はさらに球形の凹部67を備える。この球形の凹部67は、骨固定要素2の球形の頭部4を収容するよう適合される。さらに、圧力要素6は実質的にU字型の凹部61を備える。この実質的にU字型の凹部61は、その自由端から球形の凹部67の方向に延在する。U字型の凹部61により、2つの自由な脚部62および63が形成される。これら自由な脚部62および63は、ロッド8を収容するためのチャネル68の側壁を形成する。チャネル68の底には、好ましくはチャネル68の両端に位置する2つのピン状突起64、65またはピン64、65が設けられる。これらピン64、65は実質的に円筒形であり、それらの自由端は球形であり、好ましくは半球形である。より具体的には、ピン64および65は球形の自由端を有する長手方向のロッド状ピンである。しかしながら、これらのピン64および65は、記載のとおり最上部分が球形である限り如何なる形状であってもよい。ピン64および65の最上部分は、ロッド8の長手方向軸Rと平行な線上に位置する。
【0022】
特に図3cに図示のとおり、圧力要素6は、ロッド8がチャネル68に挿入され、ピン64および65をロッド8の表面に埋没させたときに、この圧力要素6の脚部62および63がロッド8の表面のわずか上方に延在するような大きさである。圧力要素6の脚部62および63の上方端縁は、ロック要素7の本体のための止め部を形成する。
【0023】
ロック要素7は1部品からなるロック要素であり、内ねじとして形成することができ、外ねじ71と、工具との係合用の係合構造72と、ロッド8を押圧するための同軸ピン73とを備える。ピン73は、好ましくは半球形の自由端を有した円筒形であり、より具体的には、ピン73は、長手方向のロッド状ピンであって球形の自由端を備え、その寸法が、圧力要素6のピン64および65の寸法に実質的に対応している。
【0024】
骨固定要素2、受け部5、圧力要素6、ロック要素7およびさらには管状の延在部9は、たとえば、チタンもしくはステンレス鋼、または別の生体適合性のある材料、たとえばPEEK、などの生体適合性のある材料でできていてもよい。
【0025】
ロッド8は、少なくとも部分的には、可撓性があり生体適合性のある材料、好ましくはプラスチック材料、特にエラストマー材料でできている。このような材料は、たとえば、ポリカーボネート−ポリウレタンまたはポリカーボネート−ウレタン(PCU:polycarbonate-polyurethane or polycarbonate-urethane)に基づき得る。しかしながら、他の材料、たとえばスチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン(SIBS:styrene-block-isobutylene-block-styrene)および他のエラストマーも適用可能である。ロッド8は、全体が単一の材料でできている必要はないが、異なる可撓性および/または剛性を有するいくつかの材料ならびに内部構造および/または部分を有し得る。可撓性のある部分は、受け部5にクランプされるべき部分である。ロッド8の直径は、背骨を安定させるためのロッドであって通常のより小さな直径、特に4.5mm〜9mmの直径、を有するのであれば如何なるものであってもよい。
【0026】
同軸の管状の延在部9は、ロッド8を挿入するためのスロット91と、受け部5の内ねじ54と協働する内ねじ92とを有する。延在部9は低侵襲手術に用いられ、ロック要素7を締めた後に、好ましくは手動で分離させることができる。管状の延在部9を容易に分離させるために、予め定められた破断箇所、すなわち、たとえば受け部5と管状の延在部9との間の溝によって形成される材料脆弱部分をもたらすことができる。
【0027】
使用時に、図2a〜図4dから分かるように、第1に、少なくとも2つの骨固定装置1が隣接する椎骨、たとえば椎弓根、にねじ込まれる。骨固定装置1のうち少なくとも1つは本発明に従って形成される。その後、ロッド8が受け部5に挿入され固定される。ここで、固定手順を図2a〜図4dに関連付けて説明する。図2a、図3aおよび図4aに図示のとおり、第1の構成においては、ロック要素7が管状の延在部9にねじ込まれる。ロッド8は、それが圧力要素6のピン64および65の上に載るかまたはロック要素7のピン73に当たるまで、チャネル68に挿入される。図2b、図2c、図3b、図3c、図4bおよび図4cから分かるように、ロック要素7が管状の延在部9の脚部間と、そして、受け部5の脚部52と53との間とに完全にねじ込まれると、ピン64および65は、ロッド8の材料の局所的な流動性のせいでロッド8が局所的に弾性変形および/または塑性変形することによりこれらピン64および65がロッド8の表面に十分に埋没するまで、ロッド8の表面に押込まれる。ロッド8とのピン64および65の係合は、ロッド8の一体構造が阻害されないようになされる。
【0028】
ロック要素7のピン73も、ロッド8の材料の局所的な流動性のせいでロッド8が局所的に弾性変形および/または塑性変形することにより、ロッド8の表面に十分に埋没する。
【0029】
圧力要素6の上方端縁による機械的な止め部によって、ロック要素7の移動が制限される。
【0030】
ピン64、65および73をねじ込んで十分に埋没させた後、管状の延在部9が、図2cおよび図3cにおいて矢印で示されるように、ロック要素7を締めた後に予め定められた破断箇所で分離される。
【0031】
ピン64、65および73の寸法、特にそれらの高さ、ならびに自由端部分の直径および半径は、ピン64、65および73が上述の止め部によって制限される所与の圧力を受けてロッド8の一体構造を阻害することのないように、設計される。
【0032】
特に図4cおよび図4dから分かるように、ロッド8の長手方向軸に対して垂直な方向に見られるピン固定の配置は、特に安全な3点固定とされる。これはすなわち、クランプ箇所にあるロッド8の一体構造を阻害する恐れのあるロッド8のちょうど両側の位置ではクランプがなされないことを意味する。
【0033】
いくつかの変形例が想到され得る。たとえば、圧力要素のチャネルの底にあるピンの数またはロック要素のピンの数は異なっていてもよい。場合によっては、圧力要素に関しては、3つ以上のピンが有利であり得る。ピンの形状も異なっていてもよい。しかしながら、ピンの高さと最上部の球形部分の半径とは、安全な固定をもたらしつつ、同時に、ロッドの一体構造を阻害することのないように設計されなければならない。
【0034】
上述のピンを有するように変形可能な他のあらゆる種類の公知の多軸骨固定アセンブリが想到され得る。たとえば、多軸ねじは、骨固定具が下方から挿入される場合、いわゆるボトムローダーが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 骨固定装置、2 骨固定要素、3 シャンク、4 頭部、5 受け部、7 ロック要素、8 ロッド、52、53 脚部、58 第1のチャネル、73 第1のピン状突起。
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部およびシャンクを有し骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素と、少なくとも部分的にポリマー材料でできている可撓性のある部分を有するロッドを収容するための受け部とを含む、動的に安定させるための骨固定アセンブリに関する。受け部は、2つの自由な脚部を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネルを備える。さらに、脚部と直接協働してロッドを第1のチャネルに固定するロック要素が設けられる。第1のピン状突起がロック要素に設けられる。この第1のピン状突起は、ロック要素を締めたときにロッドの可撓性のある部分と接触し、この締められた状態においてロッドの一体構造が阻害されないようにする。
【背景技術】
【0002】
エラストマー材料でできた可撓性のあるロッドを備えた骨固定アセンブリは、たとえばEP1759646A1から公知である。ロッドは、クロージャキャップと充填部品とによって受け部に保持される。充填部品は、クロージャキャップが受け部にねじ込まれるとロッドを押圧する。充填部品の表面および受け部の底は円錐形のピンを備える。これら円錐形のピンは、ロッドを押圧し、間接的に形がぴったりと合った接続をもたらすことにより、摩擦接続に寄与してロッドを適所に保持するようにする。間接的なぴったりと合った接続は、ロッドの材料の局所的な弾性変形または塑性変形によって実現される。骨固定要素は、単軸ねじのタイプであり、すなわち受け部およびシャンクが回動可能には接続されていない。
【0003】
可撓性のあるロッドを備えた骨固定アセンブリはさらに、多軸骨固定要素を開示するEP1795134A1から公知である。受け部およびシャンクは回動可能に接続され、圧力要素は、受け部に対するシャンクの角度位置をロックするよう設けられる。ロッドに接触する充填部品の表面および圧力要素の表面にはリブ状突起が備わっており、これらリブ状突起は、可撓性のあるロッドを押圧し、形状をぴったりと合わせることにより、ロッドを受け部に固定することに寄与する。
【0004】
EP1900334A1から、上述のタイプの骨固定アセンブリは公知である。この骨固定アセンブリは、充填部品を備えたクロージャ要素の代わりに1部品からなるクロージャ要素を備える。この1部品からなるクロージャ要素は、受け部の脚部間にねじ込まれる内ねじであり、その下方側に有する環状突起で可撓性のあるロッドを押圧する。受け部のチャネルの底に、リブ状の突起が設けられる。
【0005】
可撓性のあるロッドを用いる上述の骨固定アセンブリは、ロッドをクランプするための係合構造を備える。この係合構造は、鋭い端縁を有し、および/または、安全に固定させるためにロッドのちょうど両側に歯またはリブが配置されている。
【0006】
このような係合構造の場合、ロッド直径が小さければ、ロッドを脆弱にしてしまう危険がある。したがって、公知のアセンブリは、主として、比較的大きな直径、たとえば約9mm以上の直径、を有するロッドと共に用いられる。しかしながら、特に、インプラントが、筋肉、靭帯または他の軟組織によって十分に覆われておらず露出された箇所に配置される場合、サイズの小さい可撓性のあるロッドを用いるタイプの骨固定アセンブリを用いる必要がある。
【0007】
EP2135574A1は、シャンクを備え骨または堆骨に固定される骨固定要素と、ロッドを収容するための受け部とを備えた、動的に安定させるための骨固定アセンブリを開示する。ロッドは少なくとも部分的に可撓性があり、この可撓性のある部分はポリマー材料でできている。ロッドは、少なくとも2つの骨固定要素を接続する。骨固定要素は、2段階でのロッドのクランプを可能にするための、2部品からなるロック装置を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP1759646A1
【特許文献2】EP1795134A1
【特許文献3】EP1900334A1
【特許文献4】EP2135574A1
【特許文献5】EP2160988
【特許文献6】US2005/0277920A1
【特許文献7】US2006/0122599A1
【特許文献8】EP2116205A1
【特許文献9】US2006/0083603A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、可撓性のあるロッドを用いて動的に安定させるための改善された骨固定アセンブリを提供することであって、この可撓性のあるロッドは、公知の骨固定アセンブリと比べてサイズがより小さく、なおかつ公知の骨固定アセンブリと同程度に安全なロッドの固定をもたらし、かつ、改善された操作性を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載の骨固定アセンブリによって解決される。さらなる展開例が従属請求項に記載される。
【0011】
動的に安定させるための骨固定アセンブリであって、頭部およびシャンクを有し、骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素と、ロッドを収容するための受け部とを備え、ロッドは、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有し、受け部は、2つの自由な脚部を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネルを備え、ロック要素は、脚部と直接協働してロッドを第1のチャネルに固定し、第1のピン状突起がロック要素に設けられ、第1のピン状突起は、ロック要素を締めたときに、この締められた状態においてロッドの一体構造が阻害されないように、ロッドのうち可撓性のある部分と接触する。
【0012】
骨固定アセンブリは、たとえば、9mm未満の直径を有する可撓性のあるエラストマーロッドと共に用いることができるという利点を有する。直径の小さなロッドを用いると、特に、受け部も小型化することができる。したがって、周囲の本体材料が被る刺激が小さくなるという利点を有する薄型インプラントが提供される。1部品からなるロック要素により、骨固定アセンブリの有する部品はほんの数個となる。ロッドを1回の工程でクランプすることは容易であり、安全でありかつ有効である、この場合、単一のロック要素をねじ込むのに必要な工具は1つだけでよい。したがって、骨固定アセンブリを容易かつ快適に取扱うことが可能となる。
【0013】
外科医は、ロッドを介して3つ以上の骨固定装置を一列に接続することを所望する場合、これらの骨固定装置が身体のさまざまな高さ位置に装着されていたとしても、管状の延在部により、ロッドを内ねじを介して容易に押下げることができる。ロッドは、依然として、受け部または管状の延在部の脚部間に位置している。
【0014】
ロッドをクランプすることに寄与するピンは球形の先端を有する。このため、これらのピンが構造を引掻くことがないので、ロッドの表面の完全な無傷状態が損なわれることはない。
【0015】
機械的な止め部が設けられる。この機械的な止め部は、圧力を制限することによってロッドの表面にクランプピンが貫通するのを防ぐ。
【0016】
さらなる特徴および利点が、添付の図面により実施例の説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1a】骨固定アセンブリの分解斜視図である。
【図1b】第1の構成である、組立てられた状態の図1aに従った骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図1c】第3の構成である、組立てられた状態の骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図2d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す斜視図である。
【図3a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図3d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す第1の断面図である。
【図4a】第1の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4b】第2の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4c】第3の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【図4d】第4の構成である骨固定アセンブリを示す第2の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
骨固定アセンブリは、1つ以上の(図示せず)骨固定装置1とロッド8とを含む。骨固定装置1はロッド8を介して相互に接続可能である。
【0019】
図1aから図4dに図示のとおり、骨固定装置1は、多軸骨ねじの形状である骨固定要素2を含む。骨固定要素2は、一方の端部に骨ねじおよび先端を備えたシャンク3と、反対側の端部に係合構造41を有する頭部4とを有する。骨固定装置1はさらに、受け部5と、圧力要素6と、ロック要素7と、受け部5と一体的に形成される管状の延在部9とを備える。
【0020】
受け部5は実質的に円筒形であり、第1の端部55と、第2の端部56と、第1の端部55から第2の端部56へと延びる同軸ボア57とを備える。この同軸ボア57は、図3aに図示のとおり、骨固定要素2の頭部4が、受け部5の第2の端部56において回動可能に保持されるように、第2の端部56付近の区域で先細になっている。さらに、受け部5は、第1の端部55から第2の端部56の方向に延在するU字型の凹部51を備える。U字型の凹部51により、内ねじ54を備えた2つの自由な脚部52および53が形成される。チャネル58が形成されている。
【0021】
圧力要素6は実質的に円筒形であり、受け部5のボア57内で移動できるような寸法である。圧力要素6は、この圧力要素6自体を通って延在する同軸ボア66を有する。この同軸ボア66は、骨固定要素2を骨にねじ込むためのねじ込み工具がこの同軸ボア66を通るよう誘導することを可能にする。圧力要素6はさらに球形の凹部67を備える。この球形の凹部67は、骨固定要素2の球形の頭部4を収容するよう適合される。さらに、圧力要素6は実質的にU字型の凹部61を備える。この実質的にU字型の凹部61は、その自由端から球形の凹部67の方向に延在する。U字型の凹部61により、2つの自由な脚部62および63が形成される。これら自由な脚部62および63は、ロッド8を収容するためのチャネル68の側壁を形成する。チャネル68の底には、好ましくはチャネル68の両端に位置する2つのピン状突起64、65またはピン64、65が設けられる。これらピン64、65は実質的に円筒形であり、それらの自由端は球形であり、好ましくは半球形である。より具体的には、ピン64および65は球形の自由端を有する長手方向のロッド状ピンである。しかしながら、これらのピン64および65は、記載のとおり最上部分が球形である限り如何なる形状であってもよい。ピン64および65の最上部分は、ロッド8の長手方向軸Rと平行な線上に位置する。
【0022】
特に図3cに図示のとおり、圧力要素6は、ロッド8がチャネル68に挿入され、ピン64および65をロッド8の表面に埋没させたときに、この圧力要素6の脚部62および63がロッド8の表面のわずか上方に延在するような大きさである。圧力要素6の脚部62および63の上方端縁は、ロック要素7の本体のための止め部を形成する。
【0023】
ロック要素7は1部品からなるロック要素であり、内ねじとして形成することができ、外ねじ71と、工具との係合用の係合構造72と、ロッド8を押圧するための同軸ピン73とを備える。ピン73は、好ましくは半球形の自由端を有した円筒形であり、より具体的には、ピン73は、長手方向のロッド状ピンであって球形の自由端を備え、その寸法が、圧力要素6のピン64および65の寸法に実質的に対応している。
【0024】
骨固定要素2、受け部5、圧力要素6、ロック要素7およびさらには管状の延在部9は、たとえば、チタンもしくはステンレス鋼、または別の生体適合性のある材料、たとえばPEEK、などの生体適合性のある材料でできていてもよい。
【0025】
ロッド8は、少なくとも部分的には、可撓性があり生体適合性のある材料、好ましくはプラスチック材料、特にエラストマー材料でできている。このような材料は、たとえば、ポリカーボネート−ポリウレタンまたはポリカーボネート−ウレタン(PCU:polycarbonate-polyurethane or polycarbonate-urethane)に基づき得る。しかしながら、他の材料、たとえばスチレン−ブロック−イソブチレン−ブロック−スチレン(SIBS:styrene-block-isobutylene-block-styrene)および他のエラストマーも適用可能である。ロッド8は、全体が単一の材料でできている必要はないが、異なる可撓性および/または剛性を有するいくつかの材料ならびに内部構造および/または部分を有し得る。可撓性のある部分は、受け部5にクランプされるべき部分である。ロッド8の直径は、背骨を安定させるためのロッドであって通常のより小さな直径、特に4.5mm〜9mmの直径、を有するのであれば如何なるものであってもよい。
【0026】
同軸の管状の延在部9は、ロッド8を挿入するためのスロット91と、受け部5の内ねじ54と協働する内ねじ92とを有する。延在部9は低侵襲手術に用いられ、ロック要素7を締めた後に、好ましくは手動で分離させることができる。管状の延在部9を容易に分離させるために、予め定められた破断箇所、すなわち、たとえば受け部5と管状の延在部9との間の溝によって形成される材料脆弱部分をもたらすことができる。
【0027】
使用時に、図2a〜図4dから分かるように、第1に、少なくとも2つの骨固定装置1が隣接する椎骨、たとえば椎弓根、にねじ込まれる。骨固定装置1のうち少なくとも1つは本発明に従って形成される。その後、ロッド8が受け部5に挿入され固定される。ここで、固定手順を図2a〜図4dに関連付けて説明する。図2a、図3aおよび図4aに図示のとおり、第1の構成においては、ロック要素7が管状の延在部9にねじ込まれる。ロッド8は、それが圧力要素6のピン64および65の上に載るかまたはロック要素7のピン73に当たるまで、チャネル68に挿入される。図2b、図2c、図3b、図3c、図4bおよび図4cから分かるように、ロック要素7が管状の延在部9の脚部間と、そして、受け部5の脚部52と53との間とに完全にねじ込まれると、ピン64および65は、ロッド8の材料の局所的な流動性のせいでロッド8が局所的に弾性変形および/または塑性変形することによりこれらピン64および65がロッド8の表面に十分に埋没するまで、ロッド8の表面に押込まれる。ロッド8とのピン64および65の係合は、ロッド8の一体構造が阻害されないようになされる。
【0028】
ロック要素7のピン73も、ロッド8の材料の局所的な流動性のせいでロッド8が局所的に弾性変形および/または塑性変形することにより、ロッド8の表面に十分に埋没する。
【0029】
圧力要素6の上方端縁による機械的な止め部によって、ロック要素7の移動が制限される。
【0030】
ピン64、65および73をねじ込んで十分に埋没させた後、管状の延在部9が、図2cおよび図3cにおいて矢印で示されるように、ロック要素7を締めた後に予め定められた破断箇所で分離される。
【0031】
ピン64、65および73の寸法、特にそれらの高さ、ならびに自由端部分の直径および半径は、ピン64、65および73が上述の止め部によって制限される所与の圧力を受けてロッド8の一体構造を阻害することのないように、設計される。
【0032】
特に図4cおよび図4dから分かるように、ロッド8の長手方向軸に対して垂直な方向に見られるピン固定の配置は、特に安全な3点固定とされる。これはすなわち、クランプ箇所にあるロッド8の一体構造を阻害する恐れのあるロッド8のちょうど両側の位置ではクランプがなされないことを意味する。
【0033】
いくつかの変形例が想到され得る。たとえば、圧力要素のチャネルの底にあるピンの数またはロック要素のピンの数は異なっていてもよい。場合によっては、圧力要素に関しては、3つ以上のピンが有利であり得る。ピンの形状も異なっていてもよい。しかしながら、ピンの高さと最上部の球形部分の半径とは、安全な固定をもたらしつつ、同時に、ロッドの一体構造を阻害することのないように設計されなければならない。
【0034】
上述のピンを有するように変形可能な他のあらゆる種類の公知の多軸骨固定アセンブリが想到され得る。たとえば、多軸ねじは、骨固定具が下方から挿入される場合、いわゆるボトムローダーが用いられてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 骨固定装置、2 骨固定要素、3 シャンク、4 頭部、5 受け部、7 ロック要素、8 ロッド、52、53 脚部、58 第1のチャネル、73 第1のピン状突起。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的に安定させるための骨固定アセンブリであって、
頭部(4)およびシャンク(3)を有し、骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素(2)と、
ロッド(8)を収容するための受け部(5)とを備え、
ロッド(8)は、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有し、
受け部(5)は、2つの自由な脚部(52,53)を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネル(58)を備え、
ロック要素(7)は、脚部(52,53)と直接協働してロッド(8)を第1のチャネル(58)に固定し、
第1のピン状突起(73)がロック要素(7)に設けられ、前記第1のピン状突起(73)は、ロック要素(7)を締めたときに、この締められた状態においてロッド(8)の一体構造が阻害されないように、ロッド(8)のうち可撓性のある部分と接触する、骨固定アセンブリ。
【請求項2】
骨固定要素(2)および受け部(5)が回動可能に接続される、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項3】
圧力要素(6)が設けられ、前記圧力要素(6)は、骨固定要素(2)の頭部(4)に圧力を加えて、受け部(5)に対する骨固定要素(2)の角度位置を固定する、請求項1または2に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項4】
圧力要素(6)は、ほぼU字型の断面を備えた第2のチャネル(68)を含む、請求項3に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項5】
ロック要素(7)を締めたときにロッド(8)と接触する少なくとも1つの第2のピン状突起(64,65)が第2のチャネル(68)に設けられる、請求項4に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項6】
第1および第2のピン状突起(73,64,65)は長手方向のロッド状ピンであり、ロッド(8)と接触する第1および第2のピン状突起(73,64,65)の表面は球形である、請求項5に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項7】
複数の第2のピン状突起(64,65)が第2のチャネル(68)の底に配置される、請求項5または6に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項8】
第2のピン状突起(64,65)は、ロッド(8)の長手方向軸(R)と平行な線に沿って配置される、請求項7に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項9】
ロック要素(7)は、受け部(5)の脚部(52,53)に係合する外ねじ(71)を備えたねじである、請求項1から8のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項10】
第2のピン状突起(64,65)は、第2のチャネル(68)の外側両端部に設けられる、請求項7から9のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項11】
ロック要素(7)が受け部(5)に挿入されるのを制限する止め部が設けられる、請求項1から10のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項12】
2つの第2のピン状突起(64,65)が、3点固定が実現されるような態様で、第1のピン状突起(73)に対して軸がずらされて設けられる、請求項7から11のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項13】
受け部(5)と一体的に形成される管状の延在部(9)が設けられる、請求項1から12のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項14】
管状の延在部(9)は、好ましくは予め定められた破断箇所により受け部(5)から分離させることができる、請求項13に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項15】
ロッド(8)は、少なくとも部分的にエラストマー材料でできている、請求項1から14のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項16】
ロック要素(7)は1部品からなるロック要素である、請求項1から15のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項1】
動的に安定させるための骨固定アセンブリであって、
頭部(4)およびシャンク(3)を有し、骨または堆骨に固定されるべき骨固定要素(2)と、
ロッド(8)を収容するための受け部(5)とを備え、
ロッド(8)は、少なくとも部分的にポリマー材料でできた可撓性のある部分を有し、
受け部(5)は、2つの自由な脚部(52,53)を備えたほぼU字型の断面を有する第1のチャネル(58)を備え、
ロック要素(7)は、脚部(52,53)と直接協働してロッド(8)を第1のチャネル(58)に固定し、
第1のピン状突起(73)がロック要素(7)に設けられ、前記第1のピン状突起(73)は、ロック要素(7)を締めたときに、この締められた状態においてロッド(8)の一体構造が阻害されないように、ロッド(8)のうち可撓性のある部分と接触する、骨固定アセンブリ。
【請求項2】
骨固定要素(2)および受け部(5)が回動可能に接続される、請求項1に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項3】
圧力要素(6)が設けられ、前記圧力要素(6)は、骨固定要素(2)の頭部(4)に圧力を加えて、受け部(5)に対する骨固定要素(2)の角度位置を固定する、請求項1または2に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項4】
圧力要素(6)は、ほぼU字型の断面を備えた第2のチャネル(68)を含む、請求項3に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項5】
ロック要素(7)を締めたときにロッド(8)と接触する少なくとも1つの第2のピン状突起(64,65)が第2のチャネル(68)に設けられる、請求項4に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項6】
第1および第2のピン状突起(73,64,65)は長手方向のロッド状ピンであり、ロッド(8)と接触する第1および第2のピン状突起(73,64,65)の表面は球形である、請求項5に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項7】
複数の第2のピン状突起(64,65)が第2のチャネル(68)の底に配置される、請求項5または6に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項8】
第2のピン状突起(64,65)は、ロッド(8)の長手方向軸(R)と平行な線に沿って配置される、請求項7に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項9】
ロック要素(7)は、受け部(5)の脚部(52,53)に係合する外ねじ(71)を備えたねじである、請求項1から8のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項10】
第2のピン状突起(64,65)は、第2のチャネル(68)の外側両端部に設けられる、請求項7から9のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項11】
ロック要素(7)が受け部(5)に挿入されるのを制限する止め部が設けられる、請求項1から10のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項12】
2つの第2のピン状突起(64,65)が、3点固定が実現されるような態様で、第1のピン状突起(73)に対して軸がずらされて設けられる、請求項7から11のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項13】
受け部(5)と一体的に形成される管状の延在部(9)が設けられる、請求項1から12のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項14】
管状の延在部(9)は、好ましくは予め定められた破断箇所により受け部(5)から分離させることができる、請求項13に記載の骨固定アセンブリ。
【請求項15】
ロッド(8)は、少なくとも部分的にエラストマー材料でできている、請求項1から14のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【請求項16】
ロック要素(7)は1部品からなるロック要素である、請求項1から15のいずれかに記載の骨固定アセンブリ。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図2d】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【公開番号】特開2013−70998(P2013−70998A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−210747(P2012−210747)
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月25日(2012.9.25)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
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